JP5238675B2 - 収音装置、音声認識システム、及びマイクロホンアレーの取り付け構造 - Google Patents

収音装置、音声認識システム、及びマイクロホンアレーの取り付け構造 Download PDF

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本発明は、マイクロホンアレーを含む収音装置、収音装置を用いた音声認識システム、および移動体に対するマイクロホンアレーの取り付け構造に関する。
マイクロホンによる観測信号に対する信号処理を行って目的音声(ユーザ音声)を認識する音声認識システムではマイクロホンアレーが利用されている。マイクロホンアレーは、独立成分分析(ICA:Independent Component Analysis)、主成分分析(PCA:principal component analysis)等を用いた音源分離処理や、静的又は動的なビームフォーミングを行うために不可欠な要素である。
マイクロホンアレーを用いた音声認識システムは、ロボット及び自動車等の移動体に対するユーザの指示をハンズフリーで行う場合に有効である。しかしながら、音声認識システムをこれらの移動体に搭載する場合、移動体が持つモータ・エンジン等の動力源からの振動や、外界(路面、障害物等)との干渉に伴う振動がマイクロホンアレーに到達する。このため、マイクロホンアレーによる観測信号に対して振動音が雑音として混入することとなり、目的音声の認識率が低下するという問題がある。
上記の問題に対処するため、特許文献1並びに非特許文献1及び2は、振動センサ(加速度センサ等)や振動音用マイクロホンによって振動または振動音を観測し、観測結果を用いた信号処理によって振動音信号を生成し、目的音声(気伝導音)用のマイクロホンアレーによる観測信号から振動音信号を減算することで振動音を抑圧する音声認識システムを開示している。
特開2008−85613号公報
澤田紘志、他4名、"セミブラインド音源分離を用いたロボット音声対話システムのための内部雑音抑圧手法"、日本音響学会2009年秋季講演論文集、社団法人 日本音響学会、2009年9月、pp.655-658 川畑尚也、他2名、"遠隔発話音声受音における2chスペクトルサブトラクションに基づくシステム内部雑音抑圧法の評価"、日本音響学会2009年秋季講演論文集、社団法人 日本音響学会、2009年9月、pp.147-148
上述の各文献に開示された音声認識システムによれば、振動音の抑圧が可能となるため、目的音声の認識率の低下を抑制できる。しかしながら、上述の文献では、振動だけを観測可能な振動センサが必ず必要である。本願の発明者等は、マイクロホンアレーに対する目的音声の到来方向(DOA:Direction of Arrival)とマイクロホンアレーに対する振動の到来方向(DOA)との関係を適切に調整することによって、振動センサを用いることを必須とすることなく、振動音に起因する目的音声の認識率低下を容易に抑制できることを見出した。
目的音声のDOAと振動のDOAとの関係が調整されていないことによる問題点について以下に説明する。図6は、直線状マイクロホンアレーにおけるマイクロホン素子群の配列方向と信号到来方向との関係を説明するための図である。図6に示した直線状マイクロホンアレー9は、4つのマイクロホン素子911〜914を有する。マイクロホン素子911〜914の配列方向は、図6のXY面に含まれている。直線状マイクロホンアレー9で収音した場合、3次元上の点音源S1は、イクロホンアレー9が属するXY平面上の仮想的な点音源S2にマッピングされる。言い換えると、3次元上の点音源S1からマイクロホンアレー9に到来する音声信号は、XY平面上の音源S2から到来する音声信号と等価である。
図6に示したような直線状マイクロホンアレーの性質を考慮すると、これをロボット及び自動車等の移動体に搭載する場合には以下に述べる事象が発生し得る。図7(a)の例では、移動体のボディー80に振動抑圧部材92を介してマイクロホン素子911〜914が固定されている。マイクロホン素子911〜914は振動抑圧部材92から延びるステー931〜934によってそれぞれ支持されている。図7(a)の例では、移動体80との間に介在する振動抑圧部材92の長さ(高さ)は、マイクロホン素子911〜914の全てに共通である。また、ステー931〜934の長さも同一である。
図7(a)では、目的音声の3次元DOAをY軸方向としている。この場合、マイクロホン素子911〜914の配列方向(X軸方向)と目的音声の波面は平行となる。つまり、目的音声は、マイクロホン素子911〜914の全てに対して同位相で到達する。一方、移動体80から到達する振動についても、マイクロホン素子911〜914の全てに対して同位相で到達する。言い換えると、マイクロホン素子911〜914に到達する振動の波面もマイクロホン素子911〜914の配列方向(X軸方向)に対して平行である。移動体80との間に介在する振動抑圧部材92の長さ(高さ)がマイクロホン素子911〜914の全てに共通であり、かつ、ステー931〜934の長さも同一であるから、マイクロホン素子911〜914までの振動到達時間が実質的に同一となるためである。
マイクロホン素子911〜914に到達する目的音声の波面と振動の波面が共にマイクロホン素子911〜914の配列方向に対して平行である場合、図7(b)に示すように、マイクロホン素子911〜914が属する2次元平面にマッピングされた目的音声の2次元DOA及び振動の2次元DOAは同一方向となる。目的音声の2次元DOAと振動の2次元ODAが異なっていれば、マイクロホンアレー9の指向性を利用して目的音声の2次元DOAにマイクロホンアレー9のメインビームを向け、振動の2次元DOAに死角(ヌル点)を向けるようにすることで振動音の混入を効果的に抑制できる。しかしながら、図7(b)に示すように目的音声の2次元DOAと振動の2次元DOAが同じであると、マイクロホンアレー9の指向性を利用して振動音の混入を抑制することができない。
本発明は、発明者等による上述した知見に基づいてなされたものであり、ロボット及び自動車等の移動体に音声認識システムを搭載する場合に、移動体からの振動に起因する目的音声の認識率低下の抑制に寄与可能な収音装置、音声認識システム、及びマイクロホンアレーの取り付け構造の提供を目的とする。
本発明の第1の態様に係る収音装置は、マイクロホンアレー及び支持部材を含む。前記マイクロホンアレーは、複数のマイクロホン素子を含む。前記支持部材は、移動体に取り付け可能であり、前記複数のマイクロホン素子を支持するよう構成されている。さらに、前記支持部材は、前記移動体に取り付けられた状態で前記移動体から前記支持部材を介して前記複数のマイクロホン素子へ到達する振動の到達時間が、前記複数のマイクロホン素子に含まれる少なくとも第1及び第2のマイクロホン素子の間で異なるように決定された形状を有する。
前記第1及び第2のマイクロホン素子への振動到達時間に差が生じることで、前記マイクロホンアレーに入射する振動の波面を前記複数のマイクロホン素子の配列方向に対して非平行とすることができる。よって、例えば、前記複数のマイクロホン素子に入射する目的音声の波面が前記複数のマイクロホン素子の配列方向に対して平行となるように、言い換えると、目的音声の入射方向が前記複数のマイクロホン素子の配列方向に対して垂直となるように前記マイクロホンアレーを配置することで、前記複数のマイクロホン素子が属する2次元平面にマッピングされた目的音声の2次元DOAと振動の2次元DOAを異なる方向とすることができる。これにより、マイクロホンアレーの指向性を利用して振動を抑圧することが容易となる。
本発明の第2の態様に係る音声認識システムは、上述の第1の態様にかかる収音装置と、前記収音装置によって観測された音声信号に対する信号処理を行うことによって目的音声信号を取り出す信号処理部とを含む。
本発明の第3の態様は、マイクロホンアレーの取り付け構造に関する。当該構造は、移動体と、複数のマイクロホン素子を含むマイクロホンアレーと、前記移動体に取り付けられるとともに前記複数のマイクロホン素子を支持する支持部材を含む。ここで、前記支持部材は、前記移動体から前記支持部材を介して前記複数のマイクロホン素子へ到達する振動の到達時間が、前記複数のマイクロホン素子に含まれる少なくとも第1及び第2のマイクロホン素子の間で異なるように決定された形状を有する。
上述した本発明の各態様によれば、ロボット及び自動車等の移動体に音声認識システムを搭載する場合に、移動体からの振動に起因する目的音声の認識率低下の抑制に寄与することができる。
本発明の第1の実施の形態にかかる収音装置の取り付け構造の具体例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態における振動音の抑圧に適したマイクロホンアレーの指向性パターンの具体例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態にかかる収音装置を用いた音声認識システムの構成例を示すブロック図である。 移動体からの振動を効果的に抑圧可能な収音装置の取り付け構造の他の例を示す図である。 図4に示した例におけるマイクロホンアレーの指向性パターンの具体例を示す図である。 直線状マイクロホンアレーにおけるマイクロホン素子群の配列方向と信号到来方向との関係を説明するための概念図である。 移動体からの振動の抑圧に適していない収音装置の取り付け構造の一例を示す図である。
以下では、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
<第1の実施の形態>
図1(a)は、本実施の形態にかかる収音装置の移動体80への取り付け構造の具体例を示している。移動体80は、例えば、自律移動ロボット又は自動車である。図1(a)に示す収音装置は、マイクロホンアレー1、振動抑圧部材12、並びにステー131〜134を含む。マイクロホンアレー1は、直線上に配置された4つのマイクロホン素子111〜114を含む。振動抑圧部材12並びにステー131〜134は、マイクロホン素子111〜114を移動体80に取り付けるための"支持部材"である。振動抑圧部材12は、移動体80に取り付けられており、移動体80からマイクロホン素子111〜114に伝搬する振動を減衰させる。ステー131〜134は、振動抑圧部材12から延びており、マイクロホン素子111〜114を支持している。また、図1(a)では、マイクロホンアレー1に対する目的音声(ユーザ音声等)の入射方向(3次元DOA)は、マイクロホン素子1112〜114の配列方向(X軸方向)に垂直なY軸方向に設定されている。
図1(a)に示した取り付け構造と図7(a)に示した取り付け構造との相違点を以下に説明する。図1(a)では、マイクロホン素子111〜114のそれぞれと移動体80との間に介在する振動抑圧部材12の長さ(高さ又は厚さ)が異なっている。また、マイクロホン素子111〜114の直線配置を維持するために、ステー131〜134の長さも互いに異なるように調整されている。
振動抑圧部材12とステー131〜134は、材質が異なるため、移動体80から伝わる振動の伝搬速度も異なる。したがって、図1(a)に示すように、振動抑圧部材12の介在部分の長さ(高さ又は厚さ)をマイクロホン素子毎に異ならせることで、マイクロホン素子111〜114の間で振動到達時間を異ならせることができる。これにより、マイクロホン素子111〜114に到達する時の振動の波面を、移動体80から振動抑圧部材12へ入射する振動の波面から変更することができる。
一例として、移動体80から振動抑圧部材12へ入射する振動が平面波であると仮定する。この場合、移動体80から振動抑圧部材12へ入射する振動の波面がマイクロホン素子111〜114が属する平面(図1のXY平面)に平行であったとしても、マイクロホン素子111〜114に到達する時の振動の波面をマイクロホン素子111〜114が属する平面(図1のXY平面)に対して非平行とすることができる。言い換えると、マイクロホン素子111〜114への振動到達時間に時間差を設けることで、ある時点でマイクロホン素子111〜114に入射する振動の位相を素子間で異ならせることができる。
マイクロホン素子111〜114に入射する振動の位相を素子間で異ならせることによって、振動の2次元DOAを目的音声の2次元DOAと異なる方向とすることができる。図1(b)は、マイクロホン素子111〜114が属する2次元平面にマッピングされた目的音声の2次元DOA及び振動の2次元DOAを示す図である。例えば、図1(a)において振動抑圧部材12の振動伝搬速度がステー131〜134の振動伝搬速度より大きい場合、素子114に最も早く振動が到達し、素子111に最も遅く振動が到達する。この場合、図1(b)に示すように、振動の2次元DOAは、目的音声の2次元DOAに対して垂直な方向となる。
図1(b)に示したように、目的音声の2次元DOAと振動の2次元DOAが互いに異なる方向となるように調整できれば、マイクロホンアレー1の指向性を利用して振動音の混入を効果的に抑制できる。例えば、目的音声の2次元DOAにマイクロホンアレー1のメインビームを向け、振動の2次元DOAに死角(ヌル点)を向けるようにすることで振動音の混入を効果的に抑制できる。なお、マイクロホンアレー1の指向性は、素子間隔、増幅器、移相器、デジタルフィルタ等の調整によって静的に設定されてもよい。また、各マイクロホン素子の観測信号の振幅及び位相を変化させるための増幅器・移相器又はデジタルフィルタを適応させることによって、マイクロホンアレー1の指向性を動的に調整してもよい。
図2(a)〜(c)は、振動音の抑圧に効果的なマイクロホンアレー1の指向性ビームパターン200の具体例を示している。図2(a)は、目的音声の2次元DOAにメインビームを向け、振動の2次元DOA方向に死角を向けたビームパターン200を示している。目的音声の2次元DOAがマイクロホン素子111〜114の配列方向に対して垂直であり、かつ振動の2次元DOAがマイクロホン素子111〜114の配列方向に平行である図2(a)の例では、マイクロホンアレー1をブロードサイドアレー型としてもよい。
なお、固体中の振動の伝搬速度は、媒質(振動抑圧部材12、ステー131〜134、素子111〜114の筐体など)の温度等の条件によって変化する。また、マイクロホン素子の製造誤差も存在する。このため、振動の2次元DOAを厳密に制御することは容易でなく、振動の周波数成分毎にDOAが異なることが一般的である。図2(b)は、マイクロホン素子の誤差等によって、移動体80から到来する振動の2次元DOAの方位がビームパターン200の死角からずれている場合を示している。図2(b)の場合には、図2(a)の場合に比べて振動の抑圧性能が劣化し、マイクロホンアレー1の観測信号に振動音が混入する。しかしながら、図7(b)に示したように、目的音声と振動のDOAが同一となる場合に比べると、図2(b)の場合における振動音の混入レベルは小さい。よって、図2(b)に示すように、振動の2次元DOAが目的音声の2次元DOAに比べてマイクロホンアレー1の低利得な方位となるように決定されていれば、少なくとも図7(b)に比べると、ICA等のアルゴリズムを用いた音源分離処理を用いて目的音声を抽出することが容易となる。
さらに、ICA等による音源分離処理と、適応ビームフォーミングを組み合わせて行ってもよい。例えば、図2(c)に示すように、振動の2次元DOAの方位にビームパターン200の死角を向けるように適応処理を行えばよい。この適応処理には、公知の適応ビームフォーミング技術や到来方向推定技術(最小分散法、Null-Beamformer等)を利用すればよい。
図3は、図1(a)に示した収音装置を用いた音声認識システム100の構成例を示すブロック図である。4個のADコンバータ151〜154は、マイクロホンアレー1による4本の観測信号群X(t)(j=1、2、・・・4)のサンプリング行う。信号処理部16は、サンプリングされた観測信号群X(f、t)を入力し、これらの信号から目的音声としてのユーザ音声を分離する。図3は、信号処理部16がICAアルゴリズムによってユーザ音声分離する例である。信号処理部16は、ユーザ音声強調フィルタ部161及びICA部162を含む。ユーザ音声強調フィルタ部161及びICA部162は、信号群X〜Xに対して、ICAに基づくユーザ音声の強調処理を行う。図3において、Z(f,t)はユーザ音声と推定される分離信号であり、Z2(f,t)は背景雑音と推定される分離信号である。
なお、本実施の形態では、4つのマイクロホン素子111〜114と振動源である移動体80との間に介在する振動抑圧部材12の長さを、マイクロホン素子毎に段階的に異ならせる例を示した。これにより、4つのマイクロホン素子111〜114の間で振動到達時間が段階的に異なるようにできる。よって、図1(b)に示したように、目的音声の2次元DOAと振動の2次元DOAを大きくずらすことができる。しかしながら、目的音声の2次元DOAと振動の2次元DOAの角度差が小さくてもよい場合には、マイクロホン素子111〜114のうち少なくとも2つの素子間で振動到達時間に差が生じるようにすればよい。
また、本実施の形態では、マイクロホンアレー1に含まれるマイクロホン素子の数が4個である例を示したが、マイクロホン素子数は2以上の任意の数でよい。
また、図3には、一例としてICAアルゴリズムを利用する例を示したが、目的音声を分離・強調するための信号処理アルゴリズムとしてICA以外の他の手法を用いてもよい。
また、本実施の形態で述べた収音装置の取り付け構造は、特許文献1並びに非特許文献1及び2に開示されている音声認識システムに適用してもよい。つまり、振動センサ(加速度センサ等)や振動音用マイクロホンによって振動または振動音を観測するとともに、目的音声(気伝導音)用のマイクロホンアレーによる観測信号から振動音信号を減算することで振動音を抑圧する音声認識システムにおいても、本実施の形態で述べた取り付け構造を適用することで移動体80からの振動音の抑圧が容易となる。
<その他の実施の形態>
上述した第1の実施の形態では、マイクロホン素子111〜114と移動体80との間に介在する振動抑圧部材12の長さ及びステー131〜134の長さをマイクロホン素子毎に異ならせることで、マイクロホン素子111〜114の直線配置を維持したまま、マイクロホン素子毎の振動到達時間に時間差を設ける例を示した。しかしながら、以下に述べるようなマイクロホンアレーの取り付け構造によっても、マイクロホン素子毎の振動到達時間に時間差を設けることが可能である。これにより、アレー平面にマッピングされた振動の2次元DOAを目的音声の2次元DOAと異なる方向とすることができる。
例えば、振動抑圧部材12の介在長は全てのマイクロホン素子111〜114の間で同一とし、ステー131〜134の長さをそれぞれ異ならせてもよい。このとき、マイクロホン素子111〜114の直線配置を維持したまま、ステー131〜134の長さを互いに異ならせればよい。例えば、ステー131〜134の形状をジグザグ形状または螺旋形状とすればよい。
また、マイクロホン素子111〜114の配列方向と、移動体80の取り付け面を非平行とすることで、ステー131〜134の長さをマイクロホン素子毎に異ならせてもよい。
振動抑圧部材12は、複数の分割された部材を含んでもよい。例えば、図1において、振動抑圧部材12は、マイクロホン素子111〜114それぞれに対応して4つの部材に分割されていてもよい。
さらに、本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、既に述べた本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
<参考例>
最後に参考として、目的音声の2次元DOAと振動の2次元DOAを異なる方向に調整可能な、上述した本発明の実施の形態とは異なる収音装置の取り付け構造について説明する。図4(a)は、参考例に係る収音装置の取り付け構造を示す図である。図4(a)のマイクロホンアレー2は、マイクロホン素子211〜214の配列方向が目的音声のDOAに対して平行となるように配置されている。つまり、マイクロホンアレー2は、マイクロホン素子211〜214の配列方向にメインビームを持つエンドファイヤアレー型である。典型的なエンドファイヤアレーでは、隣接するマイクロホン素子間の間隔がλ/4に調整される。ここで、λは目的音声の波長である。
振動抑圧部材22並びにステー231〜234は、マイクロホン素子211〜214を移動体80に取り付ける際の"支持部材"である。振動抑圧部材22は、移動体80に取り付けられており、移動体80からマイクロホン素子211〜214に伝搬する振動を減衰させる。ステー231〜234は、振動抑圧部材22から延びており、マイクロホン素子211〜214を支持している。
図4(a)の例では、目的音声は、マイクロホン素子211〜214の間でπ/2ずつの位相差を持って観測される。一方、移動体80から伝搬する振動は、マイクロホン素子211〜214によって実質的に同位相で観測される。したがって、マイクロホン素子121〜214が属する2次元平面(図4のXY平面)にマッピングされた振動の2次元DOAは、目的音声の2次元DOAと異なる方向となる。図4(b)は、マイクロホン素子211〜214が属する2次元平面にマッピングされた目的音声の2次元DOA及び振動の2次元DOAを示す図である。図4(b)に示したように、目的音声の2次元DOAと振動の2次元DOAが互いに異なる方向となるように調整できれば、マイクロホンアレー2の指向性を利用して振動音の混入を効果的に抑制できる。
図5(a)〜(c)は、振動音の抑圧に効果的なマイクロホンアレー2の指向性ビームパターン500の具体例を示している。図5(a)は、目的音声の2次元DOAにメインビームを向け、振動の2次元DOA方向に死角を向けたビームパターン500を示している。図5(b)は、マイクロホン素子の誤差等によって、移動体80から到来する振動の2次元DOAの方位がビームパターン500の死角からずれている場合を示している。図5(c)は、適応処理を行うことによって、振動の2次元DOAの方位に死角を向けるようにビームパターン500を適応させた例を示している。
1、2 マイクロホンアレー
111〜114 マイクロホン素子
12 振動抑圧部材
131〜134 ステー
151〜154 A/Dコンバータ
16 信号処理部
161 ユーザ音声強調フィルタ部
162 ICA(独立成分分析)部
80 移動体
200 ビームパターン
500 ビームパターン
2 マイクロホンアレー
211〜214 マイクロホン素子
22 振動抑圧部材

Claims (13)

  1. 複数のマイクロホン素子を含むマイクロホンアレーと、
    移動体に取り付け可能であり、前記複数のマイクロホン素子を支持する支持部材と、
    を備え、
    前記支持部材は、前記移動体に取り付けられた状態で前記移動体から前記支持部材を介して前記複数のマイクロホン素子へ到達する振動の到達時間が、前記複数のマイクロホン素子に含まれる少なくとも第1及び第2のマイクロホン素子の間で異なるように決定された形状を有する、収音装置。
  2. 前記第1及び第2のマイクロホン素子への前記振動の到達時間が異なることによって、前記複数のマイクロホン素子を含む平面にマッピングされた前記振動の到来方向が、前記マイクロホンアレーによる検出対象である目的音声の到来方向と異なる方向となる、請求項1に記載の収音装置。
  3. 前記支持部材の形状は、前記複数のマイクロホン素子を含む平面にマッピングされた前記振動の到来方向が前記目的音声の到来方向に比べて前記マイクロホンアレーの低利得な方向となるように決定されている、請求項2に記載の収音装置。
  4. 前記支持部材は、前記移動体側に配置される第1の部材と、前記第1の部材から延びるとともに各々が前記複数のマイクロホン素子のいずれかを支持する複数の第2の部材とを備え、
    前記第1の部材と前記第2の部材は前記振動の伝搬速度が互いに異なり、
    前記第1の部材は、前記第1のマイクロホン素子と前記移動体の間に介在する部分の長さと、前記第2のマイクロホン素子と前記移動体の間に介在する部分の長さが異なることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の収音装置。
  5. 前記第1のマイクロホン素子を支持する前記第2の部材と前記第2のマイクロホン素子を支持する前記第2の部材の長さが異なることを特徴とする、請求項4に記載の収音装置。
  6. 前記第1の部材は、マイクロホン素子毎に分割された複数の分割部材の各々が前記第2の部材を介して各マイクロホン素子を支持する構造を有する、請求項4又は5に記載の収音装置。
  7. 前記第1の部材は、前記振動を減衰させる振動抑圧部材である、請求項4〜6のいずれか1項に記載の収音装置。
  8. 前記支持部材は、前記第1のマイクロホン素子と前記移動体の間に介在する部分の長さと、前記第2のマイクロホン素子と前記移動体の間に介在する部分の長さが異なることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の収音装置。
  9. 前記マイクロホンアレーは、前記複数のマイクロホン素子が直線上に配置された直線状マイクロホンアレーである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の収音装置。
  10. 前記マイクロホンアレーは、前記複数のマイクロホン素子の配列方向と垂直な方向にメインビームを形成するブロードサイドアレーである、請求項9に記載の収音装置。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の収音装置と、
    前記収音装置によって観測された音声信号に対する信号処理を行うことによって目的音声信号を取り出す信号処理部と、
    を備える音声認識システム。
  12. 移動体と、
    複数のマイクロホン素子を含むマイクロホンアレーと、
    前記移動体に取り付けられ、前記複数のマイクロホン素子を支持する支持部材と、
    を備え、
    前記支持部材は、前記移動体から前記支持部材を介して前記複数のマイクロホン素子へ到達する振動の到達時間が、前記複数のマイクロホン素子に含まれる少なくとも第1及び第2のマイクロホン素子の間で異なるように決定された形状を有する、マイクロホンアレーの取り付け構造。
  13. 前記移動体はロボット又は自動車である、請求項12に記載のマイクロホンアレーの取り付け構造。
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