JP5246478B2 - ロジック信号測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ロジック信号測定装置に関し、詳しくは、時間測定分解能の改善に関するものである。
従来から、ミックスドシグナルオシロスコープ(MSO)やロジックアナライザ(LA)などの繰り返し波形の測定装置では、ロジック入力信号をサンプリングして2値化し、データ変化点をシステムクロック基準で測定することにより、パルス幅や繰り返し周期などの時間パラメータの測定を行っている。
このような測定装置では、被測定信号の高速化に伴い、時間測定の高分解能が求められているが、時間測定を高分解能化するためにはサンプリングクロック周波数を高くすることが必要であり、技術およびコストの両面で実現は困難になりつつある。
図4は従来のロジック信号測定装置の一例を示すブロック図である。図4において、システムクロック源1から出力されるシステムクロックSYCKは、位相比較器2の一方の入力端子に入力されるとともに、メモリ4にも入力されている。位相比較器2の出力端子には電圧制御発振器(VCO)3が接続されている。電圧制御発振器3の出力端子は、位相比較器2の他方の入力端子に接続されるとともに、メモリ4およびサンプリング素子として用いるD型フリップフロップ5のクロック端子に接続されている。
位相比較器2と電圧制御発振器3は位相同期回路(PLL;Phase Locked Loop)を構成するものであり、低速のシステムクロックSYCKを逓倍して高速なサンプリングクロックSPCKを生成し、メモリ4およびD型フリップフロップ5にクロックとして供給している。図4の例では、25MHzのシステムクロックSYCKをPLLで10逓倍することにより250MHzのサンプリングクロックSPCKを生成している。
D型フリップフロップ5のD端子には被測定信号源6の出力端子が接続されていて、被測定信号源6から被測定信号としてロジック信号CH[n]が入力されている。
これにより、D型フリップフロップ5は入力されるロジック信号CH[n]について直接サンプリングを行い、サンプリングしたデータを時系列にメモリ4に格納する。なお、この場合のサンプリング周期は4ns(1/250MHz)である。
ここで、システムクロックSYCKとサンプリングクロックSPCKはPLLにより同期化されているので、システムクロックSYCKを基準として、メモリ4に格納されている各サンプリングデータに対する時間パラメータ測定が行える。
ところが、図4の構成によれば、図5のタイミングチャートに示すように、サンプリングクロックSPCKの周期内にロジック入力信号CH[n]に変化があった場合でも、次のサンプリングクロックSPCKが入力されるまでロジック入力信号CH[n]の変化はサンプリングされないため、ロジック入力信号CH[n]の時間測定結果には最大でサンプリングクロックSPCKの周期分(図4の場合は4ns)の誤差が発生することになる。
すなわち、図4の構成における時間測定の分解能はサンプリング周期で決まるので、時間測定を高分解能化するためにはサンプリングクロックSPCKの周波数を高くしなければならないが、サンプリングクロックSPCKの周波数を高くすることは技術的にもコスト的にも困難である。
これに対し、図6に示すように、図4と同様に低速のシステムクロックSYCKをPLLで逓倍した高速サンプリングクロックSPCKを用いてオーバーサンプリングすることにより、高い時間分解能を得る構成が提案されている。
図6において、図4と共通する部分には同一の符号を付けている。図7のタイミングチャートに示すように、25MHzのシステムクロックSYCKをPLLで10逓倍した250MHzのサンプリングクロックSPCKを基準とし、500psの遅延時間を有する遅延素子71〜77の直列回路で500psずつ遅延させたクロックを対応する各D型フリップフロップ52〜58のクロック端子に供給することでオーバーサンプリングを行う。
図6の構成によれば、D型フリップフロップ51〜58でサンプリングしたデータをラッチ8を介してメモリ4に取り込み、時系列にソートすることにより、オーバーサンプリングデータが得られる。500psの遅延素子71〜77の直列回路を用いることで、4ns/500ps=8倍(≡2GHz)のオーバーサンプリングを行い、時間分解能を高めている。このような構成におけるロジック入力信号CH[n]の時間測定結果の最大誤差は、サンプリングクロックSPCKの周期分4nsの1/8である500psに圧縮されることになる。
特許文献1には、図6のようなオーバーサンプリング方式を用いたロジックアナライザが記載されている。
特開平7−244078号公報
このように時間分解能向上のためオーバーサンプリング手法を用いることにより、一度のサンプリングクロックSPCKで高分解能の時間測定が行えるものの、時間分解能が遅延素子の遅延時間に依存するため、さらに高分解能を実現のためには遅延時間の小さい高速素子を用いなければならず、高速半導体プロセス素子などの高価な実現手段を必要とする。
また、測定可能範囲は遅延素子で得られる遅延時間×遅延素子数で決まるため、高時間分解能を得るためには多段の遅延素子が必要になり、回路が大規模になるという問題もある。
本発明は、これらの課題を解決するものであり、その目的は、繰り返しロジック入力信号の高分解能時間測定を、比較的安価で小規模な回路で実現するとともに、複数のロジック入力信号の測定を行う場合にも高分解能が得やすいロジック信号測定装置を実現することにある。
このような課題を達成するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、
繰り返しロジック入力信号を測定するロジック信号測定装置であって、
遅延機能が付加され所定の時間間隔で遅延時間がスィープされたサンプリングクロックを生成出力するPLL回路と、このPLL回路から生成出力されるサンプリングクロックの遅延時間毎に設けられ、これらサンプリングクロックでサンプリングされた測定データが遅延時間毎に格納される複数のメモリ区間を有するメモリと、これらメモリ区間に格納された測定データを読み出してサンプリングクロックの遅延時間に基づいてソートすることにより等価的にオーバーサンプリングを行うデータ処理部とを備え、
前記PLL回路の遅延時間設定手段として高分解能電流出力D/A変換器を用いるとともに、サンプリングクロックを共用して同時に複数のロジック入力信号を測定することを特徴とする。
本発明によれば、繰り返しロジック入力信号の高分解能時間測定を、比較的安価で小規模な回路で実現するとともに、複数のロジック入力信号の測定を行う場合にも高分解能が得られるロジック信号測定装置を実現できる。
以下、本発明について、図面を用いて詳細に説明する。図1は本発明の一実施例を示すブロック図であり、図4と共通する部分には同一の符号を付けている。図1において、PLL回路を構成する位相比較器2と電圧制御発振器3の間には、加算器9が設けられている。この加算器9の一方の入力端子には位相比較器2の出力信号が入力され、他方の入力端子には可変直流電流源10が接続されている。
この可変直流電流源10は、PLL回路から出力されるサンプリングクロックSPCKに対して出力電流値に応じた所定の遅延時間を与えるものであり、本実施例ではたとえば100ps間隔で最大3900psの遅延時間を周期的に繰り返して与えるように設定されている。このような可変直流電流源10としては、たとえば高分解能電流出力D/A変換器を用いる。
図1のPLL回路は、たとえば25MHzのシステムクロックSYCKを10逓倍して250MHzとし、さらに、100ps間隔で最大3900psの遅延時間を周期的に繰り返すことによりサンプリングクロックSPCKのスイープを行い、スイープされたサンプリングクロックSPCKをD型フリップフロップ5のクロック端子に出力する。すなわち、図1のPLL回路には、遅延機能が付加されている。
D型フリップフロップ5のD端子には、被測定信号源6から被測定信号としてロジック信号CH[n]が入力されている。D型フリップフロップ5の出力端子Qには、サンプリングクロックSPCKの遅延時間毎に設けられた複数のメモリ区間41〜4nが並列に接続されている。なお、これらメモリ区間41〜4nはたとえば1個の大容量メモリのメモリ領域を複数に分割して割り当てられていて、各メモリ区間41〜4nにはそれぞれ対応した遅延時間が与えられたサンプリングクロックSPCKでサンプリングされた測定データが格納される。
このように遅延時間100psをスイープすることで、遅延させない場合のサンプリングクロック間のサンプリングを行うことができて等価的にオーバーサンプリングが実現でき、高分解能の時間測定が行える。ただし、1システムクロックに対し1回の遅延設定しかできないため、ロジック入力信号CH[n]は繰り返し波形とする。
サンプリングクロックSPCKのスイープが終了した後、遅延時間が異なるようにスイープされたサンプリングクロックSPCKでサンプリングされてメモリ区間41〜4nにそれぞれ格納されたサンプリングデータをたとえばパラレル/シリアル(P/S)変換部11に入力し、サンプリングクロックSPCKの遅延時間に基づいてソートすることにより、等価的にオーバーサンプリングを行うことができ、時間測定における時間分解能を高めることができる。
図1の動作について、図2のタイミングチャートを用いて説明する。図2の例では、4ns(1/250MHz)のサンプリングクロックを用いて、100ps毎に39回サンプリングを行い、サンプリングデータについて100psの時間分解能を得ている。
これらのサンプリングデータは、
0)遅延時間0のサンプリングデータをメモリ41に格納
1)遅延時間100psのサンプリングデータをメモリ42に格納


n)遅延時間3900psのサンプリングデータをメモリ4nに格納
のように、100ps間隔で3900psまで遅延時間をスイープすることにより得たサンプリングデータ#0〜#39を、それぞれの遅延時間に対応したメモリ41〜4nに格納する。
これらのメモリ41〜4nに格納されたサンプリングデータ#0〜#39をP/S変換部11に入力し、サンプリングクロックSPCKの遅延時間に基づいて時系列的に並べ変えることにより、等価的に10GHzでオーバーサンプリングしたサンプリングデータが得られ、100psの時間分解能が得られる。つまり、250MHzサンプリングを10GHzでオーバーサンプリングし、時間分解能を4nsから100psまで40倍に高めることができる。
図3は本発明の他の実施例を示すブロック図である。図3の例によれば、サンプリングクロックを共用することにより、同時に複数のロジック入力信号CH[0]〜CH[n]について高い時間分解能での時間測定を行うことができる。
このように構成することにより、PLL回路は直流回路であるため高速素子は必要とせず、低速半導体プロセスなど比較的安価な素子で高い時間分解能が実現できる。
また、測定分解能(遅延時間分解能)はPLLチャージポンプ出力電流と可変直流電流源10として用いる高分解能電流出力D/A変換器の出力電流を設定するLSBの比で決まることから分解能だけ遅延素子を多段接続する必要はなく、比較的小さな回路規模で実現できる。
以上説明したように、本発明によれば、繰り返しロジック入力信号の高分解能時間測定を、比較的安価で小規模な回路で実現するとともに、複数のロジック入力信号の測定を行う場合にも高分解能が得やすいロジック信号測定装置が実現できる。
本発明の一実施例を示すブロック図である。 図1の動作を説明するタイミングチャートである。 本発明の一実施例を示すブロック図である。 従来のロジック信号測定装置の一例を示すブロック図である。 図4の動作を説明するタイミングチャートである。 従来のロジック信号測定装置の他の例を示すブロック図である。 図6の動作を説明するタイミングチャートである。
符号の説明
1 システムクロック源
2 位相比較器
3 電圧制御発振器
4 メモリ
5 D型フリップフロップ
6 被測定信号源
7 遅延素子
8 レジスタ
9 加算器
10 可変直流電流源
11 パラレル/シリアル(P/S)変換部

Claims (1)

  1. 繰り返しロジック入力信号を測定するロジック信号測定装置であって、
    遅延機能が付加され所定の時間間隔で遅延時間がスィープされたサンプリングクロックを生成出力するPLL回路と、このPLL回路から生成出力されるサンプリングクロックの遅延時間毎に設けられ、これらサンプリングクロックでサンプリングされた測定データが遅延時間毎に格納される複数のメモリ区間を有するメモリと、これらメモリ区間に格納された測定データを読み出してサンプリングクロックの遅延時間に基づいてソートすることにより等価的にオーバーサンプリングを行うデータ処理部とを備え、
    前記PLL回路の遅延時間設定手段として高分解能電流出力D/A変換器を用いるとともに、サンプリングクロックを共用して同時に複数のロジック入力信号を測定する
    ことを特徴とするロジック信号測定装置。
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