JP5247832B2 - 可動結合体の製造方法 - Google Patents
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また、インサート成形技法を用いてセラミック複合体を作製する技術に関しても、複合されるそれぞれの要素が互いに緊密に一体化した複合体が得られることに止まっており、これらの要素を相互に可動させることについての報告例はない。
また、請求項2の発明において、セラミック粉末−樹脂バインダのコンパウンドにより、回転対称な球状表面を有して形成された第1部材の表面に、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂より成る均一な厚さの外覆材を被覆する工程と、前記第1部材よりも直径の小さい開口を有する2つの分離型を前記第1部材を挟むように対向配置して、外覆材の少なくとも一部が露出するようにしたキャビティを形成する工程と、前記キャビティに、前記第1部材と同一のセラミック粉末−樹脂バインダのコンパウンドを、該樹脂バインダの溶融温度よりも高温で混練した流動体を充填する工程と、前記流動体を固化させて、前記第1部材と反対形状の表面を有する第2部材にする工程と、前記第1部材、外覆材及び第2部材の一体化物を取り出す工程と、前記一体化物を焼結して、第1部材と第2部材に含まれる樹脂バインダ及び外覆材を熱分解気化して除去することにより、前記一体化物が全体的に収縮し、前記外覆材の存在していた部分が、焼結後の第1部材と第2部材との隙間となり、前記第1部材は、第2部材のアンダーカット形状に、回転可能に係止され、第1部材に対し第2部材が可動できるように結合させる工程とを含むことを特徴とする可動結合体の製造方法が提供される。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1〜図3に示すように、第1実施形態における可動結合体10(図3(G))の製造方法は、第1部材11aの表面の少なくとも一部に外覆材13を設ける工程(図1(A))と、外覆材13の設けられた部分をキャビティ23に内包させる工程(図1(B))と、キャビティ23に流動体15を充填する工程(図1(C))と、この流動体15を固化させて第2部材12aにする工程(図2(D))と、第1部材11a、外覆材13及び第2部材12aの一体化物10aを取り出す工程(図2(E))と、前記一体化物を焼結することにより、第1部材11aと第2部材12aに含まれる樹脂バインダ及び外覆材13を熱分解気化して除去し、第1部材11に対し第2部材12が可動できるように、前記第1部材11と第2部材12とを結合させる工程(図3(F))と、を含んでいる。
押出機25は、セラミックス粉末と樹脂バインダとのコンパウンドをこの樹脂バインダの溶融温度よりも高温で混練した流動体15を供給する。この流動体15は、この押出機25に連通するゲート24を経由してキャビティ23に充填されると、第1型21及び第2型22で冷却されて固化し、第2部材12aとなる。
これにより、一体化物10aは全体的に収縮し、外覆材13の存在していた部分が、図3に示すように、焼結後の第1部材11と第2部材12との隙間13aとなり、前記第1部材11は、第2部材12のアンダーカット形状に、回転可能に係止されることになる。
焼結前の第1部材11aは、流動体15と同じ組成のセラミックス粉末−樹脂バインダのコンパウンドで形成されることが望ましい。第1部材11aと第2部材12aにおいて焼結後の収縮率が等しいことが望ましいからである。
また、焼結前の第1部材11aの作製は、専用の型(図示略)により成形装置20を用いて別工程で射出成形してもよいし、バルク材から削りだしてもよい。
例えば、前記したような樹脂が溶媒中に微細に分散したエマルジョンを第1部材11の表面に塗布し、溶媒を揮発させて被覆膜を形成する方法がある。
または熱や光等のエネルギーを付与すると重合反応する低分子量樹脂を第1部材11の表面に塗布し、そのような重合反応を起こして被覆膜を形成する方法がある。
図4〜図5に示すように、第2実施形態における可動結合体10(図5(D))の製造方法は、第1部材11bの少なくとも一部が露出するように、複数の分離型27(27a,27b,27c,27d)を組み合わせてキャビティ23を形成している。
そして、図5(C)に示すように、充分に冷却した後に、分離型27を取り外すことによって、第1部材11b、外覆材13及び第2部材12bの一体化物10bが取り出される。
このように、回転対称な球状表面を有する第1部材11とは反対形状の表面を有する第2部材12が形成される。このために、球面形状の第1部材11は、第2部材12のアンダーカット形状に、回転可能に係止されることになる。
実施形態において、第1部材11及び第2部材12の構成材料は、セラミックス粉末と樹脂バインダのコンパウンドを焼成したセラミック焼結体であることを例示した。その他に、金属粉末(例えば、鉄粉)と樹脂バインダのコンパウンドを焼成した金属焼結体とすることも可能である。また、製造工程は、射出成形機によるインサート成形によるものを例示したが、第2部材12の成形に型を使用する成形方法であれば適宜使用することができる。
セラミック粉末−樹脂バインダのコンパウンド(東ソー株式会社製の(商品名)「PXA−211P」)を用いて、係合部16(φ13.8mm、高さ1.3mm)、軸部17(φ11.8mm、高さ11.9mm)の第1部材11aを成形する。
この外覆材13の形成された第1部材11aの一端を第1型21に固定し、第2型22を閉じて形成されるキャビティ(φ18.74mm、深さ14.64mm)に、140℃〜190℃で溶融させた前記コンパウンドを射出する。
Claims (2)
- セラミック粉末−樹脂バインダのコンパウンドにより、回転対称形の径大円柱形の係合部と、該係合部よりも縮径した回転対称形の円柱形の軸部とを備えて形成された第1部材の表面に、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂より成る均一な厚さの外覆材を被覆する工程と、
前記第1部材の固定部を第1型に固定すると共に、第2型を型合わせすることにより、前記外覆材を被覆した部分をキャビティに内包させる工程と、
前記キャビティに、前記第1部材と同一のセラミック粉末−樹脂バインダのコンパウンドを、該樹脂バインダの溶融温度よりも高温で混練した流動体を充填する工程と、
前記流動体を固化させて、前記第1部材の係合部と軸部の反対形状の形状を形成する第2部材にする工程と、
前記第1部材、外覆材及び第2部材の一体化物を取り出す工程と、
前記一体化物を焼結して、第1部材と第2部材に含まれる樹脂バインダ及び外覆材を熱分解気化して除去することにより、前記一体化物が全体的に収縮し、前記外覆材の存在していた部分が、焼結後の第1部材と第2部材との隙間となり、前記第1部材は、第2部材のアンダーカット形状に、回転可能に係止され、第1部材に対し第2部材が可動できるように結合させる工程とを含むことを特徴とする可動結合体の製造方法。 - セラミック粉末−樹脂バインダのコンパウンドにより、回転対称な球状表面を有して形成された第1部材の表面に、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂より成る均一な厚さの外覆材を被覆する工程と、
前記第1部材よりも直径の小さい開口を有する2つの分離型を前記第1部材を挟むように対向配置して、外覆材の少なくとも一部が露出するようにしたキャビティを形成する工程と、
前記キャビティに、前記第1部材と同一のセラミック粉末−樹脂バインダのコンパウンドを、該樹脂バインダの溶融温度よりも高温で混練した流動体を充填する工程と、
前記流動体を固化させて、前記第1部材と反対形状の表面を有する第2部材にする工程と、
前記第1部材、外覆材及び第2部材の一体化物を取り出す工程と、
前記一体化物を焼結して、第1部材と第2部材に含まれる樹脂バインダ及び外覆材を熱分解気化して除去することにより、前記一体化物が全体的に収縮し、前記外覆材の存在していた部分が、焼結後の第1部材と第2部材との隙間となり、前記第1部材は、第2部材のアンダーカット形状に、回転可能に係止され、第1部材に対し第2部材が可動できるように結合させる工程とを含むことを特徴とする可動結合体の製造方法。
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