JP5234888B2 - 一体型逆流防止バルブを備える尿採集バッグ - Google Patents

Description

（技術分野）
本開示は、カテーテル処置された患者から尿を採集するための尿採集バッグに関する。より具体的には、本開示は、尿採集バッグから流体が出ること、およびカテーテルを挿入された患者に向かって逆流することを実質的に防ぐための一体型逆流防止バルブを有する、カテーテルを挿入された患者から尿を採集するための尿採集バッグに関する。

（関連分野の背景）
カテーテルを挿入された患者から尿を採集するための尿採集バッグは、周知である。代表的に、尿採集バッグは、可撓性の、折り畳み可能な前面材料シートおよび背面材料シートから形成され、これらは、その周囲で一緒にシールされ、流体レザバを規定している。カテーテルを挿入された患者と流体連絡した第１の端部を有する注入チューブは、尿採集バッグの入口開口部に尿を供給するように配置された第２の端部を有する。逆流防止バルブは、入口において尿採集バッグに提供され得、流体がこの尿採集バッグの内部から、カテーテルを挿入された患者に向かって尿採集バッグから流れ出すのを防ぎ得る。そのようなことは、尿採集バッグが逆さまにはじかれる場合に起こり得る。

図１〜３は、公知の逆流防止バルブ２０を有する、１つの先行技術の尿採集バッグ１０を図示する。尿採集バッグ１０は、第１の可撓性材料シート２２および第２の可撓性材料シート２４を備え（図２Ｂ）、これらが折り畳み可能な流体レザバ２６を規定する。流体カテーテルと流体連絡するように適合した注入チューブ２８は、逆流防止バルブ２０内に排液するように配置された放出端部３０を有する。

逆流防止バルブ２０は、注入チューブ２８の放出端部３０を受容するような寸法の入口ポート３４を有する透明なハウジング３２を備える。ハウジング３２は、流体レザバ２６の外側に配置され、流体レザバ２６への開口部３６ａを有する流体レセプタクル３６を規定する（図２Ｂ）。ハウジング３２は、第１の可撓性材料シート２２に固定または溶接された周囲部分３２ａを備える。周囲部分３２ａは、開口部３６ａの対向する側に配置された、ピンを受容する一対の開口部３８を規定する。開口部３８は、バルブ支持部材４０のピン４０ａ（図３Ｂ）を受容するように構成され、開口部３６ａに隣接してバルブ支持部材４０を固定する。バルブ部材４２（図３Ｃ）は、支持部材４０のピン４０ａを受容するための開口部４４を有する、可撓性の材料シートを備える。バルブ部材４２は、ピン４０ａ上に支持され、開口部３６ａを覆う位置で、支持部材４０とハウジング３２の周囲部分３２ａとの間で加圧される。

図３Ｂに図示されるように、バルブ支持部材４０は、半円形のブラケット４６を備える。このブラケット４６は、ハウジング３２の周囲部分３２ａに接触する位置で、バルブ部材４２の上部を維持する。しかし、バルブ部材４２の下部４２ａは、ハウジング３２の周囲部分３２ａの外面にもたれかかるが、レザバ２６内に内向きに自由に移動し、流体レセプタクル３６内の流体がレザバ２６に入るのを可能にする。バルブ部材４２は、ハウジング３２の周囲部分３２ａ上に覆いかぶさるかまたはよりかかるので、バルブ部材４２に接触しているレザバ２６内からの任意の流体が、ハウジング３２の周囲部分３２ａに対してバルブ部材４２をシールする傾向があり、それによってレザバ２６内からハウジング３２への流体の流れを妨げる。

上述の先行技術の逆流防止バルブもかなり効果的ではあるが、より低価格で、かつより容易に製造される逆流防止バルブを提供することが望ましい。

上記目的を達成するために、本発明は例えば、以下を提供する。
（項目１）
尿採集バッグであって、
流体レザバを規定する少なくとも１枚の可撓性材料シート；および
該流体レザバの外側に配置される流体レセプタクルを規定するバルブハウジングを備える逆流防止バルブであって、該バルブハウジングは周囲リムを備え、該周囲リムは、該少なくとも１枚の可撓性材料シートに形成される入口開口部に隣接して、該少なくとも１枚の可撓性材料シートに固定される、逆流防止バルブ；
を備え、
ここで、該少なくとも１枚の可撓性材料シートにおける該入口開口部は、該少なくとも１枚の可撓性材料シートにフラップを形成し、該フラップは、該ハウジングの周囲リムの周囲に配置され、流体が該流体レザバから該流体レセプタクルに流れようとする場合に該入口開口部を実質的にシールする、尿採集バッグ。
（項目２）
上記バルブハウジングが、注入チューブの一方の端部を受容するための流体入口チャネルを規定する、項目１に記載の尿採集バッグ。
（項目３）
上記少なくとも１枚の可撓性材料シートが、第１の材料シートおよび第２の材料シートを備え、該第１の材料シートおよび第２の材料シートは、その周囲で一緒に固定されて上記流体レザバを規定する、項目１に記載の尿採集バッグ。
（項目４）
上記第１の材料シートおよび第２の材料シートが、ポリ塩化ビニルから形成される、項目３に記載の尿採集バッグ。
（項目５）
上記バルブハウジングが実質的に透明である、項目１に記載の尿採集バッグ。
（項目６）
上記尿採集バッグが、上記流体レザバの排液を調節するための放出バルブを備える、項目１に記載の尿採集バッグ。
（項目７）
上記バルブハウジングの周囲リムが、上記第１の可撓性材料シートに溶接される、項目３に記載の尿採集バッグ。
（項目８）
上記バルブハウジングが、上記周囲リムの内部に開口部を規定する、項目７に記載の尿採集バッグ。
（項目９）
上記開口部が、上記第１の可撓性材料シートによって覆われる、項目８に記載の尿採集バッグ。
（項目１０）
上記入口開口部が、上記バルブハウジング開口部よりも下の位置で上記第１の可撓性材料シートに形成される、項目９に記載の尿採集バッグ。
（項目１１）
上記第１の可撓性材料シートに形成される通気孔をさらに備え、該通気孔は、上記流体レザバおよび上記流体レセプタクルを相互接続する、項目３に記載の尿採集バッグ。

（要旨）
本開示に従うと、流体レザバを規定する尿採集バッグが開示される。この尿採集バッグは、一体型に取り付けられた逆流防止バルブを備える。この逆流防止バルブは、流体レザバの外側に配置された流体レセプタクルを規定するバルブハウジングを備える。このバルブハウジングは、周囲リムを備え、この縁は、例えば溶接によって尿採集バッグを規定する材料シートにシールされる。開口部は、ハウジングによって周囲リムの内部に規定される。バルブハウジング開口部は、材料シートによって覆われる。一実施形態において、ハウジング開口部のわずかに下の位置で、材料シートにカットアウト（ｃｕｔｏｕｔ）が形成され、フラップを規定する。このフラップは、ハウジングの周囲リムに突出し、ハウジングレセプタクルから尿採集バッグの流体レザバ内への流体の流れを可能にするように流体レザバ内に外向きに移動可能である。レザバからハウジングレセプタクルへの流れによって、フラップがハウジングの周囲リムに対してシールし、それによって流れが実質的に防がれる。流体レザバとハウジングレセプタクルとを相互接続する通気孔もまた、材料シートに提供され得る。

一実施形態において、上記バルブハウジングは、注入チューブの一端を受容するような寸法の流体入口チャネルを規定する。この注入チューブは、カテーテルを挿入された患者のカテーテルと流体連絡している。

上記尿採集バッグは、第１の可撓性材料シートおよび第２の可撓性材料シートから形成され得、これらは、その周囲でシールされて、流体レザバを規定する。第１の材料シートおよび第２の材料シートは、塩化ポリビニルから形成され得るが、他の可撓性材料も使用され得る。

一実施形態において、上記バルブハウジングは、実質的に透明な材料から形成される。あるいは、不透明な材料もまた、このバルブハウジングを構築するために使用され得る。

上記尿採集バッグは、流体レザバからの流体の排液を調節するための放出バルブを備え得る。通気孔もまた尿採集バッグに提供され得る。

（実施形態の詳細な説明）
ここで、本開示の尿採集バッグの実施形態が、図面を参照して詳細に記載される。図面において同じ参照番号は、数枚の図の各々において同一もしくは対応する要素を示す。

図４〜図８は、１００として一般に示される本開示の尿採集バッグの一実施形態を示す。尿採集バッグ１００は、流体レザバ１０２を規定する少なくとも１枚の材料シートを備える。一実施形態において、採集バッグ１００は、第１の材料シート１０４および第２の材料シート１０６を備え（図５Ｂ）、これらのシートは、そのエッジで（例えば、ＲＦ溶接および超音波溶接によって）シールされて、流体レザバ１０２を規定する。好ましい実施形態において、尿採集バッグ１００は、ポリ塩化ビニルシートで構成される。あるいは、他の可撓性材料または折り畳み可能な材料が使用され得る。採集バッグ１００は、逆流防止バルブ１２０を備え、このバルブは以下でさらに詳細に議論される。採集バッグ１００はまた、１つ以上の通気孔１８０、支持構造体（例えば、ベッドフレーム）に採集バッグ１００を取り付けるための支持体もしくはハンガー１０６、採集バッグ１００からの流体の排液を調節するための放出バルブ１０８、および／または注入チューブ１１０を備え得る。注入チューブ１１０は、カテーテルを挿入された患者のカテーテルと流体連絡する一方の端部（示さず）、および流体を逆流防止バルブ１２０に入れるように配置される第２の端部（１１０ａ）を有する。

図５Ａおよび図５Ｂを参照すると、逆流防止バルブ１２０は、外側リム１２２ａおよび本体部分１２２ｂを有するハウジング１２２を備える。ハウジング１２２は、好ましくは、透明なプラスチックから形成されるが、透明または不透明な他の材料の使用も想定される。本体部分１２２ｂは、流体レセプタクル１２２ｄおよび流体入口チャネル１２２ｃを規定し、この流体入口チャネルは、注入チューブ１１０の第２の端部１１０ａを受容するような寸法にされる（図４）。第２の端部１１０ａは、注入チューブ１１０におけるメニスカスの形成の可能性を減少させるために、示されるような角度で切断され得る。チャネル１２２ｃの一方の端部における開口部１２４は、流体が注入チューブ１１０からレセプタクル１２２ｄに流れることを可能にする。ハウジング１２２の背面側は、開口部１２６を規定し(図５Ｃ）、この開口部は流体レザバ１０２に開口している。安定化リブ１３０は、ハウジング１２２に剛性を付加するために、リム１２２ａに隣接して、ハウジング１２２の周囲に部分的に提供され得る。

図５Ｂおよび図５Ｃを参照すると、ハウジング１２２のリム１２２ａは、尿採集バッグ１００の第１のシート１０４に、例えば、溶接（例えば、ＲＦ溶接、超音波溶接など）によって固定され、その結果、シート１０４はハウジング１２２の開口部１２６を覆う。Ｃ字型のカットアウト１３６は、シート１０４に形成され、開口部１２６の底部エッジ１２６ａに隣接するフラップ１３８を規定する。フラップ１３８は、ハウジング１２２のリム１２２ａの上に突き出ている。小孔１４０がシート１０４に形成される。孔１４０は、レザバ１０２およびレセプタクル１２２ｄを相互接続し、流体がレセプタクル１２２ｄからレザバ１０２に流れるときにレザバ１０２の通気を可能にする。一連のナブまたは突出部１８２が、フラップ１３８がリム１２２ａに対してシールするのを防ぐために、リム１２２ａの周りに提供され得る。

図６Ａおよび図６Ｂを参照すると、流体が入口チャネル１２２ｃを通ってレセプタクル１２２ｄに流れる場合、流体の重量によりフラップ１３８がハウジング１２２のリム１２２ａから持ち上がり、流体がレセプタクル１２２ｄからレザバ１０２に流れることを可能にする。反対に、流体がレザバ１０２から逆流防止バルブ１２０に向かって戻る場合、その流体の重量がフラップ１３８をハウジング１２２のリム１２２ａに押し付けて開口部１２６をシールする。フラップ１３８は採集バッグ１００のシート１０４に組み込まれるので、あまり複雑でなく、より簡単に製造可能でかつより安価な逆流防止バルブが提供される。

種々の改変が本明細書で開示される実施形態に対してなされ得ることが理解される。例えば、本明細書で開示されるフラップ構造体が組み込まれている逆流防止バルブは、本明細書に示されていない無数の構成を取り得る。さらに、尿採集バッグは、必ずしも完全に可撓性である必要はなく、フラップを規定する可撓性シートに固定される剛性部分を備え得る。したがって、上記の説明は、限定的としてではなく、単に好ましい実施形態の例示として解釈されるべきである。当業者は、本明細書に添付される特許請求の範囲の範囲および精神の範囲内で他の改変を想起する。

流体レザバを規定する少なくとも１枚の材料シートから形成される尿採集バッグが開示され、この尿採集バッグは逆流防止バルブを備える。この逆流防止バルブは、流体レセプタクルを規定するハウジングを備え、この流体レセプタクルは流体レザバに開口する。ハウジングは、レセプタクルの開口部が少なくとも１枚の材料シートによって覆われるように、尿採集バッグに固定される。カットアウトが材料シートにハウジング開口部の下に形成され、流体レセプタクルにおける開口部の上に突き出るフラップを規定する。このフラップは、流体レザバ内に移動可能であり、流体がレセプタクルからレザバに流れることを可能にする。流体がレザバからレセプタクルに向かって流れようとすると、フラップがハウジングの周囲リムに対してシールをし、それゆえ、流体がレザバからレセプタクルに向かって流れることが実質的に防がれる。

図１は、先行技術の尿採集バッグの斜視図である。 図２Ａは、図１に示される尿採集バッグの先行技術の逆流防止バルブの正面図である。 図２Ｂは、図２Ａに示される逆流防止バルブの側面図である。 図３Ａは、図２Ｂに示される逆流防止バルブのバルブ部材の正面図である。 図３Ｂは、図２Ｂに示される逆流防止バルブのバルブ支持部材の正面図である。 図３Ｃは、図２Ｂに示される逆流防止バルブのバルブ支持部材およびバルブ部材の側面斜視図であり、バブル部材がバルブ支持部材上に支持されている。 図４は、新規な逆流防止バルブを備える本開示の尿採集バッグの一実施形態の側面斜視図である。 図５Ａは、図４に示される逆流防止バルブの正面図であり、バルブ部材が閉鎖位置にある。 図５Ｂは、図５Ａに示される逆流防止バルブの側面図であり、バルブ部材が閉鎖位置にある。 図５Ｃは、図５Ａに示される逆流防止バルブの背面図である。 図６Ａは、図５Ｂに示される逆流防止バルブの正面図であり、バルブ部材が開放位置にある。 図６Ｂは、図６Ａに示される逆流防止バルブの側面図であり、バルブ部材が開放位置にある。 図７は、図４に示される尿採集バッグの正面図である。 図８は、図７に示される尿採集バッグの側面図である。

符号の説明

１００ 尿採集バッグ
１０２ 流体レザバ
１１０ 注入チューブ
１２０ 逆流防止バルブ
１２２ ハウジング
１２２ａ リム
１２２ｂ 本体部分
１２２ｃ 流体入口チャネル
１２２ｄ レセプタクル
１３８ フラップ

Claims (11)

1. 尿採集バッグであって、
   流体レザバを規定する少なくとも１枚の可撓性材料シート；および
   該流体レザバの外側に配置される流体レセプタクルを規定するバルブハウジングを備える逆流防止バルブであって、該バルブハウジングは周囲リムを備え、該周囲リムは、該少なくとも１枚の可撓性材料シートに形成される入口開口部に隣接して、該少なくとも１枚の可撓性材料シートに固定される、逆流防止バルブ；
   を備え、
   ここで、該少なくとも１枚の可撓性材料シートにおける該入口開口部は、該少なくとも１枚の可撓性材料シートにフラップを形成し、該フラップは、該ハウジングの周囲リムの周囲に配置され、流体が該流体レザバから該流体レセプタクルに流れようとする場合に該入口開口部を実質的にシールし、
   該周囲リムは、該フラップが該周囲リムに対してシールするのを防ぐように該フラップを係合するために配置された一連の突出部を備える、尿採集バッグ。
2. 前記バルブハウジングが、注入チューブの一方の端部を受容するための流体入口チャネルを規定する、請求項１に記載の尿採集バッグ。
3. 前記少なくとも１枚の可撓性材料シートが、第１の材料シートおよび第２の材料シートを備え、該第１の材料シートおよび第２の材料シートは、その周囲で一緒に固定されて前記流体レザバを規定する、請求項１に記載の尿採集バッグ。
4. 前記第１の材料シートおよび第２の材料シートが、ポリ塩化ビニルから形成される、請求項３に記載の尿採集バッグ。
5. 前記バルブハウジングが実質的に透明である、請求項１に記載の尿採集バッグ。
6. 前記尿採集バッグが、前記流体レザバの排液を調節するための放出バルブを備える、請求項１に記載の尿採集バッグ。
7. 前記バルブハウジングの周囲リムが、前記第１の可撓性材料シートに溶接される、請求項３に記載の尿採集バッグ。
8. 前記バルブハウジングが、前記周囲リムの内部に開口部を規定する、請求項７に記載の尿採集バッグ。
9. 前記開口部が、前記第１の可撓性材料シートによって覆われる、請求項８に記載の尿採集バッグ。
10. 前記入口開口部が、前記バルブハウジング開口部よりも下の位置で前記第１の可撓性材料シートに形成される、請求項９に記載の尿採集バッグ。
11. 前記第１の可撓性材料シートに形成される通気孔をさらに備え、該通気孔は、前記流体レザバおよび前記流体レセプタクルを相互接続する、請求項３に記載の尿採集バッグ。

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