JP5243912B2 - 荷電粒子ビーム装置におけるビーム位置較正方法 - Google Patents

荷電粒子ビーム装置におけるビーム位置較正方法 Download PDF

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Description

本発明は走査電子顕微鏡や電子ビーム描画装置等の如き荷電粒子ビーム装置のビーム位置較正に関するものである。より具体的には、フォーカス補正に伴うビーム位置のずれを較正する方法に関する。
図3は荷電粒子ビーム装置の電子光学系の一例として示した電子ビーム描画装置用の電子光学系の一概略図である。
該電子光学系において、先ず第1のレンズ1により物体2の像3が形成される。前記物体2としては、電子ビームで照明された成形開口板(例.US4,151,422のFig.1の4)、電子銃等の電子源、或いはそれらの像が考えられる。
次いで、第2のレンズ4により像3の像5が感光材料が塗布された材料面6上に形成される。この状態で偏向器7を働かせて電子ビーム8を偏向することにより、前記像5は前記材料面6上の所望の位置に照射され、その結果、所望のパターンが前記材料面6上の所望の位置に描画される。
尚、電子ビーム8の偏向範囲(偏向フィールド)の大きさは1mm角前後で、前記材料を装着した材料ステージ(図示せず)を水平方向に移動させることにより、前記偏向フィールドを超える範囲にもパターンを描画することが出来る。
又、前記第1のレンズ1、第2のレンズ4としては、一般的には電磁レンズが用いられ、前記偏向器7としては、偏向速度を速くするため、静電偏向器が用いられる。
該偏向器7によるビーム偏向に伴い、偏向収差、即ちコマ収差、像面湾曲収差(フォーカスずれ)、非点収差、歪収差(偏向フィールド歪)、色収差が発生する。
一方、前記材料面6の高さは一般的に一様ではなく分布がある。又、材料ステージがその水平方向の移動とともに上下動するなどの理由により前記像5に対して前記材料面6の高さが変化して、フォーカスずれや、前記材料面6上のビーム位置(前記材料面6へのビーム入射位置)のずれが発生する。このようなフォーカスずれやビーム位置ずれも、広義の収差として扱うことができる。
これらの収差のうち、電子ビーム描画装置では、一般に、像面湾曲収差(フォーカスずれ)、非点収差、歪収差(偏向フィールド歪、ビーム位置ずれ)を補正している。像面湾曲収差と非点収差は、静電型或いは電磁型の補正器により補正し、歪収差は、位置ずれに対する補正信号を、位置決めのための偏向信号に重畳することで、それぞれ、補正している。
前記図3の電子光学系においては、静電型のフォーカス補正器9を用いて(ここでは、非点補正器や、歪収差補正のための演算器等は図示していない)、偏向位置に応じて高速にフォーカス補正を行っている。該フォーカス補正器9は筒状の導体から成り、該フォーカス補正器9に、周囲の電位(通常は零)に対して電圧を印加すると、前記第1のレンズ1の磁場内の電位が変化して、該第1のレンズ1を通過する電子の速度が変化する。その結果、電子に対する該第1のレンズ1の強度が変化し、前記像3及び像5の高さ位置が変化する。即ち、前記材料面6に対してフォーカスの高さ位置が変化する。
特公平2−34426号公報(第2頁右欄第22行〜第3頁右欄第14行、第1図〜第4図)
さて、上記の如き方法により収差は補正されるが、該収差と共に、補正残差(補正不足或いは補正過多)も発生している。その為、補正前の該収差は出来るだけ小さくすることが望まれる。
該補正残差の原因の一つは、収差の測定誤差である(尚、収差の測定方法は既知で、ナイフエッジや、メッシュ(重金属)等の微細パターンを電子ビーム8で走査することにより得られる信号(例、吸収電流に基づく信号、反射電子に基づく信号、二次電子に基づく信号)を演算処理することによって行われる)。
又、補正に伴って発生する新たな収差も補正残差の原因となる。例えば、歪収差は偏向電圧に関し非線形性を持つので、該歪収差の分だけ前記電子ビーム8を偏向してビーム位置を補正すると、その偏向が新たな歪収差及び新たな像面湾曲収差や非点収差を生む。
又、電子光学系の構成によっては、フォーカス補正を施すことにより偏向感度が変わる(これも広義の歪収差として扱える)こともある。
これらの補正残差は、測定と補正を繰り返すことで、ある一定値以下に収束させることができるが、補正前の収差が大きいと、該収差の収束が遅くなり、測定時間が長くなる。
この様な問題は、特に偏向フィールド歪測定において顕著である。該偏向フィールド歪補正は、1つの偏向フィールドについて、多数の点(例えば10×10=100箇所)にビームを偏向して行なわれ、多大な測定時間が掛かるからである。
所で、前記図3に示す装置では、物体2は第1のレンズ1の磁場中心軸上に位置している様に見えるが、実際には位置合わせ精度に限界があるため、前記物体2は第1のレンズ1の磁場中心軸からずれていることが多い。
又、レンズの加工・組み立て精度が良くなかったり、レンズが全体的に傾いていたりすれば、前記第1のレンズ1の磁場中心軸がずれたり、傾いたりする。この様な条件下においては、仮に、前記物体2が本来の前記磁場中心軸上に配置されていたとしても、実際には、該物体2が第1のレンズ1の磁場中心軸からずれることになる。尚、磁場中心軸とは、レンズ内における電子の速度を変えない(電子軌道がレンズの有無によらない)軸を指す。もし、レンズが軸対称に構成されていれば、磁場中心軸はその対称軸に一致する。
さて、フォーカス補正を施すと、投影倍率が変化する。この時、前記物体2が第1のレンズ1の磁場中心軸からずれていると、この投影倍率の変化のため、ビーム位置ずれが発生する(材料面6へのビーム入射位置が変化する)。このビーム位置ずれは歪収差に加算され、偏向フィールド歪が大きくなる。
この様な点から、予めフォーカス補正に伴うビーム位置ずれを測定し、フォーカス補正量に応じて該ビーム位置が補正されるようにしておき、偏向フィールド歪を、測定される前に小さくしておくことが望ましい。
しかしながら、フォーカス補正に伴うビーム位置ずれをどのように測定すべきか、そしてそれに対する補正量をどのように決定すべきかについて、何も成されていない。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、荷電粒子ビーム装置において、フォーカス補正に伴うビーム位置ずれを容易且つ精度よく測定し得、それに基づきビーム位置を補正出来る様にしたビーム位置較正方法を提供することを目的としている。
(1)請求項1記載の発明は、集束した荷電粒子ビームを偏向することにより該荷電粒子ビームが材料上の任意の位置に照射される様に成した荷電粒子ビーム装置におけるビーム位置較正方法であって、以下のステップから成ることを特徴とする。
S1:偏向器に偏向電圧VDを印加することによるビーム偏向に伴う材料面に対するフォーカスずれを偏向フィールド内の各点について求め、そのフォーカスずれを打ち消すために必要なフォーカス補正電圧VFを決定する。
S2:ステップS1で得られた結果に基づき、偏向フィールド中心について点対称となる任意の2点
i1=di・VD1,ui2=di・VD2
に対するフォーカス補正電圧VF1,VF2を決定して、ui1,ui2におけるビーム位置ずれdUi1,dUi2をフォーカス補正された状態で測定する。
S3:dUi1,dUi2,VF1,VF2から単位フォーカス補正電圧当たりのビーム位置ずれfiを求める。
S4:ステップS1で得られた偏向フィールド内の各点についてのVFに基づいてフォーカス補正しつつVFとfiとの積fi・VFを打ち消すように偏向電圧を補正しながら偏向フィールド歪を測定する。
S5:ステップS1で得られたVFに基づいてフォーカス補正しつつ、fi・VFとステップS4で測定した偏向フィールド歪との和を打ち消すように偏向電圧の補正をしながら偏向フィールド測定を繰り返して偏向フィールド歪を所定値以下に収める。
(2)請求項2記載の発明は、集束した荷電粒子ビームを偏向することにより該荷電粒子ビームが材料上の任意の位置に照射される様に成した荷電粒子ビーム装置におけるビーム位置較正方法であって、高さの異なる2つのビーム測定面で測定されるビーム位置が相対的に較正できるものにおいて、以下のステップからなることを特徴とする。
S1:高さの異なる2つのビーム測定面に対してフォーカス補正電圧VF1とVF2を求める。
S2:前記2つのビーム測定面に対しフォーカス補正を施しつつ、各ビーム測定面において、フォーカス補正に伴うビーム位置ずれdUi1,dUi2を測定し、これより単位フォーカス補正電圧あたりのビーム位置ずれfiを求める。
S3:前記2つのビーム測定面に対してフォーカスを補正しつつ、前記fiと各ビーム測定面に対するフォーカス補正電圧の差(VF2−VF1)との積fi・(VF2−VF1)を打ち消すように、偏向電圧を補正しながらビーム位置ずれ測定を繰り返してビーム位置ずれを所定値以下に収める。
S4:材料面の高さ分布を測定し、その高さ分布から材料面内の各点に対するフォーカス補正電圧を求める。
S5:前記単位フォーカス補正電圧当たりのビーム位置ずれfiと、ステップ4で求めたフォーカス補正電圧VFとの積fi・VFが打ち消されるように材料面内の各点に対する偏向補正電圧を決定する。
(1)請求項1記載の発明によれば、フォーカス補正に伴うビーム位置ずれを精度よく測定し、それに基づきビーム位置を補正することができる。
(2)請求項2記載の発明によれば、前記2つの測定面とは高さの異なる目標面に対するフォーカス補正に伴うビーム位置ずれを精度よく求め、それに基づきビーム位置を補正することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。本発明で提案する荷電粒子ビーム装置の電子光学系の基本構成は、図3に示すものと同じである。
[実施の形態1]
この例では、偏向フィールド歪の測定を行う前に、フォーカス補正に伴うビーム位置ずれを求め、該ビーム位置ずれに基づくビーム位置の補正を行い、前記偏向フィールド歪を小さくしておく。この状態で、該偏向フィールド歪を測定し、該歪が打ち消される様にビーム位置を補正する。
以下にこの例を詳述する。
(ステップS1)
偏向器7に偏向電圧VD(複素数)を印加し、近軸像面上の平面座標ui=di・VD(複素数)を目標に電子ビーム8を偏向することに伴う、材料面6に対するフォーカスずれを偏向フィールド内の各点について求め、そのフォーカスずれを打ち消すために必要なフォーカス補正電圧VFを決定する。
ここで、diは単位偏向電圧に対する偏向軌道(収差を含まない単位偏向電圧当たりの軌道のずれ)d(z)の近軸像面における平面座標(複素数)、即ち偏向感度である。又、フォーカス補正電圧VFは、電子ビーム8を偏向しない時の電圧をオフセット成分として除去して定義する。即ち、VD=0の時、VF=0とする。
(ステップS2)
ステップS1で得られた結果に基づき、偏向フィールド中心について点対称となる任意の2点(目標ビーム位置)ui1=di・VD1及びui2=di・VD2に対するフォーカス補正電圧VF1及びVF2を決定する。そして、該2点ui1,i2各々において決定したフォーカス補正電圧VF1,VF2を印加してフォーカス補正すると同時に、該フォーカス補正により発生したビーム位置ずれdUi1及びdUi2を測定する。
(ステップS3)
前記ビーム位置ずれdUi1及びdUi2と、前記フォーカス補正電圧VF1及びVF2とから、単位フォーカス補正電圧あたりのビーム位置ずれfiを、fi≒(dUi1+dUi2)/(VF1+VF2)の関係から近似的に求める。
(ステップS4)
ステップS1で得られたフォーカス補正電圧VFとステップS3で求められた単位フォーカス補正電圧あたりのビーム位置ずれfiとから偏向フィールド内の各点におけるフォーカス補正に伴うビーム位置ずれに対応するfi・VF(以後、フォーカス補正に伴うビーム位置ずれと称す)を求める。
そして、偏向フィールド内の各点について、フォーカス補正電圧VFに基づきフォーカスを補正しつつ、前記フォーカス補正に伴うビーム位置ずれfi・VFを打ち消す(即ち、該ビーム位置ずれに基づくビーム位置の補正を行うことに対応する)様に偏向電圧を補正しながら電子ビーム8を偏向し、偏向フィールド歪を測定する(該歪は、既知で、ナイフエッジや、メッシュ(重金属)等の微細パターンを電子ビーム8で走査することにより得られる信号(例、吸収電流に基づく信号、反射電子に基づく信号、二次電子に基づく信号)値と所定値(基準値)との差分に基づいて求められる)。
(ステップS5)
偏向フィールド内の各点について、フォーカス補正電圧VFに基づきフォーカスを補正しつつ、ステップS4で得られた前記フォーカス補正に伴うビーム位置ずれfi・VFと、ステップS4で測定した偏向フィールド歪との和を打ち消す様に、偏向電圧を補正しながら電子ビーム8を偏向する。
この際、偏向フィールド歪(フォーカス補正によって新たに生じた偏向フィールド歪)を測定し、該偏向フィールド歪が所定の基準値以下に収まっていることを確認する。必要なら、偏向フィールド歪測定・補正を繰り返し、該偏向フィールド歪を所定の基準値以下に収める。
この様にして、偏向フィールド歪が所定の基準値以下に収まった時の偏向補正電圧を最終的な偏向補正電圧として、装置のメモリ(図示せず)に記憶しておき、実際のパターン描画時に、電子ビームのショット位置を指定する偏向電圧に加算する。
この結果、フォーカス補正に伴うビーム位置ずれが補正される。
このように、本発明によれば、フォーカス補正に伴うビーム位置ずれを簡単且つ精度よく測定することが出来る。そして、該測定したフォーカス補正に伴うビーム位置ずれに基づくビーム位置の補正を行っているので、測定される偏向フィールド歪は小さく、該偏向フィールド歪測定が短時間で行える。そして、該測定した偏向フィールド歪に基づくビーム位置ずれと前記フォーカス補正に伴うビーム位置ずれが基準値以下に収まる偏向補正電圧を実際のパターン描画時に、電子ビームのショット位置を指定する偏向電圧に加算しているので、精度の良いパターン描画が可能となる。
次に、フォーカス補正の原理と、フォーカス補正に伴うビーム位置ずれの原理を数式を用いて説明する。
図3の光学系に対応する光線図を図1に、その材料面6付近の拡大図を図2に示す。これらの図において、図3と同一のものは、同一の符号を付して示す。
第1のレンズ1の磁場中心軸14、第2のレンズ4の磁場中心軸15、光学中心軸Z軸はそれぞれ平行でないとする。理想的にはこれらの軸は互いに平行であり、かつ同一直線上にあるが、実際には加工・組み立て精度の限界のため平行にはならない。また、簡単のため、磁場中心軸はその磁場中において直線と見なす。但し、材料面6はZ軸に垂直とする。
第2のレンズ4の物面(第1のレンズ1の像面)12、第2のレンズ4の像面(近軸像面)13は、それぞれ第2のレンズ4の磁場中心軸15に対し垂直とし、近軸像面13は材料面6に対してγだけ傾いているとする。フォーカスやビーム位置の測定は、材料面6ではなく、別に設けられた面で行う。この面を以下、ビーム測定面という。簡単のため、ビーム測定面は材料面6と平行とする。また、近軸軌道(偏向器7によるビームの偏向や、収差を含めない軌道)u(z)と近軸像面13の交点は、Z軸と材料面6との交点に一致させる。
図1,図2の系において発生するフォーカスずれ及び光線の位置ずれdUi(複素数)は、3次収差理論の範囲で次式で表される。
Figure 0005243912
(1)式において、第1項は近軸像面13で定義される球面収差、第2項は近軸像面13で定義される像面湾曲収差、第3項は近軸像面13で定義される歪収差、第4項は材料面6が近軸像面13に一致していないことに起因する光線の位置ずれ及びビームぼけ、第5項はフォーカス補正に伴う、近軸像面13で定義される光線の位置ずれ及びビームぼけを表す。実際には、像面湾曲収差及び歪収差以外にもコマ収差や非点収差などの偏向収差も存在するが、ここでは議論しない。Sは球面収差係数である。
Figure 0005243912
は像面湾曲収差に関する関数であり、フォーカスの高さ位置のずれに相当する。
Figure 0005243912
は歪収差を表す関数である。uiは物体(物点)2(第1のレンズ1の物面11において平面座標u0)を起点とする近軸軌道u(z)の近軸像面13(z=zi)における平面座標u(zi)、ui’はu(z)の近軸像面13における傾きu(zi)’である。
u(z)は、第2のレンズ4の磁場中心軸15を基準に定義されている。uiの位置は、上述のようにZ軸と材料面6との交点に一致している。なお、第1,第2のレンズ1,4の磁場中心軸14,15は互いにずれているから、u0を第1のレンズ1の磁場中心軸14を基準に定義するならば、uiは、u0と投影倍率の積に一致しない。また、物体2の大きさ(第1のレンズ1の物面11におけるビーム寸法)は十分小さいものとし、その大きさは無視する。
Dは偏向電圧である。diは単位偏向電圧に対する偏向軌道d(z)(近軸軌道u(z)からの単位偏向電圧当たりの軌道のずれで、図示せず)の近軸像面13における平面座標d(zi)、即ち偏向感度であり、di’はd(z)の近軸像面13における傾きd’(zi)である。d(z)は、第2のレンズ4の磁場中心軸15を基準に定義されている。Δzは材料面6のZ軸方向のずれ、FA及びFBはフォーカス補正係数、VFはフォーカス補正電圧である。
iは第1のレンズ1を磁場中心軸14を通る電子の軌道w(z)(この軌道を通る電子は、第1のレンズ1によりレンズ作用を受けない。但し、第1,第2のレンズの磁場中心軸14,15は一直線上にないため、第2のレンズ4のレンズ作用は受けうる)の近軸像面13における平面座標w(zi)、wi’は、その交点におけるその軌道の傾きw’(zi)である。w(zi)は、第2のレンズ4の磁場中心軸15を基準に定義されている。なお、第1,第2のレンズ1,4の磁場中心軸や電子軌道がZ軸に対し傾いていても、その傾きはせいぜい10mradのオーダであるから、フォーカスの高さ位置の変化(Z軸方向の変位)は、どの軸を基準にしても、その傾きによらず等しいと見なせる。
ここで、ui’=α+β・eと表わすと、
Figure 0005243912
となる。ここで、αは近軸像面13における第2のレンズの磁場中心軸15に対する主光線(β=0に相当する光線、即ちビーム中心に位置する光線)16の傾き、βは近軸像面13におけるビーム収束半角、θは主光線16を回転軸として定義される角度である。
フォーカス補正を施し、フォーカスを材料面6に合わせることは、第1,第2,第4,第5項の中の、ビームぼけに関する項、即ちβ・eのかかった項の総和を零にすることに相当する。フォーカスが近軸像面13或いは材料面6に合えば、光線の近軸像面13或いは材料6面への入射位置は、その光線の傾きには依存しなくなる。この時、dUiはビーム位置ずれを表すことになる。
しかしながら、βより小さい角度で収束する光線に関わる球面収差のため、ビームぼけは零にならず、ある最小値をとる。この最小のぼけに相当する円を最小錯乱円と呼ぶ。最小錯乱円が得られる条件は、
Figure 0005243912
となる。即ち、
Figure 0005243912
である。この条件が満たされる時、(2)式は
Figure 0005243912
該(4)式の第1項
Figure 0005243912
の中のS・(α2+β2)・β・e/4が最小錯乱円に相当する。
該(4)式から分かるように、{FB・(ui−wi)−FA・wi’}・VFがフォーカス補正に伴うビーム位置ずれとなる。
この{FB・(ui−wi)−FA・wi’}・VFが測定できれば、単位フォーカス補正電圧当たりのビーム位置ずれfi=FB・(ui−wi)−FA・wi’が求められる。これより、フォーカス補正に伴うビーム位置ずれfi・VFを任意のフォーカス補正VFに対して求めることが出来る。
前記(3),(4)式において、
Figure 0005243912
や材料面6のz軸方向のずれΔzに依存しない成分はオフセット成分として扱えるから、以降ではこれらを除いて議論を進める。即ち、以降、前記(3),(4)式は
Figure 0005243912
及び
Figure 0005243912
とする。
フォーカスが材料面6に合っている状態(Δz=0)からビームを偏向し、それに伴うフォーカスずれに対してフォーカス補正を施す時は、前記(3’),(4’)式は
Figure 0005243912
及び
Figure 0005243912
となる。
一方、ビームを偏向しない(VD=0)で、Δzを打ち消すようにフォーカス補正を施す時は、前記(3’),(4’)式は
F=−Δz/FA (7)
及び
dUi=Δz・γ+{FB・(ui−wi)−FA・wi’}・VF
={FB・(ui−wi)−FA・(wi’+γ)}・VF (8)
となる。
フォーカス補正に伴うビーム位置ずれを測定する方法として最も簡単な方法は、Δz=0かつVD=0のままフォーカス補正器9を働かせてビームをぼかし、それによるビーム位置ずれを近軸像面13上(或いは材料面6上)で測定することである。フォーカス補正に伴うビーム位置ずれをそのように測定すると、観測されるビーム位置ずれは
{FA・(α−wi’)+FB・(ui−wi)}・VF
となる。これは、前記(2)式の第5項
Figure 0005243912
の中のビーム位置ずれ成分(主光線の位置ずれ)である。一方、FA・β・e・VFはビームぼけ成分である。ナイフエッジや、メッシュ(重金属)などの微細パターンを電子ビームで走査する方法によれば、ビームぼけと位置ずれは独立に測定可能なため、ビームがぼけている状態でも、ビーム位置ずれを測定することができる。しかしながら、測定すべき対象は前述のように{FB・(ui−wi)−FA・wi’}・VFである。即ち、両者の差FA・α・VFが測定誤差となり、そしてそれが補正残差(補正不足或いは補正過多)となる。
若し、
│FA・α・Vi│<<│{FB・(ui−wi)−FA・wi’}・VF│、
即ち│α│<<│FB・((ui−wi)/FA)−wi’│
であれば、近似的に{FB・(ui−wi)−FA・wi’}・VFが測定されると考えてよいが、実際には、αを測定したり調整したりすることは困難である。もとより第2のレンズ4の磁場中心軸15を見つけることが困難である。なお、VD=0のとき、主光線16の材料面6への入射角はα+γである。
通常、αは、主光線16が第2のレンズ4の電流軸に一致するようにアライメントされた結果、決まる。電流軸とは、レンズ励磁電流を変化させても主光線の近軸像面への入射位置が変わらないような軸である。その条件を式で表せば
{CA・α+CB・ui}・2ΔJ/J=0
即ちα=−CB・ui/CAである。ここで、CA及びCBは、第2のレンズ4の起磁力(励磁電流とコイル巻数の積)変化に関する色収差係数、Jは起磁力、ΔJはその変化量である。なお、第2のレンズ4の磁場中心軸15は、α=0という特別な条件下における電流軸に相当する。
上記測定誤差FA・α・VFは、フォーカスがずれている状態でビーム位置が測定されることに起因して発生する。従って、フォーカス補正をしながらビーム位置を測定すれば、目的のビーム位置ずれ{FB・(ui−wi)−FA・wi’}・VFを測定することができるはずである。そのようなビーム位置ずれ測定法、そしてそれに基づいたビーム位置補正法について以下に説明する。
実施の形態1では、フォーカスが材料面6に合っている状態(Δz=0)からビームを偏向し、それに伴うフォーカスずれに対してフォーカス補正を施す場合に適用する手法を扱う。
先ず、フィールド面内の任意の2点ui1=di・VD1及びui2=di・VD2に対するフォーカス補正電圧VF1及びVF2を決定し(ステップS1)、ui1及びui2に対するビーム位置ずれdUi1及びdUi2を、フォーカスが補正された状態で測定する(ステップS2)。そして、dUi1及びdUi2と、VF1及びVF2とから、単位フォーカス補正電圧あたりのビーム位置ずれfiを、
i=FB・(ui−wi)−FA・wi’≒(dUi1+dUi2)/(VF1+VF2
の関係から近似的に求める(ステップS3)。この時、
Figure 0005243912
であれば、近似精度がよくなる。fiが求まれば、これによりフォーカス補正に伴うビーム位置ずれfi・VF={FB・(ui−wi)−FA・wi’}・VFを任意のVFに対して求めることができる。
偏向フィールド歪測定が偏向フィールド内の多数の点(例えば10×10=100箇所)にビームを偏向して行なわれるのに対し、この測定は偏向フィールド内の2点について実施すればよいため、その測定時間は短くてすむ。
更には、偏向フィールド内の任意の2点を結ぶに当たり、偏向フィールド中心について点対称となる2点を選べばVD2=−VD1となり、
Figure 0005243912
のdUi1+dUi2を求める際、偏向電圧に関して奇数次のビーム位置ずれ成分が打ち消され、近似精度が向上する。偏向電圧に関して1次のビーム位置ずれ成分としては、前記(6)式の第3項
i・VD・γ・(γ+di’VD)=di・VD・γ2+di・di’・VD2 2・γ
のうちのdi・VD・γ2や、偏向感度diが正しく求まっていないことに起因するビーム位置ずれがある。
偏向電圧に関して3次のビーム位置ずれ成分としては、(6)式の第1項
Figure 0005243912
中の
Figure 0005243912
の項がある。{FB・(ui−wi)−FA・wi’}・VFの主成分は偏向電圧に関して2次のビーム位置ずれ成分である(VFは偏向電圧に関して2次特性を持つ)ので、打ち消されずに残る。また、{FB・(ui−wi)−FA・wi’}・VF以外にも、偏向電圧に関して2次のビーム位置ずれ成分が存在するが、それらは
{FB・(ui−wi)−FA・wi’}・VFに加算された状態で測定される。従って、その測定結果に対してビーム位置ずれ補正を施せば、それらは
{FB・(ui−wi)−FA・wi’}・VFとともに除去される。
つまり、
{FB・(ui−wi)−FA・wi’}・VF以外の2次のビーム位置ずれ成分の存在により、目的のビーム位置ずれ{FB・(ui−wi)−FA・wi’}・VFのみを測定することができなくなるが、このことはむしろ偏向フィールド歪をその測定の前にできるだけ小さくしておきたいという要求にかなっている。なお、2次のビーム位置ずれ成分は光学系の不完全さから生じている。レンズ、材料、ビームが全てZ軸に関して軸対称に構成・配置されており、かつ偏向器が完全な2n極子(nは整数)であり、それがZ軸上に配置されていれば、偏向電圧に関して2次のビーム位置ずれ成分は発生しない。
フォーカス補正に伴うビーム位置ずれ{FB・(ui−wi)−FA・wi’}・VFに対する偏向補正電圧ΔVDは、補正条件
{FB・(ui−wi)−FA・wi’}・VF+di・ΔVD=0
から求まる。即ち、
ΔVD={FA・wi’−FB・(ui−wi)}・VF/di
である。なお、ΔVDだけ偏向を補正することにより新たに歪成分が発生するが、これは以降のステップでその他の歪成分とともに除去される。
以上で、フォーカス補正に伴うビーム位置ずれに対する偏向補正電圧が求まる。後は、偏向フィールド内各点において、フォーカス補正と、それに伴うビーム位置ずれに対するビーム位置補正を施した状態で偏向フィールド歪測定を実施すれば、ビーム位置ずれ補正により小さくなった偏向フィールド歪が測定される(ステップS4)。
次いで、偏向フィールド歪とfi・VFの和を各点におけるビーム位置ずれとし、これに対してビーム位置を補正すればよい(ステップS5)。
尚、偏向補正に伴い新たに偏向フィールド歪が発生するため、偏向フィールド歪測定・補正は、測定値が所定の基準値以下に収まるまで繰り返す。また、厳密には、位置補正のためビームを偏向したことによりフォーカスがずれる。必要なら、フォーカス補正量も決定しなおす。
このように、実施の形態1によれば、フォーカス補正に伴うビーム位置ずれを精度よく測定することができ、それに対する補正量を決定し、それに基づきビーム位置を補正することができる。
[実施の形態2]
構成は実施の形態1と同じとする。但し、高さの異なる2つのビーム測定面を用いる。
実施の形態1では、偏向フィールド歪測定の前に、フォーカス補正に伴うビーム位置ずれに対してビーム位置補正を施すことを第1の目的としていたが、実施の形態2では、材料面6の高さ変化に対するフォーカス補正に伴うビーム位置ずれに対してビーム位置補正を施すことを第1の目的にしている。
実施の形態2では、次のステップに従って実施する。但し、高さの異なる2つのビーム測定面で測定されるビーム位置が相対的に較正できることが条件となる。
(ステップS1)
高さの異なる2つのビーム測定面に対してフォーカス補正電圧を求める。この時、偏向電圧は零とする。2つのビーム測定面のうち一方のZ軸方向のずれをΔz1、他方のZ軸方向のずれをΔz2とすると、フォーカス補正電圧はそれぞれ
F1=−Δz1/FA,VF2=−Δz2/FA
となる。
(ステップS2)
前記2つのビーム測定面に対してフォーカス補正を施しつつ、各ビーム測定面において、フォーカス補正に伴うビーム位置ずれ
dUi1={FB・(ui−wi)−FA・(wi’+γ)}・VF1
及び、
dUi2={FB・(ui−wi)−FA・(wi’+γ)}・VF2
を測定する。
そして、前記ビーム位置ずれdUi1及びdUi2と、前記フォーカス補正電圧VF1及びVF2とから、単位フォーカス補正電圧あたりのビーム位置ずれ
Figure 0005243912
を求める。
(ステップS3)
前記2つのビーム測定面に対しフォーカスを補正しつつ、前記fiと、各ビーム測定面に対するフォーカス補正電圧の差(VF2−VF1)との積fi・(VF2−VF1)を求める。
そして、前記積を打ち消すように、偏向電圧を補正しながら電子ビームを偏向し、該補正の都度、ビーム位置ずれを測定し、該ビーム位置ずれが所定の基準値以下に収まっていることを確認する。必要なら、ビーム位置ずれ測定・偏向電圧補正を繰り返し、ビーム位置ずれを所定の基準値以下に収める。ビーム位置ずれが所定の基準値以下に収まった時の偏向電圧を最終的な偏向補正電圧とする。
(ステップS4)
材料面6の高さ分布(材料ステージの水平方向の移動に伴う、ビーム入射位置における材料面6の高さ変化)を測定し、その高さ分布から、材料面6内の各点に対するフォーカス補正電圧を求める。
(ステップS5)
前記単位フォーカス補正電圧あたりのビーム位置ずれfiと、前記ステップ6で求めたフォーカス補正電圧VFとの積fi・VFが打ち消されるように材料面6内の各点に対する偏向補正電圧を決定する。
(8)式に示すように、フォーカス補正に伴うビーム位置ずれは、実施の形態1と同様に実施の形態2においても{FB・(ui−wi)−FA・wi’}・VFであるが、実施の形態2では、それとは別に同じく(8)式に示すようにγに起因するビーム位置ずれΔz・γ=−FA・VF・γが発生する。しかしながら、Δz・γは、フォーカス補正によるビーム位置ずれ{FB・(ui−wi)−FA・wi’}・VFとともに測定されるため、その測定結果に基づきビーム位置を補正すれば、{FB・(ui−wi)−FA・wi’}・VFともに除去される。
偏向補正電圧は、実施の形態1におけるそれと同様に、
ΔVD={FA・wi’−FB・(ui−wi)}・VF/di
で求められる。なお、この偏向補正電圧が印加されることで、Δz・di’・ΔVDだけビーム位置がずれるが、これは非常に小さいので無視できる。
実際には、材料面6面の高さ変化に対するフォーカス補正のみを施すことはなく、それに加え、ビームの偏向に伴うフォーカスずれに対するフォーカス補正も施す。ビームを偏向すると、Δzのためビーム位置ずれΔz・di’・VDが発生する。これは、(4’)式の第2項を展開した式
Figure 0005243912
の第2項である。この位置ずれに対するビーム位置補正は、電子ビーム描画装置において従来より実施されている。Δz・di’・VDは、高さの異なる2つのビーム測定面上でビームを偏向してビーム位置を測定することで求められる。異なる偏向電圧VD1及びVD2に対してビーム位置di・VD1及びdi・VD2とdi・VD1+Δz・di’・VD1及びdi・VD2+Δz・di’・VD2を測定し、それらよりΔz・di’・(VD2−VD1)を計算すればdi’が求められる。これから、任意のVDに対してΔz・di’・VDが求められる。
このように、第2の実施の形態によれば、材料面6の高さ変化に対するフォーカス補正に伴うビーム位置ずれを精度よく測定し、それに基づきビーム位置を補正することができる。
上述の実施の形態では、荷電粒子ビームとして電子ビームを用いた場合を例にとったが、本発明はこれに限るものではなく、イオンビームであってもよい。
(本発明の効果)
本発明によれば、以下のような効果が得られる。
1)ビームの偏向によるフォーカスずれに対するフォーカス補正に伴うビーム位置ずれについて
・偏向に伴う像面湾曲収差を打ち消すようにフォーカスを補正しつつ、偏向フィールド内の2点にビームを偏向し、それらの点において、ビーム位置ずれ(収差を含まない偏向軌道から決まるビーム位置からのずれ)を測定する。
・特に、上記の任意の2点を選ぶ際、偏向フィールド中心について点対称となる2点を選ぶ。
ようにした結果、
・近軸像面に対する主光線の傾きαに起因する測定誤差FA・α・VFに影響されずに、フォーカス補正に伴うビーム位置ずれを測定し、それに基づきビーム位置を補正することができるようになった。
・同時に、フォーカス補正に伴うビーム位置ずれ以外の、偏向電圧に関して2次の歪成分も測定され、除去されるようになった。
偏向フィールド歪測定の前に、これらの位置ずれ成分を測定し、それに対するビーム位置補正を施すことで、偏向フィールド歪測定で測定されるフィールド歪が小さくなり、測定精度が向上する。また、測定に要する時間が短くなる。
2)材料面高さ変化に対するフォーカス補正に伴うビーム位置ずれについて
・高さの異なる2つのビーム測定面に対し、フォーカス補正を施しつつ、各ビーム測定面においてフォーカス補正に伴うビーム位置ずれを測定する。
ようにした結果、
・近軸像面に対する主光線の傾きαに起因する測定誤差FA・α・VFに影響されずに、フォーカス補正に伴うビーム位置ずれを測定し、それに基づきビーム位置を補正することができるようになった。
・同時に、近軸像面の材料面に対する傾きγに起因するビーム位置ずれΔz・γも測定され、除去されるようになった。
図3に示す電子光学系に対する光線図を示す。 図1に示す光線図における材料面付近の拡大図である。 荷電粒子ビーム装置の電子光学系の一例として示した電子ビーム描画装置の電子光学系の一概略図である。
符号の説明
1 第1のレンズ
2 物体
3 像
4 第2のレンズ
5 像
6 材料面
7 偏向器
8 電子ビーム
9 フォーカス補正器

Claims (2)

  1. 集束した荷電粒子ビームを偏向することにより該荷電粒子ビームが材料上の任意の位置に照射される様に成した荷電粒子ビーム装置におけるビーム位置較正方法であって、以下のステップから成ることを特徴とする荷電粒子ビーム装置におけるビーム位置較正方法。
    S1:偏向器に偏向電圧VDを印加することによるビーム偏向に伴う材料面に対するフォーカスずれを偏向フィールド内の各点について求め、そのフォーカスずれを打ち消すために必要なフォーカス補正電圧VFを決定する。
    S2:ステップS1で得られた結果に基づき、偏向フィールド中心について点対称となる任意の2点
    i1=di・VD1,ui2=di・VD2
    に対するフォーカス補正電圧VF1,VF2を決定して、該二点ui1,ui2におけるビーム位置ずれdUi1,dUi2をフォーカス補正された状態で測定する。
    S3:前記dUi1,dUi2,VF1,VF2から単位フォーカス補正電圧当たりのビーム位置ずれfiを求める。
    S4:ステップS1で得られた偏向フィールド内の各点についてのフォーカス補正電圧VFに基づいてフォーカス補正しつつVFと前記ビーム位置ずれfiとの積fi・VFを打ち消すように偏向電圧を補正しながら偏向フィールド歪を測定する。
    S5:ステップS1で得られたフォーカス補正電圧VFに基づいてフォーカス補正しつつ、前記積fi・VFとステップS4で測定した偏向フィールド歪との和を打ち消すように偏向電圧の補正をしながら偏向フィールド測定を繰り返して偏向フィールド歪を所定値以下に収める。
  2. 集束した荷電粒子ビームを偏向することにより該荷電粒子ビームが材料上の任意の位置に照射される様に成した荷電粒子ビーム装置におけるビーム位置較正方法であって、高さの異なる2つのビーム測定面で測定されるビーム位置が相対的に較正できるものにおいて、以下のステップからなることを特徴とする荷電粒子ビーム装置におけるビーム位置較正方法。
    S1:高さの異なる2つのビーム測定面に対してフォーカス補正電圧VF1とVF2を求める。
    S2:前記2つのビーム測定面に対しフォーカス補正を施しつつ、各ビーム測定面において、フォーカス補正に伴うビーム位置ずれdUi1,dUi2を測定し、これより単位フォーカス補正電圧あたりのビーム位置ずれfiを求める。
    S3:前記2つのビーム測定面に対してフォーカスを補正しつつ、前記fiと各ビーム測定面に対するフォーカス補正電圧の差(VF2−VF1)との積fi・(VF2−VF1)を打ち消すように、偏向電圧を補正しながらビーム位置ずれ測定を繰り返してビーム位置ずれを所定値以下に収める。
    S4:材料面の高さ分布を測定し、その高さ分布から材料面内の各点に対するフォーカス補正電圧を求める。
    S5:前記単位フォーカス補正電圧当たりのビーム位置ずれfiと、ステップ4で求めたフォーカス補正電圧VFとの積fi・VFが打ち消されるように材料面内の各点に対する偏向補正電圧を決定する。
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