JP2003052715A - レーザ光照射装置 - Google Patents

レーザ光照射装置

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JP2003052715A
JP2003052715A JP2001227697A JP2001227697A JP2003052715A JP 2003052715 A JP2003052715 A JP 2003052715A JP 2001227697 A JP2001227697 A JP 2001227697A JP 2001227697 A JP2001227697 A JP 2001227697A JP 2003052715 A JP2003052715 A JP 2003052715A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】レーザ光が照射対象組織以外に作用しにくく、
かつ被照射生体に与える熱感も小さいレーザ光照射装置
を提供する。 【解決手段】レーザ光供給手段からのパルスレーザ光が
後端から入射され、先端から出射させる光ファイバー3
と、この光ファイバー3を保持するハンドピース1と、
少なくとも、光ファイバー3の先端から出射されるレー
ザ光Lの照射対象部位に向けて、レーザ光Lにより光分
解を起こすレーザ光吸収物質が分散されたレーザ光吸収
液Aを噴射する吸収液噴射手段とを備えたレーザ光照射
装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ光を生体組
織に照射するレーザ光照射装置に関し、特にNd:YA
Gなどのパルスレーザ光と、このレーザ光を吸収して光
分解を起こす物質を含むレーザ光吸収液とを組み合わせ
て生体組織の切開や蒸散を行う、レーザ光照射装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】外科や歯科のほか、美容整形等の分野に
おいて、レーザ光を生体組織に照射し、生体組織を切開
したり蒸散したりすることが行われている。たとえば、
米国特許第4,818,230号では、虫歯の治療にパ
ルスレーザ光を照射することを開示している。このパル
スレーザ光は、1パルスあたり0.1〜100mJ(ミ
リジュール)のものである。このレーザ光としては、イ
ットリウム−アルミニウム−ガーネットレーザ光が用い
られる。このものでは、レーザ光のエネルギーが小さ
い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のレーザ
光照射装置においては、レーザ光が照射対象組織のみ
ならずその奥側(深部)の非対象組織にも作用するこ
と、および照射対象組織で発生した熱が周囲の非対象
組織にも伝達することに起因し、周囲(深部含む)の非
対象組織が炭化及び凝固する、患者等の被照射生体に苦
痛を与えるといった深刻な問題点があった。
【0004】これを解決するために、レーザ光の照射部
位に対して空気を投射し、冷却することが知られている
が、周囲の非対象組織に対するレーザ光の入射は避けら
れない上、冷却効果も実際には効き目が薄い。
【0005】そして、従来のレーザ光照射装置において
は、このような周囲の非対象組織への影響や被照射生体
が耐えうる熱感を考慮しなければならず、過度の出力の
レーザ光を照射できないので、適用可能な治療等の種類
が少ないことも問題であった。
【0006】したがって、本発明の主たる課題は、レー
ザ光が照射対象組織以外に作用しにくく、かつ被照射生
体に与える熱感も小さいレーザ光照射装置を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、レーザ
光供給手段からのレーザ光を生体組織に照射するレーザ
光照射装置において、レーザ光供給手段からのレーザ光
が後端から入射され、先端から出射させる光ファイバー
と、この光ファイバーを保持するハンドピースと、少な
くとも、光ファイバーの先端から出射されるレーザ光の
照射対象部位に向けて、レーザ光により光分解を起こす
レーザ光吸収物質を含むレーザ光吸収液を噴射する吸収
液噴射手段とを備えたことを特徴とするレーザ光照射装
置が提供される。
【0008】このように構成することによって、照射対
象組織に対してレーザ光吸収液を当てながら同時にレー
ザ光を当てることができる。照射対象組織に入射するレ
ーザ光は、照射対象組織に存在するレーザ光吸収物質に
より吸収される。その結果、このレーザ光吸収物質は光
分解し、これに伴ってレーザ光吸収物質周囲の生体組織
も同時に分解し、当該生体組織の構造破断、溶解、蒸散
が起こる。
【0009】この際、照射対象組織に入射するレーザ光
は、その殆ど全てが照射対象組織に存在するレーザ光吸
収物質により吸収または散乱され、照射対象組織を通過
して奥側の非対象組織に作用しないため、この奥側の非
対象組織はレーザ光の影響を殆ど受けない。また、照射
対象組織においてはレーザ光吸収物質の光分解により熱
が発生するが、この熱はレーザ光吸収液の分散母液の冷
却作用により取り除かれる。さらに、照射対象組織以外
に供給されたレーザ光吸収液はレーザ光を吸収しないの
で、単純に冷却液として機能する。よって、被照射生体
に与える熱感も極めて小さい。
【0010】本発明のレーザ光吸収液としては、酸化チ
タン、二酸化マンガン、酸化鉄、カーボンの群から選択
された一種又は二種以上の物質からなる粒度10ミクロ
ン以上のレーザ光吸収粒子を、水を主体とし且つこれに
カルボキシメチルセルロースを濃度が0.1%以上とな
るように添加してなる分散母液に分散させてなるものが
望ましい。レーザ光吸収粒子として例えば対象組織が歯
のエナメル質であるときには、レーザ光吸収粒子として
特に望ましいのは酸化チタン粒子である。カーボン粒子
を用いた場合には対象組織及びその近傍が黒色に着色さ
れてしまうが、酸化チタン粒子は白色であるので治療組
織が美しく仕上がるからである。また、水にカルボキシ
メチルセルロースを濃度が0.1%以上となるように添
加してなる分散母液は、レーザ光吸収粒子が沈降しない
程度の適度な粘性を有する。このようなレーザ光吸収液
は、レーザ光吸収粒子の良好な分散状態を維持でき、こ
れを対象組織に吹付けたときにもレーザ光吸収粒子が対
象組織に対して満遍なく供給される。
【0011】レーザ光は、0.7〜1.7μmの波長を有
するものを用いるものが好ましい。レーザ光は、Nd:
YAGレーザ光とすることができる。本発明では、KT
Pレーザ、アレキサンドラライトレーザを用いることも
できる。またレーザ光は1パルス当たり300mJ以上
のエネルギーを有するパルスレーザ光であるのが望まし
い。このパルスレーザ光は、1パルス幅が100mS
(ミリ秒)以下、パルスの繰り返し速度は、1秒あたり
50pps以下であるのが望ましい。
【0012】他方、具体的な装置構造としては、ハンド
ピースの先端部にガイド管を有し、光ファイバーはこの
ガイド管内を通りガイド管先端から突出し、ガイド管と
光ファイバーとの間の隙間を介してレーザ光吸収液を流
通させガイド管先端の開口から噴射させるように構成す
ることが提案される。
【0013】このように構成することによって、驚くべ
きことに、吸収液噴射手段から噴射されたレーザ光吸収
液の殆ど全てが、光ファイバーの先端から出射されたレ
ーザ光の周囲を取り囲みながらレーザ光の照射対象部位
に到達し、その後にレーザ光の照射対象部位に沿って広
がるようになる。このため、光ファイバーの先端面の前
方にのみレーザ光の有効照射領域が生じ、周囲は冷却状
態となる。有効照射領域では、大気中の観察によれば、
レーザ光吸収液の流れは殆どない。したがって、有効照
射領域では、レーザ光吸収液によるレーザ光の吸収はほ
とんどない。このことは、周囲組織を冷却しながら、対
象組織に対して局所的に(温度の上昇を抑制しながら)
大きいエネルギーのレーザ光の照射が可能となることを
意味する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面を
参照しながらさらに詳説する。まず、図1及び図2によ
って、本発明の基本的な思想について説明する。本発明
のレーザ光伝達部材としては、光ファイバー3が用いら
れ、レーザ光供給手段からのレーザ光は、光ファイバー
3の後端から入射され、内部を通って先端から出射さ
れ、対象組織、たとえば歯に対して入射される。
【0015】光ファイバー3は、ハンドピース1により
保持されている。ハンドピース1は内部が空洞となり、
先端部にガイド管2を有する。このガイド管2はハンド
ピース1の内部と連通している。光ファイバー3は、ハ
ンドピース1の後部のガイド部分内を通して、ハンドピ
ース1内及びガイド管2を通って、ガイド管2の先端か
ら露出している。
【0016】図3に明示されているように、ガイド管2
と光ファイバー3との間には間隙が形成され、ハンドピ
ース1の後方から可撓性のプラスチック製の送液管4
(図1参照)を通して送液されたレーザ光吸収液Aは、
ハンドピース1内を通り、ガイド管2と光ファイバー3
との間隙から光ファイバー3の周囲を前方に向かって同
軸的に対象の組織Mに吹付られる。
【0017】レーザ光吸収液としては、酸化チタン、二
酸化マンガン、酸化鉄、カーボンの群から選択された一
種又は二種以上の物質からなる粒度10ミクロン以上の
レーザ光吸収粒子を、水を主体とし且つこれにカルボキ
シメチルセルロースを濃度が0.1%以上となるように
添加してなる分散母液に分散させてなるものが望まし
い。歯のエナメル質の治療を行う場合には、前述したよ
うに白色を有する酸化チタンが望ましい。カルボキシメ
チルセルロースは、前述のように粘度調整を目的として
添加するものであるが、これを省略したり、他の種類の
粘度調整剤を用いることもできる。また分散母液に対し
て、乳化剤や防腐剤を添加し、長期安定性性や保存性を
向上させることもできる。
【0018】冷却効果を向上させるため、必要に応じ
て、空気等の気体、水等の液体又はこれらの混合物から
なり、レーザ光吸収物質を含まない冷却媒体(以下、単
に冷却媒体という)を対象組織に対し吹付ける手段を設
けることができる。この例は、図4〜図6に示されてい
る。ハンドピース1及びガイド管2の下部には、これら
に沿って細径の金属製の冷却媒体管5が設けられ、接着
剤や溶接などによりハンドピース1及びガイド管2に一
体化されている。冷却媒体管5の後部は、可撓性のプラ
スチック製の冷却媒体管5Aと連結されている。図示の
ように、冷却媒体管5の先端開口は光ファイバー3の先
端より基部側に位置している。冷却媒体管5の先端開口
が、光ファイバー3の先端より基部側に位置しているの
で、光ファイバーの先端部の周囲から前方に向かって実
質的に同軸的に冷却媒体Wを送出できる。他の構造とし
て、図7に示すように、二重の同心管、すなわち内管2
Aと外管2Bとを有するガイド管2を用意し、内管2A
内に光ファイバー3を挿通し、これらの間隙をレーザ光
吸収液Aの送液路とし、内管2Aと外管2Bとの間隙を
冷却媒体Wの供給路とする構造も採用できる。また図示
しないが、冷却液体と冷却気体を個別に供給する場合に
は、冷却媒体管の数を増やしたり、三重以上の同心管を
用いることができる。
【0019】図1に示す例では、光ファイバー3および
送液管4は、レーザ光照射ユニットU(詳細は図示せ
ず)の接続口に対して着脱自在に連結可能とされてい
る。レーザ光照射ユニットUは、レーザ光のレーザ光供
給手段、例えばNd:YAGレーザ光の発生器6及びそ
の出力のコントローラ(図示せず)と、送液用ポンプ7
とを備えている。
【0020】レーザ光照射ユニットUは、制御盤を有し
ており、その表示パネルの表示部を操作することによ
り、パルスレーザ光の、1パルス幅、1パルス当たりエ
ネルギー(mJ単位)、パルスの繰り返し速度、空気A
の1分当たりの送気量、1分当たりの送気量及び1分当
たりの送水量を選択して設定できるように構成されてい
る。また、レーザ光照射ユニットUにはレーザ光吸収液
送液用フットスイッチ7Aが接続され、この送液用フッ
トスイッチ7Aをオンオフさせることにより、レーザ光
吸収液の噴射・停止形態がそれぞれ選択可能とされてい
る。さらに、ハンドピース1に設けた図示しないスイッ
チまたはフットスイッチによりレーザ光照射のオンオフ
の選択が可能とされている。図示しないが、レーザ光吸
収液送液用のスイッチとレーザ光照射スイッチとを共通
化することもできる。
【0021】また図4に示すように、冷却媒体を対象組
織に対し吹付ける手段を設けたときには、レーザ光照射
ユニットUに対して冷却媒体供給用コンプレッサー又は
ポンプ8が備えつけられるとともに、冷却媒体供給用フ
ットスイッチ8Aが接続され、この冷却媒体供給用フッ
トスイッチ8Aをオンオフさせることにより、レーザ光
吸収液の噴射・停止形態もそれぞれ選択可能とされる。
この冷却媒体供給用のスイッチは、レーザ光吸収液送液
用のスイッチ及びレーザ光照射スイッチのいずれか一方
または両方と共通化することもできる。
【0022】次に、レーザ光照射時の状態について説明
する。大気中で観察してみると、図3に示すように、光
ファイバー3を組織に向け、パルスレーザ光Lの照射及
びレーザ光吸収液Aの送液を開始すると、図8に示すよ
うに、レーザ光吸収液Aは光ファイバー3の先端までは
光ファイバー3の外周を伝い、その後光ファイバー3の
先端からはレーザ光の有効照射領域Zを取り囲む筒状を
なして前方に放出される。またこれと同時に冷却媒体W
の送出も行うと、図9に示すように、冷却媒体Wは光フ
ァイバー3の先端部に回り込みながら、結果的にレーザ
光吸収液Aの流れに乗って前方に向かって流れる。よっ
て、この冷却媒体Wも有効照射領域Zには殆ど流れ込ま
ない現象が見られる。
【0023】したがって、パルスレーザ光Lの照射によ
り、組織Mの切除や蒸散、あるいは凝固を図る場合、図
8及び図9にそれぞれ示すように、組織M表面がレーザ
光の有効照射領域Z内に入るように光ファイバー3の先
端を組織Mに近づけた状態で、レーザ光吸収液Aを送出
しながらパルスレーザ光L(図3、図6参照)の照射を
行う。送出されたレーザ光吸収液Aは、レーザ光の有効
照射領域Zの周りを通り組織Mの表面に到達し、組織M
の表面に沿って、有効照射領域Zと交差する組織M表面
領域及びその周囲領域に満遍なく広がる。これにより、
吸収液A中のレーザ光吸収物質も組織M表面領域及びそ
の周囲領域に満遍なく広がる。他方、レーザ光Lは、筒
状をなすレーザ光吸収液Aの空洞部を通り、殆ど減衰す
ることなく有効照射領域Zと交差する組織M表面領域に
到達する。そして、有効照射領域Zと交差する組織M表
面領域では、当該領域に存在するレーザ光吸収物質がレ
ーザ光Lを吸収する。その結果、このレーザ光吸収物質
は光分解し、これに伴ってレーザ光吸収物質周囲の生体
組織も同時に分解し、当該生体組織の構造破断、溶解、
蒸散が起こる。
【0024】この際、有効照射領域Zと交差する組織M
表面領域に入射するレーザ光Lは、その殆ど全てが当該
領域に存在するレーザ光吸収物質により吸収または散乱
され、当該表面領域を通過して奥側の非対象組織に作用
しないため、この奥側の非対象組織はレーザ光の影響を
殆ど受けない。また、有効照射領域Zと交差する組織M
表面領域においてはレーザ光吸収物質の光分解により熱
が発生するが、この熱はレーザ光吸収液Aの分散母液の
冷却作用により取り除かれる。
【0025】さらに、有効照射領域Zと交差する表面領
域の周囲に供給されたレーザ光吸収液Aは有効にレーザ
光を受けることができないので、単純に冷却液として機
能する。よって、被照射生体に与える熱感も極めて小さ
い。また図9に示すように、冷却媒体Wが供給される場
合には、これが有効照射領域Zと交差する表面領域の周
囲に供給され、常に冷却作用がなされる。その結果、組
織M表面の前記面積範囲の周辺が高温化することはな
い。
【0026】よって、本発明のレーザ光照射装置によれ
ば、図8及び図9にそれぞれ示すように高温となる部分
Hは非常に局所的となり、周囲組織の炭化や凝固は殆ど
発生しない。これに対して、レーザ光吸収液の投射を行
わない従来装置の場合、図11に示すようにレーザ光は
深さ方向に作用するため、高温部H1,H2は深さ方向
に延在するとともに、このレーザ光照射部分から周囲へ
熱が伝達することによって、炭化部MC及び凝固部MS
がレーザ光照射領域の周囲に発生してしまう。
【0027】以上に述べた現象は、光ファイバー3と組
織との離間距離を種々変えながら、現実の組織に対して
パルスレーザ光Lを照射するときの組織温度を熱赤外線
カメラにて測定した結果から推測できたものである。
【0028】ところで、本発明で使用するレーザ光は、
例えば歯科用途においては、0.7〜1.7μmの波長を
有するものを用いるものが好ましい。好適なレーザ光は
Nd:YAGレーザ光である。本発明では、KTPレー
ザ、アレキサンドラライトレーザを用いることもでき
る。パルスレーザ光は、1パルス幅が100mS(ミリ
秒)以下、1パルス当たり300mJ以上のエネルギー
を有し、パルスの繰り返し速度は、1秒あたり50pp
s以下であるのが望ましい。この条件の範囲内で、軟組
織の止血・切除・蒸散、歯肉の止血・滅菌・排膿、感染
根管治療、歯石の除去、清掃、エナメル質の切削・孔開
け、象牙質の切削・孔開け、クラウン同士の接合、金属
インプラントネジの溶着による固定などが可能である。
【0029】歯のウ蝕部分を選択的な除去は、Nd:Y
AGレーザ光を使用する場合の独断場である。象牙を構
成するエナメル質は、主に無機質のハイドロオキシアパ
タイトからなるもので、1.06μm近傍の波長を吸収
しない。エナメル質に生成したウ蝕部分は、エナメル質
が変性し有色となったタンパク質成分を多く含むもので
あるから、タンパク質吸収を生じさせる1.06μm近
傍の波長を含むNd:YAGレーザ光を照射すると、ウ
蝕部分を選択的に除去できる。この反応は、ウ蝕部分に
短時間の間にレーザ光が高い吸収効率を示すとき生じ
る。また、この反応が生じるか否かは、パルス幅、1パ
ルス当たりのレーザ光エネルギー、1秒当たりのパルス
の繰り返し速度で主に支配される。1パルス幅は、10
mS(ミリ秒)以下が望ましく、これが大きいと、1パ
ルス内のピークパワーが低くなり、レーザ光の吸収は生
じ難い。1パルス当たりのレーザ光エネルギーが低い、
すなわち1パルス当たり300mJ未満であると、レー
ザ光の吸収は生じ難い。パルスの繰り返し速度が、1秒
あたり50ppsを超えると、ウ蝕部分を除去できると
しても、熱が残留し、象牙全体が高温となり、歯髄炎を
生じる可能性がある。
【0030】図10には、歯Mのエナメル質20部分か
ら進行したウ蝕部分を除去し、さらに象牙質21を通っ
て歯髄22まで進行したウ蝕を、象牙質21を切削し、
歯髄22において根管治療を行っている状態を示してい
る。歯髄22に対して、パルスレーザ光を照射しても、
患者の痛みは殆どない。
【0031】本発明において、光ファイバーの先端にレ
ーザ光を透過させる導光チップを接続したり配置したり
することもできる。組織M表面に対して光ファイバー3
の前面を接触するか、離間させるかは、治療の種類によ
り選択できる。
【0032】前述の冷却媒体を用いた冷却に関しては、
治療の種類によって、送気のみの場合と、送気と送水を
同時の行う場合と、送水のみの場合と、いずれも行わな
い場合とを適宜選択できる。送気及び送水はレーザ光の
照射部位を冷却する効果が著しく高くなる。送気は、切
除や切削したものや蒸散・凝固物を排除し、新しい組織
を現出させる。送気のみ又は送水のみとすることもでき
る。歯石の除去に際しては、水の存在下でレーザ光を照
射させて歯石部にキャビテーションを生じさせるのが効
果的であるので、送水のみを行うのが好ましい、。これ
に対して、送気と送水を同時に行う場合には、冷却効果
が著しく高い。水に代えて、アルコールなどの液体を用
いることもできる。
【0033】レーザ光吸収液を送液する過程で、冷却媒
体の供給を連続的に行うことなく間欠的に行うことがで
きる。この間欠的な冷却媒体の供給のためには、ハンド
ピースまたはフットスイッチにより冷却媒体の供給管路
をオンオフすることができる。
【0034】
【発明の効果】以上のとおり、本発明のレーザ光照射装
置によれば、レーザ光が照射対象組織以外に作用しにく
く、かつ被照射生体に与える熱感も小さくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレーザ光照射装置の概略的説明図であ
る。
【図2】図1の先端部の拡大概略図である。
【図3】図2の拡大図である。
【図4】他の、本発明のレーザ光照射装置の概略的説明
図である。
【図5】図4の先端部の拡大概略図である。
【図6】図5の拡大図である。
【図7】先端部の他の例を示す一部破断正面図である。
【図8】レーザ光照射状態の説明図である。
【図9】他のレーザ光照射状態の説明図である。
【図10】歯に対する治療例の説明図である。
【図11】従来装置によるレーザ光照射状態を示す要部
拡大図である。
【符号の説明】
1…ハンドピース、2…ガイド管、3…光ファイバー、
4…送液管、5…冷却媒体供給管、6…レーザ光の発生
器、7…送液用ポンプ、7A…送液用フットスイッチ、
8…冷却媒体供給用のコンプレッサーまたはポンプ、8
A…冷却媒体供給用フットスイッチ、L…パルスレーザ
光、A…レーザ光吸収液、W…冷却媒体、U…レーザ光
照射ユニット。
フロントページの続き Fターム(参考) 4C026 AA02 DD03 DD05 DD10 FF02 FF17 FF22 HH02 HH15 4C052 AA01 AA15 AA16 AA17 BB11 CC03 CC19 CC30 EE03 5F072 AB02 KK30 YY02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レーザ光供給手段からのレーザ光を生体組
    織に照射するレーザ光照射装置において、 前記レーザ光供給手段からのレーザ光が後端から入射さ
    れ、先端から出射させる光ファイバーと、 この光ファイバーを保持するハンドピースと、 少なくとも、前記光ファイバーの先端から出射されるレ
    ーザ光の照射対象部位に向けて、前記レーザ光により光
    分解を起こすレーザ光吸収物質が分散されたレーザ光吸
    収液を噴射する吸収液噴射手段と、 を備えたことを特徴とするレーザ光照射装置。
  2. 【請求項2】前記レーザ光吸収液として、酸化チタン、
    二酸化マンガン、酸化鉄、カーボンの群から選択された
    一種又は二種以上の物質からなる粒度10ミクロン以上
    のレーザ光吸収粒子を、水を主体とし且つこれにカルボ
    キシメチルセルロースを濃度が0.1%以上となるよう
    に添加してなる分散母液に分散させてなるものを用い
    る、請求項1記載のレーザ光照射装置。
  3. 【請求項3】前記レーザ光は、0.7〜1.7μmの波長
    を有するものを用いる、請求項1または2記載のレーザ
    光照射装置。
  4. 【請求項4】前記レーザ光は、Nd:YAGレーザ光で
    ある、請求項1〜5のいずれか1項に記載のレーザ光照
    射装置。
  5. 【請求項5】前記レーザ光はパルスレーザ光であり、1
    パルス当たり200mJ以上のエネルギーを有する、請
    求項1〜4のいずれか1項に記載のレーザ光照射装置。
  6. 【請求項6】前記ハンドピースの先端部にガイド管を有
    し、前記光ファイバーはこのガイド管内を通りガイド管
    先端から突出し、前記ガイド管と前記光ファイバーとの
    間の隙間を介して前記レーザ光吸収液を流通させガイド
    管先端の開口から噴射させるように構成した、請求項1
    〜5のいずれか1項に記載のレーザ光照射装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007315996A (ja) * 2006-05-29 2007-12-06 Japan Atomic Energy Agency 放射性同位元素に汚染された表面を水噴流導光レーザー剥離を用いて再汚染少なく容易に低温にて除染する方法とその装置
KR100948311B1 (ko) 2008-04-08 2010-03-25 주식회사 심텍 전립선 수술용 워터젯의 캐뉼러 구조
JP2010068880A (ja) * 2008-09-16 2010-04-02 Yuji Miwa 光ファイバーの先端加工を伴う歯科用レーザー治療装置、その先端加工方法及びその治療システム
JP2015091344A (ja) * 2009-01-20 2015-05-14 ルメラ レーザー ゲーエムベーハー 歯の材料をアブレーションする歯科用レーザアブレーション装置

Cited By (4)

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