JP5235572B2 - 歯科用レーザー治療装置における光ファイバーの先端加工方法及びその治療システム - Google Patents

歯科用レーザー治療装置における光ファイバーの先端加工方法及びその治療システム Download PDF

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Description

本発明は、レーザー光を用いた歯科治療装置に係り、特に口腔内の硬軟両組織の治療の際に同時に用いることができる歯科用レーザー治療装置における光ファイバーの先端加工方法及びその治療システムに関する。
レーザー光を用いた治療装置は、歯科、医科の治療に広く利用されている。レーザー光用いた治療装置は、麻酔なしで痛みがほとんどなく、出血も少量であり、治療期間も短縮され、殺菌効果も高いという特徴を有する。レーザー光を用いた治療装置は、歯科臨床においては既に適応症や治療術式が確立されつつある。しかし、術者の技術面の優劣、用いる治療装置の機種・装備により、治療の有効性にかなりの差異が生じていた。
治療装置の機種について、例えば歯牙などの硬い組織の治療にはエルビュームYAGレーザーが使用されている。また、歯周病の治療では、歯周ポケットに溜まった歯石や細菌を除去、殺菌する際に、エルビュームレーザーが使用されている。このときは、歯周ポケット入口の歯肉をめくって照射したり、直接歯周ポケットに器具を挿入して照射している。
一方、歯肉のような軟らかい組織の治療には、例えばNd:YAGレーザー(ネオジュームYAGレーザー)が使用されている。これは進行した歯周病で歯肉に溜まった膿を一気に蒸散させて殺菌できる特徴がある。
このようにレーザー光を用いて歯の治療をする技術が種々提案されている。例えば特許文献1の特開2004−242841公報「歯科用レーザー治療装置および歯科用レーザー治療システム」のように、レーザー光源を含む本体と、前記本体よりレーザー光を導光する光ファイバーと、前記光ファイバーに接続されたハンドピースと、前記本体に接続されたレーザー光の照射のためのスイッチ手段と、患部に放出する染料を格納する染料格納部と、放出された前記染料の一部を除去するための液体を格納する液体格納部とを有する歯科用レーザー治療装置が提案されている。
特開2004−242841公報
レーザー光を用いた治療では、術者の技術が未熟であると、治療部位の組織内の温度が上昇して苦痛生じることがあった。更に、最悪の時は不要な箇所を切開し、歯肉組織を破壊するという不具合もあった。例えば、上述したNd:YAGレーザーは、波長特性による組織深達性が高く、深部組織温度の上昇、なかでも歯髄への為害作用が心配されてきた。そのため、高出力レーザーのエネルギーをいかに活用しつつリスク因子をコントロールするかが重要となっている。即ち、Nd:YAGレーザーの特性である吸収と散乱を活かしながら、組織侵襲性をコントロールするシステムを開発することが必要となる。
そこで、本発明の発明者は、レーザー光の組織侵襲性を容易にコントロールすることに着目した。光ファイバーの先端を加工することにより、先端から直進するレーザー光を前方のみならず全周囲方向へ照射するようになる。そこで、前方へ直進するレーザー光と、全周囲方向へ照射できるレーザー光と2種類のレーザー光を使い分け、組織侵襲性をコントロールすることに着目した。
なお、特許文献1の「歯科用レーザー治療装置および歯科用レーザー治療システム」は、染料を用いて効率良く歯石を除去することはできるが、本発明が課題にしているレーザー光の組織侵襲性をコントロールするものではなかった。
本発明は、かかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、光ファイバーの先端を治療と同時に加工することで、光ファイバーの先端から直進するレーザー光を前方のみならず全周囲方向へ照射し、周囲組織に対する効率的な照射が行える共に、更に不必要な熱エネルギーを抑制することができ、組織侵襲性をコントロールして口腔内の硬軟両組織の治療に用いることができる歯科用レーザー治療装置における光ファイバーの先端加工方法及びその治療システムを提供することにある。
本発明の加工方法、レーザー光を用いて歯科治療を行う際に、先端から直進するレーザー光を前方のみならず全周囲方向へ照射するように、光ファイバーの先端を加工する歯科用レーザー治療装置における光ファイバーの先端加工方法であって、歯科用レーザー治療装置の装置本体(2)内の光源部よりレーザー光を光ファイバー(3)から出射し、該光ファイバー(3)の先端部分を加工する際に、パルス幅(μs)、該光ファイバー(3)の先端出力(kW)とエネルギー(mJ)及びパルス周波数(pps)に関する照射条件と、該光ファイバー(3)の先端形状の加工の有無との組み合わせを数段階に設定し、該光ファイバー(3)の先端部分に金属・金属酸化物細粒子の懸濁液を流しながら、該先端部分を前記数段階の設定に応じた略円錐形状、略切頭円錐形状に加工する、ことを特徴とする。
例えば、前記光ファイバー(3)の先端部分に流す金属・金属酸化物細粒子の懸濁液について、その濃度を可変して該光ファイバー(3)の先端部分を加工することができる。
本発明の治療システム、レーザー光を用いて歯科治療を行う際に、レーザー光の照射形状を可変し得るように光ファイバーの先端加工を伴う歯科用レーザー治療システムであって、レーザー光を出射する光源部と、該光源部からのレーザー光を導光する光ファイバーとから成るレーザー治療装置(1)と、前記光ファイバー(3)の先端形状を略円錐形状、略切頭円錐形状に加工するために、光ファイバー(3)の先端部分に金属・金属酸化物細粒子の懸濁液を供給する懸濁液供給部(8)とから成る光ファイバー先端部加工装置と、を備え、前記レーザー治療装置(1)と光ファイバー先端部加工装置に関し、パルス幅(μs)、光ファイバー(3)の先端出力(kW)とエネルギー(mJ)及びパルス周波数(pps)に関する照射条件と、該光ファイバー(3)の先端形状の加工の有無との組み合わせから成るモードを数段階に設定し、治療内容に応じて口腔の硬軟両組織に適するモードで該光ファイバー(3)を照射する、ことを特徴とする。
例えば、前記照射条件に関するモードを、5段階のモード1、モード2、モード3、モード4、モード5に設定し、前記モード1は、レーザー光のパルス幅(μs)、光ファイバー(3)の先端出力(kW)、エネルギー(mJ)及びパルス周波数(pps)に関する照射条件を一定に設定し、光ファイバー(3)の先端を加工して組織侵襲性をコントロールしたレーザー光を、主に「歯肉切開」に利用するモードであり、前記モード2は、レーザー光の照射による侵襲作用がモード1より大きく、光ファイバー(3)の先端を加工して、組織侵襲性をコントロールしたレーザー光を、主に「齲蝕歯・知覚過敏」の鈍麻処置、「根管治療(閉鎖空間)」、「歯周病の歯肉縁上(開放空間)の治療」、「口内炎」、「歯肉切開」又は「瘻孔内照射(閉鎖空間)」に利用するモードであり、前記モード3は、レーザー光の照射による侵襲作用がモード2より大きく、光ファイバー(3)の先端を加工して、組織侵襲性をコントロールしたレーザー光を、主に「齲蝕歯・知覚過敏の鈍麻処置」、「歯周病の歯肉縁下(開放空間)の治療」に利用するモードであり、前記モード4は、レーザー光の照射による侵襲作用がモード3より大きく、加工前の光ファイバー(3)では、主に「齲蝕歯・知覚過敏の鈍麻処置」にそのレーザー光を利用し、光ファイバー(3)の先端を加工して、組織侵襲性をコントロールしたレーザー光は、主に「知覚過敏」、「止血作用」、「痛みの強い口内炎」又は「疼痛の緩解」に利用するモードであり、前記モード5は、レーザー光の照射による侵襲作用がモード3より大きく、加工前の光ファイバー(3)では、主に「コア・ポストの除去」にそのレーザー光を利用し、光ファイバー(3)の先端部分を加工して、組織侵襲性をコントロールしたレーザー光は、主に「止血作用」に利用するモードである。
本発明の光ファイバーの先端加工を伴う歯科用レーザー治療システムによる治療方法、レーザー光の照射形状を先端から直進するレーザー光を前方のみならず全周囲方向へ照射するように光ファイバーの先端加工を伴う歯科用レーザー治療装置を用いる歯科治療方法であって、コア・ポストの除去、知覚過敏(HYS)、止血、痛みの強い口内炎又は疼痛の緩解については、直進するレーザー光を用いて治療を行ない、齲蝕歯・知覚過敏の鈍麻処置(C,HYS処)、根管治療(RCT)(閉鎖空間)、歯周病の歯肉縁上(開放空間)の治療、口内炎、歯肉切開又は瘻孔内照射(閉鎖空間)については、全周囲方向へ照射するレーザー光を用いて治療を行なう、ことを特徴とする。
例えば、レーザー光の照射形状を先端から直進するレーザー光を前方のみならず全周囲方向へ照射するように光ファイバーの先端加工を伴う歯科用レーザー治療装置を用いて、失活歯の歯肉縁下齲蝕歯について歯肉の切除を伴う治療方法であって、先ず、歯肉縁下齲蝕歯について、直進するレーザー光を用いて鈍麻を行ない、次に、全周囲方向へ照射するレーザー光を用いて歯肉を切除し、最後に、同じく全周囲方向へ照射するレーザー光を用いて歯肉切除と歯周ポケット内の殺菌を行なう治療方法がある。
また、レーザー光の照射形状を先端から直進するレーザー光を前方のみならず全周囲方向へ照射するように光ファイバー先端加工を伴う歯科用レーザー治療装置を用いて、生活歯の歯肉縁下齲蝕歯について歯肉の切除を伴う治療方法であって、先ず、歯肉縁下齲蝕歯について、直進するレーザー光を用いて硬軟両組織の鈍麻を行ない、次に、全周囲方向へ照射するレーザー光を用いて歯肉を切除し、最後に、同じく全周囲方向へ照射するレーザー光を用いて鈍麻させて齲蝕をエキスカベータで除去し、歯質に耐酸性を付与し充填する治療方法がある。
この治療方法において、齲蝕部に痛みがあるときは、全周囲方向へ照射するレーザー光を用いてその部位をスキャンするように照射することが好ましい。
更に、レーザー光の照射形状を先端から直進するレーザー光を前方のみならず全周囲方向へ照射するように光ファイバーの先端加工を伴う歯科用レーザー治療装置を用いて、金属ポストを除去する治療方法であって、先ず、タービンにて歯質と金属の境界部を明示し、次に、ポストの全周を歯質と金属の境界部に、スイッチで調整しながら全周囲方向へ照射するレーザー光を照射し、最後に、ポストの長さの半分まで光ファイバー(3)を到達させ、ポストを除去する治療方法がある。
上記構成の加工方法では、光ファイバー(3)の先端部分に金属・金属酸化物細粒子(酸化チタン)の懸濁液を流しながら、この先端部分を略円錐形状、略切頭円錐形状に加工する。これにより、照射しているレーザー光で光ファイバー(3)の先端が徐々に損耗するが、常時その先端形状を略切頭円錐形状又は略円錐形状に効率良く加工することができる。
また、光ファイバー(3)の先端部分に流す金属・金属酸化物細粒子の懸濁液について、その濃度を可変することにより、光ファイバー(3)の先端部分の形状を調整することができる。濃度の高い、即ち金属・金属酸化物細粒子の重量含有率の高い懸濁液では、短時間に光ファイバー(3)の先端部分を略円錐形状に加工できる。逆に金属・金属酸化物細粒子の重量含有率の低い懸濁液では、徐々に光ファイバー(3)の先端部分を略円錐形状に加工できる。
上記構成の治療システムに用いる治療装置では、歯科治療に際して光ファイバー(3)の先端部分に、金属・金属酸化物細粒子の懸濁液を吐出することにより、光ファイバー(3)の先端形状を単純な細円筒形状を略切頭円錐形状に、更に略円錐形状に加工する。この懸濁液は、歯科治療の最中に懸濁液供給部(8)から常時供給する。
先端形状が略切頭円錐形状又は略円錐形状に加工された光ファイバー(3)は、そこから出射するレーザー光は全周囲方向へ照射するようになる。例えば略球状の照射が可能になる。即ち、細円筒形状のときの前方へ直進するレーザー光と合わせて2種類の照射形状が可能になる。これにより、レーザー光の組織侵襲性をコントロールすることができる。即ち、Nd:YAGレーザーの特性である吸収と散乱を活かしながら、組織侵襲性をコントロールする。口腔内組織への熱的侵襲を抑制しながらレーザー光を歯科治療に利用することができる。
また、光ファイバー(3)の先端部分に懸濁液を流し続けることにより、この光ファイバー(3)の先端部分の熱蓄積を防止することができる。
更に、光ファイバー(3)の先端部分に送気口を設け、この送気口から冷却風を当てることにより、熱蓄積を防止することができる。
特に、上記構成の治療システムでは、歯科治療を行うレーザー光を生成するレーザー治療装置(1)と、出射するレーザー光の形状を調整するために光ファイバー(3)の先端部分を加工する光ファイバー先端部加工装置とを備えたことにより、本来の光ファイバー(3)の先端部分から前方へ直進するレーザー光のみならず、光ファイバー先端部加工装置により、光ファイバー(3)の先端形状を略円錐形状、略切頭円錐形状に加工して、全周囲方向へ照射し、周囲組織に対する効率的な照射が行える共に、不必要な熱エネルギーを抑制する。
また、光ファイバー先端部加工装置により熱蓄積を防ぐことができ、懸濁液による光の散乱も生じるので、通常より高いパルス周波数(pps)でのレーザー光の使用が可能となる。懸濁液は効率よくレーザー光を反射し、切削・切開効果を高めることができる。更に、レーザー光の使用に際して従来のような反応剤を必要としない。
そこで、上記構成の治療システムを用いることにより、不必要な熱エネルギーの抑制等が可能となり、レーザー光の組織侵襲性をコントロールすることができる。これらの総合的な効果から、より効率的なレーザー光による殺菌、麻酔効果、細胞組織賦活作用効果を高めることができる。
上記構成の治療システムによる治療方法では、術中・術後に出血や痛みもなく齲蝕処置を行なうことができる。ポスト先端部はまだ維持力があるので、テックとして再利用できる。さらに根管治療においてもファイバー側方からの照射、懸濁液による散乱が伴うので効率の良い治療が可能となる。
本発明の歯科用レーザー治療装置における光ファイバーの先端加工方法は、レーザー光を用いて歯科治療を行う際に、先端から直進するレーザー光を前方のみならず全周囲方向へ照射するように、光ファイバーの先端を加工する方法である。
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は実施例1の光ファイバーの先端加工を伴う歯科用レーザー治療装置を示す概略構成図である。図2は実施例1のハンドピース部分の拡大図である。
実施例1の光ファイバーの先端加工を伴う歯科用レーザー治療装置1は、レーザー光の光源部を内蔵した装置本体2、光ファイバー3のプローブ5を保持するハンドピース6、スイッチ類、金属・金属酸化物細粒子の懸濁液を吐出する吐出部7とポンプを内蔵した懸濁液供給部8を備えた治療装置である。スイッチ類は、装置本体2上面のスイッチパネル9と、治療中にレーザー光の出射を入り切りするフットスイッチ等がある。スイッチパネル9において、後述するように、パルス幅(μs)、光ファイバー3の先端出力(kW)、エネルギー(mJ)について調節する。
装置本体2内の光源部からレーザー光を出射する。実施例1の歯科用レーザー治療装置1は、主にNd:YAGレーザー(Neo−dymium:Yttrium、Aluminum、Garnet)を用いた。このNd:YAGレーザーは、波長特性による組織深達性が高く、深部組織温度が上昇しやすいという特徴を有する。なお、Nd:YAGレーザーは一例であって、その出力を調節することにより、他の種類のレーザー装置を使用することができる。
この装置本体2(光源部)からのレーザー光は、光ファイバー3ケーブル4で被治療部へ導光される。この光ファイバー3により導光されたレーザー光は術者が持つハンドピース6で治療部位に照射する。術者はハンドピース6を保持しつつ、スイッチを操作しながらレーザー光を治療部位に照射する。ハンドピース6にこの光ファイバー3の先端部分に冷却風を当てる送気口(図示していない)を設けることができる。
光ファイバー3のプローブ部分における吐出部7は、光ファイバー3の先端形状を略円錐形状、略切頭円錐形状に加工するために金属・金属酸化物細粒子の懸濁液を吐出する部分である。懸濁液供給部8では、ポンプによりチューブ10を通して、この吐出部7のノズルに懸濁液を供給する。吐出部7は、図示例のようにノズル方式の他に、光ファイバー3の先端部の周囲にリング状に形成し、多数開けた噴射孔から流し出す方式でもよい(図示していない)。レーザー光を出射中に容易に吐出し、停止できる構造であればよい。
この歯科用レーザー治療装置1は、レーザー光を歯科治療に使用している最中に、光ファイバー3の先端を加工する機能を有する。光ファイバー3の先端部分は、ここから出射するレーザー光と金属・金属酸化物細粒子の懸濁液で損耗する。このとき、その先端形状は略切頭円錐形状から略円錐形状に変形する。光ファイバー3の先端を金属・金属酸化物細粒子の懸濁液で加工することにより、レーザー光が前方だけでなく、側方にも照射するようになる。
この金属・金属酸化物細粒子の懸濁液は、例えば、光触媒としても利用されている酸化チタン(TiO2)の細粒子を精製水に分散させた懸濁液である。酸化チタン(TiO2)は食品添加物としても指定されており、ある条件では紫外域の光照射により殺菌性を発揮するという特徴がある。なお、酸化チタン(TiO2)は水に不溶であり、容易に沈殿しやすい。そこで、エマルジョン化して水に分散させたものでもよい。このようにエマルジョン化された酸化チタン(TiO2)の細粒子の懸濁液はNd:YAGレーザー(1,064μm)の波長の光を最も効率よく散乱させることができる。
因みに、酸化チタン(TiO2)の細粒子の懸濁液は、洗口剤として認可されている。また、酸化チタン(TiO2)は、食品添加物としても指定されており、ある条件では紫外域の光照射により殺菌性を発揮するため、歯科領域でも使用されるようになっている。
金属・金属酸化物細粒子の懸濁液としては、酸化チタン(TiO2)を一例にあげているが、これに限定されるものではない。この酸化チタン(TiO2)はコストの面、安定性の面、更に安全性の面で実用的である。しかし、これ以外にも酸化亜鉛(ZnO)、酸化タングステン(WO3)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)等の金属酸化物半導体がある。なお、光ファイバー3の先端を加工する機能を有する物質であれば、金属・金属酸化物、酸化チタン(TiO2)又は光触媒以外の物質も使用できる。
図3は光ファイバーの先端を加工する光ファイバーの先端加工方法を示し、(a)は加工前の光ファイバー先端部分の拡大図、(b)はそのときのレーザー光の照射波形図である。図4は光ファイバーの先端を加工する光ファイバーの先端加工方法を示し、(a)は加工後の光ファイバー先端部分の拡大図、(b)はそのときのレーザー光の照射波形図である。
実施例2の光ファイバーの先端を加工する光ファイバーの先端加工方法について説明する。図3(a)に示すように、加工前の光ファイバー3の先端形状は、円筒形状の状態にある。この光ファイバー3からレーザー光を照射すると、図3(b)に示すように、レーザー光の照射波形は前方へ直進する形状になる。
次に、光ファイバー3の先端を加工すると、図4(a)に示すように、光ファイバーの先端形状は、略円錐形状に加工される。この光ファイバー3からレーザー光を照射すると、図4(b)に示すように、レーザー光の照射波形は前方のみならず全周囲方向へ照射する形状になる。これで、レーザー光の組織侵襲性をコントロールできるようになる。
この光ファイバー3の先端部分を加工するときは、図2に示すように、レーザー光を出射している光ファイバー3の先端部分に金属・金属酸化物細粒子の懸濁液を流しながら照射する。このとき光ファイバー3の先端部分では、レーザー光で蓄熱した金属・金属酸化物細粒子が光ファイバー3の先端部分を溶融しながら変形している。その結果、光ファイバー3の先端部分は、略切頭円錐形状から略円錐形状に変形する。
本発明で使用した懸濁液供給部8は、例えばチューブ10の寸法が、内径3.15mm×外径5.2mmで、流量範囲が51〜900mlの定量送液ポンプから成る。
図5は金属・金属酸化物細粒子の懸濁液の濃度と光ファイバーの先端形状との関係を示す説明図であり、縦列の左から右へ順番に酸化チタン(TiO2)懸濁液の重量濃度(%)、光ファイバーの先端形状の拡大図、レーザー光の照射波形図を示す
光ファイバー3の先端形状と、吐出部7から流す懸濁液の濃度との関係について実験した結果を説明する。
図5(a)に示す懸濁液の重量濃度が10%のときは、光ファイバー3先端の円筒形状の底面の周囲部分から溶融し、その形状は略切頭円錐形状になる。レーザー光の照射波形は前方の他に、周囲方向への照射域が加わる程度であった。
図5(b)に示す懸濁液の重量濃度が13.3%のときは、光ファイバー3先端の円筒形状の底面の周囲部分から溶融し、その形状は略切頭円錐形状になる。レーザー光の照射波形は前方への照射域が弱くなり、周囲方向への照射域が多くなった。
図5(c)に示す懸濁液の重量濃度が20%のときは、光ファイバー3の先端形状は円筒形状の底面の周囲部分から溶融し、その形状は略切頭円錐形状になる。レーザー光の照射波形は球体に近くなるが、一部前方への照射が残った。
図5(d)に示す懸濁液の重量濃度が40%のときは、光ファイバー3の先端形状は完全な円錐形状になる。レーザー光の照射波形は前方への照射はなく、全周囲方向のみの照射となった。
上記実験の結果、重量濃度が13.3%の懸濁液を流し続けることにより、光ファイバー3の先端形状を略円錐形状に加工できることが分かった。
上述したように、本来のレーザー光を出射するレーザー治療装置1と、光ファイバーを加工する光ファイバー先端部加工装置とから成る、光ファイバーの先端加工を伴う歯科用レーザー治療システムが構成される。この治療システムにより、光ファイバー3の先端形状を略円錐形状、略切頭円錐形状に加工して、全周囲方向へ照射し、周囲組織に対する効率的な照射が行える共に、不必要な熱エネルギーを抑制することができる。
また、光ファイバー先端部加工装置により熱蓄積を防ぐことができ、懸濁液による光の散乱も生じるので、通常より高いパルス周波数(pps)でのレーザー光の使用が可能となる。懸濁液は効率よくレーザー光を反射し、切削・切開効果を高めることができる。更に、レーザー光の使用に際して従来のような反応剤を必要としない。
図6はレーザー光の光作用についての基本的な説明図である。
レーザー光の光作用は、図6に示すような基本的な性質を有する。横軸の相互作用時間(s)はパルス幅を意味し、10-6(1μs)を境にレーザー光の光作用が分かれる。縦軸のパワー密度(W/cm2)はレーザー光の出力密度を意味する。パルス幅が10-6(1μs)より短いときは、パワー密度が弱い段階(図示上の下方)から強い段階(図示上の上方)へ向けて「非熱効果」、「機械的作用」、「光熱作用」、「アブレーション」、「プラズマ誘起」、「光破壊」という作用がある。
一方、パルス幅が10-6(1μs)より長いときは、パワー密度が弱い段階から強い段階へ向けて「熱効果」、「光化学作用」、「光音響効果」、「光アブレーション」、「光破壊」という作用がある。
本発明は基本的にこれらのレーザー光の光作用の性質を有効に利用したものである。特に縦軸の10-6と10-3の間の矢視線のレーザー光の光作用が歯科治療に適していることが分った。
図7はパルス幅の波形を示す模式図である。
レーザー治療装置1では、図7に示すように、レーザー光のパルス幅を可変して被治療部へ出射する。例えば、200mJのパルスエネルギーを使う際にも、50μsのパルス幅を用いれば熱影響のコントロールが容易になる。また、400mJ、800mJのパルスエネルギーを用いる場合でも、パルス幅の選択が可能である。
パルス幅が変わるということは、熱蓄積とサーマルリラクゼーションの関係を変えることになり、臨床的にはパルス周波数を変えるこになる。従って熱蓄積を期待したい場合は、パルス幅の大きい200μsや、更には400μsを用い、逆に熱的侵襲を小さくしたい場合は、パルス幅の小さい100μsないし50μsを使用する。なお、数1はパルスエネルギーの計算式である。
Figure 0005235572
図8はパルス幅の違いによる変化を示す説明図である。
ず8に示すように、50μsと400μsのパルス幅の長さは、たとえば8分音符と全音符のような違い、つまり8倍の違いがあることから、この機能の活用により臨床に応用の幅が広がることになる。
図9は本発明の治療システムを用いるレーザー光に関するモードの一覧表である。図10は治療歯の状態を示す模式図であり、(a)は歯周病、(b)は瘻孔内照射(閉鎖空間)及び(c)はコア・ポストである。
本発明の治療システムでは、図示のモード一覧表に示すように、上段のモード1からモード2、モード3、モード4、モード5までの5つの照射条件の下、口腔の硬軟両組織に対応し得るモードが設定されている。即ち従来の二次元的設定から、パルス幅の可変という三次元的な応用が可能となっている。図示上「角が丸い四角枠」内は、加工前の光ファイバーを示す。即ち、レーザー光の照射が前方のみを示す。「四角枠」内は、加工後の光ファイバーを示す。即ち、レーザー光の照射が全周囲方向へ照射することを示す。「二重の四角枠」内は閉鎖空間ゆえの熱の蓄積とppsに注意することをそれぞれ示している。
上から一段目のモード1(50μs、200mJ、25pps)は、レーザー光の照射による侵襲作用が小さいモードである。光ファイバー3の先端を加工して、組織侵襲性をコントロールしたレーザー光を、主に熱ダメージがない「歯肉切開」に利用する。
二段目のモード2(100μs、200mJ、10pps)は、レーザー光の照射による侵襲作用がやや大きいモードである。光ファイバー3の先端を加工し、全周囲方向へ照射するようにして組織侵襲性をコントロールしたレーザー光を、「C,HYS処」(齲蝕歯・知覚過敏)の鈍麻処置、根管治療(RCT)(閉鎖空間)、P処の歯肉縁上(歯周病の歯肉縁上(開放空間)の治療)、口内炎、歯肉切開又は瘻孔内照射(閉鎖空間)に利用する(図10(a),(b)参照)。
三段目のモード3(100μs、300mJ、10pps)は、レーザー光の照射による侵襲作用が中間のモードである。光ファイバー3の先端を加工し、全周囲方向へ照射するようにして組織侵襲性をコントロールしたレーザー光を、「C,HYS処」の鈍麻処置、P処の縁下(開放空間)に利用する。
四段目のモード4(200μs、300mJ、10pps)は、レーザー光の照射による侵襲作用が次に大きいモードである。加工前の光ファイバー3の先端を用いるときは、「C,HYS処」に用いる。このときは更なる細管封鎖を期待してレーザー光を利用する。
一方、「HYS」、「止血作用」、「痛みの強い口内炎」又は「疼痛の緩解」のときは、光ファイバー3の先端を加工して、組織侵襲性をコントロールしたレーザー光を照射する。
五段目のモード5(400μs、550mJ、10pps)は、レーザー光の照射による侵襲作用が大きいモードである。加工前の光ファイバー3を用いるときは、「コア・ポストの除去」(金属支台の除去)に用いる(図10(c)参照)。なお、「止血作用」のときは、光ファイバー3の先端を加工し、組織侵襲性をコントロールしたレーザー光を照射する。
このように本発明の治療システムを用いることにより、不必要な熱エネルギーの抑制等が可能となり、レーザー光の組織侵襲性をコントロールすることができる。これらの総合的な効果から、より効率的なレーザー光による殺菌、麻酔効果、細胞組織賦活作用効果を高めることができる。
次に、本発明の歯科用レーザー治療装置における光ファイバーの先端加工方法及びその治療システムを用いた臨床応用について説明する。
[保存・補綴]
本発明の光ファイバーの先端加工方法を用いた歯科用レーザー治療装置1及びその治療システムを保存・補綴の治療に利用するときは、次のように使用する。
齲蝕(う蝕)処置では、従来はレーザーによる齲蝕処置は無痛的に切削することに主眼が置かれていた。液状の吸収散乱剤を熱疼痛抑制のための冷却を兼ね噴霧しつつレーザー照射を行い高温と衝撃波による殺菌を期待した。なお、齲化した象牙質を凝収させ除去する。レーザー照射により齲化を除去した象牙質表面は高温により象牙細管が溶融封鎖される。レーザー切削よりも更に除去歯質を少なくすることが期待できる。
インレー除去では、切削除去することなく、また無麻酔下にてレーザー照射時に液状の吸収散乱剤を噴霧し、反応時の衝撃波により歯質とインレーの接着層を破壊し除去が可能である。連続的に除去後の歯質へレーザー照射を行い二次齲蝕処置も同時に可能である。
口腔内溶接では、異種金属同士でも高いエネルギー、広いパルス幅を利用し、瞬時に溶着可能である。ただし暫間的な固定として使用できる。
圧排のときは、極短パルスモードを利用し無麻酔下にて非観血的に軟組織の蒸散、切開が可能である。即時印象が実現できる。
[歯肉縁下齲蝕(失活歯)で歯肉の切除が必要なケース]
本発明の光ファイバーの先端加工方法を用いた歯科用レーザー治療装置1及びその治療システムを歯肉縁下齲蝕(失活歯)で歯肉の切除が必要な治療に利用するときは、次のように使用する。無麻酔下で治療するために、軟組織に対しては、パルス幅を小さくして熱的侵襲を抑えることができる。
先ず、図9に示すモード3(100μs、10pps、300mJ)で鈍麻を行なう。続いて、モード1(50μs、25pps、200mJ)で歯肉を切除する。このときは、光ファイバー3を加工して、組織侵襲性をコントロールしてレーザー光を照射する。
次に、モード1で歯肉切除と歯周ポケット内の殺菌を行なう。このときも、光ファイバー3を加工し、組織侵襲性をコントロールしてレーザー光を照射する。
術中・術後に出血や痛みもなく齲蝕処置が行なえる。即日充填することができる。
[歯肉縁下齲蝕(生活歯)で歯肉の切除が必要なケース]
本発明の光ファイバーの先端加工方法を用いた歯科用レーザー治療装置1及びその治療システムを歯肉縁下齲蝕(生活歯)で歯肉の切除が必要な治療に利用するときは、次のように使用する。無麻酔下で治療するために、軟組織に対しては、パルス幅を小さくして熱的侵襲を抑える。
先ず、図9に示すモード3(100μs、10pps、300mJ、29sec)で硬軟両組織の鈍麻を行なう。
モード1(50μs、25pps、200mJ、16sec)で歯肉を切除する。
切開後に、鈍麻させて齲蝕をエキスカベータで除去,歯質に耐酸性を付与し充填する。
なお、齲蝕部に痛みのある場合は、再度モード3でその部位をスキャンするように照射する。
[金属ポストの除去]
本発明の光ファイバーの先端加工方法を用いた歯科用レーザー治療装置1及びその治療システムを金属ポスト(コア・ポスト)の除去に利用するときは、次のように使用する(図10(c)参照)。
金属ポストの除去にはパルス幅を大きくし、熱的効果を増大させる。先ず、タービンにて歯質と金属の境界部を明示する。
このときは、図9に示すモード5(400μs、550mJ、10pps)の出力に上げて用いる。ポストの全周を歯質と金属の境界部にフットスイッチで調整しながらレーザー光を照射する。トータル時間で約110sec照射する。
ポストの長さの半分まで光ファイバー3が到達すればポストは容易に除去できる。
ポスト先端部はまだ維持力があるので、テックとして再利用できる。特に、根管治療においても光ファイバー3側方から照射し、懸濁液による散乱が伴うので効率の良い治療が可能となる。
[小児歯科]
本発明の光ファイバーの先端加工方法を用いた歯科用レーザー治療装置1及びその治療システムを小児歯科に利用するときは、次のように使用する。
耐酸性付与では、小窩裂溝部、隣接面、辺縁部など齲蝕の発生し易い部位へ本発明のレーザー照射を行い、フッ素を作用させることにより耐酸性を10倍程度まで向上させることが可能になる。
齲蝕進行抑制では、CO、Cl程度の齲蝕に対し歯質を削ること無く本発明のレーザー照射とフッ素塗布を併用することにより再石灰化を促す。平滑面の白濁などには効果が大きい。
乳歯抜歯では、浸潤麻酔をすることなく本発明のレーザー鈍麻効果と極短パルスモードによる靭帯蒸散を行い、出血を抑制しつつ抜歯が可能になる。
小帯切除では、浸潤麻酔をすることなく本発明のレーザー鈍麻効果と極短パルスモードによる小帯切除が非観血的に可能になる。
[歯周病]
本発明の光ファイバーの先端加工方法を用いた歯科用レーザー治療装置1及びその治療システムを歯周病に利用するときは、次のように使用する。
歯石除去では、スケーリング、ルートプレーニング前に本発明のレーザー照射を行うことにより歯石の脆弱化、知覚鈍麻、生体毒素の失活化、予備的な止血、血流改善による免疫力向上、高温(2000℃以上)による殺菌効果が期待できる。
抜歯では、歯肉表面に吸収剤を混濁した表面麻酔薬を塗布し、本発明のレーザー照射を行い、その後靭帯組織を蒸散させ出血を抑制しつつ抜歯が可能になる。
[歯内療法]
本発明の光ファイバーの先端加工方法を用いた歯科用レーザー治療装置1及びその治療システムを歯内療法に利用するときは、次のように使用する。
根管治療するときは、根管形成を行った後、根充前に本発明のレーザー照射を行うことにより、高温と衝撃波による殺菌効果が期待できる。
ポストを除去するときは、残存歯質が脆弱とみなされるときでも本発明のレーザー照射時に液状の吸収散乱剤を噴霧し、反応時の衝撃波により歯質とポストの接着層を破壊し除去が可能になる。
破折リーマーを除去するときは、本発明のレーザー照射時に水を供給することにより、レーザーにより破壊されたリーマーを水中に乳化拡散させることにより除去が可能になる。
フィステルするときは、唇側より本発明のレーザー照射による鈍麻、蒸散作用を利用し、フィステルに光ファイバー3を侵入させ、その後根尖病巣部より光ファイバー3を引き抜くときにレーザー照射を数回繰り返す。レーザー照射時の高温による殺菌と細胞賦活作用に期待できる。
[審美歯科]
本発明の光ファイバーの先端加工方法を用いた歯科用レーザー治療装置1及びその治療システムを審美歯科に利用するときは、次のように使用する。
メラニンを除去するときは、光ファイバー3の先端を懸濁液で加工することにより、全周囲方向へ照射するレーザー光を使用する。これを利用して歯肉表面を撫でるようにしてピーリング処置を行い、無麻酔下で歯周メラニンの除去が可能になる。
知覚過敏の治療では、ホワイトニング後に高頻度で発現する知覚過敏を緩和するためにホワイトニング後、積極的にレーザー照射を行い高温による象牙細管封鎖を行うことができる。レーザー照射後にフッ素をイオン導入すると効果が向上し、後戻り(着色)を抑えることもできる。
[矯正歯科]
本発明の光ファイバーの先端加工方法を用いた歯科用レーザー治療装置1及びその治療システムを矯正歯科に利用するときは、次のように使用する。
ブラケット装着するときに、事前に矯正ブラケット接着面に本発明のレーザー光を照射する。これにより、フッ素塗布による耐酸性を持たせ、矯正治療中の齲蝕リスクを軽減させることが可能になる。また金属クラウンなどには直接ブラケットをレーザー溶接により装着することが可能になる。
移動時の疼痛緩和するときは、矯正中の移動痛を根尖部に対して外部より本発明のレーザー光を照射して緩和し、結果として早期の移動が期待できる。
なお、本発明は上述した発明の実施の形態に限定されず、光ファイバー3の先端を治療と同時に加工することで、光ファイバー3の先端から直進するレーザー光を前方のみならず全周囲方向へ照射し、周囲組織に対する効率的な照射が行える共に、更に不必要な熱エネルギーを抑制することができ、組織侵襲性をコントロールして口腔内の硬軟両組織の治療に用いることができれば、図示したような構成に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。
本発明の歯科用レーザー治療装置における光ファイバーの先端加工方法及びその治療システムは、歯科治療は勿論のこと医科手術等の様々な用途に利用することができる。
実施例1の光ファイバーの先端加工を伴う歯科用レーザー治療装置を示す概略構成図である。 実施例1のハンドピース部分の拡大図である。 光ファイバーの先端を加工する光ファイバーの先端加工方法を示し、(a)は加工前の光ファイバー先端部分の拡大図、(b)はそのときのレーザー光の照射波形図である。 光ファイバーの先端を加工する光ファイバーの先端加工方法を示し、(a)は加工後の光ファイバー先端部分の拡大図、(b)はそのときのレーザー光の照射波形図である。 金属・金属酸化物細粒子の懸濁液の濃度と光ファイバーの先端形状との関係を示す説明図であり、縦列の左から右へ順番に酸化チタン(TiO2)懸濁液の重量濃度(%)、光ファイバーの先端形状拡大図、レーザー光の照射波形図を示す。 レーザー光の光作用についての説明図である。 パルス幅の波形を示す模式図である。 パルス幅の違いによる変化を示す説明図である。 本発明の治療システムを用いるレーザー光に関するモードの一覧表である。 治療歯の状態を示す模式図であり、(a)は歯周病、(b)は瘻孔内照射(閉鎖空間)及び(c)はコア・ポストである。
1 歯科用レーザー治療装置
2 装置本体
3 光ファイバー
4 ケーブル
5 プローブ
6 ハンドピース
7 吐出部
8 懸濁液供給部
9 スイッチパネル
10 チューブ

Claims (4)

  1. レーザー光を用いて歯科治療を行う際に、先端から直進するレーザー光を前方のみならず全周囲方向へ照射するように、光ファイバーの先端を加工する歯科用レーザー治療装置における光ファイバーの先端加工方法であって、
    歯科用レーザー治療装置の装置本体(2)内の光源部よりレーザー光を光ファイバー(3)から出射し、該光ファイバー(3)の先端部分を加工する際に、パルス幅(μs)、該光ファイバー(3)の先端出力(kW)とエネルギー(mJ)及びパルス周波数(pps)に関する照射条件と、該光ファイバー(3)の先端形状の加工の有無との組み合わせを数段階に設定し、
    該光ファイバー(3)の先端部分に金属・金属酸化物細粒子の懸濁液を流しながら、該先端部分を前記数段階の設定に応じた略円錐形状、略切頭円錐形状に加工する、ことを特徴とする歯科用レーザー治療装置における光ファイバーの先端加工方法。
  2. 前記光ファイバー(3)の先端部分に流す金属・金属酸化物細粒子の懸濁液について、その濃度を可変して該光ファイバー(3)の先端部分を加工する、ことを特徴とする請求項の歯科用レーザー治療装置における光ファイバーの先端加工方法。
  3. レーザー光を用いて歯科治療を行う際に、レーザー光の照射形状を可変し得るように光ファイバーの先端加工を伴う歯科用レーザー治療システムであって、
    レーザー光を出射する光源部と、該光源部からのレーザー光を導光する光ファイバーとから成るレーザー治療装置(1)と、
    前記光ファイバー(3)の先端形状を略円錐形状、略切頭円錐形状に加工するために、光ファイバー(3)の先端部分に金属・金属酸化物細粒子の懸濁液を供給する懸濁液供給部(8)とから成る光ファイバー先端部加工装置と、を備え、
    前記レーザー治療装置(1)と光ファイバー先端部加工装置に関し、パルス幅(μs)、光ファイバー(3)の先端出力(kW)とエネルギー(mJ)及びパルス周波数(pps)に関する照射条件と、該光ファイバー(3)の先端形状の加工の有無との組み合わせから成るモードを数段階に設定し、治療内容に応じて口腔の硬軟両組織に適するモードで該光ファイバー(3)を照射する、ことを特徴とする光ファイバーの先端加工を伴う歯科用レーザー治療システム。
  4. 前記照射条件に関するモードを、5段階のモード1、モード2、モード3、モード4、モード5に設定し、
    前記モード1は、レーザー光のパルス幅(μs)、光ファイバー(3)の先端出力(kW)、エネルギー(mJ)及びパルス周波数(pps)に関する照射条件を一定に設定し、光ファイバー(3)の先端を加工して組織侵襲性をコントロールしたレーザー光を、主に「歯肉切開」に利用するモードであり、
    前記モード2は、レーザー光の照射による侵襲作用がモード1より大きく、光ファイバー(3)の先端を加工して、組織侵襲性をコントロールしたレーザー光を、主に「齲蝕歯・知覚過敏」の鈍麻処置、「根管治療(閉鎖空間)」、「歯周病の歯肉縁上(開放空間)の治療」、「口内炎」、「歯肉切開」又は「瘻孔内照射(閉鎖空間)」に利用するモードであり、
    前記モード3は、レーザー光の照射による侵襲作用がモード2より大きく、光ファイバー(3)の先端を加工して、組織侵襲性をコントロールしたレーザー光を、主に「齲蝕歯・知覚過敏の鈍麻処置」、「歯周病の歯肉縁下(開放空間)の治療」に利用するモードであり、
    前記モード4は、レーザー光の照射による侵襲作用がモード3より大きく、加工前の光ファイバー(3)では、主に「齲蝕歯・知覚過敏の鈍麻処置」にそのレーザー光を利用し、
    光ファイバー(3)の先端を加工して、組織侵襲性をコントロールしたレーザー光は、主に「知覚過敏」、「止血作用」、「痛みの強い口内炎」又は「疼痛の緩解」に利用するモードであり、
    前記モード5は、レーザー光の照射による侵襲作用がモード3より大きく、加工前の光ファイバー(3)では、主に「コア・ポストの除去」にそのレーザー光を利用し、光ファイバー(3)の先端部分を加工して、組織侵襲性をコントロールしたレーザー光は、主に「止血作用」に利用するモードである、ことを特徴とする請求項の光ファイバーの先端加工を伴う歯科用レーザー治療システム。
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