JP5235726B2 - 長繊維強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法及びその製造装置 - Google Patents

長繊維強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法及びその製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、長繊維強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法及びその製造装置に関する。
繊維強化熱可塑性樹脂組成物はその優れた機械的特性を活かして様々な産業分野で利用されている。一般に繊維強化熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂と、強化繊維としてガラス製のチョップドストランド等の短繊維とを押出機で混練する方法で製造されており、得られる樹脂組成物は短繊維強化熱可塑性樹脂組成物(以下、単に「短繊維強化樹脂組成物」という)とも呼ばれる。しかしながら、この方法では押出機での混練中に強化繊維が折損し、高度な機械的特性の要求に応えることはできないという問題がある。
これに対し、近年、強化繊維が本来有する性能を充分に引き出すために、そのガラス等の強化繊維を長くすることが検討されている。強化繊維を長くした長繊維強化熱可塑性樹脂組成物(以下、単に「長繊維強化樹脂組成物」という)は、例えば、強化繊維を集束した繊維束をその軸方向に引き取りながら、溶融した樹脂をその繊維束に含浸させて樹脂ストランドを得るプルトルージョン法により得られる。この方法で得られた長繊維強化樹脂組成物は、上記短繊維強化樹脂組成物と比較して、機械的強度に優れている(例えば特許文献1、2参照)。
かかる長繊維強化樹脂組成物の製造方法に用いる製造装置には、得られる樹脂ストランドの断面形状を制御する紡口部材が備えられており、樹脂を含浸した繊維束をその紡口部材の貫通孔内に通過させることにより、その貫通孔形状に従った樹脂ストランドの断面形状を付与する。長繊維強化樹脂組成物中の繊維の濃度は、その紡口部材における貫通孔の開口形状と、用いる繊維のモノフィラメント数によって制御される。この点で、長繊維強化樹脂組成物の製造方法は、短繊維強化樹脂組成物の製造方法と異なる。
かかる長繊維強化樹脂組成物について、熱可塑性樹脂を含浸した強化繊維束を螺旋状に撚って、撚りが付与された樹脂含浸繊維束からなる樹脂ストランドを得る工程を有する、長繊維強化樹脂組成物の製造方法が知られている(例えば特許文献3参照)。特許文献3には、撚りを付与した強化繊維束に樹脂を十分に含浸させることで、射出成形品における強化繊維の分散性を向上させ、射出成形品の外観を良好にすると共に、補強効果を十分に発現して射出成形品の機械的強度を高くすることができる長繊維強化熱可塑性樹脂ペレット、及びその製造方法が記載されている。この製造方法では、樹脂ストランドを引き取ると共に、その樹脂ストランドに撚りを付与する一対の引き取りローラーが用いられている。
特開昭46−4545号公報 特開2006−16463号公報 特開2008−221574号公報
しかしながら、特許文献3に記載のような製造方法においては、撚りを付与するための引き取りローラーによる樹脂ストランドの引き取りに伴い、樹脂を含浸した強化繊維束をその軸周方向に高速に回転しながら軸方向に移動させる。樹脂を含浸した強化繊維束は紡口部材の貫通孔内を通過する際にも回転しているため、その貫通孔内壁は、その強化繊維束の回転によるせん断力を受けることとなる。これによって、特に樹脂ストランド中の強化繊維の濃度が高濃度であると、紡口部材の貫通孔内壁に用いる材料が短時間で磨耗することが判明した。そのような磨耗は、樹脂がポリアミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂等の融点が200℃以上の高温下での加工を必要とする樹脂である場合に認められ、長繊維強化熱可塑性樹脂組成物の生産量を高くしたりすると、その傾向は特に顕著となる。この磨耗による影響は、先に述べたように、長繊維強化樹脂組成物の製造に際し、紡口部材における貫通孔の開口形状で強化繊維の濃度を制御しているという点で、極めて重大である。すなわち、磨耗によって貫通孔径が次第に拡大するため、初期と比較して強化繊維の濃度が低下し、その結果、製品品質にバラツキが生じてしまう。ところが、従来技術では、この点を改良する方法に関して検討がなされていない。
そこで、本発明は上記事情にかんがみてなされたものであり、強化繊維を集束した繊維束に融点が200℃以上の熱可塑性樹脂を十分に含浸させ、その樹脂含浸繊維束を螺旋状に撚って樹脂ストランドを高い生産性で得る際に、樹脂ストランド中の繊維濃度の変動を抑えることが可能な、長繊維強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法、並びに、その製造方法に用いる製造装置を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、長繊維強化樹脂組成物の製造方法において、紡口部材の貫通孔内壁を構成する材料の硬度と、その貫通孔内を通過する熱可塑性樹脂を含浸した強化繊維束の撚回数とを特定の範囲に調整することで、驚くべきことに、高い生産性と樹脂の良好な含浸性を維持しながら、樹脂ストランド中のガラス繊維濃度の変動を少なくできることを見出した。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]融点が200℃以上である熱可塑性樹脂と強化繊維とを含む長繊維強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法であって、前記強化繊維を集束した繊維束に前記熱可塑性樹脂を含浸させて樹脂含浸繊維束を得る工程と、前記樹脂含浸繊維束を螺旋状に撚って樹脂ストランドを得る工程と、を有し、前記樹脂ストランドを得る工程は、貫通孔を有する紡口手段の前記貫通孔内に、前記樹脂含浸繊維束を螺旋状に撚りながら通過させる工程を更に有し、前記貫通孔内壁を構成する材料のHRC硬度が50以上であり、前記樹脂含浸繊維束の撚回数が1500〜8000rpmである、製造方法。
[2]前記樹脂ストランドをペレット状に成形する工程を更に有する、[1]の長繊維強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
[3]前記熱可塑性樹脂がポリアミド樹脂を含有する、[1]又は[2]の長繊維強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
[4]前記ポリアミド樹脂の硫酸溶液粘度が2.0〜4.0である、[3]の長繊維強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
[5]前記ポリアミド樹脂の末端カルボキシル基濃度と末端アミノ基濃度との合計濃度に対する前記末端カルボキシル基濃度の比が0.20〜0.80である、[3]又は[4]の長繊維強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
[6]前記樹脂ストランドにおける前記強化繊維の濃度が40〜80質量%である、[1]〜[5]のいずれか一つの長繊維強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
[7]前記強化繊維がガラス繊維を含む、[1]〜[6]のいずれか一つの長繊維強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
[8]強化繊維を集束した繊維束に融点が200℃以上である熱可塑性樹脂を含浸させて樹脂含浸繊維束を形成する含浸手段と、前記樹脂含浸繊維束を1500〜8000rpmの撚回数で螺旋状に撚って樹脂ストランドを得る撚り手段と、貫通孔を有し、その内壁を構成する金属材料のHRC硬度が50以上であり、前記貫通孔内に前記樹脂含浸繊維束を通過させる紡口手段と、を備える長繊維強化熱可塑性樹脂組成物の製造装置。
本発明によれば、強化繊維を集束した繊維束に融点が200℃以上の熱可塑性樹脂を十分に含浸させ、その樹脂含浸繊維束を螺旋状に撚って高い生産性で樹脂ストランドを得る際に、樹脂ストランド中の繊維濃度の変動を抑えることが可能な、長繊維強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法、並びに、その製造方法に用いる製造装置を提供することができる。
本実施形態の長繊維強化熱可塑性樹脂組成物を製造するための製造装置の一例を示す概略図である。 図1に示す製造装置に備えられる引き取りローラーを示す概略正面図である。 図1に示す製造装置に備えられる引き取りローラーを示す概略平面図である。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳しく説明する。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
まず、本実施形態の長繊維強化熱可塑性樹脂組成物の製造装置について説明する。図1は、その長繊維強化熱可塑性樹脂組成物の製造装置の一例を示す概略図である。図1によると、その製造装置100は、含浸ダイ7と、一対の引き取りローラー11A、11Bと、紡口部材8とを備える。より詳細には、製造装置100は、スクリューを設けた二軸押出機3と、含浸ローラー6を設けた含浸ダイ7と、紡口部材8と、冷却水槽9と、一対の引き取りローラー11A、11Bと、切断機12とを備える。
二軸押出機3は、溶融した熱可塑性樹脂5をスクリュー4により含浸ダイ7に押し出す装置である。含浸ダイ7はガラス繊維束2に熱可塑性樹脂5を含浸させるものである。含浸ダイ7には、単独又は複数の含浸ローラー6が設けられると好ましく、その含浸ローラー6にガラス繊維束2が押しつけられることで、ガラス繊維束2が容易に開繊して、熱可塑性樹脂5を一層十分に含浸することができる。
紡口部材8は含浸ダイ7からの樹脂含浸繊維束20の出口に設けられており、貫通孔8Aを有し、その貫通孔8A内に樹脂含浸繊維束20を通過させるものである。貫通孔8A内壁に接触しながら、樹脂含浸繊維束20は、その軸周方向に回転しつつ軸方向に移動する。貫通孔8A内壁は好ましくは金属材料から構成され、その材質としては特に限定されないが、例えば、炭素工具鋼、合金工具鋼が挙げられる。
貫通孔8A内壁のHRC硬度は、耐磨耗性の観点から50以上であり、好ましくは54以上、更に好ましくは58以上である。ここでいう「HRC硬度」は、貫通孔8A内壁を構成する材料と同一の材料から構成される試験片をロックウェル硬度計により測定することで得られる。なお、紡口部材8の貫通孔8A内壁以外の部分を構成する材料は特に限定されず、貫通孔8A内壁と同一であっても異なっていてもよい。
また、紡口部材8の形状は、特に制限はないが、取扱性の簡便さから、含浸ダイ7から取り外しが可能な形状であると好ましい。貫通孔8Aの開口形状は特に限定されないが、その中を樹脂含浸繊維束20が円滑に通過できる観点から、円状又は楕円状が好ましく、特に円状が好ましい。
冷却水槽9はその中に冷却水を貯留しており、高温の樹脂含浸繊維束20をその冷却水に接触させて冷却するものである。また、切断機12は、樹脂ストランド10を所定の大きさに切断してペレット13を得るためのものである。
一対の引き取りローラー11A、11Bは、これを回転させることにより、ガラス繊維ロービング1を引き取り、含浸ダイ7、紡口部材8、冷却水槽9の順に通過させるものであり、樹脂含浸繊維束20を螺旋状に撚って樹脂ストランド10を形成する撚り手段の一例である。引き取りローラー11A、11Bによって樹脂含浸繊維束20に撚りをかけるには、例えば、図2、3に示すようにそれらのローラー11A、11Bを配置すればよい。図2は、その引き取りローラー11A、11Bの配置の一例を示す概略正面図であり、図3は、その概略平面図である。それぞれ円柱状の引き取りローラー11Aの回転軸Xと引き取りローラー11Bの回転軸Yとの間の角度(図3に示す平面での角度)が2θとなるように配置して、それらのローラー11A、11Bの側面(円柱面)で樹脂ストランド10を挟んで、それぞれ回転軸X、Yを中心として図2中の破線矢印方向に回転させる。そうすると、樹脂ストランド10はそれらのローラー11A、11Bにより引き取られ、D方向に回転しながらC方向(回転軸X、Yに対して角度θをなす方向)に移動し、螺旋状の撚りを形成する。この際、撚り角度はθとなる。これらの引き取りローラー11A、11Bの回転を駆動力として、上述のとおり、紡口部材8の貫通孔内でも樹脂含浸繊維束20は回転しつつ移動する。
一対の引き取りローラー11A、11Bは、樹脂含浸繊維束20を螺旋状に撚る際に、引取速度と撚り角度とを調整することで、その撚回数を1500〜8000rpm、好ましくは2000〜7500rpm、より好ましくは2500〜700rpmに調整することができる。ここで、樹脂含浸繊維束20の撚回数は後述のようにして導出されるものである。
本実施形態の長繊維強化熱可塑性樹脂組成物の製造装置によると、紡口部材8における貫通孔内壁8AのHRC硬度が50以上であって、樹脂含浸繊維束20の撚回数を1500〜8000rpmに調整できる引き取りローラー11A、11Bを備えることによって、高い生産性を維持しつつ樹脂含浸繊維束20の回転及び移動による磨耗を抑制することができると共に、熱可塑性樹脂5のガラス繊維束2に対する含浸性を優れたものとすることができる。
次に、本実施形態の長繊維強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法について説明する。本実施形態の長繊維強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法は、熱可塑性樹脂5とガラス繊維ロービング1とを含む長繊維強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法であって、樹脂含浸繊維束20を得る工程と、樹脂ストランド10を得る工程とを有し、更に冷却する工程と成形する工程とを有すると好ましい。
初めに、樹脂含浸繊維束20を得る工程では、強化繊維であるガラス繊維ロービング1を集束したガラス繊維束2に、溶融した熱可塑性樹脂5を含浸させて樹脂含浸繊維束20を得る。具体的には、まず、一本又は複数本のガラス繊維ロービング1からガラス繊維束2を得、含浸ダイ7に通過させる。一方、二軸押出機3で、スクリュー4により溶融された熱可塑性樹脂5を含浸ダイ7に押し出して供給する。そして、含浸ダイ7において、ガラス繊維束2に熱可塑性樹脂5を含浸させて樹脂含浸繊維束20を得る。この際、含浸ダイ7の中に設けられた複数の含浸ローラー6にガラス繊維束2を押しつけて開繊すると、樹脂の含浸を促進させる観点から好ましい。
ガラス繊維ロービング1としては、単繊維を集束したロービングであれば特に限定されるものではない。その中でも、一本のガラス繊維の断面の形状が円状又は楕円状のものが好ましい。ガラス繊維の繊維径に特に制限はないが、例えば直径が5〜25μmのものが一般的である。また、十分な機械的強度を発現させるためには、ガラス繊維の断面の長径と短径との比が1〜1.5であると好ましく、より好ましくは1〜1.1である。
ガラス繊維は、ガラス繊維ロービング1と熱可塑性樹脂1との間の接着性を向上させるために、カップリング剤等の処理剤で表面処理が施されていることが好ましい。表面処理に用いられるカップリング剤等の処理剤は特に限定されず、従来、ガラス繊維の表面処理に用いられているものであってもよい。
融点が200℃以上である熱可塑性樹脂5の具体例としては、ポリアミド樹脂、脂肪族ポリエステル樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、芳香族ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンサルファィド樹脂が挙げられる。これらの樹脂は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。なお、熱可塑性樹脂5の融点は、示差走査熱量測定(DSC)を用いた融解熱量測定において、試料の温度を20℃/分の割合で昇温させながら発生する温度―融解熱量曲線に生ずる融解熱ピークが位置する温度とする。なお、その融点は、融解熱ピークが複数個観測された場合、その中で最大面積を占めるピークが位置する温度とする。
その中でも、機械的強度の観点から、熱可塑性樹脂5がポリアミド樹脂を含有することが好ましい。ポリアミド樹脂としては、例えば、ポリアミド6、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミドMXD6、ヘキサメチレンジアミンとイソフタル酸とを重合してなるポリアミド(ポリアミド6I)、イソフタル酸とビス(3−メチル−4アミノシクロヘキシル)メタンとを重合してなるポリアミド(ポリアミドPACMI)などのホモポリマー、アジピン酸とイソフタル酸とへキサメチレンジアミンとを重合してなるポリアミド(ポリアミド66/6I共重合体)、アジピン酸とテレフタル酸とへキサメチレンジアミンとを重合してなるポリアミド(ポリアミド66/6T共重合体)、イソフタル酸とテレフタル酸とヘキサメチレンジアミンとを重合してなるポリアミド(ポリアミド6I/6T共重合体)、アジピン酸とイソフタル酸とテレフタル酸とヘキサメチレンジアミンとを重合してなるポリアミド(ポリアミド66/6I/6T共重合体)、テレフタル酸と2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミンと2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミンとを重合してなるポリアミド(ポリアミドTMDT共重合体)、テレフタル酸とノナンジアミンとを重合してなるポリアミド(ポリアミド9T)、イソフタル酸とテレフタル酸とヘキサメチレンジアミンとビス(3ーメチルー4アミノシクロヘキシル)メタンとを重合してなる共重合ポリアミド、及び、イソフタル酸とテレフタル酸とヘキサメチレンジアミンとビス(3ーメチルー4アミノシクロヘキシル)メタンとを重合してなる共重合ポリアミドとポリアミド6との混合物、ポリアミドMXD6とポリアミド66との混合物、が挙げられる。
熱可塑性樹脂5がポリアミドである場合、その分子量は、ポリアミド樹脂を強化繊維に十分に含浸させるという観点から、硫酸溶液粘度ηrで2.0〜4.0であると好ましく、2.2〜3.8であるとより好ましく、2.4〜3.6であると更に好ましい。硫酸溶液粘度ηrは、98.0%硫酸100mLにポリマー1gを溶解し、オストワルト型粘度計を用いて25℃で測定される。
また、ポリアミド樹脂の末端カルボキシル基濃度[COOH]と末端アミノ基濃度[NH2]との関係は、腐食成分による磨耗の促進を抑えるという観点から、それらの合計濃度に対する末端カルボキシル基濃度の比([COOH]/([COOH]+[NH2]))として、0.20〜0.80であると好ましく、0.25〜0.75であるとより好ましく、0.30〜0.70であると更に好ましい。なお、[COOH]及び[NH2]は、下記実施例に記載の方法に準拠して測定される。
次に樹脂ストランド10を得る工程では、樹脂含浸繊維束20を、螺旋状に撚って樹脂ストランド10を得る。この工程では、一対の対向した引き取りローラー11A、11Bが樹脂ストランド10を挟んで上述のようにして回転して引き取ることで、樹脂含浸繊維束20に撚りをかける。樹脂ストランド10を得る工程は、紡口部材8の貫通孔8A内に、樹脂含浸繊維束20を螺旋状に撚りながら通過させる工程を更に有する。
樹脂含浸繊維束20が貫通孔8Aに進入する際、貫通孔8Aの含浸ダイ7側の開口部で、樹脂含浸繊維束20から余分な熱可塑性樹脂5が刮ぎ落とされる。貫通孔8A内では、その内壁に樹脂含浸繊維束20が接触しながら回転して移動するため、貫通孔8Aを通過して得られる樹脂ストランド10の断面形状は、貫通孔8Aの開口形状に従った形状となる。上述のとおり、貫通孔8A内壁を構成する材料のHRC硬度が50以上であり、かつ、樹脂含浸繊維束20の撚回数が1500〜8000rpmであることにより、貫通孔8Aの内壁が摩耗により削られて貫通孔8Aの開口形状が変化する、という現象を防止できる。
ここで、樹脂含浸繊維束20の撚回数n(rpm)は、下記式(6)を用いて求められる。
まず、樹脂ストランド10の引き取り速度、すなわち、樹脂含浸繊維束20の図2におけるC方向への進行速度をV(m/分)とし、1m当たりの樹脂含浸繊維束20の撚り数をX(rev/m)とすると、樹脂含浸繊維束20の撚回数n(rpm)は下記式(1)で与えられる。なお、貫通孔8A内における樹脂含浸繊維束20の撚回数と引き取りローラー11A、11Bを通過する樹脂ストランド10の撚回数とは同一である。
n=V×X (1)
また、引き取りローラー11A、11Bの回転数をN(rpm)、該ローラーの直径をD(m)、撚り角度をθ(°)とすると、樹脂含浸繊維束20の引き取り速度V(m/分)は、下記式(2)で表される。一方、樹脂含浸繊維束20の撚回方向速度v(m/分)は、下記式(3)で表される。そして、得られる樹脂ストランド10の断面積と同じ面積を有する円の直径(面積相当円直径)として定められる樹脂ストランド10の径をd(m)とすると、樹脂含浸繊維束20の撚回数n(rpm)は、下記式(4)で与えられる。
V=πDNcosθ (2)
v=πDNsinθ (3)
n=v÷πd=(DN/d)×sinθ (4)
以上より、1m当たりの樹脂含浸繊維束20の撚り数X(rev/m)は、下記式(5)で与えられる。
X=n÷V=sinθ/(πdcosθ)=(1/πd)×tanθ (5)
式(1)及び(5)より、撚回数nは下記式(6)で求められる。
n=V×X=(V/πd)×tanθ (6)
樹脂含浸繊維束20の撚回数nは機械的強度、生産性、磨耗性及び含浸性の観点から1500〜8000rpmである。すなわち、撚回数nが1500rpm以上であると含浸性及び生産性に優れるようになり、8000rpm以下であると摩耗性、含浸性に優れるようになる。同様の観点から、撚回数nが2000〜7500rpmであると好ましく、2500〜7000rpmであるとより好ましい。また、樹脂ストランド10の引き取り速度は、生産性及び耐磨耗性の観点から、30〜120m/分であると好ましく、40〜110m/分であるとより好ましい。
次いで、冷却する工程において、紡口部材8より引き抜かれた樹脂ストランド10を、冷却水槽9中の冷却水に浸漬し冷却する。この後、成形する工程において、樹脂ストランド10をペレット状に成形する。具体的には、樹脂ストランド10を切断機12により切断し、長繊維強化熱可塑性樹脂組成物であるペレット13を得る。
こうして得られた、長繊維強化熱可塑性樹脂組成物におけるガラス繊維の濃度は、剛性及び可撓性を両立する観点から、40〜80質量%であると好ましく、40〜75質量%であるとより好ましく、40〜70質量%であると更に好ましい。なお、そのガラス繊維の濃度を調整する方法としては、上述のように、貫通孔8Aの含浸ダイ7側の開口部で、樹脂含浸繊維束20から余分な熱可塑性樹脂5が刮ぎ落とされることから、その貫通孔8Aの孔径を変更する方法が挙げられる。その孔径を大きくすればガラス繊維の濃度は低下し、孔径を小さくすればガラス繊維の濃度は高くなる。その他のガラス繊維の濃度を調整する方法としては、ガラス繊維ロービング1における単繊維の本数を変更する方法、ガラス繊維ロービング1の本数を変更する方法が挙げられる。ガラス繊維の濃度は、下記実施例に記載した方法に準拠して測定される。
また、本実施形態の長繊維強化熱可塑性樹脂組成物には、所望に応じて種々の添加剤を配合することが可能である。
添加剤の具体例としては、銅化合物及びリン化合物等の熱安定剤、ヒンダードフェノール及びヒンダードアミン等の酸化劣化防止剤、マンガン化合物等の光安定剤、タルク、ボロンナイトライド等の核剤、ステアリン酸金属塩に代表される高級脂肪酸金属塩等の滑剤、カーボンブラック、酸化チタン、アジン系染料及びフタロシアニン系染料等の着色剤、可塑剤、帯電防止剤、難燃剤が挙げられる。これら添加剤は、例えば、熱可塑性樹脂5に予めブレンドすることで配合される。
以上、説明した本実施形態の長繊維強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法によると、貫通孔8A内壁のHRC硬度を50以上にし、樹脂含浸繊維束20の撚回数を1500〜800rpmに調整することにより、熱可塑性樹脂5のガラス繊維束2に対する含浸性を高くすることができ、従来の方法で問題となっていた紡口部材における貫通孔内壁の磨耗に起因した強化繊維の濃度の低下が著しく抑制される。そのため、高い生産性と樹脂の良好な含浸性を維持しながら、強化繊維の濃度の変動の少ないガラス長繊維強化熱可塑性樹脂組成物を長時間に亘って製造することができる。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。例えば、本発明に係る強化繊維はガラス繊維に限定されない。ガラス繊維以外の強化繊維としては、例えば、炭素繊維や金属繊維が挙げられる。これらの強化繊維は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせてもよい。ただし、強化繊維がガラス繊維を含むと、本発明による効果をより有効に奏することができるので好ましい。その観点から、強化繊維中のガラス繊維の含有割合が50質量%以上であると好ましく、80質量%以上であるとより好ましく、90質量%以上であると更に好ましく、100質量%であると特に好ましい。
また、紡口部材の貫通孔内壁の材質は、HRC硬度が上記範囲内にあるものであれば、金属以外の材質であってもよい。そのような材質としては例えばセラミックが挙げられる。本発明の長繊維強化熱可塑性樹脂組成物はペレット状でなくてもよく、例えば、樹脂ストランド10自体も長繊維強化熱可塑性樹脂組成物であり、あるいは、樹脂ストランド10をペレット状以外の任意に成形したものであってもよい。
以下の実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、実施例及び比較例に用いた原材料、貫通孔内壁を含む紡口部材を構成する金属材料、ガラス繊維の濃度の測定方法、及びガラス長繊維強化熱可塑性樹脂組成物における樹脂の含浸性の評価方法を以下に示す。
[原材料]
<熱可塑性樹脂>
A1:ポリアミド66樹脂(以下「PA66」と略記する)、商品名「レオナ(登録商標)1300S」(旭化成ケミカルズ(株)製)、融点:260℃、硫酸溶液粘度:2.85、末端カルボキシル基濃度:85ミリ等量/kg、末端アミノ基濃度:45ミリ等量/kg、[COOH]/([COOH]+[NH2])=0.65
A2:ポリアミド6樹脂(以下「PA6」と略記する)、商品名「UBEナイロン(登録商標)1013B」(宇部興産(株)製)、融点:220℃、硫酸溶液粘度:2.60、末端カルボキシル基濃度:43ミリ等量/kg、末端アミノ基濃度:43ミリ等量/kg、[COOH]/([COOH]+[NH2])=0.50
A3:ポリフェニレンサルファイド樹脂(以下「PPS」と略記する)、商品名「DIC−PPS(登録商標)LR−100G」(DIC(株)製)、融点:290℃
A4:ポリプロピレン樹脂(以下、PPと略記)、商品名:「ノバテック―PP(登録商標)BC05B」(日本ポリプロ(株)製)、融点:162℃
<ガラス繊維>
ガラス繊維ロービング(商品名「ER2400T―448N」、繊維径:17μm、2400TEX、日本電気硝子(株)製)
[紡口を構成する金属製パーツの材質]
B1:SKD61(合金工具鋼)、HRC硬度:50
B2:SKD11(合金工具鋼)、HRC硬度:58
B3:SNCM415(ニッケルクロムモリブデン鋼)、HRC硬度:34
B4:S50C(炭素鋼)、HRC硬度:21
[末端カルボキシル基濃度[COOH]の測定]
試料を170±5℃のベンジルアルコールに溶解し、0.1Nの苛性ソーダで滴定して[COOH]を測定した。指示薬として、フェノールフタレインを使用した。
[末端アミノ基濃度[NH2]の測定]
試料をフェノールに溶解し、0.02N塩酸で電位差滴定を行い[NH2]を測定した。
[ガラス繊維の濃度の測定方法]
得られた長繊維強化熱可塑性樹脂組成物のペレット約5gを、ISO 3451に準じて、電気マッフル炉(FP−31型、ヤマト科学製)を用いて加熱し、熱可塑性樹脂を燃焼させ、得られた灰分がガラス繊維に相当するものであるとして、灰分の質量からガラス繊維の濃度を算出した。
[樹脂の含浸性の評価方法]
得られたガラス長繊維強化熱可塑性樹脂組成物のペレット(長さ10mm)の一端面(ストランドの切断面)を、呈色指示薬であるメチルレッドのプロパノール溶液(メチルレッドのプロパノール飽和溶液50mLに塩酸1mLを添加してpHを調整し、メチルレッドの発色性を向上させたもの)に、30分間浸漬した後、ペレットの長さ方向における呈色指示薬の浸透状況を観察した。任意に選んだ10個のペレットについて観察し、ペレットの長さ方向に2mm以上の浸透が見られるペレットの個数を数え、下記表1に従って含浸性の優劣を判定した。2mm以上の浸透が見られるペレットの個数が少ないほど、含浸性が良好であり、良好なものから「○」、「△」、「×」の順で評価した。
Figure 0005235726
[ガラス長繊維強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法]
二軸押出機(商品名「ZSK25」、Coperion社製)を用い、溶融温度を熱可塑性樹脂の融点+40℃に設定し、スクリュー回転数300rpmで熱可塑性樹脂を溶融した。その熱可塑性樹脂を、長繊維強化樹脂組成物製造装置(商品名「KOSLFP−212」、(株)神戸製鋼所製)の樹脂含浸用ローラー(上記ローラー6に相当)を備えた含浸ダイに供給し充填した。2本のガラス繊維ロービングからガラス繊維束を形成し、そのガラス繊維束を、溶融熱可塑性樹脂を充填した含浸ダイに導入した。含浸ダイ内で熱可塑性樹脂を含浸したガラス繊維束を、紡口部材の貫通孔内に、その内壁に接触させながら通過させた後、連続的に貫通孔から引き抜き1本の樹脂ストランドを形成した。その樹脂ストランドを、15℃の冷却水を貯留した冷却水槽(水冷バス)中で冷却した後、上記切断機12に相当するペレタイザーで切断して、長さ10mmのペレットを得た。なお、この一連の操作において、冷却水槽とペレタイザーとの間に図2、3のように設置した一対のローラーで、樹脂ストランドを引き取ることにより、その樹脂ストランドの引き取り方向を軸に樹脂ストランドを螺旋状に撚りながら行った。この操作により、熱可塑性樹脂を含浸したガラス繊維束も同様に螺旋状に撚られた。この時の樹脂ストランドの引き取り速度、撚り角、熱可塑性樹脂を含浸したガラス繊維の撚回数は表2〜5に示すように調整した。処理は100時間実施し、処理開始前と処理開始100時間後の紡口部材における貫通孔の孔径をデジタルノギスを用いて測定した。
なお、紡口部材としては、含浸ダイから取り外し可能な新品の部材を用い、その材質、円形状の貫通孔の孔径は表2〜5に示すとおりであった。
また、得られたペレットのガラス繊維の濃度は、処理開始直後、処理開始1時間後、10時間後、50時間後、100時間後にそれぞれ得られたペレットで測定した。
[実施例1〜6、比較例1〜6]
表2に示した条件で、上述のようにしてガラス長繊維強化熱可塑性樹脂組成物を得た。実施例では処理開始直後と比較して、100時間後においてもガラス繊維の濃度がほとんど変化しないのに対し、比較例では貫通孔の孔径が磨耗によって大きくなったため、100時間後のガラス繊維の濃度が低下した。
[実施例7〜9、比較例7]
表3に示した条件で、上述のようにしてガラス長繊維強化熱可塑性樹脂組成物を得た。実施例では処理開始直後と比較して、100時間後においてもガラス繊維の濃度がほとんど変化しないのに対し、比較例では貫通孔の孔径が磨耗によって大きくなったため、100時間後のガラス繊維の濃度が低下した。
[比較例8、9]
表3に示した条件で、上述のようにしてガラス長繊維強化熱可塑性樹脂組成物を得た。実施例と比較して、熱可塑性樹脂の含浸性が劣るものであった。
[比較例10、11]
表3に示した条件で、上述のようにしてガラス長繊維強化熱可塑性樹脂組成物を得た。100時間後においてもガラス繊維の濃度は変化しないが、実施例と比較して、熱可塑性樹脂の含浸性だけでなく、生産性も大きく劣る結果となった。
[比較例12]
表3に示した条件で、上述のようにしてガラス長繊維強化熱可塑性樹脂組成物を得ようと試みたが、処理開始から10分後、ストランドが破断し、処理継続が不能となった。
[実施例10〜12、比較例13]
表4に示した条件で、上述のようにしてガラス長繊維強化熱可塑性樹脂組成物を得た。実施例では処理開始直後と比較して、100時間後においてもガラス繊維の濃度がほとんど変化しないのに対し、比較例では貫通孔の孔径が磨耗によって大きくなったため、100時間後のガラス繊維の濃度が低下した。
[比較例14]
表4に示した条件で、上述のようにしてガラス長繊維強化熱可塑性樹脂組成物を得ようと試みたが、処理開始から20分後、ストランドが破断し、処理継続が不能となった。
[比較例15]
表4に示した条件で、上述のようにしてガラス長繊維強化熱可塑性樹脂組成物を得ようと試みたが、処理開始直後から含浸不良により、ストランドから繊維毛羽が大量に発生した。処理を30分間継続したが、ストランドが破断し、処理継続が不能となった。
[比較例16、17]
表4に示した条件で、上述のようにしてガラス長繊維強化熱可塑性樹脂組成物を得た。100時間後においてもガラス繊維の濃度がほとんど変化しないが、含浸性は著しく低い結果となった。
[比較例18、19]
表4に示した条件で、上述のようにしてガラス長繊維強化熱可塑性樹脂組成物を得た。100時間後においてもガラス繊維の濃度は変化しないが、実施例と比較して、熱可塑性樹脂の含浸性だけでなく、生産性も大きく劣る結果となった。
[参考例1〜4]
表5に示した条件で、上述のようにしてガラス長繊維強化熱可塑性樹脂組成物を得た。融点が200℃未満であるポリプロピレン樹脂を用いた場合、処理開始から100時間後においてもガラス繊維の濃度がほとんど変化しなかった。
Figure 0005235726
Figure 0005235726
Figure 0005235726
Figure 0005235726
本発明の長繊維強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法及びその製造装置を用いることで、高い生産性を維持しながら、良好な含浸性、ガラス繊維の濃度の変動が少ない高品質な長繊維強化熱可塑性樹脂組成物を得ることができる。
1…ガラス繊維ロービング、2…ガラス繊維束、3…二軸押出機、4…スクリュー、5…熱可塑性樹脂、6…含浸ローラー、7…含浸ダイ、8…紡口部材、9…冷却水槽、10…樹脂ストランド、11A、11B:引き取りローラー、12…切断機、13…ペレット、20…樹脂含浸繊維束。

Claims (8)

  1. 融点が200℃以上である熱可塑性樹脂と強化繊維とを含む長繊維強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法であって、
    前記強化繊維を集束した繊維束に前記熱可塑性樹脂を含浸させて樹脂含浸繊維束を得る工程と、
    前記樹脂含浸繊維束を螺旋状に撚って樹脂ストランドを得る工程と、を有し、
    前記樹脂ストランドを得る工程は、貫通孔を有する紡口手段の前記貫通孔内に、前記樹脂含浸繊維束を螺旋状に撚りながら通過させる工程を更に有し、前記貫通孔内壁を構成する材料のHRC硬度が50以上であり、前記樹脂含浸繊維束の撚回数が1500〜8000rpmである、製造方法。
  2. 前記樹脂ストランドをペレット状に成形する工程を更に有する、請求項1に記載の長繊維強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  3. 前記熱可塑性樹脂がポリアミド樹脂を含有する、請求項1又は2に記載の長繊維強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  4. 前記ポリアミド樹脂の硫酸溶液粘度が2.0〜4.0である、請求項3に記載の長繊維強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  5. 前記ポリアミド樹脂の末端カルボキシル基濃度と末端アミノ基濃度との合計濃度に対する前記末端カルボキシル基濃度の比が0.20〜0.80である、請求項3又は4に記載の長繊維強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  6. 前記樹脂ストランドにおける前記強化繊維の濃度が40〜80質量%である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の長繊維強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  7. 前記強化繊維がガラス繊維を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の長繊維強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  8. 強化繊維を集束した繊維束に融点が200℃以上である熱可塑性樹脂を含浸させて樹脂含浸繊維束を形成する含浸手段と、
    前記樹脂含浸繊維束を1500〜8000rpmの撚回数で螺旋状に撚って樹脂ストランドを得る撚り手段と、
    貫通孔を有し、その内壁を構成する金属材料のHRC硬度が50以上であり、前記貫通孔内に前記樹脂含浸繊維束を通過させる紡口手段と、
    を備える長繊維強化熱可塑性樹脂組成物の製造装置。
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