図1には、本発明の一実施の形態に係るパチンコ機10が示されている。パチンコ機10は外枠12を備え、外枠12の前面には、窓部を有する額縁状の内枠14の一側部(図1の左辺部)が開閉可能に取付けられている。
内枠14には、複数の表示灯61やスピーカ63が設けられている。また、内枠14の中央には、窓部となっており、この窓部には紙面奥行き方向に所定の間隔で互いに平行とされた一対のガラス16(二重構造)が装着されたガラス枠20が設けられている。また、内枠14の図1の右辺部には施錠装置(シリンダ)22が設けられている。
ガラス枠20の下方位置には、球皿部24を備えた一体皿26が配設されている。この一体皿の球皿部24には、貯球タンク(図示省略)と連通し、この貯球タンク内のパチンコ球を球皿部24へ流出させる連通口23が設けられている。
一体皿26は、その一側部(図1の左辺部)が内枠14に対して開閉可能に取付けられている。一体皿26の前面には、左側下部に灰皿28が配置され、右側下部には発射装置164(図3参照)から発射する打球の飛距離を調整するための発射ハンドル30が設けられている。
また内枠14の窓部には、遊技盤載置台に載せて交換可能とされた遊技盤32が窓部に対応して設置されている。
図2(A)に示される如く、遊技盤32は、外バンド36及び内バンド38によって囲まれた略円形状の遊技領域40が形成されている。
遊技領域40には、釘34や風車35の他、センター役物42、当該センター役物42に設けられた表示部43、並びに大入賞口(変動入賞装置)44等の役物、始動口46や通過装置48、入賞装置49等の遊技部品が取り付けられており、最下位置にアウト口54が配置されている。また、遊技領域40の周縁には、複数の電飾部材56が設けられ、例えば入賞等と同期して点灯・消灯制御され、光による演出が実行される。
また、この遊技盤32の遊技領域40には、その左側に配設された前記内バンド38の内周面に沿って、停止操作ユニット60が配設されている。
停止操作ユニット60は、可動部62と操作部64とで構成されている。
可動部62は、マジックハンド構造となっており、略X状に交差する交差位置で互いに相対回転可能に接続して形成された複数のアームパーツを備え、各アームパーツは、その両端部が回転可能に連結され、蛇腹状のアーム66が構成されている。
ここで、アーム66は、前記各アームパーツの交差角度によって全長が変化する。また、何れかのアームパーツの交差角度を変更することで、この変更がその他のアームパーツへ伝達され、常に同一の交差角度となるように動作する。
アーム66の上端には、図4(A)及び(B)に示す駆動部(モータ)68が設けられ、上端部に位置するアームパーツの交差角度を変更可能としている。これにより、アーム66は、駆動部68の駆動力によって伸縮自在となる。
また、アーム60の下端部には、人差し指が前記操作部64に向けられた手の形状の装飾部材66Aが取り付けられている。
ここで、駆動部68では、通常はアーム66を引き込み状態としており、所定の契機に所定時間伸縮を繰り返す動作を行う。この動作は、前記装飾部材66Aの人差し指が操作部64の操作を促すメッセージとして利用される。
操作部64は、円形のセンサ取付部70が設けられ、その周囲には、リング状に複数の発光素子(LED等)72が配設されている。
図2(B)に示される如く、センサ取付部70には、縦長の貫通孔74が設けられ、透過度が低い半透明の合成樹脂板76が嵌め込まれている。この合成樹脂板76の裏面側には、反射式の光電センサ78が配設されている。
光電センサ78は、縦方向に投光部78A及び受光部78Bが設けられ、投光部から照射された光が、所定の距離で反射することで受光部で受光可能となっている。
ここで、所定の距離は、遊技盤32の前方に設けられたガラス16の最表面(遊技者に直接対向する面)に設定されている。すなわち、通常は、投光部からの光は、ガラス16(図1参照)を通過して、そのまま直進するため、受光部78Bでの受光はない。しかし、遊技者がこの光電センサ78(合成樹脂板74)に対向するガラス16の最表面に手をかざすことで、遊技者の手によって投光部78Aからの光が反射し、受光部78Bへと至る構成である。
上記操作部64は、後述する図柄変動パターン演出が開始された後、遊技者の介入によってこの演出を終了させるときに適用されるものである(詳細後述)。また、前記発光素子72は、当該操作部64の操作が有効な期間に点灯、又は点滅をするように制御される。
図3には、パチンコ機10を制御するための制御系の概略が示されている。制御系は、主制御部150を中心として構成されている。主制御部150には、遊技に関する基本的なプログラムが記憶されており、この主制御部150からの命令信号に基づいて、各部の動作が制御されるようになっている。
この主制御部150には、始動口46に設けられた始動入賞センサ168、通過装置48を通過したパチンコ球を検出する通過センサ171、入賞装置49に入賞したパチンコ球を検出する入賞センサ172並びに大入賞口44に入賞したパチンコ球を検出する大入賞口センサ173が接続されている。なお、大入賞口44には、大入賞口の開閉動作を継続するためのVゾーンが設けられており、このVゾーンにもVゾーンセンサ177が設けられており、主制御部150に接続されている。
また、この主制御部150には、前記停止操作ユニット60に設けられた操作部64の光電センサ78が接続され、受光部78Bでの受光状態を示す信号が入力されるようになっている。
さらに、主制御部150には、始動口46に設けられた電動チューリップ47(図2参照)を開閉させるためのソレノイド174、大入賞口44を開閉させるためのソレノイド175が接続されている。
また、主制御部150からは盤用外部端子200を介してホールコンピュータへ遊技の進行状態を示す情報が出力されるようになっている。
一方、この主制御部150には、演出制御部152と、払出制御部154とが接続されている。
演出制御部152には、図柄・音声制御部156を介してスピーカ63及びセンター役物42の表示部(LCD)43が接続されている。また、演出制御部152は、パチンコ機10のガラス枠20に取り付けられた複数の表示灯61の点灯・消灯や、遊技盤上の電飾部品56の点灯・消灯、並びに前記停止操作ユニット60の操作部64周りに配設した発光素子72の点灯・消灯を制御する。なお、電飾部品56には、センター役物42に設けられた4個の保留ランプ202も含まれる。
なお、保留ランプは、表示部43で保留状態を報知するように制御するものでもよい。また、4個に限られるものでもない。
さらに、演出制御部152では、前記停止操作ユニット60の可動部62におけるアーム66を伸縮させる駆動部(演出用モータ)68が接続されている。なお、この駆動部68は、原点位置を把握することで、アーム66の伸縮状態を制御している。駆動部68には、この原点位置を検出するための原点位置センサ204が設けられており、その検出信号が演出制御部152に入力されるようになっている。
次に、前記主制御部150に接続された払出制御部154には、パチンコ球の払出しを実行する払出装置206が接続されている。
また、払出制御部154には、発射制御部158が接続されており、発射制御部158は、発射装置164を制御して、遊技者によるハンドル30の操作に応じてパチンコ球を打ち出す。
さらに、払出制御部154では、枠用外部端子208を介して払出情報をホールに設置されたホールコンピュータへ送出するようになっている。
上記主制御部150では、特別図柄や普通図柄の当/外抽選がなされ、この抽選結果に基づく表示部43での表示内容(図柄変動パターン)を選択し、演出制御部152を介して図柄・音声制御部156へ命令信号を出力する。すなわち、演出制御部152には、複数種の命令信号に基づく異なる表示内容(図柄変動パターン)のデータが予め記憶されており、命令信号に基づいてデータが選択されて、起動するようになっている。なお、図柄・音声制御部156で制御してもよい。
図5に示される如く、本実施の形態では、前記表示部43が縦列に5分割された帯体となっており、見掛け上それぞれに設定された複数の図柄(演出図柄)が順次表示されるようになっている(スクロール)。このスクロールの後、各帯体は、所定の図柄で停止していき、全ての帯体のスクロールが停止したときの最終停止図柄が当/外抽選の結果を表示する図柄配列となる。
なお、表示部43の左上には、2コマ分の特別図柄表示部43Aが設けられ、この2コマの特別図柄の組み合わせが実際の当/外抽選の結果を表示するようになっており、前記演出図柄による最終停止図柄は、この特別図柄が示す当/外抽選と対応している。
すなわち、特別図柄はスクロール後の停止という単純な表現を維持する必要があるため、これに替えて演出図柄によって、様々なリーチパターン等を織り混ぜることで、演出効果を盛り上げることができる。従って、演出図柄による変動パターン演出が開始されてから最終停止図柄が表示されるまでの時間は、リーチ予告、当たり信頼度等に基づいて、30秒〜2分程度の間で様々な設定がなされている。
(演出制御部152における変動パターン強制停止制御)
ここで、前記演出制御部152からの命令信号(コマンド)により図柄・音声制御部156における図柄変動パターン演出が実行されているときに、遊技者が前記操作部64に対向するように手をかざすと(遊技者による停止意志の表現)、前記図柄変動パターン演出を直ちに中止し、最終停止図柄を表示する制御を実行する。
すなわち、前記手をかざすことで、光電センサ78の発光部78Aからの光が受光部78Bへ反射し、信号が反転(オフ→オン)する。この信号が主制御部150、演出制御部152及び図柄・音声制御部156へ送られ、遊技者の停止の意志により、図柄変動パターン演出が中止される。
このように、本実施の形態のパチンコ機10では、前述の演出図柄の様々な時間の変動パターンに関わらず、図柄変動パターン演出開始から終了までの間(詳細は後述)で、遊技者の意志で、即時に最終停止図柄を表示させる強制停止機能を持たせている。
図6には、演出図柄を対象とした前記強制停止機能を実現するための制御ブロック図が示されている。なお、このブロック図は、各ブロックが物理的にデバイスを示すものではなく、機能別にブロック分けしたものであり、複数のブロックを1つのデバイスで構成してもよいし、複数の機能ブロックを単一のデバイスで構成し、ソフト的に処理を行ってもよい。
光電センサ78からの停止指示は、主制御部150の命令信号出力部250から停止指示信号として、演出制御部152の命令信号解析部252へ送出される。
この命令信号解析部252には、前記主制御部150の命令信号出力部250から、図柄変動パターンを指定する信号や、当該変動パターンの開始や終了を促す信号等が入力されるようになっている。
命令信号解析部252は、変動パターン読出部254に接続されており、前記変動パターンを指定する信号に基づいて、変動パターンメモリ256から該当する変動パターンを読出し、読出変動パターンメモリ258へ一旦記憶する。また、変動パターン読出部254には、強制停止用最終停止図柄データメモリ260が接続されている。この強制停止用最終停止図柄データメモリ260には、前記読み出した図柄変動パターンデータから、遊技者の意志で図柄変動パターン演出を停止させる指示があった場合に即時に抽選結果を報知するための最終停止図柄データのみが抽出され、一旦記憶されるようになっている。
読出変動パターンメモリ258は強制停止時画像変換部262を介して、並びに強制停止用最終停止図柄データメモリは直接、出力データ切替部264に接続されている。
ここで、通常の図柄変動パターン演出では、読出変動パターンメモリ258に記憶された変動パターンデータが変動パターンデータ出力部266へ送出されるようになっている。
この変動パターンデータ出力部266では、当該変動パターンデータが順次、図柄・音声制御部156へ送出され、表示部43での表示制御が実行される。
一方、この図柄変動パターン演出中において、光電センサ78がオン(遊技者が停止操作部64に手をかざす)すると、命令信号解析部252には、強制停止を指示する信号が入力され、これが強制停止指示部268へ送出される。
強制停止指示部268は、前記変動パターン読出部254で読み出した変動パターンがスーパーリーチか否かを認識するスーパーリーチ認識部270が接続され、読み出した変動パターンがスーパーリーチか否かの信号が入力されるようになっている。
なお、スーパーリーチとは、最終結果表示前にリーチ状態となった図柄が様々な演出によって、当たり又は外れを期待させる変動状態をいい、遊技者によっては、当/外に関係なく、このスーパーリーチを演出として楽しむ者も少なくない。
また、強制停止指示部268は、前記強制停止時画像変換部262及び出力データ切替部264に接続されており、それぞれに強制停止信号を送出する。
強制停止時画像変換部262では、スーパーリーチではない場合には、読出変動パターンメモリ258から出力データ切替部264へ送出される読出変動パターンの色調を変換する。本実施の形態では、強制停止がかかった時点の変動パターンデータ画像を白黒(濃淡表現のみ)画像とし、当該白黒画像データ(静止画像データ)を継続的に出力し、かつ以後の変動パターンデータの送出を中止する。
また、スーパーリーチの場合には、予め設定された動画(例えば、早送りを表現するような波状画像)データを挿入する。
一方、出力データ切替部264では、前記白黒画像データ又は動画データを所定時間(約0.5秒前後)変動パターンデータ出力部266へ送出した後、強制停止用最終停止図柄データメモリ260に記憶された最終停止図柄データを読み出し、白黒画像データ又は動画データからこの最終停止図柄データに切り替えて、変動パターン出力部266へ送出する。
また、命令信号解析部252には、発光素子点灯制御データ出力部272が接続されており、変動パターン演出等に必要な最初の命令信号の受け取りが完了した後(主制御部150からの命令信号送出開始から0.004秒後)に発光素子72を所定のパターン(時計回りに発光点が移動するようなパターン)で発光させるように、発光素子ドライバ274へ発光制御信号を送出する。
この発光素子72の発光制御終了時期は、図柄変動パターン演出の終了の1秒前とされ、この発光制御中は、強制停止操作が有効であることを示すものである。
(スーパーリーチ報知制御)
ここで、複数種類にある図柄変動パターンの内、スーパーリーチ(通常のリーチ(所謂ノーマルリーチ)に比して大当たりの期待度が高いリーチ)と称される、より当たりに期待感を持たせることが可能な図柄変動パターンを設けている。このスーパーリーチ図柄変動パターンは、パチンコ機10の開発テーマとなるキャラクタによる最大限の演出により、遊技意欲を高めるものであり、前記停止操作ユニット60の操作部64の停止操作を行わず、スーパーリーチのみは演出を楽しみたいという遊技者も少なくない。
そこで、本実施の形態では、選択(抽選)された図柄変動パターンが、上記スーパーリーチの場合に限り、操作部64の停止操作に猶予を与えている(スーパーリーチ報知制御)。
上記スーパーリーチ報知制御は、図6に鎖線で囲まれたメッセージ出力部276を追加することにより実現可能である。
すなわち、図6に示す強制停止機能ブロック図において、変動パターン読出部254で読み出した図柄変動パターンデータがスーパーリーチの場合、スーパーリーチ認識部270においてスーパーリーチであることを認識し、強制停止指示部268へ、最初の強制停止指示に基づいてメッセージ出力部276へスーパーリーチ信号を送出する。これにより、メッセージ出力部276では、図柄・音声制御部156へメッセージを送出する。これにより、表示部43には、例えば、「スーパーリーチに発展します。強制停止するならもう一度停止操作を行ってください。」等の文字表示が実行される。
なお、スーパーリーチの場合は、遊技者の期待感を高め、確率的に演出を楽しみたいという遊技者が多数であるという現実を考慮して、前記操作部64の操作を無効とする、積極的な制御を行ってもよい。
(演出制御部152における期待値に基づく可動部62の動作制御)
上記演出制御部152では、停止操作ユニット60の可動部62の動作制御を行う。
すなわち、可動部62は、当/外抽選結果に相関して設定される期待値に基づいて駆動させることで、遊技者に視覚的に当/外抽選が当たりである期待感を持たせるものであり、所定以上の期待値のときに駆動するようにしている。
本実施の形態では、演出制御部152において、期待値が100%、すなわち必ず当たるときに可動部62を第1の動作パターン(図4(C)参照)で駆動させ、期待値が大きい(例えば、80%から99%)のときに可動部62を第2の動作パターン(図4(D)参照)で駆動させる制御を実行する。
第1の動作パターンは、図4(C)に示される如く、手の形状をした装飾部材66Aを原点位置(図4(A)の位置)から伸出し位置(図4(B)の位置)まで伸長させ、この伸出し位置で小刻みに伸縮を行う動作である。
第2の動作パターンは、図4(D)に示される如く、装飾部材66Aを原点位置で小刻みに伸縮させた後、伸出し位置まで伸長させる動作である。
図7に、演出制御部152における前記可動部62の駆動制御のための機能ブロック図を示す。
主制御部150からの命令信号は命令信号解析部280に入力される。この可動部62の駆動制御に関する命令信号としては、期待値データ、実行時期データ等が含まれる。
期待値データは、期待値判別部282に送出され、期待値が判別される。本実施の形態では、前述の如く、80%未満の期待値の場合は、可動部62の駆動の対象とならず、100%の期待値(第1の動作パターン)と、80%から99%の期待値(第2の動作パターン)とに選別される。
期待値判別部282は、期待値読出部284に接続され、選別された動作パターンに基づいて、可動部動作パターンメモリ286から第1の動作パターン又は第2の動作パターンの何れかのデータが読み出され、動作パターンデータ出力部288へ送出される。
この動作パターンデータ出力部288には、前記実行時期データを受けて動作する実行指示部290が接続されており、この実行指示部290からの実行指示信号に基づいて、動作パターンデータがドライバ292へ出力され、駆動部68が当該動作パターンデータに基づいて駆動する。
(連続予告制御)
本実施の形態では、図柄変動パターン演出中に始動口46への入賞があると、最大4個までを保留(抽選の権利獲得)とし、順次抽選結果を報知するようにしている。このとき、保留中の抽選結果を先読みし、その結果に応じてこの保留の範囲内に当たりがある場合に、当該当たりを報知する図柄変動パターン演出以前の演出から連続して当たりを予告する連続予告を行っている。
すなわち、通常は、保留メモリに乱数カウンタから取得したカウント値を記憶し、報知の順番が来た時点でこれを読み出して当たり値と比較し、その当/外の結果を報知するが、この読出しを先に行って、当たりの有無を予め認識しておくことで、連続予告が可能である。
本実施の形態では、この連続予告を表現する対象として、従来から行われている表示部43での表示による連続予告制御と、前述した本実施の形態特有の停止操作ユニット60の可動部62の動作による連続予告制御と、の2種類を準備し、抽選によって、使い分けている。
この場合、主制御部150での制御負担を軽減するべく、図8に示される如く、主制御部150では、連続予告を実行するか否かのみの抽選を行い、連続予告制御の種類の抽選は、演出制御部152で行うようになっている。
演出制御部152において表示部43を用いた連続予告を行う場合には、この演出制御部152から図柄・音声制御部156に、連続予告付き図柄変動パターによる演出を行うように指示することで、表示部43において連続予告が実行される。
一方、演出制御部152において可動部62を用いた連続予告を行う場合には、この演出制御部152が可動部62の動作パターンを設定し、可動部62を前記期待値に応じて動作させる。
(可動部の原点位置復帰までの移動時間と図柄変動期間との相関関係)
前述の可動部62は、図4(C)に示される第1の動作パターン、並びに図4(D)に示される第2の動作パターンに基づいて動作するように制御されるが、この動作中に、前記操作部64の操作があった場合、図柄変動自体が即時に中止され、最終停止図柄が表示された後、保留メモリがあった場合、直ちに次の図柄変動に移行することになる。
この場合、次の図柄変動開始時に可動部62を動作させる設定がなされている場合、可動部62は原点位置に戻っている必要がある。
ところが、前記停止操作は遊技者の意志により行われるものであり、前記第1又は第2の動作パターンのいずれの時期に操作されるかは、予め予測できるものではない。
そこで、前記第1の動作パターン及び第2の動作パターンにおける最大ストロークを移動するのにかかる時間tMSに対して、強制停止操作有効終了時期から次の図柄変動開始までの時間tHSを長くとるようにしている(図16及び図17参照)。
ここで、標準的な仕様では、前記時間tMSは0.8秒であり、別の理由で設定した時間tHSは1.0秒であり、条件をクリアしている。
なお、別の理由とは、例えば、遊技盤32の仕様変更でリールや球体等、機械的な図柄変動表示装置を適用した場合でもソフト(プログラム)を変更する必要がなく、メカ的なレスポンスに対応するための設定である。また、これ以上経過した後での操作部64の操作はほとんど意味がないという観点から設定したものである。
ところが、上記標準仕様下では時間tMSと時間tHSとの時間差が0.2秒であるため、可動部62が原点位置へ復帰するときの動作に何らかの負荷がかかると、条件をクリアできなくなる。
そこで、本実施の形態では、図柄変動パターン演出終了時と、次の図柄変動パターン演出開始時との間にブランキング期間tBKを設けた。
このブランキング期間tBKは、本実施の形態では、0.6秒としている。この0.6秒の設定は、図柄変動間に遊技者が違和感を感じるような間合いがない程度に設定しており、全体として、1.5秒〜2.0秒の範囲内であればよく、その最適値としてブランキング期間tBKを0.6秒としている。
この強制停止操作有効期間終了時点、或いは操作部64の操作時点とほぼ一致する図柄変動終了時から次の図柄変動までの時間はtHS+tBK=1.0+0.6=1.6秒となり、これは、可動部62の標準的な最大ストロークの移動にかかる時間tMSの2倍であるため、可動部62の原点位置への復帰動作中に負荷がかかっても、確実に次の図柄変動パターン演出開始までには、復帰することが可能となる。
(演出制御部152における効果音予告制御)
また、前記停止操作ユニット60の操作部64の操作(遊技者が手をかざす操作)時には、図柄変動パターンの強制停止に伴ってスピーカ63によって操作が確実に行われたことを示す効果音を出力するようになっている。通常は、この効果音として特別強調されるような音域や音量ではない(通常停止音)。
ここで、変動パターンがスーパーリーチの場合には、通常音とは異なる音色の効果音を出す(スーパーリーチ停止音)と共に、当/外抽選の結果が当たりであり、かつ予告抽選に当選した場合に限り、当該操作部64の操作時の効果音を、前記通常の音量よりも大きく、かつ高周波数帯域等、周囲の音に対して強調された効果音(直撃音)を出力するようにしている。
なお、直撃音とは、遊技者の聴覚に対して物体が衝突した時等に発生する衝撃音、風船が破裂したとき等に発生する破裂音等を含み、インパクトのある比較的高周波数帯域、かつ大音量の音を言う。
図9には、予告効果音の出力制御のための機能ブロック図が示されている。
図9に示される如く、命令信号解析部294で受けたスーパーリーチか否かを示す命令信号、或いは当/外抽選結果信号は、予告抽選部296に送出され、この当/外抽選が当たりのときに、予告抽選が実行される。この結果、予告抽選部296では、当たりを示す信号、外れを示す信号、無抽選信号、スーパーリーチ信号の何れかを音声予告実行部298へ送出する。
また、命令信号解析部294で受けた強制停止操作信号は、強制停止操作確認部300へ送出されることで、停止操作があったことを確認し、効果音を出力するトリガ信号を音声予告実行部298へ送出する。
音声予告実行部298では、当たりを示す信号が入力されているときに当たりを予告する効果音(ここでは比較的、大音量かつ高い周波数帯域の破裂音)を出力するように図柄・音声制御部156へ制御信号を出力する。
また、外れを示す信号或いは無抽選を示す信号が入力されているときには、通常停止音(操作を確認できる程度の比較的、小音量かつ中間周波数帯域の効果音)を出力するように図柄・音声制御部で制御信号を出力する。
また、スーパーリーチ信号が入力されているときには、スーパーリーチ停止音(通常停止音よりも若干強調される音域の効果音)を出力するように図柄・音声制御部156へ制御信号を出力する。
これにより、図柄・音声制御部156では、遊技者が操作部64に手をかざしたときから図柄変動が停止するまでの僅かな間にスピーカ63を制御して、直撃音、スーパーリーチ停止音、或いは通常停止音を出力することができる。
(主制御部150におけるコマンド送出制御)
上記のように、主制御部150では、始動口46への入賞に基づいて抽選される当/外の判定結果に基づいて、特別図柄変動パターンに関連するコマンド(命令信号)、保留メモリに関連するコマンド、普通図柄に関連するコマンド、賞球払出に関連するコマンド等、様々なコマンドを演出制御部152及び払出制御部154へ送出する。
上記コマンドは、搭載される処理速度にもよるが、通常のパチンコ機10に適用される処理速度の場合0.004秒(一定時間となるようにリセットをかける)とし、この間に可能な1パケット分のコマンドを送信し、送信しきれないコマンドは次のパケット(ルーチン)で送信するようにしているが、その送信順には特に制限はなかった。
ところが、この本実施の形態の場合、上記強制停止制御を図柄変動パターン演出開始直後(実際には、開始後0.004秒後)には、最終停止図柄が認識されている必要がある。
このため、本実施の形態では、図柄変動パターンに関連するコマンドを他のコマンドに優先して、送信するようにしている。言い換えれば、変動パターン演出開始後、最初のパケット通信時間(0.004秒)後には、当該図柄変動パターン演出に関するコマンドが全て演出制御部152へ送出されていることになる。
これにより、遊技者には見掛け上、図柄変動パターン変動開始直後(人間の感覚としては、0.004秒の遅れは無視できる)から停止操作を有効とすることが可能となる。
ここで、コマンドは、表1に示される如く、主制御部150のメモリ内にエリア毎に区分されて記憶されている。
この表1のようにメモリ内に記憶されたコマンドは、表2に示される如く、エリア単位で送信優先順位が定められており、1回の送信では4コマンド分が送信可能である。
すなわち、表2では、優先順位を定める場合、優先順位1と優先順位5は、空欄となっており、緊急の場合のスペースが設けている。すなわち、優先順位1のスペースには、イレギュラーにコマンドが設定可能であり、最初の送信の際に必ず送信できることになる。また、優先順位5は、必ずしも最初の送信での送信である必要はないが、比較的早期に送信するべきコマンドが設定される。
すなわち、優先順位2〜4には、本実施の形態における、上述の「最初のパケット通信時間(0.004秒)後に、当該図柄変動パターン演出に関するコマンドを全て演出制御部152へ送出」という目的を達成するべく、固定的に図柄変動パターン演出に関するコマンドである、変動開始コマンド、特別図柄1コマンド、特別図柄2コマンドが設定されることになる。
以下に本実施の形態の作用を説明する。
まず、通常遊技の流れを図10(A)に示す主制御部150におけるメインルーチンに従い説明する。
遊技者がハンドル30を把持し、発射のための操作を行なうと、このハンドル操作量(回転量)に応じた強度で、パチンコ球が打ち出される。
パチンコ球が打ち出されると、外バンド36及び内バンド38に案内されて盤面32の釘34や風車35等に当接しながら、予測し得ない移動をしながら落下していく。ここで、始動口46にパチンコ球が入賞すると(ステップ400での肯定判定)、ステップ402へ移行して保留数Mが4か否か(すなわち、保留が満杯が否か)が判断され、満杯ではないと判定されると、ステップ404へ移行して乱数カウンタから乱数を取得して、ステップ406へ移行する。
なお、ステップ402で肯定判定された場合には、抽選の権利がないため、始動口46への入賞分を賞球払出を行い、処理は終了する。
ステップ406では、現在図柄変動パターン演出中(変動中)であるか否かが判断され、肯定判定されると、ステップ408へ移行して保留メモリMに取得した乱数を記憶し、次いでステップ410で保留数Mをインクリメント(M←M+1)して、このルーチンは終了する。
また、ステップ406で否定判定された場合には、ステップ412へ移行して前記取得した乱数に基づいて当/外抽選を実行する。
ここで、前記ステップ400で否定判定され、ステップ414へ移行して保留が存在すると判定(肯定判定)された場合には、保留メモリから最初に記憶した乱数を読出し(ステップ416)、次いで保留数Mをデクリメントして(ステップ418)、ステップ412へ移行する。この場合にも、ステップ412では、読み出した乱数に基づいて当/外抽選が実行される。
ステップ412での当/外抽選が終了すると、ステップ420へ移行して変動パターンを設定し、次いでステップ422へ移行して連続予告の抽選処理が実行される。これは、保留されている乱数の当/外を先読みして、この保留した乱数の中に当たりがあるか否かを判断し、当たりがあった場合に、事前の図柄変動パターン演出から当たりの予告を行うものである。
次のステップ424では、当/外抽選結果、図柄変動パターン種、連続予告の有無、入賞に基づいて予め設定された賞球払出数等のデータを演出制御部152又払出制御部154へ命令信号として送信(コマンド送信)し、ステップ426へ移行する。
ステップ426では、当/外の抽選結果が当たりか否かが判断され、抽選の結果が当りの場合は、予め設定したラウンド数(例えば、15ラウンド)の大当たり処理が実行される(ステップ428)。この大当たり処理中は、大入賞口44がほとんど開放状態であるため、遊技者によって有利な状態とすることができる。所定ラウンドの大当たり処理が終了すると、通常の遊技に戻る。
また、このメインルーチンの実行中、図10(B)の割り込みルーチンが実行されている。
すなわち、割り込みルーチンは、停止操作ユニット60の操作部64の操作状態を判別するルーチンであり、強制停止操作があった、すなわち、光電センサ78の受光部78Bに投光部78Aからの光が入光し、信号が反転(オン)したことを認識すると、この割り込みルーチンが実行され、ステップ429で変動中と判定された場合にステップ430で強制停止操作があったことを示す強制停止信号(コマンド)を演出制御部152へ送信する。
(演出制御部152における変動パターン強制停止制御「作用効果」)
上記のように当/外の抽選が実行されて、図柄変動パターンに関連するコマンドが演出制御部152へ送信されると、演出制御部152では、様々な演出制御を実行する。その最も特徴となる演出として、遊技者介入による図柄変動パターン演出の強制停止操作(変動パターン短縮操作)である。
すなわち、図柄変動パターン演出が開始されてから0.004秒後、終了する1秒前までの間に、停止操作ユニット60の操作部64に遊技者が手をかざすと、光電センサ78の投光部78Aからの光が、手によって反射し、受光部78Bへ入光する。この受光部78Bへの入光によって光電センサ78の信号が反転し、強制停止の指示があったことを認識する。
この強制停止指示に基づいて、図柄変動パターン演出が中断され、即時に抽選結果を示す停止図柄が表示される。
以下に、図11のフローチャートに従い、この強制停止制御を含む、図柄変動パターン演出制御ルーチンを説明する。
ステップ450では、命令信号(コマンド)の入力があったか否かが判断され、肯定判定されると、ステップ452へ移行して命令信号の解析が実行される。
次のステップ454では、解析した命令信号の内容を判別し、図柄変動パターン関連のコマンドの場合には、ステップ456へ移行する。
ステップ456では、その図柄変動パターン関連のコマンドが変動開始命令か否かが判断され、肯定判定されると、ステップ458へ移行して変動開始命令に付加された図柄変動パターン種に基づいて図柄変動パターンを読出し、次いでステップ460へ移行して、変動を開始する。
また、ステップ456で否定判定された場合には、ステップ462へ移行して変動終了命令か否かが判断される。このステップ462で肯定判定されると、ステップ464へ移行して変動が停止され、最終停止図柄が表示されてこのルーチンは終了する。
ここで、図11は、後述するスーパーリーチ報知制御を含めたフローチャートとしているが、図11の鎖線で囲まれたルーチンは、スーパーリーチ報知制御を行わない場合には不要なルーチンである。
すなわち、スーパーリーチ報知制御不要の場合には、ステップ454で解析した内容が強制停止命令である場合、ステップ472へ移行して、変動中画面を白黒静止画像に変換(非スーパーリーチ時)、或いは動画像に変換(スーパーリーチ時)し、ステップ474へ移行する。
すなわち、現在の変動パターンがどこまで演出が進行していようと、当該強制停止命令があった時点で即時に中止し、他の画面(白黒静止画像或いは動画像)に変換されるため、遊技者はこの変換された画像を見ることで、強制停止が正常に働いていることを視覚を通じて認識することができる。
次のステップ474では、この白黒静止画像或いは動画像の表示が所定時間(ここでは、0.5秒程度)経過したか否かが判断され、肯定判定されると、ステップ476へ移行して、最終停止図柄を表示してこのルーチンは終了する。
このように、操作部64の操作有効期間を、全ての変動パターンを対象とし、かつ図柄変動開始直後(0.004秒後)から図柄変動終了直前(1.0秒前)までとし、遊技者の判断でいつでも変動中の図柄を即時に停止させ、当/外抽選結果を報知する最終停止図柄を表示するようにしたため、遊技の進行を早めたい遊技者は操作部64の操作を行えばよいし、図柄変動パターン演出を楽しみたい遊技者は操作部64を操作することなく、そのまま表示部43を見ていればよいため、遊技者の相反する要求に応えることができる。
(スーパーリーチ報知制御「作用効果」)
次に、図11の鎖線で囲まれたスーパーリーチ報知制御のためのルーチンを付加した場合の制御の流れを説明する。すなわち、図11のステップ454において、解析した命令信号の内容が強制停止命令の場合には、ステップ466へ移行する。
ステップ466では、フラグFがセット(1)されているか否かが判断され、否定判定された場合には、ステップ468へ移行して、次の変動パターンがスーパーリーチか否かが判断される。
このステップ466で肯定判定された場合、或いは前記ステップ468で否定判定された場合には、ステップ470へ移行してフラグFをリセット(0)し、次いでステップ472で変動中画面を白黒静止画像に変換(非スーパーリーチ時)、或いは動画像に変換(スーパーリーチ時)し、ステップ474へ移行する。
すなわち、現在の変動パターンがどこまで演出が進行していようと、当該強制停止命令があった時点で即時に中止し、他の画面(白黒静止画像或いは動画像)に変換されるため、遊技者はこの変換された画像を見ることで、強制停止が正常に働いていることを視覚を通じて認識することができる。
次のステップ474では、この白黒静止画像或いは動画像の表示が所定時間(ここでは、0.5秒程度)経過したか否かが判断され、肯定判定されると、ステップ476へ移行して、最終停止図柄を表示してこのルーチンは終了する。
一方、ステップ468において、肯定判定、すなわち、今回の図柄変動パターンがスーパーリーチであると判定された場合には、ステップ478へ移行して、表示部43での変動を継続しながら、その表示上にメッセージを表示する。
メッセージ内容は、「スーパーリーチに発展します。強制停止するならもう一度停止操作を行ってください。」等の文字表示である。
次のステップ480では、メッセージが表示され、現在の図柄変動パターン演出がスーパーリーチに発展することを認識させたとして、フラグFをセットしてこのルーチンは終了する。
上記フラグFをたてておくことで、次にこのルーチンの処理が実行されるとき、ステップ466で肯定判定されるため、遊技者にスーパーリーチ演出を見るか否かを猶予を与えることができる。すなわち、1回目の強制停止操作では、スーパーリーチの場合に、図柄変動パターンの演出を省略してよいか否かの猶予が与えられ、スーパーリーチに関係なく強制停止を行いたい場合には、再度操作部64の操作を実行することで、強制停止操作の指示が有効となる。
なお、上記では、最初の操作部64の操作のとき、スーパーリーチであった場合に、そのまま図柄変動パターン演出を継続しながら、メッセージを表示するようにしたが、図柄変動パターン演出を一時停止した状態でメッセージを表示するようにしてもよい。この場合、再度の操作部64の操作可能時間を設け(例えば、2〜3秒程度)、この間に再操作がなければ図柄変動パターン演出を再開し、操作があれば、即時に最終停止図柄を表示するようにすればよい。
また、スーパーリーチの場合には、操作部64の操作を最初から無効として、必ずスーパーリーチの図柄変動パターン演出を全編表示するようにしてもよい。
(主制御部150におけるコマンド送出制御「作用効果」)
ここで、前記メインルーチンを含む制御フローは、0.004秒サイクルで処理されており、図10(A)に示すメインルーチンのステップ424におけるコマンド送信では、0.004秒を1パケットとし、この間に可能なコマンドを送信し、送信しきれないコマンドは次のパケットで送信する。
ところが、この本実施の形態の場合、上記強制停止制御を図柄変動パターン演出開始直後(実際には、開始後0.004秒後)には、最終停止図柄が認識されている必要がある。
このため、本実施の形態では、図柄変動パターンに関連するコマンドを他のコマンドに優先して、送信する(表2参照)。言い換えれば、変動パターン演出開始後、最初のパケット通信時間(0.004秒)後には、当該図柄変動パターン演出に関するコマンドが全て演出制御部152へ送出されていることになる。
図18は、コマンド出力処理ルーチンを示している。本実施の形態におけるコマンド出力は、送信を4回に分けて、モードデータ(MODE)とイベントデータ(EVENT)とをペアにして送信している(表2では、変動開始コマンド、特別図柄1コマンド、特別図柄2コマンドは必ず、メモリコマンドは別途緊急の送信コマンドがない場合)。
ステップ570では、送信カウンタに「0」をセットし、次いでステップ572で送信カウンタが「4」になったか否かが判断される。
このステップ572で肯定判定された場合には、全てのコマンドの送信が完了したと判断され、メインルーチンへリターンする。
また、ステップ572で否定判定された場合には、ステップ574へ移行してコマンドテーブル(図20参照)に「FF」があるか否かが判断される。この「FF」はコマンドデータが無いことを意味する。
ステップ574で肯定判定された場合には、コマンド自体がないため、メインルーチンへリターンする。
また、ステップ574で否定判定された場合には、ステップ576へ移行して送信処理を実行する。
送信処理は、図19に示される如く、ステップ576Aでモードデータ(MODE)を送信し、次いでステップ576Bでイベントデータ(EVENT)を送信する。
上記ステップ576における送信処理が終了すると、ステップ578へ移行して、送信カウンタをインクリメントし、ステップ572へ戻る。
上記コマンド出力処理の際、メインルーチンにおける最初のコマンド出力時に図柄変動パターンに関するデータを優先して送信することで、遊技者には見掛け上、図柄変動パターン変動開始直後(人間の感覚としては、0.004秒の遅れは無視できる)から停止操作を有効とすることが可能となる。
また、強制停止操作の有効終了時期を変動終了1秒前に設定したのは、可動部62等、機械的な図柄変動表示装置を適用した場合の、メカ的なレスポンスに対応するためである。また、本実施の形態には適用していないが、リールや球体等を用いて特別図柄を表示する場合にも必要な時間となる。なお、この強制停止操作有効期間の終了時期は、これ以上経過した後(終了1秒以内)での強制停止操作はほとんど意味がないため、遊技の進行に大きな影響を及ぼすこともない。
(演出制御部152における期待値に基づく可動部62の動作制御「作用効果」、並びに連続予告制御「作用効果」)
前記始動口46に入賞すると、保留が満杯でない限り、当/外の抽選が実行されるが、保留があると、その順番待ちの期間がある。すなわち、現在図柄変動パターン演出中において4個の保留があるとすると、この保留分の4個は先の抽選結果の報知が終了されるまで待機状態となる。
この場合、保留された乱数値を先読みし、保留の中に当たりが存在する場合には、事前の図柄変動パターン演出(最大4回)から、連続して当たりを予告する演出を行っている。また、この連続予告は、最低1回から、すなわち、現在図柄変動パターン演出中の抽選結果から適用可能である。
この場合、抽選結果に対する連続予告の対象として、本実施の形態では、強制停止操作ユニット60の可動部62と、表示部43での表示と、の2種類としている。
この場合、従来では、主制御部150において、連続予告を行うか否かを抽選し、行う場合に予告対象を選択して、それぞれの予告対象に対して動作設定等を行うといった全ての制御を実行していたため、主制御部150に大きな負担がかかっていた。そこで、本実施の形態では、この制御を主制御部150と演出制御部152とに振り分けることで、主制御部150での負担を軽減した。
以下、図12乃至図14のフローチャートに従い、前記振り分けた各制御動作ルーチンを示す。
図12は、主制御部150における連続予告抽選制御ルーチンが示されている。
ステップ500では、連続予告抽選を実行し、次いでステップ502において、この連続予告抽選に当選したか否かが判断される。ステップ502で肯定判定、すなわち連続予告に当選したと判断されると、ステップ504へ移行して連続予告コマンドを演出制御部152へ送信し、このルーチンは終了する。また、ステップ502で否定判定の場合はこのルーチンは終了する。
主制御部150では、上記連続予告の抽選のみを行うようにしたため、主制御部150での制御負担を軽減することができる。
図13は、演出制御部152における連続予告判別制御ルーチンを示している。
ステップ506では、連続予告コマンドが主制御部150が送られてきたか否かが判断され、肯定判定されると、ステップ508で連続予告実行フラグをオンにしてこのルーチンは終了する。また、ステップ506で否定判定の場合には、連続予告実行フラグはオフのまま処理は終了する。
続いて、図14は、演出制御部152における変動パターンコマンド設定制御ルーチンを示している。
ステップ510では、連続予告実行フラグがオンされているか否かが判断され、肯定判定されると、ステップ512へ移行して大当たり確定の連続予告か否かが判断される。
このステップ512で否定判定されると、外れ確定(期待値80から99%)であると判定され、ステップ514へ移行して外れ時予告動作抽選が実行され、ステップ516へ移行する。
ステップ516では、抽選の結果が可動部動作に当選したか否かが判断され、肯定判定された場合には、ステップ518へ移行して可動部62の動作を開始し、ステップ520へ移行する。ステップ520では、変動パターン指定コマンドを図柄・音声制御部156へ送信して、このルーチンは終了する。
また、ステップ510で否定判定、すなわち連続予告実行フラグがオンされていない場合、或いはステップ516において否定判定、すなわち可動部動作を行わない場合には、ステップ520へ移行して、変動パターン指定コマンドを図柄・音声制御部156へ送信して、このルーチンは終了する。
次に、ステップ512で肯定判定されると、大当たり確定(期待値100%)であると判定され、ステップ522へ移行して当たり時予告動作抽選が実行され、ステップ524へ移行する。
ステップ524では、抽選の結果が可動部動作に当選したか否かが判断され、肯定判定されるとステップ518へ移行し、可動部62の動作を開始し、ステップ520へ移行する。ステップ520では、変動パターン指定コマンドを図柄・音声制御部156へ送信して、このルーチンは終了する。
また、ステップ524において、否定判定、すなわち可動部動作を行わない場合には、ステップ526へ移行して、大当たり連続予告付変動パターンに当選しているか否かが判断され、否定判定された場合には、ステップ520へ移行して、変動パターン指定コマンドを図柄・音声制御部156へ送信して、このルーチンは終了する。
また、ステップ526で肯定判定された場合には、ステップ528へ移行して大当たり連続予告付変動パターン指定コマンドを図柄・音声制御部156へ送信し、このルーチンは終了する。
以上のように、連続予告については、この連続予告をするかしないかの抽選のみを主制御部150で行うようにしたため、主制御部150での制御負担が軽くなり、制御プログラムも簡略化することができる。
(可動部の原点位置復帰までの移動時間と図柄変動期間との相関関係「作用効果」)
本実施の形態では、可動部62の動作が付加された図柄変動パターン演出中に、操作部64により強制停止操作指示があった場合、次の図柄変動パターン演出の開始時までに、可動部62がどの位置にあっても、原点位置に復帰させるようにしている。
すなわち、可動部62の動作中に、前記操作部64の操作があった場合、図柄変動自体が即時に中止され、最終停止図柄が表示された後、保留メモリがあった場合、直ちに次の図柄変動に移行する。次の図柄変動開始時に可動部62を動作させる設定がなされている場合、可動部62は原点位置に戻っている必要がある。
そこで、本実施の形態では、図柄変動パターン演出終了時と、次の図柄変動パターン演出開始時との間に表示仕様下での時間tHSに加えてブランキング期間tBKを設けた。
これにより、強制停止操作有効期間終了時点、或いは操作部64の操作時点とほぼ一致する図柄変動終了時から次の図柄変動までの時間はtHS+tBK=1.0+0.6=1.6秒となり、これは、可動部62の標準的な最大ストロークの移動にかかる時間tMSの2倍であるため、可動部62の原点位置への復帰動作中に負荷がかかっても、確実に次の図柄変動パターン演出開始までには、復帰することができる。
図16及び図17には、可動部62の動作が付加された図柄変動パターン演出時のタイムチャートが示されている。なお、このタイムチャートに示す図柄は、表示部43の特別図柄表示部43Aに表示する特別図柄を対象としている。
図16は、図柄変動パターン演出中に、操作部64の操作がなかった場合を示しており、変動時期の立ち上がりから0.004秒後に、操作部64の操作が有効となり、変動時期の立ち下がり(第2特別図柄の停止時)よりも1秒前にこの操作部64の操作有効期間が終了する。
可動部62は、変動時期の立ち上がりとほぼ同時に第1の動作パターン或いは第2の動作パターンの何れかで動作を開始し、全ての動作パターンが終了するのは、前記操作部64の操作有効期間と一致している。
その後、0.8秒かけて原点位置へ復帰する(図4(C)及び図4(D)参照)。
ところで、前記変動時期の立ち下がりから次の変動時期の立ち上がりまでの間に、ブランキング期間tBKを設けることで、前記可動部62の復帰動作にかかる時間tMSの2倍の余裕が出る。このため、可動部62の復帰動作中に何らかの負荷がかかったとしても、十分に次の変動時期の立ち上がりまでの間に復帰させることができる。
図17は、操作部64の操作有効期間中に操作部62が操作されたとき、すなわち可動部62が動作途中のときの復帰動作を示している。
操作部64が操作されると、本実施の形態の標準仕様に従って、図柄変動は時間tHS(1.0秒)で停止する。
また、可動部62も前記操作部64の操作をトリガとして、原点位置へ復帰する動作となる。なお、図17では最大ストロークを予測している。
この場合でも、前記時間tHSとブランキング期間tBKとの和が1.6秒であるため、可動部62の復帰動作中に何らかの負荷がかかったとしても、十分に次の変動時期の立ち上がりまでの間に復帰させることができる。
(演出制御部152における効果音予告制御「作用効果」)
次に、本実施の形態では、停止操作ユニット60の操作部64の操作を、操作判別素子(ここでは、光電センサ78)に遊技者が直接手を触れるのではなく、手をかざすのみという仕様を採用している。
このため、手をかざしたか否かを効果音によって明確にしている。
通常は、この効果音として特別強調されるような音域や音量ではない、通常停止音であるが、変動パターンがスーパーリーチの場合には、通常音とは異なる音色の効果音を出し、(スーパーリーチ停止音)、当/外抽選の結果が当たりであり、かつ予告抽選に当選した場合には、前記通常効果音の音量よりも大きく、かつ高周波数帯域等、周囲の音に対して強調された効果音(直撃音)を出力する。
以下、図15のフローチャートに従い、強制停止時予告音制御ルーチンを説明する。
ステップ550では、直撃音演出の抽選が実行され、次いでステップ552でこの直撃音抽選に当選したか否かが判断される。
このステップ552で否定判定された場合には、ステップ554へ移行して、スーパーリーチか否かが判断される。
すなわち、ステップ552及びステップ554において、ステップ556による直撃音に設定するか(ステップ552での肯定判定)、ステップ558による通常停止音に設定するか(ステップ554での否定判定)、ステップ560によるスーパーリーチ停止音に設定するか(ステップ554での肯定判定)に分類することができる。
前記ステップ556、558、560の何れかで効果音の設定がなされると、それぞれステップ562へ移行してスーパーリーチか否かが再度判断される。
ステップ562で否定判定された場合には、ステップ564へ移行して通常停止表示演出に設定され、肯定判定された場合には、ステップ566へ移行してスーパーリーチ停止演出に設定され、このルーチンは終了する。
上記効果音の設定により、停止操作ユニット60の操作部64により強制停止の指示操作があると、通常時は白黒静止画像が表示されたときに通常効果音又は直撃音が出力される。また、スーパーリーチ時は動画像が表示されたときにスーパーリーチ効果音又は直撃音が出力される。
この直撃音を聞くことで、遊技者は、当/外抽選が当たりであることを視覚を通じてのみならず、聴覚を通じて認識することができ、仮に、遊技盤面(表示部4)から目を離していても、当たりを認識することができる。