JP5242196B2 - 直圧式ブラスト加工装置の加圧タンク及び前記加圧タンクの圧力調整方法 - Google Patents

直圧式ブラスト加工装置の加圧タンク及び前記加圧タンクの圧力調整方法 Download PDF

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Description

本発明は直圧式ブラスト加工装置の加圧タンク及び前記加圧タンクの圧力調整方法に関し,より詳細には,給排気構造/方法に特徴を有する加圧タンク及び該加圧タンクの圧力調整方法に関する。
直圧式ブラスト加工装置は,研磨材が貯留された加圧タンク内を圧縮気体の導入によって加圧し,加圧タンク内の研磨材を圧縮気体と共に噴射ノズルに搬送して噴射することができるように構成したものであり,このような直圧式ブラスト加工装置の加圧タンクの構成を示せば,一例として図4に示す通りである。
この加圧タンク1は,圧力容器である加圧タンク本体10,この加圧タンク本体10内の研磨材を噴射ノズルに搬送する研磨材搬送路11’,及び,前記加圧タンク本体10内に圧縮気体を導入するタンク加圧管16を備えており,タンク加圧管16より導入した圧縮気体によって加圧タンク本体10の貯留空間13内の圧力を高めることにより,貯留空間13内の研磨材が圧縮気体と共に研磨材搬送路11’を介して噴射ノズルに搬送されて噴射されるように構成されている。
このような研磨材の搬送を可能とするために,図示の加圧タンク1の構成にあっては,前述の研磨材搬送路11’を,その両端が加圧タンク本体10の底部近傍において加圧タンク本体10の側壁を貫通して外部に突出する管路によって形成し,この研磨材搬送路11’の加圧タンク本体10内に配置された部分に,この研磨材搬送路11’内に研磨材を導入するための研磨材導入孔11’eを設けると共に,この研磨材搬送路11’の一端に噴射ノズルを連通すると共に他端を図示せざる圧縮気体供給源に連通している。
従って,加圧タンク本体10内に研磨材が貯留された状態でタンク加圧管16を介して貯留空間13内に圧縮気体を導入して該空間を加圧すると共に,前記研磨材搬送路11’の他端より圧縮気体を導入すると,研磨材は貯留空間13内の圧力によって研磨材導入孔11’eを介して研磨材搬送路11’内に導入され,研磨材搬送路11’内を流れる圧縮気体流と合流して噴射ノズルより噴射される。
以上のような加圧タンク1を備えた直圧式のブラスト加工装置において,作業の終了等に伴いブラスト加工装置を停止すると,研磨材搬送路11’に対する圧縮気体の導入と,タンク加圧管16を介した貯留空間13内への圧縮気体の導入が停止し,研磨材の噴射も停止する。
しかし,このような圧縮気体の導入停止に拘わらず,加圧タンク本体10の貯留空間13内の圧力は直ぐには降下せず,その結果,貯留空間13内の研磨材が研磨材導入孔11’eを介して研磨材搬送路11’内に流れ込む現象が生じる。
そのため,研磨材搬送路11’内に研磨材が溜まってしまい,再度ブラスト加工装置を始動して研磨材の噴射を開始すると,始動の初期においてこのようにして研磨材搬送路11’内に溜まった研磨材が一度に噴射ノズルより噴射されるために,始動初期において研磨材の噴射量が増加してしまい,被加工物に対する加工条件が変化して,一定した加工を行うことができない。
また,加圧タンク本体10の上方には,加圧タンク本体10内に研磨材を供給するための研磨材タンク50を配置する構成が採用される場合が多く,この研磨材タンク50の下端を加圧タンク本体10の上端に連通して両タンク間の連通口51をバルブ52等によって開閉可能とすることで,バルブ52の開放時,研磨材タンク50内の研磨材を加圧タンク本体10内に落下させることができるように構成されているが,加圧タンク本体10内が加圧された状態で前述のバルブ52を開くと,加圧タンク本体10内の圧力が研磨材タンク50側に一気に流れ込み,研磨材タンク50内の研磨材を吹き上げる。
そのため,研磨材タンク50が密閉構造を有さずに大気開放している場合には,このようにして吹き上げられた研磨材が研磨材タンク50外に飛散して作業環境を汚染する。
また,研磨材タンク50は,例えばこれをサイクロンとして形成し,これをブラスト加工室とダクト等を介して連通すると共に,ダストコレクタに設けた排風機等によって研磨材タンク50内を吸引することで,ブラスト加工室内で噴射された研磨材を回収することができるように構成する場合も多く,このような構成の研磨材タンク50内に加圧タンク本体10より圧縮気体が急激に流れ込むと,回収された研磨材が舞い上がってゴミ等と共にダストコレクタに流れ込み,研磨材の回収量が激減する。
そのため,直圧式ブラスト加工装置に設けられたな加圧タンク1には,排気路18を連結し,この排気路18に設けた開閉弁19の開閉によって加圧タンク本体10内の圧縮気体を排気して,余分な研磨材が研磨材搬送路11’内に滞留し,また,加圧タンク本体10に対する研磨材の導入時に,研磨材タンク50側に圧縮気体が噴出することを防止している。
なお,従来の加圧タンクの構成において,このような排気路18は,排気の際に加圧タンク本体10内の研磨材が一緒に排出されることがないよう,研磨材の貯留上限位置よりも上方の,研磨材が存在しない部分13aの貯留空間13に連通されている(特許文献1の図3,図4における符号4,14,図6における符号58参照)。
なお,直圧式ブラスト加工装置における加圧タンク1の排気は,図4を参照して説明した構造の加圧タンクのみならず,各種構造の加圧タンクに於いても同様に行われており,例えば本発明の出願人が先に出願している定量供給機能を備えた加圧タンク(特願2007−109589号)等においても,加圧タンク本体10の上部に排気路18を設け,圧縮気体の排気を行うことができるように構成している。
この加圧タンク1は,噴射ノズル40より噴射される研磨材量が常に一定となるように,噴射ノズル40に対して搬送される研磨材量を計量する計量手段を備えたもので,図3に示すように,加圧タンク本体10内で所定の速度で水平回転する回転ディスク20を備えており,前記回転ディスク20の一方の面に,噴射ノズル40に研磨材を搬送する研磨材搬送路11の一端11aの開口部を近接又は接触させて配置すると共に,前記回転ディスク20の他方の面に,前記研磨材搬送路11の一端11aにおける開口部に対向して搬送気流導入路12の一端12aにおける開口部を近接又は接触させて配置した構造を備え,前記回転ディスク20の,前記研磨材搬送路11の一端11aにおける開口部と,前記搬送気流導入路12の一端12aにおける開口部間を通る回転軌道上に,前記回転ディスク20の肉厚を貫通して形成した同一径の複数の計量孔21を円周方向に等間隔に設けると共に,前記研磨材搬送路11の一端11aにおける開口部と,前記搬送気流導入路12の一端12aにおける開口部間に配置された部分を除き,前記回転ディスク20が前記加圧タンク本体10内に貯留された研磨材中に埋没され,前記搬送気流導入路12の他端12bを,加圧タンク本体10内の研磨材の充填位置の上限よりも高い位置において開口すると共に,タンク加圧管16を介して圧縮気体供給源からの圧縮気体を導入すると,回転ディスク20の計量孔21内に充填された研磨材が回転ディスク20の回転により定量ずつ研磨材搬送路11の一端11aの開口部と,前記搬送気流導入路12の一端12aの開口部間に搬送されて,研磨材搬送路11の他端11b側に連通された噴射ノズル40に一定量ずつ供給することができるよう構成されている。
この発明の先行技術文献情報としては次のものがある。
特開平 7−290364号公報
以上のように構成された従来の加圧タンク1(図4参照)では,ブラスト加工装置の停止時等において加圧タンク本体10内の圧力を排気することにより,研磨材搬送路11’内に研磨材が溜まることを防止しているが,前述した従来の加圧タンク1の構造によっては,研磨材搬送路11’に研磨材が溜まることを完全には防止できず,その結果,次回の噴射開始時に定常時よりも多量の研磨材が噴射される。
すなわち,加圧タンク本体10の貯留空間13には,図4に示すように研磨材層の上面を示す破線を境として研磨材が貯留された部分13bと,研磨材が存在しない部分13aが存在し,このような状態において,加圧タンク本体10の上端側よりタンク内の圧力を放出すると,研磨材が存在しない部分13a内の圧縮気体は,排気路18の開放と同時に即座に排出されるが,研磨材が貯留された部分13b内の圧縮気体,すなわち,研磨材の粒子間に存在する圧縮気体は,周囲に存在する研磨材が障害となって排気路18の開放と同時にはタンク外に放出されず,特に研磨材の粒径が小さな微粉となる程,圧縮気体を粒子間に閉じ込める作用が大きい。
その結果,排気路18の開放によって研磨材が存在しない部分13aの圧力が降下すると,研磨材の粒子間に閉じ込められていた圧縮気体はこれに一瞬遅れて膨張し,低圧となっている研磨材の存在しない部分13aに向かって流れ込む。
研磨材の粒子間に閉じ込められていた圧縮気体のこのような膨張は,密に詰まった状態で堆積していた研磨材の粒子間の間隔を広げると共に,粒子間の間隔を伝って上方に移動することから,研磨材は加圧タンク本体10内で波打つように動き出して流動化すると共に,一時的に貯留された研磨材の嵩(タンク内における堆積高さ)が増し,定常時における研磨材の貯留上限位置を越えてしまう状態が発生する。
その結果,図4を参照して説明した従来の加圧タンクにあっては,このようにして流動化した研磨材が研磨材搬送路11’の研磨材導入孔11’e内に入り込み,研磨材搬送路11’内に溜まって,次回の噴射開始時における研磨材の噴射量を増加させる。
また,図3を参照して説明した加圧タンク1にあっても,前述のように貯留状態にある研磨材の嵩が一時的なものとしても増加すれば,研磨材が搬送気流導入路12の他端12bの開口部を介して搬送気流導入路12内に入り込んでしまい,次回の研磨材の噴射開始時に,搬送気流導入路12内に溜まった研磨材が噴射されて噴射開始初期における研磨材の噴射量が増大する。
そこで本発明は,上記従来技術における欠点を解消するために成されたものであり,加圧タンク内の研磨材を流動化させ,一時的な嵩の増加を生じさせることなしに,安定した状態で排気を行うことのできる構造を備えた直圧式ブラスト加工装置の加圧タンク及び前記加圧タンクの圧力調整方法を提供することを目的とする。
また,本発明の別の目的は,前述のように研磨材の流動化や一時的な嵩の増加を防止しつつ,加圧タンク内を排気する構成を採用したことに伴い,研磨材の流動性が過度に低下するという新たに生じた問題についても解消することができる構造を備えた加圧タンク,及び加圧タンク内の圧力調整方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために,本発明の直圧式ブラスト加工装置の加圧タンク1は,研磨材を貯留する貯留空間13を備えた加圧タンク本体10と,研磨材の貯留上限位置HLよりも高所において前記貯留空間13に連通して前記貯留空間内に圧縮気体を導入するタンク加圧管16と,前記貯留空間13内の研磨材を貯留空間13内の圧縮気体と共に搬出する研磨材搬送路11を備えた直圧式ブラスト加工装置の加圧タンク1において,
前記加圧タンク本体10の底部を介して前記貯留空間13と連通し,前記加圧タンク本体10内の圧縮気体を加圧タンク本体10外に排気する排気路18を設けると共に,前記排気路18を介した研磨材の排出を阻止するフィルタ5と,前記排気路18の開閉手段(実施形態において開閉弁19)とを設けたことを特徴とする(請求項1)。
前記構成の加圧タンク1には,更に前記排気路18を介した排気後,再加圧の開始時における所定期間,前記貯留空間13に圧縮気体を導入する初期加圧管60を,研磨材の貯留下限位置LLよりも低所において前記加圧タンク本体10内の前記貯留空間13に連通して設けることができる(請求項)。
この初期加圧管60と前記排気路18は,これを前記加圧タンク本体10に設けた共通の開口17を介して前記貯留空間13に連通することができる(請求項)。
更に,本発明の直圧式ブラスト加工装置の加圧タンク1には,前記加圧タンク本体10内において所定の速度で水平回転する回転ディスク20を設け,前記回転ディスク20の一方の面(図1の例では下面)に,前記研磨材搬送路11の一端11aの開口部を近接又は接触させて配置し,前記回転ディスク20の他方の面(図1の例では上面)に,前記研磨材搬送路11の一端11aの開口部に対向して搬送気導入路12の一端12aの開口部を近接又は接触させて配置すると共に,該搬送気導入路12の他端12bを研磨材の貯留上限位置HLよりも高所において前記貯留空間13内で開口し,
前記回転ディスク20の,前記研磨材搬送路11の一端11aの開口部と前記搬送気流導入路12の一端12aの開口部間を通る回転軌道上に,前記回転ディスク20の肉厚を貫通して形成した同一径の複数の計量孔21を円周方向に等間隔に設け,
前記研磨材搬送路11の一端11aの開口部と,前記搬送気導入路12の一端12aの開口部間に配置された部分を除き,前記回転ディスク20が前記加圧タンク本体10内に貯溜された研磨材中に埋没するように配置するものとしても良い(請求項)。
上記構成の加圧タンク1にあっては,更に,前記回転ディスク20の上方であって,研磨材の貯留下限位置LLよりも低所に,前記回転ディスク20と共に回転する攪拌翼22を例えば回転ディスク20を回転させる回転シャフト25より突出させて設けることができ(請求項),この攪拌翼としては,好ましくは円柱形状のものを使用する(請求項)。
また,本発明の加圧タンク1の圧力調整方法は,研磨材を貯留する貯留空間13を備えた加圧タンク本体10と,研磨材の貯留上限位置HLよりも高所において前記貯留空間13に連通して前記貯留空間13内に圧縮気体を導入するタンク加圧管16と,前記貯留空間13内の研磨材を貯留空間13内の圧縮気体と共に搬出する研磨材搬送路11を備えた直圧式ブラスト加工装置の加圧タンク1において,前記加圧タンク本体10内の排気を,前記加圧タンク本体10の底部において前記貯留空間13内に連通した排気路18を介して行うことを特徴とする(請求項)。
更に,前述した加圧タンク1の圧力調整方法において,前記加圧タンク本体10内の排気後,前記貯留空間13の再加圧のための圧縮気体の導入を,前記再加圧の開始から所定の時間が経過する迄,又は貯留空間13内が所定の圧力(初期圧力)に上昇する迄,研磨材の貯留下限位置LLよりも低所において前記貯留空間13に連通した初期加圧管60を介して行うようにしても良い(請求項)。
なお,前記初期加圧管60による圧縮気体の導入は,好ましくは前記貯留空間13内の圧力が研磨材噴射時の圧力として設定された圧力(設定圧力)に上昇する迄行う(請求項)。
以上説明した本発明の構成により,本発明の加圧タンク1及び加圧タンクの圧力調整方法により,以下のような顕著な効果を得ることができた。
(1)加圧タンク本体10内の排気を研磨材の貯留下限位置LLよりも低所において貯留空間13と連通した排気路18を介して行ったことにより,貯留空間13内の研磨材が存在しない部分13aの圧縮気体は,堆積した研磨材内を通過して排出される。その結果,貯留空間13内の圧縮気体を排気しても,貯留空間13内の研磨材が流動化したり,一時的に嵩が増したりすることを防止することができ,加圧タンク本体10の排気時において研磨材搬送路11’(図4参照)や搬送気流導入路12(図1参照)に研磨材が流入することを好適に防止することができ,次回の研磨材の噴射時に,搬送気流導入路12や研磨材搬送路11’内に溜まった研磨材が一度に噴射されることにより生じる研磨材噴射量のバラツキの発生を防止することができた。
(2)特に,前記排気路18を,加圧タンク本体10の底部を介して貯留空間13に連通することにより,圧縮気体が研磨材層の上部から下方に通過することにより,研磨材の流動化や一時的な嵩の増加をより完全の防止することができた。
(3)研磨材の貯留下限位置LLよりも低所において前記加圧タンク本体10内の前記貯留空間13に連通する初期加圧管60を備えた加圧タンク1にあっては,前記排気路18を介した圧縮気体の排気後,加圧タンク本体10内の再加圧の開始時に,加圧タンク本体10内に対する圧縮気体の導入を前記初期加圧管60を介して行うことにより,前述した排気路18を介した排気の際に締め固められるようにして過度に流動性を失った研磨材の流動性を回復させることができ,特に,この初期加圧管60を介した圧縮気体の導入を,加圧タンク本体10内の圧力が研磨材の噴射時の圧力として設定された圧力となる迄行った場合には,流動性の回復が顕著であった。
(4)この初期加圧管60と前述の排気路18とを,前記加圧タンク本体10に設けた共通の開口17を介して前記貯留空間13に連通した加圧タンク1にあっては,両構成の一部を共通化したことにより加圧タンク1の構成を簡略化することができると共に,初期加圧管60を介して貯留空間13内に導入される圧縮気体は,フィルタ5を介して拡散された状態で貯留空間13内に導入されることから,貯留空間13内の研磨材の流動性を均一に回復させることができた。
(5)前記構成に加え,加圧タンク本体10内に研磨材搬送路11の一端11aの開口部と搬送気流導入路12の一端12aの開口部間を通過する計量孔21を備えた回転ディスク20を設けた加圧タンク1にあっては,前述した効果に加え,更に研磨材搬送路11を介して加圧タンク本体10外に搬出される研磨材量を一定量にすることができた。
(6)このような回転ディスク20を備えた加圧タンクにおいて,更に攪拌翼22を備えた構成にあっては,前記排気路18を介した排気によって過度に流動性を失った研磨材の流動性をこの攪拌翼による攪拌によって好適に回復させることができた。
(7)特に,この攪拌翼22の形状を円柱状とした構成にあっては,回転ディスク20や攪拌翼22を研磨材中で旋回させる際の回転トルクを減少させることができ,これらを回転させる電動モータ等に対する負荷を軽減させながら,研磨材の流動性を回復させることができた。
次に,本発明の実施形態につき添付図面を参照しながら以下説明する。なお,以下の説明では,本発明の加圧タンクを,図3を参照した説明と同様,研磨材定量供給装置を備えた構成のものとして説明するが,本発明の加圧タンクの給排気構造は,図4を参照して説明した既知の一般的な加圧タンク,その他の直圧式ブラスト加工装置の加圧タンク一般に広く適用可能である。
1.加圧タンクの構成
図1中の符号1は,本発明の加圧タンクであり,この加圧タンク1は,研磨材を貯留する加圧タンク本体10と,この加圧タンク本体10内の研磨材をブラスト加工装置の噴射ノズル40に搬送する研磨材搬送路11,及び研磨材を計量してこの研磨材搬送路11に定量ずつ導入する回転ディスク20を備えている。
前述の回転ディスク20は,加圧タンク本体10内に,水平方向に回転することができるように設けられたものであり,この回転ディスク20には,その肉厚を貫通する貫通孔を所定間隔で円周方向に並べて配置し,この貫通孔を搬送する研磨材を計量する計量孔21としている。
すなわち,前記各計量孔21を同一の容積に形成することで,各計量孔21内に同一量の研磨材を捕集することができ,各計量孔21に捕集された研磨材を,回転ディスク20の回転数を一定とすることにより,一定の速度で研磨材搬送路11に搬送することで,噴射ノズル40より噴射される研磨材量を定量としている。
図1に示す実施形態にあっては,この計量孔21を二列並べて配置しているが,計量孔21の列は一列であっても良く,又は三列,乃至はそれ以上で設けても良い。
以上のように形成された回転ディスク20の中心には,加圧タンク本体10外より,加圧タンク本体10の天板部分(もしくは底板部分でも良い)を貫通して内部に挿入された回転シャフト25が固着され,電動モータ30等の回転手段によって回転される回転シャフト25の回転に伴って加圧タンク本体10内を所定の速度で水平方向に回転することができるように構成されている。
また,回転ディスク20の上方において,前記シャフト25にはこのシャフト25の外周方向に突出する攪拌翼22が設けられており,この攪拌翼22によって,回転ディスク20の回転時,回転ディスク20の上方にある研磨材を攪拌することができるように構成されている。
この攪拌翼22は,これを板状のものとして構成しても良いが,回転ディスク20の上方にある研磨材を攪拌し得るものであれば,攪拌翼22の形状は板状に限定されず,例えば棒状,その他の形状であっても良いが,研磨材中で旋回する際の抵抗が少なく,回転手段である電動モータ30に対する抵抗が軽減できる点で,円柱棒状のものとすることが好ましい。
本実施形態にあっては,この攪拌翼を,180°の等間隔で対称の位置に配置して,計2本の攪拌翼を設けたが,攪拌翼22の配置個数は二本以上であっても良い。
前述の回転ディスク20を回転させる回転手段は,本実施形態にあっては加圧タンク本体10上に配置された電動モータ30であり,この電動モータ30に,加圧タンク本体10の天板を貫通して設けられた回転シャフト25の上端を連結すると共に,この回転シャフト25の下端に,前述した回転ディスク20を連結することで,この電動モータ30の回転によって加圧タンク本体10内の回転ディスク20を回転させることができるように構成されている。
この電動モータ30は,前記回転ディスク20の回転数を制御することが可能であれば,各種型式のモータを使用することができ,例えば直流モータを使用して入力する電圧の変化によって回転数を可変としても良く,又は,三相交流電動機を使用すると共に,インバータによって入力する電流の周波数を可変とすることで,回転数を制御するものとしても良い。
このように電動モータ30の回転数を制御することにより,回転ディスク20の回転数を制御して,所定時間内に後述する研磨材搬送路11の一端11aにおける開口部と搬送気流導入路12の一端12aにおける開口部間を通過する計量孔21の数を変化させることで,ブラストガン40に供給される研磨材量を正確に制御することができるように構成している。
なお,この電動モータ30は,好ましくは噴射ノズル40より研磨材の噴射が行われている場合においてのみ,設定された回転数で回転し,噴射ノズル40からの研磨材の噴射が停止すると回転を停止するよう構成することが好ましく,これにより研磨材の噴射が行われていないときに回転ディスク20が回転して,研磨材搬送路11内に研磨材が落下して溜まり,ブラスト作業の開始時に多量の研磨材が噴射されることを防止できる。
前述の回転ディスク20が収容される加圧タンク本体10は,噴射ノズル40に対して供給する研磨材を貯留すると共に,前述の回転ディスク20を回転可能に収容する貯留空間13を内部に備えている。
この貯留空間13は,これを密閉可能とし,この貯留空間13に一端を連通すると共に他端を図示せざる圧縮気体供給源に連通するタンク加圧管16を介して導入された圧縮気体によって加圧可能に構成されている。
この加圧タンク本体10内の前記貯留空間13には,回転ディスク20に設けた前述の攪拌翼22と干渉しない位置に,後述するブラストガンに連通される研磨材搬送路11と搬送気流導入路12とが配置されていると共に,この研磨材搬送路の一端11aの開口部を,前記回転ディスク20と近接又は接触するように,計量孔21に臨ませて配置している。
この研磨材搬送路11の一端11aにおける開口部が近接乃至は接触配置された回転ディスク20の面(図示の例では回転ディスク20の下面)とは反対側の面(図示の例では上面)には,回転ディスク20を介して前記研磨材搬送路11の一端11aにおける開口部と対峙するように,前記搬送気流導入路12の一端12aにおける開口部を近接乃至は接触状態に配置しており,これにより,研磨材搬送路11の一端11aにおける開口部と,搬送気流導入路12の一端12aにおける開口部12a間に,前述の回転ディスク20が挟まれた状態に配置されている。
この搬送気流導入路12の他端12bは,前記研磨材の充填上限位置HLよりも高所において貯留空間13内で開口しており,後述するタンク加圧管16によって加圧タンク本体10内が加圧された際,加圧タンク本体10内の圧縮気体を回転ディスク20に形成された計量孔21を介して前述の研磨材搬送路11に導入し得るように構成されている。
前記研磨材搬送路11の一端11aにおける開口部の周縁と,前記搬送気流導入路12の一端12aにおける開口部の周縁には,それぞれの開口部周縁より外周方向に突出するフランジ11c,12cを設け,このフランジ11c,12cを回転ディスク20の表裏面にそれぞれ摺接させている。
このフランジ11c,12cは,研磨材搬送路11や搬送気流導入路12を管路によって形成する場合等,回転ディスク20に形成した計量孔21の径が,研磨材搬送路11や搬送気流導入路12を画成する壁面の肉厚に対して大きく形成されている場合に特に有効であり,計量孔21が研磨材搬送路11の肉厚と搬送気流導入路12の肉厚間を通過する際に,研磨材搬送路11が計量孔21を介して加圧タンク本体10内の空間と直接連通することを防止すると共に,フランジ11c,12c間を回転ディスク20が通過する際,回転ディスク20に設けられた計量孔21の上下開口部よりはみ出す研磨材を除去して,正確に計量された研磨材が,前記研磨材搬送路11と搬送気流導入路12の開口部11a,12a間に導入されるよう構成されている。
なお,図1中,符号14は,加圧タンク本体10に対して研磨材を導入するための研磨材供給口であり,例えば,噴射ノズル40より噴射された研磨材を回収して貯留する研磨材タンク(図4中の符号50参照)の下端に連通して,該研磨材供給口14に設けた開閉弁52を開閉することにより,前記研磨材タンクに回収された研磨材を,加圧タンク本体10内に導入することができるように構成している。
なお,加圧タンク本体10内における研磨材の残量は,その上限を規定する前述の「貯留上限位置HL」と,下限を規定する「貯留下限位置LL」間に常に研磨材層の上端レベルが位置するように調整する。
前述の加圧タンク本体10のうち,常に研磨材中に埋没している研磨材の貯留下限位置LLよりも低所に存在する部分,図示の実施形態にあっては加圧タンク本体10の底部には,開口17が形成されていると共に,この開口17を,気体の通過を許容するが,加圧タンク本体10内の研磨材の通過を遮断するフィルタ5によって塞いでいる。
このフィルタ5としては,例えば粉末冶金によって多孔質状に形成された焼結金属の板,金網,植物,動物,樹脂,硝子,カーボン等の繊維によって形成された織布や不織布,その他の形態の各種のフィルタを使用することができ,気体の通過を許容するが,研磨材の通過を遮断して,後述する排気路18を介してタンク内の研磨材が排出されることを阻止することができるものであれば如何なるものを使用しても良く,使用する研磨材の粒径との相対的な関係によって,使用するフィルタの番手乃至は目開を選択する。
一例として,フィルタ5として前述の焼結金属を使用する場合,使用する研磨材の粒径よりも小径の粉末を焼結して製造した焼結金属板を使用し,例えば♯1000(11.5μm)の研磨材を使用する場合には,5μmの粉末を焼結された焼結金属,♯150(58μm)の研磨材を使用する場合には,20μmの粉末を焼結させた焼結金属,♯1500(8μm)の研磨材を使用する場合には,1μmの粉末を焼結させた焼結金属製のフィルタを使用する。
このようにして,フィルタ5によって塞がれた加圧タンク本体10の底部の開口17は,排気路18に連通されていると共に,この排気路18を開閉する開閉弁19を設け,この開閉弁19の操作によって前記排気路18を介して加圧タンク本体10内の圧力放出を行うことができるように構成している。
図示の実施形態にあっては,加圧タンク本体10の底部に設けた開口17に前述した排気路18の他,図示せざる圧縮気体供給源に連通された初期加圧管60を連通した構成とし,排気路18及び初期加圧管60のそれぞれにこれらを開閉可能とする開閉弁19,61を設けて,加圧タンク本体10の底部に設けた開口17を,排気路18又は初期加圧管60に連通することができると共に,排気路18及び初期加圧管60のいずれの連通をも遮断することができるように構成し,加圧タンク本体10の開口17が排気路18に連通されたとき,前記開口17,フィルタ5及び排気路18を介して加圧タンク本体10内の圧力が排気されると共に,加圧タンク本体10の開口17が初期加圧管60に連通されたとき,図示せざる圧縮機気体供給源からの圧縮気体を,初期加圧管60,フィルタ5及び開口17を介して加圧タンク本体10内の空間に導入することができるように構成している。
なお,前述の初期加圧管60は,加圧タンク本体10内の加圧開始の初期において,前記開口17を介して加圧タンク本体10内に圧縮気体を導入することにより,前記排気路18を介して排気を行うことによって流動性が低下した研磨材を攪拌してその流動性を回復させるために設けたものであり,例えば使用する研磨材の粒径が比較的大きい等,排気路18を介した排気によっても研磨材の流動性の低下が僅かである場合には,必ずしも設ける必要はない。
また,図示の例では前述の開口17を加圧タンク本体10の底部に設ける例を説明したが,前述したように開口17の全体を常に研磨材中に埋没した状態とすることができる位置,即ち研磨材の貯留下限位置LLよりも低所に設けるものであれば,この開口17を例えば加圧タンク本体10の側壁に形成しても良い。
2.加圧タンクの使用方法及び作用等
(1)加圧タンクの使用方法一般
以上のように構成された本発明の加圧タンク1は,タンク加圧管16及び初期加圧管60を図示せざる圧縮気体供給源に連通すると共に,研磨材搬送路11の他端11b側を噴射ノズル40の後端に連通して使用する。
使用に際し,加圧タンク本体10は,研磨材導入路14に設けた開閉弁52,排気路18に設けた開閉弁19を操作して加圧可能な状態とし,この状態において加圧タンク本体10内に図示せざる圧縮気体供給源からの圧縮気体を導入して加圧タンク本体10内の貯留空間13内の圧力を上昇させる。
このようにして加圧タンク本体10内を加圧すると,加圧タンク本体10内の研磨材が圧縮気体と共に噴射ノズル40に搬送されて噴射ノズル40の先端より噴射される。
噴射ノズル40に搬送される加圧タンク本体10内の圧縮気体は,研磨材の貯留上限位置HLよりも高所において貯留空間13内で開口する搬送気流導入路12の他端12bより導入され,搬送気流導入路12の一端12aにおける開口部より吐出される。
この搬送気流導入路12の一端12aの開口部は,回転ディスク20の計量孔21の形成位置に対峙して開口されていることから,このようにして吐出された圧縮気体は,回転ディスク20に設けた計量孔21内を通過して,計量孔21内に捕集された研磨材と共に研磨材搬送路11の一端11aの開口部内に導入される。
このようにして研磨材と合流した圧縮気体は,更に研磨材搬送路11内を他端11b側に向かって移動し,研磨材搬送路11の他端11b側に連通された噴射ノズル40より噴射される。
このように,搬送気流導入路12の一端12aの開口部と,研磨材搬送路11の一端11aの開口部間の間隔には,前述した回転ディスク20が配置されており,回転ディスク20の回転によって計量孔21内に捕集された研磨材が順次搬送されると共に,計量孔21によって正確な量の研磨材が計量されて搬送されることから,回転ディスク20の回転数を調整することによりブラストガン40に対して導入する研磨材量を正確に調整することか可能である。
(2)加圧タンクの圧力調整1(排気)
以上のように構成された加圧タンク1において,研磨作業の終了等によって研磨材の噴射を停止する際には,タンク加圧管16を介して加圧タンク本体10に対して行っていた圧縮気体の導入を停止すると共に,加圧タンク本体10内の圧縮気体を排気する。
このような加圧タンク本体10内の圧縮気体の排気は,開閉弁19の操作によって貯留空間13内の圧縮気体を,加圧タンク本体10の底部に設けた開口17,フィルタ5及び排気路18を介して行う。
このように,貯留空間13内の圧縮気体を,加圧タンク本体10の底部から排気することにより,加圧タンク本体10内の研磨材が存在しない部分13a内に存在する圧縮気体は,研磨材層内を通過して加圧タンク本体10外に排気される。
そのため,貯留空間13内の研磨材が存在しない部分13aと研磨材が存在する部分13b間において大きな圧力差が生じることがなく,貯留された研磨材の流動化や嵩の増大を生じさせることなく排気を行うことができ,図1を参照して説明した加圧タンクの構成にあっては,研磨材の嵩が一時的に増大することによる搬送気流導入路12内への意図しない研磨材の導入を防止することができ,また,同様の構成の排気構造を,図4を参照して説明した加圧タンク1に設ける場合には,研磨材が過度に流動化することを防止でき,排気時に研磨材導入孔11’eを介して研磨材搬送路11’内に研磨材が導入されることを防止することができる。
しかも,このような圧縮気体の排気に際し,加圧タンク本体10に設けた開口17は,前述したフィルタ5によって覆われていることから,開口17,及び排気路18を介して加圧タンク本体10内の研磨材が圧縮気体と共に外部に排出されることもない。
(3)加圧タンク内の圧力調整2(再加圧)
以上のようにして,一旦加圧タンク本体10内の圧縮気体を排気してしまうと,研磨材の噴射を行うためには,加圧タンク本体10内の圧力を再度,研磨材の噴射時の圧力として設定された所定の圧力(設定圧力)に迄上昇させる必要がある。
このような加圧タンク本体10内の加圧は,図4を参照して説明した従来の加圧タンク1にあっては,研磨材の貯留上限位置HLよりも高所において貯留空間13と連通したタンク加圧管16を介して行われるが,本発明の加圧タンク1にあっては,タンク加圧管16とは別に前述した開口17と連通した初期加圧管60を設け,この初期加圧管60を介して所定時間が経過する迄,又は加圧タンク本体10内が所定の初期圧力となる迄,圧縮気体の導入を行うように構成した。
すなわち,前述したように加圧タンク本体10内の圧縮気体の排出を,研磨材層に埋没する位置(図示の実施形態にあっては,加圧タンク本体10の底部)に設けた前記開口17を介して行うことにより,この圧縮気体の排出によって研磨材が締め固められた状態となり,特に,研磨材の粒径が小さくなる程,粒子間の結合力が強まり,流動性が著しく悪くなる。
その結果,図1を参照して説明した構造の加圧タンク1にあっては,回転ディスク20に設けた計量孔21内に研磨材が入り込み難くなり,また,研磨材層内で回転する回転ディスク20や攪拌翼22に加わる抵抗が大きくなり,電動モータ30に過大な負荷がかかり,又は,回転ディスク20の回転速度を設定された回転速度に維持することができなくなる等して,研磨材搬送管11に導入される研磨材量が不均一になる場合がある。
また,図4を参照して説明した構造の加圧タンク1にあっても,このような研磨材の流動性の低下が生じる場合には,研磨材搬送路11’に設けた研磨材導入孔11’eに対する研磨材の導入を円滑に行うことができなくなり,又は,研磨材導入孔11’eの周辺部分における研磨材のみが研磨材搬送路11’内に導入され,例えば図2に示すようなすり鉢状の孔が形成された状態で研磨材が安定して,加圧タンク本体10内の研磨材の残量が十分あるにも拘わらず,噴射ノズルに対する研磨材の供給を行うことができなくなる場合が生じる。
そこで,本発明の加圧タンク1にあっては,加圧タンク本体10に対する圧縮気体の導入系統として,タンク加圧管16の他に,初期加圧管60を設け,排気後,加圧タンク本体10内の加圧開始の初期における圧縮気体の導入を,前記開口17と連通した初期加圧管60を介して行うことで,加圧タンク本体10内における研磨材が存在する部分13bにおいて圧縮気体の導入を行い,この圧縮気体の導入によって流動性が低下した研磨材を攪拌することによって流動性を回復させ,流動性の回復後,タンク加圧管16を介した圧縮気体の導入を行うように構成している。
このような初期加圧管60を介して加圧タンク本体10の加圧は,前述したように加圧タンク本体10に対する圧縮気体の導入開始後,流動性を回復するに必要な所定時間の範囲内において行うようにしても良く,又は,加圧タンク本体10内の圧力が所定の初期圧力となる迄行うようにしても良い。
なお,加圧タンク本体10内の圧力は,ブラスト加工装置によって加工対象とする被加工物の材質や,行おうとする加工の程度,使用する研磨材の粒径や材質に応じて,一例として0.2〜0.5MPaの範囲で所定の圧力(設定圧力)に設定されるが,前述した初期加圧管60による圧縮気体の導入は,前記設定圧力を越えない範囲で行うことが好ましい。
初期加圧を,前述のように加圧タンク本体10内の圧力に基づいて終了する場合,前述の初期圧力は,研磨材の噴射時における加圧タンク本体内の圧力(設定圧力)以下の範囲で設定することができ,初期圧力と設定圧力とを同圧力としても良い。
このようにして,圧縮気体の導入の際に併せて研磨材の攪拌を行うことにより,研磨材の流動性が回復して,回転ディスク20に設けた計量孔21に対する研磨材の導入を確実に行うことができると共に,回転ディスク20や攪拌翼22の回転抵抗が減少して,電動モータ30にかかる負荷を低減することができる。
なお,図示の実施形態にあっては,初期加圧管60は,これを排気路18と共に加圧タンク本体10の底部に設けた開口17に連通しているが,前記開口17とは別に加圧タンク本体10に開口を形成して,これに初期加圧管60を連通するものとしても良く,初期加圧管60を介した圧縮機気体の導入が,加圧タンク本体10内の研磨材が存在する部分13b,即ち研磨材の貯留下限位置LLよりも低所における貯留空間13に対して行われるものであれば,その構造はす図示の実施形態に限定されない。
(1)試験の目的
加圧タンク本体10の底部に設けた排気路18より圧縮気体の排気(後掲の表1中の「下排気」)を行った際の研磨材の流動性の低下状態を,電動モータの回転トルクにより確認すると共に,前述した初期加圧管60を介したタンク底部からの初期加圧が,研磨材の流動性回復に有効であることを確認する。
(2)試験方法
実験に使用した加圧タンク本体は,容量30リットル,内径300mmの円筒状であり,この加圧タンク本体内に,研磨材(材質Al2O3,番手♯1000)を30kg充填して,測定を行った。
加圧タンク本体の底部に設けた開口は,直径180mmであり,この開口を焼結金属製のフィルタ(粉末5μmを焼結させた,厚み2mmの板状)を介して排気路と初期加圧管とに連通した。
研磨材中で回転させた回転ディスクは,直径200mm,厚さ3mmである。
回転ディスク上方において,シャフトに外周方向に突出する攪拌翼を,円周方向に90°毎の等角度で4本設けた。
攪拌翼の形状は,長さ120mm,幅10mm,厚み3mmの矩形状の攪拌翼と,直径5mm,長さ120mmの円柱状の攪拌翼の二種類を用意した。矩形状の攪拌翼は,シャフトの軸線に対して幅方向が45°の傾斜となるように取付て使用した。
なお,矩形状,円柱状の攪拌翼は,両者を組み合わせて使用することはせず,いずれか1種類のみを前記本数で取り付けて使用した。
(3)試験結果
上記の試験結果を下表に示す。
Figure 0005242196
* 「初期加圧」における「(=0.5MPa)」は,加圧タンク本体内の圧力が0.5MPaとなる迄,「(<0.5MPa)」は,加圧タンク本体内の圧力が0.5MPa未満の範囲で初期加圧管を介した圧縮気体の導入を行ったことを示す。
(4)考察
(4-1) 初期加圧の有効性
以上の結果から,矩形状の攪拌翼を使用した例では,加圧タンク本体の下部より排気を行う前の状態(NO.1,2)に比較して,加圧タンク本体の下部より排気を行った場合(NO.3〜9)には,電動モータのトルク上昇が確認されており,加圧タンク本体の下部より排気を行う場合,研磨材の流動性が低下することが確認された。
しかし,加圧タンク本体の底部より排気を行ったもの相互を比較した場合,加圧タンク本体内の圧力が設定圧力(0.5MPa)となる迄,前記初期加圧を行った例(NO.6〜9)では,電動モータのトルクが大幅に減少していることを確認することができ,タンク底部を介した初期加圧,特に設定圧力となる迄初期加圧を行うことが,研磨材の流動性の回復に効果的であることが確認できた。
(4-2) 攪拌翼の形状によるトルクの低減
なお,攪拌翼として円柱状のもの使用した例(NO.10〜12)では,加圧タンク本体の底部より排気を行った後においても,その後に設定圧力となる迄初期加圧を行うことにより(NO.12),加圧タンク本体の底部より排気を行う前の状態(NO.11)と動程度のトルクで回転ディスク及び攪拌翼の回転を行うことができることが確認された。
このことから,円柱状の攪拌翼を使用する場合には,電動モータに過大な負荷をかけることなく,研磨材の攪拌を行うことができることが確認でき,前述の初期加圧との組合せにおいて,攪拌翼の形状を円柱状とすることが,電動モータの負荷軽減に有効であることが確認できた。
本発明の一実施形態を示す加圧タンクの正面透視図。 流動性の低下した研磨材の搬出状態の説明図。 研磨材の定量供給機構付き加圧タンクの説明図(上部排気)。 従来の加圧タンクの説明図。
符号の説明
1 加圧タンク
5 フィルタ
10 加圧タンク本体
11,11’ 研磨材搬送路
11a 一端(研磨材搬送路11の)
11b 他端(研磨材搬送路11の)
11c フランジ
11’e 研磨材導入孔
12 搬送気流導入路
12a 一端(搬送気流導入路12の)
12b 他端(搬送気流導入路12の)
12c フランジ
13 貯留空間
13a 研磨材が存在しない部分
13b 研磨材が貯留された部分
14 研磨材供給口
16 タンク加圧管
17 開口
18 排気路
19 開閉弁
20 回転ディスク
21 計量孔
22 攪拌翼
25 回転シャフト
30 電動モータ
40 噴射ノズル
50 研磨材タンク
51 連通口
52 バルブ
60 初期加圧管
61 開閉弁

Claims (9)

  1. 研磨材を貯留する貯留空間を備えた加圧タンク本体と,研磨材の貯留上限位置よりも高所において前記貯留空間に連通して前記貯留空間内に圧縮気体を導入するタンク加圧管と,前記貯留空間内の研磨材を貯留空間内の圧縮気体と共に搬出する研磨材搬送路を備えた直圧式ブラスト加工装置の加圧タンクにおいて,
    前記加圧タンク本体の底部を介して前記貯留空間と連通し,前記加圧タンク本体内の圧縮気体を加圧タンク本体外に排気する排気路を設けると共に,前記排気路を介した研磨材の排出を阻止するフィルタと,前記排気路の開閉手段とを設けたことを特徴とする直圧式ブラスト加工装置の加圧タンク。
  2. 前記排気路を介した排気後,再加圧の開始時における所定期間,前記貯留空間に圧縮気体を導入する初期加圧管を,研磨材の貯留下限位置よりも低所において前記加圧タンク本体内の前記貯留空間に連通して設けたことを特徴とする請求項1記載の直圧式ブラスト加工装置の加圧タンク。
  3. 前記初期加圧管と前記排気路を,前記加圧タンク本体に設けた共通の開口を介して前記貯留空間に連通したことを特徴とする請求項記載の直圧式ブラスト加工装置の加圧タンク。
  4. 前記加圧タンク本体内において所定の速度で水平回転する回転ディスクを設け,前記回転ディスクの一方の面に,前記研磨材搬送路の一端の開口部を近接又は接触させて配置し,前記回転ディスクの他方の面に,前記研磨材搬送路の一端の開口部に対向して搬送気導入路の一端の開口部を近接又は接触させて配置すると共に,該搬送気導入路の他端を研磨材の貯留上限位置よりも高所において前記貯留空間内で開口し,
    前記回転ディスクの,前記研磨材搬送路の一端の開口部と前記搬送気流導入路の一端の開口部間を通る回転軌道上に,前記回転ディスクの肉厚を貫通して形成した同一径の複数の計量孔を円周方向に等間隔に設け,
    前記研磨材搬送路の一端の開口部と,前記搬送気導入路の一端の開口部間に配置された部分を除き,前記回転ディスクが前記加圧タンク本体内に貯溜された研磨材中に埋没するように配置したことを特徴とする請求項1〜いずれか1項記載の直圧式ブラスト加工装置の加圧タンク。
  5. 前記回転ディスクの上方であって,研磨材の貯留下限位置よりも低所に,前記回転ディスクと共に回転する攪拌翼を設けたことを特徴とする請求項記載の直圧式ブラスト加工装置の加圧タンク。
  6. 前記攪拌翼の形状を,円柱状としたことを特徴とする請求項記載の直圧式ブラスト加工装置の加圧タンク。
  7. 研磨材を貯留する貯留空間を備えた加圧タンク本体と,研磨材の貯留上限位置よりも高所において前記貯留空間に連通して前記貯留空間内に圧縮気体を導入するタンク加圧管と,前記貯留空間内の研磨材を貯留空間内の圧縮気体と共に搬出する研磨材搬送路を備えた直圧式ブラスト加工装置の加圧タンクにおいて,
    前記加圧タンク本体内の排気を,前記加圧タンク本体の底部において前記貯留空間内に連通した排気路を介して行うことを特徴とする加圧タンクの圧力調整方法。
  8. 前記加圧タンク本体内の排気後,前記貯留空間の再加圧のための圧縮気体の導入を,前記再加圧の開始から所定の時間が経過する迄,又は貯留空間内が所定の圧力に上昇する迄,研磨材の貯留下限位置よりも低所において前記貯留空間に連通した初期加圧管を介して行うことを特徴とする請求項記載の加圧タンクの圧力調整方法。
  9. 前記初期加圧管による圧縮気体の導入を,前記貯留空間内の圧力が研磨材噴射時の圧力として設定された圧力に上昇する迄行うことを特徴とする請求項7又は8記載の加圧タンクの圧力調整方法。
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