JP5234121B2 - カラオケネットワークシステム及び無線通信端末 - Google Patents

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Description

本発明は、カラオケ装置と無線通信端末とが無線LANアクセスポイントを通じて情報通信を行うカラオケネットワークシステムに関する。
近年、カラオケサービスを提供するカラオケ装置を多数のカラオケ室に設置するカラオケ施設(例えば、カラオケボックス)では、複数のカラオケ装置を各カラオケ室に配置して、有線LANで各カラオケ装置間を接続したカラオケネットワークが構築されている。そして、カラオケ装置を遠隔操作したりカラオケに関する情報を閲覧するための無線通信端末(例えばリモコンや電子早見本等)は、この有線LANに接続された無線LANアクセスポイントと呼ばれる無線中継局を介して通信相手のカラオケ装置との間で情報通信を行うようになっている。
このようなカラオケネットワークシステムでは、カラオケ室が多い場合には複数の無線LANアクセスポイントを施設内各所に分散して配置する場合がある。これには、無線通信端末を使用場所からなるべく近くの(すなわち電波強度の大きい)無線LANアクセスポイントに接続させ、安定した電波強度によって無線LANの通信品質を向上させるという狙いがある。
特開2007−81531号公報
ところで、上記の通信品質を向上させるための作業として、複数の無線LANアクセスポイントを設置してカラオケ施設の運営を開始するときには、各無線LANアクセスポイントの通信品質(スループット)を同じにするため、予め、通信業者等が各無線LANアクセスポイントに接続する無線通信端末の数(すなわち通信負荷)が同じになるような位置に分散して配置している。
しかし、一般的なカラオケ施設では、顧客満足度を更に向上させるため、カラオケ施設の管理者が運営開始後にカラオケ室を改装したり、カラオケ関連機器の新機種を導入したりすることが多い。その際、改装に伴い無線LANアクセスポイントの位置が変えられたり、あるいは、新しい機種の追加や既存の機種の一部を新しい機種に交換する等して周辺の無線LANアクセスポイントとは性能が異なる機種が後から導入されたりすると、無線LANアクセスポイントごとに電波強度に大きな差が生じることがある。
このとき、ある無線通信端末の利用位置からみて最寄りの無線LANアクセスポイントよりも、遠くにある無線LANアクセスポイントの方が相対的に電波強度が大きくなる場合がある。無線LANの通信品質を向上する観点からは電波強度の大きい無線LANアクセスポイントに無線接続することが優先されるため、その結果、電波強度の大きい無線LANアクセスポイントに対して、近くの無線通信端末だけでなく遠くの無線通信端末までもが無線接続してしまうことになる。このように1台の無線LANアクセスポイントに無線接続する無線通信端末が過度に増加すると、通信負荷の増大により無線LANアクセスポイントのスループットが大きく低下してしまうという問題がある。
一方、特許文献1には、定められた台数以内で無線LAN端末の無線接続を許可する機能を有する無線LANアクセスポイントが開示されている。しかし、カラオケネットワークにおいては、前述したように、施設の運用状況等に応じて既設のネットワークに新たな無線LANアクセスポイントを追加したり、古いものと交換したりするといった運用が行われることがある。そのような用途で導入する無線LANアクセスポイントとしては、費用や調達の容易さの面から、カラオケ施設の管理者が市販の汎用機種を採用できるようにすることが肝要である。そのため、カラオケネットワークシステムとしての用途においては、無線通信端末の接続数を管理するといった特別の機能を持たない汎用的な無線LANアクセスポイントを使用しながらでも、特定の無線LANアクセスポイントへの無線接続が集中するのを回避できるような技術が望まれる。
本発明は、上記問題を解決するためになされており、有線LANに接続したカラオケ装置と無線通信端末とが無線LANアクセスポイントを通じて情報通信を行うカラオケネットワークシステムにおいて、1台の無線LANアクセスポイントにおける無線通信端末の接続数が過大にならないように、複数の無線LANアクセスポイント内で接続先を分散させるための技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は、カラオケ演奏を行う複数のカラオケ装置と、有線LANと無線LANとを相互接続する複数の無線LANアクセスポイントとが有線LANに接続されており、さらに、複数の無線LANアクセスポイントのうちの何れか1つに無線接続し、その無線LANアクセスポイントが中継する無線LANを通じてカラオケ装置との間で情報通信を行う複数の無線通信端末を有するカラオケネットワークシステムに関する。
このうち、無線通信端末は、初期接続手段と、通信相手装置特定手段と、接続情報取得手段と、接続先選択手段と、接続先通知手段とを備える。初期接続手段は、複数の無線LANアクセスポイントのうち、所定の初期接続条件に該当の無線LANアクセスポイントに無線接続する。通信相手装置特定手段は、複数のカラオケ装置のうち、自無線通信端末との通信相手となる特定のカラオケ装置との間で相互に通信相手の対応付けをする。接続情報取得手段は、通信相手装置特定手段により対応付けした通信相手のカラオケ装置から、各無線LANアクセスポイントの識別情報と、それらの無線LANアクセスポイントそれぞれにおける無線通信端末の現在の接続状況に関する情報とを含む接続情報を、初期接続手段により無線接続した無線LANアクセスポイントを通じて取得する。
接続先選択手段は、接続情報取得手段により取得した接続情報に基づき無線LANアクセスポイントごとの無線通信端末の同時接続数を判定する。そして、初期接続した無線LANアクセスポイントにおける同時接続数が所定の閾値以上である場合、現在無線接続している無線LANアクセスポイントから、同時接続数が閾値未満であり、かつその中で通信電波強度が最大である他の無線LANアクセスポイントに接続先を切替える。一方、初期接続した無線LANアクセスポイントにおける同時接続数が閾値未満である場合、そのまま無線接続を継続する。接続先通知手段は、接続先選択手段による処理の結果として現に無線接続する無線LANアクセスポイントを示す情報と、自無線通信端末の識別情報とを含む接続先通知情報を通信相手のカラオケ装置に対して送信する。
一方、カラオケ装置は、記憶手段と、通信相手端末特定手段と、接続情報送信手段と、接続先通知取得手段と、通知手段と、第1の更新手段と、第2の更新手段とを備える。記憶手段は、複数の無線LANアクセスポイントそれぞれの識別情報と、それらの無線LANアクセスポイントそれぞれに現在無線接続している無線通信端末の識別情報とが対応付けられて記録された接続管理情報を記憶する。通信相手端末特定手段は、自カラオケ装置との通信相手となる特定の無線通信端末との間で相互に通信相手の対応付けをする。
接続情報送信手段は、記憶手段に記憶されている接続管理情報に基づき、各無線LANアクセスポイントの識別情報と、それらの無線LANアクセスポイントそれぞれにおける無線通信端末の現在の接続状況に関する情報とを含む接続情報を、通信相手端末特定手段により対応付けした通信相手の無線通信端末に対して送信する。
接続先通知取得手段は、通信相手の無線通信端末から、その無線通信端末が現に無線接続する無線LANアクセスポイントを示す情報とその無線通信端末の識別情報とを含む接続先通知情報を取得する。通知手段は、接続先通知取得手段により取得した接続先通知情報を有線LAN上の他のカラオケ装置に対して通知する。第1の更新手段は、接続先通知取得手段により取得した接続先通知情報の内容に応じて記憶手段に記憶されている接続管理情報の内容を更新する。第2の更新手段は、有線LANを通じて他のカラオケ装置から通知された接続先通知情報の内容に応じて記憶手段に記憶されている接続管理情報の内容を更新する。
このように構成されたカラオケネットワークシステムでは、無線通信端末が、通信相手のカラオケ装置から取得した接続情報に基づき、現在の接続端末数が閾値未満となる無線LANアクセスポイントを自ら判断して無線接続する。このようにすることで、1台の無線LANアクセスポイントにおける無線通信端末の接続数が過大にならないように接続先を分散させることができ、無線LAN通信におけるスループットの低下を防止できる。
また、本発明では、無線LANアクセスポイントにおける無線通信端末の接続数を管理するための構成を専ら無線通信端末及びカラオケ装置が持つようになっており、無線LANアクセスポイントには特別な構成を必要としない。よって、本発明のカラオケネットワークシステムでは、無線通信端末の接続数を管理するといった特別の構成を持たない汎用的な無線LANアクセスポイントを使用しながらでも、所期の効果を発揮できる。
また、有線LANに接続している複数のカラオケ装置間で、無線LANアクセスポイントの接続状況に関する共通の接続管理情報を保有することができる。これにより、無線通信端末がどのカラオケ装置と無線通信を行う場合でも、無線LANアクセスポイントにおける現在の無線接続状況を確実に取得できるし、そのような接続管理情報を管理する専用機器を個別に用意する必要もない。
つぎに、上記目的を達成するためになされた請求項2記載の発明は、カラオケ演奏を行う複数のカラオケ装置と、有線LANと無線LANとを相互接続する複数の無線LANアクセスポイントとが有線LANに接続されたカラオケネットワークシステムに用いられる無線通信端末に関する。そして、この無線通信端末は、請求項1に記載のカラオケネットワークシステムを構成する無線通信端末と同様の構成を有する。このような無線通信端末によれば、請求項1に記載のカラオケネットワークシステムに関して上述した効果を得られる。
実施形態のカラオケネットワークシステムの概略構成を示すブロック図。 リモコン端末とカラオケ装置による処理シーケンスを示すフローチャート。 カラオケ装置が管理するリストの内容を示す説明図。 カラオケ装置による接続先管理リスト更新処理の手順を示すフローチャート。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、本発明は下記の実施形態に何ら限定されるものではなく様々な態様にて実施することが可能である。
[カラオケネットワークシステム1の構成の説明]
図1に示すように、カラオケネットワークシステム1は、カラオケ店舗内の多数のカラオケ室にそれぞれ設置される複数のカラオケ装置4と、カラオケ装置4の設置されたカラオケ室内でカラオケ装置4の操作のために使用される可搬型の無線通信端末である複数のリモコン端末5と、カラオケ店舗内の各所に配置される複数の無線LANアクセスポイント6とを有する。これら複数のカラオケ装置4及び無線LANアクセスポイント6は、有線LAN100を介して相互に通信可能に接続されている。また、カラオケ装置4とリモコン端末5との間の情報通信は、主に無線LANアクセスポイント6が中継する無線LAN及び有線LAN100を介して行われる。
カラオケ装置4は、カラオケサービスを利用するユーザから指定されたカラオケ楽曲や、映画、バラエティ番組、ドラマ、CMといった映像コンテンツ等、様々なコンテンツの再生を行うための装置である。また、本実施形態のカラオケ装置4は、本発明における特徴的な機能として、各リモコン端末5が無線接続している接続先の無線LANアクセスポイント6の一覧である接続先管理リストを記憶及び更新すると共に、その接続先管理リストに基づいて各無線LANアクセスポイント6に対して無線接続している端末数をリモコン端末5に通知する。これらの処理の詳細な内容については後述する。
カラオケ装置4は、ハードウェア構成としてCPU41、RAM42、ROM43、ハードディスクドライブ44(以下、HDD44と称する)、操作部45、再生部46、赤外線通信部47、LAN通信部48等を備える。
CPU41は、RAM42やROM43に記憶されたプログラムやデータに従って、カラオケ装置4各部に対する制御及び各種演算を実行する装置である。先述の接続先管理リストの管理、及び接続端末数のリモコン端末への通知に関する処理は、このCPU41によって実行される。RAM42は、CPU41から直接アクセスされるメインメモリ等として利用される記憶装置であり、先述の接続先管理リストもここに記憶される。
ROM43は、カラオケ装置4の電源スイッチを切っても記憶内容を保持する記憶装置であり、BIOSや通常であれば更新されない読み出し専用のデータ等を記憶している。HDD44は、カラオケ用の楽曲データや映像データ等のコンテンツデータやプログラム等の各種データを保存しておくための装置である。操作部45は、ユーザからの各種指示を入力するための入力装置であり、複数のキースイッチ等によって構成される。
再生部46は、マイクロフォン、演奏データに基づく演奏再生を行うMIDI音源、MIDI音源から生成されたオーディオ信号及びマイクロフォンから入力されたオーディオ信号をスピーカへ出力する音声制御部、画像データに基づく映像の再生を制御する映像再生部、映像を表示するためのモニタ等を備える。赤外線通信部47は、リモコン端末5との間で所定の赤外線通信規格に沿った赤外線信号を送受信するための通信インタフェースである。LAN通信部48は、カラオケ装置4を有線LAN100に接続して外部と通信を行うための通信インタフェースである。
リモコン端末5は、カラオケルーム内でカラオケ装置4を遠隔操作するためのものであり、ユーザが再生を希望するコンテンツの再生の予約を行うための操作等の各種操作をユーザから受け付け、その操作信号を無線LAN規格に従った無線通信(無線LAN通信)によって無線LANアクセスポイント6を経由し、操作対象のカラオケ装置4に送信する機能を有する。
また、本実施形態のリモコン端末5は、本発明における特徴的な機能として、操作対象のカラオケ装置4との情報通信を開始するに際して、通信可能な複数の無線LANアクセスポイント6の中から、現に無線接続しているリモコン端末5の数が規定の閾値未満で、かつ通信電波の強度が良好なものを接続先として選択する処理を行う。この処理の詳細な内容については後述する。
具体的にリモコン端末5は、CPU51、RAM52、ROM53、操作部54、表示部55、赤外線通信部56、無線LAN通信部57等を備えている。CPU51は、RAM52やROM53に記憶されたプログラムやデータに従って、リモコン端末5各部に対する制御及び各種演算を実行する装置である。先述の複数の無線LANアクセスポイント6の中から接続先を選択する処理は、このCPU51によって実行される。
RAM52は、CPU51から直接アクセスされるメインメモリ等として利用される記憶装置である。ROM53は、リモコン端末5の電源スイッチを切っても記憶内容を保持する記憶装置であり、BIOSや通常であれば更新されない読み出し専用のデータ、プログラム等を記憶している。操作部54は、ユーザからの各種指示を入力するための入力装置であり、表示部55の表示領域に沿って設置されるタッチパネル及び複数のキースイッチ等によって構成される。表示部55は、画像を表示するための表示装置であり、例えば液晶ディスプレイ等によって構成される。赤外線通信部56は、カラオケ装置4との間で所定の赤外線通信規格に沿った赤外線信号を送受信するための通信インタフェースである。無線LAN通信部57は、有線LAN100に接続された無線LANアクセスポイント6との間で無線LAN通信を行うための通信インタフェースである。
有線LAN100に接続している複数の無線LANアクセスポイント6は、所定の無線LAN規格に従った無線通信で端末間を接続するための電波中継機であり、1台で複数の端末と同時に通信を行う機能を有する。また、各無線LANアクセスポイント6は、カラオケ店舗内の各所に分散して配置されている。なお、無線LANアクセスポイント6の構成については周知のものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
各無線LANアクセスポイント6には、それぞれが中継する無線LANの識別子であるESSID(Extended Service Set Identifier)が設定されている。一方、リモコン端末5には、無線LANアクセスポイント6に割当てられたESSIDを特定する情報が予め登録されており、所定の手順に従って接続すべき無線LANのESSIDを選択し、その選択したESSIDに該当の無線LANアクセスポイント6に対して無線接続する。リモコン端末5とカラオケ装置4とは、この無線LANアクセスポイント6を中継することによって、互いにデータ通信を行う。
リモコン端末5が接続すべき無線LANのESSIDを選択する手順として、以下の手順などが考えられる。
(1−1)無線LANアクセスポイント6に対するESSIDの登録は、予め、パーソナルコンピュータやカラオケ装置4等から有線LAN100を介して行い、無線LANアクセスポイント6に登録したESSIDをリモコン端末5にも予め登録しておく。
(1−2)無線LANアクセスポイント6は複数あるので、カラオケ装置4等から個々のアクセスポイントごとに異なるESSIDを登録し、リモコン端末5にもそれら全てのESSIDを登録しておく。リモコン端末5は、複数登録されたESSIDの中から、接続すべき無線LANのESSIDを選択する。
(1−3)もし、複数の無線LANアクセスポイント6の間で同じ値のESSIDを登録した場合、リモコン端末5は、接続先を選択する際に、更にBSSID(Basic Service Set Identifier:無線LANアクセスポイント6のMACアドレス相当の値)を、各無線LANアクセスポイント6からのビーコン信号から抽出する。そこからBSSIDを選択することで、接続すべき無線LANアクセスポイント6を選択する。
または、以下のようにしてもよい。
(2−1)無線LANアクセスポイント6に対するESSIDの登録は、予め、パーソナルコンピュータやカラオケ装置4等から有線LAN100を介して行う。このときに、登録したESSIDとキーワードとを対応付けしたキーワード情報も作成する。このキーワード情報と、キーワード情報が抽出できるフィルタとをリモコン端末5へ予め登録しておく。
(2−2)そして、リモコン端末5は、検出したESSIDのうち、フィルタに合致するキーワードに対応したESSIDだけを表示して、利用者がそのキーワードを選択することで、キーワードに対応する無線LANアクセスポイント6のESSIDを接続先として選択する。
[リモコン端末5及びカラオケ装置4による処理シーケンスの説明]
つぎに、リモコン端末5によるカラオケ装置4の操作を開始するために、リモコン端末5とカラオケ装置4との間で行われる処理の手順について、図2のフローチャートに基づいて説明する。この処理は、リモコン端末5のCPU51及びカラオケ装置4のCPU41によって実行される。
まず、リモコン端末5は、無線LAN通信部57を通じて、自リモコン端末5が最初に接続すべき無線LANとして予め設定されているESSIDに該当の中から、電波強度が最も大きい無線LANアクセスポイント6に該当のものを特定し、それに該当の無線LANアクセスポイント6に対して無線接続する(S101)。以下、この無線接続を初期接続と称する。
つぎに、リモコン端末5は、赤外線通信部56を通じた赤外線通信により、通信可能範囲にあるカラオケ装置4(すなわち、操作対象となるカラオケ装置4)に対して、「括り付け要求」を送信する(S102)。この「括り付け要求」には、そのリモコン端末の識別情報(例えば、シリアルナンバー、IPアドレス等)が含まれる。なお、ここでいう「括り付け」とは、リモコン端末5とその操作対象となるカラオケ装置4とが、赤外線通信を利用して特定の通信相手として双方互いに対応付けることを指す。赤外線通信は部屋の壁や床、天井により遮断されるという特性を利用することで、複数のカラオケ装置4及びリモコン端末5が存在するネットワーク経由で通信を行う場合においても、同じカラオケ室内に備えられたリモコン端末5とカラオケ装置4だけに限定して括り付けをすることができる。
カラオケ装置4は、赤外線通信部47を通じてリモコン端末5からの「括り付け要求」を受信すると、要求元のリモコン端末5の識別情報を通信相手としてメモリに記憶すると共に、「括り付け要求」を受付けた旨の「括り付け通知」を、有線LAN100を通じてネットワーク全体(ブロードキャスト)に送信する(S103)。この「括り付け通知」には、要求元のリモコン端末5の識別情報と、自カラオケ装置4の識別情報(例えば、シリアルナンバー、IPアドレス等)が含まれる。
つぎに、括り付け要求元のカラオケ装置4は、初期接続した無線LANアクセスポイント6を通じてカラオケ装置4から上述の「括り付け通知」受信し、送信元のカラオケ装置4の識別情報を通信相手としてメモリに記憶する(S104)。上記S102〜S104における一連の手続により、リモコン端末5とカラオケ装置4との間で通信相手の括り付けが成立する。
つぎに、リモコン端末5は、初期接続した無線LANアクセスポイント6を通じて、括り付け相手のカラオケ装置4に対して通信接続する(S105)。そして、カラオケ装置4は、RAM42に記憶している接続先管理リストの内容に基づいて接続端末数リストを作成し、これをLAN通信部48を通じて括り付け相手のリモコン端末5へ送信する(S106)。
ここで、上記接続先管理リスト及び接続端末数リストの詳細について、図3を参照しながら説明する。
接続先管理リストは、各リモコン端末5が、今現在にどの無線LANアクセスポイント6に無線接続しているかを一覧にしたものであり、各カラオケ装置4のRAM42に記憶されている。図3(a)に示すとおり、接続先管理リストは、リモコン端末5の識別情報と、そのリモコン端末5の接続先である無線LANアクセスポイント6の識別情報とを対応付けたレコードの集合によって構成される。
この接続先管理リストに用いられるリモコン端末5の識別情報には、例えばシリアルナンバーや、IPアドレス、MACアドレス等を用いることが考えられる。また、無線LANアクセスポイント6の識別情報には、例えばMACアドレスやその個体に設定されたESSID等を用いることが考えられる。ただし、無線LANアクセスポイント6の識別情報としてESSIDを用いる場合、個々の無線LANアクセスポイント6ごとに固有のESSIDが割当てられていることが前提条件である。もし、複数の無線LANアクセスポイント6で1つのESSIDを共有する運用方法である場合、ESSIDだけでは個々の無線LANアクセスポイント6を識別できないため、確実に個々の無線LANアクセスポイント6を識別可能な情報(例えば、MACアドレス等)を用いる。
各カラオケ装置4が管理している接続先管理リストは、リモコン端末5の接続先となった無線LANアクセスポイント6に関する接続先通知情報を、括り付け相手のリモコン端末5又は他のカラオケ装置4から随時通知されることで、その都度更新され、常に最新の情報が維持されるようになっている。接続先管理リストの更新方法の詳細な説明については後述する。
つぎに、接続端末数リストは、各無線LANアクセスポイント6に対して、今現在において何台のリモコン端末5が接続しているかを一覧にしたものである。図3(b)に示すとおり、接続端末数リストは、無線LANアクセスポイント6の識別情報と、その無線LANアクセスポイント6に現在無線接続しているリモコン端末5の台数(接続端末数)とを対応付けたレコードの集合によって構成される。この接続端末数リストは、カラオケ装置4のRAM42に記憶されている接続先管理リストを集計した結果に基づいて作成され、当該カラオケ装置4の括り付け相手であるリモコン端末5へ送信される。
なお、カラオケ装置4は、上述の接続端末数リストをリモコン端末5へ送信する代わりに、RAM42に記憶している接続先管理リストの内容そのものをリモコン端末5へ送信するような構成であってもよい。その場合、送信された接続先管理リストの内容に基づき、送信先のリモコン端末5が上述の接続端末数リストと同様の集計結果を作成し、これを利用する。
図2のフローチャートの説明に戻る。リモコン端末5は、無線LAN通信部57を通じて、括り付け相手のカラオケ装置4から送信された接続端末数リストを受信する(S107)。そして、この接続端末数リストを参照し、自リモコン端末5が現在無線接続している初期接続の無線LANアクセスポイント6における接続端末数が既定の閾値以上になっているか否かを判定する(S108)。
初期接続の無線LANアクセスポイント6における接続端末数が閾値以上になっている場合(S108:YES)、接続端末数リストにおいて接続端末数が閾値未満となっている無線LANアクセスポイント6の中から、電波強度が最大の無線LANアクセスポイント6を選択する。そして、現在継続中の初期接続の接続先から、前記選択した無線LANアクセスポイント6へと無線接続の接続先を切替える(S109)。接続先を切替えた後、S110の処理へ進む。一方、初期接続の無線LANアクセスポイント6における接続端末数が閾値未満である場合(S108:NO)、その無線LANアクセスポイント6との無線接続を継続したままS110の処理へ進む。
S110では、初期接続を継続した結果、あるいは接続先を切替えた結果において、現在無線接続している接続先の無線LANアクセスポイント6の識別情報と、自リモコン端末5の識別情報とを含む接続先通知情報を、無線LAN通信部57を通じて括り付け相手のカラオケ装置4へ送信する。
カラオケ装置4は、括り付け相手のリモコン端末5から接続先の無線LANアクセスポイント6に関する接続先通知情報を受信すると、その接続先通知情報を有線LAN100を通じてネットワーク全体(ブロードキャスト)に送信する(S111)。これにより、送信元のカラオケ装置4と同一のネットワークに存在する他の全てのカラオケ装置4がこの接続先通知情報を受信する。
そして、カラオケ装置4は、括り付け相手のリモコン端末5から受信した接続先通知情報に含まれる識別情報に基づき、自カラオケ装置4が記憶している接続先管理リストに括り付け相手のリモコン端末5の接続先に関する情報を記録し、接続先管理リストの内容を更新する(S112)。
これ以降、上記S101〜S112の処理においてリモコン端末5が無線接続した無線LANアクセスポイント6を通じて、そのリモコン端末5と括り付け相手のカラオケ装置4との間で情報通信が行われ、利用客に対してカラオケサービスが提供される。
[カラオケ装置4が実行する接続先管理リスト更新処理の説明]
つぎに、カラオケ装置4のCPU41が実行する接続先管理リスト更新処理の手順について図4のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、上述のリモコン端末5及びカラオケ装置4による処理シーケンス(図2参照)のS111においてカラオケ装置4によって行われる接続先通知情報の送信に対応して、他のカラオケ装置4が実行する処理である。
カラオケ装置4は、他のカラオケ装置4から、リモコン端末5が無線LANアクセスポイント6に無線接続したことを示す接続先通知情報を受信したか否かを監視する(S201)。そして、他のカラオケ装置4からリモコン端末5の接続先通知情報を受信した場合(S201:YES)、その受信した接続先通知情報に含まれる識別情報に基づき、自カラオケ装置4が記憶している接続先管理リストに当該接続先通知情報に記載のリモコン端末5の接続先に関する情報を記録し、接続先管理リストの内容を更新する(S202)。接続先管理リストの更新後、本処理を終了する。
この処理により、他のカラオケ装置4との間で括り付けが行われたリモコン端末5の接続先に関する情報を、自カラオケ装置4の管理する接続先管理リストに反映することができ、ネットワークに存在する複数のカラオケ装置4の間で共通の接続先管理リストを保有できる。
[効果]
上記実施形態のカラオケネットワークシステム1によれば、下記の効果を奏する。
リモコン端末5は、括り付け相手のカラオケ装置4から取得した接続端末数リスト(特許請求の範囲の接続情報に相当)に基づき、初期接続した無線LANアクセスポイント6における現在の接続端末数が既定の閾値未満以上である場合、接続端末数が閾値未満となる他の無線LANアクセスポイント6を自ら選択して無線接続する。
このようにすることで、1台の無線LANアクセスポイント6におけるリモコン端末5の接続数が過大にならないように接続先を分散させることができ、無線LAN通信におけるスループットの低下を防止できる。
各無線LANアクセスポイント6に対するリモコン端末5の接続数を管理するための構成を専らリモコン端末5及びカラオケ装置4が持つようになっており、無線LANアクセスポイント6には特別な構成を必要としない。よって、無線通信端末の接続数を管理するといった特別の構成を持たない汎用的な無線LANアクセスポイントを使用しながらでも、所期の効果を発揮できる。
有線LAN100に接続している複数のカラオケ装置4の間で、各無線LANアクセスポイント6の接続状況に関する共通の接続管理リストを保有できる。これにより、リモコン端末5がどのカラオケ装置4と括り付けを行う場合でも、各無線LANアクセスポイント6における現在の無線接続状況を確実に取得できるし、接続管理リストを管理する専用機器を個別に用意する必要もない。
[特許請求の範囲に記載の構成との対応]
実施形態のカラオケネットワークシステム1の構成と、特許請求の範囲に記載の構成との対応は次のとおりである。
(1)リモコン端末5について
リモコン端末5のCPU51及び無線LAN通信部57が、特許請求の範囲における初期接続手段、接続情報取得手段、及び接続先通知手段に相当する。また、CPU51及び赤外線通信部56が、通信相手装置特定手段に相当する。また、CPU51が接続先選択手段に相当する。
(2)カラオケ装置4について
カラオケ装置4のRAM42が特許請求の範囲における記憶手段に相当する。また、CPU41及び赤外線通信部47が、通信相手端末特定手段に相当する。また、CPU41及びLAN通信部48が、接続情報送信手段、接続先通知取得手段、及び通知手段に相当する。また、CPU41が、第1の更新手段及び第2の更新手段に相当する。
1…カラオケネットワークシステム、4…カラオケ装置、5…リモコン端末、6…無線LANアクセスポイント、41,51…CPU、42,52…RAM、43.53…ROM、44…HDD、45,54…操作部、46…再生部、55…表示部、47,56…赤外線通信部、48…LAN通信部、57…無線LAN通信部、100…有線LAN。

Claims (2)

  1. カラオケ演奏を行う複数のカラオケ装置と、有線LANと無線LANとを相互接続する複数の無線LANアクセスポイントとが有線LANに接続されており、さらに、前記複数の無線LANアクセスポイントのうちの何れか1つに無線接続し、その無線LANアクセスポイントが中継する無線LANを通じて前記カラオケ装置との間で情報通信を行う複数の無線通信端末を有するカラオケネットワークシステムであって、
    前記無線通信端末は、
    前記複数の無線LANアクセスポイントのうち、所定の初期接続条件に該当の無線LANアクセスポイントに無線接続する初期接続手段と、
    前記複数のカラオケ装置のうち、自無線通信端末との通信相手となる特定のカラオケ装置との間で相互に通信相手の対応付けをする通信相手装置特定手段と、
    前記通信相手装置特定手段により対応付けした通信相手のカラオケ装置から、前記各無線LANアクセスポイントの識別情報と、それらの無線LANアクセスポイントそれぞれにおける前記無線通信端末の現在の接続状況に関する情報とを含む接続情報を、前記初期接続手段により無線接続した無線LANアクセスポイントを通じて取得する接続情報取得手段と、
    前記接続情報取得手段により取得した接続情報に基づき前記無線LANアクセスポイントごとの前記無線通信端末の同時接続数を判定し、前記初期接続した無線LANアクセスポイントにおける同時接続数が所定の閾値以上である場合、現在無線接続している前記無線LANアクセスポイントから、同時接続数が前記閾値未満であり、かつその中で通信電波強度が最大である他の前記無線LANアクセスポイントに接続先を切替える一方、前記初期接続した無線LANアクセスポイントにおける同時接続数が前記閾値未満である場合、そのまま無線接続を継続する接続先選択手段と、
    前記接続先選択手段による処理の結果として現に無線接続する前記無線LANアクセスポイントを示す情報と、自無線通信端末の識別情報とを含む接続先通知情報を前記通信相手のカラオケ装置に対して送信する接続先通知手段とを備え、
    前記カラオケ装置は、
    前記複数の無線LANアクセスポイントそれぞれの識別情報と、それらの無線LANアクセスポイントそれぞれに現在無線接続している前記無線通信端末の識別情報とが対応付けられて記録された接続管理情報を記憶する記憶手段と、
    自カラオケ装置との通信相手となる特定の前記無線通信端末との間で相互に通信相手の対応付けをする通信相手端末特定手段と、
    前記記憶手段に記憶されている接続管理情報に基づき、前記各無線LANアクセスポイントの識別情報と、それらの無線LANアクセスポイントそれぞれにおける前記無線通信端末の現在の接続状況に関する情報とを含む接続情報を、前記通信相手端末特定手段により対応付けした通信相手の無線通信端末に対して送信する接続情報送信手段と、
    前記通信相手の無線通信端末から、その無線通信端末が現に無線接続する前記無線LANアクセスポイントを示す情報とその無線通信端末の識別情報とを含む接続先通知情報を取得する接続先通知取得手段と、
    前記接続先通知取得手段により取得した接続先通知情報を前記有線LAN上の他の前記カラオケ装置に対して通知する通知手段と、
    前記接続先通知取得手段により取得した接続先通知情報の内容に応じて前記記憶手段に記憶されている接続管理情報の内容を更新する第1の更新手段と、
    前記有線LANを通じて他のカラオケ装置から通知された前記接続先通知情報の内容に応じて前記記憶手段に記憶されている接続管理情報の内容を更新する第2の更新手段とを備えること
    を特徴とするカラオケネットワークシステム。
  2. カラオケ演奏を行う複数のカラオケ装置と、有線LANと無線LANとを相互接続する複数の無線LANアクセスポイントとが有線LANに接続されたカラオケネットワークシステムに用いられ、前記複数の無線LANアクセスポイントのうちの何れか1つに無線接続し、その無線LANアクセスポイントが中継する無線LANを通じて前記カラオケ装置との間で情報通信を行う無線通信端末であって、
    前記複数の無線LANアクセスポイントのうち、所定の初期接続条件に該当の無線LANアクセスポイントに無線接続する初期接続手段と、
    前記複数のカラオケ装置のうち、自無線通信端末との通信相手となる特定のカラオケ装置との間で相互に通信相手の対応付けをする通信相手装置特定手段と、
    前記通信相手装置特定手段により対応付けした通信相手のカラオケ装置から、前記各無線LANアクセスポイントの識別情報と、それらの無線LANアクセスポイントそれぞれにおける前記無線通信端末の現在の接続状況に関する情報とを含む接続情報を、前記初期接続手段により無線接続した無線LANアクセスポイントを通じて取得する接続情報取得手段と、
    前記接続情報取得手段により取得した接続情報に基づき前記無線LANアクセスポイントごとの前記無線通信端末の同時接続数を判定し、前記初期接続した無線LANアクセスポイントにおける同時接続数が所定の閾値以上である場合、現在無線接続している前記無線LANアクセスポイントから、同時接続数が前記閾値未満であり、かつその中で通信電波強度が最大である他の前記無線LANアクセスポイントに接続先を切替える一方、前記初期接続した無線LANアクセスポイントにおける同時接続数が前記閾値未満である場合、そのまま無線接続を継続する接続先選択手段と、
    前記接続先選択手段による処理の結果として現に無線接続する前記無線LANアクセスポイントを示す情報と、自無線通信端末の識別情報とを含む接続先通知情報を前記通信相手のカラオケ装置に対して送信する接続先通知手段とを備えること
    特徴とする無線通信端末。
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