JP5234429B2 - 車両制御装置、車両、及び車両制御プログラム - Google Patents
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追従制御には、例えば、先行車から単純に一定距離後方に目標点を設け、追従車が当該目標点の位置に到達するように制御するものがあるが、この制御では、先行車が旋回すると追従車が先行車とは異なるルートを走行するために追従車が壁などの障害物に接触したり、縁石に乗り上げたりする場合がある。
この技術は、被追従対象の移動軌跡上の地点を離散的にメモリに記憶し、被追従対象から一定距離を保ちながら当該地点を辿ることにより、被追従対象に追従するものである。
この技術を用いると、追従車が先行車の走行軌跡に沿って走行する、所謂同轍(どうてつ)走行が可能となり、先行車が障害物を避けて走行したように、追従車も障害物を避けて走行することができる。
そのため、追従車の旋回中に先行車が旋回を終えて加速すると、追従車が旋回中に加速して追従車がコースアウトしたり、不安定になるという問題があった。
例えば、図15(a)に示したように、追従車1は先行車2から一定の追従距離103を保ちながら同轍走行しており、先行車2が障害物100の先を右旋回するとする。
図15(d)は、先行車2が右折を終え、加速するところを示している。このとき、追従車1は、まだ右旋回を行っているが、先行車2が加速すると、追従距離103が一定なため、追従車1は、右旋回中に加速し、遠心力が作用するなどして走行が不安定となる場合がある。
請求項2に記載の発明では、前記車速対応情報は、前記先行車の車速であり、前記走行制御手段は、前記取得した旋回量が所定量以上である場合には、前記追従車の現在位置を基準として対応する地点における前記先行車の車速以下となるように前記追従車の車速を設定することを特徴とする請求項1に記載の車両制御装置を提供する。
請求項3に記載の発明では、前記車速対応情報は、前記先行車の横加速度を特定する情報であり、前記走行制御手段は、前記取得した旋回量が所定量以上である場合には、前記追従車の横加速度が、当該追従車の現在位置を基準として対応する地点における前記先行車の横加速度以下となるように前記追従車の車速を設定することを特徴とする請求項1に記載の車両制御装置を提供する。
請求項4に記載の発明では、請求項1から請求項3までのうちの何れか1の請求項に記載の車両制御装置を搭載し、先行車に追従走行する車両を提供する。
請求項5に記載の発明では、先行車の走行した地点を特定する地点情報と当該地点における前記先行車の車速に対応する車速対応情報を含む走行データを取得する走行データ取得機能と、前記先行車に追従走行するための目標点を設定する目標点設定機能と、前記設定した目標点に到達するように追従車の走行を制御する走行制御機能と、前記取得した走行データを用いて旋回量を取得する旋回量取得機能と、前記設定した目標点に到達するための車速指令値を取得する車速指令値取得機能と、をコンピュータで実現し、前記走行制御機能は、前記取得した旋回量が所定量未満の場合、前記追従車の車速を前記取得した車速指令値に設定し、前記取得した旋回量が所定量以上であり、かつ、前記取得した車速指令値の値が0より大きい場合には、前記追従車の現在位置を基準として対応する地点における前記先行車の車速対応情報を用いて当該追従車の車速を設定することを特徴とする車両制御プログラムを提供する。
追従車1(図3)は、先行車2の走行軌跡上の地点と当該地点における先行車2の車速を逐次対応づけて記憶する。
追従車1は、記憶した地点のうち、自車よりも最小制御縦距離Dmin(図5)より進行方向前方にある地点を制御直近点として選択し、自車が制御直近点に向かうように旋回指令を出力する。このように旋回指令を出力することにより、追従車1は、先行車2の走行軌跡上の地点に沿って先行車2に同轍追従走行する。
このように、制御対象の座標点である制御直近点を定める判定距離を車速に応じて可変とすることにより、高速走行時に発生する不安定な旋回動作を軽減することができる。
追従車1は、旋回指令と車速指令を計算してこれにより追従走行するが、旋回指令に関しては、自車から制御直近点への方位角θrl(即ち、方位角θrlは、旋回量に対応している)が0となるように出力する。
一方、車速指令に関しては、追従車1は、自車から制御直近点への方位角θrlが閾値α未満である場合には、目標点Pbcから自車までの目標点距離Ddが0となるように車速指令を出力し(第1の車速制御)、方位角θrlが閾値α以上である場合には、制御直近点での先行車2の車速を車速指令として出力する(第2の車速制御)。
この場合、追従車1は、自車から制御直近点への方位角θrlが閾値α未満である場合には、第1の車速制御によって車速指令を出力し、方位角θrlが閾値α以上である場合には、第3の車速制御によって車速指令を出力する。
、旋回を終えると、すばやく先行車2の軌跡をたどり車間距離の偏差をつめることができる。
(第1の実施の形態)
図1は、本実施の形態に係る追従車1と先行車2の機能的な構成を示したブロック図である。
先行車2は、車間通信部41、ECU(Electronic Control Unit)42、車速センサ43、姿勢センサ44などを備えている。
いる。
車間通信部41は、追従車1の車間通信部14と無線にて車車間通信することができ、先行車2は、車間通信部41を介して追従車1に走行データ(先行車情報)を送信する。
走行データには、先行車2の車速、ヨーレート、タイムスタンプ(例えば、追従車1が車速、ヨーレートを受信した際の日時刻)などが含まれている。
このため、車速、ヨーレート、及びタイムスタンプは、先行車2の走行した地点を特定する地点情報として機能している。
なお、先行車2から走行データにて、先行車2の現在位置を送信してもらい、これにより先行車2が走行した地点を記録するように構成することもできる。
車速センサ43は、先行車2の車速を計測するセンサであり、姿勢センサ44は、車速センサ43のヨーレートなどを計測するセンサである。
これらセンサで測定された値は、走行データとして追従車1に送信される。
車間通信部14は、車間通信部41と無線通信し、先行車2から走行データを受信する。
レーザレーダ15は、レーザビームを追従車1の前方や側方に2次元走査し、その反射を検知するレーダ装置である。
追従車1は、先行車2の移動量を計算して先行車2の走行した地点を記録していくが、その場合、最初に先行車2の初期位置を計測して、これに移動量を加算していく必要がある。レーザレーダ15は、当該初期位置を計測するのに用いられる。
車速センサ12は、追従車1の車速を検出するセンサであり、姿勢センサ13は、ヨーレートなどを計測するセンサである。
ECU17は、CPU、ROM、RAM、大容量の記憶装置などを備えたコンピュータであり、CPUが記憶装置に記憶されているプログラムを実行することにより先行車走行軌跡認識部18、先行車軌跡情報記憶部19、車両制御指令算出部20、追従車走行軌跡認識部21などが構成されている。
地点インデックスは、先行車2の走行の時系列に従って付与されるため、地点データを地点インデックス順に線分で結ぶと先行車2の走行軌跡が得られる。
一方、車速指令については、方位角θrlが所定の閾値α未満の場合には、地点データを結んだ線分に沿った目標点から追従車1までの距離に応じた値とし(第1の車速制御)、方位角θrlが所定の閾値α以上の場合には、先行車2が制御直近点を通過した際の先行車2の車速を車速指令値とする(第2の車速制御)。
レーザレーダ15は、例えば、回転走査型レーザレーダであり、追従車1の周囲を2次
元(3次元でもよい)走査する。
レーザレーダ15は、走査可能角度(上記図では270°)を走査し、対象物までの距離を単位角度ごとに出力する。図では、レーザレーダ走査点を白抜きの円で示してある。これらの出力は以下のように先行車走行軌跡認識部18で解析される。
なお、その際、点間の線分が閾値を超えたものは線分としないとすることでパターンマッチングの処理を軽減することができる。
先行車2には、追従制御の基準となる車両中心点6が予め設定されており、先行車走行軌跡認識部18は、マッチングしたモデルパターン2aにより車両中心点6を特定する。
この技術は、所定の投光パターンを対象車両に投光し、その反射光の形状を用いて対象車両との距離や傾きを検出するものである。
以上のようにして、先行車走行軌跡認識部18は、先行車2の相対位置、即ち、追従車1の車両中心点3に対する先行車2の車両中心点6の位置を検出することができる。
この例では、先行車2は、障害物100、100の間を蛇行するように走行している。
なお、以下で用いる添字について、a(absolute)は絶対座標系、r(relation)は相対座標系、l(leader)は先行車2、f(follower)は追従車1、d(destination)は目標点、をそれぞれ表しているものとする。
例えば、地点PをPal(2)と表す場合、これは、絶対座標系における先行車2の地点のうち、3番目に記録したもの(括弧内の地点インデックスは0から始まるため)を意味し、xalは、先行車2の絶対座標系におけるx座標値を意味する。
また、追従車1の位置は、追従車1の車両中心点3の位置によって表され、先行車2の位置は、先行車2の車両中心点6によって表されるものとする。
を走行データとして追従車1に送信する。なお、タイムスタンプは、追従車1で付与してもよい。
追従車1は、先行車2の初期位置の地点Pal(0)をレーザレーダ15で計測し、その後は、走行データを用いて先行車2の移動量を計算して加算していくことにより、先行車2の走行した地点Pal(1)、Pal(2)、・・・、Pal(n)、・・・を記憶していく。
これらの線分を順に結ぶと先行車2の走行軌跡となり、nが最大となるPal(n)(図ではn=9)が、先行車2の現在位置となる。なお、この点は先行車2の車両中心点6ともなっている。
ただし、xal、yalは、Pal(n)の絶対座標系におけるx、y座標値であり、Tl(n)、ωl(n)、Vl(n)は、それぞれ、Pal(n)を計算するための走行データに含まれていたタイムスタンプ、ヨーレート、車速であり、先行車2のyawはヨー角を表す。
yaw(n)=∫(ωl(n−1)×ΔT)dt=ωl(n−1)×ΔT+yaw(n−1)・・・(2)
xal(n)=Vl(n)×ΔT×sin(−yaw)+xal(n−1)・・・(3)
yal(n)=Vl(n)×ΔT×cos(−yaw)+yal(n−1)・・・(4)
また、追従車1は、先行車2の現在位置Pal(9)から各地点を結ぶ線分に沿って追従距離Dbcの位置に目標点Pbcを設定する。
更に、追従車1は、各地点を結ぶ線分に沿って目標点Pbcから自車の車両中心点3までの目標点距離Ddを計算し、追従車1の旋回量が小さい場合には、第1の車速制御にて目標点距離Ddが0となるように車速を設定し、追従車1の旋回量が大きい場合には、第2の車速制御にてPal(1)での先行車2の車速を設定する。
以上により、追従車1は、先行車2の走行軌跡上の地点に沿って最短の車間距離がDbcとなるように先行車2に同轍走行することができる。
先行車軌跡情報は、先行車2が走行した走行軌跡上の各地点における先行車2の車速と絶対座標系における位置に地点インデックスを付与した地点データから構成されている。
項目「車速Vl」は、先行車2の走行軌跡上の各地点での車速Vlであり、走行データに含まれていたものである。
項目「座標Pal」は、先行車2の絶対座標系での座標値であり、項目「xal」、「yal」は、それぞれx、y座標値である。
これらの座標値は、走行データを用いて式(3)、(4)により算出されたものである
。
なお、初回開始時におけるV(0)、Pal(0)は、レーザレーダ15によって計測した値を用いる。又は、追従車1の車速と車両中心点3の位置とすることも可能である。
追従車1は、自車両の車両中心点3を原点とする相対座標を設定し、最小制御縦距離Dminから先にある位置のうち、タイムスタンプによる時系列が最も古いもの、即ち、地点インデックスが最も小さいものを制御直近点として選択する。
このように、追従車1の進行方向前方に存在する地点を選択することにより、追従車1の急旋回を抑制することができる。
追従車1の車速の関数とする場合、例えば、最小制御縦距離Dminが追従車1の車速Vfに比例し、追従車1の車速が0の場合はbとすると、Dminは、次の1次式(5)によって計算される。ここで、aとbは、共に正の数である。
このように、追従車1の車速に応じた適切な制御直近点を使用することにより、追従車1の走行軌跡に応じた制御指令値の補正が行われる。
なお、図5では、追従車1の車体に固定した相対座標系を用いて追従車1の進行方向前方を規定したが、例えば、追従車1の進行方向(旋回の接線方向)を軸とする相対座標系を用いて進行方向前方を規定してもよい。
この例では、追従車1は、絶対座標系における制御直近点の方位角と自身の方位角を求め、これらから追従車1に対する制御直近点の相対的な方位角を求める。
追従車1は、追従車1の車両中心点3(絶対座標系における座標値は(xf、yf))を原点とし、追従車1の向きを縦軸、方位角を0とする相対座標系を設定する。
追従車1は、当該相対座標系における制御直近点Pal(n)への方位角θrlを、次の式(6)により計算する。
なお、絶対座標系における角度の正負を、第1、4象限が負、第2、3象限を正としたため、θafは減算となっている。
即ち、追従車1は、方位角θrlが所定の閾値α未満である場合には第1の車速制御を行い、所定の閾値α以上である場合には第2の車速制御を行う。
これに対し、先行車2の旋回量に応じて車速制御を切り替えるように構成した変形例も可能である。
例えば、図6(b)に示したように、追従車1は、制御直近点Pal(n)と、これの手前の地点Pal(n−1)を結ぶ線と、制御直近点Pal(n)と、これより1つ先の地点Pal(n+1)を結ぶ線のなす角θrl’を計算する。この角θrl’は、先行車2の旋回角に相当するものである。
旋回指令値は、図6(a)と同様に相対座標系における制御直近点Pal(n)の方位角が0に収束するように発する。
このように、第1の車速制御と第2の車速制御の切り替えには、追従車1の旋回量を用いて行うこともできるし、先行車2の旋回量を用いて行うこともできる。
追従車1は、Pal(n)(nは最も大きいnであり、図の例ではPal(9)で先行車2の車両中心点6に対応する)から先行車2の後方に各地点を結ぶ線分に沿って追従距離(車間距離)Dbcの位置に目標点Pbcを設定する。
目標点距離Ddは、目標点Pbcから車両中心点3までの各地点を結ぶ線に沿った距離である。
一方、追従車1の車両中心点3から最も近い地点Pal(n)(図ではPal(0))までの距離は、図7(b)の式(9)の第1項で表される。
そこで、当該第1項に、地点を遡りながらnの最大値(図では9)を式(8)に加算していけば(式(9)の第2項)、先行車2から追従車1までの地点を結ぶ線分に沿った距離が計算される。
これから、追従距離Dbcを減算すると(式(9)の第3項)、線分に沿った追従車1から目標点Pbcまでの目標点距離Ddが計算される(式(9))。
これにより、追従車1は、先行車2と同様の速度で旋回を行い、旋回時に速度が上がることを防ぐことができる。
そのため、追従車1は、先行車2の車速を用いることにより、安全かつ、不必要に遅くならない車速で当該地点を旋回することができる。
この場合、追従車1が旋回時に先行車2の車速を用いると、車速Vl(n)が0であるため、停止する必要がなくても追従車1は、停止してしまう。
また、閾値を超える地点Pal(n)がなかった場合、追従車1は、先行車2の車両中心点6(軌跡情報の最新のもの)を制御直近点として採用する。
以下の各フローチャートで追従車1が行う処理は、追従車1のECU17が所定のプログラムに従って行うものである。
まず、追従車1は、追従走行を開始する場合、先行車2の初期位置を取得する(ステップ5)。
追従走行の開始は、例えば、追従車1の搭乗者が追従開始ボタンを押下するなど、何らかのトリガによって開始する。
このステップにおいて、追従車1は、レーザレーダ15により、先行車2の現在位置を相対座標系で計測し、これを自車の絶対座標値を用いて絶対座標系に変換することにより、追従車1の絶対座標値を取得する。
この初期化により、地点データに時系列による順序を付与する地点インデックスnは0に、先行車2の車速Vl(n)は0に、自車の絶対座標における座標値(xal(n)、yal(n))は現在位置の絶対座標における座標値(x、y)に、前回(即ち、地点インデックスが1つ前の)のタイムスタンプを格納するパラメータであるToldは、追従車1が、先行車2の初期位置取得の際の日時刻に設定される。
次に、追従車1は、地点インデックスnを1だけインクリメントする(ステップ15)。
次に、追従車1は、追従走行を継続するか否かを判断し(ステップ35)、継続する場合には(ステップ35;Y)、ステップ20に戻り、継続しない場合には(ステップ35;N)、追従制御を終了する。
追従走行の終了は、例えば、追従車1の搭乗者が追従走行終了ボタンを押下するなど、何らかのトリガによって終了する。
追従車1は、車車間通信により先行車の走行データ(ヨーレートω、車速V、タイムスタンプTが含まれている)を受信する(ステップ55)。なお、タイムスタンプは、追従車1がヨーレートω、車速Vを受信した際に、現在日時刻を付与するように構成してもよい。
次に、追従車1は、前回のヨーレートωを格納するパラメータであるωoldに前回のヨーレートω(n−1)を設定し、ΔTには、式(1)に従ってΔT=T−Toldを設定する(ステップ60)。
まず、追従車1は、先行車2のヨー角を格納するパラメータであるyawには、式(2)に従ってωold×ΔT+yawを設定する。
次に、追従車1は、式(3)、式(4)に従って、先行車2の絶対座標系におけるx座標値xal(n)と、y座標値yal(n)を算出する。
更に、追従車1は、走行データに含まれるタイムスタンプTをToldとしてRAMなどのメモリに記憶する(ステップ75)。
そして、追従車1は、地点インデックスをn←n+1として1だけインクリメントする(ステップ80)。
まず、追従車1は、自車の絶対座標系における現在位置とヨー角を取得する(ステップ105)。
そして、追従車1は、xfに現在位置のx座標値を設定し、yfに現在位置のy座標を設定し、更に、θafにヨー角を設定する。
次に、追従車1は、絶対座標系における制御直近点の方位角θanを計算する(ステッ
プ115)。この計算は、式(7)を用いて行うことができる。
次に、追従車1は、方位角θrlに比例ゲインKpを乗じて(Kp×θrl)旋回指令値ωfを算出する(ステップ125)。
目標点距離Ddを0に初期化すると、追従車1は、まず、追従車1から制御直近点までの距離(式(9)の第1項)を算出する(ステップ135)。
次に、追従車1は、式(8)を用いてDal(n+i+1)を計算し、Dd←Dd+Dal(n+i+1)として、Ddを2地点Pal(n+i)、Pal(n+i+1)の距離だけインクリメントする(ステップ140)。
n+i+1が最大値以下である場合(ステップ150)、先行車2の位置までの全ての地点データについて地点データ間の距離を合計したわけではないので、追従車1は、ステップ140に戻り、更に、地点データを遡って同様の計算を行い、目標点距離Ddを更新する。ステップ140〜145は、式(9)の第2項に対応する処理である。
以上により、式(9)に従って、目標点距離Ddが算出される。
何れか一方、あるいは両方の条件が満たされていない場合(ステップ165;N)、追従車1は、車速指令値Vtとして目標速度Vtsを設定する(ステップ175)。
なお、本実施の形態では、一方、両方の条件が満たされている場合(ステップ165;Y)にVt←Vl(n)としたが、Vl(n)以下の車速であれば安全に旋回できるため、Vl(n)以下の値を車速指令値とするように構成することもできる。
りも先行車2に接近するのを防ぐためである。
(1)先行車2の走行軌跡上の地点について、その位置と、その地点を通過した際の先行車2の車速を対応づけて記憶することができる。
(2)先行車2の走行軌跡の地点から制御直近点を選択し、当該制御直近点への方位角θrlが0となるように旋回指令を発することにより、追従車1は、先行車2の走行軌跡に沿って同轍走行することができる。
(3)制御直近点の方位角θrlが閾値α未満の場合に、目標点距離Ddが0となるように第1の車速制御を行うことにより、追従車1は、先行車2との追従距離を一定に保ちながら同轍追従走行を行うことができる。
(4)制御直近点の方位角θrlが閾値α以上の場合に、制御直近点での先行車2の車速が追従車1の車速となるように第2の車速制御を行うことにより、追従車1は、安全に旋回することができる。
(5)制御直近点の方位θrlによって第1の車速制御と第2の車速制御を切り替えることにより、追従車1は、安全かつスムーズに同轍追従走行することができる。
(6)追従車1から所定距離進行方向前方にあり、最も古い地点を制御直近点として選択することにより、常に追従車1の前方に制御直近点を設定することができ、安全な旋回を行うことができる。
(7)追従車1の車速に応じて最小制御縦距離Dminを設定することにより、より適切な地点を制御直近点として選択することができ、高速走行時に発生する不安定な旋回動作を軽減すると共に、地点データに対応づけられた先行車2の車速も適切なものが選択されるため、遅れのない制御を行うことができる。
先に説明した実施の形態では、第2の車速制御において、追従車1は、先行車2の制御直近点での車速を車速指令に用いたが、第2の実施の形態では、先行車2の制御直近点での横加速度を用いて車速指令を算出する。
追従車1は、制御性能が異なるなどの各種の理由から、必ずしも先行車2が各地点を通過したときの姿勢と同じ姿勢で各地点を通過するわけではない。
このため、制御直近点Pal(n)に向かう追従車1の向きは、制御によって先行車2と異なる場合がある。
この場合、追従車1は、制御のずれにより、先行車2がPal(n)を通過した際のヨーレートより大きなヨーレートで旋回する場合がある。
この場合、追従車1の制御直近点Pal(n)に対する方位角の方が先行車2より大きいため、追従車1は、先行車2と同じ車速で制御直近点に向けて旋回すると横加速度が大きくなり、車体が不安定になったり、搭乗者が不快な感じを受けたりする可能性がある。
このように、先行車通過時の横加速度と同じ横加速度で追従車1が旋回することにより、より追従性のよい旋回を行うことができる。
第2の実施の形態の先行車軌跡情報は、第1の実施の形態の地点データに、先行車2の走行データから取得した項目「ヨーレート」を加えたものとなっている。
このように、本実施の形態の地点データは、先行車2が通過した地点での先行車2の車速、ヨーレート、及び座標値に地点インデックスを付与して構成されている。
追従車1は、これを用いて以下のように追従制御を行う。
まず、旋回指令は、第1の実施の形態と同様であり、追従車1は、制御直近点の方位角が0となるように旋回指令を出力する。
一方、方位角θrlが閾値α以上の場合には、追従車1は、制御直近点での先行車2の車速とヨーレートを先行車軌跡情報から読み出して制御直近点での先行車2の横加速度を計算し(この際、追従車1のヨーレートは旋回指令ωfを用いる)、これを自車の旋回指令値で除することにより、先行車2と同じ横加速度となる自車の車速を計算・出力する(第3の車速制御)。
Vt=Al(n)/ωfの絶対値・・・(12)
なお、図10に対応する処理は、第1の実施の形態と同じであり、説明は省略する。
図14のフローチャートにおいて、ステップ155〜175は、図11と同じであり、追従車1は、追従距離Dbcを減算して(ステップ155)、目標速度Vtsを算出する(ステップ160)。
次いで、追従車1は、方位角θrlが閾値α以上であり、かつ、Vtsが0より大きいか否かを判断する(ステップ165)。
何れか一方、あるいは両方の条件が満たされていない場合(ステップ165;N)、追
従車1は、車速指令値Vtとして目標速度Vtsを設定する(ステップ175)。
以上のようにして、本実施の形態では、追従車1の旋回量が大きい場合に、当該地点を通過した際の先行車2の横加速度によって追従車1の横加速度を規制することができる。
第2の実施の形態では、直近制御点の方位角θrlによって第1の車速制御と第3の車速制御を切り替えたが、方位角θrlにかかわらず、当該切り替えを行わずに第3の車速制御を実行するように追従車1を構成することも可能である。即ち、追従車1は、追従走行の開始から終了まで、上記の旋回指令と第3の車速制御による車速制御によって追従走行する。
この場合、追従車1は、旋回指令に関しては、制御直近点の方位角θrlが0となるように指令を出力し、車速指令に関しては、当該旋回指令に対し、制御直近点での横加速度が当該制御直近点を通過した際の先行車2の横加速度と同じになるように指令を出力する。
第2の実施の形態では、制御直近点の方位角θrlによって第1の車速制御と第3の車速制御を切り替えたが、この他に、追従車1が旋回指令のヨーレートωfを監視し、ωfの絶対値が所定の閾値β未満の場合には、第1の車速制御を行い、ωfの絶対値が閾値β以上の場合には、第3の車速制御を行うように構成することも可能である。
例えば、制御直近点が地点Pal(n)であったとすると、旋回指令のヨーレートωfの絶対値が閾値β以上となる場合、追従車1は、地点Pal(n)での車速V(n)とヨーレートωl(n)を先行車軌跡情報から読み出して、Pal(n)での先行車2の横加速度Aal(n)=Pal(n)×車速V(n)を計算し、更に、これをωfで除したVt=Aal(n)/ωfを自車の車速指令値とする。または、当該Vtを上限として、これ以下の値を設定してもよい。
(1)追従車1は、先行車2の走行軌跡上の地点に沿って走向する場合に、当該地点における先行車2の横加速度と同じ、又は、それ以下の横加速度となるように車速を設定することができる。
(2)制御直近点の方位角θrlが閾値α以上の場合には、第3の車速制御により、追従車1の横加速度が当該地点での先行車2の横加速度以下となるように車速を制御し、α未満の場合には、第1の車速制御により、先行車2からの追従距離が一定となるように制御することにより、追従車1は、先行車2に安全かつスムーズに追従することができる。
また、当該車両制御装置は、目標点Pbcを設定し、当該目標点Pbcに到達するように追従車1を制御するため、先行車に追従走行するための目標点を設定する目標点設定手段と、設定した目標点に到達するように追従車の走行を制御する走行制御手段を備えてい
る。
また、当該車両制御装置は、走行データを用いて先行車2の走行軌跡上の地点を取得し、当該地点から制御直近点を選択し、追従車1と制御直近点の位置関係からの方位角θrlを旋回量とするため、取得した走行データを用いて旋回量を取得する旋回量取得手段を備えている。
そして、当該車両制御装置は、方位角θrlが閾値α以上である場合には、追従車1の現在位置を基準として対応する地点、ここでは、制御直近点における先行車2の車速を用いて追従車1の車速を設定するため、走行制御手段は、取得した旋回量が所定量以上である場合には、追従車の現在位置を基準として対応する地点における先行車の車速対応情報を用いて当該追従車の車速を設定している。
また、当該車両制御装置は、方位角θrlが閾値α未満の場合には、第1の車速制御を行うため、取得した旋回量が所定量未満の場合、走行制御手段は、追従車の車速を取得した車速指令値に設定している。
また、当該車両制御装置は、目標点Pbcを設定し、当該目標点Pbcに到達するように追従車1を制御するため、先行車に追従走行するための目標点を設定する目標点設定手段と、設定した目標点に到達するように追従車の走行を制御する走行制御手段を備えている。
そして、当該車両制御装置は、方位角θrlが閾値α以上である場合には、追従車1の横加速度が、追従車1の現在位置を基準として対応する地点、ここでは、制御直近点における先行車2の横加速度以下となるように設定するため、走行制御手段は、追従車の横加速度が、当該追従車の現在位置を基準に対応する地点における先行車の横加速度以下となるように追従車の車速を設定している。
そして、当該制御手段は、方位角θrlが閾値α以上となる地点において、第3の車速制御を行い、閾値α未満の地点では第1の車速制御を行うため、走行制御手段は、取得した旋回量が所定量以上となる地点においては、当該追従車の現在位置を基準に対応する地点の横加速度情報を用いて車速の設定を行い、取得した旋回量が所定量未満となる地点においては、目標点に基づいて車速の設定を行っている。
そして、当該車両制御装置は、追従車1のヨーレートが閾値β以上の場合には第3の車速制御を行い、閾値β未満の場合には第1の車速制御を行うため、走行制御手段は、取得したヨーレートが所定量以上となる地点においては、当該追従車の現在位置を基準に対応する地点の横加速度情報を用いて車速の設定を行い、取得したヨーレートが所定量未満となる地点においては、目標点に基づいて車速の設定を行っている。
2 先行車
11 車両駆動部
12 車速センサ
13 姿勢センサ
14 車間通信部
15 レーザレーダ
17 ECU
18 先行車走行軌跡認識部
19 先行車軌跡情報記憶部
20 車両制御指令算出部
21 追従車走行軌跡認識部
41 車間通信部
42 ECU
43 車速センサ
44 姿勢センサ
Claims (5)
- 先行車の走行した地点を特定する地点情報と当該地点における前記先行車の車速に対応する車速対応情報を含む走行データを取得する走行データ取得手段と、
前記先行車に追従走行するための目標点を設定する目標点設定手段と、
前記設定した目標点に到達するように追従車の走行を制御する走行制御手段と、
前記取得した走行データを用いて旋回量を取得する旋回量取得手段と、
前記設定した目標点に到達するための車速指令値を取得する車速指令値取得手段と、
を具備し、
前記走行制御手段は、前記取得した旋回量が所定量未満の場合、前記追従車の車速を前記取得した車速指令値に設定し、前記取得した旋回量が所定量以上であり、かつ、前記取得した車速指令値の値が0より大きい場合には、前記追従車の現在位置を基準として対応する地点における前記先行車の車速対応情報を用いて当該追従車の車速を設定することを特徴とする車両制御装置。 - 前記車速対応情報は、前記先行車の車速であり、
前記走行制御手段は、前記取得した旋回量が所定量以上である場合には、前記追従車の現在位置を基準として対応する地点における前記先行車の車速以下となるように前記追従車の車速を設定することを特徴とする請求項1に記載の車両制御装置。 - 前記車速対応情報は、前記先行車の横加速度を特定する情報であり、
前記走行制御手段は、前記取得した旋回量が所定量以上である場合には、前記追従車の横加速度が、当該追従車の現在位置を基準として対応する地点における前記先行車の横加速度以下となるように前記追従車の車速を設定することを特徴とする請求項1に記載の車両制御装置。 - 請求項1から請求項3までのうちの何れか1の請求項に記載の車両制御装置を搭載し、
先行車に追従走行する車両。 - 先行車の走行した地点を特定する地点情報と当該地点における前記先行車の車速に対応する車速対応情報を含む走行データを取得する走行データ取得機能と、
前記先行車に追従走行するための目標点を設定する目標点設定機能と、
前記設定した目標点に到達するように追従車の走行を制御する走行制御機能と、
前記取得した走行データを用いて旋回量を取得する旋回量取得機能と、
前記設定した目標点に到達するための車速指令値を取得する車速指令値取得機能と、
をコンピュータで実現し、
前記走行制御機能は、前記取得した旋回量が所定量未満の場合、前記追従車の車速を前記取得した車速指令値に設定し、前記取得した旋回量が所定量以上であり、かつ、前記取得した車速指令値の値が0より大きい場合には、前記追従車の現在位置を基準として対応する地点における前記先行車の車速対応情報を用いて当該追従車の車速を設定することを特徴とする車両制御プログラム。
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