JP5229365B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は燃料電池システムに係り、特に、燃料電池の冷却不良による破損を防止し得ると共に、急激な圧力変動や冷却液ポンプの回転数変動に基づく冷却機構が異常であるとの誤診断を防止して、正確な異常判断を行い得る燃料電池システムに関する。
燃料電池システムは、燃料電池の燃料極に燃料ガスとして水素を供給し、燃料電池の酸化剤極に酸化剤ガスとして空気を供給し、これら水素と空気中の酸素とを電気化学的に反応させて発電電力を得るものである。このような燃料電池システムは、例えば自動車の動力源等として実用化に大きな期待が寄せられており、現在、実用化に向けての研究開発が盛んに行われている。
燃料電池システムに用いられる燃料電池としては。例えば自動車に搭載する上で好適なものとして、固体高分子タイプの燃料電池が知られている。固体高分子タイプの燃料電池は、燃料極と酸化剤極との間に電解質膜として固体高分子膜が設けられたものである。この固体高分子タイプの燃料電池では、固体高分子膜がイオン伝導体として機能し、燃料極で水素が水素イオンと電子とに分離される反応が起き、酸化剤極で空気中の酸素と水素イオンと電子とから水を生成する反応が行われる。
このような燃料電池システムにおいては、固体高分子タイプの燃料電池は、適正な作動温度が80℃程度と比較的低く、過熱時にはこれを冷却することが必要で、例えば冷却液ポンプを用いて冷却液を燃料電池とラジエータに循環させる液怜式の冷却機構を備えている。
この冷却機構が故障すると燃料電池を適正な作動温度に維持できなくなり、燃料電池を良好な発電状態に維持できなくなることから、冷却機構に故障が生じた場合にはこれを早期に検出し適切な措置を施す必要がある。例えば、特開2004−178849号公報の「燃料電池冷却システムの故障検知方法」では、燃料電池内の冷却水通路に冷却水ポンプで冷却水を送り込み燃料電池を冷却する燃料電池冷却システムにおいて、燃料電池の冷却水入口と冷却水出口の冷却水圧力差が冷却水ポンプの回転数から決定される閾値以下の状態を所定時間継続した場合に、燃料電池冷却システムが故障していると判定する技術が提案されている。
特開2004−178849号公報
しかしながら、上述した特許文献1に開示された冷却水を用いる燃料電池冷却システムにおいては、冷却水に空気が混入してしまう可能性があり、その場合、冷却ラインに設けた圧力センサには一時的な冷却水の圧力低下が見られたり、また、冷却水ポンプには一時的な回転数上昇が見られたりすることがある。
少量の空気混入では冷却不良による燃料電池スタック破損を招くことはないが、冷却水の圧力もしくは冷却水ポンプの回転数によって冷却ラインの異常を診断するシステムにおいては、これらの一時的な圧力低下もしくは回転数上昇によって燃料電池冷却システムが故障していると判断してしまう可能性があった。
また、冷却水への空気の混入を想定し、圧力低下が所定時間経過しなければ冷却ラインの異常を判定しないシステムでは、多数の気泡が存在する場合は、正確に異常判断をすることができず、燃料電池スタックに冷却不良による悪影響を与える可能性があった。
本発明は、上記従来の事情に鑑みてなされたものであって、冷却液に空気が混入していると判断されたときに燃料電池の出力を制限し、未然に燃料電池の発熱を低く抑え、燃料電池の冷却不良による破損を防止し得る燃料電池システムを提供することを目的としている。
また本発明の他の目的は、急激な圧力変動や冷却液ポンプの回転数変動に基づく冷却機構が異常であるとの誤診断を防止して、正確な異常判断を行い得る燃料電池システムを提供することにある。
上記目的を解決するため、本発明は、燃料ガスおよび酸化剤ガスの供給により発電を行う燃料電池と、前記燃料電池に冷却液を冷却液ポンプにより循環供給する冷却系と、前記冷却液の状態を検出する状態検出手段と、前記状態検出手段の検出結果に基づき前記冷却液に空気が混入しているか否かを判断する判断手段と、前記判断手段により前記冷却液に空気が混入していると判断されたとき、前記燃料電池の出力を制限する出力制御手段とを備え、前記状態検出手段は、前記冷却液の温度を検出する冷却液温度検出手段であり、前記判断手段は、前記冷却液ポンプの実回転数が前記燃料電池の出力または前記冷却液温度検出手段による冷却液温度検出値の少なくとも一方から算出される前記冷却液ポンプの目標回転数の上限閾値より所定時間以内だけ上回り、その後再び該上限閾値を下回って該目標回転数付近に戻る場合に、前記冷却液に空気が混入していると判断することを特徴とする。
本発明に係る燃料電池システムでは、判断手段により、冷却液の状態を検出する状態検出手段の検出結果に基づき冷却液に空気が混入しているか否かを判断し、出力制御手段において、判断手段によって冷却液に空気が混入していると判断されたときに燃料電池の出力を制限するので、未然に燃料電池の発熱を低く抑え、燃料電池の冷却不良による破損を防止することができる。
本発明の実施形態に係る燃料電池システムの構成図である。 冷却液への空気混入と冷却液圧力(スタック入口)との関係を説明する説明図である。 冷却液への空気混入時に燃料電池スタック1の出力制限を行う処理手順を説明するフローチャートである。 冷却液への空気混入量に応じた燃料電池スタック1の出力制限を説明する説明図である。 冷却液への空気混入時に行われる燃料電池スタック1の出力制限のタイミングを説明するタイミングチャートである。 冷却液への空気混入と冷却液ポンプ4の回転数との関係を説明する説明図である。
以下、本発明の燃料電池システムの実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は本発明の実施形態1に係る燃料電池システムの構成図である。本実施形態の燃料電池システムは、例えば燃料電池車両の駆動動力源として用いられるものであり、図1に示すように、水素および空気の供給により発電を行う燃料電池スタック1を備える。
また、冷却機構として、ラジエータ2、ラジエータファン2b、冷却液ライン3、冷却液ポンプ4、冷却液圧力センサ(スタック入口)6、冷却液温度センサ(スタック入口)7および冷却液温度センサ(スタック出口)8を備え、制御系としてコントローラ5を備えている。
燃料電池スタック1は、燃料ガスである水素が供給される燃料極と酸化剤ガスである空気が供給される酸化剤極とが電解質を挟んで重ね合わされて発電セルが構成されると共に、複数の発電セルが多段積層されたスタック構造を有しており、水素と空気中の酸素とを基にした電気化学反応により化学エネルギを電気エネルギに変換するものである。この燃料電池スタック1の各発電セルでは、燃料極に供給された水素が水素イオンと電子とに分離される反応が起き、水素イオンは電解質を通り、電子は外部回路を通って電力を発生させ、酸化剤極にそれぞれ移動する。酸化剤極では、供給された空気中の酸素と電解質を通って移動した水素イオンおよび電子が反応して水が生成され、外部に排出される。
燃料電池スタック1の電解質としては、高エネルギ密度化、低コスト化、軽量化等を考慮して、例えば固体高分子電解質膜が用いられる。固体高分子電解質膜は、例えばフッ素樹脂系イオン交換膜等、イオン(プロトン)伝導性の高分子膜からなるものであり、飽和含水することによりイオン伝導性電解質として機能する。
なお、燃料電池スタック1で発電を行うには、燃料ガスである水素や酸化剤ガスである空気を各発電セルの燃料極や酸化剤極に供給する必要があり、燃料電池システムでは、そのための機構として水素供給系(水素タンク、圧力制御弁、水素供給流路等)および空気供給系(コンプレッサ、空気供給流路等)が設けられているが、本発明と直接的に関係しないために図1では省略しており、その機能等についても説明を省略する。
また、燃料電池スタック1を冷却する冷却機構が設けられている。例えば、固体高分子電解質型の燃料電池スタック1は、適正な作動温度が80℃程度と比較的低く、燃料電池スタック1の発電によって生じた熱を冷却し、燃料電池スタック1を適温に保つ必要がある。冷却機構は、冷媒を循環させる冷却液ライン3および冷却液ポンプ4を有し、例えば水にエチレングリコール等の凍結防止剤を混入した冷却液を循環させて燃料電池スタック1を冷却し、これを最適な温度に維持する。
冷却機構の冷却液ライン3中には、ラジエータ2が設けられている。ラジエータ2は、コントローラ5によって動作制御されラジエータファン2bにより、ラジエータ2出口温度が所望の温度になるように冷却液を温度調整する。すなわち、冷却ライン3に設けられた燃料電池スタック1の入口の冷却液温度を検出するための温度センサ7、或いは、燃料電池スタック1の出口の冷却液温度を検出するための温度センサ8の少なくとも一方の値を用い、燃料電池スタック1が適温になるようにラジエータ2のラジエータファン2b回転数や冷却液ポンプ4の回転数がコントローラ5で制御される。
さらに、制御系のコントローラ5は、例えばCPUやROM、RAM、周辺インターフェース等を有するマイクロコンピュータとして構成されており、各種センサの検出値を読み込んで、その検出値に対する判断、演算結果により、各種制御信号を出力して、燃料電池システムの各部における動作を制御する。
本実施形態のコントローラ5は、その構成要素として判断手段および出力制御手段を備えているが、これら手段はCPU上で実行されるプログラムの機能的なまとまりを表したものである。判断手段は、冷却液の状態を検出する状態検出手段(本実施形態では冷却液圧力センサ6が該当する)の検出結果に基づき冷却液に空気が混入しているか否かを判断し、出力制御手段は、判断手段により冷却液に空気が混入していると判断されたとき、燃料電池スタック1の出力を制限する。
より具体的には、状態検出手段は、冷却液の圧力を検出する冷却液圧力検出手段(冷却液圧力センサ6)であって、判断手段は、冷却液圧力検出手段(冷却液圧力センサ6)による冷却液圧力検出値が冷却液ポンプ4の回転数から推定される冷却液圧力推定値の下限閾値を所定時間以内だけ下回り、その後再び該下限閾値を上回る場合に、冷却液に空気が混入していると判断する。
また、出力制御手段は、判断手段における冷却液圧力検出値が冷却液圧力推定値の下限閾値を下回っている時間の単位時間あたりの長さに応じて、燃料電池スタック1の出力上限値を変化させる。さらに、判断手段により冷却液に空気が混入していると判断されたとき、冷却液中の空気が混入している箇所の燃料電池スタック1への流入タイミングまたは燃料電池スタック1からの流出タイミングに合わせて燃料電池スタック1の出力制限を開始または終了する。
次に、以上のように構成される本実施形態の燃料電池システムの運転時の動作について、図2、図3、図4および図5を参照しながら説明する。ここで、図2は冷却液への空気混入と冷却液圧力(スタック入口)との関係を説明する説明図であり、図3は冷却液への空気混入時に燃料電池スタック1の出力制限を行う処理手順を説明するフローチャートであり、図4は冷却液への空気混入量に応じた燃料電池スタック1の出力制限を説明する説明図であり、図5は冷却液への空気混入時に行われる燃料電池スタック1の出力制限のタイミングを説明するタイミングチャートである。
冷却液が正常に循環していない場合、燃料電池スタック1から安定した電力を得られないばかりか、最悪の場合には燃料電池スタック1を破損してしまう可能性があるため、燃料電池システムにおける冷却機構の異常は常に監視されていなければならない。そこで本実施形態では、冷却ライン3に設けられた燃料電池スタック1の入口の冷却液圧力を検出するための冷却液圧力センサ6を用い、該冷却液圧力センサ6の値が冷却液ポンプ4の回転数から推定される冷却液圧力推定値に対して大きくかけ離れている場合は、冷却液ポンプ4の故障や冷却ライン3の詰まり、或いは冷却ライン3からの水漏れなど、燃料電池システムの冷却機構に何らかの異常があると判断し、当該燃料電池システムを停止させる。
ただし、冷却液を用いる燃料電池システムの冷却機構では、冷却液に空気が混入してしまう可能性があり、その場合、例えば図2に示すように、冷却ライン3に設けた冷却液圧力センサ6には一時的に冷却液圧力の低下が見られ、その後回復することがある。少量の空気混入では冷却不良による燃料電池スタック1の破損を招くことはないが、冷却液の圧力によって燃料電池システムの冷却機構の異常を診断するシステムにおいては、これらの一時的な圧力低下によって燃料電池システムの冷却機構に異常があると判断し、燃料電池システムの運転を停止してしまう可能性があった。
そこで本実施形態では、冷却液圧力センサ6の冷却液圧力検出値Pが冷却液ポンプ4の回転数から推定される冷却液圧力推定値の下限閾値Pminを下回り、その下限閾値Pminを下回っている状態の時間を積算する圧力低下時間積算値Cが所定時間Cmaxを経過するまでに再び下限閾値Pminを上回った場合は、冷却液に空気が混入していると判断し、冷却機構に故障があるとの判定をしない。例えば、図2においては、T11〜T12の期間とT13〜T14の期間に、冷却液圧力検出値Pが冷却液圧力推定値の下限閾値Pminを下回っているが、それらの期間が所定時間Cmaxを経過していないので、冷却機構の故障と判定されない。
なお、冷却液に混入した空気は、その量に応じて燃料電池スタック1の冷却に与える影響が異なる。すなわち、空気混入量が多いほど燃料電池スタック1から奪える熱が少なくなるため冷却が不利になる。そこで本実施形態では、図4に示すように、単位時間あたりの冷却液圧力が下限閾値Pminを下回っている時間(圧力低下異常時間)の長さに応じて、燃料電池スタック1の出力上限値を変化させている。例えば図4においては、単位時間あたりの圧力低下異常時間がTαを超えてTβに至るまで、燃料電池スタック1の出力上限値を通常値のWmaxaからWmaxbまで徐々に(逆比例の関係で)下げて行き、単位時間あたりの圧力低下異常時間がTβを超えると、発電を停止して燃料電池スタック1からの電力取出しを停止している。
このように、冷却液の空気混入量が多いほど燃料電池スタック1の出力上限値が低くなるため、燃料電池スタック1の発熱量が抑えられ冷却不良による燃料電池スタック1の破損を防止することができる。逆に、空気混入量が微量で燃料電池スタック1の冷却にほとんど影響がない状況では、燃料電池スタック1からほぼフル出力取り出すことが可能となる。
さらに、冷却液に空気の混入が検出された場合でも、燃料電池スタック1の冷却に悪影響を及ぼすのは、空気の混入した冷却液が燃料電池スタック1内を流れている時のみであって、燃料電池スタック1の内部にない冷却液中の空気は燃料電池スタック1の冷却に影響がない。そこで本実施形態では、図5に示すように、冷却液ポンプ4の回転数または冷却ライン3に設置された流量計から冷却液の流量を求め、圧力低下が検知された時間から冷却液中の空気が混入した箇所が燃料電池スタック1内に流入する(tb)までの時間(tb−ta)を算出し、また、冷却液中の空気が混入した箇所が燃料電池スタック1に流入して(tb)から流出する(tc)までの時間(tc−tb)を算出して、冷却液中の空気が混入した箇所が燃料電池スタック1内に出入りするタイミングに合わせて燃料電池スタック1の出力上限値を変化させて出力制限を行っている。これにより、出力制限をかけている時間を極力短くし、無用な電力不足を回避することができる。
次に、図3のフローチャートを参照して、冷却液への空気混入時に燃料電池スタック1の出力制限を行う処理手順を説明する。なお、図3の一連の処理は所定時間毎に繰り返し実行されるものである。
まず、冷却液圧力センサ6の冷却液圧力検出値Pが冷却液ポンプ4の回転数から推定される冷却液圧力推定値の下限閾値Pminを超えているか否かを判断する(ステップS102)。
ステップS102において、冷却液圧力検出値Pが冷却液圧力推定値の下限閾値Pmin以下であれば、冷却液に空気が混入した可能性があると判断されるので、冷却液圧力検出値Pが冷却液圧力推定値の下限閾値Pminを下回っている状態の時間を積算する圧力低下時間積算値Cをカウントアップする(ステップS107)。ここで、圧力低下時間積算値Cの初期値C(0)は“0”である。
次に、圧力低下時間積算値Cが所定値Cmax以上となったか否かを判断する(ステップS108)。ステップS108において、冷却液圧力検出値Pが冷却液圧力推定値の下限閾値Pminを下回った状態が所定時間Cmax続いた(圧力低下時間積算値Cが所定値Cmax以上)場合には、燃料電池システムの冷却機構に故障が発生したと判断し、発電を停止する(ステップS109)。またステップS108において、圧力低下時間積算値Cが所定値Cmaxに達していない場合には、当該出力制限処理のルーチンを終了する。
一方、ステップS102において、冷却液圧力検出値Pが冷却液圧力推定値の下限閾値Pminを超えていれば、現時点では通常の状態であるが、直前に冷却液に空気が混入してその後回復した可能性もあるので、圧力低下時間積算値Cに基づいて一時的に冷却液圧力が低下した後に回復したものであるか否かを判断する(ステップS103)。
ステップS103において、圧力低下時間積算値Cが“0”であれば直前に冷却液に空気が混入してその後回復したものではないので、出力制限を行わないで当該処理ルーチンを終了する。
またステップS103において、圧力低下時間積算値Cが“0”を超える値であれば、直前に一時的に冷却液圧力が低下した後に回復したものであると判断されるので、燃料電池スタック1の出力制限を行うべく出力上限値Wmaxを算出する(ステップS104)。
ここで、出力上限値Wmaxは、図4に示したように、圧力低下時間積算値Cの関数f(C)であって、圧力低下時間積算値Cに基づき求められる単位時間当たりの圧力低下異常時間に応じてWmaxaからWmaxbまで減少する値として算出される。
また、図5の出力制限のタイミングチャートに示すように、圧力低下が検知された時間(ta)から冷却液中の空気が混入した箇所が燃料電池スタック1内に流入する(tb)までの時間(tb−ta)では主力制限を行わずに出力上限値をWmaxaのままとし、冷却液中の空気が混入した箇所が燃料電池スタック1に流入して(tb)から流出する(tc)までの時間(tc−tb)に出力上限値Wmax=f(C)とする出力制限を行う。ここで、時間(tb−ta)および(tc−tb)はそれぞれ冷却液の流量sの関数g1(s)およびg2(s)である。
ステップS104の出力制限を行った後、圧力低下時間積算値Cの値を初期値“0”に戻して(ステップS105)、当該処理ルーチンを終了する。
以上説明したように、本実施形態の燃料電池システムでは、燃料電池スタック1に冷却液を冷却液ポンプ4により循環供給する冷却系を備えた燃料電池システムにおいて、コントローラ5内の判断手段により、冷却液の状態を検出する状態検出手段(冷却液圧力センサ6)の検出結果に基づき冷却液に空気が混入しているか否かを判断し、コントローラ5内の出力制御手段においては、判断手段によって冷却液に空気が混入していると判断されたときに燃料電池スタック1の出力を制限する。これにより、未然に燃料電池スタック1の発熱を低く抑え、燃料電池スタック1の冷却不良による破損を防止することができる。
また、本実施形態の燃料電池システムでは、状態検出手段を冷却液の圧力を検出する冷却液圧力検出手段(冷却液圧力センサ6)として、コントローラ5内の判断手段において、冷却液圧力検出手段(冷却液圧力センサ6)による冷却液圧力検出値が冷却液ポンプ4の回転数から推定される冷却液圧力推定値の下限閾値を所定時間以内だけ下回り、その後再び該下限閾値を上回る場合に、冷却液に空気が混入していると判断する。これにより、冷却液への空気混入に起因する急激な圧力変動に基づく冷却機構が異常であるとの誤診断を防止することができ、また、冷却液の空気混入検知のための新たな装置の設置が必要ないので装置コストを低く抑えることができる。
また、本実施形態の燃料電池システムでは、コントローラ5内の出力制御手段において、コントローラ5内の判断手段における冷却液圧力検出値が冷却液圧力推定値の下限閾値を下回っている時間の単位時間あたりの長さに応じて、燃料電池スタック1の出力上限値を変化させる。これにより、冷却液圧力推定値が下限閾値を下回っている時間が長く、冷却液への空気混入量が多いと推定される場合は、燃料電池スタック1の出力上限値を低くすることによって燃料電池スタック1の発熱を低く抑え、燃料電池スタック1の冷却不良による破損を防止することができる。逆に、空気混入量が微量と推定される場合は、燃料電池スタック1からほぼ最大出力を取り出すことができ、無用な出力制限を避けることができる。
さらに、本実施形態の燃料電池システムでは、コントローラ5内の判断手段により冷却液に空気が混入していると判断されたとき、冷却液中の空気が混入している箇所の燃料電池スタック1への流入タイミングまたは燃料電池スタック1からの流出タイミングに合わせて燃料電池スタック1の出力制限を開始または終了する。これにより、燃料電池スタック1に出力制限をかける時間を極力短くでき、出力制限による電力不足を最小限に抑えることができる。
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2に係る燃料電池システムについて説明する。実施形態2の燃料電池システムは、実施形態1の燃料電池システムにおいて冷却液圧力センサ6の値と冷却液ポンプ4の回転数から推定される冷却液圧力推定値との2つの値の差から冷却液中の空気混入の有無を判別したに対し、冷却液ポンプ4の実回転数と燃料電池スタック1の出力或いは冷却液の温度の少なくとも一方から算出される冷却液ポンプ4の目標回転数との2つの差から冷却液中の空気混入の有無を判別するものである。
実施形態2の燃料電池システムの構成は、実施形態1の構成(図1)と同等であり、各構成要素の具体的説明を省略する。
なお、コントローラ5は、実施形態1と同様にその構成要素として、状態検出手段の検出結果に基づき冷却液に空気が混入しているか否かを判断する判断手段と、該判断手段により冷却液に空気が混入していると判断されたとき、燃料電池スタック1の出力を制限する出力制御手段と、を備えるが、状態検出手段を冷却液の温度を検出する冷却液温度検出手段(冷却液温度センサ(スタック入口)7および冷却液温度センサ(スタック出口)8)とし、判断手段において、冷却液ポンプ4の実回転数が燃料電池スタック1の出力または冷却液温度検出手段による冷却液温度検出値の少なくとも一方から算出される冷却液ポンプ4の目標回転数の上限閾値より所定時間以内だけ上回り、その後再び該上限閾値を下回って該目標回転数付近に戻る場合に、冷却液に空気が混入していると判断するという点が実施形態1とは異なる。
また、出力制御手段において、判断手段における冷却液ポンプ4の実回転数が目標回転数の上限閾値を上回っている時間の単位時間あたりの長さに応じて、燃料電池スタック1の出力上限値を変化させる点も実施形態1とは異なる。またさらに、判断手段により冷却液に空気が混入していると判断されたときには、実施形態1と同様に、冷却液中の空気が混入している箇所の燃料電池スタック1への流入タイミングまたは燃料電池スタック1からの流出タイミングに合わせて燃料電池スタック1の出力制限を開始または終了する。
次に、以上のように構成される本実施形態の燃料電池システムの運転時の動作について、図6を参照しながら説明する。ここで、図6は冷却液への空気混入と冷却液ポンプ4の回転数との関係を説明する説明図である。
冷却液を用いる燃料電池システムの冷却機構において、冷却液に空気が混入した場合、例えば図6に示すように、冷却液ポンプ4の実回転数は一時的に上昇し、その後、元の目標回転数Rset付近の回転数に戻ることがある。そこで本実施形態では、冷却液ポンプ4の実回転数が燃料電池スタック1の出力または冷却液温度検出手段による冷却液温度検出値の少なくとも一方から算出される冷却液ポンプ4の目標回転数の上限閾値Rmaxを上回り、その上限閾値Rmaxを上回っている状態の時間を積算する回転数上昇時間積算値Cが所定時間Cmaxを経過するまでに、再び該上限閾値Rmaxを下回って該目標回転数Rset付近に戻る場合は、冷却液に空気が混入していると判断し、冷却機構に故障があるとの判定をしない。例えば、図6においては、T21〜T22の期間とT23〜T24の期間に、冷却液ポンプ4の実回転数が目標回転数の上限閾値Rmax上回っているが、それらの期間が所定時間Cmaxを経過していないので、冷却機構の故障と判定されない。
また、実施形態1(図4参照)と同様に、単位時間あたりの冷却液ポンプ4の実回転数が目標回転数の上限閾値Rmaxを上回っている時間(回転数上昇異常時間)の長さに応じて、燃料電池スタック1の出力上限値を変化させている。例えば図4と同様に、単位時間あたりの回転数上昇異常時間がTαを超えてTβに至るまで、燃料電池スタック1の出力上限値を通常値のWmaxaからWmaxbまで徐々に(逆比例の関係で)下げて行き、単位時間あたりの回転数上昇異常時間がTβを超えると、発電を停止して燃料電池スタック1からの電力取出しを停止するようにする。
このように、冷却液の空気混入量が多いほど燃料電池スタック1の出力上限値が低くなるため、燃料電池スタック1の発熱量が抑えられ冷却不良による燃料電池スタック1の破損を防止することができる。逆に、空気混入量が微量で燃料電池スタック1の冷却にほとんど影響がない状況では、燃料電池スタック1からほぼフル出力取り出すことが可能となる。
さらに、実施形態1(図5参照)と同様に、冷却液ポンプ4の回転数または冷却ライン3に設置された流量計から冷却液の流量を求め、回転数上昇が検知された時間(ta)から冷却液中の空気が混入した箇所が燃料電池スタック1内に流入する(tb)までの時間(tb−ta)を算出し、また、冷却液中の空気が混入した箇所が燃料電池スタック1に流入して(tb)から流出する(tc)までの時間(tc−tb)を算出して、冷却液中の空気が混入した箇所が燃料電池スタック1内に出入りするタイミングに合わせて燃料電池スタック1の出力上限値を変化させて出力制限を行っている。これにより、出力制限をかけている時間を極力短くし、無用な電力不足を回避することができる。
以上説明したように、本実施形態の燃料電池システムでは、状態検出手段を冷却液の温度を検出する冷却液温度検出手段(冷却液温度センサ(スタック入口)7および冷却液温度センサ(スタック出口)8)とし、コントローラ5内の判断手段において、冷却液ポンプ4の実回転数が燃料電池スタック1の出力または冷却液温度検出手段(冷却液温度センサ7,8)による冷却液温度検出値の少なくとも一方から算出される冷却液ポンプ4の目標回転数の上限閾値より所定時間以内だけ上回り、その後再び該上限閾値を下回って該目標回転数付近に戻る場合に、冷却液に空気が混入していると判断する。これにより、冷却液への空気混入に起因する急激な冷却液ポンプ回転数変動に基づく冷却機構が異常であるとの誤診断を防止することができ、また、冷却液の空気混入検知のための新たな装置の設置が必要ないので装置コストを低く抑えることができる。
また、本実施形態の燃料電池システムでは、コントローラ5内の出力制御手段において、コントローラ5内の判断手段における冷却液ポンプ4の実回転数が目標回転数の上限閾値を上回っている時間の単位時間あたりの長さに応じて、燃料電池スタック1の出力上限値を変化させる。これにより、冷却液ポンプ4の実回転数が上限閾値を上回っている時間が長く、冷却液への空気混入量が多いと推定される場合は、燃料電池スタック1の出力上限値を低くすることによって燃料電池スタック1の発熱を低く抑え、燃料電池スタック1の冷却不良による破損を防止することができる。逆に、空気混入量が微量と推定される場合は、燃料電池スタック1からほぼ最大出力を取り出すことができ、無用な出力制限を避けることができる。
さらに、本実施形態の燃料電池システムでは、コントローラ5内の判断手段により冷却液に空気が混入していると判断されたとき、冷却液中の空気が混入している箇所の燃料電池スタック1への流入タイミングまたは燃料電池スタック1からの流出タイミングに合わせて燃料電池スタック1の出力制限を開始または終了する。これにより、燃料電池スタック1に出力制限をかける時間を極力短くでき、出力制限による電力不足を最小限に抑えることができる。
1 燃料電池スタック
2 ラジエータ
2b ラジエータファン
3 冷却液ライン
4 冷却液ポンプ
5 コントローラ
6 冷却液圧力センサ
7 冷却液温度センサ(スタック入口)
8 冷却液温度センサ(スタック出口)

Claims (1)

  1. 燃料ガスおよび酸化剤ガスの供給により発電を行う燃料電池と、
    前記燃料電池に冷却液を冷却液ポンプにより循環供給する冷却系と、
    前記冷却液の状態を検出する状態検出手段と、
    前記状態検出手段の検出結果に基づき前記冷却液に空気が混入しているか否かを判断する判断手段と、
    前記判断手段により前記冷却液に空気が混入していると判断されたとき、前記燃料電池の出力を制限する出力制御手段とを備え、
    前記状態検出手段は、前記冷却液の温度を検出する冷却液温度検出手段であり、
    前記判断手段は、前記冷却液ポンプの実回転数が前記燃料電池の出力または前記冷却液温度検出手段による冷却液温度検出値の少なくとも一方から算出される前記冷却液ポンプの目標回転数の上限閾値より所定時間以内だけ上回り、その後再び該上限閾値を下回って該目標回転数付近に戻る場合に、前記冷却液に空気が混入していると判断することを特徴とする燃料電池システム。
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