JP2005143945A - 口腔内レーザ光照射装置 - Google Patents

口腔内レーザ光照射装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 口腔内において留置させて使用する金属冠同士を口腔内において溶着可能とし、補綴や矯正の治療をより確実に行うことができ、かつ歯質の削除を行える口腔内レーザ光照射装置を提供する
【解決手段】 口腔内の所定個所に向けてレーザ光を照射するレーザ光ノズル11、および、口腔内のレーザ光照射領域に対し液材を射出する液材ノズル12を備えたハンドピース10と、前記レーザ光ノズル11に接続され該レーザ光ノズルにNd−YAGレーザ光を射出するレーザ発振装置31、および、前記液材射出部に接続され該液材射出部に液材を供給するポンプ321、コンプレッサ331を備えた駆動装置30と、前記駆動部からのレーザ光の停止および出力調整を行う出力制御と、前記液材供給の遮断および流量調整を行うフットスイッチ50とを備えた
【選択図】 図1

Description

本発明は、口腔内において留置させて使用する金属同士、例えば金属冠同士、金属冠とこれを架橋するためのワイヤ同士を口腔内において溶着できると共に歯質の削除を行うことができる口腔内レーザ光照射装置に関する。
歯科治療における補綴や矯正においては、様々な手法が存在する。例えば補綴の一手法としては、図12に示すように欠損したポンティック部101に隣接する歯102および103を鋳造冠104で被包し、該鋳造冠104に溶着する状態でポンティック部101の上方に離底型のブリッジ105(金属冠)を配設する方法などが知られている。また矯正手法としては、矯正対象に係る歯列部分の各端部に位置する歯を金属冠で被せ、これら離隔する金属冠に歯列部分に当接する矯正用の金属ワイヤの各端部を溶着するなどの方法が知られている。
ところで、こうした補綴や矯正などにおいて行われる金属冠同士の溶着や金属冠とワイヤとの溶着作業は、実際の歯に金属冠を被せ、取着する前段階の作業と位置付けられ、口腔内で行われる作業として位置付けられていなかった。これは、金属冠同士の溶着や金属冠とワイヤとの溶着は、歯科材料である金属の溶融温度(通常800℃以上)で行われるため、熱が口腔内の組織に損傷を与えるおそれがあり、これらの作業を口腔内で安全におこなうことは難しいからである。
こうした溶着作業は、下記特許文献1にも記載されるように、最近ではYAGレーザ、特にNd-YAGレーザ(波長1064nm)から照射を行うハンドピースを用いて机上で行われ、予め型取りした患者の歯型モデルに金属冠を被せて作業を行うようにしていた。
特開2002−256372
しかし、机上でレーザハンドピースを用い、金属冠同士、あるいは金属冠とワイヤで溶着した後、これを患者の実際の歯に取着するこうした従来の方法によると、金属冠と取着する歯との間で僅かな傾き、隙間が生じるなどの現象が表われ、そのままの状態で患者の歯に取着する咬み合わせの不具合などが表われるため、必要に応じて患者の実際の歯形に合わせて再度溶着をし直さなければならなかった。
また、近年歯質例えばエナメル質、象牙質の削除を行うことが行われており、この場合にはEr−YAGレーザ(波長2490nm)を照射することにより、レーザ光の光線直径以下の先鋭な形状で削除を行うことができ、その窟底が凹凸状態とすることができる。しかし上記金属の溶接に使用するNd-YAGレーザ(波長1064nm)では歯質を削除することができない。
このため、発明者は看者の口腔内において、これらの溶着作業および歯質の削除作業を行うことが可能な装置を開発すべく、本発明に至ったところである。すなわち、本発明は、例えば口腔内において留置させて使用する金属冠同士、口腔内で配列される各金属冠とこれを架橋するためのワイヤ同士を口腔内において溶着可能とし、補綴や矯正の治療をより確実に行うことができ、かつ歯質の削除を行える口腔内レーザ光照射装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため本発明では以下の手段を採用する。
請求の範囲1の発明は、口腔内の所定個所に向けてレーザ光を照射するレーザ光照射部、および、口腔内のレーザ光照射領域に対し液材を射出する液材射出部を備えたハンドピースと、前記レーザ光射出部に接続され該レーザ光射出部にレーザ光を射出するレーザ発振装置、および、前記液材射出部に接続され該液材射出部に液材を供給する液材噴出装置を備えた駆動装置と、前記駆動部からのレーザ光の停止および出力調整を行う出力制御と、前記液材供給の遮断および流量調整を行う操作装置とを備えたことを特徴とする口腔内レーザ光照射装置である。
本発明によれば、口腔内でレーザ光の照射を行う部分に液材を射出しながらレーザ光を照射するから、レーザ光の照射位置周辺の組織は液材で冷却され、温度が上昇せず、連続照射を行うことができる他、レーザ光の照射領域以外の口腔組織の熱損傷を防止することができる。本発明では、可視光のガイドレーザを合わせて照射することができる他、その他の照明器具もハンドピースに装着することが可能である
請求の範囲2の発明は、請求項1に記載の口腔内レーザ光照射装置において、前記操作装置は、レーザ照射口からのレーザ光射出タイミングに同期して液材射出をすることを特徴とするものである。
本発明によれば、レーザ光は、液材が射出されるため、レーザ光のみが射出されることが無く口腔内のレーザ光の照射による口腔組織の熱損傷を確実に防止することができる。また同期のタイミングは可変とでき、特にレーザ光の照射個所が良好に視認できない場合には、レーザ光の照射と液剤の噴射を同時に行うことにより良好な結果を得ることができる。
請求の範囲3の発明は、請求項1または請求項2記載の口腔内レーザ光照射装置において、前記ハンドピースには気液混合部を備え、駆動装置には区前記気液混合部に空気を供給する空気源を備え、液材噴出部から気液混合体を噴射することを特徴とする。
本発明によれば、ハンドピース内の気液混合部により、液材と空気とが混合されてレーザ光照射部周辺に噴射されるので、冷却効率が良好なものとなる。
また、液材に換え空気のみを噴射させることもできる。
請求の範囲4の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の口腔内レーザ光照射装置において、前記操作装置は、フットペダルで操作され、該ペダルは操作者が浅い領域内で踏んだ第1のポジションで、液材噴出装置から液材が供給され操作者がペダルを深い領域まで踏んだ第2のポジションにおいて、液材が供給されると共にレーザ発振装置からレーザ光が射出されることを特徴とするものである。
本発明によれば、操作者はハンドピースからの液材の噴射およびレーザ光の照射を足でおこなうことができ、操作者の両手は自由になるからハンドピースを用いた作業を容易に行うことができる。
請求の範囲5の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の口腔内レーザ光照射装置において、前記操作装置には空気源からの供給空気を遮断および流量調整する調整手段が設けられていることを特徴とするものである。
本発明によれば、空気源からの空気量を遮断および流量調整することができるから、必要に応じた薬液の散布、噴出状態を実現することができる。
請求の範囲6の発明は、請求項1ないし請求項4に記載の口腔内レーザ光照射装置において、前記レーザの発振装置は、Nd−YAGレーザ発振装置であり、前記液材は水であることを特徴とするものである。
本発明によれば、Nd−YAGレーザ(波長1064nm)が金属と直接反応して金属部材の溶着をおこなうことができ、また、レーザ光が照射され加熱された溶着部分の周辺は水で確実に冷却されるから、口腔内における金属部材の溶着に好適である。
請求の範囲7の発明は、請求項1ないし請求項5に記載の口腔内レーザ光照射装置において、前記レーザは歯科用金属材料同士を溶着することを特徴とするものである。ここで、該溶着される歯科用金属は、口腔内において隣接状態で留置される金属冠同士、口腔内で配列される各金属冠と、各金属冠を架橋するためのワイヤ同士、あるいは矯正用の金属バンドとこれに接続するためのワイヤ同士が対象となる。
請求の範囲8の発明は、前記レーザの発振装置は、Nd−YAGレーザ発振装置であり、前記液材は、水に微粉末を混入した液体であることを特徴とするものである。
本発明によれば、微粒子にレーザ光が照射されて分散、あるいはレーザ光が微粒子を溶融することによりエネルギー変換されることにより温度が衝撃的に上昇し、材料に物理的・機械的変化をもたらすことができる。特に前記微粒子含有薬液の噴霧下で広範な種類の材料にレーザ光を照射することができ、且つ周囲の温度を上昇させることが無くなる。
請求の範囲9の発明は、請求項8記載の口腔内レーザ光照射装置において、前記微粉末は、二酸化チタン、二酸化ケイ素、チタンおよび炭素のうち少なくとも一種の微粉末であることを特徴とする。
本発明によれば、前記二酸化チタン、二酸化ケイ素、チタンおよび炭素のうち少なくとも一種の微粉末を水などの液材に混ぜ使用する。この微粉末の選択は口腔内で行う処理により適正なものを選択する。この際水にPH調整材を混合することにより、液材を弱酸性、弱アルカリ性にすることができる。
請求の範囲10の発明は請求項9記載の口腔内レーザ光照射装置において、前記微粉末は水に対して3〜30%の割合で混入されていることを特徴とするものである。
本発明によれば、口腔内で行う処理に適切な割合で微粒子が混入できる。しかし3%未満であると上記エネルギー変換の効率が下がるし、30%を超えるとレーザ光の照射が妨げられる。
請求の範囲11の発明は、請求項8ないし請求項10のいずれかに記載の口腔内レーザ光照射装置において、前記レーザは、歯質の削除を行うものであることを特徴とするものである。
本発明によれば、削除の対象となる歯質はエナメル質、象牙質であり、前記前記二酸化チタン、二酸化ケイ素、および炭素のうち少なくとも一種の微粉末を水に対して3〜30%の割合で混入して、前記歯質を非接触で削除することができる。

本発明によれば、口腔内において留置されて使用される金属冠、矯正ワイヤ等の歯科用金属材料同士を口腔内において留置させたままで溶着させることが可能となり、より確実に患者に違和感を生じさせることなく補綴や矯正できるほか、同一の装置で歯質の削除処理をおこなうことができ、安全且つ効率的なの治療が行える。
以下本発明に係る口腔内レーザ光照射装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本例に係る口腔内レーザ光照射装置の構成を示す図、図2は本発明の実施形態に係る口腔内レーザ光照射装置のハンドピースを示す図であり、(1)は断面図断面図、(2)は先端部拡大断面図、(3)は先端部の拡大端面図、図3はフットスイッチをその動作状態と共に示す側面図、図3はフットスイッチをその動作状態と共に示す側面図、図4はハンドピースの先端から照射されるレーザ光と液材の状態を示す斜視図、図5は本発明の実施形態に係る口腔内レーザ光照射装置で歯科治療における補綴を行う状態を示す斜視図である。
本例において、口腔内レーザ光照射装置1は、図1に示すように、ハンドピース10と、ハンドピース10に光ファイバ71、エアホース72、液材ホース73で接続された駆動装置30と、該駆動装置30を操作する操作装置であるフットスイッチ50とから構成されている。なお、光ファイバは、レーザ光が透過するファイバ部111とこのファイバ部111を被服補強する被服材112とから構成されている。
ハンドピース10は、図2に示すように、本体グリップ14後端に光ファイバ71、エアホース72、液材ホース73が接続されるほか、本体グリップ14の先端には前記光ファイバ71が接続され、口腔内の所定個所に向けてレーザ光を照射するレーザ光照射部であるレーザ光ノズル11と、このレーザ光ノズル11の周囲に8個所の開口121を備え、口腔内のレーザ光照射領域に対し液材を射出する液材射出部である液材ノズル12が設けられている。
また、本例では、ハンドピース10は、前記液材ノズル12に接続され前記エアホース72からの圧縮空気と液材ホース73からの液材とを混合する混合室131を備えた気液混合部13が設けられている。この混合室131からの気液混合物は、パイプ132を通って液材ノズル12の開口121ノズルなお、符号14は液材ノズル部および符号15は液材ノズル12の支持部材、符号15は光ファイバ71、エアホース72、液材ホース73を1本に纏める被服材、16は、この被覆された光ファイバ71、エアホース72、液材ホース73を支持する支持部材を示している。
また、駆動装置30は、前記レーザ光ノズル11に光ファイバ71で接続されレーザ光ノズル11に波長1064nmのレーザ光と例えば642nmの参照レーザ光を射出するレーザ発振装置31、前記液材ノズル12に液材ホース73で気液混合部13を介して該液材ノズル12に液材を供給する液材噴出装置32、および、前記液材ノズル12に液材ホース73で気液混合部13を介して該液材ノズル12に圧縮空気を供給する空気源33とからなる。また、この駆動装置の各装置は前記フットスイッチ50でその運転状態を制御される。
レーザ発振装置31は波長1064nmで例えば5ppsで500mJの出力を備えるNd−YAGレーザと波長642nmのレーザ光を発する半導体レーザとを同軸に出力するよう光学的に組み合わせた構成を備え、前記光ファイバ71に出力する。なお、このレーザ発振機のパルス発振出力は必要に応じて変更することができる
液材噴出装置32は、ポンプ321と液材タンク322とからなり、液材タンク322に畜留された液材をポンプ321で液材ホース73に圧送する。使用する液剤は、口腔内レーザ光照射装置の使用目的、例えば金属溶着、歯質の削除などの目的により、水、または水に二酸化チタン、二酸化ケイ素、チタンおよび炭素のうち少なくとも一種の微粉末を混ぜた倦抱く使用する。この微粉末の選択は口腔内で行う処理により適正なものを選択する。この際水にPH調整材を混合することにより、液材を弱酸性、弱アルカリ性にすることができる。
さらに、前記微粉末は水に対して3〜30%の割合で混入するとよい。混入率が3%未満であると上記エネルギー変換の効率が下がるし、30%を超えるとレーザ光の照射が妨げられる。
空気源33はコンプレッサ331と除水器332とからなり、設定により圧縮空気の送出を停止したり、所望の空気圧・流量で運転したりし、圧縮空気をエアホース72経由でハンドピース10に供給する。この運転状態の調整はコンプレッサ331本体で行うか、上記操作装置で行うようにすることができる。

そして、本例にでは、駆動装置30には動作司令部34が設けられ、上記フットスイッチの操作に基づいて上述したレーザ発振装置31、液材噴出装置32、空気源33の動作を制御する。
次に操作装置であるフットスイッチ50について図3に基づいて説明する。フットスイッチ50は基盤51上に2つのリミットスイッチ52,53を配置し、このリミットスイッチ52,53を操作するフットペダル54を軸55で回動可能に軸支した構成を備える。なお、符号56はフットペダルを反リミットスイッチ側に付勢するスプリングである。
本例では、軸55に近いリミットスイッチ52は液材噴出装置32および空気源33を動作司令部34を介して制御する。また、他方のリミットスイッチ53は前記レーザ発振装置31のレーザ光の点灯状態を制御する。なお、ガイドレーザの出力はフットスイッチ50の操作に拘わらず点灯状態としておくことが望ましい。
次に本例に係る口腔内レーザ光照射装置の使用状態について説明する。
本例に係る口腔内レーザ光照射装置を使用して金属同士を溶着する場合には、患者の口腔内に所定の場所に金属を配置する。例えば図5に示すように患者の歯102および103に鋳造冠104を装着し、ブリッジ105を配置する。そしてハンドピース10の先端部を溶着部に近接させ、ガイドレーザ光を参照してハンドピース10の位置を決定して、フットスイッチ50のフットペダル54を押し下げる。すると第1のリミットスイッチ52が導通状態となり、動作司令部34の指令により液材噴出装置32および空気源33が作動状態になる。これにより、エアホース72から圧縮空気が、液材ホース73からは液材が送出され、気液混合部13の混合室131内で両者が混合されパイプ132を通って開口121から霧状あるいはジェット状に噴出される(図中J)。この際空気源33を停止しておけば、開口121からは液材だけが噴出する。
さらにフットスイッチ50のフットペダル54を押し下げる。すると第2のリミットスイッチ53が導通状態となり、レーザ発振装置31からNd−YAGレーザ光が照射され、光ファイバ71を介してハンドピース10のレーザ光ノズル11から照射され、金属が加熱され溶着が行われる。このような溶着は、図6に示すように、奥歯106に回掛けた矯正用のバンド107にワイヤ108を接続する場合にも同様に適用できる。
このような場合の溶着個所および溶着個所近傍の温度についてみると、図7および図8に示すように、液材すなわち、水、水+二酸化ケイ素(シリカ)、水+二酸化チタン、または水+炭素(カーボン)を噴射した場合には、加熱個所近傍では温度が上がらず(図7)、また長時間のレーザ光照射でも温度が上昇しない(図8)ことが確認でき、口腔内の組織に熱的な損傷を与えないで金属同士を強固に溶着できることが確認できた。
本例では、金属として貴金属から通常では蝋付けが難しいチタンまで溶着できることがわかっている。またクラウンの種類として、全部金属冠、陶材前装冠、レジン前装冠、アンレー、3/4冠、ポンティックなど広範囲に利用することができる。
次に、同一の装置で歯質の削除を行う場合について説明する。本例では、上記金属溶着の例と同様に口腔内レーザ光照射装置を使用する。この場合には削除する歯の表面にハンドピース10の先端部近接させ、ガイドレーザ光を参照してハンドピース10の位置を決定して、フットスイッチ50のフットペダル54を押し下げ、第1のリミットスイッチ52と第2のリミットスイッチ53が導通状態となり、動作司令部34の指令により液材噴出装置32、空気源33、レーザ発振装置31が作動状態になる。これにより、エアホース72から圧縮空気が、液材ホース73からは液材が送出され、気液混合部13の混合室131内で両者が混合されパイプ132を通って開口121から霧状あるいはジェット状に噴出される(図中J)。この際空気源33を停止しておけば、開口121からは液材だけが噴出する。
同時に、レーザ発振装置31からNd−YAGレーザ光が照射され、光ファイバ71を介してハンドピース10のレーザ光ノズル11から照射され、歯質の切削が行われる。
このような歯質の削除において、通常Nd−YAGレーザ(波長1064nm)は歯質と反応しないことが知られている。しかし本発明では、微粒子(前記二酸化チタン、二酸化ケイ素、チタンおよび炭素の微粉末)を分散させた懸濁液を噴射しつつ波長1064nmのレーザ光を照射することによりエナメル質や象牙質の歯質の切除ができることを確認した。
前記レーザ光を照射したときの歯質の反射状態は図9に示すようになっている。ここでは健全エナメル質、齲触エナメル質、象牙質について反射光の状態を測定している。ここで、波長626nmのガイドレーザと波長1064nmのNd−YAGレーザがピークとして現れているほか、400nmから900nmの波長域において反射エネルギーが放出されていることがわかる。
また、図10に齲触エナメル質と健全エナメル質との反射状態の差、および健全エナメル質と健全象牙質との反射状態との差を示す。前者は波長540nm、後者では波長730nmに大きな山があり、齲触エナメル質から新たな波長のエネルギーが放出されていることがわかる。
さらに、図11に二酸化チタン懸濁液中でレーザ光を照射したときの反射光の状態を示す。ここでは、二酸化チタンによる反射、エナメル質による反射、象牙質からの反射を測定している。これにより、エナメル質からの反射は波長626nmのガイドレーザと波長1064nmのNd−YAGレーザだけであることがわかる。これに対して、象牙質からは比較的強い反射光が得られ、二酸化チタンからの反射項はそれらの中間の強度であることがわかった。
以上のことより、二酸化チタンの微粒子によりレーザ光が回折することにより、歯質を切除できる新たな波長の光が発生していることがわかる。また、レーザ光により、二酸化チタン微粒子が衝撃的に蒸発し、その際に発生する衝撃波が歯質を破壊して切除を可能としていることも予想できる。
図12は実際に歯質に本例に係る口腔内レーザ光照射装置を用いてウシエナメル質を切除した場合の測定結果を示している。上側の図はシリカ分散溶媒液を使用した場合であり、5μm程度の深さで窩底の比較的平坦な窩洞を形成することができることがわかる。また、下側の図は、二酸化チタン分散溶媒液を使用した場合であり、10μm程度の深さで窩底の比較的平坦な窩洞を形成することができることがわかる。
なお、上記実施の形態では、操作装置として、フットスイッチを使用し、リミットスイッチを使用して駆動装置のオン/オフ制御およびタイミング制御を行う場合を説明したが、操作装置を他の場所例えばハンドピースの場所に設けることができる。また。制御装置は液材の噴出量調整、空気源からの空気噴出圧制御、レーザ光の強度、パルス状態、各装置の作動タイミングを調整できるようにすることができる。
以下に実施例として上記口腔内レーザ光照射装置を用い実際に行った処理およびその条件を列記する。
1) 矯正用バンド−矯正線 600mJ−5pps
2) 矯正用バンド−矯正チューブ 600mJ−5pps
3) クラウン−矯正用ブラケット 900mJ−5pps
4) クラウン−クラウン 1500mJ−3pps
5) クラウン−焼付け陶材冠 2000mJ−3pps
6) クラウン−硬質レジン前装冠 1500mJ−5pps
7) エナメル質削除 2500mJ−5pps 30%チタン懸濁液
8) 象牙質切除(健全) 2500mJ−5pps 10%チタン懸濁液
9)象牙質切除(齲触) 2000mJ−5pps 10%チタン懸濁液
10)象牙質切除(サホライド塗布) 1500mJ−5pps 10%チタン懸濁液
本発明の実施形態に係る口腔内レーザ光照射装置の概要を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る口腔内レーザ光照射装置のハンドピースを示す図であり、(1)は断面図断面図、(2)は先端部拡大断面図、(3)は先端部の拡大端面図である。 フットスイッチをその動作状態と共に示す側面図である。 ハンドピースの先端から照射されるレーザ光と液材の状態を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る口腔内レーザ光照射装置で歯科治療における補綴を行う状態を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る口腔内レーザ光照射装置で矯正用のハンドにワイヤを接続する状態を示す斜視図である。 本発明の実施例における鋳造冠の溶着時の温度上昇を示すグラフである。 本発明の実施例における溶着位置からの距離による温度の変化を示すグラフである。 歯の表面の反射状態を示すグラフである。 齲触エナメル質と健全エナメル質との反射状態の差、および健全エナメル質と健全象牙質との反射状態との差を示すグラフである 二酸化チタン分散溶液中の歯の反射状態を示すグラフである。 本発明の実施例に係るエナメル質削除の状態を示すグラフである。 歯科治療における補綴の一例を示す従来の断面図である。
符号の説明
1 口腔内レーザ光照射装置
10 ハンドピース
11 レーザ光ノズル
12 液材ノズル
13 気液混合部
14 本体グリップ
30 駆動装置
31 レーザ発振装置
32 液材噴出装置
33 空気源
34 動作司令部
50 フットスイッチ
51 基盤
52 リミットスイッチ
53 リミットスイッチ
54 フットペダル
55 軸
56 スプリング号
71 光ファイバ
72 エアホース
73 液材ホース
101 ポンティック部
102 歯
104 鋳造冠
105 ブリッジ
106 奥歯
107 バンド
108 ワイヤ
111 ファイバ部
112 被服材
121 開口
131 混合室
132 パイプ
321 ポンプ
322 液材タンク
331 コンプレッサ
332 除水器

Claims (11)

  1. 口腔内の所定個所に向けてレーザ光を照射するレーザ光照射部、および、口腔内のレーザ光照射領域に対し液材を射出する液材射出部を備えたハンドピースと、
    前記レーザ光射出部に接続され該レーザ光射出部にレーザ光を射出するレーザ発振装置、および、前記液材射出部に接続され該液材射出部に液材を供給する液材噴出装置を備えた駆動装置と、
    前記駆動部からのレーザ光の停止および出力調整を行う出力制御と、前記液材供給の遮断および流量調整を行う操作装置とを備えたことを特徴とする口腔内レーザ光照射装置。
  2. 前記操作装置は、レーザ照射口からのレーザ光射出タイミングに同期して液材射出をすることを特徴とする請求項1に記載の口腔内レーザ光照射装置。
  3. 前記ハンドピースには気液混合部を備え、駆動装置には区前記気液混合部に空気を供給する空気源を備え、液材噴出部から気液混合体を噴射することを特徴とする請求項1または請求項2記載の口腔内レーザ光照射装置。
  4. 前記操作装置は、フットペダルで操作され、
    該ペダルは操作者が浅い領域内で踏んだ第1のポジションで、液材噴出装置から液材が供給され操作者がペダルを深い領域まで踏んだ第2のポジションにおいて、液材が供給されると共にレーザ発振装置からレーザ光が射出されることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の口腔内レーザ光照射装置。
  5. 前記操作装置には空気源からの供給空気を遮断および流量調整する調整手段が設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の口腔内レーザ光照射装置。
  6. 前記レーザの発振装置は、Nd−YAGレーザ発振装置であり、前記液材は水であることを特徴とする請求項1ないし請求項4に記載の口腔内レーザ光照射装置。
  7. 前記レーザは歯科用金属材料同士を溶着することを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の口腔内レーザ光照射装置。
  8. 前記レーザの発振装置は、Nd−YAGレーザ発振装置であり、前記液材は、水に微粉末を混入した液体であることを特徴とする請求項1ないし請求項5に記載の口腔内レーザ光照射装置。
  9. 前記微粉末は、二酸化チタン、二酸化ケイ素、チタン、および、炭素のうち少なくとも一種の微粉末であることを特徴とする請求項8記載の口腔内レーザ光照射装置。
  10. 前記微粉末は水に対して3〜30%の割合で混入されていることを特徴とする請求項9記載の口腔内レーザ光照射装置
  11. 前記レーザ光は、脂質の削除を行うものであることを特徴とする請求項8ないし請求項10のいずれかに記載の口腔内レーザ光照射装置。
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