JP5236634B2 - リン酸若しくはホスホン酸塩を用いる非活性化重合触媒の中和 - Google Patents

リン酸若しくはホスホン酸塩を用いる非活性化重合触媒の中和 Download PDF

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Description

本発明は新規非活性化触媒中和剤を用いてオレフィンポリマーを調製するための方法に関する。オレフィンポリマー、例えば、ポリエチレン及びポリプロピレンは、しばしば、遷移金属含有重合触媒を用いて生成され、それにより少量の触媒残渣がポリマー中に残される。そのような残渣は、典型的には、反応器外での重合の継続を防止するため、非活性化される。活性遷移金属触媒の非活性化は相当量の酸性化合物及びハライド含有化合物、例えば、塩化水素を生じる。これはポリマー中での色塊(color body)形成及び処理装置の腐食を生じる可能性がある。そのような混入物の中和は、一般には、少量の酸中和性化合物、例えば、弱酸のアルカリ土類金属塩、例えば、脂肪酸カルシウム塩、例えば、ステアリン酸カルシウムをポリマー中に含めることによって達成される。これは、通常、その添加物を重合反応器から排出される混合物と、揮発分除去若しくはポリマー回収の前に混合することによって達成される。
様々な触媒非活性化剤が従来技術において用いられ、若しくは公開されており、これには、アルコール、フェノール、ジオール、ポリオール、サッカライド、エーテル、エポキシド、アルデヒド、ケトン、カルボン酸、ポリ酸及び酸無水物若しくはエステルから選択される非揮発性成分と場合により組み合わされた、CO若しくはCO2及びヒドロキシル若しくはカルボキシル基含有化合物、例えば、水若しくは水放出性化合物が含まれる。適切な中和性化合物には、アミン;脂肪酸塩;及びポリ(オキシアルキレン)化合物の塩が含まれる。前記組成物を開示する参考文献には、EP−67,645、EP−71,252、GB−2,132,214、EP−A−140131、WO92/14766及びWO03/55920が含まれる。
不都合なことに、従来の中和剤は長期間にわたる分解若しくは酸化に影響されやすいことが証明されている。加えて、脂肪族カルボン酸塩若しくはそれらの加水分解性生物を含む前記化合物のある一定のものは、一般には、ポリマーに比較的不溶性であり、有効性を低下させることになる。これは所望の利益を達成する場合により多量の添加物を使用することを必要とし、経費の増加を招くことになる。加えて、そのような添加物は次の溶融形成プロセスの際にポリマーから分離して表面に移動する傾向にあり、そこでポリマー物品の望ましい特性若しくは美観を損ね、望ましいポリマー配合物若しくは組成物の添加物若しくは他の成分と反応し、又は処理装置上に析出する。加えて、カルボン酸塩は比較的揮発性であって揮発分除去装置及び関連装置内で凝縮される傾向にあり、腐食及び汚染若しくは詰まりにつながり、反応器リサイクル及び生成後に装置の頻繁な洗浄が必要となる。
リン酸若しくはホスホン酸塩を含む抗酸化剤は、塗料、化粧品配合物、食材及びポリマーを含む有機材料を酸化から保護するための公知の添加物である。多くのそのような化合物若しくは化合物の組み合わせが市販品として入手可能であり、かつ当分野において開示される。例には以下が含まれる。トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト(Irgafos(商標)168)、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジイルビスホスホナイト(IRGANOX(商標)P−EPQ)及びカルシウムビス(((3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル)メチル)エチルホスホネート)(IRGANOX(商標)1425)。
一般には、抗酸化剤は、酸化による有機材料、処方物及び天然産物の劣化を遅延させるのに用いられる添加物の一クラスである。抗酸化剤の保護を欠くポリマーに関しては、分子量の損失、鮮やかさ、変色、架橋形成及び他のポリマー特性の劣化が生じ得る。そのような劣化の機構の1つには、加熱、紫外線、機械的剪断若しくはポリマー中の不純物の結果として形成される、フリーラジカルの生成が含まれるものと考えられる。1つの可能性のある経路には、それによってフリーラジカルが酸素と反応してペルオキシラジカルが形成され、それが次にポリマーの利用可能な水素原子と反応して不安定なヒドロペルオキシド及びフリーラジカルの再循環が形成される、一連の反応が含まれる。抗酸化剤が存在しない状態では、これらの反応が自己増殖するようになり、ポリマーの劣化につながる。
抗酸化剤は、一次及び二次と呼ばれる、2つの基本原理に従って作動するものと思われる。一次抗酸化剤は、活性水素を所望の生成物の水素原子に優先的に供与することにより、フリーラジカル及びペルオキシラジカルを妨害して安定化する。ヒンダードフェノール及び芳香族アミンがそのような一次抗酸化剤の2つの主なタイプを代表する。二次抗酸化剤は、フリーラジカルの熱分解及び生成の効率的な代替物によって上で参照されるヒドロペルオキシドを熱的に安定な非ラジカル非反応性生成物に分解することにより、さらなるフリーラジカルの形成を防止する。ホスファイト及びチオエステルが二次抗酸化剤として動作する官能基の例である。一次及び二次抗酸化剤はしばしば組み合わせて用いられており、ある一定の化合物は両官能基を同じ分子内に含み、それにより一次及び二次抗酸化特性を1つの化合物に合体させている。
抗酸化添加物に加えて従来技術の酸中和添加物の特性を得るために揮発分除去の前にポリマー生成物に添加することができる適切な添加物が提供されるのであれば、それが望ましい。特に、それらの使用における有害な結果を減少若しくは除去しつつ酸性触媒残渣の中和と同等若しくは改善された性能を達成し、同時に、得られたポリマーに抗酸化特性を組み込むことが望ましい。触媒中和残渣の蓄積による揮発分除去装置及び関連搬送装置の腐食、詰まり及び/若しくは汚染を、同時に抗酸化特性をポリマー組成物に付与し、かつ従来の酸中和化合物の有害な結果のいくらか若しくはすべてを除去しながら減少させることが、大いに望まれる功績である。
発明の要約
本発明は、重合反応器から排出されるオレフィンポリマー流中の活性触媒種を非活性化し、かつ触媒残渣を中和し、それにより抗酸化特性をオレフィンポリマーにさらに付与するための方法であって、触媒非活性化剤及びリン酸若しくはホスホン酸のアルカリ土類金属塩を、各々、少なくともポリマー流中の活性触媒種を非活性化し、かつ触媒残渣を中和するのに十分な量で、それぞれ、重合反応器から排出されるオレフィンポリマー流に添加し、その後得られたポリマー生成物を回収することを含む方法を提供する。
他の実施形態において、本発明は、オレフィン生成及び回収装置の腐食、詰まり若しくは汚染を、重合反応器から排出されるオレフィンポリマー流中の活性触媒種を非活性化し、かつ触媒残渣を中和しながら減少させるための方法であって、オレフィンポリマー流に触媒非活性化剤及びリン酸若しくはホスホン酸のアルカリ土類金属塩を添加し、その後得られたポリマー生成物を回収することを含む方法を提供する。
最後の実施形態において、本発明は、前述の実施形態のいずれか1つによる方法であって、非活性化剤及びリン酸若しくはホスホン酸のアルカリ土類金属塩をオレフィンポリマー流に添加する前に組み合わせ、その後に、ポリマー生成物の回収の前に、該組み合わせをオレフィンポリマー流と、好ましくはその混合物を1つ又はそれ以上の静的混合要素を通過させることにより、混合する方法を提供する。
本発明のリン酸若しくはホスホン酸塩を非活性化触媒中和剤及び抗酸化剤として用い、かつそれらをポリマー回収の前に、特に、揮発分除去による回収の前に添加することにより、従来の酸中和組成物の使用と比較して、抗酸化特性をポリマーに同時に付与しながら、酸性が低下している生成物を得ることがわかっている。さらに、装置の汚染、詰まり及び腐食がプロセス再循環流中の酸、特に、HClの減少のために非常に減少し、中和性添加物若しくは抗酸化剤のポリマーへの別々の添加を排除できることが発見されている。さらに、得られたポリマー組成物は改善された特性を有し、特に、添加物の移動若しくは析出が減少し、初期及びエージング後の両方の色塊形成が減少し、電気特性、特に、誘電率が改善され、かつ添加物、例えば、色素、着色料、染料及び光安定化剤との反応性が低下する。
触媒非活性化剤添加が中和剤添加の前に生じる、本発明による重合方法の模式図である。 触媒非活性化剤添加及び中和剤添加が同時に生じる、本発明による重合方法の模式図である。
発明の詳細な説明
米国特許実務の目的上、本明細書で参照されるあらゆる特許、特許出願若しくは刊行物は、特に合成技術、原料及び当分野における一般知識に関して、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる(又はそれらの等価の米国版が参照によりそのように組み込まれる)。特段記載がなく、文脈から暗示され、若しくは当分野における慣習ではない限り、すべての部及びパーセントは重量基準である。
本明細書に現れる場合、「含む」という用語及びそれらの派生語は、任意の追加の成分、工程若しくは手順の存在を、それらが本明細書に開示されているか否かに拘わらず、排除しようとするものではない。いかなる疑惑をも回避するため、「含む」という用語を用いることによってここで主張されるすべての組成物は、特段記載がない限り、任意の追加の添加物、補助剤若しくは化合物を含む。対照的に、「〜から本質的になる」という用語は、本明細書に現れる場合、それにその後列挙される任意のものの範囲から、実施可能性に必須ではないものを除いて、任意の他の成分、工程若しくは手順を排除する。「〜からなる」という用語は、用いられる場合、具体的に描写若しくは列挙されていない任意の成分、工程若しくは手順を排除する。「又は(若しくは)」という用語は、別段の記載がない限り、個別にそして任意の組み合わせで列挙される構成要素を指す。
本発明は、好ましくは、オレフィンポリマーの生成方法であって、オレフィンモノマーを重合域内で、遷移金属化合物を含む触媒の存在下で重合してオレフィンポリマーを形成する工程並びに重合域の最後若しくは下流で前に開示されるアルカリ土類金属リン酸塩を含有する組成物を添加する工程並びに得られたポリマー生成物を、好ましくは揮発分除去により、回収する工程を含む方法を提供する。さらにより好ましくは、添加物組成物は本質的若しくは全体がアルカリ土類金属リン酸塩からなる。
本明細書で用いる場合に適するアルカリ土類金属リン酸若しくはホスホン酸塩は下記式に相当する化合物である。
(式中、
1は2価酸素若しくはヒドロカルビレン基;好ましくは、C1-4アルキレン若しくはアリーレン、最も好ましくは、メチレンであり;
2はC1-4アルキル、好ましくは、エチルであり;
3は、各々が存在する場合、個別に、C1-20アルキル、好ましくは、C4-20二級若しくは三級アルキル、最も好ましくは、t−ブチルであり;
Xは酸素若しくはイオウ、好ましくは、酸素であり;並びに
Mはアルカリ土類金属カチオン、好ましくは、Ca+2である)
好ましい化合物はホスホン酸塩である。最も好ましいアルカリ土類金属ホスホン酸塩は、Ciba Corporationから市販品として入手可能なカルシウムビス(((3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル)メチル)−エチルホスホネート)(IRGANOX(商標)1425)である。
本明細書で用いるためのオレフィンポリマーには、1種又はそれ以上のオレフィンの付加重合によって形成される任意のポリマー、特に、1種又はそれ以上のC2-10α−オレフィンのホモポリマー及びインターポリマーが含まれる。例には、エチレン、プロピレン、1−ブテン若しくは4−メチル−1−ペンテンのホモポリマー;エチレンと1種又はそれ以上のC3-10α−オレフィン若しくはスチレンとのインターポリマー;2種又はそれ以上のC3-10α−オレフィンのインターポリマー;エチレン、1種又はそれ以上のC3-10α−オレフィン及び、場合により、スチレン若しくはC4-20ジオレフィンのインターポリマー;並びに1種又はそれ以上のC3-10α−オレフィンとスチレン、C4-20ジオレフィン若しくはスチレンとC4-20α−オレフィンとの混合物とのインターポリマーが含まれる。適切なインターポリマーには、複数のモノマー残留物を各ポリマー鎖内に含む、ブロック若しくはランダムコポリマー;別に調製されたポリマーから懸垂する1種又はそれ以上のモノマーのポリマーセグメントを含むグラフトコポリマー;及び個別のポリマー成分の混合物を含むコポリマー配合物、例えば、比較的弾性のポリマーの閉塞物若しくは領域を伴う比較的結晶性のポリマー成分のマトリックスを含む配合物若しくは2種又はそれ以上のオレフィンポリマーの均一配合物が含まれる。
本明細書で用いる上で好ましいオレフィンポリマーは、アイソタクチックポリプロピレン、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)及び高密度ポリエチレン(HDPE)である。非常に好ましいオレフィンポリマーは、エチレンを1つ又はそれ以上のC3-10α−オレフィン、特に、1−ブテン、1−ヘキセン若しくは1−オクテンと、遷移金属含有触媒を用いることによって共重合させることにより生成される、LLDPE樹脂である。好ましくは、これらのポリマーは0.85〜0.98g/cc、より好ましくは、0.87〜0.95g/ccの密度及び60,000〜200,000の重量平均分子量(Mw)を有する。
非常に好ましいオレフィンポリマーは、1種又はそれ以上の遷移金属誘導体を含む触媒及び共触媒若しくは賦活剤を用いることによって調製される。適切な遷移金属は元素周期律表の3〜10族の金属である。適切な化合物の例には、ハロゲン化チタン、ハロゲン化バナジウム、オキシハロゲン化バナジウム等若しくは酸化物、例えば、三酸化クロム、三酸化モリブデン等が含まれる。混合オキシハロゲン化物、ヒドロカルビルオキシド、混合ハロゲン化物及びヒドロカルビルオキシドも有利に用いることができる。共触媒若しくは賦活剤として、有機アルミニウム化合物、例えば、トリアルキルアルミニウム、塩化ジアルキルアルミニウム、混合有機アルミニウム−マグネシウム錯体又はポリマー性若しくはオリゴマー性アルミニウムオキシアルコキシド、例えば、メチルアルモキサンを用いることができる。
適切な触媒には、少なくとも1つの非局在化π−電子含有配位子若しくは電子供与体配位子を有する遷移金属を含む錯体に加えて、チーグラー・ナッタ触媒及びフィリップス型触媒の両方が含まれる。適切な化合物には、メタロセン、ハーフメタロセン、拘束幾何構造触媒、シングルサイト触媒及びポストメタロンセン若しくは供与体錯体が含まれ、その合成及び使用は当業者には周知である。
好ましくは、本発明において用いられるオレフィンポリマーは、ハロゲン、元素周期律表の3〜6族の遷移金属並びに、場合により、マグネシウム及び/若しくはアルコキシドを含む触媒組成物;並びに有機アルミニウム共触媒、特に、チーグラー・ナッタ若しくはフィリップス型触媒を用いることによって調製される。
本発明の方法はいくつかの異なる重合技術のいずれかと共に行うことができる。適切な技術には、バルク重合、懸濁重合、スラリー重合、気相重合、溶液重合及び高圧重合が含まれる。そのような技術を代表するものは、例えば、1種又はそれ以上のオレフィンを、不活性炭化水素溶媒の存在下、得られたポリマーの軟化点を上回る、好ましくは、その融点を上回る平均重合温度、典型的には、80〜300℃、好ましくは100〜300℃、最も好ましくは130〜275℃で重合させる溶液重合法である。重合圧は、典型的には、1〜10MPaである。遷移金属触媒を用いる高温高圧重合法の例は、エチレン若しくはエチレンと1種又はそれ以上のα−オレフィンとの混合物を、遷移金属重合触媒を供給することにより、130〜300℃の重合温度、10〜300MPaの重合圧で重合させるものである。溶液若しくはスラリー重合技術において用いられる不活性炭化水素希釈剤には、ブタン、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、ノナン、デカン、ドデカン及びそれらの混合物が含まれる。水素若しくは他の連鎖移動剤及び重合温度がオレフィンポリマーの分子量の制御に典型的に用いられる。
本発明の方法においては、複数の重合工程を、各々が同じ又は異なるタイプの触媒を用いる、連続若しくは平行重合域において行うことができる。本発明の中和組成物は重合工程のいくつか若しくはすべてにおいて用いることができるが、望ましくは、ポリマーは最終重合から排出される後まで回収されることがなく、その後直ちに合わせたポリマー生成物流が回収される。USP5,869,575は、組成及び分子量分布が制御されたポリマー組成物の調製方法であって、直列若しくは平行に接続された別々の反応器内の少なくとも1種類の均一重合触媒及び少なくとも1種類の不均一重合触媒を用いる方法を記載する。
好ましい方法によると、エチレン及び、場合により、他のオレフィンを溶液法で、溶液重合条件の下、不均一若しくは均一触媒組成物を収容する少なくとも1つの反応器において重合させ、次にこのポリマー溶液を、不均一チーグラー触媒、エチレン及び、場合により、他のα−オレフィンを収容する少なくとも1つの他の反応器に溶液重合条件の下で通過させてさらなるポリマーを形成し、溶媒をポリマー溶液から除去してポリマー組成物を回収する。用いられる均一触媒は、望ましくは、前述のメタロセン若しくはポストメタロセン化合物である。
本発明によると、触媒非活性化組成物は重合域の最後若しくは重合域の下流で添加される。重合の完了後に重合反応器若しくは域から現れる反応混合物はオレフィンポリマー、未変化モノマー、その一部が依然として活性であり得る重合触媒及び、場合により、そのような希釈剤若しくは溶媒が用いられるときには、不活性炭化水素希釈剤若しくは溶媒を含む。適切な非活性化剤若しくは触媒「失活剤(kill agents)」には、水、水放出剤、CO、CO2、アルコール若しくは当分野において従来開示される他の適切な薬剤が含まれる。最も好ましい触媒失活剤は水である。
ポリマーが形成された後に遷移金属触媒若しくはその分解産物を不活性化するため、失活剤の添加と同時に、若しくはそれにその後、及び揮発分除去若しくは他の回収装置に入る前の時点で、リン酸若しくはホスホン酸塩を反応混合物と混合する。前述のように、好ましい実施形態においては、触媒非活性化剤及び本発明のリン酸若しくはホスホン酸塩を、好ましくは、得られた溶液若しくは分散液を重合反応器から排出されるポリマー流に添加する前に合わせる。適切な接触時間は触媒非活性化及び酸種の中和の実質的な完了がもたらされるように選択され、好ましくは、1秒間〜10分間である。混合は、重合域の出口の前、出口若しくは出口の後のいずれかであり得る、典型的には、存在するのであれば、重合域及び重合最終工程の間、例えば、ポリマー分離器に配置される減圧弁によって形成される、場所で行うことができる。混合方法に関しては、ポリマー処理流及び本発明の中和剤/抗酸化剤流を、その2つの流れを1つの流れに合わせることによって単純に混合することができる。代替的には、触媒成分若しくはそれらの分解産物を本発明の組成物と迅速に接触させることができる限り、任意の他の方法を利用することができる。ポリマー回収の前に生成物流及び添加物流の十分な混合が生得的に得られない場合、強制混合手段、例えば、1つ又はそれ以上のスタティックミキサー若しくはインラインミキサーを用いることが有利であることが見出されている。
未反応モノマー及び任意の溶媒若しくは希釈剤からのポリマーの分離は、典型的には、混合物の温度を上昇させ、若しくは圧力を低下させ、若しくはその両方で、モノマー及び希釈剤をフラッシュ除去(flash off)することによって行う。1つ又は2つ若しくはそれ以上のそのような分離工程を順番に行うことができる。これらのプロセスにおいて、中和された触媒残渣に加えて本発明のリン酸若しくはホスホン酸塩又はそれらの組み合わせ反応生成物は、未反応モノマー、希釈剤及び他の気体がそこから除去されるのに対して、溶融ポリマー流内に留まる。連続プロセスにおいては、未反応モノマー、任意の希釈剤及び他の気体を分離し、所望により、場合により精製し、かつそれらのプロセスに再び再循環させることができる。特に、再循環流中の中和された触媒残渣若しくは未反応中和剤、特に脂肪酸塩の伴出が本発明によって実質的に減少する。
リン酸若しくはホスホン酸塩は、そのままの形態での、若しくは不活性希釈剤中の溶液若しくは分散液としてのそれらを揮発分除去の前にポリマー流と合わせることによって単純に混合する。本発明の好ましい実施形態に従って、部分的に、若しくは完全に水に可溶である、リン酸若しくはホスホン酸塩を用いることにより、その化合物を好ましい失活剤である水と組み合わせて添加することができる。このようにすることで、その水性成分が触媒失活剤として作用し、かつリン酸若しくはホスホン酸塩が任意の酸性副生物を同時に中和する。適切な水性分散液若しくは溶液は0.1〜60重量パーセントのリン酸若しくはホスホン酸塩を含む。
本発明の方法を添付の図を参照することによってさらに説明することができる。図1においては、関連モノマー供給部1、溶媒供給部2、触媒供給部3及び共触媒供給部4を有する反応器ユニット10を含む重合プロセスが図式形態で示される。複数の反応器がこの反応器ユニットを含むことができることは理解される。ポリマー含有反応混合物はこの反応器ユニットから排出され、供給部11からの触媒非活性化剤と合わせられた後、好ましくは1つ又はそれ以上のスタティックミキサーを含む、ミキサーユニット20に入る。ミキサーユニットから排出された後、供給部21からの中和剤/抗酸化剤が反応混合物と合わせられ、得られた混合物が揮発分除去ユニット30に供給される。反応混合物の揮発性成分は、1つ又はそれ以上の段階を含み得る、この揮発分除去ユニットによって分離され、回収されて、導管31により、反応器ユニット10に搬送される。非活性化され、かつ中和された触媒残渣及び抗酸化剤を含む、回収されたポリマー生成物は、放出部33で取り出される。他の添加物、例えば、1つ又はそれ以上の安定化剤若しくはさらなる抗酸化剤を供給部21から仕込むこともできる。
図2においては、関連モノマー供給部1、溶媒供給部2、触媒供給部3及び共触媒供給部4を有する反応器ユニット10を含む類似の重合プロセスが示される。ポリマー含有反応混合物は反応器ユニットから排出され、供給部11からの触媒非活性化剤及び供給部14からの中和剤/抗酸化剤を混合することから生じる合体流13と合わせられた後、ミキサーユニット20に入る。このミキサーユニットから排出された後、得られた混合物は揮発分除去ユニット30に供給される。反応混合物の揮発性成分は揮発分除去ユニットによって分離され、回収されて、導管31により、反応器ユニット10に搬送される。非活性化され、かつ中和された触媒残渣及び抗酸化剤を含む、回収されたポリマー生成物は、放出部33で取り出される。他の添加物、例えば、安定化剤若しくは1つ又はそれ以上のさらなる抗酸化剤を供給部14から仕込むこともできる。
得られたオレフィンポリマーは、通常の添加物、例えば、安定化剤、UV−吸収剤、帯電防止剤、粘着防止剤、潤滑剤、色素、無機若しくは有機充填剤、難燃性化合物、ドリップ防止剤又はさらなるポリマー、例えば、ゴム若しくはフッ化ポリマー、特に、フルオロエラストマーと、場合により界面剤、例えば、ポリ(オキシアルキレン)ポリマーとの組み合わせで、配合することができる。通常、そのようなさらなる添加物は1つ又はそれ以上の次の配合プロセスにおいて望ましく添加されるが、1種又はそれ以上のそのような添加物の、本発明の触媒中和剤及び抗酸化剤の添加と同時の添加を本発明の範囲から逸脱することなしに用いることができる。そのような添加物若しくは薬剤との相互作用若しくは干渉の減少が本発明によって達成される。非常に好ましくは、本発明のホスホン酸塩がポリマーに添加される唯一の抗酸化剤である。重合反応器から排出されるポリマー流にそれが添加されるため、抗酸化剤の完全な組み込みがそのポリマープロセスにおいて可能なより早い時点で達成され、それにより回収段階の間でのポリマーの劣化が減少し、かつ得られたポリマーへの抗酸化剤の完全で均一な組み込みが達成される。それにより、ポリマーの劣化及びエネルギー消費を伴う、抗酸化剤を組み込むためのポリマーの再溶融が回避される。
本発明によって得られるポリマーは、優れた光学特性及び高い伸張率を必要とするものを含む多くのタイプの用途、例えば、繊維紡績用途、注型、ブロー成型、回転成型及びインフレーション若しくはキャストフィルム用途に適する。加えて、これらのポリマーは改善された誘電特性を有し、これはそれらを配線及び電線の絶縁若しくは被覆用途に適するものとする。
以下に列挙される具体的な実施形態は添付の請求項の実施可能性として提供される。
1.重合反応器から排出されるオレフィンポリマー流中の活性触媒種を非活性化し、かつ触媒残渣を中和し、抗酸化特性をオレフィンポリマーに付与するための方法であって、触媒非活性化剤及びリン酸若しくはホスホン酸のアルカリ土類金属塩を、各々、少なくともポリマー流中の活性触媒種を非活性化し、かつ触媒残渣を中和するのに十分な量で、それぞれ、重合反応器から排出されるオレフィンポリマー流に添加し、その後得られたポリマー生成物を回収することを含む方法。
2.オレフィン生成及び回収装置の腐食、詰まり若しくは汚染を、重合反応器から排出されるオレフィンポリマー流中の活性触媒種を非活性化し、かつ触媒残渣を中和しながら減少させるための方法であって、オレフィンポリマー流に触媒非活性化剤及びリン酸若しくはホスホン酸のアルカリ土類金属塩を添加し、その後得られたポリマー生成物を回収することを含む方法。
3.実施形態1若しくは2のいずれか1つによる方法であって、オレフィンポリマー流に添加する前に非活性化剤及びリン酸若しくはホスホン酸のアルカリ土類金属塩を組み合わせ、その後に、ポリマー生成物の回収の前に、該組み合わせをオレフィンポリマー流と、好ましくはその混合物を1つ又はそれ以上の静的混合要素を通過させることにより、混合する方法。
4.実施形態1〜3のいずれか1つによる方法であって、リン酸若しくはホスホン酸塩が下記式に相当する方法。
(式中、
1は2価酸素若しくはヒドロカルビレン基;好ましくは、C1-4アルキレン若しくはアリーレン、最も好ましくは、メチレンであり;
2はC1-4アルキル、好ましくは、エチルであり;
3は、各々が存在する場合、個別に、C1-20アルキル、好ましくは、C4-20二級若しくは三級アルキル、最も好ましくは、t−ブチルであり;
Xは酸素若しくはイオウ、好ましくは、酸素であり;並びに
Mはアルカリ土類金属カチオン、好ましくは、Ca+2である)
5.カルシウムビス(((3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル)メチル)−エチルホスホネート)をポリマー流に添加する、実施形態1〜4のいずれか1つによる方法。
6.オレフィンポリマーが、遷移金属含有触媒組成物を用いて調製される、エチレン若しくはプロピレンのホモポリマー又はエチレンと1種又はそれ以上のC3-10α−オレフィンとのコポリマーである、実施形態1〜5のいずれか1つによる方法。
7.触媒組成物がハロゲン、元素周期律表の3〜6族の遷移金属並びに、場合により、マグネシウム及び/若しくはアルコキシド;並びに有機アルミニウム共触媒を含む、実施形態1〜6のいずれか1つによる方法。
8.0.1〜60パーセントのリン酸若しくはホスホン酸塩を含む水溶液を触媒非活性化剤及び中和剤として用いる、実施形態1〜7のいずれか1つによる方法。
9.ポリマー流、触媒非活性化剤及びアルカリ土類金属塩を、1つ又はそれ以上の静的混合要素を通過させることにより、ポリマーの回収の前に混合する、実施形態1〜8のいずれか1つによる方法。
10.ポリマーを揮発分除去によって回収する、実施形態1〜9のいずれか1つによる方法。
11.実施形態1〜10のいずれか1つの方法によって得られるポリマー組成物。
本発明を以下の例によってさらに説明するが、それらは本発明を限定するものとみなされるべきではない。特段記載がなく、若しくは当分野において慣習的でない限り、すべての部及びパーセントは重量に基づくものである。
エチレン/1−オクテンポリマーを、各々順番に稼働する、5リットル容積の2つの連続攪拌タンク反応器(CSTR)において調製する。これらの反応器は断熱条件で反応器の容積を保持するシェルを備える。第1反応器への供給物は20パーセントのエチレンを含有するC8-10n−アルカンの混合物を含み、これは30kg/hrで投入される。溶媒/エチレン供給物の温度は15℃であり、圧力は3.5MPaで維持する。1−オクテンは別の流れとして第1反応器に添加する。さらに別の流れにより、新鮮な溶媒、同じn−アルカン混合液中のMgCl2支持TiCl4の懸濁液を含むチーグラー・ナッタ前駆触媒を、約0.01g Ti/時の速度で第1反応器に注入する。この前駆触媒は本質的にUS−4,547,475の手順に従って調製され、Mg/Cl/Al/Tiを13/35/4/1のモル比で含む。この前駆触媒と共に、トリエチルアルミニウム共触媒をTiの1モルあたり3.5モルの量で供給する。次のエチレン/オクタン混合物の重合の間に、約80パーセントのエチレンが変換され、反応温度が180℃に上昇する。溶解したポリマーを含む反応混合物は第2反応器に入り、そこで約10パーセントのさらなるエチレンが変換され、3.5MPaの圧力で反応温度が200℃に上昇する。毎時約5.2kgのポリマーが形成され、それは3.0のメルトインデックス(190℃/2.16kgでのASTM−D−1238手順A、条件E)及び0.914g/cm3の密度を有し、約12パーセントの重合1−オクテンを含む。
ポリマー、モノマー、溶媒及び触媒を含有する生成物流が第2反応器から出た後、ポリマー投入量に基づいて20ppmの、C8-10n−アルカン溶媒中の1000ppm溶液の形態にある水を、4.0MPaの圧力及び150℃の温度で添加する。その結果得られた混合物をスタティックミキサーに10秒間通過させた後、ホスホン酸塩(カルシウムビス((3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル)−メチル)エチルホスホネート)(Ciba Corporation製のIrganox(商標)1425)(I−1425)及び十分なビス(1,2,2,6,6,−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート(これもCiba Corporation製のIrgafos(商標)168、I−168)を添加し、揮発分除去したポリマー中に1000ppmを得る。
次に、生成物流を3.5MPaで250℃に加熱し、2段階の揮発分除去法で揮発分を除去する。第1段階は1.5MPa及び200℃で操作し、その後にポリマー流を250℃に再加熱してフラッシュ容器に渡し、そこで残りの溶媒を真空下で除去する。一旦安定状態稼働条件が達成されたら、揮発分除去装置から排出される未反応のエチレン排気中のHCl含量を測定する。その後、得られた溶融ポリマー流を溶融形成ダイ及びカッターを通過させ、水浴にて冷却して、0.2パーセントの残留溶媒含量を有する固体ペレットを得る。約25kgのポリマーが生成された後、重合を中断する。
比較実験において、C8-10n−アルカン溶媒中の9パーセント懸濁液の形態の、3パーセントの水を含むステアリン酸カルシウム(CaSt)を、インラインスタティックミキサーを通過させる前に注入する。2種類のヒンダードフェノール抗酸化剤、n−オクタデシル3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル)エタノエート(Ciba Corporation製のIrganox(商標)1076)(I−1076)及び1,6−ヘキサメチレン−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)(Ciba Corporation製のIrganox(商標)1010)(I−1010)及びI−168(1000ppm)を同時に添加する。
そのようにして生成されたポリマー生成物を、押出しの間、ダイ上の気相におけるHCl測定に供する。押出し実験は、19mmのスクリュー径及び40Dのバレル長を有する、実験室規模のAPV Baker MP19TC同時回転式2軸スクリュー押出機で行う。域1〜7における温度プロフィールは10℃の増分で170℃〜230℃、ダイ温度は240℃、溶融温度は248℃〜251℃である。押出機は300rpmで稼働させ、トルクは57〜74パーセント、排出量は2.9〜3.1kg/時である。試料は、Drager管を用い、1〜10ppm/試料容積のリットルの感度範囲で吸引によって収集する。押出しの間に採られる試料を、20分にわたり、520ml/分の流速で、Drager管導入口をダイ開口部の0.7cm上に配置して収集する(P−HCl)。エチレン排気ガスの測定も、10ppmの値若しくは5分の最大試料時間に到達するまで、Drager管を用いることにより520ml/分の流速で測定する。記録された値を1リットルの試料ガスについて標準化する。
約25gのポリマーを収容するアルミニウム円柱状容器(高さ7.5cm、直径2.2cm)を、ポリマーが溶融するまで、窒素下にて225℃に加熱する。軽量スチール試片(5cm×1cm×1mm、Nalco,Inc.、部材番号、P5071、表面をファイルし、ヘキサンに5分間、次いでアセトンにさらに5分間接触させ、乾燥させることによって予備処理)を各容器中の溶融ポリマーに垂直に挿入する。2つの標準試片に同じ手順を施し、空の容器に入れる。24時間後、試片をプライヤーで取り出し、ポリマーをスパチュラで表面から取り外す。ポリマー試料と接触していた試片の表面(Sexp)をキャリパーゲージを用いて測定し、試片を化学天秤で秤量する(W0)。非曝露標準試片も秤量する(W0nexp)。次に、それらの試片を、試片が容器の壁に触れないように注意しながら、室温で密封ガラス容器(湿気チャンバー)内で水面上に吊す。24時間後、それらの試片及び標準試片を再度秤量する(それぞれ、W24及びW24nexp)。標準試片と比較しての試片の重量の増分は腐食に関係し、g/m2で表される腐食指数(CI)は以下のように算出される。
(式中、CI0は以下のように算出される標準試片の腐食指数であり、
24は、湿気チャンバー内で24時間後の、曝露された試片の重量(g)であり;
0は、ポリマーと接触させて24時間後の、曝露された試片の重量(g)であり;
expはポリマーと接触させた試片の表面積(m2)であり;
tは試片の全高(mm)であり;
expはポリマーと接触する試片の部分の高さ(mm)であり;
24nexpは、湿気チャンバー内で24時間後の、標準試片の重量(g)であり;
0nexpは、湿気に曝露する前のオーブン内部で24時間後の、標準試片の重量(g)であり;及び
Sは標準試片の全表面積(m2)である。)
腐食指数は各々の試料について3回の別々の測定の平均である。0.0の評定は腐食なしを示し、数字が大きいほど腐食の程度が大きくなる。試料の標準偏差(StD)も算出する。
初期及びNO2への10日間曝露の後の色形成(ガス退色)は、AATCC164に従い、成型プラークを4〜6ppm NO2に60℃、87パーセントの相対大気湿度で10日間曝露することによって判定する。プラーク(5cm×10cm×1mm)は、130℃及び1.0MPaで3分間、次いで15MPaで3分間圧縮成型する。これらの試料を60℃のガス退色オーブン内の回転ラックの上に置く。CIE色座標はASTM D 1925〜77に従って決定する。CIE色座標の変化はガス退色耐性の指標である。b値の増加(少ないマイナス値)は黄色化を表す。b値の小さい増加は黄色化がほとんどないことを示す。
結果を表1に示す。
前述の結果は、本発明による実施が生成物及び再循環流の両方における酸性副生物、主として、HClの実質的な減少を、ポリマーの腐食指数の減少を伴って、得られたことを示す。加えて、ガス退色後の色b測定によって決定される、色塊形成が実質的に減少する。これらの結果は、抗酸化特性に加えて、本発明による単一成分添加物が残留酸性触媒成分、主として、HClの中和をも達成することを示す。ホスホン酸塩抗酸化剤を揮発分除去の前に添加することにより、再循環する酸含量の実質的な減少も達成され、それにより再循環流の腐食特性が大幅に低減される。

Claims (8)

  1. 重合反応器から排出されるオレフィンポリマー流中の活性触媒種を非活性化し、かつ触媒残渣を中和し、抗酸化特性をオレフィンポリマーに付与するための方法であって、
    触媒非活性化剤及びリン酸若しくはホスホン酸のアルカリ土類金属塩を、各々、少なくとも前記ポリマー流中の活性触媒種を非活性化し、かつ触媒残渣を中和するのに十分な量で、それぞれ、重合反応器から排出されるオレフィンポリマー流に添加し、その後、得られたポリマー生成物を回収することを含み、
    前記リン酸若しくはホスホン酸塩が下記式に対応し、
    式中、
    1 は2価酸素若しくはヒドロカルビレン基であり;
    2 はC 1-4 アルキルであり;
    3 は、各々が存在する場合、個別に、C 1-20 アルキルであり;
    Xは酸素若しくはイオウであり;並びに
    Mはアルカリ土類金属カチオンであり、
    前記オレフィンポリマーが、ハロゲン、元素周期律表の3〜6族の遷移金属並びに、場合により、マグネシウム及び/若しくはアルコキシド;並びに有機アルミニウム共触媒を含む触媒組成物の使用によって調製される、方法。
  2. レフィン生成及び回収装置の腐食、詰まり若しくは汚染を、重合反応器から排出されるオレフィンポリマー流中の活性触媒種を非活性化し、かつ触媒残渣を中和しながら減少させるための方法であって、
    前記オレフィンポリマー流に触媒非活性化剤及びリン酸若しくはホスホン酸のアルカリ土類金属塩を添加し、その後得られたポリマー生成物を回収することを含み、
    前記リン酸若しくはホスホン酸塩が下記式に対応し、
    式中、
    1 は2価酸素若しくはヒドロカルビレン基であり;
    2 はC 1-4 アルキルであり;
    3 は、各々が存在する場合、個別に、C 1-20 アルキルであり;
    Xは酸素若しくはイオウであり;並びに
    Mはアルカリ土類金属カチオンであり、
    前記オレフィンポリマーが、ハロゲン、元素周期律表の3〜6族の遷移金属並びに、場合により、マグネシウム及び/若しくはアルコキシド;並びに有機アルミニウム共触媒を含む触媒組成物の使用によって調製される、方法。
  3. 前記オレフィンポリマー流に添加する前に前記非活性化剤及びリン酸若しくはホスホン酸のアルカリ土類金属塩を組み合わせ、その後前記組み合わせを前記オレフィンポリマー流と混合する、請求項1若しくは2のいずれか一項による方法。
  4. カルシウムビス(((3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル)メチル)エチルホスホネート)を前記ポリマー流に添加する、請求項1からのいずれか一項による方法。
  5. 前記オレフィンポリマーが、エチレン若しくはプロピレンのホモポリマー又はエチレンと1種又はそれ以上のC3-10α−オレフィンとのコポリマーである、請求項1からのいずれか一項による方法。
  6. 0.1〜60パーセントのリン酸若しくはホスホン酸塩を含む水溶液を前記触媒非活性化剤及び中和剤として用いる、請求項1からのいずれか一項による方法。
  7. 前記ポリマー流、触媒非活性化剤及びアルカリ土類金属塩を、1つ又はそれ以上の静的混合要素を通過させることにより、前記ポリマーの回収の前に混合する、請求項1からのいずれか一項による方法。
  8. 前記ポリマーを揮発分除去によって回収する、請求項1から7のいずれか一項による方法。
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