JP6846038B2 - ブラスト装置 - Google Patents

ブラスト装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6846038B2
JP6846038B2 JP2017085456A JP2017085456A JP6846038B2 JP 6846038 B2 JP6846038 B2 JP 6846038B2 JP 2017085456 A JP2017085456 A JP 2017085456A JP 2017085456 A JP2017085456 A JP 2017085456A JP 6846038 B2 JP6846038 B2 JP 6846038B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cabinet
gas
pressure
shot material
blasting device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017085456A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018183823A (ja
Inventor
関 陽 一 小
関 陽 一 小
Original Assignee
神町電子株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 神町電子株式会社 filed Critical 神町電子株式会社
Priority to JP2017085456A priority Critical patent/JP6846038B2/ja
Publication of JP2018183823A publication Critical patent/JP2018183823A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6846038B2 publication Critical patent/JP6846038B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Cleaning In General (AREA)

Description

本発明はブラスト装置に関し、特にキャビネット内の圧力を調整可能としたブラスト装置に関する。
従来、ブラスト処理は、ショット材と呼ばれる粒体を投射して加工品(ワーク)に衝突させて、ワークの加工等を行う表面加工方法として知られている。そして、このブラスト処理は、主にワークのバリ除去、表面研削、梨地加工等を施す目的で工業的に広く利用されている。
そしてかかるブラスト処理を行うブラスト装置に関し、本出願人は、先に特許文献1(特開2016−155208号公報)の技術を提案している。即ち、この特許文献1では、加工品を収容するキャビネットと、ショット材を投射する投射部と、前記ショット材を付勢する気流を生じさせる送風機と、キャビネット内の気体を吸引して、当該気体中の粉塵を収集する集塵装置とから成るブラスト装置であって、前記キャビネット内には不活性ガスが充填されており、当該不活性ガスは前記送風機、キャビネット、及び集塵装置を循環する不活性ガス循環式ブラスト装置を提供している。
また、従前においては、研磨材を、常に一定量、ブラストガンへ供給できるようにするブラスト加工装置も、特許文献2(特開平7−328924号公報)で提案されている。即ち、この文献で提案されているブラスト加工装置は、回収タンクの下方部に集められた研磨材が送出されるバッファ装置を備えており、このバッファ装置は、J字状の形態からなるチューブにて形成されているとともに、J字状の下端部には、ブラストガンにつながる研磨材供給路が設けられ、上端部には、大気圧を導入するための可変バルブである大気圧導入バルブが設けられている。そして、大気圧導入バルブを調整することによって、ブラストガンの負圧によって吸引される研磨材の量が適量に制御され、研磨材供給路からブラストガンへ供給される研磨材の量は安定化し、変動しなくなり、その結果、ブラストガンからの研磨材の噴射において、脈動等が生じないとの作用効果が開示されている。
特開2016−155208号公報 特開平7−328924号公報
上記の通り、ブラスト装置における研鑽処理は、キャビネット内において加工対象物(ワーク)に対してショット材を投射して行われる所、当該ショット材を投射する投射部を手作業で操作する場合には、当該キャビネット内の圧力が作業者の手部に直接影響することが考えられる。また、ショット材を気流によって投射する場合には、当該ショット材の挙動は、ワーク内の圧力に影響を受けることが考えられる。
そこで本発明は、当該キャビネットの内部圧力を調整可能としたブラスト装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するべく、本発明ではキャビネット内の圧力を調整できるようにしたブラスト装置を提供する。
即ち、本発明では、キャビネット内に収容した加工対象物にショット材を投射して研鑽処理を行うブラスト装置であって、前記ショット材を気流によって投射する投射部と、前記ショット材の投射に伴う当該キャビネット内の圧力を任意に調整する内圧調整手段とを備えるブラスト装置を提供する。
前記内圧調整手段は、キャビネット内の圧力を、大気圧と同じように調整する他、大気圧よりも任意に高くしたり、あるいは低くするように調整することができる。即ちキャビネット内の圧力を減圧状態から加圧状態まで、任意に調整できるように機能することができる。当該キャビネット内の圧力の調整は、常に大気圧になるように設定したり、常に減圧又は加圧状態にするように設定したり、或いは減圧状態、大気圧状態、加圧状態を任意に設定できるようにすることができる。
よって、本発明にかかるブラスト装置において、前記内圧調整手段は、前記キャビネット内の圧力変化を解消し、当該キャビネット内の圧力を一定に保持するものとして構成することができる。かかるキャビネットは、内圧を調整することから耐圧性を備えて形成されると共に、前記キャビネット内への気体の流入口や排出口が管理された密閉性を有する者として形成することが望ましい。
また、当該内圧調整手段は、当該キャビネットの内圧を調整する際には、当該前記キャビネット内に流入する気体の量及び/又はキャビネットから排出される気体の量を調節する気流調整部を備えていることが望ましい。かかる気流調整部は、例えば、当該キャビネットを、気密性を確保するように形成した上で、当該キャビネット内に気体を流入させる流入口をバルブなどにより開閉自在に形成したり、当該キャビネットから気体を排出させる排出口をバルブなどにより開閉自在に形成することもできる。
例えば、前記内圧調整手段は、前記キャビネットの内部空間又はショット材を投射する気体の流路と連通して膨縮自在に形成された緩衝空間を備えており、当該緩衝空間は、キャビネット内の圧力を下降させる量の気体を取り込んで膨張すると共に、キャビネット内の圧力を上昇させる量の気体を送り出して収縮するように形成することができる。かかる緩衝空間の膨張・収縮は、キャビネット内の圧力に追従して行う他、シリンダーやモーター等を使用して強制的に行うことができる。
また、前記内圧調整手段は、圧縮気体を充填したボンベを用いて形成することもできる。即ち、当該ボンベからの気体を、前記キャビネット内またはキャビネットに繋がる気体の流路に供給することによって、前記キャビネット内の圧力を高める方向に調整することもできる。その際、当該ボンベから供給する気体は、ショット材を投射する為に機能するものではなく、専らキャビネット内の圧力を調整するためのものとして機能することができる。また、キャビネット内の圧力を減じる場合には、吸引ポンプなどにより、キャビネット内又はキャビネットに繋がる気体の流路の気体を吸引することによって行うことができる。
そして本発明にかかるブラスト装置では、前記ショット材を投射する気体は、空気である他、窒素、酸素、二酸化炭素、ヘリウムなどの各種気体であって良い。ただし、研鑽対象となるワークやショット材の特性によっては、前記キャブネット内に窒素ガスやヘリウムガスなどの不活性ガスを充てんすることもできる。例えば、防爆対策などの要請に対応する為に、前記キャビネット内には不活性ガスを充填することもできる。
更に、当該キャビネット内を、ヘリウムや窒素、酸素などの特定の種類の気体で満たす場合や、湿度を一定に調整した気体などの様に特定の状態の気体で満たす場合には、当該気体を、ショット材の投射、キャビネットからの排出、送風機による移送等の系統にわたって当該ブラスト装置を循環させることが望ましい。本発明にかかるブラスト装置が気体循環式である場合には、前記内圧調整手段は、キャビネットや、送風機の前後等のキャビネットに繋がる気体の流路における気体の圧力を任意に調整することができる。特に気体を循環させるブラスト装置の場合には、前記内圧調整手段によって、その内部を循環させる気体の量を調整することができ、気体の放出を阻止できることから、当該気体を有効に活用することができる。よって本発明では、前記ショット材の投射には、キャビネット内に充填されている不活性ガスを循環させた不活性ガスが使用されているブラスト装置として形成することができる。
本発明のブラスト装置によれば、加工対象物にショット材を投射して研鑽処理を行うためのキャビネットの内部圧力を、任意に調整可能としたブラスト装置を提供することができる。
第1の実施の形態にかかるブラスト装置の要部断面図であり、(A)キャビネット内部の圧力を高めた状態、(B)キャビネット内部の圧力を下げた状態を示している。 第2の実施の形態にかかるブラスト装置の要部断面図 第3の実施の形態にかかるブラスト装置の要部断面図 ルーツブロアを示す縦断面図 内圧調整手段の実施形態を示す斜視図
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態の幾つかを具体的に説明する。図1は第1の実施の形態にかかるブラスト装置Bの要部断面図であり、(A)キャビネット12内部の圧力を高めた状態、(B)キャビネット12内部の圧力を下げた状態を示している。
この実施の形態にかかるブラスト装置Bにおいて、キャビネット12内には加工対象物が収容されており、当該加工対象物に向かってショット材14を投射させる投射ノズル(投射部13)が設けられている。また、当該キャビネット12内の気体を排出させるための排出口(吸引口35)も備えている。特にこの実施の形態におけるブラスト装置Bでは、ショット材14を投射する気体は大気であってもよく、またキャビネット12から排出される気体は大気中に放出することもできる。その際、後述する内圧調整手段50による内圧調整の効果を高めるために、当該排出口には、開閉自在なバルブなどからなる気流調整部(図示せず)を設けることが望ましい。そして当該キャビネット12は耐圧性を備えて形成している。
そしてこの実施の形態におけるブラスト装置Bでは、キャビネット12の内部空間と連通する空間を形成する膨縮容器を備えた内圧調整手段50が設けられている。この内圧調整手段50は、ショット材14を投射するものではなく、専らキャビネット12の内部圧力を調整するものである点で、前記投射ノズル(投射部13)とは区別することができる。
かかる内圧調整手段50は、図1(A)に示すように、蛇腹状に形成されて任意に膨張及び収縮可能な膨縮容器を収縮させて、その内部に存在する緩衝空間の気体を、キャビネット12内に送り込むことによって、当該キャビネット12内の圧力を高めることができる。これにより、ショット材14を投射する為の気体の流れが遅くなり、ショット材14の投射威力を減じることができる。
一方で図1(B)に示すように、蛇腹状に形成されて任意に膨張及び収縮可能な膨縮容器を膨張させて、キャビネット12内の気体を、当該膨縮袋内の緩衝空間内に吸引することによって、当該キャビネット12内の圧力を下げることができる。これにより、ショット材14を投射する為の気体の流れが速くなり、ショット材14の投射威力を高めることができる。
なお、このようにキャビネット12の内部圧力を調整自在としたブラスト装置Bにおいて、当該キャビネット12内の圧力をより厳密に制御する場合には、前記気体の排出口には開閉自在なバルブや逆止弁などからなる気流調整部を設けることも望ましい。
図2は第2の実施の形態にかかるブラスト装置Bを示す縦断面図である。この実施の形態にかかるブラスト装置Bも、キャビネット12内には加工対象物が収容されており、当該加工対象物に向かってショット材14を投射させる投射ノズル(投射部13)が設けられている。また、当該キャビネット12内の気体を排出させるための排出口(吸引口35)も備えている。
ただし、この実施の形態にかかる内圧調整手段50は、圧縮気体が充填されたボンベ51と、前記キャビネット12内の気体を排出する吸引ポンプ52とで形成している。かかる内圧調整手段50(51,52)において、キャビネット12内の圧力を高める場合には、ボンベ51内の気体をキャビネット12内に供給することによって行うことができる。一方で、当該キャビネット12内の圧力を下げる場合には、前記吸引ポンプ52を動作させて、キャビネット12内の気体を排出することによって行うことができる。よって、この実施の形態にかかるブラスト装置Bでは、ボンベ51の開閉や吸引ポンプ52のオン/オフによって、キャビネット12内の圧力を調整し、更にはショット材14の投射威力も調整可能なブラスト装置Bが実現する。なお、この図2に示す第2の実施形態のブラスト装置Bにおいて、前記吸引ポンプ52に代えて、減圧状態(負圧状態)の減圧ボンベ(図示せず)を用いることもできる。即ち、キャビネット12内のガスを当該減圧ボンベによって吸引することにより、キャビネット12の内圧を下げることができる。
図3は第3の実施形態にかかる不活性ガス循環式ブラスト装置B1の全体構成を示すブロック図である。特にこの第2の本実施の形態にかかるブラスト装置B1は、気流によってショット材14を投射するブラスト装置Bであって、更にキャビネット12内に充填した不活性ガスを、送風機26、キャビネット12、及び集塵装置17を循環させる不活性循環式ブラスト装置Bの例を示している。この図3に示す不活性ガス循環式ブラスト装置B1は、加工品11を収容する空間部を区画するキャビネット12と、キャビネット12内に収容した加工品11に対してショット材14を投射する投射部13と、ショット材14を付勢する気流を生じさせる送風機26と、キャビネット12内の気体を吸引して粉塵を収集する集塵装置17(サイクロン15及びダストコレクター16)とから構成されており、各々を配管18で繋いでいる。
前記キャビネット12はブラスト作業状態を目視確認できるように、正面に大きな窓部32を形成しており、窓部32の下部には作業時に手を挿入してブラスト作業できるよう開口部30を設けている。この開口部30にはゴムやシリコンなどの柔軟性を有する材料で形成された手袋が装着されており、当該開口部30における気体流通を阻止している。また、加工品11の解砕物を下方向に落下させ易いようにキャビネット12の下部は下方向に向かって窄むように勾配を設けて形成しており、内部には篩網34を設け、大きな解砕物(大)25Aを選別している。また、前記キャビネット12の下方には解砕物を収容する分級部23を備えたメディア収容タンク22Aを設け、さらにその下方にはより細かい解砕物を収容するメディア収容タンク22Bを設けている。
即ち、キャビネット12内に蓄積した加工品11の解砕物から、まず前記篩網34によって大きな解砕物(大)25Aを除去し、それ以外の解砕物を下方に落とす。そして分級部23によって解砕物をさらに細かいものと分級し、分級した比較的大きな解砕物(中)25Bをメディア収容タンク22Aに収容する。分級部23によって分級した細かい解砕物(小)25Cはメディア収容タンク22Bに収容され、ショット材14として再利用可能な構成としている。そして解砕物(大)25Aと解砕物(中)25Bは回収して、加工品11の造形材料として再利用することができる。つまり、本実施の形態においては、解砕物を再利用する為に、ショット材14及び加工品11の造形材料は同じ材料を使用している。
以上の構成により、大きな解砕物(大)25Aはキャビネット12内の篩網34によって篩取られて、メディア収容タンク22Aに侵入する事は無い。そしてこの篩網34を通過した解砕物は、分級部23によって分級され、メディア収容タンク22Aとメディア収容タンク22Bに分けて収容されることになる。なお、篩網34は、キャビネット12内ではなくメディア収容タンク22A内に設置し、当該メディア収容タンク22Aにおいて、解砕物を分級する事もできる。また本実施の形態では、メディア収容タンク22Aとメディア収容タンク22Bとは、直列に配置しているが、並列に設置する事もでき、この場合には、分級した解砕物を、各メディア収容タンク(22A又は22B)に夫々分けて収容することができる。
更に、前記分級部23の他に、別途、粉砕手段を設け、解砕物(大)25Aと解砕物(中)25Bを更に細かく解砕し、ショット材14として再利用できるよう構成しても良い。また、前記キャビネット12の出口側、及び/又はメディア収容タンク22Bの解砕物の入口側には、ロータリーバルブ24を設け、解砕物の流量の制御を行っても良い。ロータリーバルブ24を設ける事により、その両側に存在する空間の気圧が異なっていても、解砕物を移送することができる。
また、細かい解砕物(小)を収容したメディア収容タンク22Bの下方には、混合器27を設けている。当該混合器27は、前記細かい解砕物(小)を送風機26から吐出される気体内に投入する部材である。即ち、上記構成によって細かく解砕された加工品の解砕物(小)25Cは、送風機26から吐出される気体に混ざって、当該気体の流体エネルギーによってショット材14として投射することができる。
つまり上記構成にかかれば、分級された解砕物(小)25Cは混合器27を通ってショット材14として再利用可能になる為、永続的にブラスト加工が可能になる。その結果、高価な金属或いは合金素材をショット材14及び/又は加工品11に使用した場合にも、新たにショット材14を投入する必要性が限りなく少なくなる為、部材及び人件費の節約に繋げることができる。
ここで、本実施の形態にかかるブラスト装置Bにおける気体の流向21及び流路を説明すると、まず前記キャビネット12内に存在する投射部13より投射されたショット材14を含む気体は、キャビネット12上部のフィルター36を備えた吸引口35よりサイクロン15に導かれる。そしてサイクロン15の遠心分離作用により気体中からショット材14が分離され、ショット材14が除去された気体は、送風機26の吸気を利用したダストコレクター16に導かれ、気体中に含まれたブラスト粉塵が濾過された上で送風機26に移送される。
ここで、図4に示すように本実施の形態では送風機26にルーツ式ロータリーブロアを使用している。このルーツ式ロータリーブロアは、2葉(又は3葉)の相等しい形状の2つのローター37をケーシング38内に収容し、モータ等の動力を利用してローター37を相反する方向に同一速度で回転駆動させることにより、吸気口39から吸気した気体をケーシング38及びローター37に囲まれた空間で昇圧して排気口40から吐出する構成となっている。送風機26にルーツ式ロータリーブロアを使用すれば、回転制御によって送風量の調整が容易となり、潤滑油を使用しないため送風空気中に油分が混入することなく、吸気と排気とが同時になされる為、多風量に対応できるなどブラスト装置Bに好適な空気供給装置を構成することができる。特に、送風機26としてルーツ式ロータリーブロアを使用した場合には、後述する内圧調整手段50によってキャビネット12内の圧力を調整することにより、ショット材14の投射威力を調整することができ、キャビネット12内の圧力の調整によってショット材14の投射威力を調整可能なブラスト装置Bを実現できる。ただし、当該ルーツ式ロータリーブロアに代えて、送風機26としてコンプレッサを使用することもでき、更にガスボンベから吐出される気体の気流を使用して、前記ショット材14を投射するように形成しても良い。
そして送風機26より排出された気体は、前記混合器27を通って前記投射部13に至る第一系統28と、前記混合器27を通らずにキャビネット12の下部に形成された供給口33より気体を供給する第二系統29に分岐されている。また、キャビネット12内における集塵装置17に向かう気体の吸引口35は、第二系統29のキャビネット12内への供給口33よりも、キャビネット12内に収容された加工品11の近くに存在するよう設けている。これは、送風機26から吐出される気体を分岐することによってキャビネット12内の気体圧力を調整し、気体の循環を効率良く行う為である。本実施の形態において、当該第二系統29の開口は、キャビネット12内における解砕物の貯留する領域に存在しているが、当該第二系統29の開口は、気体の吸引口35よりも加工品との距離が遠ければ良いのであるから、任意の場所に設けることができる。但し、望ましくはキャビネット12内の下方に堆積した解砕物を吹き上げる事の無い位置であることが望ましい。
なお、分岐された第二系統29の気体の流れを利用して、メディア収容タンク22A内に収容される解砕物を、離れた場所に存在する材料タンクなどに移送するように配管18する事もできる。かかる構成においては、移送先の材料タンクにおいても気体中から解砕物を集める分離装置を設けるのが望ましく、解砕物を取り除いた気体は、再びキャビネット12内等、送風機26の上流側に戻すことができる。
さらに、本実施の形態にかかるブラスト装置Bにおいては、キャビネット12内、及び配管18系を全て密閉し、装置内部に窒素やアルゴン等の不活性ガスを導入・充填させ、前記送風機26を利用して当該不活性ガスを循環させる。本実施の形態では集塵装置17から送風機26に至る配管18を介して不活性ガスボンベ19を用いて装置内に不活性ガスを供給している。
即ち、装置内の気体を不活性ガスで置換することで、内部の酸素濃度を粉塵爆発限界値よりも低くし、粉塵爆発の発生を未然に防止できる構造としている。具体的には、装置内の酸素濃度が3%未満に達するまで不活性ガスを導入する。キャビネット12上部の酸素濃度計31によって酸素濃度を検知する(特に望ましくは酸素濃度計31は数箇所に設置するのが望ましい)のが望ましい。そして、酸素濃度が3%以下に達した段階で不活性ガスの導入を停止し、送風機26を始動させることで不活性ガスを装置内に循環させる。そして、設定時間内(作業時間内)で酸素濃度が4%を超えて検知された場合には再度不活性ガスを導入し、不活性ガス置換を実施する。上記不活性ガス置換動作は自動制御で行っており、酸素濃度が5%台になるとアラームを出し、6%以上でブラスト動作が機能しないインターロック機能を具備しても良い。その他、不活性ガスボンベ19からの供給圧力が低下した際には、警報を出して装置を停止させる機能等を具備すれば尚良い。
上記構成にかかれば装置内部の酸素濃度を常時、粉塵爆発限界値よりも低い酸素濃度に維持することが可能な為、加工品11及び/又はショット材14に微細粒径の金属或いは合金等の素材を用いた場合でも、効果的に且つ安全に粉塵爆発対策を講じることができる。
以上のように構成した不活性循環式ブラスト装置Bは、装置内雰囲気を低酸素状態にし、当該装置内を流通するガスを循環させてブラストを行うことができる。そしてブラスト作業を行うに際しては、作業者がキャビネット12に取り付けられたグローブを通してキャビネット12内でブラスト作業を行うことになる。
かかるブラスト作業に際して、キャビネット12内では、ショット材14を投射する投射部13からガスが吐出され、サイクロン15に繋がる吸引口35からガスが吸引される。投射部13から吹出するガスはルーツブロワ(即ち、「ルーツ式ロータリーブロア」)で吐出されたものであり、吸引口35から吸引されるガスはサイクロン15、ダストコレクター16を経由しルーツブロワで吸引され、ルーツブロワを経由してガスは循環される。
そして、キャビネット12において、吐出を行う投射部13と吸引を行う吸引口35以降の径が異なるため、吐出ガス量よりも吸引ガス量が多くなり、キャビネット12内はキャビネット12外の大気圧に対して若干の負圧となる。キャビネット12内が負圧となるため、作業者が使用するグローブがキャビネット12内に吸い込まれて膨らむ形となり、グローブによる作業がしにくくなることが考えられる。
そこで本実施の形態にかかるブラスト装置Bでは、このキャビネット12の内圧を調整するための内圧調整手段50を設けている。
具体的には、本実施の形態では図3に示すように、キャビネット12内と連通し、且つ膨縮自在な緩衝空間を形成する内圧調整手段50を設けている。かかる内圧調整手段50は、蛇腹状に形成されて膨縮自在に形成された膨縮部材を備えており、当該膨縮部材を膨張又は収縮させることにより、キャビネット12の内部圧力を調整することが可能となっている。かかる膨縮部材の膨張又は収縮は、油圧又はモータなどによって強制的に行う他、当該膨縮部材がキャビネット12内の圧力に従って、膨縮するように形成することもできる。また、当該内圧調整手段50は、必ずしもキャビネット12内に開口する必要はなく、キャビネット12と連通する気体の流路に開口するものとして形成することもできる。
特に本実施の形態にかかる不活性循環式ブラスト装置Bでは、キャビネット12が負圧になるのを解消するため、容積が可変な容器をキャビネット12に接続し、キャビネット12に空気(低酸素状態)を送り込んだり抜き出したりするように構成している。送風機26としてルーツブロワを使用した場合には、その起動(ブラスト開始)時はキャビネット12が負圧になるため、容積可変容器の容積を減じてキャビネット12に気体を送り込んでキャビネット12が負圧にならないようにすることができる。そしてルーツブロワの停止(ブラスト停止)時は、気体を送り込んだままではキャビネット12が加圧状態となるため、容積可変容器の容積を増加させてキャビネット12から気体を抜き出し、キャビネット12が加圧状態とならないようにする。これにより、キャビネット12の内圧を、大気圧と略同じ状態に維持することができる。なお、当然のことながら、キャビネット12内は任意に圧力を高めたり、下げたりしても良い。
また、送風機26としてルーツブロワを使用した場合には、ショット材14を投射する気流の速度に、一定の制限が生じる。この点、本実施の形態にかかるブラスト装置Bでは、前記キャビネット12内の圧力を調整する内圧調整手段50を備えている事から、当該ルーツブロアを用いた場合であても、ショット材14の投射威力を調整することができる。即ち、キャビネット12の内部圧力を減じることにより、ルーツブロワによって送風される気流の速度が速くなり、これによってショット材14を勢いよく加工対象物にショットすることができる。一方で、キャビネット12の内部圧力を高めることにより、ルーツブロワによって送風される気流の速度を遅くして、これによってショット材14の勢いを弱めて加工対象物にショットすることができる。よって当該内圧調整手段50は、送風機26としてルーツブロワを使用した場合において、ショット材14の投射威力を調整するうえで、特に有効に機能することができる。なお、送風機26としてコンプレッサを使用した場合であっても、前記内圧調整手段50により、ショット材14の挙動をコントロールすることができる。
そして本実施の形態にかかる不活性循環式ブラスト装置Bでは、キャビネット12内の圧力を正確に調整する為に、キャビネット12に対するガスの流入及び排出を制御する必要があり、その為に、当該キャビネット12は気密性を確保して形成するのが望ましい。即ち、当該キャビネット12は、その内部の気体が外気に放出されることのないように密閉性が確保されており、かつ耐圧性を備えて形成されているのが望ましい。また、より正確にキャビネット12内の圧力をコントロールするためには、前記キャビネット12上部の吸引口35には、ガスの吸引量をコントロールするための開閉バルブ(気流調整部)を、前記内圧調整手段50として設けることもできる。
図5は、上記不活性循環式ブラスト装置Bにも設置可能な他の内圧調整手段50を示す斜視図である。この実施の形態に示す内圧調整手段50は、ゴムや樹脂などを用いて膨縮自在に形成された4個の膨縮容器53と、この膨縮容器を2個づつ連結して上方向に引き上げ又は押し上げたり、下方に押し下げ又は引き下げたりする連結フレーム54とを用いて形成している。各連結フレームは油圧又はモータなどの動力(図示せず)を受けて昇降自在に形成されており、当該連結フレームの昇降によって前記膨縮容器は膨張又は収縮できるように形成している。この図5には示していないが、当該内圧調整手段50をブラスト装置Bに設置する際には、各膨縮容器の内部空間を前記ブラスト装置Bのキャビネット12に連通させる流路も形成されることになる。
特に、この実施の形態に示すように複数の膨縮容器53を設けることにより、キャビネット12の内圧調整に要求される気体の量に応じて、膨縮させる容器の数を変更することも可能になる。例えば多くの量の気体をキャビネット12内に供給する場合には、全ての膨縮容器を収縮させ、一方で僅かな量の気体をキャビネット12内に供給する場合には、何れか2つの膨縮容器だけを収縮させるように動作させることができる。また、このように複数の膨縮容器を用いることにより、何れかの膨縮容器が劣化した場合であっても、他の容器によってキャビネット12内の圧力を調整することができる。特に複数の膨縮容器を同時に膨張又は収縮させることにより、何れかの膨縮容器が破損していたとしても他の膨縮容器によって、その破損分をカバーすることもできる。
本発明のブラスト装置は、各種のワークを研鑽処理するための装置として利用することができる。かかる研鑽処理は、ショット材を投射する気体を循環させるブラスト装置である他、ショット材を投射する気体を大気中に放出させるブラスト装置であってもよい。また、ショット材を投射する気体は、大気である他、不活性ガスや、酸素など特定の気体であるブラスト装置において利用することができる。
11:加工品、12:キャビネット、13:投射部、14:ショット材、15:サイクロン、16:ダストコレクター、17:集塵装置、18:配管、19:不活性ガスボンベ、21:流向、22A:メディア収容タンク、22B:メディア収容タンク、23:分級部、24:ロータリーバルブ、26:送風機、27:混合器、28:第一系統、29:第二系統、30:開口部、31:酸素濃度計、32:窓部、33:供給口、34:篩網、35:吸引口、36:フィルター、37:ローター、38:ケーシング、39:吸気口、40:排気口、50:内圧調整手段、51:ボンベ、52:吸引ポンプ、B:ブラスト装置、B1:不活性ガス循環式ブラスト装置

Claims (4)

  1. キャビネット内に収容した加工対象物にショット材を投射して研鑽処理を行うブラスト装置であって、
    前記ショット材を気流によって投射する投射部と、
    前記ショット材の投射に伴う当該キャビネット内の圧力を、減圧状態から加圧状態まで任意に調整する内圧調整手段とを備えることを特徴とする、ブラスト装置。
  2. 前記内圧調整手段は、
    前記キャビネット内に流入する気体の量及び/又はキャビネットから排出される気体の量を調節する気流調整部を備えると共に、
    前記キャビネット内の圧力変化を解消し、当該キャビネット内の圧力を一定に保持する、請求項1に記載のブラスト装置。
  3. 前記内圧調整手段は、前記キャビネットの内部空間又はショット材を投射する気体の流路と連通して膨縮自在に形成された緩衝空間を備えており、
    当該緩衝空間は、キャビネット内の圧力を下降させる量の気体を強制的に取り込んで膨張すると共に、キャビネット内の圧力を上昇させる量の気体を強制的に送り出して収縮する、請求項1又は2に記載のブラスト装置。
  4. 前記キャビネット内には不活性ガスが充填されており、
    前記ショット材の投射には、キャビネット内に充填されている不活性ガスを循環させた不活性ガスが使用されており、
    当該キャビネット内の圧力を高めることによりショット材の投射威力を減じ、当該キャビネット内の圧力を下げることによりショット材の投射威力を高めることができる、請求項1〜3の何れか一項に記載のブラスト装置
JP2017085456A 2017-04-24 2017-04-24 ブラスト装置 Active JP6846038B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017085456A JP6846038B2 (ja) 2017-04-24 2017-04-24 ブラスト装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017085456A JP6846038B2 (ja) 2017-04-24 2017-04-24 ブラスト装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018183823A JP2018183823A (ja) 2018-11-22
JP6846038B2 true JP6846038B2 (ja) 2021-03-24

Family

ID=64356770

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017085456A Active JP6846038B2 (ja) 2017-04-24 2017-04-24 ブラスト装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6846038B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2023008694A (ja) * 2021-07-06 2023-01-19 神町電子株式会社 不活性ガス循環式ブラスト装置における差圧解消バッグと、これを用いた不活性ガス循環式ブラスト装置

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0649518B2 (ja) * 1986-06-30 1994-06-29 三菱重工業株式会社 圧力差緩和式容器
JP2006102860A (ja) * 2004-10-04 2006-04-20 Pioneer Electronic Corp サンドブラスト装置およびプラズマディスプレイパネルの製造方法
JP2009000762A (ja) * 2007-06-20 2009-01-08 Shin Meiwa Ind Co Ltd ブラスト加工装置
EP2504127B1 (en) * 2009-11-27 2014-05-07 Sintokogio, Ltd. A machine for blasting abrasives
JP6605207B2 (ja) * 2015-02-26 2019-11-13 神町電子株式会社 不活性ガス循環式ブラスト装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018183823A (ja) 2018-11-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4688063B2 (ja) ブラスト媒体の回収装置
JP6605207B2 (ja) 不活性ガス循環式ブラスト装置
JP4688065B2 (ja) スポンジブラスト装置及びスポンジブラスト方法
KR102340466B1 (ko) 공압식 이송 장치
JP4688064B2 (ja) ブラスト媒体のほぐし装置
US3073070A (en) Abrasive blasting system
TWI680835B (zh) 噴嘴組立體及使用該噴嘴組立體的表面處理方法
JP6846038B2 (ja) ブラスト装置
US9511479B2 (en) Apparatus for processing an object by projecting shots thereon
JP2009000762A (ja) ブラスト加工装置
JP4751983B2 (ja) スポンジブラスト方法
WO2023281763A1 (ja) 不活性ガス循環式ブラスト装置における差圧解消バッグと、これを用いた不活性ガス循環式ブラスト装置
CA2899400C (en) Filtering system for dust material transfer
WO2020067536A1 (ja) ブラスト加工装置及びブラスト加工方法
KR101390492B1 (ko) 안전 블라스팅 장치
CN102141338A (zh) 干燥装置以及非活性气体的置换方法
US20030047495A1 (en) Abrasive removal system
CN106382847B (zh) 一种车载式枪械喷砂设备
JP2000000767A (ja) 研磨材の供給方法
JP2000052251A5 (ja)
US3498003A (en) Product transfer vessel
US7156332B2 (en) Product containment apparatus
CN105617789B (zh) 负压除尘器用定量自动卸灰装置
KR102343812B1 (ko) 금속화재 소화장치
JP5242196B2 (ja) 直圧式ブラスト加工装置の加圧タンク及び前記加圧タンクの圧力調整方法

Legal Events

Date Code Title Description
A80 Written request to apply exceptions to lack of novelty of invention

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A80

Effective date: 20170523

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191016

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200924

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201006

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201204

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210216

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210219

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6846038

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250