JP5228996B2 - 電動車両の制振制御装置 - Google Patents
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Description
前記第1トルク目標値算出手段は、ドライバー要求に基づくフィードフォワード演算により第1トルク目標値を算出する。
前記第2トルク目標値算出手段は、トルク入力−モータ回転数の伝達特性のモデルを用いたフィードバック演算により第2トルク目標値を算出する。
前記モータトルク指令値設定手段は、前記第1トルク目標値と前記第2トルク目標値に基づく演算によりモータトルク指令値とする。
そして、前記第2トルク目標値算出手段は、ブレーキ制動力を入力し、ブレーキ制動力に対するモータ回転数の伝達関数によるフィルタを用いてモータ回転数推定値補正量を算出する規範応答補正量算出部を有する。
すなわち、ブレーキ制動力発生時でも、ブレーキ制動力に対するモータ回転数の伝達関数を用いることで、規範応答による正しいモータ回転数推定値補正量を算出できる。このため、余分な振動抑制補償の出力を抑えることが可能となり、発生する減速度を減じてブレーキ効き感を悪化させるのを防ぐ。
この結果、ブレーキ制動力の発生時、余分な振動抑制補償の出力を抑え、ブレーキ効き感の悪化を防止することができる。
図1は、実施例1の制振制御装置が適用された後輪駆動によるFRハイブリッド車両(電動車両の一例)を示す全体システム図である。
実施例1におけるFRハイブリッド車両の制御系は、図1に示すように、エンジンコントローラ1と、モータコントローラ2と、インバータ3と、バッテリ4と、第1クラッチコントローラ5と、第1クラッチ油圧ユニット6と、ATコントローラ7と、第2クラッチ油圧ユニット8と、ブレーキコントローラ9と、統合コントローラ10と、を有して構成されている。なお、エンジンコントローラ1と、モータコントローラ2と、第1クラッチコントローラ5と、ATコントローラ7と、ブレーキコントローラ9と、統合コントローラ10とは、情報交換が互いに可能なCAN通信線11を介して接続されている。
ここで、ブレーキ制動力−モータ回転数の伝達関数Gpb(s)は、伝達関数Gpb(s)が持つ2次振動特性の減衰係数ζpを、ブレーキ制動力による振動も含めて規範応答を算出する車両同定値に設定している。
そして、モータトルク指令値Tm*は、これにトルク外乱要素Tdを加え、インバータ3を介して実プラントGp'(s)に入り、実プラントGp'(s)からの出力によってモータ回転数ωmが得られる。
Jm:モータのイナーシャ
Jw:駆動輪のイナーシャ
M:車両の質量
Kd:駆動系の捩り剛性
Kt:タイヤと路面の摩擦に関する係数
N:オーバーオールギア比
r:タイヤの荷重半径
ωm:モータの角速度(=モータ回転数)
Tm:モータのトルク
TD:駆動輪のトルク
Fbrk:ブレーキ制動力
F:車両に加えられる力
V:車両の速度
ωw:駆動輪の角速度
であり、図4から以下の運動方程式を導くことができる。
Jm・d(ωm)=Tm−TD/N …(1)
2Jw・d(ωm)=TD−rF−Fbrk …(2)
M・d(V)=F …(3)
TD=KD∫(ωm/N−ωw)dt …(4)
F=KT(rωw−V) …(5)
ここで、符号に付されている「d(符号)」は時間微分を表す。
Gpb(s)=(b1・s+b0)/s(a4・s3+a3・s2+a2・s+a1) …(6)
a4=2Jm・Jw・M …(7)
a3=Jm(2Jw+Mr2)・KT …(8)
a2={Jm+(2Jw/N2)}・M・KD …(9)
a1={Jm+(2Jw/N2)+(Mr2/N2)}・KD・KT …(10)
b1=(−KD・M/N) …(11)
b0=(−KD・KT/N) …(12)
そして、伝達関数Gpb(s)は2次の振動特性を有することがわかっているので、式(6)は、
Gpb(s)=(b1・s+b0)/s(s+α)(s2+2ζpωps+ωp2) …(6')
但し、0<ζp(減衰係数)<1
と表すことができる。
まず、「比較例の課題」の説明を行い、続いて、実施例1のFRハイブリッド車両の制振制御装置における「ブレーキ制動力発生時の補償出力による振動抑制作用」を説明する。
比較例1(例えば、特開2003−9566号公報)では、電動モータを動力源とする車両において、モータ回転数検出手段と、第1のトルク目標値設定手段と、後述するモータトルク指令値を入力して、車両へのトルク入力−モータ回転数の伝達特性のモデルGp(s)に相当する特性を有するフィルタを通して、モータ回転数を推定するモータ回転数推定手段と、前記モータ回転数推定値と前記モータ回転数検出値の偏差をとる減算手段と、前記減算手段で算出された偏差を入力し、伝達特性のモデルGp(s)を用いた、H(s)/Gp(s)なるフィルタを通して、第2のトルク目標値の算出手段とから構成される。
シミュレーション条件は、入力として、モータトルク指令0Nm-100Nmを0.5秒の時点でステップ的に与えて発進し、モータトルク指令100Nm-0Nmを1.3秒の時点でステップ的に与えてR/L走行(ロード・ロード走行)に移行し、さらに、2.0秒の時点で0.2Gブレーキ制動を与えて停止する。
シミュレーション条件は、入力として、モータトルク指令0Nm-100Nmを0.5秒の時点でステップ的に与えて発進し、モータトルク指令100Nm-0Nmを1.3秒の時点でステップ的に与えてR/L走行(ロード・ロード走行)に移行し、さらに、2.0秒の時点で0.2Gブレーキ制動を与えて停止する。
実施例1では、第2トルク目標値算出手段102にてF/B演算により第2トルク目標値Tm*2を算出するに際し、規範応答補正量算出部102aにおいて、ブレーキ制動力Fbrkを入力し、ブレーキ制動力に対するモータ回転数の伝達関数Gpb(s)によるフィルタを用いてモータ回転数推定値補正量が算出される。
すなわち、ブレーキ制動力発生時でも、ブレーキ制動力に対するモータ回転数の伝達関数Gpb(s)を用いることで、規範応答による正しいモータ回転数推定値補正量を算出できる。このため、余分な振動抑制補償の出力を抑えることが可能となり、発生する減速度を減じてブレーキ効き感を悪化させるのを防ぐ。
したがって、ブレーキ制動力Fbrkの発生時、余分な振動抑制補償の出力(=余分なF/Bトルクの出力)を抑え、ブレーキ効き感の悪化を防止することができる。
シミュレーション条件は、入力として、モータトルク指令0Nm-100Nmを0.5秒の時点でステップ的に与えて発進し、モータトルク指令100Nm-0Nmを1.3秒の時点でステップ的に与えてR/L走行(ロード・ロード走行)に移行し、さらに、2.0秒の時点で0.2Gブレーキ制動を与えて停止する。
このため、ブレーキ制動力Fbrkによる振動も含めた規範応答により、ブレーキ制動時に回転数変動があってもF/Bトルクを出力せず、振動を整然と抑えたブレーキ減速を実現することができる。
実施例1のFRハイブリッド車両の制振制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
このため、ブレーキ制動力Fbrkの発生時、余分な振動抑制補償の出力を抑え、ブレーキ効き感の悪化を防止することができる。
このため、ブレーキ制動力Fbrkの発生時、余分な振動抑制補償の出力を抑えながら、バンドパスフィルタの特性を有する伝達特性H(s)の遮断周波数、ゲインを最適化することで、ギアのバックラッシュなどに起因する外乱トルクによる振動に対する抑制効果を向上させることができる。
このため、ブレーキ制動時に回転数変動があってもF/Bトルクを出力せず、振動を整然と抑えたブレーキ減速を実現することができる。
実施例2の制振制御系は、図8に示すように、ドライバー要求に基づくF/F演算により第1トルク目標値Tm*1を算出する第1トルク目標値算出手段101と、トルク入力−モータ回転数の伝達特性のモデルGp(s)を用いたF/B演算により第2トルク目標値Tm*2を算出する第2トルク目標値算出手段102と、前記第1トルク目標値Tm*1と前記第2トルク目標値Tm*2に基づく演算によりモータトルク指令値Tm*とするモータトルク指令値設定手段103と、を備えている。そして、前記第2トルク目標値算出手段102は、ブレーキ制動力Fbrkを入力し、ブレーキ制動力に対するモータ回転数の伝達関数Gpb'(s)によるフィルタを用いてモータ回転数推定値補正量を算出する規範応答補正量算出部102bを有する。
ここで、ブレーキ制動力−モータ回転数の伝達関数Gpb'(s)は、伝達関数Gpb'(s)が持つ2次振動特性の減衰係数ζpを、ブレーキ制動力による振動も含めて規範応答を算出する車両同定値より大きな値(例えば、ζp=1)に設定している。
運動方程式を導いて、ブレーキ制動力からモータ回転数の伝達関数Gpb(s)を求めた実施例1の場合と同様に、ブレーキ制動力Fbrkを、Fbrk=0としてモータトルクからモータ回転数の伝達関数Gp(s)を求めると下式となる。
Gp(s)=(c3・s3+c2・s2+c1・s+c0)/s(a4・s3+a3・s2+a2・s+a1) …(13)
a4=2Jm・Jw・M …(14)
a3=Jm(2Jw+Mr2)・KT …(15)
a2={Jm+(2Jw/N2)}・M・KD …(16)
a1={Jm+(2Jw/N2)+(Mr2/N2)}・KD・KT …(17)
c3=2Jw・M …(18)
c2=Jm(2Jw+Mr2)・KT …(19)
c1=M・KD …(20)
c0=KD・KT …(21)
ここで、上記(13)式の伝達関数の極と零点を調べると、1つの極と1つの零点は極めて近い値を示す。これは次の(22)式のαとβが極めて近い値を示すことに相当する。
Gp(s)=(s+β)(c2'・s2+c1'・s+c0')/s(s+α)(a3'・s2+a2'・s+a1')…(22)
従って、式(22)における極零相殺(α=βと近似)により、次式(23)に示すように、(2次)/(3次)の伝達特性Gp(s)を構成する。
Gp(s)=(c2'・s2+c1'・s+c0')/s(a3'・s2+a2'・s+a1') …(23)
また、伝達特性Gp(s)は2次振動系となることがわかっているので、
Gp(s)=(Cz・s)/s(s2+2ζpωps+ωp2) …(24)
但し、0<ζp(減衰係数)<1
式(23)は式(24)と表すこともできる。
Gpb(s)=(b1・s+b0)/s(s+α)(s2+2ζpωps+ωp2) …(25)
ここで、ブレーキ制動力からモータ回転数への伝達関数を振動のない理想モデルとするために、2次振動特性を持つ式(25)の減衰係数ζpを、ζp=1とした式は、
Gpb’(s)=(b1・s+b0)/s(s+α)(s2+2ωps+ωp2) …(26)
となり、この式(26)を伝達関数Gpb'(s)とする。
なお、他の構成は、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
シミュレーション条件は、入力として、モータトルク指令0Nm-100Nmを0.5秒の時点でステップ的に与えて発進し、モータトルク指令100Nm-0Nmを1.3秒の時点でステップ的に与えてR/L走行(ロード・ロード走行)に移行し、さらに、2.0秒の時点で0.2Gブレーキ制動を与えて停止する。
すなわち、制御対象とする伝達関数Gpb(s)を、そのまま用いた場合はブレーキ制動力Fbrkによる振動も含めた規範応答を算出するために、実際の回転数に生じる振動を打ち消す補償動作も発生しない。しかし、減衰係数ζpを高めた伝達関数Gpb'(s)を用いて規範応答を算出することで、振動のない規範応答の算出が可能となり、ブレーキ制動力発生時の余分な抑制補償の出力は防ぎつつ、発生する振動を抑制するための補償出力で振動抑制効果を得ることができる。
実施例2のFRハイブリッド車両の制振制御装置にあっては、実施例1の(1),(2)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
このため、急ブレーキ等で、減速度の応答が要求される場合、伝達関数Gpb'(s)によりブレーキ制動時の回転数変動のうち、振動抑制分だけのF/Bトルクを出力しブレーキ制動減速に対してF/Bトルクを出力しない制御とし、減速度の立ち上がりを妨げないようにすることで、減速度の応答要求に適した動作を実現することができる。
実施例3の制振制御系は、図10に示すように、ドライバー要求に基づくF/F演算により第1トルク目標値Tm*1を算出する第1トルク目標値算出手段101と、トルク入力−モータ回転数の伝達特性のモデルGp(s)を用いたF/B演算により第2トルク目標値Tm*2を算出する第2トルク目標値算出手段102と、前記第1トルク目標値Tm*1と前記第2トルク目標値Tm*2に基づく演算によりモータトルク指令値Tm*とするモータトルク指令値設定手段103と、を備えている。そして、前記第2トルク目標値算出手段102は、ブレーキ制動力Fbrkを入力し、ブレーキ制動力に対するモータ回転数の第1伝達関数Gpb(s)によるフィルタを用いて第1モータ回転数推定値補正量を算出する第1規範応答補正量算出部102aと、ブレーキ制動力に対するモータ回転数の第2伝達関数Gpb'(s)によるフィルタを用いて第2モータ回転数推定値補正量を算出する第2規範応答補正量算出部102bと、ABS(アンチロックブレーキシステム)のABS作動フラグが非作動を示すとき、第1規範応答補正量算出部102aを選択し、ABS作動フラグが非作動を示すとき、第2規範応答補正量算出部102bを選択する切り替え部102cと、を有する。
下式に再度示したように第2伝達関数Gpb'(s)を示す(26)式を、理想の減衰特性ζp=1とした式は、Gpb(s)を示す(25)式からζpを消した式である。つまり、
Gpb(s)=(b1・s+b0)/s(s+α)(s2+2ζpωps+ωp2) …(25)
Gpb'(s)=(b1・s+b0)/s(s+α)(s2+2ωps+ωp2) …(26)
である。
ここで、Gm(s)/Gp(s)なる特性を有するフィルタに着目すると、Gp(s)はトルク入力とモータ回転数の伝達特性のモデル、Gm(s)はトルク入力とモータ回転数の応答目標を表すモデルであり、
Gp(s)=(Cz・s)/s(s2+2ζpωps+ωp2) …(24)
Gm(s)=(Cz・s)/s(s2+2ωps+ωp2) …(27)
Gm(s)/Gp(s)=(s2+2ζpωps+ωp2)/(s2+2ωps+ωp2) …(28)
の式で表される。
よって、図11に示すように、フィルタGm(s)/Gp(s)と第1伝達関数Gpb(s)を組み合わせることで、第2伝達関数Gpb'(s)を理想の減衰特性ζp=1とした式と等価な動作を実現することができる。
実施例1として、ブレーキ制動時の回転数変動でF/Bトルクを出力しない例を示し、実施例2として、ブレーキ制動時に回転数変動のうち振動抑制分だけのF/Bトルクを出力して振動を抑制する例を述べた。しかし、車両状態やドライバー要求に応じて、例えば、ABS作動時等のように、指令トルクの正確なトレースが最優先となる場合と、ABS非作動時等のように、指令トルクのトレースがそれほど要求されない場合等で、制御を切り替えることにより必要に応じた出力を実現することができる。
実施例3のFRハイブリッド車両の制振制御装置にあっては、実施例1の(1),(2),(3)の効果、実施例2の(4)の効果に加え、下記に列挙する効果を得ることができる。
このため、ブレーキ減速時に制動減速要求シーンのそれぞれに適したブレーキ減速動作を実現することができる。
このため、通常のブレーキ減速時には、振動を抑えたブレーキ減速を実現することができると共に、急ブレーキ等によるブレーキ減速時には、応答良く減速度が立ち上がるブレーキ減速を実現することができる。
CL1 第1クラッチ
MG モータ/ジェネレータ(駆動モータ)
CL2 第2クラッチ
AT 自動変速機
PS プロペラシャフト
RL 左後輪
RR 右後輪
1 エンジンコントローラ
2 モータコントローラ
3 インバータ
4 バッテリ
5 第1クラッチコントローラ
6 第1クラッチ油圧ユニット
7 ATコントローラ
8 第2クラッチ油圧ユニット
9 ブレーキコントローラ
10 統合コントローラ
10a モータトルク指令値設定部
13 レゾルバ
16 アクセル開度センサ
20 ブレーキストロークセンサ
101 第1トルク目標値算出手段
102 第2トルク目標値算出手段
102a 規範応答補正量算出部(第1規範応答補正量算出部)
102b 規範応答補正量算出部(第2規範応答補正量算出部)
102c 切り替え部
103 モータトルク指令値設定手段
APO アクセル開度
ωm モータ回転数
Tms* 定常トルク目標値
Tm* モータトルク指令値
Tm*1 第1トルク目標値
Tm*2 第2トルク目標値
Gm(s)/Gp(s) F/Fフィルタ
H(s)/Gp(s) F/Bフィルタ
Gp(s) トルク入力−モータ回転数の伝達特性のモデル
Gm(s) トルク入力−モータ回転数の伝達特性の理想応答を表すモデル
H(s) バンドパスフィルタの特性を有する伝達特性
Gp'(s) 実プラント
Td トルク外乱要素
Gpb(s) ブレーキ制動力に対するモータ回転数の伝達関数(第1伝達関数)
Gpb'(s) ブレーキ制動力に対するモータ回転数の伝達関数(第2伝達関数)
ζp 2次振動特性の減衰係数
Claims (6)
- 動力源に電動モータを有する電動車両の制振制御装置において、
ドライバー要求に基づくフィードフォワード演算により第1トルク目標値を算出する第1トルク目標値算出手段と、
トルク入力−モータ回転数の伝達特性のモデルを用いたフィードバック演算により第2トルク目標値を算出する第2トルク目標値算出手段と、
前記第1トルク目標値と前記第2トルク目標値に基づく演算によりモータトルク指令値とするモータトルク指令値設定手段と、を備え、
前記第2トルク目標値算出手段は、ブレーキ制動力を入力し、ブレーキ制動力に対するモータ回転数の伝達関数によるフィルタを用いてモータ回転数推定値補正量を算出する規範応答補正量算出部を有することを特徴とする電動車両の制振制御装置。 - 請求項1に記載された電動車両の制振制御装置において、
前記第1トルク目標値算出手段は、アクセル開度に基づいて設定される定常トルク目標値を、トルク入力−モータ回転数の伝達特性のモデルGp(s)とトルク入力−モータ回転数の伝達特性の理想モデルGm(s)の比Gm(s)/Gp(s)によるF/Fフィルタを通すF/F演算により第1トルク目標値を算出し、
前記規範応答補正量算出部は、ブレーキ制動力を、ブレーキ制動力−モータ回転数の伝達関数Gpb(s)によるフィルタを通してモータ回転数推定値補正量を算出し、
前記第2トルク目標値算出手段は、モータトルク指令値とトルク入力−モータ回転数の伝達特性のモデルGp(s)を用いてモータ回転数推定値を算出し、このモータ回転数推定値に前記モータ回転数推定値補正量を加算してモータ回転数補正値を算出し、このモータ回転数補正値とモータ回転数検出値の偏差値を算出し、この偏差値を、バンドパスフィルタの特性を有する伝達特性H(s)とトルク入力−モータ回転数の伝達特性のモデルGp(s)の比H(s)/Gp(s)によるF/Bフィルタを通すF/B演算により第2トルク目標値を算出することを特徴とする電動車両の制振制御装置。 - 請求項1または請求項2に記載された電動車両の制振制御装置において、
前記規範応答補正量算出部は、ブレーキ制動力に対するモータ回転数の伝達関数Gpb(s)が持つ2次振動特性の減衰係数ζpを、ブレーキ制動力による振動も含めて規範応答を算出する車両同定値に設定したことを特徴とする電動車両の制振制御装置。 - 請求項1または請求項2に記載された電動車両の制振制御装置において、
前記規範応答補正量算出部は、ブレーキ制動力に対するモータ回転数の伝達関数Gpb'(s)が持つ2次振動特性の減衰係数ζpを、ブレーキ制動力による振動も含めて規範応答を算出する車両同定値より大きな値に設定したことを特徴とする電動車両の制振制御装置。 - 請求項1から請求項4の何れか1項に記載された電動車両の制振制御装置において、
前記規範応答補正量算出部は、ブレーキ制動力に対するモータ回転数の伝達関数として、2次振動特性の減衰係数ζpを異ならせた複数の伝達関数を有し、制動減速の要求シーンに応じて複数の伝達関数から1つの伝達関数を選択可能としたことを特徴とする電動車両の制振制御装置。 - 請求項5に記載された電動車両の制振制御装置において、
前記規範応答補正量算出部は、2次振動特性の減衰係数ζpを車両同定値とする第1伝達関数Gpb(s)による第1規範応答補正量算出部と、2次振動特性の減衰係数ζpを車両同定値より大きな値とする第2伝達関数Gpb'(s)による第2規範応答補正量算出部と、振動を抑えたブレーキ減速を実現する制動減速要求に対しては前記第1規範応答補正量算出部を選択し、減速度の立ち上がりを優先する制動減速要求に対しては前記第2規範応答補正量算出部を選択する切り替え部と、を有することを特徴とする電動車両の制振制御装置。
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