JP5245340B2 - 製鉄工程における転炉排ガス回収ダストの利用方法 - Google Patents

製鉄工程における転炉排ガス回収ダストの利用方法 Download PDF

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Description

本発明は、転炉における溶銑の脱炭精錬で発生する排ガスから、非燃焼ガス回収装置(「OG装置」ともいう)によって回収される転炉排ガス回収ダスト(「OGダスト」ともいう)を製鉄工程において鉄源として有効利用する方法に関し、詳しくは、非燃焼ガス回収装置は湿式法であることから転炉排ガス回収ダストは付着水分を有するが、転炉排ガス回収ダストの水分を予め除去せずにそのまま溶銑輸送容器に入れ置きし、溶銑輸送容器の有する熱で水分を気化させ、水分を無害化させた上で冷鉄源として利用する方法に関するものである。
近年の地球温暖化対策に鑑み、高炉及び転炉を有する銑鋼一貫製鉄所においては、溶鋼を溶製するに当たり、CO2 の発生量を削減するべく、溶銑に代わって鉄スクラップなどの冷鉄源の配合比率をいかにして高くするかが課題となっている。従来、冷鉄源は主に転炉に装入され、溶銑の脱炭精錬による発熱を利用して溶解されていたが、最近では、冷鉄源の配合比率を高めるために、高炉から転炉へ溶銑を搬送するための溶銑輸送容器に冷鉄源を装入し、溶銑及び溶銑輸送容器の熱を利用して装入した冷鉄源を溶解する技術も普及しつつある(例えば、特許文献1参照)。これは、溶銑輸送容器の使用タイムサイクルが転炉のそれに較べて格段に長く、冷鉄源を装入してから受銑するまでに十分に長い時間を確保でき、その間に冷鉄源を予熱することができるからである。
冷鉄源としては、鉄スクラップ、冷銑、地金、回収ダストなどが使用されている。ここで、地金とは、溶銑樋、溶銑輸送容器、転炉、溶鋼取鍋、連続鋳造用タンディッシュなどから発生するスラグを混入した金属鉄分であり、通常、磁力選別などによってスラグと分離され、また、回収ダストとは、高炉、転炉、焼結工程において排ガスから回収される、鉄分を含有するダストである。
回収ダストのうちで、転炉における溶銑の脱炭精錬で発生する排ガスから、非燃焼ガス回収装置によって回収された転炉排ガス回収ダストは、非燃焼ガス回収装置が湿式法であることから、10質量%程度の付着水分を有している。この転炉排ガス回収ダストは、金属鉄を主体とする粒径が1.0mm以下の微粉であり、水分を付着したまま熱間の転炉に装入すると、単位質量当たりの表面積が大きく、水分が容易には蒸発せずに残留し、溶銑の装入時に大量の水蒸気ガスを発生させ、溶銑の噴出トラブルを招く。そのために、転炉排ガス回収ダストを使用する際には、天日などで乾燥しなければならず、コスト高となることから、転炉では使用されず、主に、焼結原料に混合して使用されていた。焼結原料として使用する場合、予め水分を除去しなくても焼結時の熱によって水分は気化するが、転炉排ガス回収ダストは本来金属鉄が主体であるものの、焼結時に酸化されてしまい、高炉での再度の還元製錬が必要であり、資源の有効活用の観点からは見直しが必要であった。
そこで、特許文献2では、小径の湿潤固体冷鉄源を冷鉄源として有効利用するために、溶銑払い出し後の混銑車(「トピードカー」とも呼ぶ)に転炉排ガス回収ダストなどの小径の湿潤固体冷鉄源を投入し、混銑車を複数回傾転して前記湿潤固体冷鉄源を加熱乾燥し、その後、この混銑車で溶銑を受銑する方法を提案している。
特開2007−113056号公報 特開平5−239523号公報
しかしながら、本発明者等の経験によれば、特許文献2の方法には、以下の問題点があることを確認している。即ち、混銑車内に少量であっても溶銑が残留する場合には、装入した転炉排ガス回収ダストが混銑車の炉底に固着してしまい、受銑時または受銑後の搬送中に固着した転炉排ガス回収ダストが炉底から剥がれて急浮上し、固着層に残留していた水分が溶銑の熱により急激に膨張して、溶銑の突沸という重大な操業トラブルが発生することである。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、付着水分を有する転炉排ガス回収ダストを、その水分を予め除去することなくそのまま使用しても、水分による溶銑の突沸トラブルなどを発生することなく、冷鉄源として有効利用することのできる、製鉄工程における転炉排ガス回収ダストの利用方法を提供することである。
上記課題を解決するための第1の発明に係る製鉄工程における転炉排ガス回収ダストの利用方法は、溶銑を払い出した後の溶銑輸送容器に、先ず、厚みが1mm以下で長さが200mm以下である冷鉄源を投入し、次いで、湿潤状態の転炉排ガス回収ダストを投入し、更に、前記転炉排ガス回収ダストの投入後に厚みが1mmを越える冷鉄源または長さが200mmを越える冷鉄源を投入し、その後、この溶銑輸送容器に溶銑を注入することを特徴とするものである。
第2の発明に係る製鉄工程における転炉排ガス回収ダストの利用方法は、第1の発明において、前記厚みが1mmを越える冷鉄源または長さが200mmを越える冷鉄源の投入後、30分間以上経過した後に前記溶銑輸送容器に溶銑を注入することを特徴とするものである。
第3の発明に係る製鉄工程における転炉排ガス回収ダストの利用方法は、第1または第2の発明において、前記溶銑輸送容器が混銑車であって、該混銑車に注入される溶銑に対して、厚みが1mm以下で長さが200mm以下である冷鉄源の装入量を溶銑トン当たり2kg以上とし、転炉排ガス回収ダストの装入量を溶銑トン当たり22kg以下とし、厚みが1mmを越える冷鉄源または長さが200mmを越える冷鉄源の装入量を溶銑トン当たり8kg以上とすることを特徴とするものである。
本発明によれば、溶銑輸送容器に最初に装入される、厚みが1mm以下で長さが200mm以下である冷鉄源が下敷きとなり、湿潤した転炉排ガス回収ダストが溶銑輸送容器の底部に直接接触せず、転炉排ガス回収ダストの炉底での固着層の形成が防止され、受銑時或いは受銑後での固着層の突然の剥離による溶銑突沸のトラブルを未然に防止することができる。また、転炉排ガス回収ダストの上に、厚みが1mmを越える冷鉄源または長さが200mmを越える冷鉄源を投入して転炉排ガス回収ダストを覆うので、溶銑輸送容器内への溶銑の注入時、注入される溶銑と転炉排ガス回収ダストとが直接接触せず、転炉排ガス回収ダスト中の酸素と溶銑中の炭素との急激な反応が抑制され、この急激な反応に起因する発炎や転炉排ガス回収ダストの飛散が防止される。溶銑輸送容器の使用タイムサイクルから、通常、これらの冷鉄源の装入後、最短でも30分間以上の時間を所要しており、その間に転炉排ガス回収ダストは溶銑輸送容器を構成する耐火物の保有熱によって加熱され、転炉排ガス回収ダストの水分は蒸発除去し、受銑時には水分によるトラブルを防止することができる。
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明者等は、溶銑を払い出した後の内壁を耐火物で施工された溶銑輸送容器の保有熱を利用して湿潤状態の転炉排ガス回収ダスト(OGダスト)を乾燥させることを検討した。そこで、先ず、溶銑輸送容器として一般的に使用されている混銑車において、溶銑を払い出した後の混銑車炉体内の雰囲気温度がどの程度であるかを調査した。尚、転炉排ガス回収ダストは、通常、10質量%程度の付着水分を有している。
図1に、混銑車炉体内の雰囲気温度の調査結果を示す。図1に示すように、溶銑を払い出した直後の混銑車炉内の雰囲気温度は1050℃程度であり、その後の温度推移は、混銑車炉体の開口部に蓋を設置した場合と設置しない場合とで大きな差が生じることが分った。しかしながら、混銑車の使用タイムサイクルに基づいて冷鉄源を投入する時期を検討すると、溶銑の払い出し後から遅くとも6時間以内には冷鉄源を投入することができ、この時点の雰囲気温度は蓋を設置しなくても700℃を越えることが分った。
雰囲気温度として700℃程度を確保できることが確認できたので、次いで、どの程度の時間で転炉排ガス回収ダストの付着水分が蒸発気化するかを調査した。試験は、付着水分を6質量%及び10質量%に調整した500gの転炉排ガス回収ダストを準備し、雰囲気温度が500℃及び800℃の2水準の雰囲気に曝露し、質量変化から付着水分量を測定した。
図2に、雰囲気温度が500℃における測定結果を示す。図2に示すように、付着水分量が10質量%であっても15分後には付着水分の大部分は蒸発気化することが確認できた。また、混銑車炉体内に転炉排ガス回収ダストを投入してから混銑車を高炉鋳床下に配置するまでの所要時間を混銑車の使用タイムサイクルから計算すると30分以上となり、十分な乾燥時間を確保できることが分った。尚、転炉排ガス回収ダストの付着水分は最大で10質量%程度であり、それ以上の水分付着を考慮する必要がないことが分った。これは、水分はダストの粒子間に吸着して存在しており、吸着量を超える水分は自重で転炉排ガス回収ダストから分離してしまうからである。
以上の結果から、10質量%程度の付着水分を有する湿潤転炉排ガス回収ダストであっても、乾燥コストを費やすことなく、冷鉄源として使用可能であることが分った。
但し、試験操業の結果から、湿潤転炉排ガス回収ダストを混銑車炉体に直接投入すると、炉体内に溶銑が残留する場合には、湿潤転炉排ガス回収ダストが、残留溶銑に回りを囲まれた状態で混銑車炉体の炉底に固着し、しかも内部の水分は除去されないままであり、受銑時または受銑後の搬送中に固着した転炉排ガス回収ダストが炉底から剥がれて急浮上し、固着層に残留していた水分が溶銑の熱により急激に膨張して、溶銑の突沸トラブルが発生することが確認できた。
この炉底での湿潤転炉排ガス回収ダストの固着を防止するべく検討した結果、予め、湿潤転炉排ガス回収ダスト以外の冷鉄源を混銑車炉体内に装入し、湿潤転炉排ガス回収ダストと炉体底部との接触を妨げることが効果的であることが分った。特に、小型の冷鉄源を装入することにより、その効果が向上することも分った。
また、乾燥した後の転炉排ガス回収ダストの上に溶銑を直接注ぐと、転炉排ガス回収ダスト中の酸素と溶銑中の炭素との急激な反応が起こり、混銑車開口部からの激しい発炎が生じたり、転炉排ガス回収ダストそのものが飛散したりするトラブルが生ずることも確認できた。
このトラブルを防止するべく検討した結果、湿潤転炉排ガス回収ダストを装入した後、湿潤転炉排ガス回収ダストを覆い被せるように湿潤転炉排ガス回収ダスト以外の冷鉄源を混銑車炉体内に装入し、転炉排ガス回収ダストと注入される溶銑との接触を妨げることが効果的であることが分った。このための冷鉄源としては、溶銑と接触しても容易に溶解しないことが望ましく、従って、比較的大形の冷鉄源を装入することにより、その効果が向上することも分った。
本発明は、上記試験結果に基づきなされたものであり、溶銑を払い出した後の溶銑輸送容器に、先ず、厚みが1mm以下で長さが200mm以下である冷鉄源を投入し、次いで、湿潤状態の転炉排ガス回収ダストを投入し、更に、前記転炉排ガス回収ダストの投入後に厚みが1mmを越える冷鉄源または長さが200mmを越える冷鉄源を投入し、その後、この溶銑輸送容器に溶銑を注入することを特徴とする。溶銑輸送容器としては一般的に混銑車及び溶銑鍋が使用されているが、本発明は混銑車及び溶銑鍋の何れであっても適用することができる。以下、混銑車を用いた例により、具体的に説明する。
図3、図4及び図5は、本発明の実施形態例を示す図であり、起重機を用いて冷鉄源を混銑車に装入する様子を示す図である。図3〜図5において、符号1は混銑車、2は混銑車の炉体、3は混銑車の炉口、4は混銑車の内張り耐火物、5は冷鉄源装入用の起重機、6は起重機のアームに取り付けられたリフティングマグネットである。
これらの図に示すように、前回受銑した溶銑を転炉や保持容器などに排出した後の空の混銑車1の炉体2、或いは若干の残留溶銑を収容した炉体2に、起重機5に取り付けられたリフティングマグネット6により吊り上げた転炉排ガス回収ダストなどの冷鉄源を、炉口3を介して投入する。冷鉄源は、強磁性体であり、リフティングマグネット6を脱磁することによって混銑車1の炉体2の内部に落下する。本発明においては、図3に示すように、厚みが1mm以下で長さが200mm以下である冷鉄源7(以下、「軽量冷鉄源7」と記す)を最初に装入する。次いで、図4に示すように湿潤状態の転炉排ガス回収ダスト8を軽量冷鉄源7の上に装入し、その後更に、図5に示すように、堆積した転炉排ガス回収ダスト8の上に、厚みが1mmを超えるか、或いは長さが200mmを超える冷鉄源9(以下、「重量冷鉄源9」と記す)を装入する。
即ち、軽量冷鉄源7を最初に装入し、次いで、湿潤状態の転炉排ガス回収ダスト8を装入し、更に、重量冷鉄源9を装入した後、この混銑車1を高炉に輸送して高炉から出銑される溶銑を受銑する。軽量冷鉄源7は、湿潤状態の転炉排ガス回収ダスト8が炉体2の底部と直接接触することを防止するためのものであるが、軽量冷鉄源7が緩衝材として機能し、続いて投入される転炉排ガス回収ダスト8及び重量冷鉄源9の投入時の内張り耐火物4への衝撃を低減する。
使用する軽量冷鉄源7としては、製鉄所の冷延工場や電磁鋼板工場などの薄鋼板製造工場において、薄鋼板の耳切り時、つまり薄鋼板の両側面部を切り落して製品化するときに発生する、厚みが1mm以下で長さが200mm程度の薄板屑(「チョッパー屑」ともいう)を用いることが好ましい。チョッパー屑の幅は、様々であるが10〜60mm程度である。このいわゆる薄鋼板形態であれば炉底で分散し、転炉排ガス回収ダスト8と炉体2の底部との接触を防止するのみならず、炉体2への投入時、内張り耐火物4の損傷に至らず、且つ、他の冷鉄源の装入に際しての緩衝材の働きを有する。
使用する重量冷鉄源9としては、厚みが1mmを超えるか或いは長さが200mmを超える限り、どのようなものであっても構わない。具体的には、厚鋼板の前後端部のクロップ切断や耳切り時に発生する厚板端板屑、連続鋳造鋳片のボトムクロップ、トップクロップなどのブロック状の鋳片屑、溶銑樋、溶銑輸送容器、転炉、溶鋼取鍋、連続鋳造用タンディッシュなどから発生する地金などを使用することができる。この場合、重量冷鉄源9に軽量冷鉄源7が混入していても全く問題ないが、軽量冷鉄源7は重量冷鉄源9を混入しないことが望ましい。
軽量冷鉄源7、転炉排ガス回収ダスト8及び重量冷鉄源9を装入したならば、混銑車1を高炉鋳床下に搬送し、高炉から出銑される溶銑を受銑する。一般的な混銑車の使用タイムサイクルでは、重量冷鉄源9の投入後から受銑までの時間として30分間以上確保できるはずであるが、何らかの理由によって、この間の時間が30分未満となる場合には、別の混銑車を準備する、或いは出銑を遅らせるなどの対策を講じることが好ましい。受銑後は溶銑を次工程の転炉工程に搬送する。この搬送の途中で、溶銑に脱珪処理、脱燐処理、脱硫処理を実施しても構わない。転炉排ガス回収ダスト8を含め添加した冷鉄源は、炉体2の内張り耐火物4の保有熱及び受銑した溶銑の熱によって加熱されて溶解し、溶銑配合量の低下に寄与する。
溶銑輸送容器として混銑車1を使用した場合、それぞれの冷鉄源の装入量の目安は、混銑車1に注入される溶銑に対して、軽量冷鉄源7は溶銑トン当たり2kg以上、転炉排ガス回収ダスト8は溶銑トン当たり22kg以下、重量冷鉄源9は溶銑トン当たり8kg以上とすることが好ましい。
軽量冷鉄源7が溶銑トン当たり2kg(以下「kg/t」と記す)未満になると、下敷きの効果が少なくなり、転炉排ガス回収ダスト8の炉底への固着の起こる恐れがある。また、軽量冷鉄源7の装入量が多くなると、その分、転炉排ガス回収ダスト8の装入量が減少するので、軽量冷鉄源7の装入量は7kg/t程度以下とすることが好ましい。
転炉排ガス回収ダスト8の装入量が多くなると、水分の乾燥・除去が不足する恐れがあり、転炉排ガス回収ダスト8の装入量は22kg/t以下とすることが好ましい。また、転炉排ガス回収ダスト8の装入量が多くなると、それに応じて軽量冷鉄源7及び重量冷鉄源9の装入量を増やす必要があり、装入した冷鉄源が未溶解のまま残留する恐れもあり、この観点からも、転炉排ガス回収ダスト8の装入量は22kg/t以下とすることが好ましい。
重量冷鉄源9の装入量が8kg/t未満になると、重量冷鉄源9で転炉排ガス回収ダスト8を覆うことができなくなり、発炎や発塵の発生する恐れがある。また、重量冷鉄源9の装入量が多くなると、その分、転炉排ガス回収ダスト8の装入量が減少するので、重量冷鉄源9の装入量は30kg/t程度以下とすることが好ましい。
溶銑輸送容器として溶銑鍋を使用した場合も、混銑車1の場合に準じて、それぞれの冷鉄源の装入量の目安を設定すればよい。但し、溶銑鍋では、開口部の小さい混銑車1と異なり、炉底全体に冷鉄源を装入できるので、混銑車1の場合よりも若干(1.2倍程度まで)装入量を増加しても構わない。
以上説明したように、本発明によれば、最初に装入される、厚みが1mm以下で長さが200mm以下である軽量冷鉄源7が下敷きとなり、湿潤した転炉排ガス回収ダスト8が溶銑輸送容器の底部に直接接触せず、転炉排ガス回収ダスト8の炉底での固着層の形成が防止され、受銑時或いは受銑後での固着層の突然の剥離による溶銑突沸のトラブルを未然に防止することができる。また、転炉排ガス回収ダスト8の上に、厚みが1mmを越えるかまたは長さが200mmを越える重量冷鉄源9を投入して転炉排ガス回収ダスト8を覆うので、溶銑輸送容器内への溶銑の注入時、注入される溶銑と転炉排ガス回収ダスト8とが直接接触せず、転炉排ガス回収ダスト中の酸素と溶銑中の炭素との急激な反応が抑制され、この急激な反応に起因する発炎や転炉排ガス回収ダスト8の飛散が防止される。
尚、本発明は上記説明の範囲に限るものではなく、種々の変更が可能である。例えば、上記説明では、リフティングマグネット6を備えた起重機5を用いて転炉排ガス回収ダスト8などの冷鉄源を混銑車1に投入しているが、スクラップシュートを用いて添加したり、それぞれの冷鉄源を収容するホッパーからシュートを介して投入したりするなど適宜の方法で添加することができる。
軽量冷鉄源としてチョッパー屑を用い、また、重量冷鉄源として厚板端板屑と鋳片屑との混合物を用い、軽量冷鉄源、転炉排ガス回収ダスト、重量冷鉄源の順に図3〜5に示すように起重機を用いて混銑車に装入し、その後、高炉から出銑される溶銑を受銑し、受銑時及び受銑後の水分に起因する溶銑の突沸の有無、受銑時の転炉排ガス回収ダストの飛散及び発炎の有無を調査する試験を実施した。用いた混銑車は280トン容量であり、溶銑を払い出した後6時間以内に前記冷鉄源の入れ置きを終了し、前記冷鉄源の入れ置き後30分間以上経過した後に溶銑を受銑した。使用した転炉排ガス回収ダストの水分量は約10質量%であった。表1に、各試験における冷鉄源の装入量並びに調査結果を示す。
Figure 0005245340
表1に示すように、チョッパー屑の装入量が少ない本発明例1では、一部の転炉排ガス回収ダストの炉体底部での固着が起こり、それに伴って溶銑の突沸が発生したが、突沸は軽微であり問題にはならなかった。本発明例4では、転炉排ガス回収ダストの装入量(6トン)に対してチョッパー屑の装入量が不足し、一部の転炉排ガス回収ダストの炉体底部での固着が起こり、溶銑の突沸が発生したが、突沸は軽微であり問題にはならなかった。
転炉排ガス回収ダストの装入量が7トンである本発明例6,7では、転炉排ガス回収ダストの装入量がやや多すぎ、一部乾燥不足となり、残留水分によって溶銑の突沸が発生したが、突沸は軽微であり問題にはならなかった。
本発明例8では、転炉排ガス回収ダストの装入量に対して重量冷鉄源の装入量がやや不足し、ダスト飛散及び火炎噴出が発生したが、ダスト飛散及び火炎噴出は軽微であり問題にはならなかった。
その他の本発明例2,3,5,9では、溶銑の突沸もダスト飛散及び火炎噴出も発生せず、安定した操業が可能であった。特に本発明例5では、転炉排ガス回収ダストを含めて大量の冷鉄源を何ら問題なく鉄源として有効利用することができた。
これに対して、下敷きとなるチョッパー屑を装入しない比較例1では、転炉排ガス回収ダストの炉底への固着による乾燥不足が発生し、激しい溶銑の突沸が発生し、また、転炉排ガス回収ダストを覆うための重量冷鉄源を装入しない比較例2では、激しいダスト飛散及び火炎噴出が発生し、ともに安定操業は不可能であった。
溶銑払い出し後の混銑車炉体内の雰囲気温度の調査結果を示す図である。 雰囲気温度が500℃のときの転炉排ガス回収ダストの付着水分の推移を示す図である。 本発明の実施形態例を示す図であり、起重機を用いて冷鉄源を混銑車に装入する様子を示す図である。 本発明の実施形態例を示す図であり、起重機を用いて冷鉄源を混銑車に装入する様子を示す図である。 本発明の実施形態例を示す図であり、起重機を用いて冷鉄源を混銑車に装入する様子を示す図である。
符号の説明
1 混銑車
2 炉体
3 炉口
4 内張り耐火物
5 起重機
6 リフティングマグネット
7 軽量冷鉄源
8 転炉排ガス回収ダスト
9 重量冷鉄源

Claims (2)

  1. 溶銑を払い出した後の溶銑輸送容器に、先ず、厚みが1mm以下で長さが200mm以下である冷鉄源を投入し、次いで、湿潤状態の転炉排ガス回収ダストを投入し、更に、前記転炉排ガス回収ダストの投入後に厚みが1mmを越える冷鉄源または長さが200mmを越える冷鉄源を投入し、該厚みが1mmを越える冷鉄源または長さが200mmを越える冷鉄源の投入後、30分間以上経過した後に、この溶銑輸送容器に溶銑を注入することを特徴とする、製鉄工程における転炉排ガス回収ダストの利用方法。
  2. 前記溶銑輸送容器が混銑車であって、該混銑車に注入される溶銑に対して、厚みが1mm以下で長さが200mm以下である冷鉄源の装入量を溶銑トン当たり2kg以上とし、転炉排ガス回収ダストの装入量を溶銑トン当たり22kg以下とし、厚みが1mmを越える冷鉄源または長さが200mmを越える冷鉄源の装入量を溶銑トン当たり8kg以上とすることを特徴とする、請求項1に記載の製鉄工程における転炉排ガス回収ダストの利用方法。
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