JP5236169B2 - レンズユニットおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
しかし、ミクロン、サブミクロンオーダーの外形形状による評価は測定自体が困難であり、また、評価が可能であったとしても、公差の積み上げによる性能保持は困難なほど、公差感度が厳しくなってしまう。
製造手法に言及を行うのであれば、微小な製造誤差が許容できない製造誤差として積み上がる製造手法では、安定した量産が行う事が困難であり、量産性に乏しくなる。
[数5]
σi < 10´00″ (i=1,2,3・・・) (5)
ただし、レンズ番号は落とし込む側から、第1レンズ、第2レンズ、第3レンズ・・・とし、第1レンズまでの群透過偏心量σ1、第2レンズまでの群透過偏心量σ2、第3レンズまでの群透過偏心量σ3・・・とする。
図1は、たとえば3枚構成で物体側落とし込み構造とした場合における本実施形態に係る撮像レンズユニットの基本構成を示す図である。
そして、レンズホルダ110は、貫通孔111の中心部が光軸AXとなるように形成されている。後で詳述するように、第1レンズ120、第2レンズ130、および第3レンズ140は、各ホルダ部113,114,115の保持固定するにあたって、各レンズの偏心を把握し、光軸を中心とする回転角度を制御して、一つのレンズホルダ(鏡枠)110に組み込まれる。
なお、本実施形態では、図において、上側が物体側(前方)OBJSであり、下側が像側(後方)である。
以下に、この撮像レンズユニット100の製造方法(組み立て方法)について基本的な概念を説明した後、具体的な例について説明する。
偏心方向は各レンズ、各キャビティ毎にある程度安定して発生するため、これにより積み上げ公差では実現できなかったレンズ系を回転と組み合わせにより組むことができるような方法を採用している。
すなわち、本実施形態の製造方法は、各レンズで発生する偏心を回転によって相殺する方向に組み込むことでレンズの許容製造誤差を超えるレンズを利用することができる。偏心方向は各レンズ、各キャビティ毎にある程度安定し発生するため、これにより積み上げ公差では実現できなかったレンズ系を回転と組み合わせにより組むことができる。
この原理を用いて本実施形態の構成における透過偏心σを測定することができる。
本実施形態の製造方法においては、各レンズの偏心の光軸AXに対する倒れ方向を、光軸AXに近づけるように組み合わせる。以下、本製造方法の基本原理について説明する。
換言すれば、各レンズで発生した偏心を打ち消す方向に回転方向を調整する。
この場合、本実施形態においては、回転調整するための目印として、ゲート位置を利用する。
あるいは、ガラス製レンズに光軸を中心とする回転位置を把握するための印を持たせ、偏心の倒れ方向の基準位置としてレンズホルダ(鏡枠)110内に組み込む。
たとえばガラス製レンズにDカット等の印を設けることにより回転基準を設ける。
たとえば、図6に示すように、レンズホルダ(鏡枠)110に適確な角度で各レンズを組み込むことができるような印110aを形成する。
そして、上述したレンズあるいはレンズホルダに形成した印を3種類、もしくは2種類、ないし1種類適用し、第(i-1)レンズ、第iレンズの光軸倒れ方向のセンサ面への射影角が成す角度差をθi とするとき下記の(条件式1)もしくは(条件式2)を満足することが望ましい。
そして、上述したレンズあるいはレンズホルダに形成した印を3種類、もしくは2種類、ないし1種類適用し、第(i-1)レンズ、第iレンズの光軸倒れ方向のセンサ面への射影角が成す角度差をθi とするとき、第1レンズ120までの群透過偏心量σ1、第2レンズ130までの群透過偏心量σ2・・・、第iレンズまでの群透過偏心量σiとする。さらに第1レンズ、第2レンズ、第3レンズ・・・第iレンズの各レンズ単体偏心量をα1、α2、α3・・・αiとする。このとき下記の(条件式3)、(条件式4)を満たすことが望ましい。
σi < 10´00″ (i=1,2,3・・・) (5)
ただし、その際に注意することとして、10´00″以上の偏心を無理やり相殺しようとすると像性能に影響を与えるため、偏心の操作は10´00″以内の領域で行う必要がある。現実問題、全てのキャビティにおいて偏心を抑えられるとは限らない。そこで偏心の強いレンズを活用するためには必ずしも組み込むごとに偏心を打ち消す方向に組む必要はない。
全レンズを組み込んだ状態でどうしても相殺できない偏心をセンサの短辺側に逃がすことで方ボケの影響を少なくすることが可能となる。
図8(A)〜(C)はレンズ回転調整工程を説明するための図である。
次に、図8(B)に示すように、第1レンズ120aのゲート位置を基準とし角度を指定する。
次に、たとえば図8(C)に示すように、第2レンズ130aを225°位置に固定する。
次に図8(C)に示すようにして、偏心が打ち消される方向にレンズを組み込んでいく。
この際、基準となるのは絞り直後からも感度が厳しいところは、第1レンズ120と考えられるので、まずは第1レンズ120で偏心の少ないものを基準とする。
組み合わせの対象である第2レンズ130には偏心の少ないものを選ぶ。
以上のことから、Cav6とペアになりうる可能性があるのはCav5の180°方向、Cav8の180°方向になる。
次に注目したのは第1レンズ120にCav3を使う組み合わせとなる。
図10(A)の状態からさらに偏心を補正するために第2レンズ130単体で偏心が大きいものを選ぶ。同様に、図10(B)の状態からさらに偏心を補正するために第2レンズ130単体で偏心が大きいものを選ぶ。このようにして、少しずつ偏心を打ち消す。
図12のように、次に、同等の偏心を持つCav2で同様の測定を行う。
たとえば、樹脂レンズで残存するゲートを位置決めの基準とすることで機構を複雑にすることなく、撮像レンズユニット(光学系)の組み込みにおいて、各レンズの光軸を中心とする回転角度を制御し、レンズホルダ(鏡枠)110に組み込むことで、光学系のトータル性能を確保するレンズホルダ(鏡枠)内組み込み構造を実現することができる。
本実施形態では、レンズホルダ110を回転調整のためには増やさず、さらに樹脂レンズではゲート位置を利用することで特別な処置を加えることなく回転調整を可能としている。
図14は、第1レンズに偏心が生じた場合のレンズユニットの光学系の構成と特性値を示す図である。
図15は、第1レンズの偏心を打ち消すように相殺する偏心量をもった第2レンズを配置した場合のレンズユニットの光学系の構成と特性値を示す図である。
これらの図おける光学的特性は、相対的な視野高を示している。
すなわち、本製造方法に従って撮像レンズユニットを製造することにより、レンズホルダの数を増やすことなく、良好な光学特性を得ることできる。
Claims (20)
- 光の通路となる貫通孔が形成された一つのレンズホルダと、
前記レンズホルダに保持固定された複数のレンズと、を有し、
前記レンズホルダの貫通孔の中心軸に対する前記複数のレンズの各光軸の透過偏心を相殺するように、各レンズの光軸を中心とする回転調整をして、前記複数のレンズが前記レンズホルダに組み込まれており、
各レンズの焦点距離をf i 、光学系全体の焦点距離をf、レンズ番号は落とし込む側から、第1レンズ、第2レンズ、第3レンズ・・・第iレンズとし、第(i-1)レンズ、第iレンズの光軸倒れ方向のセンサ面への射影角が成す角度差をθ i とするとき下記の条件式(1)もしくは(2)を満たすレンズユニット。
- 光の通路となる貫通孔が形成された一つのレンズホルダと、
前記レンズホルダに保持固定された複数のレンズと、を有し、
前記レンズホルダの貫通孔の中心軸に対する前記複数のレンズの各光軸の透過偏心を相殺するように、各レンズの光軸を中心とする回転調整をして、前記複数のレンズが前記レンズホルダに組み込まれており、
レンズ番号は落とし込む側から、第1レンズ、第2レンズ、第3レンズ・・・第iレンズとし、第(i-1)レンズ、第iレンズの光軸倒れ方向のセンサ面への射影角が成す角度差をθi とするとき、第1レンズまでの群透過偏心量σ1、第2レンズまでの群透過偏心量σ2・・・、第iレンズまでの群透過偏心量σiとし、さらに第1レンズ、第2レンズ、第3レンズ・・・第iレンズの各レンズ単体偏心量をα1、α2、α3・・・αiとするとき、下記の条件式(3)(4)を満たすレンズユニット。
- 光の通路となる貫通孔が形成された一つのレンズホルダと、
前記レンズホルダに保持固定された複数のレンズと、を有し、
前記レンズホルダの貫通孔の中心軸に対する前記複数のレンズの各光軸の透過偏心を相殺するように、各レンズの光軸を中心とする回転調整をして、前記複数のレンズが前記レンズホルダに組み込まれており、
各レンズの焦点距離をfi 、光学系全体の焦点距離をf、レンズ番号は落とし込む側から、第1レンズ、第2レンズ、第3レンズ・・・第iレンズとし、第(i-1)レンズ、第iレンズの光軸倒れ方向のセンサ面への射影角が成す角度差をθi とするとき下記の条件式(1)もしくは(2)を満たし、
第1レンズまでの群透過偏心量σ1、第2レンズまでの群透過偏心量σ2・・・、第iレンズまでの群透過偏心量σiとし、さらに第1レンズ、第2レンズ、第3レンズ・・・第iレンズの各レンズ単体偏心量をα1、α2、α3・・・αiとするとき、下記の条件式(3)(4)を満たすレンズユニット。
- 前記複数のレンズの少なくとも一つは所定のゲートが形成され、前記複数のレンズは、当該レンズのゲート位置を偏心の倒れ方向の基準位置として、前記レンズホルダに組み込まれている
請求項1から3のいずれか一に記載のレンズユニット。 - 前記複数のレンズの少なくとも一つは、光軸を中心とする回転位置を把握するための印を有し、前記複数のレンズは偏心の倒れ方向の基準位置として前記レンズホルダに組み込まれている
請求項1から3のいずれか一に記載のレンズユニット。 - 前記レンズホルダは光軸を中心とするレンズの回転方向を把握するための印が形成され、前記複数のレンズは、前記印に応じて的確な角度で前記レンズホルダに組み込まれている
請求項1から3のいずれか一に記載のレンズユニット。 - 前記レンズホルダはレンズ落とし込みの構造を有し、当該レンズホルダにレンズを組み込んだ状態での群透過偏心量が下記の条件式(5)を満たす
請求項1から6のいずれか一に記載のレンズユニット。
[数9]
σi < 10´00″ (i=1,2,3・・・) (5)
ただし、レンズ番号は落とし込む側から、第1レンズ、第2レンズ、第3レンズ・・・とし、第1レンズまでの群透過偏心量σ1、第2レンズまでの群透過偏心量σ2、第3レンズまでの群透過偏心量σ3・・・とする。 - 前記複数のレンズは、前記レンズホルダにレンズを組み込んだ状態でレンズ系の残存偏心が撮像素子の短辺方向となる角度で組み込まれている
請求項1から7のいずれか一に記載のレンズユニット。 - 複数のレンズを、光の通路となる貫通孔が形成された一つのレンズホルダに保持固定してレンズユニットを製造するレンズユニットの製造方法であって、
前記レンズホルダの貫通孔の中心軸に対する前記複数のレンズの各光軸の透過偏心を相殺するように、各レンズの光軸を中心とする回転調整をして、前記複数のレンズを前記レンズホルダに組み込む工程を含み、
各レンズの焦点距離をf i 、光学系全体の焦点距離をf、レンズ番号は落とし込む側から、第1レンズ、第2レンズ、第3レンズ・・・第iレンズとし、第(i-1)レンズ、第iレンズの光軸倒れ方向のセンサ面への射影角が成す角度差をθ i とするとき下記の条件式(1)もしくは(2)を満たすレンズユニットの製造方法。
- 複数のレンズを、光の通路となる貫通孔が形成された一つのレンズホルダに保持固定してレンズユニットを製造するレンズユニットの製造方法であって、
前記レンズホルダの貫通孔の中心軸に対する前記複数のレンズの各光軸の透過偏心を相殺するように、各レンズの光軸を中心とする回転調整をして、前記複数のレンズを前記レンズホルダに組み込む工程を含み、
レンズ番号は落とし込む側から、第1レンズ、第2レンズ、第3レンズ・・・第iレンズとし、第(i-1)レンズ、第iレンズの光軸倒れ方向のセンサ面への射影角が成す角度差をθi とするとき、第1レンズまでの群透過偏心量σ1、第2レンズまでの群透過偏心量σ2・・・、第iレンズまでの群透過偏心量σiとし、さらに第1レンズ、第2レンズ、第3レンズ・・・第iレンズの各レンズ単体偏心量をα1、α2、α3・・・αiとするとき、下記の条件式(3)(4)を満たすレンズユニットの製造方法。
- 複数のレンズを、光の通路となる貫通孔が形成された一つのレンズホルダに保持固定してレンズユニットを製造するレンズユニットの製造方法であって、
前記レンズホルダの貫通孔の中心軸に対する前記複数のレンズの各光軸の透過偏心を相殺するように、各レンズの光軸を中心とする回転調整をして、前記複数のレンズを前記レンズホルダに組み込む工程を含み、
各レンズの焦点距離をfi 、光学系全体の焦点距離をf、レンズ番号は落とし込む側から、第1レンズ、第2レンズ、第3レンズ・・・第iレンズとし、第(i-1)レンズ、第iレンズの光軸倒れ方向のセンサ面への射影角が成す角度差をθi とするとき下記の条件式(1)もしくは(2)を満たし、
第1レンズまでの群透過偏心量σ1、第2レンズまでの群透過偏心量σ2・・・、第iレンズまでの群透過偏心量σiとし、さらに第1レンズ、第2レンズ、第3レンズ・・・第iレンズの各レンズ単体偏心量をα1、α2、α3・・・αiとするとき、下記の条件式(3)(4)を満たすレンズユニットの製造方法。
- 前記複数のレンズの少なくとも一つに所定のゲートを形成し、
前記複数のレンズを、当該レンズのゲート位置を偏心の倒れ方向の基準位置として、前記レンズホルダに組み込む
請求項11から13のいずれか一に記載のレンズユニットの製造方法。 - 前記複数のレンズの少なくとも一つに、光軸を中心とする回転位置を把握するための印を形成し、
前記複数のレンズを偏心の倒れ方向の基準位置として前記レンズホルダに組み込む
請求項11から13のいずれか一に記載のレンズユニットの製造方法。 - 前記レンズホルダに光軸を中心とするレンズの回転方向を把握するための印を形成し、
前記複数のレンズを、前記印に応じて的確な角度で前記レンズホルダに組み込まれている
請求項11から13のいずれか一に記載のレンズユニットの製造方法。 - 前記レンズホルダはレンズ落とし込みの構造を有し、当該レンズホルダにレンズを組み込んだ状態での群透過偏心量が下記の条件式(5)を満たす
請求項11から16のいずれか一に記載のレンズユニットの製造方法。
[数20]
σi < 10´00″ (i=1,2,3・・・) (5)
ただし、レンズ番号は落とし込む側から、第1レンズ、第2レンズ、第3レンズ・・・とし、第1レンズまでの群透過偏心量σ1、第2レンズまでの群透過偏心量σ2、第3レンズまでの群透過偏心量σ3・・・とする。 - 前記複数のレンズを、前記レンズホルダにレンズを組み込んだ状態でレンズ系の残存偏心が撮像素子の短辺方向となる角度で組み込む
請求項11から17のいずれか一に記載のレンズユニットの製造方法。
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