JP5246881B2 - カプセル状ルツボ - Google Patents

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Description

本発明は、核医学、放射性医薬品製造、放射性物質製造、加速器工学に係り、より詳細には、加速器を用いて、特に放射性医薬品の標識に用いる短〜中寿命の放射性核種を製造するに際し、照射する固体ターゲット物質を保持するカプセル状ルツボに関する。
従来、固体ターゲットを用いて放射性核種の製造を行うに際して、特に荷電粒子ビームの被照射体となる固体ターゲットの物質が低融点であったり、昇華性があったりする場合、荷電粒子ビームの照射による発熱に起因する機器の損耗を抑制するため、当該機器の冷却効率を高める必要がある。
具体的な対応としては、固体ターゲット(以下、ターゲットと称す)を薄層状に調製し、ターゲット内部の発熱を減少させる方法や、冷却媒体(ヘリウム、空気、水など)をターゲットに直接接触させ、除熱効率を高める方法が採られている。
Kondo, K. (1977) Int. J. Appl. Radiat. Isot. 28, 765-771; Gelbart, W.Z. (1997) Proceedings of the 7th international workshop on targetry and target chemistry. 190-194
しかしながら、これらの方法は、ターゲットの融解を未然に防ぐ手段であり、融解に対する補償は図られていない。また、ターゲットの融解は起きないにせよ、生成した核種が冷却媒体中へ漏出する例も報告されており、汚染防止の観点から優れた照射方法であるとは言い難い。
このような背景により、照射すべきターゲット物質をカプセル状に密封して照射する方法がいくつか報告されている。
これら手段では、ターゲットを樹脂または金属薄膜等で密封し、ターゲットの融解を許容し、また、強力な冷却に対する耐性を実現している。
ところが、ビームを照射するだけでは放射性核種の製造は完結せず、生成する目的核種を照射に用いたカプセルから取り出し、活用することで始めて目的が完遂する。従って、カプセル内部のターゲット物質を、照射したカプセルを分解する等して何らかの手段で開放状態にする必要がある。この際、カプセルが堅固に調製されるほど、自動的・遠隔的な解体が難しくなり、その結果、手作業が発生することとなる。
照射後のカプセル内部には、大量の放射能が存在し、また、解体作業の時間がかかるほど、作業者の受ける被ばく線量が増加する危険がある。固体ターゲットへの照射及びそこで製造する放射性核種の回収は、扱う物質に流動性が期待できないために自動化が難しく、上記のような手作業を含む理想的とは言い難い製造方法を強いられている。
本発明は上記実状に鑑み、固体、液体等のターゲットを密封して保持でき、荷電粒子ビームの照射中の発熱による態の変化に対する補償があり、かつ、密封構造を破らなくても、容易に内部に生成した放射性核種を回収でき、自動かつ遠隔的に生成核種を高効率で回収可能なカプセル状ルツボの提供を目的とする。
上記目的を達成すべく、本発明に関わるカプセル状ルツボは、ターゲットに荷電粒子ビームを照射して放射性核種を製造するためのカプセル状ルツボであって、前記ターゲットを集積させて収容する収容部が形成される保持容器を備え、前記保持容器は、前記収容したターゲットより上の位置の側面壁に、荷電粒子ビームを照射した際に通気孔となるとともに、生成した放射性核種を取り出すための取り出し小孔が形成され、前記ターゲットを収容した保持容器の上部の開口部を覆うとともに荷電粒子ビームを透過させる箔をさらに備えている。
本発明によれば、固体、液体等のターゲットを密封して保持でき、荷電粒子ビームの照射中の発熱による態の変化に対する補償があり、かつ、密封構造を破らなくても、容易に内部に生成した放射性核種を回収でき、自動かつ遠隔的に生成核種を高効率で回収可能なカプセル状ルツボを実現できる。
本発明に係る実施形態のカプセル状ルツボ内の固体ターゲットを、荷電粒子ビームを照射する状態にセットした様子を示す鉛直方向の縦断面図である。 (a)は、実施形態のカプセル状ルツボの組み付け前の状態を示す分解図であり、(b)は、カプセル状ルツボを分解した状態を示す分解図である。 (a)は、ルツボを示す上面図であり、(b)は、(a)のA−A線断面図であり、(c)は、ルツボを示す下面図である。 (a)は、フォイルを示す上面図であり、(b)は、フォイルを示す側面図である。 (a)は、フォイル押さえリングを示す上面図であり、(b)は、(a)のC−C線断面図である。 (a)は、飛散防止リングを示す上面図であり、(b)は、(a)のD−D線断面図であり、(c)は、(a)のE−E線断面図である。 カプセル状ルツボの調製が完了した状態を示す縦断面図である。 カプセル状ルツボの周囲に飛散防止リングを載置した状態を示す縦断面図である。 変形形態のルツボを示す斜視図である。
<発明の経緯>
発明者は、固体ターゲットを用いて放射性核種の製造を行うに際して、自動化を最優先とし、容易に取り外し可能な固体ターゲットを収容するルツボと、容易に取り外し可能な薄膜製の蓋という組み合わせで製造を試みた。
しかし、ターゲット物質及び生成した放射性核種が揮発性及び昇華性を有する場合、例えば二酸化テルルからヨウ素-124を製造する際、照射電流強度が上昇するに従って、ルツボ内部に固体ターゲット物質及び生成した放射性核種を完全に留めておくことの難しさが判明した。
具体的には、約5μAを超える電流値での製造から上述の問題が発生し、約20mAの照射では、約半分程度の放射能(放射性物質)、即ちヨウ素-124と、準備した二酸化テルルの重量の1割程度の二酸化テルルが、薄膜製の蓋側へ分布した。発明者が自動化した装置はルツボの取り扱いのみに特化して設計されており、薄膜製の蓋に対する取扱いはできない。その結果、薄膜製の蓋に分配した放射能(放射性物質)が無駄になってしまう問題、具体的には、放射性核種の大量製造のために大電流で照射したものの、製造した放射性核種の量に対して、回収・利用できる量の比が5割程度の低効率になってしまう問題が生じた。
このような経緯から、発明者は、
第1点として、特に低融点、昇華性のある固体ターゲットを照射する際、融解及び昇華が問題にならないターゲット保持構造、
第2点として、薄層状に固体ターゲットを、調製をする必要がないターゲット保持構造、
第3点として、照射後の固体ターゲットおよび生成した放射性核種が収容されたカプセル状(ルツボに蓋をしたもの)の密封状態を開放することなく、生成した放射性核種を回収できるターゲット保持構造、
第4点として、固体ターゲットが収容されたカプセル状の密封状態(ルツボに蓋をした状態)を開放することなく、繰り返して放射性核種の製造に利用できるターゲット保持構造、
以上の4点の特徴を有する固体ターゲットの利用を主としたターゲット保持構造を発明した。
以下、本発明の実施形態のターゲット保持構造について添付図面を参照して説明する。<実施形態>
図1は、本発明に係る実施形態のカプセル状ルツボR(ターゲット保持構造)内の固体ターゲットtを、荷電粒子ビームを照射する状態にセットした様子を示す鉛直方向の縦断面図である。
図2(a)は、図1に示すカプセル状ルツボRの組み付け前の状態を示す分解図であり、図2(b)は、カプセル状ルツボRを分解した状態を示す分解図である。
<全体構成>
実施形態のターゲット保持構造のカプセル状ルツボR内には、固体ターゲットtとして、例えば、二酸化テルル(TeO2)が収容されており、カプセル状ルツボR内の二酸化テルル(TeO2)に対して、サイクロトロン等の粒子加速器から垂直照射装置(図示せず)を介して、上方から荷電粒子ビームを照射し、放射性核種のヨウ素-124を製造する。
図2に示すように、カプセル状ルツボRは、ルツボ1とフォイル2とフォイル押さえリング3とを有し構成される。
具体的には、図1に示すように、二酸化テルル(TeO2)(固体ターゲットt)が収容されたカプセル状ルツボRが、ターゲットボックス14に固定されるルツボ固定円板11の略円板状の被係止部11kに係止され、ターゲットボックス14上にセットされる。そして、ターゲットフランジ12(図2(a)参照)を、ルツボ固定円板11の上に載置されたカプセル状ルツボRの上に載置し抑え、垂直照射装置(図示せず)を用いて、上方から荷電粒子ビームをカプセル状ルツボR内の二酸化テルル(TeO2)(固体ターゲットt)に照射し、核反応を起こし放射性核種のヨウ素-124を製造する。
なお、荷電粒子ビームの照射中、カプセル状ルツボRの上方には、−10℃の冷却用のヘリウムガスが流され、荷電粒子ビームの照射で高温となるカプセル状ルツボRを冷却している。また、ターゲットボックス14内には、冷却水wが通流され、カプセル状ルツボRを下方から冷却している。
図2(a)に示すように、カプセル状ルツボRがセットされるターゲットボックス14は、ロボットのチャックで被把持部14hを把持し易いように、ステンレス製の短円柱様の外形状を有しており、冷却水wが供給される通水流路14r1が形成された入水ボス14iと、冷却水wが排出される通水流路14r3が形成された排水ボス14oとが固設されている。
これにより、図1に示すように、ターゲットボックス14の内部には、冷却水wが流れる通水流路14r1、14r2、14r3が形成されている。
図1、図2(a)に示すルツボ固定円板11は、フランジ形状を有しており、カプセル状ルツボRが挿通し設置される挿通孔11hと、後記のルツボ1の係止部1f1が係止される略円板状の被係止部11kとが形成されている。ルツボ固定円板11の被係止部11kには、ルツボ1の係止部1f1(図2(b)参照)が嵌入される切り欠き部11n1、11n2が形成されている。
図1、図2(a)に示すターゲットフランジ12は、中央に荷電粒子ビームが通過する通過孔12aが形成されるとともに、ターゲットボックス14の入水ボス14iと排水ボス14oとがそれぞれ嵌入する供給孔12i、排出孔12oとが形成され、円板状に形成されている。
<カプセル状ルツボR>
図2に示すように、カプセル状ルツボRは、固体ターゲットtが収容されるルツボ1と、固体ターゲットtを入れたルツボ1の蓋を成すフォイル2と、ルツボ1からのフォイル2の離脱を防ぐフォイル押さえリング3とを有している。
このカプセル状ルツボRは、ルツボ1の小孔5を塞ぎルツボ1内の固体ターゲットtおよび生成した放射性核種の漏出を防ぐための飛散防止リング4が適宜用いられる。
なお、飛散防止リング4は、ルツボ1の小孔5からの固体ターゲットtおよび生成した放射性核種の漏出のおそれがない場合には、使用されないものである。
以下、カプセル状ルツボRを構成するルツボ1、フォイル2、およびフォイル押さえリング3と、飛散防止リング4とについて、詳細に説明する。
<ルツボ1>
図3(a)は、ルツボ1を示す上面図であり、図3(b)は、図3(a)のA−A線断面図であり、図3(c)は、ルツボ1を示す下面図(図3(b)のB方向矢視図)である。
ルツボ1は、金(99.9 %)を材料として略短円柱様の形状に形成され、中央部に、上部が開口される開口部1kを有し、固体ターゲットtを収容するための略円柱状凹部のターゲット保持部1hが形成されている。
ターゲット保持部1hは、上述したように、上部が開口される開口部1kを有するとともに、下面が略円錐状の傾斜面をもつターゲット集積部1h1と、フォイル押さえリング3(図2(b)参照)でフォイル2をルツボ1に対して押える際にフォイル押さえリング3の案内面となる円錐形状のリング案内面1h2とを有する形状に形成されている。
ターゲット保持部1hの下面は、平らでも、表面積を増やすためにギザギザを有していても構わないが、本実施形態のように、略円錐状のターゲット集積部1h1を形成することにより、固体ターゲットtおよび生成した放射性核種をターゲット集積部1h1の最も低い最底部1hsの周辺に集積させることができ、荷電粒子ビームで確実に固体ターゲットtを照射できる。
ルツボ1の略円錐状のターゲット集積部1h1の形状は、荷電粒子ビームの照射中の発熱によって、固体ターゲットtが融解を起こしても照射野から逸脱させることなく、核反応に必要な厚みを維持できる特徴がある。すなわち、従来の薄層状ターゲットと比較して、発熱・冷却問題に対する影響を軽微にすることができ、安定した収率が期待できる効果を持つ。
なお、ターゲット集積部1h1は、ターゲット保持部1hの中央部に形成する場合を例示しているが、必ずしも、ターゲット保持部1hの中央部でなくともよい。また、ターゲット集積部1h1を略円錐状に形成する場合を例示したが、照射中の下方の最も低い位置に最底部1hsが位置するような傾斜を形成できれば、必ずしも円錐状でなくともよい。
また、ターゲット集積部1h1の最底部1hsの厚さ寸法は、荷電粒子ビームの照射により穴が開かない一番薄い寸法でよくコストの観点からも、本実施形態では、0.5mm厚としているが、この寸法に限定されないのは勿論である。
また、図2(b)、図3(b)に示すように、ルツボ1の上部外周は、ターゲットフランジ12でルツボ1を抑える(図1参照)ための円錐面状のフランジ抑え円錐面1eが形成されている。このように、フランジ抑え円錐面1eが円錐面状のテーパー部で形成されることで、図1に示すように、ターゲットフランジ12でルツボ1のフランジ抑え円錐面1eを抑えた際に簡易なシールを形成し、冷却用のヘリウムガスがルツボ1内へ侵入することを抑制している。
また、ルツボ1には、ターゲット保持部1h内の固体ターゲットt(二酸化テルル(TeO2))および生成した放射性核種(ヨウ素-124)が流出しない高さ位置の側面壁でフォイル2に近い位置に、2つの小孔5がルツボ1を貫通して、側方に向けて穿設されている。小孔5は、荷電粒子ビームの照射中はルツボ1の通気孔となり、生成した放射性核種を回収する際には回収孔となる。
実施形態では、小孔5は、例えば、径0.5mmの寸法をもつ2つの小孔としている。
小孔5は、単数または複数でもよいが、数が多いほど生成した放射性核種を回収し易い。荷電粒子ビームの照射中に固体ターゲットtおよび生成した放射性核種を揮発・紛失したくない(飛散させたくない)ので、この点からは、小孔5の数はできるだけ小さくしまた減らしたい。これらの条件を満たせば、小孔5の数、径および位置は特に限定されない。
また、ルツボ1の下部外周は、円板状のフランジ1fが形成され、フランジ1fには、図1に示すように、ルツボ1をルツボ固定円板11に固定するための係止部1f1が、フランジ1fから外方に突出した態様で2つ形成されている(図3(c)参照)。
なお、ルツボ1の材質は、対侵食性が強い材料が好適であり、単純な単元素のものが望ましい。その他の性質として、高温状態に耐え、熱伝導がよく、加工性が良好な材料が好ましい。例示した金は、化学的に極めて不活性で対侵食性が強く、熱伝導が良好で、かつ、加工性がよく、最も望ましい。
なお、ルツボ1のターゲット保持部1hは、略円柱状凹部の場合を例示したが、その下部に固体ターゲットtを集積できる勾配を有すれば、ターゲット保持部1hの形状は、略楕円柱状凹部、略多角形状凹部、逆円錐状凹部等、その形状は限定されないのは勿論である。
<フォイル2>
図4(a)は、フォイル2を示す上面図であり、図4(b)は、フォイル2を示す側面図である。
フォイル2は、固体ターゲットt(二酸化テルル(TeO2))および生成した放射性核種(ヨウ素−124)が揮発してルツボ1から漏出するのを防ぐとともに、冷却用のヘリウムガスの侵入を防ぐルツボ1の蓋の役割を担っている。
ここで、固体ターゲットtを照射する荷電粒子ビームは、フォイル2を通過することでエネルギを失うので、破損しない程度の強度を維持しつつ、薄ければ、薄いほどよい。また、荷電粒子ビームが照射されるルツボ1は高熱になることから、フォイル2で蓋をしたルツボ1をヘリウムガスで冷却するので、その点でも薄ければ薄いほどよい。
これらのことから、フォイル2は、金属箔、例えば、厚さ寸法50μmの金箔を径13mmの円形に形成している。なお、この厚さ寸法、形状に限定されないのは勿論である。
フォイル2の材質は、ルツボ1の材質の性質と同様な性質(例えば、熱伝導度、熱膨張率、対侵食性等)をもつ材料が望ましく、本実施形態では、ルツボ1と同様な金を使用している。
なお、ルツボ1内の固体ターゲットtと生成した放射性核種とが揮発しなければ、フォイル2は必然ではないが、固体ターゲットtと放射性核種の保持の点から、固体ターゲットtと放射性核種が昇華しても昇華しなくとも、フォイル2を用いた方が望ましい。
<フォイル押さえリング3>
図5(a)は、フォイル押さえリング3を示す上面図であり、図5(b)は、図5(a)のC−C線断面図である。
フォイル押さえリング3は、図1に示すように、ルツボ1をフォイル2で蓋をした際に、冷却用のヘリウムガスがルツボ1の内部に侵入したり、内部の固体ターゲットt、放射性核種がルツボ1の外部に漏出しないように、フォイル2を押さえる役割を担っている。
フォイル押さえリング3は、ルツボ1と同様、金(99.9 %)を用いて、中央部にビームが通過する孔3aが形成された略短円筒状の形状に形成されており、上部に、図5に示すように、フォイル2をルツボ1に対して抑える押さえフランジ3fが、円板状に外方に突設されている。
これにより、フォイル押さえリング3は、押さえフランジ3fでフォイル2をルツボ1に対して押圧し密着させ、ルツボ1とフォイル2との間をシールしている(図1、図2(a)参照)。
<飛散防止リング4>
図6(a)は、飛散防止リング4を示す上面図であり、図6(b)は、図6(a)のD−D線断面図であり、図6(c)は、図6(a)のE−E線断面図である。
飛散防止リング4は、図1に示すように、ルツボ1の内部の固体ターゲットt、生成した放射性核種がルツボ1の小孔5から飛散(漏出)するのを防止するための部材である。従って、前記したように、ルツボ1の小孔5から内部の固体ターゲットt、生成した放射性核種が飛散(漏出)するおそれがない場合には、飛散防止リング4を用いなくともよい。
飛散防止リング4は、ルツボ1を内部に載置できるように、ルツボ1の側面壁1sに近接する径をもつ孔4aが形成された短円筒状の形状を有し、金(99.9 %)で形成されている。
飛散防止リング4には、ルツボ1の2つの係止部1f1が挿通できる径を有する切り欠き部4k1、4k2が形成されている。
飛散防止リング4は、ルツボ1の内部の固体ターゲットt、生成した放射性核種がルツボ1の小孔5から漏出する可能性がある場合にルツボ1を持ち上げた場合に下に落ちて小孔5が開放するように、ルツボ1を内方に近接して配置するように形成されている。
なお、本実施形態では、ルツボ1、フォイル2、フォイル押さえリング3、飛散防止リング4の材質は、金を用いた場合を例示しているが、腐食性物質(固体ターゲットt、放射性核種)の保持、及び高温状態に耐えつつ、良好な熱伝導の実現のため、金以外の白金、イリジウム、ニッケル、銅、チタン、アルミニウム、銀、タングステン、タンタル、ジルコニウム、ニオブ、クロム、モリブデン、ロジウム、パラジウム、コバルト、鉄の何れか、または、ニッケル合金、ステンレス鋼、セラミックスの何れかを用いてもよい。
<放射性核種の製造過程>
次に、カプセル状ルツボRを用いた放射性核種の製造過程について、説明する。
放射性核種の製造過程は、第1の工程であるカプセル状ルツボRの調製、第2の工程であるカプセル状ルツボRの固体ターゲットtへの荷電粒子ビームの照射、第3の工程である製造した放射線核種の回収とを有する。
なお、本カプセル状ルツボRを用いた放射性核種の製造は、上記第3の工程後、第1の工程のカプセル状ルツボRの調製を行うことなく、繰り返し利用、すなわち第2の工程、第3の工程を繰り返し行うことができる。
以下、第1の工程のカプセル状ルツボRの調製、第2の工程のカプセル状ルツボR内の固体ターゲットtへの荷電粒子ビームの照射、第3の工程の製造した放射線核種の回収について、順次説明する。
<第1の工程:カプセル状ルツボRの調製>
第1の工程のカプセル状ルツボRの調製は、まず、放射性核種の原料となる二酸化テルル粉(固体ターゲットt)を一定量採取し、図2(b)に示すルツボ1の凹部のターゲット保持部1hに準備する。本実施形態では、ルツボ1の容積として、二酸化テルルであれば400mgを採取できるものとしている。
そして、ルツボ1の側面壁1sに設けた小孔5を塞がないように表面を均した後、フォイル2をルツボ1の上に置く(図2(b参照))。そして、ルツボ1の上に置かれたフォイル2上から、フォイル押さえリング3を、ルツボ1内部へフォイル2ごと押し込む。このとき、特別な治具・工具は必要とせず、作業者の指の力だけで行える。
以上で、図7に示すカプセル状ルツボRの調製は完了する。図7は、カプセル状ルツボRの調製が完了した状態を示す縦断面図である。
なお、カプセル状ルツボRの調製は、ロボットを用いて自動で行うことも可能である。
<第2の工程:固体ターゲットtへの荷電粒子ビームの照射>
次に、第2の工程のカプセル状ルツボR内の固体ターゲットtへの荷電粒子ビームの照射について説明する。
荷電粒子ビームの照射に際し、調製したてのカプセル状ルツボRの内部の二酸化テルル粉(固体ターゲットt)は粉体であるため、固体ターゲットtの厚みがより均一化するように一度融解させた後、冷却して結晶化することもできる。融解には、乾留に用いる電気炉が有効である。
荷電粒子ビームの照射は、垂直照射装置を用いて行われる。
図2(a)に示すように、ターゲットボックス14には、ルツボ固定円板11が、ネジn止め固定されている。
そして、二酸化テルル粉(固体ターゲットt)を入れたカプセル状ルツボRを、ターゲットボックス14に固定されたルツボ固定円板11に、ルツボ1のフランジ1fの係止部1f1(図2(b)参照)をルツボ固定円板11の切り欠き部11n1、11n2(図2(a)参照)から嵌入し、カプセル状ルツボRを回転させることでルツボ固定円板11上に設置する。
続いて、図6に示す飛散防止リング4をカプセル状ルツボRの周囲に載置する(図8参照)。図8は、カプセル状ルツボRの周囲に飛散防止リング4を載置した状態を示す縦断面図である。
なお、前記したように、ルツボ1の小孔5から、ルツボ1内の固体ターゲットtおよび生成した放射性核種が流出するおそれがない場合には、飛散防止リング4は使用しなくてもよい。
そして、図2(a)に示すように、ターゲットフランジ12の供給孔12i、排出孔12oを、それぞれターゲットボックス14の入水ボス14i、排水ボス14oにそれぞれ嵌入し、図1に示すように、ターゲットフランジ12をカプセル状ルツボRに被せる。このとき、ターゲットフランジ12の一部が、ルツボ1の上部のテーパー部分のフランジ抑え円錐面1eに接触するため、簡易的であるがターゲットフランジ12とルツボ1との密閉構造が実現される。
この状態において、図1に示すように、サイクロトロン等の粒子加速器から垂直照射装置を介して、上方から荷電粒子ビームを、カプセル状ルツボR内の固体ターゲットtの二酸化テルル(TeO2)に照射し、核反応により放射性核種(ヨウ素-124)を製造する。
この際、照射を受けるカプセル状ルツボRは高熱となるので、照射中、ターゲットフランジ12の上方には、−10℃前後の冷却ガスであるヘリウムガスが通流される。また、ターゲットボックス14には、通水流路14r1、14r2、14r3を通して冷却水wが通流され(図1参照)、照射中のカプセル状ルツボRを冷却する。
ここで、前記したように、ターゲットフランジ12の一部が、ルツボ1上部のテーパー部分のフランジ抑え円錐面1eと接触するため、密閉構造が実現され、冷却ガスのヘリウムに、直接ルツボ1の内部が曝されることはない。
また、荷電粒子ビームの照射中の発熱に伴って、ルツボ1の側面壁に設けた小孔5(図2(b)参照)から内部物質(固体ターゲットt、生成した放射性核種)の飛散が起こる懸念がある。
そのような場合、飛散防止リング4をルツボ1に被せて、ルツボ固定円板11に設置する。このとき、飛散防止リング4はルツボ1側面壁の小孔5を塞ぐ高さに位置する(図1、図8参照)。
なお、本実施形態の例であるヨウ素-124(放射性核種)の製造においては、飛散防止リング4を必要としていないが、小孔5からの飛散が懸念される他の核種の製造に際し、有効である。
前記したように、ルツボ1のターゲット集積部1h1の勾配が形成される略円錐状の形状により、固体ターゲットt、生成した放射性核種がターゲット集積部1h1に集積するので、荷電粒子ビームの照射中の発熱によって、固体ターゲットtの物質が融解を起こしても照射野から逸脱させることなく、核反応に必要な厚みを維持でき、安定した収率が期待できる。
荷電粒子ビームの照射によって、例えば、二酸化テルル(固体ターゲットt)が融解するような温度に達したとき、一部の二酸化テルル及び生成したヨウ素-124(放射性核種)は揮発するものの、冷却されたフォイル2の内面に付着させることができる。
従って、カプセル状ルツボRの系外へ逸脱することがなく開放系の照射とは異なり、安定で安全な製造ができる。また、付着したフォイル2の内面は荷電粒子ビームの入射口であり、ルツボ1の内部に留まっている固体ターゲットtの二酸化テルルと同様に、荷電粒子ビームによって十分照射を受けるため、全体の製造収率は低下しないという大きな特徴を有する。これは、垂直照射法と協同することで実現できる重要な効果である。
<第3の工程:回収>
次に、第3の工程の製造した放射線核種の回収について、説明する。
照射が終了したカプセル状ルツボR(ルツボ1、フォイル2、フォイル押さえリング3)は、ロボット等の移動手段で乾留装置等の回収装置へ移送される。本実施形態では、垂直照射装置近くに設置した乾留装置(図示せず)へ自動的に移送させる。
乾留装置内でカプセル状ルツボRに熱を加えると、カプセル状ルツボR内部に保持されている目的の放射性核種(ヨウ素-124)の分子運動が盛んになり、一定温度を超えたときから、ルツボ1の側面壁の小孔5を通って、外部に流出してくる。
従って、カプセル形状を破壊することなく回収が可能になる。このように、複雑な分解作業を必要としないため、単純・簡便化した装置で自動かつ遠隔的な回収が可能である。
また、ルツボ1の内部に保持されている成分及びフォイル2の付着成分の両方、即ち、生成した放射性核種の全量を一度の乾留で回収対象にできる点が大きな特徴である。
単離回収した放射性核種(ヨウ素-124)は、何らかの溶媒に捕集する。本実施形態では、超純水を溶媒として利用している。
上述のことから、固体ターゲットt、生成した放射性核種を有するカプセル状ルツボRを、単純かつ最小限の移動を自動的に行うことで、垂直照射装置近辺で、ヨウ素-124(放射性核種)を流動性のある溶液として調製でき、配管を経由して遠隔地へ容易に移送・回収できる。
<カプセル状ルツボRの繰り返し利用>
回収を終えたカプセル状ルツボRは、二酸化テルル(固体ターゲットt)が残存する限り、従来ある完全密閉のカプセルのように分解せず、そのままの密封状態を維持しているため、次回以後の照射にそのまま利用できる大きな利点がある。従って、カプセル状ルツボR内に二酸化テルル(固体ターゲットt)が残存する限り、特別な操作を必要とせず、そのまま垂直照射装置近くに移動させ、次回の照射、回収、次々回の照射、回収、…が可能である。
そして、照射、回収が繰り返され、カプセル状ルツボR内に二酸化テルル(固体ターゲットt)が必要量以下になった場合に、第1の工程のカプセル状ルツボRの調製が行われることになる。これは重量から判断可能である。
<<効果>>
上記構成によれば、薄層状に固体ターゲットtを調製をする必要がない照射容器のカプセル状ルツボRが得られる。また、従来の手間がかかる薄層状ターゲットの調製ではなく、簡便に目的量を量りとるだけのターゲット調製が可能である。
乾留等により目的の放射性核種の回収を行うとき、ルツボ1の側面壁の小孔5が回収孔となる。従って、カプセルの密封状態を破ることなく、回収が行える。
このように、ルツボ1の小孔5の存在によって、従来“手作業”によって行っていた細かい回収作業が不要になるために回収作業が容易となるだけでなく、作業時の被ばくをゼロにすることが可能となり、放射性核種の回収の自動化および安全性に大きく貢献できる。つまり、遠隔的かつ自動化が難しく手作業に頼らざるを負えない密封ターゲットに準じた構造でありながら、小孔5の存在により、目的核種を十分に回収できる。また、小孔5の径は、照射中、この小孔5から、内容物の逸脱が起きない程度の径としている。
従って、製造した放射性核種を、遠隔的かつ自動で単離・回収できる方法及び装置が得られる。
特に、低融点、昇華性のある固体ターゲットtを照射する際、融解及び昇華が問題になることがない照射容器が得られる。
そのため、固体ターゲットtの熱によって変化する態(固液気体)を問わず、目的とする収率で安定的に放射性核種を製造できる。
また、カプセル状の密封状態(カプセル状ルツボR)を開放することなく、繰り返して製造に利用できる照射容器が得られる。
簡潔には、
第1に、固体ターゲットを密封して保持できる構造であり、
第2に、荷電粒子ビーム照射中の発熱による態の変化に対する補償があり、
第3に、密封構造を破らなくても、容易に内部に生成した放射性核種を回収できる構造であり、
第4に、遠隔的かつ自動で生成した放射性核種を高効率に回収可能なターゲット保持構造を実現できる。
なお、照射〜回収〜次回照射準備の全ての工程を自動化した装置は、発明者が開発したもの以外見当たらず、従来の装置での大電流製造条件下では、前記の通り、薄膜蓋への分布問題があったことから、固体ターゲットtを用いた高効率の製造装置は、現在までのところ存在していないと考えられる。
なお、本実施形態では、ルツボ1にフォイル2を載せ、フォイル2をルツボ1の内部に押し込み固定する固定部材として、フォイル押さえリング3を例示して説明したが、フォイル2をルツボ1の内部に押し込み固定できれば、必ずしもリング状でなくてもよく、例えば2つ以上の部材でフォイル2をルツボ1に挟み、固定してもよい。
なお、本実施形態では、ルツボ1にフォイル2を載せ、フォイル押さえリング3でフォイル2をルツボ1の内部に押し込む構成を例示して説明したが、フォイル押さえリング3を用いることなく、EBW(Electronic Beam Welding)でフォイル2をルツボ1の上部に固定してもよく、フォイル押さえリング3を用いなくともよい。
なお、本実施形態では、ルツボ1にフォイル2を載せる場合を例示したが、固体ターゲットtおよび生成される放射性核種が揮発したり、流出したりするおそれがない場合には、フォイル2をカプセル状ルツボRに用いることなく構成してもよい。この場合、変形形態の図9に示すように、小孔5を設けないルツボ21の構成で構わない。
また、本実施形態では、荷電粒子ビームのターゲットとして、固体の固体ターゲットtを例示したが、流体のターゲットでもよい。
なお、本実施形態では、ルツボ1のターゲット保持部1hの底部に円錐面状に下方に延びる勾配を有する場合を例示して説明したが、固体ターゲットtまたは流体状のターゲットを底部に集積できれば、下方に延びる曲率を有する勾配を形成してもよく、円錐面状の勾配以外の勾配を適宜選択して採用することが可能である。
なお、本実施形態では、図6に示すように、飛散防止リング4がリング状の場合を例示したが、ルツボ1内の固体ターゲットt、生成した放射性核種の飛散(漏出)を防止できれば、必ずしもリング状に形成しなくともよい。
また、本実施形態では、荷電粒子ビームを上方からカプセル状ルツボR内の固体ターゲットtに照射する場合を例示したが、荷電粒子ビームでカプセル状ルツボR内の固体ターゲットtを照射できれば、上方以外の方向から荷電粒子ビームで照射してもよい。
1 ルツボ(保持容器、カプセル状ルツボ)
1e フランジ抑え円錐面1e(テーパー部)
1h ターゲット保持部(収容部)
1k 開口部
2 フォイル(箔、カプセル状ルツボ)
3 フォイル押さえリング(箔密着部材、カプセル状ルツボ)
4 飛散防止リング(飛散防止部材、カプセル状ルツボ)
5 小孔(取り出し小孔)
12 ターゲットフランジ(保持容器押さえ部材)
R カプセル状ルツ
t 固体ターゲット

Claims (14)

  1. ターゲットに荷電粒子ビームを照射して放射性核種を製造するためのカプセル状ルツボであって、
    前記ターゲットを集積させて収容する収容部が形成される保持容器を備え
    前記保持容器は、前記収容したターゲットより上の位置の側面壁に、荷電粒子ビームを照射した際に通気孔となるとともに、生成した放射性核種を取り出すための取り出し小孔が形成され、
    前記ターゲットを収容した保持容器の上部の開口部を覆うとともに荷電粒子ビームを透過させる箔をさらに備える
    ことを特徴とするカプセル状ルツボ
  2. 前記保持容器の収容部は、その底部に前記ターゲットを集積させる勾配を有する
    ことを特徴とする請求項1記載のカプセル状ルツボ
  3. 前記保持容器は、金、白金、イリジウム、ニッケル、銅、チタン、アルミニウム、銀、タングステン、タンタル、ジルコニウム、ニオブ、クロム、モリブデン、ロジウム、パラジウム、コバルト、鉄の何れか、または、ニッケル合金、ステンレス鋼、セラミックスの何れかである
    ことを特徴とする請求項1または請求項2記載のカプセル状ルツボ
  4. 前記取り出し小孔は、直径1mm以下の孔であり、単数または複数である
    ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項記載のカプセル状ルツボ
  5. 前記荷電粒子ビームの照射によって発生した熱が、前記保持容器内部に準備した前記ターゲット及び生成した放射性核種の揮発を促した場合、冷却された前記箔に前記揮発した成分が付着する
    ことを特徴とする請求項1から請求項4の何れか一項記載のカプセル状ルツボ
  6. 前記箔は、金、白金、イリジウム、ニッケル、銅、チタン、アルミニウム、銀、タングステン、タンタル、ジルコニウム、ニオブ、クロム、モリブデン、ロジウム、パラジウム、コバルト、鉄の何れか、または、ニッケル合金、ステンレス鋼、セラミックスの何れかである
    ことを特徴とする請求項から請求項の何れか一項記載のカプセル状ルツボ
  7. 前記ターゲットを収容した前記保持容器の上部を覆った箔を、前記保持容器に対して密着させる箔密着部材をさらに備える
    ことを特徴とする請求項から請求項の何れか一項記載のカプセル状ルツボ
  8. 前記箔密着部材は、前記荷電粒子ビームを通過させる通過孔を有するリング状の部材であり、押圧されることで前記箔を前記保持容器に密着させる
    ことを特徴とする請求項に記載のカプセル状ルツボ
  9. 前記箔密着部材は、金、白金、イリジウム、ニッケル、銅、チタン、アルミニウム、銀、タングステン、タンタル、ジルコニウム、ニオブ、クロム、モリブデン、ロジウム、パラジウム、コバルト、鉄の何れか、または、ニッケル合金、ステンレス鋼、セラミックスの何れかである
    ことを特徴とする請求項または請求項記載のカプセル状ルツボ
  10. 前記保持容器は、その上部外側に前記保持容器を固定させる保持容器押さえ部材が載せられた際、前記保持容器押さえ部材が接触するテーパー部が形成される
    ことを特徴とする請求項1から請求項の何れか一項記載のカプセル状ルツボ
  11. 前記取り出し小孔を塞ぎ、前記ターゲットおよび生成された放射性核種の飛散を防止する飛散防止部材をさらに備える
    ことを特徴とする請求項から請求項10のうちの何れか一項記載のカプセル状ルツボ
  12. 前記飛散防止部材は、前記保持容器を持ち上げた場合に下にあって前記取り出し小孔が開放されるように、前記保持容器を内方に近接させて配置される
    ことを特徴とする請求項11記載のカプセル状ルツボ
  13. 前記飛散防止部材は、金、白金、イリジウム、ニッケル、銅、チタン、アルミニウム、銀、タングステン、タンタル、ジルコニウム、ニオブ、クロム、モリブデン、ロジウム、パラジウム、コバルト、鉄の何れか、または、ニッケル合金、ステンレス鋼、セラミックスの何れかである
    ことを特徴とする請求項11または請求項12記載のカプセル状ルツボ
  14. 前記保持容器内のターゲットは、上方から前記荷電粒子ビームによって照射される
    ことを特徴とする請求項1から請求項13の何れか一項記載のカプセル状ルツボ
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