JP5241399B2 - 研磨終了予測・検出方法およびその装置 - Google Patents

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Description

本発明は、研磨終了予測・検出方法およびその装置に関するものであり、特に、化学機械研磨加工(CMP:Chemical Mechanical Polishing)等においてウェーハ上の導電性膜の研磨終了時点を高い精度で確実に検出することが可能な研磨終了予測・検出方法およびその装置に関するものである。
半導体ウェーハの表面に例えば酸化膜を形成し、該酸化膜にリソグラィ及びエッチングを施して配線パターンに対応した溝パターンを形成し、この上に前記溝パターンを充填するためのCu等からなる導電性膜を成膜し、該導電性膜のうち不要部分をCMPにより研磨除去して配線パターンを形成するプロセスが知られている。この配線パターン等の形成では、不要な導電性膜が適正な厚さ除去されたときの研磨終点を確実に検出して研磨を停止することが極めて重要である。
これに関連する従来技術として、例えば次のような基板研磨装置および基板研磨方法が知られている。この従来技術を示す公報における[請求項1]には、基板の領域毎に与える押圧力を、膜厚測定装置による当該基板上の膜厚の測定情報に基づいて調整すると記載され、また[請求項9]には、その膜厚測定装置は、渦電流、光学、温度、トルク電流、あるいはマイクロ波等のセンサを一種または二種以上備えて、基板上の膜に適合するセンサの単独の信号に基づく情報または前記センサの信号の組み合わせに基づく情報から、前記各領域の測定情報を得ると記載されており、さらに[0019]には、マイクロ波等のセンサについては、マイクロ波の反射信号などの単独又は適切なる組み合わせから、その半導体ウェーハ等の基板の上にある導電性膜としてのCu膜やバリヤ層、又は酸化膜等の絶縁膜の膜厚を測定する膜厚測定装置としていると記載されている(例えば、特許文献1参照)。
また、他の従来技術として、例えば次のような渦電流センサが知られている。この従来技術を示す公報における[請求項1]には、導電性膜が形成される基板の近傍に配置されるセンサコイルと、該センサコイルに交流信号を供給して前記導電性膜に渦電流を形成する信号源と、前記導電性膜に形成された渦電流を前記センサコイルから見たインピーダンスとして検出する検出回路を備えた渦電流センサであって、前記センサコイルは、高透磁率材料によって形成した収容部材内に収容されていると記載され、また、[請求項7]には、導電性膜が形成される基板の近傍に配置されるセンサコイルと、該センサコイルに交流信号を供給して前記導電性膜に渦電流を形成する信号源と、前記導電性膜に形成された渦電流を前記センサコイルから見たインピーダンスとして検出する検出回路を備えた渦電流センサであって、前記インピーダンスの抵抗成分とリアクタンス成分とを直交座標軸上に表示し、前記インピーダンスの座標の指定された中心点の座標とを結ぶ直線のなす角度から前記導電性膜の膜厚を検出するようにしたと記載されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2005−11977号公報。 特開2005−121616号公報。
特許文献1に記載の従来技術では、マイクロ等のセンサについては、マイクロ波の反射信号などの単独又は適切なる組み合わせを利用して基板上の導電性膜や絶縁性膜の膜厚を測定するようにしている。しかし本発明は、該特許文献1に記載の従来技術とは以下の点で明らかに異なる。特許文献1に記載の従来技術は、導電性膜に対して膜厚を測定をする、ないしは測定できるものではない。導電性膜が存在する場合とそれを除去した場合の明らかに異なる波形変化を利用しているのである。よって、導電性膜が除去された場合を終点とした場合、その終点部分を検出するものである。また、この特許文献1に記載のマイクロ波は、マイクロ波と記載されているだけで、具体的な周波数を開示していない。マイクロ波の特性が利用されているかどうかは定かではなく、一般的な光を含む電磁波と比べてどのような特徴を利用して、どのような構成で測定するのかといった具体的な開示は何もない。さらに、マイクロ波の反射というものが、何をもって反射と定義しているのかも定かではない。例えばマイクロ波を通す高周波伝送線路の形成やその高周波伝送線路の形成において、ウェーハ上の導電性膜の有り無しにより、特性インピーダンスが変化することによって、透過反射の状況が変わることなどを示唆する開示は何もない。その方法の一つとして、本発明が示すようなウェーハに沿った高周波伝送線路としてマイクロストリップラインを設け、そのマイクロストリップラインを通って抜ける電磁波を透過とし、その高周波伝送線路に入ることなく、インピーダンス整合の点で、整合が取れず反射されてくる電磁波を反射と定義した方法など、そういった開示は何も見当たらない。よって、これは、マイクロ波とは記載されているものの、一般的な光を含む電磁波と理解しても差し支えない。また、本発明では、表皮深さを超えて膜厚測定をするものではなく、導電性膜と非導電性膜とでは、電磁波の透過・反射等の特性が大きく変化することを利用して、ウェーハ上の導電性膜が除去される前後の状態を精度よく検知するようにしたものであり、構成・作用・効果の上で該従来技術とは、全く異なる。
特許文献2に記載の従来技術におけるインピーダンスは、交流回路における抵抗成分とリアクタンス成分によって決まり、周波数によって変化するインピーダンスである。これに対し、本発明の特性インピーダンスは、周波数によって変化しない高周波伝送線路に対するインピーダンスであり、該従来技術には、そうした特性インピーダンスを利用することについて開示も示唆もない。また、本発明では、ウェーハ上の導電性膜が高周波伝送線路の一部を形成するように構成され、導電性膜の研磨除去状態によって特性インピーダンスが整合される状態と整合されない状態を生じさせて、導電性膜の除去状態を判別するようにしている。これに対し、特許文献2に記載の従来技術ではインピーダンスの整合という概念すら存在していない。
そこで、研磨当所にウェーハ表面に導電性膜が存在する場合に対し、研磨中及び研磨によりウェーハ表面に導電性膜が殆ど存在しなくなった場合における高周波伝送線路内の特性インピーダンスの変化を基に研磨終了直前時点もしくは研磨終了時点をその場で高い精度で確実に検出するために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1記載の発明は、ウェーハ表面の導電性膜を研磨除去しながら平坦化加工工程を行う加工装置における前記導電性膜の除去状態をモニタする研磨終了予測・検出方法であって、前記加工装置内に高周波伝送線路を形成し、前記導電性膜が該高周波伝送線路の特性インピーダンスを決定するように構成され、前記導電性膜を研磨除去していく過程で前記高周波伝送線路の特性インピーダンスが変化することによる高周波の伝送状態の変化をモニタして前記導電性膜の研磨状態をモニタする研磨終了予測・検出方法を提供する。
この構成によれば、ウェーハ表面の導電性膜が高周波伝送線路の一部を形成して該高周波伝送線路の特性インピーダンスが決定されている。したがって、ウェーハ表面に導電性膜が存在する研磨当初の状態では、高周波の電磁波は、ウェーハ表面で反射されながら高周波伝送線路を伝わっていく。このとき、該高周波の電磁波は一部導電性膜の導電率に応じて、導電性膜内で熱エネルギーとして失われて伝送損失が生じるが、導電性膜が銅などの高導電率材料であれば、こうした材料表面で失われる伝送損失は比較的小さい。一方、ウェーハ表面の導電性膜が研磨により除去されて殆ど存在しなくなった状態では、高周波の電磁波は、ウェーハ表面で反射されず、一部ウェーハを透過して電磁波が漏れていく。この状態では、ウェーハ表面の導電性膜を含めた高周波伝送線路としての特性インピーダンスが大幅に変化して高周波伝送線路の電磁波の入射電力と反射電力の割合が大きく変化するなど、高周波の伝送状態が大きく変化する。よって、ウェーハ表面の導電性膜を研磨除去していく過程で前記高周波伝送線路の特性インピーダンスが変化することによる高周波の伝送状態の変化をモニタすることで、研磨終了直前の時点もしくは研磨終了時点がその場で高い精度で確実に検出される。
請求項2記載の発明は、ウェーハ表面の導電性膜を研磨除去しながら平坦化加工工程を行う加工装置における前記導電性膜の除去状態をモニタする研磨終了予測・検出方法であって、前記加工装置内に高周波伝送路を形成し、前記導電性膜が該高周波伝送線路の特性インピーダンスを決定するように構成され、前記導電性膜の研磨除去前後で該高周波伝送線路のインピーダンス整合状態が大きく変化するように該高周波伝送路を構成し、前記導電性膜を研磨除去していく過程で高周波の伝送状態の変化をモニタして前記導電性膜の研磨状態をモニタする研磨終了予測・検出方法を提供する。
この構成によれば、ウェーハ表面の導電性膜が高周波伝送線路の一部を形成して該高周波伝送線路の特性インピーダンスが決定されている。そして、例えばウェーハ表面に導電性膜が存在する状態における高周波伝送線路の特性インピーダンスと高周波発生源の内部インピーダンスとが整合するように予め調整されている。このとき、ウェーハ表面に導電性膜が存在する研磨当初の状態では、高周波発生源からの高周波の電磁波は、ウェーハ表面で反射されながら高周波伝送線路を伝わっていく。一方、ウェーハ表面の導電性膜が研磨により除去されて殆ど存在しなくなった状態では、高周波伝送線路の特性インピーダンスが大幅に変化して該高周波伝送線路の特性インピーダンスと高周波発生源の内部インピーダンスとは非整合状態となり、高周波伝送線路の電磁波の入射電力と反射電力の割合が大きく変化するなど、高周波の伝送状態が大きく変化する。よって、ウェーハ表面の導電性膜を研磨除去していく過程で高周波の伝送状態の変化をモニタすることで、研磨終了直前の時点もしくは研磨終了時点がその場で高い精度で確実に検出される。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、上記高周波の伝送状態の変化は、高周波の入射電力もしくは反射電力の少なくともいずれかの変化である研磨終了予測・検出方法を提供する。
この構成によれば、ウェーハ表面に導電性膜が存在する研磨当初の状態と、ウェーハ表面の導電性膜が研磨により除去されて殆ど存在しなくなった状態とでは、高周波伝送線路の特性インピーダンスが大幅に変化し、高周波伝送線路の電磁波の入射電力と反射電力の割合が大きく変化して高周波の伝送状態が大きく変化する。したがって、高周波の伝送状態の変化のモニタは、具体的には、高周波の電磁波の入射電力もしくは反射電力の少なくともいずれかの変化をモニタすることで、研磨終了直前の時点もしくは研磨終了時点がその場で高い精度で確実に検出される。
請求項4記載の発明は、ウェーハ表面の導電性膜を研磨除去しながら平坦化加工工程を行う加工装置における前記導電性膜の除去状態をモニタする研磨終了予測・検出方法であって、前記加工装置内にマイクロストリップライン、高周波を共振させる共振構造体、定在波形成構造体もしくは導波管のいずれかからなる高周波伝送線路を形成し、前記導電性膜が該高周波伝送線路の特性インピーダンスを決定するように構成され、前記導電性膜の研磨除去前後で前記高周波伝送線路のインピーダンス整合状態が大きく変化するように該高周波伝送線路を構成し、前記導電性膜を研磨除去していく過程で高周波の伝送状態の変化をモニタして前記導電性膜の研磨状態をモニタする研磨終了予測・検出方法を提供する。
この構成によれば、ウェーハ表面の導電性膜がマイクロストリップライン、共振構造体、定在波形成構造体もしくは導波管のいずれかからなる高周波伝送線路の一部を形成して該高周波伝送線路の特性インピーダンスが決定されている。そして、例えばウェーハ表面に導電性膜が存在する状態における前記高周波伝送線路の特性インピーダンスと高周波発生源の内部インピーダンスとが整合するように予め調整されている。このとき、ウェーハ表面に導電性膜が存在する研磨当初の状態では、高周波発生源からの高周波の電磁波は、ウェーハ表面で反射されながら前記高周波伝送線路を伝わっていく。一方、ウェーハ表面の導電性膜が研磨により除去されて殆ど存在しなくなった状態では、前記高周波伝送線路の特性インピーダンスが大幅に変化して該高周波伝送線路の特性インピーダンスと高周波発生源の内部インピーダンスとは非整合状態となり、前記高周波伝送線路の電磁波の入射電力と反射電力の割合が大きく変化するなど、高周波の伝送状態が大きく変化する。よって、ウェーハ表面の導電性膜を研磨除去していく過程で高周波の伝送状態の変化をモニタすることで、研磨終了直前の時点もしくは研磨終了時点がその場で高い精度で確実に検出される。
請求項5記載の発明は、ウェーハ表面の導電性膜を研磨除去しながら平坦化加工工程を行う加工装置における前記導電性膜の除去状態をモニタする研磨終了予測・検出方法であって、前記加工装置内にマイクロストリップライン、高周波を共振させる共振構造体、定在波形成構造体もしくは導波管のいずれかからなる高周波伝送線路を形成し、前記導電性膜が該高周波伝送線路の特性インピーダンスを決定するように構成されるとともに前記高周波伝送線路と該高周波伝送線路に高周波を供給する高周波発生源との間にインピーダンス整合を行うマッチングユニットを接続し、前記導電性膜を研磨除去していく過程で高周波の伝送状態の変化をモニタして前記導電性膜の研磨状態をモニタする研磨終了予測・検出方法を提供する。
この構成によれば、ウェーハ表面の導電性膜がマイクロストリップライン、共振構造体、定在波形成構造体もしくは導波管のいずれかからなる高周波伝送線路の一部を形成して該高周波伝送線路の特性インピーダンスが決定されている。該高周波伝送線路と高周波発生源との間にマッチングユニットを接続したことで、例えばウェーハ表面に導電性膜が存在する状態における前記高周波伝送線路の特性インピーダンスと高周波発生源の内部インピーダンスとが確実にインピーダンス整合するように容易に調整が行われる。そして、ウェーハ表面の導電性膜が研磨により除去されて殆ど存在しなくなった状態で前記高周波伝送線路の特性インピーダンスが大幅に変化し、該高周波伝送線路の特性インピーダンスと高周波発生源の内部インピーダンスとは非整合状態となり、前記高周波伝送線路の電磁波の入射電力と反射電力の割合が大きく変化するなど、高周波の伝送状態が大きく変化する。よって、ウェーハ表面の導電性膜を研磨除去していく過程で高周波の伝送状態の変化をモニタすることで、研磨終了直前の時点もしくは研磨終了時点がその場で高い精度で確実に検出される。
請求項6記載の発明は、ウェーハ表面の導電性膜を研磨除去しながら平坦化加工工程を行う加工装置における前記導電性膜の除去状態をその場でモニタする研磨終了予測・検出装置であって、前記加工装置内に高周波伝送線路を形成し、前記導電性膜が該高周波伝送線路内に形成され、前記導電性膜の有無ないしは研磨途中の膜厚で前記高周波伝送路の特性インピーダンスが変化するように構成し、前記高周波伝送路に高周波電力を供給する高周波発生源を有し、前記導電性膜の研磨中、該導電性膜により決定される前記高周波伝送線路の特性インピーダンスが変化することによる高周波の伝送状態の変化を基にその場で研磨終了点を予測し検出するように構成した研磨終了予測・検出装置を提供する。
この構成によれば、ウェーハ表面の導電性膜が高周波伝送線路の一部を形成し、該導電性膜の有無ないしは研磨による膜厚の変化で高周波伝送線路の特性インピーダンスが変化する。研磨中、高周波発生源から高周波伝送線路に高周波電力が供給される。そして、ウェーハ表面に導電性膜が存在する研磨当初の状態では、高周波の電磁波は、ウェーハ表面で反射されながら高周波伝送線路を伝わっていく。研磨により導電性膜の膜厚が変化すると、これに応じて高周波伝送線路の特性インピーダンスも変化し、導電性膜が除去されて殆ど存在しなくなった状態では、高周波の電磁波は、ウェーハ表面で反射されず、一部ウェーハを透過して電磁波が漏れていく。この状態では、高周波伝送線路の特性インピーダンスが大幅に変化して高周波伝送線路の電磁波の入射電力と反射電力の割合が大きく変化するなど、高周波の伝送状態が大きく変化する。よって、ウェーハ表面の導電性膜を研磨除去していく過程で前記高周波伝送線路の特性インピーダンスが変化することによる高周波の伝送状態の変化を基に研磨終了直前の時点もしくは研磨終了時点がその場で高い精度で確実に検出される。
請求項7記載の発明は、ウェーハ表面の導電性膜を研磨除去しながら平坦化加工工程を行う加工装置における前記導電性膜の除去状態をその場でモニタする研磨終了予測・検出装置であって、前記加工装置内にマイクロストリップライン、高周波共振器、定在波形成器もしくは導波管のいずれかからなる高周波伝送線路を形成し、前記導電性膜が前記高周波伝送線路内に形成され、前記導電性膜の有無ないしは研磨途中の膜厚で前記高周波伝送線路の特性インピーダンスが変化するように構成し、研磨中、前記高周波伝送線路に高周波電力を供給する高周波発生源を有し、前記導電性膜の研磨中、該導電性膜により決定される前記高周波伝送線路の特性インピーダンスが変化することによる高周波の伝送状態の変化を基にその場で研磨終了点を予測し検出するように構成した研磨終了予測・検出装置を提供する。
この構成によれば、ウェーハ表面の導電性膜がマイクロストリップライン、高周波共振器、定在波形成器もしくは導波管のいずれかからなる高周波伝送線路の一部を形成し、該導電性膜の有無ないしは研磨による膜厚の変化で前記高周波伝送線路の特性インピーダンスが変化する。研磨中、高周波発生源から前記高周波伝送線路に高周波電力が供給される。そして、ウェーハ表面に導電性膜が存在する研磨当初の状態では、高周波の電磁波は、ウェーハ表面で反射されながら前記高周波伝送線路を伝わっていく。研磨により導電性膜の膜厚が変化すると、これに応じて前記高周波伝送線路の特性インピーダンスも変化し、導電性膜が除去されて殆ど存在しなくなった状態では、高周波の電磁波は、ウェーハ表面で反射されず、一部ウェーハを透過して電磁波が漏れていく。この状態では、前記高周波伝送線路の特性インピーダンスが大幅に変化して該高周波伝送線路の電磁波の入射電力と反射電力の割合が大きく変化するなど、高周波の伝送状態が大きく変化する。よって、ウェーハ表面の導電性膜を研磨除去していく過程で前記高周波伝送線路の特性インピーダンスが変化することによる高周波の伝送状態の変化を基に研磨終了直前の時点もしくは研磨終了時点がその場で高い精度で確実に検出される。
請求項8の発明は、請求項6又は7記載の発明において、上記高周波伝送線路としてのマイクロストリップラインが、絶縁基板もしくは誘電体基板上に形成された導電性パターンを用いて構成されている研磨終了予測・検出装置を提供する。
この構成によれば、導電性パターンをストリップ導体とし、該ストリップ導体を、適宜の誘電体層を介してウェーハ表面の導電性膜と対峙するように加工装置内に組み込み、該導電性膜をグラウンドに落とすことで導電性膜がグラウンドプレーンとなって、加工装置内にマイクロストリップラインからなる高周波伝送線路が形成される。そして、ウェーハ表面の導電性膜が高周波伝送線路の一部を形成することで、該導電性膜が高周波伝送線路の特性インピーダンスを決定することになる。
請求項1記載の研磨終了予測・検出方法の発明は、ウェーハ表面の導電性膜を高周波伝送線路の一部として形成した場合において、ウェーハ表面に導電性膜が存在する研磨当初の状態に対し、ウェーハ表面の導電性膜が研磨により除去されて殆ど存在しなくなった状態では、高周波伝送線路の特性インピーダンスが大幅に変化して高周波の伝送状態が大きく変化することから、高周波伝送線路内の特性インピーダンスの変化を基に研磨終了直前時点もしくは研磨終了時点をその場で高い精度で確実に検出することができるという利点がある。
請求項2記載の研磨終了予測・検出方法の発明は、ウェーハ表面の導電性膜を高周波伝送線路の一部として形成した場合において、ウェーハ表面に導電性膜が存在する研磨当初の状態における高周波伝送線路の特性インピーダンスと高周波発生源の内部インピーダンスとの整合状態に対し、ウェーハ表面の導電性膜が研磨により除去されて殆ど存在しなくなった状態における高周波伝送線路の特性インピーダンスと高周波発生源の内部インピーダンスとの整合状態は大きく変化して高周波の伝送状態が大きく変化する。このことから、高周波の伝送状態の変化をモニタすることで研磨終了直前時点もしくは研磨終了時点をその場で高い精度で確実に検出することができるという利点がある。
請求項3記載の研磨終了予測・検出方法の発明は、高周波の伝送状態の変化のモニタは、具体的には、高周波の電磁波の入射電力もしくは反射電力の少なくともいずれかの変化をモニタすることで、研磨終了直前の時点もしくは研磨終了時点をその場で高い精度で確実に検出することができるという利点がある。
請求項4記載の研磨終了予測・検出方法の発明は、ウェーハ表面の導電性膜をマイクロストリップライン、共振構造体、定在波形成構造体もしくは導波管のいずれかからなる高周波伝送線路の一部として形成した場合において、ウェーハ表面に導電性膜が存在する研磨当初の状態における前記高周波伝送線路の特性インピーダンスと高周波発生源の内部インピーダンスとの整合状態に対し、ウェーハ表面の導電性膜が研磨により除去されて殆ど存在しなくなった状態における前記高周波伝送線路の特性インピーダンスと高周波発生源の内部インピーダンスとの整合状態は大きく変化して高周波の伝送状態が大きく変化する。このことから、高周波の伝送状態の変化をモニタすることで研磨終了直前時点もしくは研磨終了時点をその場で高い精度で確実に検出することができるという利点がある。
請求項5記載の研磨終了予測・検出方法の発明は、ウェーハ表面の導電性膜をマイクロストリップライン、共振構造体、定在波形成構造体もしくは導波管のいずれかからなる高周波伝送線路の一部として形成した場合において、該高周波伝送線路と高周波発生源との間にマッチングユニットを接続したことで、例えばウェーハ表面に導電性膜が存在する状態における前記高周波伝送線路の特性インピーダンスと高周波発生源の内部インピーダンスとのインピーダンス整合を容易且つ、確実に調整することができるという利点がある。
請求項6記載の研磨終了予測・検出装置の発明は、ウェーハ表面の導電性膜を高周波伝送線路の一部として形成した場合において、ウェーハ表面に導電性膜が存在する研磨当初の状態に対し、導電性膜が研磨により除去されて殆ど存在しなくなった状態では、高周波伝送線路の特性インピーダンスが大幅に変化して高周波の伝送状態が大きく変化することから該高周波の伝送状態の変化を基に研磨終了直前の時点もしくは研磨終了時点をその場で高い精度で確実に検出することができるという利点がある。
請求項7記載の研磨終了予測・検出装置の発明は、ウェーハ表面の導電性膜をマイクロストリップライン、高周波共振器、定在波形成器もしくは導波管のいずれかからなる高周波伝送線路の一部として形成した場合において、ウェーハ表面に導電性膜が存在する研磨当初の状態に対し、導電性膜が研磨により除去されて殆ど存在しなくなった状態では、前記高周波伝送線路の特性インピーダンスが大幅に変化して高周波の伝送状態が大きく変化することから該高周波の伝送状態の変化を基に研磨終了直前の時点もしくは研磨終了時点をその場で高い精度で確実に検出することができるという利点がある。
請求項8記載の研磨終了予測・検出装置の発明は、請求項6又は7記載の発明の効果に加えてさらに、ウェーハ表面の導電性膜を一部の構成要素としたマイクロストリップラインからなる高周波伝送線路を、加工装置内に容易に形成することができるという利点がある。
研磨当所にウェーハ表面に導電性膜が存在する場合に対し、研磨中及び研磨によりウェーハ表面に導電性膜が殆ど存在しなくなった場合における高周波伝送線路内の特性インピーダンスの変化を基に研磨終了直前時点もしくは研磨終了時点をその場で高い精度で確実に検出するという目的を達成するために、ウェーハ表面の導電性膜を研磨除去しながら平坦化加工工程を行う加工装置における前記導電性膜の除去状態をモニタする研磨終了予測・検出方法であって、前記加工装置内に高周波伝送路を形成し、前記導電性膜が該高周波伝送線路の特性インピーダンスを決定するように構成され、前記導電性膜の研磨除去前後で該高周波伝送線路のインピーダンス整合状態が大きく変化するように該高周波伝送路を構成し、前記導電性膜を研磨除去していく過程で高周波の伝送状態の変化をモニタして前記導電性膜の研磨状態をモニタすることにより実現した。
以下、本発明の好適な実施例1を図面に従って詳述する。図1はマイクロストリップラインが搭載された化学機械研磨装置の斜視図、図2はプラテンの上面部に搭載されたマイクロストリップラインとネットワークアナライザとの接続関係を示す構成図である。
まず、本実施例に係る研磨終了予測・検出方法およびその装置の構成を、加工装置としての化学機械研磨装置から説明する。図1において化学機械研磨装置1は、主としてプラテン2と、研磨ヘッド3とから構成されている。
前記プラテン2は、円盤状に形成され、その下面中央には回転軸4が連結されており、モータ5の駆動によって矢印A方向へ回転する。前記プラテン2の上面には研磨パッド6が貼着されており、該研磨パッド6上に図示しないノズルから研磨剤と化学薬品との混合物であるスラリーが供給される。
前記研磨ヘッド3は、本体部が円盤状に形成され、その上面中央に回転軸7が連結されており、図示しないモータで駆動され矢印B方向に回転する。
該化学機械研磨装置1は、導電性膜が形成されたウェーハを、研磨ヘッド3で吸着保持して図示しない移動機構によりプラテン2上に運び、該ウェーハを導電性膜が研磨パッド6に対接するようにプラテン2上に載置する。次いで、研磨ヘッド3内の図示しないエアバックにエアーを供給して該エアバックを膨らませる。前記エアバックの膨らみによって、ウェーハ表面部の導電性膜が所定の圧力で研磨パッド6に押し付けられる。
この状態でプラテン2を図1の矢印A方向に回転させるとともに研磨ヘッド3を図1の矢印B方向に回転させ、回転する研磨パッド6上に図示しないノズルからスラリーを供給してウェーハ表面部の導電性膜を研磨する。
そして、図2に示すように、化学機械研磨装置1におけるプラテン2の上面部の部分で且つ、研磨ヘッド3に保持されたウェーハW表面部の導電性膜8に対向しうる部位に、高周波伝送線路となるマイクロストリップライン9が埋設されている。該マイクロストリップライン9は、ウェーハWのほぼ直径に対応した所定の長さに形成されている。高周波伝送線路をマイクロストリップライン9で形成し、該マイクロストリップライン9をプラテン2の上面部に埋設することで、導電性膜8の研磨除去作業に支障を来すことなく、電磁波の透過特性等の指標を適切に得ることが可能となる。
該マイクロストリップライン9は、ウェーハW表面部の導電性膜8に対向しうる部位として、研磨パッド6の裏側におけるプラテン2本体の表面部に埋め込んでもよいが、図示のように、研磨パッド6にマイクロストリップライン9の外形に対応した大きさの切欠開口を設け、この切欠開口の部分に埋め込んだ方が、前記導電性膜8に近接させることができて前記指標の測定感度が良好になる。
該マイクロストリップライン9は、図示しないグラウンドプレーン上に、エポキシもしくはベークライト等の誘電体を介して該グラウンドプレーンに対し平行に支持されたストリップ導体で構成されている。マイクロストリップライン9は、このような構成により、簡易且つ、小形で、プラテン2の上面部に対する容易埋設性が得られるとともに高周波伝送線路の特性インピーダンスが特定されて、電磁波の透過特性及び反射特性等の指標の変化を安定して測定することができる。
前記マイクロストリップライン9における入力端9dに対応した部位には、該入力端9dに接続された第1の電極10aがプラテン2の上部に差し込まれるように配設され、出力端9eに対応した部位には、該出力端9eに接続された第2の電極10bがプラテン2の上部に差し込まれるように配設されている。
前記第1の電極10aは、同軸ケーブル11a及び図示しないスリップリング等の回転接続手段を介して測定系であるネットワークアナライザ12のポートPに接続され、前記第2の電極10bは、同軸ケーブル11b及び前記と同様の図示しない回転接続手段を介してネットワークアナライザ12のポートPに接続されている。
該ネットワークアナライザ12には、アンリツ(株)Vector Network Analyzer型番3724G等を使用することができる。該ネットワークアナライザ12は、専用の中央処理装置としての機能を有しており、電磁波の透過特性、反射特性、測定試料の誘電率及び損失係数等の測定が可能である。
ネットワークアナライザ12のポートPから発信された電磁波のうち、マイクロストリップライン9を通らずに反射する反射電磁波は、前記第1の電極10aの部分で反射して前記ポートPに入力される。一方、マイクロストリップライン9を通して抜けていく透過電磁波は、前記第2の電極10bの部分から前記ポートPに入力される。
次に、上述のように構成された研磨終了予測・検出装置の作用及びウェーハ研磨モニタ方法を[表皮深さ]、[Sパラメータの取得による指標の測定]及び[指標の変化プロファイルのモニタによる研磨終了点検出]の順に説明する。
[表皮深さ]
本実施例の作用原理は、高周波が導体に対して発生する表皮効果(Skin Effect)を利用する。一般的に、高周波、例えばマイクロ波が導体に入射すると反射されるが、一部の電流が該導体の極表層付近を流れる。この効果が「表皮効果」である。そして、表層を流れる電流量が1/e(eは2.718)に減衰するまでの深さが「表皮深さ」と呼ばれ、該表皮深さδは、数(1)で表される。
ここで、ω:2πf、μ:透磁率、σ:導電率である。
数(1)から、表皮深さδは、高周波の周波数fが高くなるほど、小さくなる。この周波数fと表皮深さδとの関係例を、導体が銅(Cu)とアルミニウム(Al)の場合についてそれぞれ表1に示す。
評価する周波数、導電性膜の導電率、透磁率によって、一意に決定される表皮深さδにおいて、評価する膜厚が表皮深さδ以上である場合、その電磁波は表皮深さδ以上導体内を原理的に浸透しないため、殆どの電磁波が反射されることになる。逆に、低周波であれば、表皮深さδは非常に大きくなるため、殆どの電磁波が透過するようになる。ここでは、Cu膜のCMPのように、導電性膜の除去プロセスにおいては、その終点付近で信号波形を大きく変化させて精度よく測定するのがよく、設定する表皮深さδは非常に薄くした方がよい。そのため、通常100MHz以上であればよく、さらには1GHz以上であれば、表皮深さδがミクロンオーダになるので終点検出が精度よく行われる。
本実施例に係るウェーハ研磨モニタ方法は、前記表皮深さδで定義される導電性膜の膜厚近傍か、それ以下で、電磁波の透過及び反射の状態を評価することである。
[Sパラメータの取得による指標の測定]
図3はネットワークアナライザに関する図であり、(a)はブロック図、(b)はSパラメータの測定モデルを示す図である。図3(b)の測定モデル13における入力端子aは前記図2における第1の電極10aに相当し、同入力端子bはネットワークアナライザ12のポートPに相当し、測定モデル13における出力端子bは前記図2における第2の電極10bに相当し、同出力端子aはネットワークアナライザ12のポートPに相当する。
前記反射電磁波に対応した反射係数をSパラメータにおける入力端反射係数S11により測定し、また透過電磁波に対応した透過係数をSパラメータにおける正方向伝達係数S21により測定するため、前記マイクロストリップライン9に対し、ネットワークアナライザ12において次の(イ)、(ロ)、(ハ)の各手順で較正を行う。
(イ)ネットワークアナライザ12のポートPとグラウンドレベルとの間に、マイクロストリップライン9の特性インピーダンスである50Ωの抵抗を入れ、ポートPとグラウンドレベルとの間に、同50Ωの抵抗を入れて整合の条件をとる。そして該整合の条件で、マイクロストリップライン9のSパラメータを測定し、ネットワークアナライザ12で補正係数を求める。
(ロ)ポートP及びポートPに入れた各50Ωの抵抗を外して互いのポートを導通させ、短絡の条件をとる。そして該短絡の条件で、マイクロストリップライン9のSパラメータを測定し、ネットワークアナライザ12で補正係数を求める。
(ハ)ポートP及びポートPの各50Ωの抵抗を外すとともに互いのポートを導通も無くして開放の条件をとる。そして該開放の条件で、マイクロストリップライン9のSパラメータを測定し、ネットワークアナライザ12で補正係数を求める。
該(イ)、(ロ)、(ハ)の各手順で得た補正係数をネットワークアナライザ12に格納して、マイクロストリップライン9に対するネットワークアナライザ12の較正を終了する。
該較正後にネットワークアナライザ12で測定されたSパラメータに対し、該ネットワークアナライザ12において較正時の補正係数が加味されて反射係数であるS11及び透過係数であるS21等の指標の変化が正確に測定される。
[指標の変化プロファイルのモニタによる研磨終了点検出]
図4はCu膜/Ta膜/SiO膜/Si基板からなる標準パターンウェーハについて0.1〜3GHzのマイクロ帯における周波数を連続的に変化させたときの透過係数S21及び反射係数S11の各変化特性例を示す特性図であり、(a)は最上層のCu膜についての変化特性例を示す特性図、(b)はCu膜除去後のTa膜等についての変化特性例を示す特性図、(c)はマイクロストリップラインの対向位置にウェーハが存在するときと存在しないときの変化特性例を示す特性図である。
マイクロストリップライン9の対向位置にウェーハW表面部のCu膜等が存在しないとき、マイクロストリップライン9に該マイクロストリップライン9の特性インピーダンスに整合する周波数の電磁波が供給されると、図4(c)中、「ウェーハ無し透過」の特性で示すように、0.1〜3GHzの所要周波数範囲にわたって、ネットワークアナライザ12で測定される透過係数はほぼ0dBとなって、大半の電磁波は透過電磁波として該マイクロストリップライン9を透過する。したがって、「ウェーハ無し反射」の特性で示すように、反射係数は−65dB程度の値となって、マイクロストリップライン9を通らずに反射する反射電磁波は殆ど存在しない。
これに対し、マイクロストリップライン9の対向位置にウェーハW表面部のCu膜等が近接して置かれると、伝送路のインピーダンスは、前記マイクロストリップライン9及びCu膜等の導電性膜を総合した特性インピーダンスとなって、整合可能な周波数帯域が変化する。このため、前記マイクロストリップライン9の特性インピーダンスのみに整合する周波数帯域の電磁波の大半は、図4(a)中、「Cu膜有り反射」の特性で示すように、反射係数は−7dB程度の値となって、マイクロストリップライン9を通らずにほぼ反射する。そして、一部の電磁波が該電磁波の周波数に対応した前記表皮深さδの領域を、表層電流としてCu膜の極表層部分を透過する。図4(a)中、「Cu膜有り透過」の特性は、この表層電流による透過係数の変化を示している。
図4(a)中の「Cu膜除去反射」の特性及び「Cu膜除去透過」の特性は、Cu膜の研磨が進行して、前記表皮深さδで定義される極薄い膜厚に達した以後、さらに研磨の進行により、該極薄い膜厚のCu膜が除去された後の反射係数及び透過係数の各変化を示している。
図4(a)中の前記「Cu膜除去反射」の特性で示されるCu膜除去後の反射係数の変化は、図4(b)中の「Ta膜有り反射」の特性で示されるCu膜下層のTa膜の反射係数の変化にほぼ遷移する。
また、図4(a)中の前記「Cu膜除去透過」の特性で示されるCu膜除去後の透過係数の変化は、図4(b)中の「Ta膜有り透過」の特性で示されるCu膜下層のTa膜の透過係数の変化にほぼ遷移する。
そして、図4の(a)、(b)に示すように、「Cu膜有り反射」の特性と「Cu膜除去反射」の特性、即ち「Ta膜有り反射」の特性とは、前記0.1〜3GHzの所要周波数範囲のうち、特に2〜2.8GHz辺りの所定周波数領域において変化が大きい。これと同様に、「Cu膜有り透過」の特性と「Cu膜除去透過」の特性、即ち「Ta膜有り透過」の特性とは、前記2〜2.8GHz辺りの所定周波数領域において変化が大きい。
そこで、前記所要周波数範囲において測定した反射係数もしくは透過係数の変化プロファイルをモニタし、特に変化の大きい前記所定周波数領域において測定した反射係数もしくは透過係数の少なくともいずれかが、予め定めた閾値を超えた時を、研磨除去の終了点及び研磨除去の終了時点に対応した時点として検出する。図4(a)の変化特性例では、「Cu膜有り透過」の特性をモニタし、周波数が2.1GHz付近で、透過係数が例えば−4dB迄低下した時点を研磨除去の終了点として検出する。
なお、Cu膜を研磨除去する代表的な研磨条件としては、次の表2に示すような条件が好適に使用できる。
また、図4(a)において、前記2〜2.8GHzの所定周波数領域の範囲内における例えば2.2GHzと2.6GHzの二つの周波数おいてそれぞれ測定した透過係数及び反射係数の各変化をみると、2.2GHzでは、「Cu膜有り反射」の特性で示される反射係数は約−3dBであるのに対し「Cu膜除去反射」の特性で示される反射係数は約−9dBに低下している。また、「Cu膜有り透過」の特性で示される透過係数は約−7.2dBであるのに対し「Cu膜除去透過」の特性で示される透過係数は約−4dB迄高くなっている。
一方、2.6GHzでは、「Cu膜有り反射」の特性で示される反射係数は約−5dBであるのに対し「Cu膜除去反射」の特性で示される反射係数は約−15dBに低下している。また、「Cu膜有り透過」の特性で示される透過係数は約−8dBであるのに対し「Cu膜除去透過」の特性で示される透過係数は約−5.6dB迄高くなっている。
このように、所要周波数範囲における所定の二つの周波数において、研磨除去の終了点を検出するのに十分な反射係数及び透過係数の各変化量を得ることが可能である。したがって、透過係数及び反射係数を所定の二つの周波数においてそれぞれ測定し、測定した該透過係数及び該反射係数の少なくともいずれかが予め定めた基準の変化量を超えた段階で、研磨除去の終了点及び研磨除去の終了時点に対応した時点を検出することもできる。
また、所定の二つの周波数において、予め定めた基準の状態に対する透過係数及び反射係数の変化割合をそれぞれ測定し、測定した該透過係数の変化割合及び該反射係数の変化割合の少なくともいずれかが予め定めた基準の変化割合を超えた段階で、研磨除去の終了点及び研磨除去の終了時点に対応した時点を検出することもできる。
上述のウェーハ研磨モニタ方法では、研磨除去の終了点を検出する指標として、マイクロストリップライン9を備えた伝送路に関する透過係数及び反射係数を使用した。ところで、前記Cu膜/Ta膜/SiO膜/Si基板のようにSi基板上に導電性膜及び絶縁性膜が多層に積層されたウェーハWにおいては、Cu膜等の導電性膜の研磨が進行して表皮深さδで定義される極薄い膜厚に達した以後の膜厚の変化に伴って、前記透過係数及び反射係数の各変化に加えて該多層膜を総合した誘電率が変化し、さらには誘電体損を含む損失係数も変化する。
そこで、透過係数、反射係数に加えて誘電率及び損失係数を前記ネットワークアナライザ12で測定し、これらの透過係数、反射係数、誘電率及び損失係数の少なくともいずれかの変化を指標としても研磨除去の終了点を検出することができる。
電磁波の透過・反射を利用して研磨除去の終了点を検出する本実施例の方式は、通常の酸化膜形成のウェーハWにおいても、該酸化膜の膜厚によって微妙に特性インピーダンスが変化することにより、研磨除去の終了点を検出することは可能である。図5(a)には透過係数の変化で見る方法を示し、同図(b)は反射係数の変化で見る方法を示すが、いずれの場合も、Cu膜除去の時点やTa膜除去の時点を、事前のウェーハW上の膜状態と透過係数・反射係数の指標の対比から閾値を設定することが可能となる。研磨中においても、その閾値を横切ったところでCu膜除去の終了点を割り出すことができる。また、これと同様に、透過係数と反射係数から損失係数を求め、この損失係数に対し同様に閾値を設定して終了点を判断することができる。
なお、終了点判別方法も完全にCu膜やTa膜を取りきったところで設定する場合でもよいが、終了点付近前に、透過係数・反射係数等の波形の変化で特徴的な部分がある場合は、事前のその波形の特徴的な部分で検出し、その後の研磨の残り時間を経験的に算出し、終了点前の信号とその後の追加研磨により、終了点まで研磨する形でもよい。
さらには、他の終了点判別方法として、波形変化の終了時点を検出して、その点を終了点とする方法、もしくはその検出時点から所定経過時間で終了点を設定する方法。波形変化の傾き(微分係数)をモニタして、所定の微分係数になった時点を終了点とする方法。又は所定の微分係数を検出してその検出位置からの所定経過時間で終了点を設定する方法等、様々な方法がある。
これらのいずれの場合も、研磨の終了点を完全に見極めるのではないが、終了点前の特定の研磨状態を検出して、それを基に終了点を予測する意味では、広義に本発明の終了点検出に包含される。
また、先にCu膜の事例を示したが、前記と同様の構成で酸化膜厚に対応した透過・反射特性が得られることが分かっている。図6に、酸化膜厚に対応した反射特性を示す。これを利用して、Cu膜と同様に酸化膜の膜厚に対応した終了点検出を行うことが可能となる。即ち、ある周波数に着目して、その周波数において、事前に膜厚と反射係数を対応させた対応グラフを作成し、所望の膜厚で閾値を設定してその閾値に到達したときに、終了点と判断し、研磨を終了する。こうした方法は、先に示したCu膜の場合と同様であるので、詳細は割愛する。
なお、ウェーハW上の酸化膜を研磨する標準的な条件としては、表3に示す条件が好適に使用できる。
上述したように、本実施例に係る研磨終了予測・検出方法およびその装置においては、導電性膜8の研磨が進行して、表皮深さδで定義される極薄い膜厚に達した以後の膜厚の変化に伴ってマイクロストリップライン9を備えた伝送路に関する透過係数及び反射係数が大きく変化し、さらには誘電率及び誘電体損を含む損失係数も変化することから、透過係数、反射係数に誘電率及び損失係数を加えた複数の指標のうちの少なくともいずれかの変化を基に、研磨の際のスラリー等の影響を受けることなく導電性膜8の研磨除去の終了点を高い精度で確実に検出することができる。
表皮深さδは、マイクロ帯の周波数帯において極薄くなることから、この極薄い表皮深さδで定義される膜厚に達した以後の膜厚の変化に伴う前記透過係数等の指標の変化を基に導電性膜8の研磨除去の終了点を一層高い精度で確実に検出することができる。
高周波伝送線路をマイクロストリップライン9で形成したことで、電磁波の透過特性等の指標の変化を安定して測定することができる。
マイクロストリップライン9を化学機械研磨装置1におけるプラテン2の上面部に埋設したことで、導電性膜8の研磨除去作業に支障を来すことなく、電磁波の透過特性等の指標の変化を適切に得ることができる。
マイクロ帯における所定の二つの周波数においてそれぞれ測定した透過係数等の指標を用いて導電性膜8の研磨除去の終了点を検出するようにしたことで、該研磨除去終了点を簡便に且つ、精度よく検出することができる。
次いで、高周波伝送線路の他の構成例を述べる。図7は、高周波伝送線路を空洞共振器14で構成し、該空洞共振器14をプラテン2内に組み込んだ図を示している。空洞共振器14におけるは空洞部14aは円筒形に形成されており、該空洞部14aの下側の面はピストン15の上面部で形成されている。
該ピストン15を上下に移動調整することにより空洞部14aの容積が変化して空洞共振器14の共振周波数を変化させることが可能となる。該空洞共振器14の共振周波数を変化させることで、該空洞共振器14及びウェーハWの膜状態の全体を含む特性インピーダンスが変化する。このときの特性インピーダンスとしては、電磁波の透過係数・反射係数又は損失係数が研磨の終点及び終点付近において顕著に変化する状態になるように調整するのが望ましい。
前記空洞部14aの上側の面は、石英やテフロン(登録商標)等の不導体16で蓋をするように構成されている。空洞部14aの上側の面を不導体16とすることで、ウェーハWが存在しない場合は、該上側の面を通って電磁波は開放される。また、ウェーハWの表面に導電性膜が存在しない場合も、空洞共振器14の上面は開放構造になり、電磁波はウェーハWを抜けて発散されるようになる。これに対しウェーハWの裏側に特定の電磁波の反射体を設けておいて、該ウェーハWを抜けて発散する電磁波がある場合、その発散状態が顕著に分かるようにしてもよい。
空洞共振器14の下方部と上方部には、空洞部14a内に外部からの電磁波を入射させるための第1の結合部17aと該空洞部14aから外部へ電磁波を出射させるための第2の結合部17bがそれぞれ設けられている。
前記第1の結合部17aは、同軸ケーブル11a及び図示しないスリップリング等の回転接続手段を介してネットワークアナライザ12のポートPに接続され、前記第2の結合部17bは、同軸ケーブル11b及び前記と同様の図示しない回転接続手段を介してネットワークアナライザ12のポートPに接続されている。
そして、ネットワークアナライザ12から同軸ケーブル11a及び第1の結合部17aを介して空洞共振器14内に電磁波を入射させる。入射した電磁波は空洞共振器14内に一旦蓄えられて増幅され、その後ウェーハW上の導電性膜8に作用する。このとき研磨パッド6に適宜の孔を開けておくか石英等の不導体16をウェーハWに近接させた構成としておくと感度がよくなる。
空洞共振器14内に入射した電磁波は、ウェーハW表面の導電性膜8の状態と空洞共振器14とで形成される特性インピーダンスに基づくインピーダンス整合の状態によって、一部は透過電磁波として第2の結合部17bからネットワークアナライザ12のポートPに入力してモニタされる。また、透過しない電磁波が反射電磁波として第1の結合部17aからネットワークアナライザ12のポートPに入力してモニタされる。
ネットワークアナライザ14を使用する場合、前述したようにS11を反射電磁波、S21を透過電磁波としてモニタしてもよく、ネットワークアナライザ14を使用せずとも、電磁波の周波数を固定して、透過・反射電磁波の出力をモニタしてもよい。
図8は、高周波伝送線路を発信器18に接続された発信用アンテナ19と受信器20に接続された受信用アンテナ21との間に形成するとともに、該発信器18に接続された発信用アンテナ19及び受信器20に接続された受信用アンテナ21をそれぞれプラテン2内に組み込んだ図を示している。また、発信用アンテナ19と受信用アンテナ21との間に断面T字形の金属遮蔽板22を配設することで、該金属遮蔽板22とウェーハWとの間に、該ウェーハWの表面に沿って効率よく高周波伝送線路が形成される。
そして、ウェーハW表面の導電性膜8の状態に応じて高周波伝送線路の特性インピーダンスが変化し、受信器20側の信号強度が大きく変化する。この変化を利用して導電性膜8の研磨除去の終了点及び研磨除去の終了時点に対応した時点が検出される。
本発明の実施例2を図面を用いて説明する。図9は、研磨終了予測・検出装置の構成例を示すブロック図である。同図において、加工装置としての化学機械研磨装置1におけるプラテン2の上面部の部分で且つ、ウェーハW表面部の導電性膜8に対峙しうる部位に、該導電性膜8が高周波的に高周波伝送線路23の一部を形成するような形で、該高周波伝送線路23が組み込まれている。高周波伝送線路23は、導電性膜8に対しこのような形でプラテン2の上面部の部分に組み込まれることで、導電性膜8の有無ないしは研磨途中の膜厚で高周波伝送線路23の特性インピーダンスが変化する。
該高周波伝送線路23は、マッチングユニット24を介してネットワークアナライザ12に接続されている。該マッチングユニット24は、ウェーハW表面に導電性膜8が存在する研磨当初の状態もしくはウェーハW表面の導電性膜8が研磨により除去されて殆ど存在しなくなった状態のいずれかで、高周波伝送線路23の特性インピーダンスと高周波発生源としてのネットワークアナライザ12の内部インピーダンスとのインピーダンス整合を調整する。該マッチングユニット24としては、マッチングボックスや3スタブチューナー等が用いられる。
前記ネットワークアナライザ12は、実施例2においては、高周波(MHz〜)発生源としての機能、発生させた高周波の出力電力をモニタする機能及び高周波伝送線路23から反射されてきた反射電力をモニタする機能の各機能を有している。また、発生させる高周波の周波数帯も数MHz〜数十GHz程度まで掃引できる機能を有している。
図10は、前記高周波伝送線路23として用いられるマイクロストリップライン9の構成例を示しており、同図(a)は斜視図、同図(b)は正面図である。同図に示すように、マイクロストリップライン9は、グラウンドプレーン9a上にテフロン(登録商標)、ガラスエポキシもしくはベークライト等の誘電体9bを介して該グラウンドプレーンに対し平行に支持されたストリップ導体9cで構成されている。このような構成により、マイクロストリップライン9は、ストリップ導体9cとグラウンドプレーン9aとの間で容量が形成される。ストリップ導体9cとしては、銅、銀もしくはアルミ等が好適に使用される。該マイクロストリップライン9は、プリント基板等で形成することもできる。該マイクロストリップライン9の特性インピーダンスZは、適用される周波数にかかわらず、数(2)で示される。数(2)中、εrは誘電体9bの誘電率、H、T、Wによる各表示部分は、図10(b)中に表示されている。
図11は、高周波伝送線路23としてマイクロストリップライン9が適用された構成例を示している。マイクロストリップライン9はグラウンドプレーン9aごとビニルフィルム25でラミネートされ、ストリップ導体9c側がウェーハW表面の導電性膜8に対峙するようにしてプラテン2の上面部の部分で研磨パッド6の下部に組み込まれている。このマイクロストリップライン9の組み込み態様で、研磨中、導電性膜8をグラウンドに落とすことで、ストリップ導体9cと導電性膜8との間で容量が形成されて、導電性膜8がグラウンドプレーンとして機能し、該導電性膜8が容量を介してマイクロストリップライン9の一部を形成する形となる。
なお、マイクロストリップライン9は、グラウンドプレーン9a側がウェーハW表面の導電性膜8に対峙するようにしてプラテン2の上面部に組み込んでもよいが、前記のようにストリップ導体9c側がウェーハW表面の導電性膜8に対峙するようにした方が、マイクロストリップライン9が導電性膜8の除去状態を感知する上で感度が良好になる。
また、前記のように、導電性膜8をグラウンドに落とすことで、該導電性膜8をグラウンドプレーンとして機能させて加工装置1内にマイクロストリップライン9を構成し得ることから、次のような構成のプリント基板状部材を用いても加工装置1内にマイクロストリップライン9を構成することができる。即ち、絶縁基板もしくは誘電体基板上にストリップ導体9cのみをパターニングしたグラウンドプレーン無しのプリント基板状部材を形成し、このプリント基板状部材を前記とほぼ同様に、基板ごとビニルフィルムでラミネートし、ストリップ導体9c側がウェーハW表面の導電性膜8に対峙するようにしてプラテン2の上面部の部分に組み込む。そして、研磨中、導電性膜8をグラウンドに落とすことで、該導電性膜8がグラウンドプレーンとして機能し、該導電性膜8を高周波的に一部の構成要素としたマイクロストリップライン9が構成される。
マイクロストリップライン9におけるストリップ導体9cの入・出力両端部には、それぞれ結合端子としての電極10a,10bが取り付けられ、該両電極10a,10bに同軸ケーブル11a,11bの端部がそれぞれ差し込まれるようにして接続されている。同軸ケーブル11a,11bの他端部は、図示しないスリップリング等の回転接続手段を介して前記マッチングユニット24に接続され、さらに該マッチングユニット24が前記ネットワークアナライザ12に接続されている。
次に、上述のように構成された研磨終了予測・検出装置による導電性膜の研磨除去状態のモニタ作用を図12の(a)、(b)、(c)を用いて説明する。図12は、マイクロストリップラインを通る高周波電磁波の挙動を示す図であり、同図(a)はウェーハ無しの場合、同図(b)は導電性膜を有するウェーハ有りの場合、同図(c)はウェーハ有りだが導電性膜が表皮深さより薄くなった場合をそれぞれ示している。
ウェーハW表面の導電性膜8がマイクロストリップライン9の一部を形成するように存在する状態において該マイクロストリップライン9の特性インピーダンスが決定され、マッチングユニット24により、この導電性膜8が存在する状態におけるマイクロストリップライン9の特性インピーダンスと、高周波発生源としてのネットワークアナライザ12の内部インピーダンスとのインピーダンス整合がとられている。また、ネットワークアナライザ12では研磨前後の導電性膜8がある場合と無い場合において入射電力と反射電力が大きく変化する周波数帯が予め評価されている。
このような予めの準備がとられた後、マイクロストリップライン9に対応した部位にウェーハWなしの場合に、ネットワークアナライザ12から予め評価された周波数帯の高周波電力がマイクロストリップライン9に供給されると、該マイクロストリップライン9から一部研磨パッド6側に高周波の電磁波が漏れ出てそのまま放射されていく(図12(a))。
マイクロストリップライン9に対応した部位に研磨当初の状態の導電性膜8を有するウェーハWが置かれると、導電性膜8により反射された高周波の電磁波が、マイクロストリップライン9側へ帰ってくる。当然、前記図12(a)のウェーハWなしの場合と異なって、マイクロストリップライン9と導電性膜8で形成される固有の特性インピーダンスに対応して高周波の電磁波はマイクロストリップライン9を透過し反射する(図12(b))。このとき、高周波の電磁波は一部導電性膜8の導電率に応じて、導電性膜8内で熱エネルギーとして失われて伝送損失が生じるが、導電性膜8が銅などの高導電率材料であれば、こうした材料表面で失われる伝送損失は比較的小さい。
ウェーハW表面の導電性膜8が研磨により除去されて表皮深さより薄い状態になると、前記図12(b)の厚い導電性膜8がある場合と比べて、ウェーハWを抜けていく高周波の電磁波は大きくなり、マイクロストリップライン9とウェーハW上の導電性膜8とで作る特性インピーダンスは大幅に変化する(図12(c))。この結果、マイクロストリップライン9の高周波電磁波の入射電力と反射電力の割合が大きく変化するなど、高周波の伝送状態が大きく変化する。よって、ウェーハW表面の導電性膜8を研磨除去していく過程でマイクロストリップライン9の特性インピーダンスが変化することによる高周波の伝送状態の変化、即ち入射電力と反射電力の割合をネットワークアナライザ12でモニタすることで、研磨終了直前の時点もしくは研磨終了時点がその場で高い精度で確実に検出される。
導電性膜8が研磨により除去されることで、具体的に特性インピーダンスがどれだけ変化するかについて、近似的に以下に示す。
以下は、マイクロストリップ線路の高周波伝送線路を使用した場合の特性インピーダンス変化を近似的に求めた事例である。
マイクロストリップ線路で、初期に導電性膜を有する場合、(図12−2(a)に示す)上下両側に導電体が配置された線路となり、以下の式で近似される
しかし、ウェハ上の導電性膜が除去された後では、図12−2(a)に示すように、片側だけに導電体が配置された線路となり、以下の式で近似される。
これにより、理論上でも導電性膜がある場合と無い場合とでは明らかに特性インピーダンスが変化することがわかる。以上は、マイクロストリップ線路の場合において、近似的に特性インピーダンスの変化を示した事例である。高周波伝送線路内にウェハ上に形成された導電性膜を関与させた場合、導電性膜がある場合と無い場合で、明らかに伝送線路の特性インピーダンスを変化させることができる。
伝送線路の特性インピーダンスの厳密な見積もりは、具体的な伝送線路の形状などによっても変化するため、その時々によって数値計算するなどして求めればよい。伝送線路の特性インピーダンスを求める計算方法は、市販の数値計算ソフトを使用することで容易に行うことができる。
伝送線路の特性インピーダンスが変化すると、高周波の伝送状態(すなわち入射電力や反射電力など)が変化することは自明である。また、高周波の伝送状態が変化することは、すなわち、途中経路の特性インピーダンスが変化することに対応している。よって、発振する高周波を変動させない限り、高周波の伝送状態の透過特性や反射特性などの変化を測定することは、伝送線路の特性インピーダンスの変化を測定することに対応している。
なお、研磨前後の導電性膜8がある場合と無い場合において入射電力と反射電力が大きく変化する周波数帯を予め評価し、この周波数帯の電力を供給し得る高周波発生手段であれば、ネットワークアナライザ以外の例えばインピーダンスアナライザ等も使用することができる。
次いで、高周波伝送線路23の他の構成例を図13の(a)、(b)、(c)を用いて説明する。同図(a)は高周波共振器、同図(b)は定在波形成器、同図(c)は導波管の各構成図である。
図13(a)は、高周波伝送線路23として高周波共振器、即ち前記図7に示した空洞共振器14を適用した構成例を示している。空洞共振器14は、一般には、円筒形状をしており、円筒体内で電磁波が共鳴することで増幅するように構成されたものである。円筒体の上部には、前記と同様に石英やテフロン(登録商標)等の不導体16が取り付けられ、円筒体の下側の面はピストン15の上面部で形成されている。ウェーハW上の導電性膜8が高周波的に空洞共振器14の上側の蓋を形成して、該導電性膜8の有無ないしは研磨途中の膜厚で高周波伝送線路23としての空洞共振器14の特性インピーダンスが変化する。
図13(b)は、高周波伝送線路23として定在波形成器26を適用した構成例を示している。前記空洞共振器14は円筒形であるが、定在波形成器26は、空洞部26aが方形形状に形成され、その空洞部26aで定在波が形成される。空洞部26aの上部には、前記と同様に不導体16が取り付けられ、空洞部26aの下側の面はピストン27の上面部で形成されている。ウェーハW上の導電性膜8が高周波的に定在波形成器26の上側の電磁波遮断板を形成している。そして、ウェーハW表面の導電性膜8が一部除去されてくると、定在波を形成するための電磁波遮断板が取り除かれ、そのウェーハWを通って電磁波が開放されていく。こうした現象により、高周波電磁波の定在波を形成するか否かで、高周波伝送線路23としての定在波形成器26の特性インピーダンスが大きく変化して導電性膜8が除去される直前の状態を精度よくモニタすることが可能となる。
図13(c)は、高周波伝送線路23として導波管28を適用した構成例を示している。導波管28の一端面(図の上面)にはアクリル窓29が形成され、ウェーハW上の導電性膜8が高周波的に、その一端面を構成し、該一端面の周りを金属材料で覆って導波管28が構成されている。即ち、ウェーハW表面の導電性膜8を一部に使用して導波管28を構成し、該導波管28に伝わる高周波の電磁波で高周波伝送線路23としての導波管28の特性インピーダンスを変化させ、その変化をモニタする方法である。研磨により導電性膜8が除去されると、導波管28を形成する一つの端面が排除されるため、導波管28を通る高周波の電磁波が一部開放されることになる。これによって、導電性膜8が除去される前と除去された後では明らかに導電性膜8を含む高周波伝送線路23としての導波管28の特性インピーダンスが変化する。その変化をモニタすることで、研磨終了時点を精度よく検出することが可能となる。
上記の他にも、レッヘル線、同軸ケーブル等で高周波伝送線路23を形成することも可能である。その際、ウェーハW表面の導電性膜8を一部の構成要素として特性インピーダンスが決定されるように構成する。
なお、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変をなすことができ、そして、本発明が該改変されたものにも及ぶことは当然である。
図は本発明の実施例に係る研磨終了予測・検出方法およびその装置を示すものである。
マイクロストリップラインが搭載された化学機械研磨装置の斜視図。 プラテンの上面部に搭載されたマイクロストリップラインとネットワークアナライザとの接続関係を示す構成図。 ネットワークアナライザに関する図であり、(a)はブロック図、(b)はSパラメータの測定モデルを示す図。 導電性膜が形成されたウェーハについてマイクロ帯における周波数の変化に対する透過係数及び反射係数の各変化特性例を示す特性図であり、(a)はCu膜についての変化特性例を示す特性図、(b)はTa膜等についての変化特性例を示す特性図、(c)はウェーハの有り、無しに対する変化特性例を示す特性図。 導電性膜の研磨除去の終了点検出方法例を示す図であり、(a)は透過係数の変化で見る方法例、(b)は反射係数の変化で見る方法例。 酸化膜での周波数に依存した反射係数の変化例を示す特性図。 高周波伝送線路の他の構成例である空洞共振器をプラテン内に組み込んだ状態を示す一部断面側面図。 高周波伝送線路の他の構成例である発信器と発信用アンテナ並びに受信器と受信用アンテナをプラテン内に組み込んだ状態を示す一部断面側面図。 特性インピーダンスが導電性膜で決定されるように加工装置内に組み込まれた高周波伝送線路に対しマッチングユニットを介してネットワークアナライザが接続された研磨終了予測・検出装置の構成例を示すブロック図。 高周波伝送線路として用いられるマイクロストリップラインの構成例を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は正面図。 図9における高周波伝送線路としてマイクロストリップラインを適用した例を示す構成図。 マイクロストリップラインを通る高周波電磁波の挙動を示す図であり、(a)はウェーハ無しの場合、(b)は導電性膜を有するウェーハ有りの場合、(c)はウェーハ有りだが導電性膜が表皮深さより薄い場合。 マイクロストリップラインを通る高周波電磁波の挙動を示す図であり、(a)はエェーハ上の導電性膜がある場合、(b)は導電性膜が研磨により除去された場合。 図9における高周波伝送線路の他の構成例を示す各構成図であり、(a)は高周波共振器、(b)は定在波形成器、(c)は導波管。
符号の説明
1 化学機械研磨装置(加工装置)
2 プラテン
3 研磨ヘッド
4 回転軸
5 モータ
6 研磨パッド
7 回転軸
8 導電性膜
9 マイクロストリップライン
9a グラウンドプレーン
9b 誘電体
9c ストリップ導体
10a 第1の電極
10b 第2の電極
11a 同軸ケーブル
11b 同軸ケーブル
12 ネットワークアナライザ
13 Sパラメータの測定モデル
14 空洞共振器
15 ピストン
16 不導体
17a 第1の結合部
17b 第2の結合部
18 発信器
19 発信用アンテナ
20 受信器
21 受信用アンテナ
22 金属遮蔽板
23 高周波伝送線路
24 マッチングユニット
25 ビニルフィルム
26 定在波形成器
27 ピストン
28 導波管
29 アクリル窓
W ウェーハ

Claims (8)

  1. ウェーハ表面の導電性膜を研磨除去しながら平坦化加工工程を行う加工装置における前記導電性膜の除去状態をモニタする研磨終了予測・検出方法であって、
    前記加工装置内に高周波伝送線路を形成し、前記導電性膜が該高周波伝送線路の特性インピーダンスを決定するように構成され、前記導電性膜を研磨除去していく過程で前記高周波伝送線路の特性インピーダンスが変化することによる高周波の伝送状態の変化をモニタして前記導電性膜の研磨状態をモニタすることを特徴とする研磨終了予測・検出方法
  2. ウェーハ表面の導電性膜を研磨除去しながら平坦化加工工程を行う加工装置における前記導電性膜の除去状態をモニタする研磨終了予測・検出方法であって、
    前記加工装置内に高周波伝送路を形成し、前記導電性膜が該高周波伝送線路の特性インピーダンスを決定するように構成され、前記導電性膜の研磨除去前後で該高周波伝送線路のインピーダンス整合状態が大きく変化するように該高周波伝送路を構成し、前記導電性膜を研磨除去していく過程で高周波の伝送状態の変化をモニタして前記導電性膜の研磨状態をモニタすることを特徴とする研磨終了予測・検出方法。
  3. 上記高周波の伝送状態の変化は、高周波の入射電力もしくは反射電力の少なくともいずれかの変化であることを特徴とする請求項1又は2記載の研磨終了予測・検出方法。
  4. ウェーハ表面の導電性膜を研磨除去しながら平坦化加工工程を行う加工装置における前記導電性膜の除去状態をモニタする研磨終了予測・検出方法であって、
    前記加工装置内にマイクロストリップライン、高周波を共振させる共振構造体、定在波形成構造体もしくは導波管のいずれかからなる高周波伝送線路を形成し、前記導電性膜が該高周波伝送線路の特性インピーダンスを決定するように構成され、前記導電性膜の研磨除去前後で前記高周波伝送線路のインピーダンス整合状態が大きく変化するように該高周波伝送線路を構成し、前記導電性膜を研磨除去していく過程で高周波の伝送状態の変化をモニタして前記導電性膜の研磨状態をモニタすることを特徴とする研磨終了予測・検出方法。
  5. ウェーハ表面の導電性膜を研磨除去しながら平坦化加工工程を行う加工装置における前記導電性膜の除去状態をモニタする研磨終了予測・検出方法であって、
    前記加工装置内にマイクロストリップライン、高周波を共振させる共振構造体、定在波形成構造体もしくは導波管のいずれかからなる高周波伝送線路を形成し、前記導電性膜が該高周波伝送線路の特性インピーダンスを決定するように構成されるとともに前記高周波伝送線路と該高周波伝送線路に高周波を供給する高周波発生源との間にインピーダンス整合を行うマッチングユニットを接続し、前記導電性膜を研磨除去していく過程で高周波の伝送状態の変化をモニタして前記導電性膜の研磨状態をモニタすることを特徴とする研磨終了予測・検出方法。
  6. ウェーハ表面の導電性膜を研磨除去しながら平坦化加工工程を行う加工装置における前記導電性膜の除去状態をその場でモニタする研磨終了予測・検出装置であって、
    前記加工装置内に高周波伝送線路を形成し、前記導電性膜が該高周波伝送線路内に形成され、前記導電性膜の有無ないしは研磨途中の膜厚で前記高周波伝送路の特性インピーダンスが変化するように構成し、研磨中、前記高周波伝送路に高周波電力を供給する高周波発生源を有し、前記導電性膜の研磨中、該導電性膜により決定される前記高周波伝送線路の特性インピーダンスが変化することによる高周波の伝送状態の変化を基にその場で研磨終了点を予測し検出するように構成したことを特徴とする研磨終了予測・検出装置。
  7. ウェーハ表面の導電性膜を研磨除去しながら平坦化加工工程を行う加工装置における前記導電性膜の除去状態をその場でモニタする研磨終了予測・検出装置であって、
    前記加工装置内にマイクロストリップライン、高周波共振器、定在波形成器もしくは導波管のいずれかからなる高周波伝送線路を形成し、前記導電性膜が前記高周波伝送線路内に形成され、前記導電性膜の有無ないしは研磨途中の膜厚で前記高周波伝送線路の特性インピーダンスが変化するように構成し、研磨中、前記高周波伝送線路に高周波電力を供給する高周波発生源を有し、前記導電性膜の研磨中、該導電性膜により決定される前記高周波伝送線路の特性インピーダンスが変化することによる高周波の伝送状態の変化を基にその場で研磨終了点を予測し検出するように構成したことを特徴とする研磨終了予測・検出装置。
  8. 上記高周波伝送線路としてのマイクロストリップラインが、絶縁基板もしくは誘電体基板上に形成された導電性パターンを用いて構成されていることを特徴とする請求項6又は7記載の研磨終了予測・検出装置。
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