JP5234535B2 - 哺乳動物未成熟卵子の体外成熟培養用添加剤及びそれを用いた成熟卵子の作出方法 - Google Patents

哺乳動物未成熟卵子の体外成熟培養用添加剤及びそれを用いた成熟卵子の作出方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5234535B2
JP5234535B2 JP2007165929A JP2007165929A JP5234535B2 JP 5234535 B2 JP5234535 B2 JP 5234535B2 JP 2007165929 A JP2007165929 A JP 2007165929A JP 2007165929 A JP2007165929 A JP 2007165929A JP 5234535 B2 JP5234535 B2 JP 5234535B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
culture
cells
eggs
amniotic membrane
additive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007165929A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009000073A (ja
Inventor
宣男 櫻川
隆三 鳥居
護 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nidek Co Ltd
Shiga University of Medical Science NUC
Original Assignee
Nidek Co Ltd
Shiga University of Medical Science NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nidek Co Ltd, Shiga University of Medical Science NUC filed Critical Nidek Co Ltd
Priority to JP2007165929A priority Critical patent/JP5234535B2/ja
Priority to PCT/JP2008/061531 priority patent/WO2009001851A1/ja
Publication of JP2009000073A publication Critical patent/JP2009000073A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5234535B2 publication Critical patent/JP5234535B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N5/00Undifferentiated human, animal or plant cells, e.g. cell lines; Tissues; Cultivation or maintenance thereof; Culture media therefor
    • C12N5/06Animal cells or tissues; Human cells or tissues
    • C12N5/0602Vertebrate cells
    • C12N5/0608Germ cells
    • C12N5/0609Oocytes, oogonia
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N2500/00Specific components of cell culture medium
    • C12N2500/70Undefined extracts
    • C12N2500/80Undefined extracts from animals
    • C12N2500/84Undefined extracts from animals from mammals
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N2517/00Cells related to new breeds of animals
    • C12N2517/10Conditioning of cells for in vitro fecondation or nuclear transfer

Description

本発明は、羊膜を用いた哺乳動物未成熟卵子の体外成熟培養用添加剤、及び、該添加剤の共存下において、生体外にて未成熟卵子から成熟卵子を作出する方法に関する。
従来より、未成熟卵子の体外成熟培養(以下において、「IVM (in vitro maturation)」ということがある)は多くの哺乳動物種の卵子について実施されており、特に、マウスやハムスターと言った齧歯類やウシやブタ等の家畜動物では高い成熟率を得られる培養系の開発や添加剤・因子の同定が確認されている。また近年では、ヒト未成熟卵子のIVMも試みられてはいるものの、ヒトの未成熟卵子については、ウシやブタほどの高い成熟率を得ることに成功しておらず、生体外での成熟卵子の作出が困難であるとの報告がなされている(非特許文献1)。また、ヒトと同じく、霊長類に属するサルの未成熟卵子のIVMにおいても、ウシやブタほどの高い成熟率を得ることは成功していない(非特許文献2)。従って、霊長類の未成熟卵子における体外成熟培養は、他の動物種の場合と比して高い成熟率を得る方法が確立しておらず、目下研究開発の発展途上段階に留まっているのが現状である。
Wynn P et al., Hum Reprod. 1998 13: 3132-3138. Morgan PM et al., Biol Reprod. 1991 Vol 45, 89-93.
哺乳動物卵子は、精子との受精が可能な状態である、成熟卵子として排卵される。排卵前の卵巣内未成熟卵子を取り出し、排卵時と同じ状態まで生体外で成熟させる技術は、体外成熟培養(in vitro maturation: IVM)と呼ばれる。この過程では、卵子に対して様々な因子が影響を与えることが示唆されており、IVM により通常の排卵卵子と同等の受精・発生能力を有した成熟卵子を作出することは、それらの機構の解明に繋がると考えられている。また、ヒトを含めた霊長類の体外成熟培養の研究は、ヒトの不妊治療、さらには非ヒト霊長類における核移植や系統維持、計画的繁殖などに重要な研究課題である。さらに、それら研究から得られた知見は、ヒトを含む霊長類の胚及び胎児の発生に応用可能であり、発生学的見地から、その貢献は非常に大きいものと期待される。しかしながら、ヒトおよびサルでのIVM効率は、齧歯類や家畜ほど高くはないことは前述したとおりである。そこでヒトおよびサルのIVM法の効率を向上させるため、未成熟卵子を囲んでいる卵丘細胞や、受精および初期発生の場である卵管由来の上皮細胞などを支持細胞とした共培養が試みられている。現状において、候補となっている各種支持細胞は、生体内に僅かしか存在せず、その入手には複雑で高度な分離技術を必要とし、体外での培養が困難である細胞が多く、これらの点から考慮すると、実用までに解決すべき課題が多く残る。さらに、ヒトの不妊症の治療へ応用する場合には、ヒトの未成熟卵子はヒト由来細胞と共培養する必要があり、かかるヒト由来支持細胞は特に入手が困難である。またさらに、仮に支持細胞の供給を得られたとしても、支持細胞の状態を良好に維持する手間を必要とする。支持細胞を用いる方法を臨床に応用した場合に、患者から未成熟卵子を分離した時点で、良好な状態にある支持細胞が必要数確保できない場合には、IVM効率の改善が望めないという問題がある。また、ヒト未成熟卵子のIVMにおいて、非ヒト動物由来成分の使用は、安全衛生上の観点から、好ましくなく、非ヒト動物由来成分を含まない成熟培養系の開発が望まれる。さらにまた、支持細胞がウィルスなどに感染していた場合には、未成熟卵子も感染の危険にさらされることになり、安全面の確保から頻繁に感染をチェックする必要がある。さらに、体外成熟培養した卵子をドナーの子宮に戻す前に卵子のみを単離する必要があるが、支持細胞を用いた共培養法は。卵子の単離を困難なものにしている。従って、現在使用される各種支持細胞による共培養法に代わり、十分な供給量と、容易な単離、及び安定した保存を可能とする、新規な未成熟卵子の体外成熟培養方法の確立が望まれる。
従来通りの支持細胞による共培養を行なう場合、未成熟卵子の成熟率は、使用する支持細胞の培養状態に大きく影響され、一定の成熟率を安定して得ることは困難である。このような不安定な成熟率は、基礎研究においても研究結果の再現性を不確かなものとする。さらに、臨床に応用する場合に、不妊治療などで安定して一定の効果を期待できないことは大きな障害となる。特に、不妊の要因が、卵巣周囲の癌、多嚢性卵巣や早発卵巣不全(早発閉経)などの場合には、体外培養で使用できる卵子数は限られており、より一層、安定したIVM効果が求められる。従って、このようにIVMの効果を支持細胞の状態に依存する共培養法に代わる、細胞との直接のコンタクトを必要としない、新規なIVM用の添加剤の開発が望まれる。
従って、本発明の目的は、新規で安全性が高く、また効率の良い未成熟卵子の体外成熟培養を可能とする体外成熟培養用添加剤を提供すると共に、効率良く、安定した未成熟卵子の体外成熟培養方法を提供することである。
本願発明者らは、鋭意研究の結果、羊膜由来細胞、特に羊膜上皮細胞の分泌物が未成熟卵子を生体外にて成熟させる効果を奏することを見出し、IVM用の添加剤である本発明を完成させた。
さらに、本願発明者らは、該羊膜由来細胞の分泌物は、未成熟卵子細胞と羊膜由来細胞を接触させなくても、高い成熟率を得られることを実験的に証明している。本発明に係る添加剤は、各種哺乳動物の出産、特にヒトの出産の際に排出される羊膜を用いて、上記添加剤を調製することができるので、容易に十分な供給量を得ることができる。また、未成熟卵子を支持細胞などの他の生細胞と接触させる必要がないため、支持細胞の生理状態に成熟率を左右されることなく、一定の成熟率を安定して再現することが可能となる。さらに、羊膜成分を単離するには特殊な技術を要することはなく、容易に単離することができる。また、該羊膜由来細胞の分泌物を含有する添加剤は、長期保存可能であるというメリットを有する。
また、本願発明者らは、先に羊膜成分を溶液に可溶化することに成功しており、この可溶化羊膜を培養系に添加することで、間葉系幹細胞の増殖を促進させることを見出し、該可溶化羊膜コーティング材の発明を完成させている。
そこで、本願発明者らは、可溶化羊膜成分の間葉系幹細胞支持機能に着目して、さらに鋭意研究を進めた結果、該可溶化羊膜成分が、未成熟卵子を成熟卵子へと成熟させることを見出し、可溶化羊膜組成物を含有する体外成熟培養用添加剤にかかる発明を完成させるに至った。可溶化羊膜成分を含有する添加剤の存在下でIVMを行なう場合も、未成熟卵子を他の生細胞と接触させる必要はなく、一定の成熟率を安定して再現することが可能である。さらに、可溶化羊膜成分は常温にて保存可能であり、安定した保存が可能である。またさらに、共培養を要しないことから、支持細胞に媒介されるウィルスなどの感染を回避することができ、安全な体外成熟培養法を提供することができる。
すなわち、本発明は、羊膜由来細胞の可溶化羊膜組成物を含有する、哺乳動物未成熟卵子の体外成熟培養用添加剤であって、該可溶化羊膜組成物は、羊膜細胞を加熱下において酢酸又は塩化水素の水溶液で酸処理し、次いでアンモニア水で中和することにより得られたものである、添加剤を提供する。さらに、本願発明は、該添加剤の共存下において、生体外にて未成熟卵子を培養することにより成熟卵子を作出する方法を提供する。
本発明により、共培養法によらない未成熟卵子の体外成熟培養用添加剤及び該添加剤共存下での未成熟卵子の体外成熟培養方法が提供された。本発明に係る未成熟卵子の体外成熟培養用添加剤を用いれば、支持細胞との共培養を必要とせず、従って、支持細胞の状態に影響されずに安定して成熟卵子を作出することが可能となる。また、安定した再現性のある成熟率は、本発明に係るIVMによる基礎研究の結果を科学的に信頼付けるものであり、さらに臨床に応用する場合には、かかる安定した再現性が歓迎されることはいうまでもない。特に、女性のガン患者のように卵母細胞の数が制限されてしまう場合には本発明に係るIVM用添加剤は非常に有用である。
また、本発明に係る体外成熟培養用添加剤は、出産の際に排出される羊膜及び羊膜由来細胞から調製され、羊膜は通常廃棄物として処理されるものであるから、従来技術に係る支持細胞のように生体に手術を施して採取する必要がなく、提供者の生理的負担が殆ど皆無であるという優れた利点を有する。また、特にヒト羊膜を用いる場合には、上記の通り羊膜が本来廃棄されるものであるから、羊膜を再利用して本発明に係る添加剤を調整することにおいては、倫理的問題が生じないというメリットがある。さらに、一般的に出産は常時行なわれるものであり、原料である羊膜については、分娩を行なう医療機関から十分な供給量を確保することが可能である。さらにまた、IVMにヒト由来羊膜を用いた場合、非ヒト動物由来成分の使用および混入を回避することができ、安全確保および衛生管理に大きく貢献する。
上記の通り、本発明は、羊膜由来細胞の可溶化羊膜組成物を含有する、未成熟卵子の体外成熟培養用添加剤を提供するが、下記実施例にて詳細に例示するように、本発明に係る羊膜由来細胞の可溶化羊膜組成物は、単体の添加剤として使用した場合であっても安定した未成熟卵子の成熟効果を奏する。したがって、本発明に係る可溶化羊膜組成物は、単体で添加剤として使用することができ、かつ、羊膜由来細胞の分泌物を併用することでより一層の成熟効果が期待できる。
本発明のIVM用添加剤は、羊膜由来細胞可溶化羊膜組成物を含有するものであり、羊膜を用いて調製される。羊膜が由来する動物種は、哺乳動物が好ましく、ヒト細胞又はヒトに移植若しくは投与する細胞を培養する場合には、培養細胞の増殖性及び/又は安全性の観点からヒト羊膜を原料とすることが好ましい。羊膜は、出産後に胎盤と共に排出されるが、ヒト羊膜は分娩を行なう医療機関より容易に入手可能であり、もともと廃棄されるものであるから、その利用に関しては倫理上の問題がない。
羊膜由来細胞の分泌物を含有する体外成熟培養用添加剤については、羊膜から採取される細胞から分泌される成分を含有する添加剤であり、未成熟卵子を成熟させる効果を有する添加剤本発明の添加剤と併用できる
下記実施例にて例示するように、本願発明者らは、羊膜由来細胞の分泌物を含む羊膜由来細胞の培養上清を用いて、該羊膜由来細胞と共培養した場合と同等の成熟率を得ることが可能であることを実験的に証明している。従って、本発明に係る、羊膜由来細胞の分泌物は、パラクライン性の分泌物であるものと考えられる。かかる特性に鑑み、本発明に係る羊膜由来細胞の分泌物を含有する添加物を使用する例としては、(1)該分泌物を含む培養上清を回収して、フィルター濾過などの処理を行うか、または、未処理のまま、そのまま体外成熟培養系に添加する方法、(2)該培養上清を濃縮したものを添加する方法、(3)該培養上清、又は該培養上清を濃縮した溶液を溶媒としたゲル上で未成熟卵子を培養する方法、又は(4)該培養上清、又は該培養上清を濃縮した溶液を培養皿の表面にコーティングして、その培養皿上で未成熟卵子を培養する方法が考えられる。
上記培養上清は周知の方法に従って調製可能であり、例えば、Dulbecco's Modified Eagle's Medium(DMEM),もしくはα-Minimum Essential Medium(α-MEM)等の基礎培地に血清などを添加した培地などであって、羊膜由来細胞、好ましくは羊膜上皮細胞を培養できる培養液であれば、特に限定されることはないが、好ましくは市販のDMEMに終濃度10%のウシ胎児血清(FBS)および1%非必須アミノ酸(NEAA:non-essential amino acids)を添加した培溶液等を用いて、羊膜由来細胞、好ましくは羊膜上皮細胞を培養する。羊膜由来細胞、好ましくは羊膜上皮細胞を1 x 103〜1 x 105/cm2の細胞密度で播種した後に、一定時間、例えば1日間以上10日間以内、好ましくは3日間以上5日間以内培養を継続した後に該培養液を回収することで調整することができる。回収した該培養液は、そのまま培養上清として添加することが可能であるが、不純物を取り除くために市販のフィルターで濾過することが好ましい。
上記培養上清は周知の方法に従って濃縮可能であり、例えば、市販のメンブランを用いた濾過濃縮法などにより簡単に濃縮することができる。
また、上記培養上清を溶媒とするゲルは周知の方法に従って作製可能であり、例えば、アガロースなどの繊維質により作製したゲルを、24時間ないし1週間程度、上記培養上清に浸潤させることで簡単に作成することができる。
さらに、上記培養上清を培養皿にコーティングする方法は、塗布、浸漬、スプレー等の周知の方法により行なうことができる。また、基体としては、通常の固体培養に用いられている基体でよく、培養ディッシュやシャーレの底面やマイクロタイタープレートのウェルの底面でよい。基体の材質は、限定されるものではなく、通常、ガラスやポリスチレン等のプラスチックである。
また、体外成熟培養の系にて、前記分泌物の濃度を長期間にわたり一定以上に維持したい場合には、該分泌物を分泌する羊膜由来細胞そのもの、好ましくは羊膜上皮細胞そのものを該体外成熟培養系に添加することも可能である。このような羊膜由来細胞、好ましくは羊膜上皮細胞が、ヒト由来である場合、非ヒト動物由来成分の使用および混入を回避することができ、安全衛生上の理由から有益である。しかしながら、前記羊膜由来細胞そのものを体外成熟培養系に添加することは、卵子を子宮に戻す前段階に、卵子のみを単離する工程を要するので、前記培養上清を用いて体外成熟培養を行なうことがより一層好ましい。
本願発明者らは、先に、該可溶化羊膜組成物をコーティングした基体上で間葉系幹細胞を培養すると、該間葉系幹細胞の機能を維持することができることを見出し、可溶化羊膜組成物に係る発明を完成させている(特願2007-108077)。
本願発明者らは、新たに、上記可溶化羊膜組成物を用いて、従来技術に係る支持細胞(卵丘細胞、卵胞上皮細胞など)との共培養による体外成熟培養法と同等以上の成熟率を得ることに成功し、可溶化羊膜組成物を含有する未成熟卵子の体外成熟培養用添加剤、及び該添加剤の共存下において、生体外にて未成熟卵子から成熟卵子を作出する方法に係る発明を完成させている。従って、本発明に係る、未成熟卵子の体外成熟培養用添加剤である、可溶化羊膜組成物は、先の発明と同様に、羊膜を加熱下において酸処理することにより得られたものであり、液体の媒体中に羊膜の溶解物が含まれたものである。
酸処理に先立ち、羊膜に付着している細胞を除去し、除去しきれない細胞については死滅させることが好ましい。細胞の除去は、羊膜を緩衝液中で強く振盪することを繰り返すことにより行なうことができる。また、除去し切れなかった細胞を死滅させる処理としては、強アルカリ又はEDTA溶液による処理を挙げることができる。強アルカリとしては、水酸化ナトリウムのようなアルカリ金属水酸化物が好ましい。水酸化ナトリウムの場合、好ましい濃度は、特に限定されないが、通常、25mM〜400mM、好ましくは50mM〜200mM程度である。また、EDTA溶液中のEDTAの濃度は、通常、5mM〜80mM、好ましくは10mM〜40mM程度である。強アルカリ又はEDTAによる処理は、強アルカリ又はEDTAで羊膜を繰返し洗浄したり、又は羊膜を強アルカリ又はEDTA溶液中で強く振盪することを繰り返すことにより行なうことができる。このような処理を行なった場合には、酸処理を行なう前に羊膜を水でよく洗浄して強アルカリやEDTAを洗浄除去することが好ましい。
酸処理に用いる酸は、可溶化羊膜組成物を添加剤として調製場合に残留しない酸が好ましく、酢酸や塩化水素の水溶液を用いる。酢酸水溶液の場合、酢酸濃度は特に限定されないが、通常、50mM〜1M程度、好ましくは100mM〜500mM程度である。
酸処理に用いる酸の量(酸溶液の場合には酸溶液の量)は、羊膜を可溶化できる量であれば特に限定されないが、羊膜の湿重量1g当り通常5mL〜100mL、好ましくは10mL〜50mLである。
酸処理は、加熱下に行なわれる。酸処理時の温度は、特に限定されないが、通常、80℃〜100℃であり、好ましくは85℃〜95℃である。また、酸処理の時間は、羊膜が完全に溶けるまででよく、通常、60分間〜90分間程度である。
酸処理後は、塩基で処理することにより、組成物を中和する。塩基は、可溶化羊膜組成物を添加剤として調製場合に残留しない塩基が好ましく、アンモニア水を用いる。アンモニア水の濃度は、特に限定されないが、通常、25mM〜400mM、好ましくは50mM〜200mM程度である。中和後のpHは、中性、すなわち、pH6.5〜7.5程度が好ましい。
上記のようにして、可溶化された羊膜が媒体中に含まれる本発明の可溶化羊膜組成物が得られる。媒体は水が好ましく、上記の酸処理において、酸の水溶液を用いることにより、媒体が水である本発明の組成物を容易に得ることができる。あるいは、塩基の中和処理に、アンモニア水を用いることにより、媒体が水である本発明の組成物を容易に得ることができる。
本発明の可溶化羊膜組成物は、酢酸溶液の状態または凍結状態で保存することができる。
本発明の可溶化羊膜組成物は、添加剤として使用する態様の1つに、細胞培養皿などの基体上にコーティングし、乾燥することによりコーティング材として使用する方法が挙げられる。基体表面をコーディングすれば、該基体の表面はほぼ均一に可溶化羊膜組成物が分布することとなり、未成熟卵子を播種した際に生じる細胞の位置の違いにより該未成熟卵子の成熟率の影響が変化することを回避できる。コーティングは、塗布、浸漬、スプレー等の周知の方法により行なうことができる。また、基体としては、通常の固体培養に用いられている基体でよく、培養皿やシャーレの底面やマイクロタイタープレートのウェルの底面でよい。基体の材質は、限定されるものではなく、通常、ガラスやポリスチレン等のプラスチックである。
本発明の体外培養用添加剤は、種々の哺乳動物由来の未成熟卵子の体外成熟培養に用いることができるが、ヒト羊膜から添加剤を調製する場合には、ヒト未成熟卵子であることが卵子の成熟効率及び安全性の面から好ましい。本発明の体外成熟培養用添加剤の存在下で培養される細胞は、本実験においては、サルおよびマウスの未成熟卵子を用いているが、これに限定されるものではなく、本発明に係る添加剤は、ヒトやサルを含む霊長類、ウシやブタ等の家畜動物、マウスやハムスター等のげっ歯類、さらには犬や猫などのペット動物等を含む、あらゆる種類の哺乳動物由来未成熟卵子の体外成熟培養への使用が想定される。また、未成熟卵子は、卵丘細胞に囲まれた卵子でも、卵丘細胞に囲まれていない裸化卵子のいずれでもよい。卵子の体外成熟培養自体は、本発明に係る添加剤を培地中に含める点を除いて常法通りに行なうことができる。
本発明の体外培養用添加剤は、上記培養上清を培地に含める場合には、回収した培養上清を、そのまま(1倍希釈)培養液として使用することも、未成熟卵子の培養液に1倍〜100倍の範囲の希釈率で添加して使用することもできるが、そのまま(1倍希釈)培養液として使用することが好ましい。本発明の添加剤は、羊膜由来細胞、好ましくは羊膜上皮細胞からの分泌物であり、分子そのものは特定されていないものの、下記実施例での結果に示唆されるように、未成熟卵子に対しパラクライン的に成熟するよう刺激して作用するものと考えられる。したがって、該培養上清に含まれる羊膜由来細胞、好ましくは羊膜上皮細胞からの分泌物が未成熟卵子の体外成熟培養系に含まれる限りは、該未成熟卵子の成熟は促進されるので、このような未成熟卵子に対する成熟促進作用を及ぼす分泌物を含む体外成熟培養用添加剤、および該添加剤の共存下での体外成熟培養方法は、本発明の意図するところである。
また、前述したように、羊膜由来細胞そのもの、好ましくは羊膜上皮細胞そのもの、を該体外成熟培養系に添加して、該羊膜由来細胞、好ましくは羊膜上皮細胞からの分泌物を未成熟卵子に作用させて成熟させることも可能である。このように、羊膜由来細胞、好ましくは羊膜上皮細胞を該体外成熟培養系に添加する場合には、体外成熟培養開始の3日ほど前から、羊膜由来細胞、好ましくは羊膜上皮細胞を1 x 103〜1 x 105/cm2の細胞密度で播種し、羊膜由来細胞、好ましくは羊膜上皮細胞を培養できる培養液であれば、特に限定されることはないが、好ましくは市販のDMEMに終濃度10%のウシ胎児血清(FBS)および1%非必須アミノ酸(NEAA:non-essential amino acids)を添加した培溶液等を用いて、羊膜由来細胞、好ましくは羊膜上皮細胞を培養しておくことが好ましい。
前記可溶化羊膜組成物を用いる場合には、未成熟卵子に対する該可溶化羊膜組成物を溶解した溶媒の影響を最小にするためにも、該可溶化羊膜組成物を培養ディッシュなどの基体上にコーティングし、乾燥してなる可溶化羊膜コートされた基体上で未成熟卵子を培養することが好ましい。培養温度は30℃ないし38℃の範囲内に設定され、特に好ましくは37℃に設定し、5%CO2および95%空気存在下の条件にて培養を行なう。培養液は、例えば、DMEM,もしくはα-MEM等の基礎培地に血清などを添加した培地であって、哺乳動物由来の未成熟卵子、好ましくは霊長類の未成熟卵子を培養できる培養液であれば、特に限定されることはないが、好ましくはTissue Culture Medium (TCM199)と10% ウシ胎子血清(Fetal Bovine Serum : FBS)を添加した培養液等を使用することができる。該可溶化羊膜組成物には、羊膜由来細胞、好ましくは羊膜上皮細胞からの分泌物が含まれるものと考えられ、該分泌物がコーディング層から培養液に溶出して、未成熟卵子の成熟を促進する作用を及ぼすものと考えられる。従って、羊膜由来細胞、好ましくは羊膜上皮細胞からの分泌物がコーディング層から培養液に溶出して、未成熟卵子を成熟させる体外成熟培養方法は、本発明の意図するところである。
前記培養上清、羊膜由来細胞、および可溶化羊膜組成物は、上記の条件で単独で使用することも可能であるが、同条件で、それぞれの組み合わせを併用することも可能である。前記培養上清、羊膜由来細胞、および可溶化羊膜組成物のいずれを用いた場合でも、羊膜由来細胞、好ましくは羊膜上皮細胞からの分泌物が未成熟卵子成熟の主たる作用因子と考えられるので、それぞれを併用した場合であっても、各添加剤は互いに干渉しあうことはない。
本発明に係る、羊膜由来細胞の可溶化羊膜組成物を含有する、未成熟卵子の体外成熟培養用添加剤は単独で使用した場合であっても十分な成熟率を得ることができるが、例えば上皮成長因子(EGF)などのサイトカイン等を添加した共存条件下においても使用可能であり、互いに干渉しあうことはない。
以下、本発明を実施例に基づきより具体的に説明する。もっとも、本発明は下記実施に限定されるものではない。
羊膜上皮細胞の分泌物を添加した哺乳動物未成熟卵子の体外成熟培養法
1.ヒト羊膜上皮細胞の採取
妊婦へのインフォームドコンセントを施行後、帝王切開分娩時に胎盤と卵膜の供与を受けた。胎盤・卵膜より羊膜のみを物理的に剥離し、羊膜表面の血球等をセルスクレーパーを用いて除去した後、約2 cm 角に細切した。0.1% トリプシンおよび0.01% EDTAを含む酵素液中に羊膜を移し、37℃ にて15分間の酵素反応を合計4回行い、分離された細胞を遠心分離により回収した。この細胞を羊膜上皮細胞(以下、「hAEC (human Amnionic Epithelial Cells)」と呼ぶことがある)とし、10%FBS、1% NEAA(Non-Essential Amino Acids)、10 ng/mL 上皮成長因子(EGF) を含むDMEM基礎培養液中で培養した。
2.マウス未成熟卵子の採取
市販のddY系統マウスを用い、餌・水は自由摂取とし、室温22 ± 3 ℃、光周期は明期:14時間、暗期:10時間の環境下で飼育した。4-6週齢のマウスへ8 IU の妊馬血清性性腺刺激ホルモンを投与し、その48時間後に頸椎脱臼による安楽死を行い、卵巣を摘出した。100 μM 3-イソブチル-1-メチルキサンチン(IBMX)、25 mM HEPESおよび2% FBS を含むDMEM培養液中に卵巣を移し、29 G注射針を用いて成熟卵胞を裂き、内容物を回収した。図1は、回収されたマウスの未成熟卵子、及び本発明に係るIVMにより成熟した卵子を示す。未成熟な卵子である卵核胞(germinal vesicle: GV)期卵子は、卵子細胞質内に大きな核を有し、数層の顆粒膜細胞に囲まれている(図1-A)。このようなGV卵子をCEO(cumulus enclosed GV oocyte)として回収し、以下の実験に用いた。
3.裸化GV卵子の準備
未成熟卵子を取り囲む卵丘細胞は、卵子の成熟に対し、促進および補助的な働きを有することが知られている。一般に、卵丘細胞が剥がれてしまった未成熟卵子は裸化GV卵子(denuded GV oocyte: DO)と称され、DOの体外成熟率はCEOよりも低いことが報告されている。そこで、この様なDOの体外成熟に対する羊膜上皮細胞の影響を検討するため、先端の内径が約80 μm となるように作製したガラスピペットを用い、ピペッティングを繰り返すことにより、CEOの周囲の顆粒膜細胞を人為的に剥離した。顆粒膜細胞が完全に剥がれた卵子をDOとして以下の実験に用いた(図1-C)。
4.体外成熟培養
体外でのマウスGV期卵子(CEOおよびDO)の成熟(第一減数分裂)に対するhAECの影響を検討するため、以下の3つの条件下にてCEO(実験1)およびDO(実験2)のそれぞれを培養した。a)共培養群;IVMを行う3日前に、6 x 104/well(5 x 104/cm2)の細胞密度でhAECを4 ウェルプレート に播種し、10% FBS、1% NEAAを含むDMEM(Dulbecco's Modified Eagle Medium)培養液を用いて培養した。マウス卵巣より採取したCEOまたはDOを、hAECと共に培養した群を共培養群とした(図1-B、C)。b)培養上清群;支持細胞を用いずに共培養群と同様の条件でhAECを3日間培養した培養液(培養上清)を用いてIVMを行った。c)コントロール群;10% FBS、1% NEAAを含むDMEM培養液のみを用いてIVMを行った。いずれの実験系も、CO2インキュベーター内で、37℃、5%CO2、95%空気の条件下にて実施し、培養時間は15-17時間とした。
5.体外成熟の評価
CEOおよびDOのIVMに対するhAECの影響は次の通りに評価した。1)GVBD率の算出;GV期卵子の第一減数分裂は、GV期卵子の核膜消失(卵核胞崩壊、germinal vesicle breakdown: GVBD)から始まる。したがって、GVBDを起こした細胞の存在率(GVBD率)を求めることで、IVMによる未成熟卵子の成熟率の指標として用いることが可能である。具体的には、各条件におけるIVMの開始から2時間後に卵子を観察し、細胞質内にGVを認めない(GVBDを起こした)卵子をカウントし、その割合を算出した。2)M-II期への到達率;成熟培養17時間後、第一減数分裂を完了し、排卵時と同じステージである第二減数分裂中(methephase-II: M-II)期まで達した卵子をカウントし、その割合を算出した。IVM後のCEOの観察は、0.1%ヒアルロニダーゼ酵素液中でピペッティングを繰り返し、卵丘細胞を除去した後に行った。体外成熟の完了は、囲卵腔内への第一極体の放出を指標として評価した。一部の卵子を10 μg/mL Hoechst 33342 を用いてDNAを染色した。
6.統計学的解析
各条件下におけるIVMは3回以上行い、実験より得られたGVBD率およびM-II到達率は平均値±標準偏差で示した。データはχ2(カイ2乗)検定法により統計学的に解析した。危険率を5%とし、それ以下の場合は有意差があるものとした。
7.(1):卵丘細胞付着GV卵子(CEO)の体外成熟に対する羊膜上皮細胞分泌物の影響
PMSG投与48時間のddYマウスより、合計で159個の卵丘細胞付着GV卵子(CEO、図1-A)を採取した。これらのCEOを、羊膜上皮細胞上でIVMを行う共培養群(図1-B)、hAECの培養上清を成熟培養液とした培養上清群、コントロール群の3群に分け、マウス未成熟卵子のIVMに対するhAECの影響を検討した。GV期卵子の成熟(第一減数分裂)は、先ず、卵子の核膜が消失する卵核胞崩壊(GVBD)が起こり、次いで染色体の凝縮や第一減数分裂が進行する。本実験では、GVBD率を未成熟卵子の成熟率の指標として用いる。体外成熟培養2時間後、3つの条件下で培養したCEOのGVBD率を表1に示した。共培養群、培養上清群、コントロール群の3群におけるGVBD率は、それぞれ98.3 ± 1.7%、98.4 ± 1.6%、97.0 ± 2.1%であり、培養条件の違いによる有意差は認められなかった。
次に、卵子のIVMが完了し、通常の排卵時と同じステージである第二減数分裂中(M-II)期まで到達したか否かを検討するため、成熟培養17時間後の卵子を観察した。囲卵腔内における第一極体の存在をM-II期卵子の指標とし、形態的に評価した(図1-E)。その結果、コントロール群の成熟率(72.7 ± 6.9%)と比較し、共培養群(85.4 ± 4.8%)では有意に高い(P < 0.05)成熟率が認められた(表2)。また、羊膜上皮細胞培養上清を用いて体外成熟を行った培養上清群のM-II期到達率は90.8 ± 6.0%であり、コントロール群と比較して有意差を認めた(P < 0.05、表2)。更に、Hoechst 33342 を用い、DNA(染色体)を染色した結果、通常の排卵卵子同様に染色体が赤道面に並んでいる様子が確認できた(図1-F)。
X2検定、P < 0.05)
表1及び2に示す結果は、マウス卵丘細胞付着GV期卵子の体外成熟において、hAECとの共培養が有効であることを示している。また、培養上清群の結果より、CEOの成熟を促進する何らかの因子をhAECが培養液中へ分泌していることが明らかである。したがって、卵丘細胞と羊膜上皮細胞の接触や接着は必要ではなく、羊膜上皮細胞の分泌物が卵丘細胞を未成熟卵子の体外成熟を促進することが示された。
8.(2):裸化GV卵子(DO)の体外成熟に対する羊膜上皮細胞分泌物の影響
未成熟GV卵子の成熟には卵丘細胞の存在が必要であることが報告されており、一般的に、卵丘細胞を有していない裸化GV期卵子(denuded GV oocyte: DO)の成熟率は、卵丘細胞を有したCEOよりも低いことが知られている。(1)の結果より、hAECはCEOのIVMを促進する何らかの因子を分泌していることが明らかとなった。そこで、DOの体外成熟に対する羊膜上皮細胞の影響を検討した。採取したCEOの一部を用いて、その卵丘細胞を剥離し、131個のDOを準備した。CEOと同様、共培養群、培養上清群、コントロール群の3つの培養系にて体外成熟培養を行い、GVBD率M-II期到達率を比較した。成熟培養2時間後、コントロールDOの75.5±13.2%にGVBDが認められたのに対し、羊膜上皮細胞との共培養群および培養上清群のGVBD率は95.6 ± 0.4%および98.3 ± 1.7%と、いずれも有意に高い値を示した(P < 0.05、表3)。
X2検定、P < 0.05)
成熟培養17時間後のDOにおけるM-II期到達率を表4に示した。コントロール群のM-II期到達率である48.5 ± 7.6%に対し、共培養群では76.5±4.5%、培養上清群では82.4±9.3%と効率であり、有意差が認められた(P < 0.05、表4)。
X2検定、P < 0.05)
表3及び4に示す結果より、CEOの体外成熟を促進する羊膜上皮細胞由来因子は、卵丘細胞を有さないDOの体外成熟も促進することが明らかとなった。特に、表3に示したGVBD率の比較結果は、羊膜由来因子が特にDOのGVBDを促進することを示している。また、この因子は、卵丘細胞を介さず、DO自体に直接作用していると考えられる。
羊膜上皮細胞の分泌物を添加した体外成熟培養法
1.ヒト可溶化羊膜組成物の調製(その1)
あらかじめインフォームドコンセントを施行し、帝王切開分娩時に胎盤を入手した。胎盤から羊膜を機械的に剥離して、血液成分を除去した。この羊膜より細胞成分を除去し、羊膜の膜成分のみを可溶化(可溶化羊膜)した。具体的には、次の方法により、ヒト羊膜の可溶化物を水中に含む組成物を調製した。
1) 分離羊膜 1.8 g (湿重量)を50 mlチューブに入れる。
2) 45 ml PBS (-) を加え、室温で5分間強く震盪。
3) 同上をさらに2回繰り返す。上清を捨てる。
4) 0.1 N NaOH 45 mlを加え、室温で強く震盪5分間。上清捨てる。
5) 0.1 N NaOH 45 mlを加え、室温で強く震盪5分間。上清捨てる。
6) 0.1 N NaOH 45 mlを加え、室温で強く一夜震盪。上清捨てる。
7) 0.1 N NaOH 45 mlを加え、室温で強く一夜震盪。上清捨てる。
8) 蒸留脱イオン水45 mlを加え、室温で強く震盪5分間。上清捨てる。
9) 同上をさらに2回繰り返す。上清を捨てる。
10) 45 mlの250 mM酢酸を加え、90℃湯煎で溶解するまで、時々震盪。
11) 0.1 Mアンモニア水で中和。
12)可溶化羊膜組成物として保存。
2.ヒト可溶化羊膜組成物の調製(その2)
次の方法により、ヒト羊膜の可溶化物を水中に含む組成物を調製した。
1) 分離羊膜 1.8 g (湿重量)を50 mlチューブに入れる。
2) 45 ml PBS (-) を加え、室温で5分間強く震盪。
3) 45 ml 0.1 NaOH で20 回洗浄。
4) 蒸留脱イオン水45 mlで3回洗浄。
5) 45 mlの250 mM酢酸を加え、90℃湯煎で溶解するまで、時々震盪。
6) 0.1 Mアンモニア水で中和。
7)可溶化羊膜組成物として保存。
3.ヒト可溶化羊膜組成物の調製(その3)
次の方法により、ヒト羊膜の可溶化物を水中に含む組成物を調製した。
1) 分離羊膜 1.8 g (湿重量)を50 mlチューブに入れる。
2) 45ml 0.02 M EDTAで7回洗浄。
3) 45ml PBSで 3回洗浄。
4) 蒸留脱イオン水45 mlで3回洗浄。
5) 45 mlの250 mM酢酸を加え、90℃湯煎で溶解するまで、時々震盪。
6) 0.1 Mアンモニア水で中和。
7) 蒸留脱イオン水で透析、3,000 RPM、3時間遠心。
8)可溶化羊膜組成物として保存。
4.体外成熟培養(その1)
上記の「1.ヒト可溶化羊膜組成物の調製(その1)」の方法で調製したヒト可溶化羊膜組成物(0.128mg/mL)を、培養面積0.32cm2の培養ディッシュに入れ、培養ディッシュの底面を可溶化羊膜組成物でコーティングし、乾燥した。
5.カニクイザル未成熟卵子の採取
使用した成熟メス、カニクイザルは4才ないし7才で、体重は2.2kgないし3.2 kgであった。カニクイザルは、8:00から20:00までの人工的照明下で、幅500 X 奥行き800 X 高さ800 mmのサイズのケージで個別に飼育した。動物飼育室の温度は25±2 ℃、湿度は50±5 %に維持した。給餌は、午前中にサル用の固形飼料(CMK-1、日本クレア株式会社)を20g/kg/日、午後に20-50gのサツマイモやバナナを与えた。また水は、自動供給装置によって常時給水とした。成熟メス、カニクイザルの、月経初日の個体又は6ヶ月以上月経が確認出来ない個体にGnRH (Gonadotropin Releasing Hormone)(Leuplin; 武田薬品工業株式会社) を0.9mg/head皮下投与し、約2週間後に再度卵巣観察を行った。卵巣活動の休止が確認された個体に、FSH (Fertinorm; Serono, Canton Zug,スイス) 25IU/kg を9日間連続筋肉内投与し、途中5日目に卵胞の発育を確認した。その後10日目にヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG;Human Chorionic Gonadotropin)(Puberogen;第一三共株式会社)を、 400IU/kgを筋肉内投与した。hCG投与から24時間目、または40時間目に腹腔鏡下にてシリンジを接続した20 G X 2 3/4" テルモスパイナル針 (テルモ)にて発育卵胞を穿刺し、卵丘-卵子複合体を吸引採取した。
卵胞から採取された卵丘-卵子複合体はα-Modification of Eagle's Medium(α-MEM:MP Biomedicals,Inc.OH.US) +10 % SSS (Serum Substitute Supplement) (Irvine Scientific, California, USA)、37℃、5% CO2条件下でインキュベートした。その後、0.5 mg/mlのヒアルロニダーゼ(Sigma Chemical Co., St. Louis, MO, USA)に曝すことにより(< 1分間)卵丘細胞を除去し、卵子の成熟ステージごとにMII卵子 (metaphase II) 、MI卵子 (metaphase I)、GV卵子 (germinal vesicle) 、Dg卵子 (Degenerate) の4つに分類(図2)し、TALP (modified Tyrode solution with albumin, lactate, and pyruvate; Bavister BD et al., 1977) + 0.3% BSA (Bovine Serum Albumin)(Sigma Chemical Co., St. Louis, MO, USA)にて37℃、5% CO2条件下でインキュベートした。
6.支持細胞の準備
培養液は Tissue Culture Medium 199 (TCM 199) (GIBCO, N.Y., USA) に10% FBS、ペニシリン ストレプトマイシン (100IU/ml)を添加したもの(以下、「TCM199+10% FBS」と呼ぶことがある) を用いた。卵丘-卵子複合体の一部から採取した卵丘細胞を、PBS(-)で2回洗浄した後、TCM199+10% FBS中に静置し、体外成熟培養に供試した。また、カニクイザル卵胞由来細胞、カニクイザル卵管上皮細胞は、他の個体から卵胞および卵管を採取し、機械的に細切した後、TCM199+10% FBSを用いて培養し、凍結保存した。IVMに供するために使用前日に融解し、4ウェルプレートにコンフルエントになるまで培養した。
7.体外成熟培養
(1):GV卵子を用い、成長因子であるEGF(Epidermal Growth Factor) (Sigma Chemical Co., St. Louis, MO, USA)をそれぞれ0ng/ml, 10ng/mlまたは 20ng/ml添加し、支持細胞(卵丘細胞、卵胞由来細胞、卵管上皮細胞)使用と、支持細胞なしの可溶化羊膜コートディッシュのみと比較を行った。培養液はTCM199+10% FBSを用い、37℃、5% CO2の条件下で体外成熟培養を行った。第一極体を放出した卵子を成熟卵子とみなしホールマウント標本の作製を行った。
(2):MI卵子を用い、成長因子はEGFをそれぞれ0ng/ml、10ng/mlまたは20ng/ml 添加し支持細胞(卵丘細胞、卵胞由来細胞、卵管上皮細胞)使用と、支持細胞なしの可溶化羊膜コートディッシュのみと比較を行った。培養液はTCM199+10% FBSを用い、37℃、5% CO2の条件下で体外成熟培養を行った。第一極体を放出した卵子を成熟卵子とみなしホールマウント標本の作製を行った。
(3):(1)および(2)で得られた第一極体を放出した卵子を成熟卵子とみなし標本作製および顕微授精(ICSI)を行った。顕微授精には、無麻酔下で陰茎の電気刺激法により採取した新鮮精子を用いた。
8.顕微授精
第一極体を放出した卵子による顕微授精(ICSI:Intracytoplasmic Sperm Injection)は、マイクロマニュピレーターを装備した倒立顕微鏡を用い、インジェクターの先端にICSI用のガラス針(HUMAGEN)を接続して行った。
9.ホールマウント標本作製
第一極体を放出した卵子をカルノア液(酢酸:エタノール=1:3)で24時間固定した後、1%酢酸オルセイン溶液で30分間染色を行った。染色後、脱色と封入(酢酸:グリセリン:水=1:1:3)を行い観察した。核相の観察によって、第一極体と第二減数分裂中期の核が確認されたものを成熟卵子として集計した。
10.統計処理
得られた結果は、Statcel 2が入った、アドインソフトウェアプログラムFisher's exact probability test (Excel 2004 , Microsoft, USA)により解析した。
11.結果
カニクイザルGV卵子190個を用いてMII卵子への成熟実験を行った結果を表5に示した。hCG投与から40時間目に採卵したGV卵子におけるEGF添加無しの支持細胞の違いによる体外成熟率は、卵管上皮細胞(35.7%)と支持細胞なしの可溶化羊膜コートディッシュ (28.6%)が高い傾向にあり、卵丘細胞(6.7%)と卵胞由来細胞(18.0%)では低い傾向にあった。EGF (10ng/ml)添加においては卵胞由来細胞(25.0%)と卵管上皮細胞(26.9%)とでは差はなかったが、卵丘細胞(14.3%)と可溶化羊膜コートディッシュ(14.3%)は低い結果を示した。EGF(20ng/ml)添加の条件では、卵管上皮細胞が41.7%と高い割合で成熟し、コントロールは0% であった。一方、支持細胞なしの可溶化羊膜コートディッシュは、種々の支持細胞群とほぼ同程度または良好な成熟率が見られた。ホールマウント標本の観察結果から、70%以上の卵子において第一極体とmetaphase II spindleが確認でき、高率にMII期へと成熟したことが分かった(図2C、図3C)。
*a対b: P < 0.05
MI卵子からMII卵子への成熟実験の結果を表6に示した。hCG投与から24時間目に採卵したMI卵子のMII卵子への成熟率は、EGF添加なしの条件における成熟率は、支持細胞なしの可溶化羊膜コートディッシュは83.3%であった。EGF(10ng/ml)添加においては、支持細胞なしの可溶化羊膜コートディッシュ の成熟率は100%、および卵管上皮細胞は52.6%であった。以上よりEGF添加とは関係はなく、支持細胞なしの可溶化羊膜コートディッシュの成熟率が最も高かった。
*a対b, c対d, e対f, g対h, i対j, k対l, m対n, o対p, P < 0.05
hCG投与から40時間目に採卵したMI卵子のMII卵子への成熟率は、EGF添加なしおよび支持細胞なしの可溶化羊膜コートディッシュは44.0%であった。支持細胞群では、卵管上皮細胞55.6%、卵胞由来細胞27.8%、卵丘細胞33.3%であった。EGF(10ng/ml)添加条件では支持細胞なしの可溶化羊膜コートディッシュ 73.7%であった。支持細胞群では、卵丘細胞75%、卵管上皮細胞 40.6%、卵胞由来細胞 23.1%であった。以上より、EGF添加条件では、支持細胞なしの可溶化羊膜コートディッシュは、支持細胞群におとらない良好な成熟率を示した。ホールマウント標本における染色像の観察から、MI卵子からMII卵子への成熟実験では58%以上の卵子で第一極体とmetaphase II spindleが確認できた(図2C、図3C)。
IVM卵子のICSIによる分割率は表7に示した。GV由来のIVM卵子では支持細胞の種類、EGFの添加濃度の間に差はなく、高いもので33.3%と分割率が非常に低く、分割した胚は全て2細胞で発生が停止した。これに比較して hCG投与後、24時間目、40時間目に採取されたMI卵子由来のIVM卵子の分割率(22.2%‐100%)の方が高い傾向であった。さらにhCG投与後、24時間目に採取されたMI卵子由来のIVM卵子におけるICSIでは、EGF添加なしで支持細胞なしの可溶化羊膜コートディッシュの場合のみに桑実胚まで発生する事が確認できた。40時間目に採卵したMI卵子由来のIVM卵子におけるICSIでは、EGF添加なしで支持細胞なしの可溶化羊膜コートディッシュおよび、EGF(20ng/ml)添加の卵胞由来細胞で8細胞までの発生を確認した。ホールマウント標本の観察から(表8)、70% 以上の卵子で第一極体とmetaphase II spindleが確認でき、高効率にMII stageに成熟した事が分かった (図3C)。
*2: 胚移植に供試した。 a対b, c対d, P < 0.05
*2: 胚移植に供試した。 a対b, c対d, P < 0.05
本研究では、カニクイザル未成熟卵子を用いたIVMに最も適した培養条件、特に支持細胞(卵丘細胞、卵管上皮細胞、卵胞由来細胞)使用した条件と支持細胞のない可溶化羊膜コートディッシュの条件について検討した。またEGFの添加濃度(0ng/ml、10ng/ml, 20ng/ml)の検討をおこなった。今回の結果より、GV卵子を用いたIVMにおいて、最も効率の良い培養条件は卵管上皮細胞と支持細胞のない可溶化羊膜コートディッシュであることが分かった。
羊膜上皮細胞を用いたマウス卵子の体外成熟の様子を示す図である。図中、(A)は、卵丘細胞付着GV期卵子(CEO)(矢印:卵丘細胞)、(B)はCEOと羊膜上皮細胞の共培養、(C)は裸化GV期卵子(DO)と羊膜上皮細胞の共培養(矢印:GV)、(D)はDO由来M-II期卵子(培養上清群、矢印:第一極体)、(E)はCEO由来M-II期卵子(培養上清群、矢印:第一極体)、及び(F)は図1-EのM-II期卵子のHoechst染色像(矢印:第一極体、矢頭:赤道面に並ぶ卵子染色体)、の各顕微鏡写真を示す。各図中の白抜き、又は黒塗りの棒線は50μmの長さを表す。 採取された卵子の顕微鏡写真を示す図である。図中、(A)は、卵核胞期(GV卵子)、(B)は、第1減数分裂期(M-I卵子)、(C)は、第2減数分裂中期(M-II卵子)、及び(D)は、変性卵(DG卵子)、の各顕微鏡を表す。各図中の棒線は、50μmの長さを表す。 酢酸オルセインによる染色像を示す図である。図中、(A)は、卵核胞期(GV卵子)、(B)は、第1減数分裂期(M-I卵子)、及び(C)は、第2減数分裂中期(M-II卵子)、の各顕微鏡を表す。さらに(A)の白抜き三角は、卵核胞を指し、(B)及び(C)の白抜き矢印は、細胞の核分裂で生じる中期板を指し、(C)の矢印は、第1極体を指し示す。各図中の棒線は、50μmの長さを表す。

Claims (8)

  1. 羊膜由来細胞の可溶化羊膜組成物を含有する、哺乳動物未成熟卵子の体外成熟培養用添加剤であって、該可溶化羊膜組成物は、羊膜細胞を加熱下において酢酸又は塩化水素の水溶液で酸処理し、次いでアンモニア水で中和することにより得られたものである、添加剤
  2. 前記可溶化羊膜組成物がコーティング材の形態である、請求項記載の添加剤。
  3. 前記羊膜が、哺乳動物由来である請求項1又は2記載の添加剤。
  4. 前記哺乳動物が、ヒトである請求項記載の添加剤。
  5. 前記羊膜由来細胞が、羊膜上皮細胞である請求項1ないし4いずれか1項記載の添加剤。
  6. 前記未成熟卵子が、卵核胞または第1減数分裂中期の成熟段階にある請求項1ないし5のいずれか1項記載の添加剤。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項記載の添加剤の共存下において、生体外にて未成熟卵子を培養することにより成熟卵子を作出する方法。
  8. 前記可溶化羊膜組成物を基体上にコーティングし、乾燥して成る可溶化羊膜コートされた基体上で未成熟卵子を培養することにより成熟卵子を作出する請求項記載の方法。
JP2007165929A 2007-06-25 2007-06-25 哺乳動物未成熟卵子の体外成熟培養用添加剤及びそれを用いた成熟卵子の作出方法 Active JP5234535B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007165929A JP5234535B2 (ja) 2007-06-25 2007-06-25 哺乳動物未成熟卵子の体外成熟培養用添加剤及びそれを用いた成熟卵子の作出方法
PCT/JP2008/061531 WO2009001851A1 (ja) 2007-06-25 2008-06-25 哺乳動物未成熟卵子の体外成熟培養用添加剤及びそれを用いた成熟卵子の作出方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007165929A JP5234535B2 (ja) 2007-06-25 2007-06-25 哺乳動物未成熟卵子の体外成熟培養用添加剤及びそれを用いた成熟卵子の作出方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009000073A JP2009000073A (ja) 2009-01-08
JP5234535B2 true JP5234535B2 (ja) 2013-07-10

Family

ID=40185664

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007165929A Active JP5234535B2 (ja) 2007-06-25 2007-06-25 哺乳動物未成熟卵子の体外成熟培養用添加剤及びそれを用いた成熟卵子の作出方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP5234535B2 (ja)
WO (1) WO2009001851A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008129997A1 (ja) * 2007-04-17 2008-10-30 School Juridical Person Kitasato Gakuen 可溶化羊膜組成物及びその用途
WO2024024742A1 (ja) * 2022-07-25 2024-02-01 国立大学法人京都大学 霊長類の胎児卵巣細胞から卵胞を誘導する体外培養法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2414990B (en) * 2003-02-21 2007-05-23 Uab Research Foundation Biologically active native biomatrix composition
JP4576545B2 (ja) * 2004-05-27 2010-11-10 独立行政法人理化学研究所 羊膜由来因子による胚性幹細胞の培養方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO2009001851A1 (ja) 2008-12-31
JP2009000073A (ja) 2009-01-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Dominko et al. Timing of meiotic progression in bovine oocytes and its effect on early embryo development
Wells et al. Adult somatic cell nuclear transfer is used to preserve the last surviving cow of the Enderby Island cattle breed
KR20180079302A (ko) 시원 생식 세포를 기능적으로 성숙한 난모 세포로 분화시키는 배양 방법
Gomez et al. Cleavage, development and competence of sheep embryos fertilized by intracytoplasmic sperm injection and in vitro fertilization
Kolbe et al. Intracytoplasmic injection (ICSI) of in vivo or in vitro matured oocytes with fresh ejaculated or frozen-thawed epididymal spermatozoa and additional calcium-ionophore activation in the pig
Park et al. Assisted reproductive techniques and genetic manipulation in the common marmoset
US20080175822A1 (en) Non-human primate embryonic stem and germ cells: methods of use and methods of making same
EP1293561B1 (en) Monkey-origin embryonic stem cells
JP5234535B2 (ja) 哺乳動物未成熟卵子の体外成熟培養用添加剤及びそれを用いた成熟卵子の作出方法
Johnson et al. Acid Tyrode’s solution can stimulate parthenogenetic activation of humanmouse oocytes
Cortez et al. Cloning horses by somatic cell nuclear transfer: Effects of oocyte source on development to foaling
CN113862219B (zh) 一种用于猪胎盘滋养层类器官培养的分子培养基
JP4376901B2 (ja) 精原細胞を利用した鳥類キメラの生産方法及び鳥類キメラ
Fukui et al. Effect of human leukemia inhibitory factor on in vitro development of parthenogenetic bovine morulae
Tosti Oocyte Maturation and Fertilization-A Long History for a Short Event
Goel et al. Status and Prospects of Reproductive Biotechnologies of Small Ruminants in India: An Overview
JP5014535B2 (ja) カニクイザル由来胚性幹細胞
JP4036356B2 (ja) クローン豚の作出方法
KR101107329B1 (ko) 타우로우루소데옥시콜산을 포함하는 배지 조성물 및 이를 이용한 포유동물 수정란 대량 생산 방법
Fair et al. Developments in the use of embryo technologies in dairy cows
KR20220120217A (ko) 체외 소형 난소 형성 방법
JP4036608B2 (ja) クローン非ヒト動物の作出方法
KR20120045555A (ko) 라파마이신을 포함하는 포유동물 수정란의 배지 조성물 및 이를 이용한 포유동물 수정란 배양 방법
Mukherjee In vitro embryogenesis: an experimental model for the understanding of reproductive physiology and development in mammals
Singh et al. Biotechnology in livestock reproduction

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100624

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100715

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20110509

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20110509

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20110509

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120828

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121029

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130305

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130318

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160405

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250