JP5241456B2 - 支持装置 - Google Patents
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Description
叙上の特開平10−257957号公報に開示されている傘保持装置では、取り付けた日傘の取付角度、上下位置、左右位置などを調整することが可能であるが、これらの調整を行うためにはレバーの回動操作、ノブの回動操作、あるいはボルトナットの着脱操作が必要となり、操作が面倒であった。特に、ベビーカーの使用者が傘保持装置を装着したベビーカーから幼児を降ろす場合などにおいては、ボルトナットの着脱操作とともに傘保持装置を左右方向の邪魔にならない位置に移動させる必要があり、操作が面倒であった。
棒状部材に支持対象物を姿勢変更可能に支持する支持装置であって、
前記棒状部材の軸線方向に摺動可能かつ前記棒状部材の周方向に回動可能に前記棒状部材に貫装される第一支持部材と、
前記棒状部材に対する前記第一支持部材の回動を規制する回動規制部材と、
前記支持対象物に固定されるとともに前記第一支持部材にスラスト回転可能に連結される第二支持部材と、
前記第一支持部材に対する前記第二支持部材のスラスト回転を規制するスラスト回転規制部材と、
を具備し、
前記回動規制部材は、
前記第一支持部材に回転可能に支持されるとともに、外周面が前記棒状部材に当接した状態で前記棒状部材の軸線方向に転動可能であって、かつ、前記棒状部材との当接部分において前記棒状部材の周方向に摩擦力が発生するローラを備えるものである。
前記回動規制部材は、
前記ローラが前記棒状部材に当接する方向に前記ローラを付勢する付勢部材を備えるものである。
前記第一支持部材および前記第二支持部材の一方にはスラスト軸が形成され、
前記第一支持部材および前記第二支持部材の他方には前記スラスト軸が回転可能に貫装される貫装孔が形成され、
前記スラスト回転規制部材は、
前記スラスト軸に貫装される一対の平座金と、
前記スラスト軸に貫装されるとともに前記一対の平座金に挟まれるバネ座金または波型座金と、
前記スラスト軸に螺装されるナットと、
を備えるものである。
前記ローラの回転を規制することにより前記棒状部材に対する前記第一支持部材の摺動を規制するローラ回転規制部材を具備するものである。
すなわち、本発明に係る支持装置によれば、支持対象物の取付角度、上下位置、左右位置を簡単に調整することができ、かつ棒状部材の軸線方向には簡単にスライド移動させることが可能となる。
傘支持装置100は、日傘70をベビーカー80のフレーム90に姿勢変更可能に支持する装置である。
ベビーカー80は乳幼児の保護者等が乳幼児を搭乗させた状態で搬送するための車両である。フレーム90はベビーカー80の構造体の一つであり、ベビーカー80の上部に横架された棒状の部材である。
日傘70はベビーカー80に搭乗する乳幼児を日射しから保護するものであり、使用しないときには折り畳むことが可能である。
「支持対象物」は本発明に係る支持装置により支持される対象物を指す。本発明に係る支持対象物は本実施形態の如き日傘70に限定されず、種々の物品を含む。
「棒状部材」は細長い形状を有し、地面、床、構造体(地面等に固定される構造体および移動可能な構造体を含む)に固定される物品を指す。本発明に係る棒状部材は本実施形態の如きフレーム90に限定されず、種々の物品を含む。棒状部材の内部は中空であっても良く、詰まっていても良い(支持対象物および支持装置の荷重に耐えられる程度の強度を有していれば良い)。
図1に示すように、第一支持部材1と第二支持部材2とは、傘支持装置100の主たる構造体を成す。第一支持部材1は後述の回動規制部材3によってフレーム90に対する上下方向への回動状態が保持され、第二支持部材2は後述のスラスト回転規制部材4によって第一支持部材1に対する左右方向への回動状態が保持される。
以下では、傘支持装置100の第二支持部材2の軸線方向が前後方向に一致している状態を初期の状態と想定して説明する。
第一支持部材1は、本発明に係る第一支持部材の実施の一形態であり、ベビーカー80(図1参照)の左右方向を長手とする棒状部材であるフレーム90に貫装される。すなわち、第一支持部材1は、ベビーカー80のフレーム90を貫いた状態に取り付けられる。
図2および図3に示すように、第一支持部材1は、貫装部10、スリーブ19、および軸部材15を備える。
貫装部10は、第一円筒部11、第二円筒部12およびカバー13を備える。
貫装部10は、左右方向(フレーム90の軸線方向)を軸線方向とする第一円筒部11の左右中央部前側と、前後方向を軸線方向とする第二円筒部12の後端部とを、溶接により直交するように連結した、平面視T字型(図3参照)の形状を有する。貫装部10の内部は空洞となっており、第一円筒部11がフレーム90に貫装される。第一円筒部11の内径は、フレーム90の外径よりも僅かに大きい。
尚、スリーブ19はポリエチレンやポリプロピレンなどの他の潤滑性を有する材料からなるものとしても構わない。
ただし、スリーブ19を備えない構成とすることも可能である。この場合には、フレーム90に対する第一円筒部11の摺動を容易とするために、第一円筒部11の内周面とフレーム90の外周面とは、何れも滑らかな形状とすることが望ましい。
円盤部13Aは中央部に貫通孔が形成された円盤形状の部材であり、その周縁部が第二円筒部12の前端部に溶接により固定される。
円筒部13Bは円盤部13Aの中央部に形成された貫通孔に沿って延設される円筒形状の部材である。円盤部13Aが第二円筒部12の前端部に固定されたとき、円筒部13Bと第二円筒部12とは同心となる(円筒部13Bの軸線が第二円筒部12の軸線と一直線になる)。
大径軸部16は前後方向を軸線方向とする円柱形状の部材であり、大径軸部16の後半部は第二円筒部12および円筒部13Bの内部(空洞部)に挿入される。
大径軸部16の外径は、円筒部13Bの内径と略同一であり、大径軸部16の外周面と円筒部13Bの内周面とが密着している。このような構成により、大径軸部16は円筒部13Bに対して相対回転不能、かつ前後方向(軸線方向)に摺動不能である。
小径軸部17は前後方向を軸線方向とする円柱形状の部材であり、小径軸部17の軸線と大径軸部16の軸線とは一直線となる。小径軸部17の外径は、大径軸部16の外径と比べて縮径されており、その外周面には後述するナット44を螺合するためのネジが形成される。
以下では、回動規制部材3の詳細な構成について説明する。この回動規制部材3は、第一支持部材1をフレーム90の軸線方向に摺動可能(本実施形態では、左右方向にスライド移動可能)としている。
本実施形態の回動規制部材3は、ローラ支持部材30、支持軸31、ローラ32、およびバネ33を備える。
円筒部30Aは円筒形状の部材であり、大径軸部16に摺動可能に貫装される。
フランジ部30Bは中央部に貫通孔が形成された略円盤形状の部材であり、円筒部30Aの一端部(本実施形態では、後端部)から円筒部30Aの半径方向に延設される。
突出部30C・30Dはフランジ部30Bの周縁部から円筒部30Aの軸線方向(図1では、後方)に突出するように設けられた部材である。突出部30C・30Dは円筒部30Aの軸線を挟む位置に配置される。
ローラ32の貫通孔に支持軸31が貫装されることにより、ローラ32はローラ支持部材30および軸部材15の大径軸部16を介して第一支持部材1に回転可能に支持される。
特に、本実施形態では、ローラ32を弾性変形可能な材料であるゴムで構成することにより、フレーム90に当接したローラ32はフレーム90の外周面の形状に合わせて弾性変形するので、ローラ32の外周面とフレーム90の外周面との当接部分の面積をローラ32が弾性変形しない場合よりも大きくすることが可能である。したがって、ローラ32の外周面とフレーム90の外周面との間に発生する摩擦力をより大きくすることが可能である。
さらに、本実施形態ではバネ33がローラ32を付勢することにより、仮にフレーム90の表面に凹凸が有る場合でもローラ32を確実にフレーム90の外周面に当接させることが可能であり、ひいてはフレーム90の表面形状によらず第一支持部材1のフレーム90の周方向への回動を確実に規制することが可能である。
付勢部材を備えない構成とする場合、例えば図1におけるローラ支持部材30を大径軸部16に固設する位置を適宜調整することにより、ローラ32の外周面を常にフレーム90に当接させ、ローラ32の外周面とフレーム90の外周面との間に摩擦力を発生させることが望ましい。
すなわち、本発明に係るローラを構成する材料は、ローラとフレームとの当接部分においてローラの軸線方向(フレームの周方向)に摩擦力を発生させることが可能な材質(例えば、樹脂材料であってフレームを構成する材料との間の静摩擦係数が比較的大きいもの)であれば良い。
また、本発明に係るローラを構成する材料を弾性変形可能な材質とすることは、ローラとフレームとの当接部分の面積を極力大きくし、ひいてはローラとフレームとの当接部分に生じる摩擦力を大きくする上で望ましい。
第二支持部材2は、本発明に係る第二支持部材の実施の一形態であり、その一端が日傘70(図1参照)の柄に固定される。第二支持部材2の他端は、第一支持部材1に連結される。
本実施形態の日傘70は第二支持部材2の一端に回動不能に固定されるが、本発明はこれに限定されない。すなわち、本発明に係る第二支持部材は支持対象物に回動可能に固定されても良く、回動不能に固定されても良い。また、本実施形態においては、日傘70を取り付ける位置を第二支持部材2の一端としたが、本発明はこれに特に限らず、例えば第二支持部材の中途部に支持対象物を固定しても良い。
本実施形態の第二支持部材2は、構造体パイプ20、連結部材21、および一対の取付ボルト22・22を備える。
構造体パイプ20は、図1において前後方向を軸線方向とする円筒形状の部材である。構造体パイプ20の中途部には、一対の貫通孔20A・20Aが形成される。
構造体パイプ20の後端部には、第二円筒部12の前端部、カバー13、および軸部材15の前部が挿嵌される。
構造体パイプ20の内径は第二円筒部12の外径よりも僅かに大きく、構造体パイプ20の内周面と第二円筒部12の外周面とは何れも滑らかな形状に構成される。
構造体パイプ20の後端部に第二円筒部12の前端部が挿嵌されたとき、構造体パイプ20の軸線は第二円筒部12の軸線と一致している(同軸上である)。
このように構成することにより、構造体パイプ20が第二円筒部12の周方向に回転可能となっている。換言すれば、構造体パイプ20は第一支持部材1に対してスラスト回転可能となっている。
後板21Aは円盤形状の部材である。後板21Aの中央部には貫装孔21Cが形成される。貫装孔21Cは本発明に係る貫装孔の実施の一形態である。
円筒部21Bは円筒形状の部材である。円筒部21Bの中途部には、一対のネジ孔21D・21Dが形成される。円筒部21Bの一端部は後板21Aの周縁部に沿って溶接により固定される。
後板21Aの直径(円筒部21Bの外径)は構造体パイプ20の内径よりも僅かに小さく、連結部材21は構造体パイプ20の内側(空洞部)に収容される。
一対の貫通孔20A・20Aと一対のネジ孔21D・21Dとを一致させた状態で一対の取付ボルト22・22をそれぞれ一対の貫通孔20A・20Aに貫装するとともに一対のネジ孔21D・21Dに螺装することにより、連結部材21が構造体パイプ20に相対回転不能かつ構造体パイプ20の軸線方向に摺動不能に固定される。
スラスト回転規制部材4は、本発明に係るスラスト回転規制部材の実施の一形態であり、第一支持部材1に対する第二支持部材2の周方向への回転(スラスト回転)を規制する。
スラスト回転規制部材4は軸部材15の前部(より詳しくは小径軸部17)に配置される。
スラスト回転規制部材4は、平座金40・41・42、皿バネ43およびナット44を備える。
平座金40は軸部材15の小径軸部17に貫装され、軸部材15の大径軸部16の端面(大径軸部16と小径軸部17との境界部分における段差面)と後板21Aとで挟まれる位置に配置される。平座金41は軸部材15の小径軸部17に貫装され、後板21Aを挟んで平座金40の反対側となる位置に配置される。平座金42は軸部材15の小径軸部17に貫装され、平座金41を挟んで後板21Aの反対側となる位置に配置される。平座金41・42は本発明に係る一対の平座金の実施の一形態である。
皿バネ43はバネ鋼などの弾性変形し得る材料からなり、中央部に貫通孔が形成される。皿バネ43は側面視(および平面視)でその周縁部から中央部に向かって盛り上がった形状を成す。皿バネ43は本発明に係るバネ座金の実施の一形態である。
皿バネ43は軸部材15の小径軸部17に貫装され、平座金41・42に挟まれる位置に配置される。
ナット44は小径軸部17に螺装され、その後端面が平座金42に当接する。
その結果、皿バネ43が元の形状に戻ろうとする復元力(弾性力)が発生し、当該復元力により軸部材15が後板21Aに引き寄せられることとなり、軸部材15の大径軸部16の端面と平座金40との間、および平座金40と後板21Aとの間に摩擦力が発生する。当該摩擦力により、軸部材15の小径軸部17に対する後板21Aのスラスト回転、ひいては第一支持部材1に対する第二支持部材2のスラスト回転が規制される(第二支持部材2にある程度大きい外力を加えなければ第二支持部材2は第一支持部材1に対してスラスト回転しない)。
また、ナット44の締め付け量を調整することにより、軸部材15の大径軸部16の端面と平座金40との間、および平座金40と後板21Aとの間に発生する摩擦力の大きさを調整することが可能である。
すなわち、使用者が第二支持部材2(または日傘70)に第二支持部材2の周方向の適宜の外力を加えると、第二支持部材2は小径軸部17を中心として第二支持部材2の周方向に回動する。このとき、スラスト回転規制部材4の皿バネ43によって、連結部材21の回動に対して抵抗力(摩擦力)が働くが、使用者が加えた外力が当該抵抗力より大きい場合には、当該抵抗力に抗して連結部材21は小径軸部17に対して周方向に回動する。
したがって、第二支持部材2が第一支持部材1に対して第二支持部材2の周方向に回動(スラスト回転)し、日傘70の左右方向の取付角度を変更することができる。
すなわち、使用者が第二支持部材2(または日傘70)にフレーム90の周方向の適宜の外力を加えると、第一支持部材1と第二支持部材2とは一体となって、フレーム90に対してフレーム90の周方向に回動する。このとき、回動規制部材3に備えられたローラ32によって、第一支持部材1の回動に対する抵抗力(摩擦力)が働くが、使用者が加えた外力が当該抵抗力より大きい場合には、当該抵抗力に抗してローラ32はフレーム90に対して周方向に回動される。
したがって、第一支持部材1と第二支持部材2とが一体となって、フレーム90の周方向に回動されて、日傘70の上下位置を変更することができる。
すなわち、使用者が第一支持部材1(または第二支持部材2または日傘70)をフレーム90の軸線方向に押すと、回動規制部材3に備えられたローラ32がフレーム90の外周面に当接しつつ、フレーム90の軸線方向に転動する(支持軸31を中心としてローラ32が回転することにより、フレーム90の軸線方向に転がる)。その結果、ローラ32とフレーム90との当接部分に発生する摩擦力は第一支持部材1のフレーム90の軸線方向への移動を妨げない。
したがって、使用者は第一支持部材1に対する第二支持部材2の姿勢を保持した状態で、第一支持部材1と第二支持部材2とを一体としてフレーム90の軸線方向(左右方向)にスライド移動(摺動)させることができる。こうして、日傘70の左右位置を変更することができる。
フレーム90に日傘70を姿勢変更可能に支持する傘支持装置100であって、
フレーム90の軸線方向に摺動可能、かつフレーム90の周方向に回動可能に、フレーム90に貫装される第一支持部材1と、
フレーム90に対する第一支持部材1の回動を規制する回動規制部材3と、
日傘70に固定されるとともに第一支持部材1にスラスト回転可能に連結される第二支持部材2と、
第一支持部材1に対する第二支持部材2のスラスト回転を規制するスラスト回転規制部材4と、
を具備するものである。
このように構成することにより、支持対象物である日傘70の左右方向の取付角度、上下位置、左右位置を手動で簡単に調整することができる。また、この傘支持装置100は、棒状部材であるフレーム90の長手方向には手動で簡単にスライド移動させることが可能である。
また、ベビーカー80の使用者が傘支持装置100に取り付けた日傘70の取付角度、上下位置、左右位置を調整する際には、従来のように取付角度、上下位置、左右位置をそれぞれの調整機構で適宜に調整する必要がなくなり、日傘70を最適な位置に調整しやすくなる。
さらに、例えばベビーカー80の使用者が、傘支持装置100を装着したベビーカー80から乳幼児を降ろす場合などにおいては、ベビーカー80のハンドルを片方の手で握りながら、他方の片手で傘支持装置100を左右にスライドさせて、邪魔にならない場所に移動させることが可能となる。したがって、従来のようなボルトナットの着脱操作などが不要となり、ベビーカー80を押しながらであっても日傘70の左右方向の位置調整をすることが可能となり、使用者の作業負担が軽減される。
第一支持部材1に回転可能に支持されるとともに、外周面がフレーム90に当接した状態でフレーム90の軸線方向に転動可能であって、かつ、フレーム90との当接部分においてフレーム90の周方向に摩擦力が発生するローラ32を備えたものである。
このように構成することにより、簡単な構造で傘支持装置100がフレーム90の周方向に回動することを規制するとともに、傘支持装置100をフレーム90の軸線方向に摺動(スライド移動)させることが可能である。
棒状部材の軸線方向に垂直な断面形状を多角形にした場合、ローラの外周面が棒状部材の外周面のいずれか一つに当接しているときにはローラの弾性変形量が小さく、ローラの外周面が棒状部材の隣り合う二つの外周面に跨って当接しているときには棒状部材の隣り合う二つの外周面の境界部分(エッジ)によりローラの弾性変形量が大きくなるので、支持装置はローラの外周面が棒状部材の外周面のいずれか一つに当接する位置で安定し、姿勢を保持しやすい。
ローラ32がフレーム90に当接する方向にローラ32を付勢するバネ33を備えたものである。
このように構成することにより、フレーム90の表面に凹凸が有る場合でもローラ32を確実にフレーム90の外周面に当接させることが可能であり、ひいては第一支持部材1がフレーム90の周方向に回動することを確実に規制することが可能である。
第一支持部材1には小径軸部17が形成され、
第二支持部材2には小径軸部17が回転可能に貫装される貫装孔21Cが形成され、
スラスト回転規制部材4は、
小径軸部17に貫装される一対の平座金41・42と、
小径軸部17に貫装されるとともに一対の平座金41・42に挟まれる皿バネ43と、
小径軸部17に螺装されるナット44と、
を備える。
このように構成することにより、簡単な構造で第一支持部材1に対する第二支持部材2のスラスト回転を規制することが可能である。
尚、本実施形態では第一支持部材1にスラスト軸に相当する小径軸部17が形成され、第二支持部材2に貫装孔に相当する貫装孔21Cが形成されるが、本発明はこれに限定されず、第一支持部材に貫装孔が形成され、第二支持部材にスラスト軸が形成されても良い。
尚、傘支持装置200に係る部材のうち、傘支持装置100と略同一の構成の部材には同一の符号を付し、説明を省略する。
平座金51は支持軸31に貫装され、ローラ32の上端面と当接する位置に配置される。平座金52は支持軸31に貫装され、ローラ32を挟んで平座金52の反対側となる位置に配置される。
皿バネ50・53はそれぞれバネ鋼などの弾性変形し得る材料からなり、中央部に貫通孔が形成される。皿バネ50・53はそれぞれ側面視(および平面視)でその周縁部から中央部に向かって盛り上がった形状を成す。
皿バネ50は支持軸31に貫装され、平座金51とローラ支持部材30の突出部30Cとに挟まれる位置に配置される。皿バネ53は支持軸31に貫装され、平座金52とローラ支持部材30の突出部30Dとに挟まれる位置に配置される。
その結果、皿バネ50・53が元の形状に戻ろうとする復元力(弾性力)が発生し、当該復元力により平座金51・52がローラ32に押し付けられることとなり、平座金51とローラ32の上端面との間、および平座金52とローラ32の下端面との間に摩擦力が発生する。
このとき、皿バネ50、平座金51、ローラ32、平座金52および皿バネ53のぞれぞれの軸線方向の長さを調整することにより(あるいは支持軸31の軸線方向の長さを調整することにより)、平座金51とローラ32の上端面との間、および平座金52とローラ32の下端面との間に発生する摩擦力の大きさを調整することが可能である。
すなわち、使用者が第一支持部材1をフレーム90の軸線方向に押すと、回動規制部材3に備えられたローラ32がフレーム90の外周面に当接しつつ、フレーム90の軸線方向に転動する(支持軸31を中心としてローラ32が回転することにより、フレーム90の軸線方向に転がる)。このとき、ローラ回転規制部材5に備えられた皿バネ50・53によって、ローラ32の回転に対する抵抗力が働くが、使用者が加えた外力が当該抵抗力より大きい場合には、当該抵抗力に抗してローラ32は回転し、第一支持部材1はフレーム90の軸線方向に移動する。
したがって、使用者は第一支持部材1に対する第二支持部材2の姿勢を保持した状態で、第一支持部材1と第二支持部材2とを一体としてフレーム90の軸線方向(左右方向)に移動させることができる。こうして、日傘70の左右位置を変更することができる。
尚、傘支持装置300に係る部材のうち、傘支持装置100と略同一の構成の部材には同一の符号を付し、説明を省略する。
スラスト回転規制部材6は、本発明に係るスラスト回転規制部材の実施の一形態であり、第一支持部材1に対する第二支持部材2の周方向への回転(スラスト回転)を規制する。
スラスト回転規制部材6は、平座金40、噛み合いプレート61・62、バネ63およびナット44を備える。
平座金40は軸部材15の小径軸部17に貫装され、軸部材15の大径軸部16の端面(大径軸部16と小径軸部17との境界部分における段差面)と後板21Aとで挟まれる位置に配置される。
噛み合いプレート61・62の一端面に形成された複数の歯が係合した状態から噛み合いプレート61・62のいずれか一方を他方に対して相対回転させていくと、噛み合いプレート61の歯の歯面が噛み合いプレート62の歯の歯面に当接しつつ摺動し、噛み合いプレート61・62の軸線方向の距離が大きくなる。
噛み合いプレート61・62のいずれか一方を他方に対してさらに相対回転させていくと、噛み合いプレート61の歯の頂部(稜線)が噛み合いプレート62の歯の頂部(稜線)を越え、両者の歯が一つ分ずれた位置で再び係合する。
噛み合いプレート61は軸部材15の小径軸部17に貫装される。また、噛み合いプレート61は後板21Aに溶接により固定される。このとき、噛み合いプレート61の中央部に形成された貫通孔が後板21Aの中央部に形成された貫装孔21Cに一致する。
噛み合いプレート62は小径軸部17に相対回転不能かつ小径軸部17の軸線方向に摺動可能に貫装され、噛み合いプレート61を挟んで平座金40の反対側となる位置に配置される。
ただし、バネ63に代えて円筒形状のゴムなどの他の付勢部材を備える構成としても良い。
連結部材21を小径軸部17に対して周方向に回動しようとする外力の付与が止まると、噛み合いプレート62がバネ63の付勢力にしたがって後方へ移動(摺動)し、噛み合いプレート61と噛み合いプレート62とが噛み合う状態に保持される。すなわち、バネ63の付勢力により、軸部材15の小径軸部17に対する後板21Aのスラスト回転、ひいては第一支持部材1に対する第二支持部材2のスラスト回転が規制される(第二支持部材2にある程度大きい外力を加えなければ第二支持部材2は第一支持部材1に対してスラスト回転しない)。
また、ナット44の締め付け量、ひいてはナット44と噛み合いプレート62との間に配置されるバネ63の弾性変形量を調整することにより、バネ63が噛み合いプレート62を付勢する付勢力の大きさを調整することが可能である。
2 第二支持部材
3 回動規制部材
4 スラスト回転規制部材
5 ローラ回転規制部材
10 貫装部
15 軸部材
17 小径軸部(スラスト軸)
21 連結部材
21C 貫装孔
30 ローラ支持部材
31 支持軸
32 ローラ
33 バネ(付勢部材)
40 平座金
41 平座金
42 平座金
43 皿バネ(バネ座金)
44 ナット
70 日傘(支持対象物)
80 ベビーカー
90 フレーム(棒状部材)
100 傘支持装置(支持装置)
Claims (4)
- 棒状部材に支持対象物を姿勢変更可能に支持する支持装置であって、
前記棒状部材の軸線方向に摺動可能かつ前記棒状部材の周方向に回動可能に前記棒状部材に貫装される第一支持部材と、
前記棒状部材に対する前記第一支持部材の回動を規制する回動規制部材と、
前記支持対象物に固定されるとともに前記第一支持部材にスラスト回転可能に連結される第二支持部材と、
前記第一支持部材に対する前記第二支持部材のスラスト回転を規制するスラスト回転規制部材と、
を具備し、
前記回動規制部材は、
前記第一支持部材に回転可能に支持されるとともに、外周面が前記棒状部材に当接した状態で前記棒状部材の軸線方向に転動可能であって、かつ、前記棒状部材との当接部分において前記棒状部材の周方向に摩擦力が発生するローラを備える、支持装置。 - 前記回動規制部材は、
前記ローラが前記棒状部材に当接する方向に前記ローラを付勢する付勢部材を備える、請求項1に記載の支持装置。 - 前記第一支持部材および前記第二支持部材の一方にはスラスト軸が形成され、
前記第一支持部材および前記第二支持部材の他方には前記スラスト軸が回転可能に貫装される貫装孔が形成され、
前記スラスト回転規制部材は、
前記スラスト軸に貫装される一対の平座金と、
前記スラスト軸に貫装されるとともに前記一対の平座金に挟まれるバネ座金または波形座金と、
前記スラスト軸に螺装されるナットと、
を備える請求項1又は請求項2に記載の支持装置。 - 前記ローラの回転を規制することにより前記棒状部材に対する前記第一支持部材の摺動を規制するローラ回転規制部材を具備する請求項1または請求項2に記載の支持装置。
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