JP5243976B2 - 自動車内装材固定用係止部材 - Google Patents

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本発明は、自動車の内装材をパネル等の相手部材に係止固定するために内装材に接着固定される自動車内装材固定用係止部材に関する。
自動車の車室側に配設される内装材としては、天丼パネルを被覆するルーフライニングやフロアパネルを被覆するフロアカーペット、ラゲージパネルを被覆するラゲージトリム等、樹脂材料の成形物あるいは繊維基材をプレス成形したものが知られている。これら内装材の取付固定方法には各種方法があるが、内装材の裏面、すなわちパネル側の面に、パネルに設けられた連結部材に係止可能な係止部材を設けることが好適に行なわれている。係止部材は、内装材の裏面または係止部材の接着面に、ホットメルトなどの接着材を塗布することによって接着固定される。この時、内装材への荷重負荷によって係止部材が剥離しないことが技術課題の一つとなっている。
このことは、ルーフライニング裏面に取付けられた係止部材において、特に大きな課題となる。すなわち、ルーフパネルとルーフライニングとの間には、ルーフライニングの側縁に沿うようにカーテンエアバッグが配設されることがある。カーテンエアバッグの展開時には、ルーフパネル側に配設されている係止部材が受け部材から脱離して、ルーフライニングの側縁が車室内側にまくれることにより、カーテンエアバッグが車室内へと展開する。この際、係止部材には脱離する方向に大きな荷重がかかるため、係止部材がルーフライニングから剥離することがある。係止部材がルーフライニングから剥離すると、係止部材が飛散して乗員に危害を与えるおそれがある。このため、係止部材とルーフライニングとの接着強度を十分に確保する必要がある。
特許文献1には、係止部材の接着強度を高める技術として、車体パネル側の係合片を差込み係止することができるクリップ(係止部材)に、接着面から表面側に向かって広がり拡開するテーパー状の抜き穴を設ける技術が開示されている。接着材がテーパー状の抜き穴に充填され、アンカー効果によって、クリップ(係止部材)は内装材に強固に接着固定される。
特開平9-183346号公報
しかしながら、特許文献1に記載の係止部材においても、依然として剥離を防止するために十分な接着強度は得られない。係止部材に形成された抜き穴(貫通孔)はテーパー状に形成されているため、接着面側の穴の開口面積は小さく、接着材が抜き穴の中に十分に充填されにくい。このため、接着材のテーパーヘの掛かりが減少し、接着力のばらつきが増加するため、十分な接着強度が保証されない。この対策として、接着面側の開口面積を大きくすると、アンカー効果が減少するとともに、係止部材の内装材との接着面積が減少するため、結果として接着強度が低下する。
本発明は、自動車の内装材とパネルとの間に介在し、内装材に対して、強固に接着固定されることが可能な自動車内装材固定用係止部材を提供することを目的とする。
本発明の一実施態様によれば、自動車の内装材とパネルとの間に介在し、内装材をパネルに固定するために内装材に接着固定される自動車内装材固定用係止部材が提供される。係止部材は、パネルに取付けられた連結部材と係止可能な係止部と、内装材に面し、接着剤によって内装材と接着可能な裏面と、を備えた主部と、主部と一体に形成されたフランジ部であって、パネルに面する第1の面と、内装材に面し、接着剤によって内装材と接着可能な第2の面と、を有するフランジ部と、を有している。フランジ部は、第1の面と第2の面との間でフランジ部を貫通する貫通孔を有し、貫通孔はフランジ部の面内方向に貫通孔を横断する架橋部を備えている。
貫通孔に橋渡し状に貫通孔を横断する架橋部が設けられているため、接着剤が架橋部を包み込むことによってアンカー効果が向上しやすくなり、従来技術では得られなかった強固な接着強度が得られる。
架橋部は、内装材に面する底面がフランジ部の第2の面と略面一であり、かつ板厚がフランジ部の板厚よりも小さいことが望ましい。このような構成では、内装材に接着剤を塗布した後、係止部材を押し当てた際に、接着剤が容易に架橋部を包み込むことができる。このため、接着剤の貫通孔への押出量が少ない場合でも接着力のばらつきが低減され、接着不良の発生を可及的に低減することが可能となる。
架橋部の板厚はフランジ部の板厚の20〜70%の範囲にあることが望ましい。架橋部の板厚をこのように設定することによって、架橋部の強度を確保しつつ、接着剤が確実に架橋部を包み込むことが容易となる。
貫通孔は、第2の面から第1の面の手前まで一定断面で延びる断面一定部と、断面一定部に接続され、第1の面に向かって断面積が増大しながら第1の面まで延びるテーパー部と、を有することが好ましい。貫通孔の断面一定部によって貫通孔内への接着剤の充填性が確保されるとともに、貫通孔内に接着剤が十分に充填された場合には、架橋部だけでなく、テーパー部の斜面にも接着剤が掛かることになるため、係止部材の接着強度がよりー層高められる。
架橋部のパネルに面する上面は、断面一定部とテーパー部との接続部と同一高さに位置していることが望ましい。接着剤がより確実に架橋部を包み込むと同時に、接着剤がテーパー部にも到達するため、係止部材の接着強度が高められる。
架橋部の上面には、フランジ部の板厚方向の高さが変化する凹凸部が設けられていることが望ましい。架橋部の上面に形成された凹凸部の凹部に接着剤が充填されて、架橋部によるアンカー効果が高められ、係止部材の接着強度がさらに高められる。
架橋部の側面は、フランジ部の板厚方向と平行に延びていることが好ましい。架橋部が接着剤の貫通孔への充填を阻害しにくくなり、接着剤が架橋部の上面まで確実に到達することができる。
貫通孔の側面または架橋部の側面にはフランジ部の板厚方向に延びる溝部が形成されていることが望ましい。接着剤が溝部へと充填され、溝部に充填された接着剤によるアンカー効果がプラスされるため、係止部材の接着強度がさらに高められる。
架橋部は2つ設けられ、貫通孔内で互いに交差していてもよい。架橋部による接着剤とのアンカー効果が増加するため、接着力が向上する。
貫通孔は矩形断面を有していてもよい。矩形断面の貫通孔とすることにより、丸孔の貫通孔と比べて接着剤の充填性が良好となる。
以上説明したように、本発明によれば、自動車内装材に対して、強固に接着固定されることが可能な自動車内装材固定用係止部材を提供することが可能となる。
本発明による係止部材をルーフライニングに適用した実施形態を示す斜視図である。 本発明による係止部材をルーフパネルに取付けた状態を示す断面図である。 本発明による係止部材の拡大斜視図である。 本発明による係止部材のフランジ部の拡大上面図である。 本発明による係止部材をルーフライニングに接着した状態を示す断面図である。 本発明の第二の実施形態における係止部材のフランジ部の拡大上面図である。 本発明の第三の実施形態における係止部材のフランジ部の拡大上面図である。 本発明の第四の実施形態における係止部材のフランジ部の拡大上面図である。 本発明の第五の実施形態における係止部材のフランジ部の拡大斜視図である。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態について説明する。
図1(a)は、本発明による係止部材10を適用したルーフライニング1を裏面側、すなわちルーフパネルに面する側から見た斜視図、図1(b)は、ルーフライニングの裏面に貼着された係止部材の一つを拡大して示した、図1(a)のA部の斜視図である。係止部材10は、ルーフライニング1の裏面において、自動車の前後方向の両側縁に沿って、各6個ずつ間隔をあけて配設されている。
係止部材10をルーフパネル側に配設された金属クリップ4(図1(b)参照)に差込み、固定することによって、ルーフライニング1の端末が固定保持される。
図2は、係止部材10をルーフパネルに取付けた状態を示す断面図である。図中左側が車体の外側、右側が車体の中央側である。係止部材10は、ルーフライニング1の裏面、すなわち基材laの表面に接着固定されている。ルーフパネルは、車両のドア開口部の上縁を構成するインナーパネル5,6や、アウターパネル7などから構成されている。インナーパネル5,6とアウターパネル7のフランジ部との合わせ部に、連結部材である金属クリップ4の断面U字状の本体部4aが嵌合している。ルーフライニング1は、金属クリップ4に係止されることにより、ルーフパネルに取付け固定されている。
金属クリップ4の本体部4aには、切り起こして形成された弾性片4bが形成されている。弾性片4bがインナーパネル5に弾接することによって、金属クリップ4の本体部4aがインナーパネル5に強固に取付けられる。金属クリップ4の本体部4aの車室内側の端縁からは、二又に分岐した係合脚4c,4c’が延長形成されており、これら係合脚4c,4c’の間に、係止部材10の係止部20を差込むことにより、係止部材10が金属クリップ4に嵌合固定される。
インナーパネル5,6及びアウターパネル7の合わせ部と、金属クリップ4の本体部4aは、弾性材料からなるオープニングトリム8で被覆されている。オープニングトリム8は、EPDM(Etylene Propylene Diene Methylene)、PVC(polyvinyl chloride)、TPO(Thermo Plastic Olefin)などの弾牲材料から押出成形などによって形成される。オープニングトリム8はドア開口に取付けられ、車体パネルのフランジ部を被覆するとともに、ドア開閉時の緩衝機能を担っている。
(ルーフライニング)
ルーフライニング1は、熱可塑性基材または熱硬化性基材をプレス成形することによって、ルーフパネルの形状に沿った形状に成形される。基材laの車室側は、不織布やニット、不織布またはニットの少なくともいずれかとウレタンフォームとの積層体などからなる表皮lbによって被覆され、内装材として好適な見栄えや手触り感が付与されている。
図1に示すように、ルーフライニング1には、収納ボックスやマップランプなどが一体化されたコンソールをルーフパネルに取付けるための開口2や、ルームランプ取付け用の開口3が形成されている。その他にも、アシストグリップやサンバイザ等の構成部品をルーフパネルに取付けるための開口(図示せず)、及びこれら構成部品を収容する凹形状部(図示せず)が形成されている。これらの構成部品は、ルーフライニング1に予めモジュールされた状態で、ルーフパネルに取付けられる。この際、ルーフライニング1は、構成部品とルーフパネルとの間で挟持固定されることによって、ルーフパネルに沿った取付け位置に固定保持される。
(係止部材)
図3に、本発明による係止部材10を斜視図で示す。係止部材10は、ルーフライニング1の車体パネルに面する側、すなわち基材1aの表面に接着剤を介して接着固定されている。
係止部材10は、パネルに取付けられた金属クリップ4(連結部材)と係止可能な係止部20と、ルーフライニング1(内装材)に面し、接着剤によってルーフライニング1と接着可能な裏面12と、を備えた主部11を有している。主部11の両脇には主部11と一体に形成された一対のフランジ部21,21’が設けられている。フランジ部21は、パネルに面する第1の面13と、ルーフライニング1(内装材)に面し、接着剤によってルーフライニング1と接着可能な第2の面14と、を有している。フランジ部21’も、同様の構成の第1の面13’と、第2の面14’と、を有している。
係止部材10は、ポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂を射出成形することによって形成されているが、これに限られるものではなく、ポリエチレンやポリカーボネート、ポリアミドなどの熱可塑性樹脂、または、ステンレスやアルミニウムなどの金属などでも代替可能である。係止部材10の外形寸法は、一例では長手方向の長さが70mm、幅方向長さが16mm、高さが14mm、板厚は2mmである。
係止部20とフランジ部21,21’との間には規制リブ26,26’が形成されている。規制リブ26,26’によって、係止部20に係合した金属クリップ4の移動が規制される。このため、金属クリップ4と係止部材10の相対的な位置ずれによって、金属クリップ4と係止部材10の係合が解除されたり、係合力が低下したりして、ルーフライニング1が部分的に垂れ下がるような不具合の発生が防止される。
係止部材10の係止部20は、図2及び図3に示すように、係止部材10の一般面23から突出形成されている。係止部20の端部には、頭部22が形成されている。係止部20の根本、すなわち、係止部20の一般面23との結合部近くはテーパー状に形成されており、係止部20の強度が確保されている。係止部20の側面及び規制リブ26,26’には適宜補強リブ25が設定されており、係止部20が補強されている。
係止部20の頭部22は、第一の凸部22aと第二の凸部22bとからなり、互いに反対側の方向に突出形成されている。係止部20の上下方向(係止部の突出方向)において、第一の凸部22aは、第二の凸部22bよりも高い位置に設けられている。金属クリップ4の係止脚4c,4c’は、これら第一の凸部22a及び第二の凸部22bの形状に対応した形状に形成されている。第一の凸部22aと第二の凸部22bとが互いに異なる高さに形成されているため、係止部材10は、金属クリップ4に容易に挿入、係合固定することが可能となる。
第二の凸部22bの突出量は、第一の凸部22aの突出量よりも大きくなるように設計されている。係止部材10を金属クリップ4に係合させるときは、まず、突出量の小さい第一の凸部22aを係止脚4cに係止させ、その後、突出量の大きい第二の凸部22bを係止脚4c’に係止させる。これによって、必要とされる押し込み力が低減されると同時に、金属クリップ4と係止部材10との係合に必要な係合力が維持される。
図2に示すように、係止部材10は、第二の凸部22bが車体の外側を向くようにルーフライニング1に接着固定される。これにより、ルーフライニング1の端末のまくり方向に受けた力に対して係止部材10が効果的に対抗することができるため、金属クリップ4と係止部材10との係合が予期しない外力によって解除されることが防止される。
係止部材10の主部11においては、係止部20が形成されている側とは反対側の面12が接着面となるが、フランジ部21,21’は、この主部11を延長して接着面を拡大し、係止部材10の接着力を高めるために設けられている。
図4は、係止部材10のフランジ部21の拡大上面図であり、図5は、係止部材10をルーフライニング1の基材laに接着した状態を示すフランジ部の拡大断面図である。以下、フランジ部21について説明するが、フランジ部21’にも全く同様の説明があてはまる。
フランジ部21は、第1の面13と第2の面14との間でフランジ部21を貫通する貫通孔27を有し、貫通孔27はフランジ部21の面内方向に貫通孔を横断する架橋部28を備えている。架橋部28は、貫通孔27の開孔縁の一縁から対向する他縁まで橋渡し状に延びるように形成されている。
係止部材10をルーフライニング1に接着固定するときは、ルーフライニング1の基材laの接着位置に接着剤29を塗布し、その後、接着剤29に係止部材10を押し当てる。これによって、主部11の裏面12及びフランジ部21の第2の面14が、接着剤29を介して基材laに接着される。フランジ部21には、フランジ部21の板厚方向に貫通する貫通孔27が形成されているため、接着剤29は、貫通孔27の内部に充填される。これによって、アンカー効果が付加され、接着力が高められる。特に本実施形態においては貫通孔27に架橋部28が設けられているため、貫通孔27内に充填された接着剤29が架橋部28の上面28bまで到達し、架橋部27を接着剤29が包み込んだ状態で接着される。この結果、架橋部27によるアンカー効果が付加されて係止部材10はより強固に接着固定される。
架橋部28は、内装材(ルーフライニング1)に面する底面28aがフランジ部の第2の面14と略面一となるように設計されている。これによって、接着剤29の樹脂量は接着剤29を架橋部28の上面28bまで到達させるための必要最小限の量で済むため、接着剤29の塗布量のばらつきにより、接着剤29が不足して、架橋部28の上面28bまで到達しないといった不具合の発生を可及的に防止できる。
架橋部28の板厚tは、フランジ部21の板厚Tよりも小さくなるように形成されている。この構成によって、より確実に接着剤29が架橋部28の上面28bへ到達することができる。架橋部28の板厚tは、フランジ部21の板厚Tの20〜70%の範囲に含まれるように形成されることが好ましく、40〜50%の範囲に含まれることがより好ましい。上記下限値以上であれば、架橋部28の強度が確保されて、架橋部28の割れや変形が防止でき、上記上限値以下であれば、架橋部28の上面28bまで接着剤29が到達し易くなる。
貫通孔27は、第2の面14から第1の面13の手前のフランジ部21の板厚方向における途中高さの位置hまで一定断面で延びる断面一定部31と、断面一定部31に接続され、第1の面13に向かって断面積が増大しながら第1の面13まで延びるテーパー部30と、から構成されている。この結果、テーパー部30には傾斜部21aが形成される。このような形状とすることによって、傾斜部21aに接着剤29が掛かることによるアンカー効果が付加され、係止部材10の接着力がさらに高められる。断面一定部31を設けたことで、接着剤29がテーパー部30へ到達するための接着剤29の余分な樹脂量が不要となるため、より確実に接着剤29がテーパー部30及び架橋部28の上面28bに到達するようになる。
架橋部28の上面28bは、テーパー部30の下縁から連続して形成されている。すなわち、架橋部28のパネルに面する上面28bは、断面一定部31とテーパー部30との接続部と同一高さhに位置している。このような形状とすることによって、架橋部28の上面28b及びテーパー部30まで、確実に接着剤29が到達するようになり、架橋部28とテーパー部30とによるアンカー効果が組み合わされて、接着力がさらに高められる。
架橋部28の側面28cは、フランジ部21の板厚方向に対して傾斜しないように形成されている。すなわち、架橋部28の側面28cは、フランジ部21の板厚方向と平行に延びている。このような形状とすることによって、接着剤29はより確実に架橋部28の上面28bまで到達する。
貫通孔27の孔径rは4mm、架橋部の幅はlmmである。貫通孔27に対する架橋部28の占有率(第2の面14側から見た投影面積)は、20〜50%の範囲であることが好ましく、25〜40%の範囲であることがより好ましい。上記下限値以上であれば、架橋部28の強度が確保され、上記上限値以下であれば、接着剤29の貫通孔27内への充填が阻害されることなく、容易に架橋部28の上面28bまで到達する。
本実施形態においては、接着剤29として、ダイアボンド社製のホットメルトO207を使用している。ホットメルトを加熱溶融した状態で、接着剤29をルーフライニング1の基材laの係止部材10の設定位置に塗布した後、係止部材10を押し当てて係止部材10を接着する。ホットメルトが固化することによって、係止部材10はルーフライニング1に固定される。
(不織布の貼着)
本発明による係止部材10をルーフライニング1に接着固定した状態で、さらに、係止部材10を包むように、不織布をルーフライニング1の基材laに貼着してもよい。具体的には、係止部材10の係止部20に対応する切欠を設けた平物の不織布を用意し、この切欠を係止部20に挿通させて、不織布が係止部材10のフランジ部21を覆った状態で、不織布の外周の少なくとも一部を接着剤で接着固定する。このような構成とすることによって、万が一係止部材10がルーフライニング1から剥離した場合であっても、不織布によって、係止部材10が飛散することが防止できる。
(第二の実施形態)
図6は、本発明による係止部材の第二の実施形態におけるフランジ部21を拡大して示す上面図である。本実施形態では、貫通孔27の一縁から対向する他縁まで橋渡し状に形成された架橋部28が、十字状に交差するように2本形成されている。すなわち、架橋部は2つ設けられ、貫通孔27内で互いに交差している。架橋部を増やすことによって、架橋部28による接着剤とのアンカー効果が増加するため、接着力が向上する。
本実施形態において、架橋部28は、上面視で十字状となるように形成されているが、これに限られるものではなく、上面視でY字状、T字状など任意の形状で代替できる。
(第三の実施形態)
図7は、本発明による係止部材の第三の実施形態におけるフランジ部21を拡大して示す上面図である。本実施形態においては、貫通孔27が略矩形状となるように形成されている。貫通孔27が上面視で矩形状とされているため、丸孔の貫通口と比べて接着剤の充填性が良好となる。
(第四の実施形態)
図8は、本発明による係止部材の第四の実施形態におけるフランジ部21部分を拡大して示した上面図である。本実施形態では、貫通孔27の側面に、上面視でV字状の、フランジ部の板厚方向に延びる複数の溝部33が断続的に形成されている。溝部33を形成することによって、溝部33内にも接着剤が充填されるため、アンカー効果が更に高められる。
本実施形態における溝部33は、断面V字状に形成されているが、これに限られることはなく、断面U字状、矩形状など任意の形状とすることができる。本実施形態における溝部33は断続的に配置されているが、溝部33を間隔をあけて配置してもよい。
溝部32は貫通孔27の側面に形成されているが、架橋部28の側面に形成してもよいし、貫通孔27の側面と、架橋部28の側面との両方に形成してもよい。
(第五の実施形態)
図9は、本発明による係止部材の第五の実施形態におけるフランジ部21部分を拡大して示す斜視図である。本実施形態では、架橋部の上面には、フランジ部の板厚方向の高さが変化する凹凸部が設けられている。すなわち、架橋部28の上面28bに複数の溝部(凹部)34が形成されている。溝部34は架橋部28の上面28bから、架橋部28の板厚方向の途中高さまで形成された断面凹形状で、架橋部28を横断し、間隔をおいて配列されている。溝部34を形成することによって、溝部34内へ接着剤が充填されるため、接着剤と架橋部とのアンカー効果がさらに高められる。
本実施形態では溝部34は断面凹形状であるが、これに限らず、断面U字状、V字状など任意の形状を適用できる。
(試験方法)
係止部材の実施例として、上記第一の実施形態と同じものを用意し、比較例として、架橋部を有さない以外は実施例と同一の形状の係止部材を用意した。
これらの実施例と比較例の係止部材を、ルーフライニングに相当する板状基材に接着剤によって接着固定した。次に、板状基材を固定した状態で、引張試験機によって、係止部材を面直方向に50mm/minの速度で引張り、最大荷重を測定した。測定は、常温(23℃)の他に、高温時を想定し、温度80℃でも行った。
(試験結果、評価)
試験結果を表1に示す。常温時、高温時ともに、比較例に対して、実施例の最大荷重が増加し、剥離強度が向上した結果が得られ、本発明による係止部材の有意な効果が確認された。
Figure 0005243976
1 ルーフライニング
la 基材
4 金属クリップ
10 係止部材
11 主部
12 裏面
13,13’ 第1の面
14,14’ 第2の面
20 係止部
21,21’ フランジ部
22 頭部
22a 第一の凸部
22b 第二の凸部
27 貫通孔
28 架橋部
29 接着剤
30 テーパー部
31 断面一定部
33,34 溝部

Claims (10)

  1. 自動車の内装材とパネルとの間に介在し、前記内装材を前記パネルに固定するために該内装材に接着固定される自動車内装材固定用係止部材であって、
    前記パネルに取付けられた連結部材と係止可能な係止部と、前記内装材に面し、接着剤によって前記内装材と接着可能な裏面と、を備えた主部と、
    前記主部と一体に形成されたフランジ部であって、前記パネルに面する第1の面と、前記内装材に面し、接着剤によって前記内装材と接着可能な第2の面と、を有するフランジ部と、
    を有し、
    前記フランジ部は、前記第1の面と前記第2の面との間で該フランジ部を貫通する貫通孔を有し、該貫通孔は前記フランジ部の面内方向に該貫通孔を横断する架橋部を備えている、自動車内装材固定用係止部材。
  2. 前記架橋部は、前記内装材に面する底面が前記フランジ部の前記第2の面と略面一であり、かつ板厚が前記フランジ部の板厚よりも小さい、請求項1に記載の自動車内装材固定用係止部材。
  3. 前記架橋部の板厚は前記フランジ部の板厚の20〜70%の範囲にある、請求項2に記載の自動車内装材固定用係止部材。
  4. 前記貫通孔は、前記第2の面から前記第1の面の手前まで一定断面で延びる断面一定部と、前記断面一定部に接続され、該第1の面に向かって断面積が増大しながら前記第1の面まで延びるテーパー部と、を有する、請求項1から3のいずれか1項に記載の自動車内装材固定用係止部材。
  5. 前記架橋部の前記パネルに面する上面は、前記断面一定部と前記テーパー部との接続部と同一高さに位置している、請求項4に記載の自動車内装材固定用係止部材。
  6. 前記架橋部の前記上面には、前記フランジ部の板厚方向の高さが変化する凹凸部が設けられている、請求項1から5のいずれか1項に記載の自動車内装材固定用係止部材。
  7. 前記架橋部の側面は、前記フランジ部の板厚方向と平行に延びている、請求項1から6に記載の自動車内装材固定用係止部材。
  8. 前記貫通孔の側面または前記架橋部の側面には前記フランジ部の板厚方向に延びる溝部が形成されている、請求項1から7のいずれか1項に記載の自動車内装材固定用係止部材。
  9. 前記架橋部は2つ設けられ、前記貫通孔内で互いに交差している、請求項1から8のいずれか1項に記載の自動車内装材固定用係止部材。
  10. 前記貫通孔は矩形断面を有している、請求項1から9のいずれか1項に記載の自動車内装材固定用係止部材。
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