JP5236196B2 - 摺動式等速自在継手 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車や各種産業機械の動力伝達機構において使用され、例えば4WD車やFR車などで使用されるプロペラシャフトやドライブシャフトに組み込まれる摺動式等速自在継手の一つであるクロスグルーブ型等速自在継手に関する。
例えば4WD車やFR車などの自動車で使用されるプロペラシャフトは、トランスミッションとディファレンシャル間の相対位置変化による角度変位に対応できる構造とするためにクロスグルーブ型と称される摺動式等速自在継手を具備するものがある。
図7〜図10はディスクタイプのクロスグルーブ型等速自在継手を例示する。この等速自在継手は、図7および図8に示すように内輪101、外輪102、ボール103およびケージ104を主要な構成要素としている。
内輪101は、その外周面に複数の直線状トラック溝106が軸方向に形成されている。また、内輪101の中心孔105にはシャフト107がスプライン嵌合され、そのスプライン嵌合により両者間でトルク伝達可能としている。なお、シャフト107は、スナップリング108により内輪101に対して抜け止めされている。
外輪102は内輪101の外周に位置し、内周面に内輪101のトラック溝106と同数の直線状トラック溝109が軸方向に形成されている。内輪101と外輪102の間にケージ104が配置され、ボール103はケージ104のポケット110内に収容されている。
内輪101のトラック溝106と外輪102のトラック溝109は、図9(ケージ104については図示省略)に示すように軸線Lに対して反対方向に傾斜した角度(トラック交叉角α)をなし、対をなす内輪101のトラック溝106(図中実線)と外輪102のトラック溝109(図中鎖線)との交叉部にボール103が組み込まれている。また、内輪101の隣接するトラック溝106同士および外輪102の隣接するトラック溝109同士は、それぞれ軸線Lに対して反対方向にトラック交叉角αだけ傾斜した状態に配置されている。
図10は内輪101のトラック溝106および外輪102のトラック溝109を示す横断面図であり、同図に示すようにトラック溝106,109の横断面形状は、ボール103の半径よりも大きな曲率半径でブローチ加工などにより形成されたゴシックアーチ状をなす。このゴシックアーチ状としたことにより、内輪101のトラック溝106および外輪102のトラック溝109はボール103と二点Pでそれぞれ接触し、ボール接触角βを有するアンギュラ接触となっている。ここで、ボール接触角βとは、ボール103の中心Oを基準としてボール103とトラック溝106,109とが接触するボール接触中心Pとトラック溝106,109の溝底中心Qとのなす角度を意味する。
一方、外輪102の軸方向一端側(図7左側)には、継手内部に充填した潤滑剤の漏洩を防ぐと共に異物の侵入を防止するためのエンドキャップ111がボルト締めにより固定され、外輪102の軸方向他端側(図7右側)とシャフト107との間には密封装置が装着されている。
この密封装置はブーツ112と金属製のブーツアダプタ113とからなる。ブーツ112は小端部と大端部を有し、中間にてV字形に折り返した格好になっている。ブーツアダプタ113は円筒形で、一端に外輪102の外周面と嵌合するフランジを有し、エンドキャップ111と共にボルト締めにより外輪102に固定される。ブーツ112の小端部はシャフト107に取り付けてブーツバンド114で締め付けられている。ブーツ112の大端部はブーツアダプタ113の端部を加締めて保持されている。
この種の等速自在継手は、非特許文献1に開示されている。この非特許文献1には、4個以上(一般的には6個)のボール103を有する基本的なクロスグルーブ型等速自在継手が示されており、内輪101のトラック溝106および外輪102のトラック溝109のトラック交叉角αは、等速自在継手が最大作動角をとった時、対向するトラック溝106,109が平行にならないような角度(一般的には13〜19°)に設計されている。また、横断面形状がゴシックアーチをなすトラック溝106,109の溝径をボール径の1.01〜1.04倍とし、さらに、ボール接触角βを30〜45°としている。
また、前述したクロスグルーブ型等速自在継手において、内輪101のトラック溝106および外輪102のトラック溝109のトラック交叉角αは、継手の摺動ストロークにも関係しており、そのストローク量をかせぐためにはトラック交叉角αを小さくすることが有効である。
しかしながら、継手の摺動ストロークをかせぐためにトラック交叉角αを小さくすると、等速自在継手としての最大作動角が小さくなってしまう。この最大作動角とは、回転しない状態で継手を折り曲げてさらに戻す操作を行った時に、極大なトルクが作用してしまう状況が現れる角度である。最悪の場合、角度が付いたまま戻らなくなって引っ掛かる現象が発生する。このような折り曲げ時の引っ掛かりは、等速自在継手の自動車への組み付け時に問題となる。つまり、等速自在継手を自動車に組み付ける時には、一旦、折り曲げた後に戻す作業が必要になるため、作動角が小さく、折り曲げ時に引っ掛かりが生じると、等速自在継手の自動車への組み付け作業の作業性が悪い。
特許文献1では、トラック溝106,109のトラック交叉角αを10〜15°とし、ボール103の数を10個とすることにより、継手の最大作動角が小さくならず、また、摺動ストロークをかせぐ手段が開示されている。
つまり、クロスグルーブ型等速自在継手では、ある位相にボール103が存在し、作動角を大きくすると、内輪101のトラック溝106と外輪102のトラック溝109との交叉部に形成されたくさび角が反転してしまい、ボール103からケージ104に作用する力のバランスが崩れ、ケージ104が不安定となる。
トラック溝106,109のトラック交叉角αが小さくなってくると、ボール103の個数が6個までの場合は、この現象が顕著に現れるが、ボール103の個数を10個とした場合、トラック交叉角αが小さくなっても、ある値まではケージ104の駆動が安定する。これは、くさび角が反転してしまったボール103の駆動力を他のボール103が分担してケージ104の駆動を安定させることによる。
Universal Joint and Driveshaft Manual Section 3.2.12 "Cross Groove Universal Joint" 特開2006−266423号公報
ところで、近年、車両の低燃費・高機能化により、等速自在継手の軽量・コンパクト化が要求されている。そのため、等速自在継手を構成する各部品の機能を損なうことなく、それら各部品の形状を最適に小さくしている。
しかしながら、等速自在継手の更なる軽量・コンパクト化を図ろうとすると、各部品間での接触力が大きくなり、発熱過大により耐久性が低下する。このクロスグルーブ型等速自在継手の構造上、潤滑性が耐久性に影響を及ぼす部品の接触部は、ボール103と内輪101のトラック溝106との接触部X、ボール103と外輪102のトラック溝109との接触部Y、ボール103とケージ104のポケット110との接触部Zである(図7参照)。これらボール103との接触部X,Y,Zでは、前述したように等速自在継手の軽量・コンパクト化により接触力が大きくなり、発熱過大により耐久性が低下するおそれがあった。
そこで、本発明は前述の問題点に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、ボールとの接触部における接触力が増大しても、軽量・コンパクト化および耐久性の向上を容易に図り得る摺動式等速自在継手を提供することにある。
前述の目的を達成するための技術的手段として、本発明に係る摺動式等速自在継手は、外周面に複数の直線状トラック溝を軸線に対して傾斜させた状態で軸方向に形成した内側継手部材と、内周面に複数の直線状トラック溝を軸線に対して内側継手部材のトラック溝と反対方向に傾斜させた状態で軸方向に形成し、内部に潤滑剤を充填した外側継手部材と、内側継手部材のトラック溝と外側継手部材のトラック溝との交叉部に組み込まれた10個のボールと、内側継手部材の外周面と外側継手部材の内周面との間に配されてボールを内側継手部材のトラック溝と外側継手部材のトラック溝との間でポケットに収容して保持するケージとを備え、トラック溝およびポケットと点接触するボールの表面に多数の微小凹部をランダムに形成し、微小凹部を形成したボールの表面粗さをRa0.05〜0.15μmとし、ボールの表面粗さのパラメータSK値を−4.9〜−1.0とし、ボールの表面積に対する多数の微小凹部の合計面積の比率を10〜40%とし、ボール表面の多数の微小凹部内へ侵入した潤滑剤をボールとの接触部における接触界面に介在させたことを特徴とする。
本発明では、ボールの表面に多数の微小凹部をランダムに形成したことにより、継手回転時に、ボールとトラック溝との接触部、ボールとケージのポケットとの接触部での接触力が大きくなっても、ボール表面の多数の微小凹部内へ侵入した潤滑剤が、ボールとの接触部における接触界面に介在して良好な油膜層を形成し得る。これにより、ボールとの接触部で生じる摩擦を低減させることができ、発熱が過大となることなく、耐久性の向上が図れる。
なお、前述の潤滑剤の摩擦係数は0.070以下とすることが望ましい。また、潤滑剤としては、稠度が0〜2号のウレアグリースを使用することが望ましい。このような潤滑剤を使用すれば、ボールとの接触部で生じる摩擦を効果的に低減させ得る。
また、多数の微小凹部を形成したボールの表面粗さRa0.05〜0.15μmとし、ボールの表面粗さのパラメータSK値−4.9〜−1.0とし、ボールの表面積に対する微小凹部の合計面積の比率を10〜40%とするこのような値に設定することにより、ボール表面の微小凹部に潤滑剤を適度に侵入させて保持することができ、ボールとの接触部で潤滑剤による油膜層を形成することが容易となる。これにより、ボールとの接触部での摩擦を効果的に低減させることが可能となる。
なお、ボールの個数、外側継手部材のトラック溝数および内側継手部材のトラック溝数は10個であるれにより、等速自在継手の自動車への組み付け作業の作業性を改善するため、トラック交叉角が小さくなっても、ケージの駆動が安定することから、等速自在継手の作動性を向上させることができる。
本発明によれば、ボールの表面に多数の微小凹部をランダムに形成したことにより、ボールとの接触部で潤滑剤による油膜層が形成されやすく、ボールとの接触部での潤滑性が向上する。これにより、ボールとの接触部での摩擦を低減させてトルク伝達効率を向上させることが可能となる。また、ボールおよびトラック溝の転動疲労寿命を長くすることができる。その結果、等速自在継手の耐久性を向上させることができる。
図1〜図4は、本発明の実施形態で、ディスクタイプのクロスグルーブ型等速自在継手を例示する。本発明は、ディスクタイプのみならず、フランジタイプやベルタイプのクロスグルーブ型等速自在継手にも適用可能である。
また、このクロスグルーブ型等速自在継手は、ケージ4の最小内径を内輪1の最大外径よりも小さく設定することにより、ケージ4と内輪1の干渉により軸方向変位量を規制するフロートタイプと、ケージ4の最小内径を内輪1の最大外径よりも大きく設定することにより、ボール3とケージ4の干渉により軸方向変位量を規制するノンフロートタイプの二種類に大別され、両タイプはプロペラシャフトやドライブシャフトが装備される車両の特性(スライド量や負荷容量など)に応じて使い分けられている。この実施形態では、フロートタイプを例示するが、ノンフロートタイプにも適用可能である。
この実施形態の等速自在継手は、図1および図2に示すように内側継手部材である内輪1、外側継手部材である外輪2、ボール3およびケージ4を主要な構成要素としている。
内輪1は、その外周面に複数の直線状トラック溝6が軸方向に形成されている。また、内輪の中心孔5にはシャフト7がスプライン嵌合され、そのスプライン嵌合により両者間でトルク伝達可能としている。なお、シャフト7は、スナップリング8により内輪1に対して抜け止めされている。
外輪2は内輪1の外周に位置し、内周面に内輪1のトラック溝6と同数の直線状トラック溝9が軸方向に形成されている。内輪1と外輪2の間にケージ4が配置され、ボール3はケージ4のポケット10内に収容されている。
内輪1のトラック溝6と外輪2のトラック溝9は、図3(ケージ4については図示省略)に示すように軸線Lに対して反対方向に角度(トラック交叉角α)をなし、対をなす内輪1のトラック溝6(図中実線)と外輪2のトラック溝9(図中鎖線)との交叉部にボール3が組み込まれている。また、内輪1の隣接するトラック溝6同士および外輪2の隣接するトラック溝9同士は、それぞれ軸線Lに対して反対方向にトラック交叉角αだけ傾斜した状態に配置されている。
図4は内輪1のトラック溝6および外輪2のトラック溝9の横断面図であり、同図に示すようにトラック溝6,9の横断面形状は、ボール3の半径よりも大きな曲率半径でブローチ加工などにより形成されたゴシックアーチ状をなす。内輪1のトラック溝6および外輪2のトラック溝9はボール3と二点Pで接触し、ボール接触角βを有するアンギュラ接触となっている。ここで、ボール接触角βとは、ボール3の中心Oを基準としてボール3とトラック溝6,9とが接触するボール接触中心Pとトラック溝6,9の溝底中心Qとのなす角度を意味する。
ボール3の個数、外輪2のトラック溝数および内輪1のトラック溝数は10個としている。ボール3の個数、外輪2のトラック溝数および内輪1のトラック溝数は10個とすることにより、等速自在継手の自動車への組み付け作業の作業性を改善するため、トラック交叉角αが小さくなっても、ケージ4の駆動が安定することから、等速自在継手の作動性を向上させることができる。
一方、外輪2の軸方向一端側(図1左側)には、継手内部に充填した潤滑剤の漏洩を防ぐと共に異物の侵入を防止するためのエンドキャップ11がボルト締めにより固定され、外輪2の軸方向他端側(図1右側)とシャフト7との間には密封装置が装着されている。
この密封装置はブーツ12と金属製のブーツアダプタ13とからなる。ブーツ12は小端部と大端部を有し、中間にてV字形に折り返した格好になっている。ブーツアダプタ13は円筒形で、一端に外輪2の外周面と嵌合するフランジを有し、エンドキャップ11と共にボルト締めにより外輪2に固定される。ブーツ12の小端部はシャフト7に取り付けてブーツバンド14で締め付けられている。ブーツ12の大端部はブーツアダプタ13の端部を加締めて保持されている。
図1に示すようにボール3と内輪1のトラック溝6の接触部X、ボール3と外輪2のトラック溝9との接触部Y、およびボール3とケージ4のポケット10との接触部Z(以下、ボール3との接触部X,Y,Zと称す)を低摩擦とすることが耐久性の向上に寄与する。
ここで、前述したボール3との接触部X,Y,Zを低摩擦にするためには、十分な油膜層を形成し、摩擦係数を下げる必要があるが、ボール3との接触部X,Y,Zは、トルク伝達時に大きな力が付加されることから、その面圧によって十分な油膜層が形成されない可能性がある。
従って、ボール3との接触部X,Y,Zに潤滑剤が介入し易いように表面処理を施して、より良好な油膜層を形成させることにより、ボール3との接触部X,Y,Zで発生する滑りによる摩擦を抑制して耐久性を向上させることが有効である。
そこで、ボール3の表面に多数の微小凹部21(図1参照)をランダムに形成し、このボール3の表面の表面粗さ(算術的平均粗さ)をRa0.03〜0.6μm、好ましくはRa0.05〜0.15μmとする。また、ボール3の表面積に対する微小凹部21の合計面積の比率を10〜40%とする。
また、ボール3の表面粗さのパラメータSK値を−4.9〜−1.0とする。ここで、SK値とは、表面粗さの分布曲線の歪度(SKEWNESS)、すなわち、表面粗さの平均線に対する凹凸の振幅分布曲線の相対性を表す値であり、表面粗さのSK値は次式で表される。
SK=∫(x−x03・P(x)dx/σ3
ここに、x:粗さの高さ、x0:粗さの平均高さ、P(x):粗さの振幅の確率密度関数、σ:自乗平均粗さである。
このパラメータSK値は、表面粗さの平均線に対して、振幅分布曲線の山が多いときは正、山と谷が等しいときは零、谷が多いときは負の値となる。従って、多数の微小凹部21を形成したボール3の表面における表面粗さのパラメータSK値は負の値となる。
ボール3の表面におけるSK値および表面粗さRaと、微小凹部21の合計面積比率とをそれぞれ数値限定したものが、ボール3の表面に潤滑剤の油膜層を形成するために有効な範囲となる。
つまり、このボール3の表面の表面粗さ(算術的平均粗さ)がRa0.03μmよりも小さいと、微小凹部21の深さが浅くなり、微小凹部21へ潤滑剤が介入せず、耐久性向上の効果がなくなり、逆に、Ra0.6μmより大きいと、接触部におけるボール3の相手部材の耐久性を低下させる。また、ボール3の表面積に対する微小凹部21の合計面積の比率が10%より小さいと、微小凹部21が少なく、良好な油膜層の形成が困難となり、耐久性向上の効果がなくなり、逆に、40%より大きいと、相手部材との有効接触面積が少なくなり、耐久性向上の効果は少ない。さらに、ボール3の表面粗さのパラメータSK値が−4.9より小さいと、加工条件上、凹部面積が多くなり、有効接触面積が減少し、耐久性向上の効果は少なく、逆に、−1.0よりも大きいと、微小凹部21の深さが浅くなり、微小凹部21へ潤滑剤が介入せず、耐久性向上の効果がなくなる。
これら表面粗さRa,SK値,微小凹部の合計面積比率の測定は、ボール表面でほぼ90°離れた6箇所で実施し、その平均値で評価・判断する。その有効範囲の判断もこの方法に基づいている。微小凹部21の定量的な測定を行うためには、図5に示す装置構成で測定する。取り込み方法は、位置決め装置上にボールを設置し、ボール表面を顕微鏡で拡大し、CCDカメラでその画像を画像解析装置とパーソナルコンピュータで構成される画像処理装置に取り込み、画像の白い部分は表面平坦部、黒い部分は凹部として解析する。画像の黒い部分が凹部として、大きさ・分布を計算し、その表面積比率を求めて評価する。表面検査方法の詳細については、特開2001−183124号公報に示された方法である。
表面粗さ及びSK値の測定には、測定器ホームタリサーフ(テーラーホブソン製)で測定する。測定条件として、カットオフ種別:ガウシアン、測定長さ:5λで、カットオフ数:6、カットオフ波長:0.25mm、測定倍率:10000倍、測定速度:0.30mm/sとした。なお、ボール3の表面に多数の微小凹部21を形成する方法としては、例えば、特殊なバレル研磨処理があるが、それ以外にショットブラスト処理等により表面加工を行ってもよい。
また、潤滑剤としては、低摩擦係数のものが好ましく、例えば、サバン式摩擦摩耗試験機を用いて、摩擦係数の上限値が0.07の潤滑剤であることが好ましい。ここで、サバン式摩擦摩耗試験機は、図6に示すように、直径40mm×厚さ4mmの回転リング31に1/4inchの鋼球32を圧接させたものであり、摩擦係数の測定に際しては、回転リング31を周速108m/minで回転し、荷重12.7Nをかけ、回転リング31の下端からスポンジ33を介して回転リング31の表面に潤滑剤を供給し、鋼球32を支持するエアスライド34の動きをロードセル35で検出して摩擦係数を測定した。
潤滑剤の具体例としては、例えばウレアグリースが挙げられる。そのウレアグリースの稠度は、0〜2号とする。なお、この稠度は、0号より小さいと、シール構造が複雑になり、高速で使用された場合に遠心力により、潤滑剤切れとなり易い。また、2号より大きいと、潤滑剤の介入が困難となり、接触抵抗が大きくトルク損失の原因となる。
継手の回転時に、ボール3との接触部X,Y,Zでの接触力が大きくなっても、ボール3の表面における多数の微小凹部21内へ侵入した潤滑剤が、ボール3との接触部X,Y,Zでの接触界面に介在して良好な油膜層を形成し得る。その結果、ボール3との接触部X,Y,Zでの潤滑性が向上し、ボール3との接触部X,Y、Zでの摩擦を低減させてトルク伝達効率を向上させることが可能となる。また、ボール3およびトラック溝6,9の転動疲労寿命を長くすることができる。
本発明は前述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明に係る摺動式等速自在継手の実施形態で、ディスクタイプのクロスグルーブ型等速自在継手の主要部構成を示す断面図である。 図1の外輪、内輪、ボールおよびケージを示す側面図である。 図2の内輪および外輪におけるトラック交叉角αを説明するための部分正面図である。 図2の内輪および外輪のトラック溝およびボールを示す軸方向中央位置での断面図である。 ボールに形成した多数の微小凹部の定量的な測定を行う測定装置の概略図である。 サバン式摩擦摩耗試験機の概略図である。 摺動式等速自在継手の従来例で、ディスクタイプのクロスグルーブ型等速自在継手の主要部構成を示す断面図である。 図7の外輪、内輪、ボールおよびケージを示す側面図である。 図8の内輪および外輪におけるトラック交叉角αを説明するための部分正面図である。 図8の内輪および外輪のトラック溝およびボールを示す軸方向中央位置での断面図である。
符号の説明
1 内側継手部材(内輪)
2 外側継手部材(外輪)
3 ボール
4 ケージ
6,9 トラック溝
21 微小凹部

Claims (3)

  1. 外周面に複数の直線状トラック溝を軸線に対して傾斜させた状態で軸方向に形成した内側継手部材と、内周面に複数の直線状トラック溝を軸線に対して前記内側継手部材のトラック溝と反対方向に傾斜させた状態で軸方向に形成し、内部に潤滑剤を充填した外側継手部材と、前記内側継手部材のトラック溝と外側継手部材のトラック溝との交叉部に組み込まれた10個のボールと、前記内側継手部材の外周面と外側継手部材の内周面との間に配されて前記ボールを内側継手部材のトラック溝と外側継手部材のトラック溝との間でポケットに収容して保持するケージとを備え、前記トラック溝およびポケットと点接触する前記ボールの表面に多数の微小凹部をランダムに形成し、前記微小凹部を形成したボールの表面粗さをRa0.05〜0.15μmとし、前記ボールの表面粗さのパラメータSK値を−4.9〜−1.0とし、前記ボールの表面積に対する前記多数の微小凹部の合計面積の比率を10〜40%とし、ボール表面の多数の微小凹部内へ侵入した潤滑剤をボールとの接触部における接触界面に介在させたことを特徴とする摺動式等速自在継手。
  2. 前記潤滑剤の摩擦係数を0.070以下とした請求項1に記載の摺動式等速自在継手。
  3. 前記潤滑剤をウレアグリースとし、そのウレアグリースの稠度を0〜2号とした請求項1又は2に記載の摺動式等速自在継手。
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