JP5234930B2 - 耐熱シート - Google Patents

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Description

本発明は、例えば製鋼作業や、精錬作業や、溶断作業などのように高熱輻射および溶滴の飛来を受ける可能性がある作業環境において作業者を保護することができる溶融金属保護衣などに好適な高耐熱及び高耐火性能を有する耐熱シートに関する。
従来、難燃耐熱性と作業性を兼ね備え、軽量で動きやすい難燃耐熱性作業衣として、耐熱性繊維であるアラミド繊維にゴムコンパウンドをコーティングした布帛とをその構成材料とするような難燃耐熱性作業衣が知られている(特許文献1参照)。
特開2005−299049号公報
ところが、上記のような難燃耐熱性作業衣に用いられる耐熱シートでは、例えば溶融金属のように1000℃を超える熱に晒される作業環境では、耐熱性が不充分であり、作業者の安全性を完全に満足させることができなかった。
そこで、ゴムコンパウンドに、耐熱性を有する無機充填材を含有させ、耐熱性を向上させる技術が知られている。しかしながら、この技術においても、耐熱性を向上させることは可能であるが、溶融金属のように1000℃を超える熱に晒される作業環境では、作業者側に熱が伝わりやすく、作業者のための高耐熱及び高耐火性能を得ることはできなかった。
そこで本発明は、例えば、1000℃を超える溶融金属、高圧蒸気及び熱風などを取り扱う作業環境などにおいて、被災を防止でき、耐熱性及び耐火性に優れた防護服等に好適な耐熱シートを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明は、少なくとも耐熱性繊維層及び中空の無機充填材を含有するゴム層が構成要素として含まれる耐熱シートを構成し、前記耐熱性繊維層の耐熱性繊維の経密度および緯密度を30〜70本/インチとし、前記ゴム層として、ゴム材料100重量部に対して、平均粒径0.01〜300μmである中空の無機充填材100〜800重量部を含有させ、且つゴム層の厚みが0.05〜0.5mmであるようにすることで、1000℃を超える熱に晒される作業環境において被災を防止できる防護服とした。
ここで、耐熱性繊維層の耐熱性繊維としては、例えば、アラミド繊維、ガラス繊維、石綿繊維、シリカ繊維、カーボン繊維、金属繊維、チタン酸カリウム繊維、アルミナ繊維等が使用できる。なお、この耐熱性繊維の経密度及び緯密度は30〜70本/インチの範囲が好適であり、この範囲では、耐熱性を十分に確保することができる。一方、30本/インチ未満の場合には、耐熱性が不十分となり、70本/インチを超える場合には、製織性が不良となり、得られる繊維の品位が不良となりやすい。
また、中空の無機充填材を含有するゴム層を構成するゴム材料としては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、1,2−ポリブタジエンゴム(1,2−BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、ニトリルゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、塩素化ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム(EPDM)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、アクリルゴム(ACM)、エピクロルヒドリンゴム(CO)、多加硫ゴム(T)、シリコーンゴム(Q)、フッ素ゴム(FKM)、ウレタンゴム(U)等が使用できる。
さらに、中空の無機充填材としては、ガラスバルーン、アルミナバルーン、セラミックバルーン、シラスバルーン等が用いられる。これらは、耐熱性に優れるだけでなく、中空であるために、中空が断熱層として機能し、断熱性に優れ、熱伝導を抑えることができる。よって、溶融金属のように1000℃を超える熱に晒される作業環境においても、作業者側に熱が伝わりにくく、作業者の安全性を完全に満足させることができる。なお、本願に使用される中空の無機充填材において、中空の部分は、断熱性を有すれば真空になっていても気体が充填されていてもよい。断熱性能を考慮すると真空になっているか、熱伝導率の低いキセノン、クリプトン、アルゴン等の気体が充填されていることが好ましい。この中空の無機充填材における空隙率としては、90〜98%の範囲であり、この範囲では、断熱性に優れ、熱伝導を抑えることができるほか、シートとしての軽量化も図られる。一方、90%未満の場合には、断熱性が劣るものとなり、充分に熱伝導を抑えることができないほか、シートとしての重量が重くなる。また、98%を超える場合には、中空の無機充填材の強度が低下し、潰れやすくなる。なお、セラミックバルーン及びガラスバルーンは特に耐熱性に優れており、耐熱温度1300〜1800℃である。それ以外の中空の無機充填材では、耐熱温度600〜1200℃である。また、本発明で用いる中空の無機充填材は、単独で使用してもよいし、本願発明の効果に支障のない範囲において、中空になっていない一般の無機充填材を混合して使用してもよい。
この中空の無機充填材の平均粒径を0.01〜300μmの範囲にすることにより、耐熱性に優れたものにできるだけでなく、耐熱シートとしての柔軟性にも優れたものとすることができる。一方、粒径が0.01μm未満の場合には、
シートとしての耐熱性は優れるものの、断熱性が劣るとともに、ゴム材料への分散混合性の面で好ましくない。300μmを超える場合には、耐熱シートとしての柔軟性が低下するほか、平滑なゴム層を形成することが困難になる。
中空の無機充填材のゴム材料への配合量を、ゴム材料100重量部に対して、中空の無機充填材100〜800重量部にすることにより、耐熱性及び断熱性に優れたものにできるだけでなく、耐熱性繊維層への積層作業性に優れ、平滑なゴム層を形成することができる。
一方、中空の無機充填材が100重量部未満の場合には、中空の無機充填材の比率が低くなり、耐熱性及び断熱性が不十分なものとなるほか、必要な耐熱性及び断熱性とするために、中空の無機充填材を含有するゴム層を、より厚くする必要があるため、保護衣としてのシートの厚みが厚くなり好ましくない。また、中空の無機充填材が800重量部を超える場合には、シートとしての柔軟性が低下するほか、耐熱性繊維層に積層させた際、耐熱性繊維層への積層作業性が悪くなり、平滑なゴム層を形成することが困難になる。
なお、耐熱性繊維層と中空の無機充填材を含有するゴム層とを積層した場合、本発明の耐熱シートの厚みを0.25〜3.0mmにすることが好ましい。この際、耐熱性繊維層の厚みを0.2〜2.0mmの範囲にすることが好ましく、この範囲では、優れた耐熱性を維持しながら、シートとしての軽量化を図ることができる。一方、耐熱性繊維層の厚みを0.2mm未満にした場合には、熱伝導が速く、耐熱性として不十分なものとなりやすく、2.0mmを超えるようにした場合には、シートとしての風合いが固くなり、重量が増すほか、二次加工性が低下して好ましくない。
また、中空の無機充填材を含有するゴム層の厚みは、0.05〜0.5mmの範囲にすることが好ましく、特に0.1〜0.3mmの範囲にすればさらに好ましい。この範囲では、優れた断熱性を維持しながら、シートとしての軽量化を図ることができる。一方、このゴム層の厚みを0.05mm未満にした場合には、熱伝導が速く、断熱性としては不十分なものとなり、0.5mmを超えるようにした場合には、断熱性としては十分なものとなるが、シートとしての重量が重くなるほか、シートとしての柔軟性が低下する。
なお、中空の無機充填材を含有するゴム層の製造において、カレンダー成形等で、上記好ましい厚み0.05〜0.5mmを一回で成形しようとした場合、中空の無機充填材の影響で、平滑な層にできないおそれがある。よって、ナイフコーターやダイコーター等で製造することが好ましく、この場合、一回に0.01mm程度の厚みしか出せないため、上記好ましい厚み0.05〜0.5mmにするために、複数回に分けて層を形成することが好ましい。ゴム層を複層で形成する場合に、各層に含有される中空の無機充填材は、同一粒径のものを使用してもよいし、各層の粒径が異なっていてもよい。例えば、下層部分は、断熱性を確保するために比較的大きい粒径のものを使用し、上層部分は、表面の平滑性等を向上させるために、小粒径のものを使用してもよい。
また、本発明では、中空の無機充填材を含有するゴム層の表面に、アルミ層を積層することが好ましい。
このようなアルミ層は熱反射性に優れているため、このような形態にすることで耐熱性、耐火性を向上させることが可能となる。
なお、アルミ層は、例えば、ゴム材料100重量部に対して、アルミペースト100〜500重量部を配合し、中空の無機充填材を含有するゴム層上にコーティングして設けることができる。この際、アルミ層は、厚み1μmを超えない範囲で設けることが好ましい。これは、アルミ層が1μmを超えると、柔軟性が低下して、アルミ層が脱落しやすくなるからである。
さらに本発明では、耐熱性繊維層と中空の無機充填剤を含有するゴム層との間に、中空の無機充填材を含有しないゴム層(以下、柔軟ゴム層という)を積層することが好ましい。
具体的には、耐熱性繊維層に柔軟ゴム層を積層し、その上に中空の無機充填材を含有するゴム層を積層する。柔軟ゴム層を用いることで、シートとしての柔軟性が図れるほか、中空の無機充填材を含有するゴム層の好ましい厚み0.05〜0.5mmのうち、中空の無機充填材を含有するゴム層の必要最小限の厚み0.02〜0.04mm以外の部分をまかなうことができる。そのため、柔軟ゴム層を形成することで、必要な耐熱性とするための、中空の無機充填材を含有するゴム層の積層回数を軽減することができる。その他、柔軟ゴム層はカレンダー成形等で耐熱性繊維層に積層され、耐熱性繊維層の表面を平滑にすることができ、そのため、平滑なゴム層を形成することができる。
また、柔軟ゴム層として、ゴム材料100重量部に対して、可塑剤10〜60重量部を配合することが好ましく、可塑剤が10重量部未満の場合には、柔軟性を十分に得ることができず、逆に、60重量部を超える場合には、ブリードし、表面にタック性が出るほか、引っ張り強度が低下する。
なお、可塑剤としては、例えば、ジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルフタレート(DOP)等のフタレート系可塑剤;
ジオクチルアジペート(DOA)、ジイソデシルアジペート(DIDA)、ジブチルグリコールアジペート、ジブチルカルビトールアジペート等のアジペート系可塑剤;ジオクチルセバケート(DOS)、ジブチルセバケート(DBS)等のセバケート系可塑剤;トリクレジルフォスフェート(TCP)、クレジルフェニルフォスフェート(CDP)、トリブチルフォスフェート(TBP)、トリオクチルフォスフェート(TOP)、トリブトキシエチルフォスフェート(TBXP)等のフォスフェート系可塑剤のほか、ジ−2−エチルへキシルアゼレート(DOZ)、ジ−2−エチルヘキシルドデカンジオエート(DODN)等が挙げられ、それらの一種或いは二種以上を組み合わせてもよい。
この際、耐熱シートの厚みは0.25〜3.0mmにすることが好ましいものであり、耐熱性繊維層の厚みは0.2〜2.0mmが好ましく、中空の無機充填材を含有するゴム層の厚みは0.05〜0.5mmが好ましい。また、柔軟ゴム層の厚みは0.01〜1.0mmの範囲にすることが好ましく、特に0.1〜0.3mmの範囲にすればさらに好ましい。この範囲では、シートとしての柔軟性を向上させることができるだけでなく、必要な耐熱性とするための、中空の無機充填材を含有するゴム層の積層回数軽減を図ることができるほか、耐熱性繊維層の表面を平滑にすることができるため、平滑なゴム層を形成することができる。これに対して、柔軟ゴム層の厚みを0.01mm未満にした場合、耐熱性繊維層への積層作業性が劣り、1.0mmを超えた場合、必要な耐熱性は確保できるものの、シートとしての重量が重くなり、好ましくない。
さらに本発明では、柔軟ゴム層と耐熱性繊維層との間に、接着ゴム層を介在させることが好ましく、柔軟ゴム層と耐熱性繊維層との接着性を向上させることができる。
接着ゴム層を構成するゴム材料としては、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、ニトリルゴム(NBR)、エチレン−プロピレンゴム(EPDM)、フッ素ゴム(FKM)等が使用できる。
接着ゴム層には、イソシアネートを配合することが好ましく、イソシアネートと耐熱性繊維層とが反応することにより、接着性を向上させることができる。この際の接着強度としては、10〜30N/2cm(JIS K 6404−5)である。
イソシアネートとしては、ジイソシアネート、トリイソシアネート、ポリイソシアネート等を挙げることができる。
また、ジイソシアネートとしては、1,3−および/または1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−および/または2,6−トリレンジイソシアネート、2,4’−および/または4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、イソホロンジイソシアネート等を挙げることができる。
トリイソシアネートとしては、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4イソシアネートメチルオクタン、1,3,6ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート等を挙げることができ、ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ナフタリンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等を挙げることができる。
ここで、接着ゴム層、柔軟ゴム層、及び中空の無機充填材を含有するゴム層に用いるゴム材料は、同系のものとすることが、接着性の面で好ましい。また、各層には架橋剤を配合するほか、適宜、架橋促進剤、老化防止剤等の公知の添加剤を添加することができる。
架橋剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2
,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン等の有機過酸化物、酸化亜鉛、酸化マグネシウム等の金属酸化物等を使用することができる。
また、架橋促進剤としては、エチレンジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート等を使用することができ、充填剤としては、炭酸カルシウム、タルク、クレー、カオリン、シリカ、珪藻土、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン等を使用することができる。
更に、老化防止剤としては、フェニルα−ナフチルアミン(PAN)、オクチルヂフェニルアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン(DPPD)、N,N’−ジ−β−ナフチル−p−フェニレンジアミン(DNPD)、N−(1,3−ジメチル−ブチル)−N’−
フェニル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン(IPPN)、N,N’−ジアリル−p−フェニレンジアミン、フェノチアジン誘導体、ジアリル−p−フェニレンジアミン混合物、アルキル化フェニレンジアミン、4,
4’−α、α−ジメチルベンジルジフェニルアミン、p,p−トルエンスルフォニルアミノジフェニルアミン、N−フェニル−N’−(3−メタクリロイロキシ−2−ヒドロプロピル)−p−フェニレンジアミン等を使用することができる。
少なくとも耐熱性繊維層及び中空の無機充填材を含有するゴム層を構成要素として含む耐熱シートにおいて、耐熱性繊維層の耐熱性繊維の経密度および緯密度を30〜70本/インチとし、前記ゴム層として、ゴム材料100重量部に対して、平均粒径0.01〜300μmである中空の無機充填材100〜800重量部を含有させ、且つゴム層の厚みを0.05〜0.5mmにすることにより、耐熱シートとしての耐熱性を飛躍的に向上させることができ、しかも柔軟性においても優れるものにすることができる。
更に、中空の無機充填材を含有するゴム層の表面に、アルミ層を積層すれば、アルミ層の熱反射性に優れた特性により、耐熱性、耐火性を向上させることが可能となる。
また、耐熱性繊維層と中空の無機充填材を含有するゴム層との間に、柔軟ゴム層を積層することにより、シートとしての柔軟性が優れたものにできるだけでなく、必要な耐熱性とするための、中空の無機充填材を含有するゴム層の積層回数軽減を図ることができるほか、耐熱性繊維層の表面を平滑にすることができるため、平滑なゴム層を形成することができる。
この際、柔軟ゴム層と耐熱性繊維層との間に、接着ゴム層を介在させれば、柔軟ゴム層と耐熱性繊維層との接着性が向上して好ましい。
本発明の実施の形態について添付した図面に基づき説明する。
ここで図1は本発明に係る耐熱シートの第1構成例を示す説明図、図2は第2構成例を示す説明図、図3は第3構成例を示す説明図、図4は第4構成例を示す説明図である。
本発明に係る耐熱シートは、例えば製鋼作業や、精錬作業や、溶断作業などのように高熱輻射および溶滴の飛来を受ける可能性がある作業環境において作業者を保護することができる溶融金属保護衣などに好適な高耐熱及び高耐火性能を有する耐熱シートとして構成され、耐熱性の飛躍的な向上が図られるとともに、柔軟性にも優れた特性が発揮されるようにしている。
本発明では、少なくとも耐熱性繊維層と中空の無機充填材を含有するゴム層とが構成要素として含まれる耐熱シートであることを特徴としており、無機充填材を含有するゴム層としては、ゴム材料100重量部に対して、中空の無機充填材が100〜800重量部で、しかも、無機充填材の平均粒径を0.01〜300μmとしている。
以下、本実施例及び比較例において、下記に示すような材料を使用して試験体を作製した。
(1)アラミド繊維((株)帝健製、「XF1910」)
(2)ゴム材料;CSM(東ソー(株)製、「TS530」)
(3)無機充填材;・空隙率95%の平均粒径10μmセラミックバルーン(住友スリーエム(株)製、「iM30k」)
・空隙率95%の平均粒径75μmセラミックバルーン(太平洋セメント(株)製、「E−spheres SL75」)
・空隙率95%の平均粒径300μmセラミックバルーン(太平洋セメント(株)製、「SL−300」)
・中実の平均粒径10μmセラミックビーズ(ポッターズ・バロティーニ(株)、「EMB−20」)
・空隙率95%の平均粒径0.005μmセラミックバルーン(NASA製、「HSR−Z−21」)
・空隙率95%の平均粒径350μmセラミックバルーン(太平洋セメント(株)製、「LS−350」)
(4)可塑剤;TCP(大八化学工業(株)製)
(5)ジイソシアネート;エチレンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業(株)製、「コロネート3015」)
(6)架橋剤;酸化マグネシウム(神島化学工業(株)製、「スターマグ」)
(7)架橋促進剤;エチレンジメタクリレート(三新化学工業(株)製、「EG」)
(8)老化防止剤;フェニルα−ナフチルアミン(大内新興化学工業(株)製、「ノクラック」)
(9)充填材;シリカ(東ソー・シリカ(株)製、「VN3」)
(10)アルミペースト(旭化成ケミカルズ(株)製、「4FS」)
(実施例1〜9)
図1に示すように、厚み0.8mmのアラミド繊維1上に、ナイフコーターを用いて、下記表1の割合で無機充填材m等を配合したゴム層2を積層し、100℃で2分間乾燥させた。その後、130℃で15分間加熱し、架橋させて耐熱シートを形成した。
Figure 0005234930
(実施例10)
図2に示すように、厚み0.8mmのアラミド繊維1上に、ナイフコーターを用いて、下記表2の割合で無機充填材m等を配合したゴム層2を積層した。その後、100℃で2分間乾燥させ、ナイフコーターを用いて、ゴム層2の上に、表2の割合で配合したアルミ層3を積層させ、130℃で15分間加熱し、ゴム層2を架橋させて耐熱シートを形成した。
(実施例11〜16)
図3に示すように、厚み0.8mmのアラミド繊維1上に、カレンダー法を用いて、下記表2の割合で配合した柔軟ゴム層4を積層した。その後、130℃で15分間加熱し、架橋させ、その上に、ナイフコーターを用いて、表2の割合で無機充填材m等を配合したゴム層2を積層した。その後、100℃で2分間乾燥させ、ナイフコーターを用いて、ゴム層2の上に、表2の割合で配合したアルミ層3を積層させ、130℃で15分間加熱し、ゴム層2を架橋させて耐熱シートを形成した。
(実施例17)
図4に示すように、厚み0.8mmのアラミド繊維1上に、ナイフコーターを用いて、下記表2の割合で配合した接着ゴム層5をコーティングし、100℃で2分間乾燥させ、その上に、カレンダー法を用いて、表2の割合で配合した柔軟ゴム層4を積層した。その後、130℃で15分間加熱し、架橋させ、その上に、ナイフコーターを用いて、表2の割合で無機充填材m等を配合したゴム層2を積層した。その後、100℃で2分間乾燥させ、ナイフコーターを用いて、ゴム層2の上に、表2の割合で配合したアルミ層3を積層させ、130℃で15分間加熱し、ゴム層を架橋させて耐熱シートを形成した。
Figure 0005234930
(比較例1〜6)
厚み0.8mmのアラミド繊維上に、下記表3の割合で配合したゴム層2を積層し、100℃で2分間乾燥させた。その後、130℃で15分間加熱し、架橋させて耐熱シートを形成した。この際、前記ゴム層2としては、無機充填材を含有しない場合(比較例1)、中実の無機充填材の場合(比較例2)、無機充填材の平均粒径が0.01〜300μmの範囲を超える場合(比較例3、4)、無機充填材の含有量が100〜800重量部の範囲を超える場合(比較例5、6)とした。
Figure 0005234930
以上のような方法で得られた耐熱シートを試験片として、耐熱シートの耐熱性、断熱性及び柔軟性を以下の方法で試験し評価した。結果を下記表4に示す。
「耐熱シートの耐熱性」
14cm×14cmの試料を、ピン枠に固定し、バーナーで火炎を暴露し、穴・亀裂が生じたときの時間を測定した(火炎の温度:1100℃)。なお、本発明に必要な耐熱性は30秒以上であり、60秒以上が好ましい。
「耐熱シートの断熱性」
耐熱シートの断熱性に関しては、熱伝導率で評価した。14cm×14cmの試料の上に、熱板を押し当てて、その時の熱伝導率を測定した。なお、熱伝導率の測定は、QTM−500(京都電子工業(株))を用いた。なお、本発明に必要な断熱性は0.2W/mK以下である。
「耐熱シートの柔軟性」
JIS L 1096 A法(45°カンチレバー法)に基づき測定した。なお、本発明に必要な柔軟性は100mm以下である。
Figure 0005234930
以上のことから、実施例1〜17では、本発明に必要な耐熱性、断熱性及び柔軟性を満足することができた。
しかしながら、比較例1、5では、本発明に必要な耐熱性、断熱性を得ることができず、比較例2、3では、本発明に必要な断熱性を得ることができなかった。また、比較例4、6では、本発明に必要な柔軟性を得ることができなかった。
特に1000℃を超える溶融金属、高圧蒸気及び熱風などを取り扱う作業現場などにおいて、高熱輻射や溶滴の飛来などの被災を防止するための防護服などに効果的である。
本発明に係る耐熱シートの第1構成例を示す説明図 耐熱シートの第2構成例を示す説明図 耐熱シートの第3構成例を示す説明図 耐熱シートの第4構成例を示す説明図
符号の説明
1…アラミド繊維、2…ゴム層、3…アルミ層、4…柔軟ゴム層、5…接着ゴム層、m…中空の無機充填材。

Claims (4)

  1. 少なくとも耐熱性繊維層及び中空の無機充填材を含有するゴム層を積層した耐熱シートであり、前記耐熱性繊維層の耐熱性繊維の経密度および緯密度は30〜70本/インチであり、前記ゴム層は、ゴム材料100重量部に対して、平均粒径0.01〜300μmである中空の無機充填材100〜800重量部を含有し、且つ厚みが0.05〜0.5mmであり、1000℃を超える熱に晒される作業環境において被災を防止できる防護服として用いられることを特徴とする耐熱シート
  2. 前記中空の無機充填材を含有するゴム層の表面に、アルミ層を積層することを特徴とする請求項1に記載の耐熱シート
  3. 前記耐熱性繊維層及び中空の無機充填材を含有するゴム層との間に、中空の無機充填材を含有しないゴム層が積層されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の耐熱シート
  4. 前記中空の無機充填材を含有しないゴム層と耐熱性繊維層との間に、接着ゴム層を介在させることを特徴とする請求項3に記載の耐熱シート。
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