JP4534934B2 - ハイブリッド車両の発電制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンとモータジェネレータとを連結もしくは連結可能としてハイブリッド駆動系を構成したハイブリッド車両の発電制御装置に関する。
従来、ハイブリッド車両において、エンジン回転数を所望の回転数に収束させる際に、回転数変化時においてもエンジントルクを応答良く推定するため、モータジェネレータへのトルク指令値をエンジントルク推定値とする技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−222442号公報
しかしながら、従来のハイブリッド車両において、このエンジントルク推定値(=モータジェネレータへのトルク指令値)を使用して所望のエンジン回転数に収束させるようにモータジェネレータのトルクを制御した場合には、コントローラ間の通信遅れ等により、収束性が悪化する可能性がある、という問題がある。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、発電時、エンジンとモータジェネレータの回転数を所望の回転数に収束させ、発電量の安定化を図ることができるハイブリッド車両の発電制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、エンジンとモータジェネレータとを連結もしくは連結可能としてハイブリッド駆動系を構成し、前記エンジンとモータジェネレータとを連結状態としての発電要求時、目標発電量に基づき走行に必要なトルクに発電トルクを上乗せしたエンジン目標トルクと、このエンジン目標トルクに応じたエンジンの燃料消費が小さくなるエンジン目標回転数とを演算する目標発電量演算部と、実エンジントルク推定値を演算する実エンジントルク推定部と、フィードバック制御により前記エンジン目標回転数と実エンジン回転数との偏差を無くすモータジェネレータ補償トルクを演算するエンジン回転数制御部と、前記実エンジントルク推定値と前記モータジェネレータ補償トルクとに基づきモータジェネレータ目標トルクを演算するモータジェネレータ目標トルク決定部と、を有し、エンジンとモータジェネレータの回転数を目標回転数に保ちながら発電制御する発電制御手段を備えたハイブリッド車両の発電制御装置において、
前記実エンジントルク推定部は、前記エンジン目標トルクが変化するとき、前記エンジン目標回転数に対するエンジンとモータジェネレータの回転数の追従度合いにより実エンジントルクの過渡応答を推定することを特徴とする。
発明のハイブリッド車両の発電制御装置にあっては、目標発電量に基づき走行に必要なトルクに発電トルクを上乗せしたエンジン目標トルクが変化するとき、エンジン目標回転数に対するエンジンとモータジェネレータの回転数の追従度合いを監視することで、実エンジントルクの過渡応答を正確に推定することができる。この結果、発電時、エンジンとモータジェネレータの回転数を所望の回転数に収束させ、発電量の安定化を図ることができる。


以下、本発明のハイブリッド車両の発電制御装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
まず、ハイブリッド車両の駆動系構成を説明する。
図1は実施例1の発電制御装置が適用された後輪駆動によるハイブリッド車両を示す全体システム図である。実施例1におけるハイブリッド車の駆動系は、図1に示すように、エンジンEと、フライホイールFWと、モータジェネレータMGと、第1クラッチCL1と、第2クラッチCL2と、自動変速機ATと、プロペラシャフトPSと、ディファレンシャルDFと、左ドライブシャフトDSLと、右ドライブシャフトDSRと、左後輪RLと、右後輪RRと、左前輪FLと、右前輪FRと、を有する。
前記エンジンEは、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンであり、後述するエンジンコントローラ1からの制御指令に基づいて、スロットルバルブのバルブ開度等が制御される。なお、エンジンEの出力軸には、フライホイールFWが設けられている。
前記モータジェネレータMGは、ロータに永久磁石を埋設しステータにステータコイルが巻き付けられた同期型モータジェネレータであり、後述するモータコントローラ2からの制御指令に基づいて、インバータ3により作り出された三相交流を印加することにより制御される。このモータジェネレータMGは、バッテリ4からの電力の供給を受けて回転駆動する電動機として動作することもできるし(以下、この状態を「力行」と呼ぶ)、ロータが外力により回転している場合には、ステータコイルの両端に起電力を生じさせる発電機として機能してバッテリ4を充電することもできる(以下、この動作状態を「回生」と呼ぶ)。なお、このモータジェネレータMGのロータは、図外のダンパーを介して自動変速機ATの入力軸に連結されている。
前記第1クラッチCL1は、前記エンジンEとモータジェネレータMGとの間に介装された油圧式多板クラッチであり、後述する第1クラッチコントローラ5からの制御指令に基づいて、第1クラッチ油圧ユニット6により作り出された制御油圧により、滑り締結と滑り開放を含み締結・開放が制御される。
前記第2クラッチCL2は、前記モータジェネレータMGと左右後輪RL,RRとの間に介装された油圧式多板クラッチであり、後述するATコントローラ7からの制御指令に基づいて、第2クラッチ油圧ユニット8により作り出された制御油圧により、滑り締結と滑り開放を含み締結・開放が制御される。
前記自動変速機ATは、例えば、前進5速後退1速や前進6速後退1速等の有段階の変速比を車速やアクセル開度等に応じて自動的に切り換える変速機であり、前記第2クラッチCL2は、専用クラッチとして新たに追加したものではなく、自動変速機ATの各変速段にて締結される複数の摩擦締結要素のうち、いくつかの摩擦締結要素を流用している。そして、前記自動変速機ATの出力軸は、プロペラシャフトPS、ディファレンシャルDF、左ドライブシャフトDSL、右ドライブシャフトDSRを介して左右後輪RL,RRに連結されている。
次に、ハイブリッド車両の制御系を説明する。
実施例1におけるハイブリッド車両の制御系は、図1に示すように、エンジンコントローラ1と、モータコントローラ2と、インバータ3と、バッテリ4と、第1クラッチコントローラ5と、第1クラッチ油圧ユニット6と、ATコントローラ7と、第2クラッチ油圧ユニット8と、ブレーキコントローラ9と、統合コントローラ10と、を有して構成されている。なお、エンジンコントローラ1と、モータコントローラ2と、第1クラッチコントローラ5と、ATコントローラ7と、ブレーキコントローラ9と、統合コントローラ10とは、互いに情報交換が可能なCAN通信線11を介して接続されている。
前記エンジンコントローラ1は、エンジン回転数センサ12からのエンジン回転数情報を入力し、統合コントローラ10からの目標エンジントルク指令等に応じ、エンジン動作点(Ne,Te)を制御する指令を、例えば、図外のスロットルバルブアクチュエータへ出力する。なお、エンジン回転数Neの情報は、CAN通信線11を介して統合コントローラ10へ供給する。
前記モータコントローラ2は、モータジェネレータMGのロータ回転位置を検出するレゾルバ13からの情報を入力し、統合コントローラ10からの目標モータジェネレータトルク指令等に応じ、モータジェネレータMGのモータ動作点(Nm,Tm)を制御する指令をインバータ3へ出力する。なお、このモータコントローラ2では、バッテリ4の充電状態をあらわすバッテリSOCを監視していて、バッテリSOC情報は、モータジェネレータMGの制御情報に用いると共に、CAN通信線11を介して統合コントローラ10へ供給する。
前記第1クラッチコントローラ5は、第1クラッチ油圧センサ14と第1クラッチストロークセンサ15からのセンサ情報を入力し、統合コントローラ10からの第1クラッチ制御指令に応じ、第1クラッチCL1の締結・開放を制御する指令を第1クラッチ油圧ユニット6に出力する。なお、第1クラッチストロークC1Sの情報は、CAN通信線11を介して統合コントローラ10へ供給する。
前記ATコントローラ7は、アクセル開度センサ16と車速センサ17と第2クラッチ油圧センサ18からのセンサ情報を入力し、統合コントローラ10からの第2クラッチ制御指令に応じ、変速制御における第2クラッチ制御に優先し、第2クラッチCL2の締結・開放を制御する指令をAT油圧コントロールバルブ内の第2クラッチ油圧ユニット8に出力する。なお、アクセル開度APと車速VSPの情報は、CAN通信線11を介して統合コントローラ10へ供給する。
前記ブレーキコントローラ9は、4輪の各車輪速を検出する車輪速センサ19とブレーキストロークセンサ20からのセンサ情報を入力し、例えば、ブレーキ踏み込み制動時、ブレーキストロークBSから求められる要求制動力に対し回生制動力だけでは不足する場合、その不足分を機械制動力(液圧制動力やモータ制動力)で補うように、統合コントローラ10からの回生協調制御指令に基づいて回生協調ブレーキ制御を行う。
前記統合コントローラ10は、車両全体の消費エネルギを管理し、最高効率で車両を走らせるための機能を担うもので、モータ回転数Nmを検出するモータ回転数センサ21と、第2クラッチ出力回転数N2outを検出する第2クラッチ出力回転数センサ22と、第2クラッチトルクTCL2を検出する第2クラッチトルクセンサ23からの情報およびCAN通信線11を介して得られた情報を入力する。そして、前記エンジンコントローラ1への制御指令によりエンジンEの動作制御を行い、前記モータコントローラ2への制御指令によりモータジェネレータMGの動作制御を行い、前記第1クラッチコントローラ5への制御指令により第1クラッチCL1の締結・開放制御を行い、前記ATコントローラ7への制御指令により第2クラッチCL2の締結・開放制御を行う。
次に、第1実施例のハイブリッド車両の基本動作モードについて説明する。
停止中において、バッテリSOCの低下時であれば、エンジンEを始動して発電を行い、バッテリ4を充電する。そして、バッテリSOCが通常範囲になれば、第1クラッチCL1は締結で第2クラッチCL2は開放のままでエンジンEを停止する。
エンジン発進時には、アクセル開度APとバッテリSOC状態によって、モータジェネレータMGを連れ回し、力行/発電に切り替える。
モータ発進時で、ロールバックにより自動変速機ATの出力回転が負回転となったら、第2クラッチCL2の滑り制御を行い、モータジェネレータMGの回転を正回転に維持する。次に、駆動力を車両が前進するまで上昇させ、第2クラッチCL2を滑り制御から締結に移行させる。
モータ走行は、エンジン始動に必要なモータトルクとバッテリ出力を確保し、不足する場合はエンジン走行に移行する。
燃費向上のために、モータ走行と発電上乗せ充電はセットで行う(モータトルクとバッテリ出力の制約により、走行可能範囲は、低負荷に限定される)。
発電上乗せ充電は、エンジン燃料消費の最小点を狙い、走行に必要なトルクに発電トルクを上乗せして行う(但し、バッテリSOC上昇時は、発電を行わない)。
アクセル踏み込み時のレスポンス向上のために、エンジントルク遅れ分をモータジェネレータMGによりアシストする。
ブレーキON減速時には、ドライバーのブレーキ操作に応じた減速力を回生協調ブレーキ制御にて得る。
エンジン走行やモータ走行中における変速時には、加減速中の変速に伴う回転数合わせのために、モータジェネレータMGを回生/力行させ、トルクコンバータ無しでのスムーズな変速を行う。
図2は実施例1の統合コントローラ10における発電制御手段を示すブロック図であり、以下、各ブロックについて説明する(発電制御手段)。
実施例1では、エンジンEとモータジェネレータMGとを連結状態としての発電時、目標発電量tPに基づきエンジン目標トルクtTeを演算し、実エンジントルク推定値eTeに基づきモータジェネレータ目標トルクtTmを演算し、エンジンEとモータジェネレータMGの回転数をエンジン目標回転数tNe(=目標回転数)に保ちながら発電制御を行う。
実施例1の発電制御ブロックは、図2に示すように、目標発電量演算部100と、実エンジントルク推定部200と、エンジン回転数制御部300と、モータジェネレータ目標トルク決定部400と、を有する。以下、各ブロックについて説明する。
前記目標発電量演算部100は、まず、図3に示す充放電量マップを用いてバッテリSOC(バッテリ充電容量)から目標発電量tPを演算する。次に、この目標発電量tPとエンジン回転数Neとから、エンジン目標回転数tNeとエンジン目標トルクtTeを演算する。
前記実エンジントルク推定部200は、エンジン目標トルクtTeが変化するとき、エンジン目標回転数tNeに対するエンジンEとモータジェネレータMGの回転数の追従度合いにより実エンジントルクの過渡応答を推定するもので、エンジントルクTeとエンジン回転数Neとモータジェネレータ目標トルクtTmz(前回値)とから実エンジントルク推定値eTeを演算する。
前記エンジン回転数制御部300は、エンジン目標回転数tNeとエンジン回転数Neとの偏差から、PI制御器などを用いた偏差を無くすフィードバック制御によりモータジェネレータ補償トルクTmを演算する。
前記モータジェネレータ目標トルク決定部400は、モータジェネレータ補償トルクTmから実エンジントルク推定値eTeを減算して、モータジェネレータ目標トルクtTmを決定する。
図4は図2の実エンジントルク推定部200にて実行される実エンジントルク推定演算処理の流れを示すフローチャートであり、以下、各ステップについて説明する(実エンジントルク推定部)。なお、実施例1では、エンジンEとモータジェネレータMGが連結されている状態、すなわち、第1クラッチCL1を締結、第2クラッチCL2を開放している惰性走行状態で説明する。
ステップS201では、エンジン目標トルクtTeとエンジン目標トルク前回値tTezが等しいか否かを判定する。等しい場合はステップS212へ移行し、等しくない場合はステップS202へ移行する。
ステップS202では、ステップS201でのtTe≠tTezとの判断に続き、後述するステップS213でずれ量が記憶されている場合にはエンジントルクのずれ補正を行う。補正後のエンジントルクに対して後述のステップS211で記憶された応答時定数を使用して、実エンジントルク推定値eTeを演算し、ステップS203へ移行する。
ステップS203では、ステップS202でのエンジントルク補正に続き、次式(1)により得られるエンジン回転数Neとエンジン目標回転数tNeとの偏差ΔNeの積算を開始し、ステップS204へ移行する。
Ne−tNe=ΔNe …(1)
ステップS204では、ステップS203での偏差ΔNeの積算開始に続き、偏差ΔNeが次式(2)を満たしているか否かを判定する。
|ΔNe|≦C1 …(2)
但し、C1は定数である。
そして、YESの場合はステップS205へ移行し、NOの場合はステップS203へ戻る。
ステップS205では、ステップS204での|ΔNe|≦C1との判断に続き、ステップS203にて開始した偏差ΔNeの積算を終了し、ステップS206へ移行する。
ステップS206では、ステップS205での偏差ΔNeの積算終了に続き、開始から終了までの次式(3)を満たしているか否か、つまり、エンジン目標回転数tNeにエンジン回転数Neが収束しているか否かを判定し、YESの場合はステップS207へ移行し、NOの場合はステップS208へ移行する。
|SΔNe|≦C2 …(3)
ここで、|SΔNe|は偏差積算値の絶対値、C2は定数である。
また、ステップS203での時刻をk、ステップS205での時刻をk+3とすると、偏差積算値SΔNeは、
SΔNe=ΔNe(k)+ΔNe(k+1)+ΔNe(k+2)+ΔNe(k+3) …(4)
の式にてあらわされる。
ステップS207では、ステップS206での|SΔNe|≦C2との判断に続き、推定エンジントルクの応答速度の補正をしないで、ステップS211へ移行する。
ステップS208では、ステップS206での|SΔNe|>C2との判断に続き、推定エンジントルクの応答が遅過ぎであるか否かを次式(5)により判定し、YESの場合はステップS209へ移行し、NOの場合はステップS210へ移行する。
SΔNe>0 …(5)
ステップS209では、ステップS208でのSΔNe>0との判断、つまり、推定エンジントルクの応答が遅いとの判断に続き、例えば、次式(6)に示すように、応答時定数が速くなるように応答時定数を変更し、ステップS211へ移行する。
τe'=τe−SΔNe×C4 …(6)
ここで、τeは現在の時定数、τe'は変更後の時定数、C4は定数である。
ステップS210では、ステップS208でのSΔNe≦0との判断、つまり、推定エンジントルクの応答が速いとの判断に続き、例えば、次式(7)に示すように、応答時定数が遅くなるように応答時定数を変更し、ステップS211へ移行する。
τe'=τe+SΔNe×C4 …(7)
ここで、τeは現在の時定数、τe'は変更後の時定数、C4は定数である。
ステップS211では、ステップS207,ステップS209,ステップS210にて決定した応答時定数をエンジン水温やエンジン回転数に応じて記憶し、エンドへ移行する。
ステップS212では、ステップS201でのtTe=tTezとの判断に続き、次式(8)によりエンジン回転数Neがエンジン目標回転数tNeに収束しているか否かを判定し、YESの場合はステップS213へ移行し、NOの場合はエンドへ移行する。
|Ne−tNe|≦C3 …(8)
ステップS213では、ステップS212での|Ne−tNe|≦C3との判断に続き、エンジン目標トルクtTeと実エンジントルクtT1とのずれ量ΔTeを演算する。ステップS201からエンジン目標トルクtTeに変化はなく、ステップS212からエンジン回転数Neに変動がないので、モータジェネレータトルク=実エンジントルクとし、エンドへ移行する。ずれ量ΔTeは次式(9)で示される。
ΔTe=tTe−tT1 …(9)
このずれ量ΔTeを、エンジン目標トルク、エンジン水温、エンジン回転数に応じて記憶しておく。
また、統合コントローラ10の電源オフ要求があった場合には、ステップS211およびステップS213で記憶した応答時定数とエンジン目標トルクtTeと実エンジントルクtT1とのずれ量ΔTeを、EEPROM等に書き込んだ後に電源オフにする。そして、次回のコントローラ電源オン時には、EEPROM等に書き込まれた値を読み込み、エンジントルク応答推定演算に用いる。
次に、作用を説明する。
[エンジントルク応答推定制御作用]
図5は発電制御時であって推定エンジントルクの応答が速い場合におけるエンジンEとモータジェネレータMGの回転数・エンジントルク・モータジェネレータトルクを示すタイムチャートであり、このタイムチャートを用いて、エンジントルク応答推定制御作用を説明する。
時刻k1において、エンジン目標トルクをTe1からTe2に変化させた。推定エンジントルクは、記憶されていた応答時定数とエンジン目標トルクと実エンジントルクとのずれ量ΔTe1から算出した結果、図中の一点鎖線にような応答となる。
この実エンジントルクに対して応答の速い推定エンジントルクに応じてモータジェネレータトルクを演算した結果、次の制御周期の時刻k2では、回転数が低下してしまった。
この結果、エンジン目標回転数tNeとエンジン回転数Neとの偏差が増大したため、エンジン回転数制御部300によるモータジェネレータトルクの補償が加わり、モータジェネレータ回転数が収束を開始する。
また、エンジン回転数Neとエンジン目標回転数tNeとの偏差ΔNeの積算は、エンジン目標トルクが変化した時刻k1から偏差ΔNeがC1以下となった時刻k3まで行う。したがって、積算値SΔNeは図中の斜線領域となる。すなわち、
SΔNe<0 …(10)
であるから、推定エンジントルクの応答が速かったと判定して、式(7)を用いて、推定エンジントルクの応答が遅くなるように時定数を変更して記憶する。この後、統合コントローラ10の電源オフ要求があった場合には、本時定数と、エンジン目標トルクと実エンジントルクとのずれ量とをEEPROMに書き込み、その後、統合コントローラ10の電源をオフにする。
次に、図6に示すタイムチャートを用いて、エンジントルク応答推定制御作用を説明する。
図6は上述の図5の直後にエンジントルクを変化させた場合のタイムチャートであり、記憶されていた応答時定数が実エンジントルクと推定エンジントルクとで一致したとする。また、統合コントローラ10の電源をオンした直後であっても、EEPROMから応答時定数とエンジン目標トルクと実エンジントルクのずれ量を読み込むことができる。またこれらは、エンジン水温、エンジントルクの変化量、エンジン回転数に応じて記憶されているため、精度良く推定エンジントルクを演算できる。
時刻k1において、エンジン目標トルクをTe1からTe2に変化させた。推定エンジントルクは、記憶されていた応答時定数とエンジン目標トルクと実エンジントルクとのずれ量ΔTe1から算出した結果、図中の一点鎖線にような応答となり、実エンジントルクと一致した。
したがって、推定エンジントルクに応じてモータジェネレータトルクを演算した結果、エンジン回転数はエンジン目標回転数に一致する。この場合には、積算値SΔNeは、
SΔNe=0(≦C2) …(11)
となり、応答速度は一致したとして、応答速度は補正しない。
[発電制御作用]
従来、ハイブリッド車両において、エンジン回転数を所望の回転数に収束させる際に、回転数変化時においてもエンジントルクを応答良く推定するため、モータジェネレータへのトルク指令値をエンジントルク推定値とする技術が知られている。
しかしながら、従来のハイブリッド車両において、このエンジントルク推定値(=モータジェネレータへのトルク指令値)を使用して所望のエンジン回転数に収束させるようにモータジェネレータのトルクを制御した場合には、コントローラ間の通信遅れ等により、収束性が悪化する可能性がある。
実施例1の発電制御装置では、エンジン目標トルクtTeが変化するとき、エンジン目標回転数tNeに対するエンジンEとモータジェネレータMGの回転数の追従度合いにより実エンジントルクの過渡応答を推定することで、発電時、エンジンEとモータジェネレータMGの回転数を所望の回転数に収束させ、発電量の安定化を図るようにしている。
すなわち、目標発電量演算部100において、まず、図3に示す充放電量マップを用いてバッテリSOC(バッテリ充電容量)から目標発電量tPが演算され、次に、この目標発電量tPとエンジン回転数Neとから、エンジン目標回転数tNeとエンジン目標トルクtTeが演算される。
そして、実エンジントルク推定部200において、エンジントルクTeとエンジン回転数Neとモータジェネレータ目標トルクtTmz(前回値)とから実エンジントルク推定値eTeが演算される。
また、エンジン回転数制御部300において、エンジン目標回転数tNeとエンジン回転数Neとの偏差から、PI制御器などを用いた偏差を無くすフィードバック制御によりモータジェネレータ補償トルクTmが演算される。
そして、モータジェネレータ目標トルク決定部400において、モータジェネレータ補償トルクTmから実エンジントルク推定値eTeを減算して、モータジェネレータ目標トルクtTmが決定される。
このとき、実エンジントルク推定部200において、エンジン目標トルクtTeが変化するとき、エンジン目標回転数tNeに対するエンジンEとモータジェネレータMGの回転数の追従度合いにより実エンジントルクの過渡応答が推定される。
例えば、発電時、エンジン目標トルクtTeが変化するとき、エンジンEとモータジェネレータMGの回転数がエンジン目標回転数tNeに収束していれば、エンジン目標トルクtT
eに対する実エンジントルクが適切な応答により推定されていることを意味する。
しかし、発電時、エンジン目標トルクtTeが変化するとき、エンジンEとモータジェネレータMGの回転数がエンジン目標回転数tNeから高回転数側にずれていれば、エンジン目標トルクtTeに対する実エンジントルクの応答が遅れていることを意味し、低回転数側にずれていれば、エンジン目標トルクtTeに対する実エンジントルクの応答が速いことを意味している。
したがって、エンジン目標トルクtTeが変化するとき、エンジン目標回転数tNeに対するエンジンEとモータジェネレータMGの回転数の追従度合いを監視することで、実エンジントルクの過渡応答を正確に推定することができる。
実施例1の発電制御装置では、発電制御ブロック(図2)は、バッテリSOCに基づき求めた目標発電量tPとエンジン回転数Neとからエンジン目標回転数tNeとエンジン目標トルクtTeを演算する目標発電量演算部100と、エンジントルクTeとエンジン回転数Neとモータジェネレータ目標トルク前回値tTmzとから実エンジントルク推定値eTeを演算する実エンジントルク推定部200と、エンジン目標回転数tNeとエンジン回転数Neとの偏差を無くすフィードバック制御によりモータジェネレータ補償トルクTmを演算するエンジン回転数制御部300と、モータジェネレータ補償トルクTmから実エンジントルク推定値eTeを減算してモータジェネレータ目標トルクtTmを決定するモータジェネレータ目標トルク決定部400と、を有する。
したがって、発電時、エンジンEとモータジェネレータMGの回転数をエンジン目標回転数tNeに収束させる精度の高い実エンジントルク推定値eTeが演算され、モータジェネレータ補償トルクTmから実エンジントルク推定値eTeを減算してモータジェネレータ目標トルクtTmを決定することができる。
[エンジン目標トルク変化時の実エンジントルク推定作用]
エンジン目標トルク変化時であって、推定エンジントルクの応答がエンジン目標トルクにほぼ一致するとき、図4のフローチャートにおいて、ステップS201→ステップS202→ステップS203→ステップS204→ステップS205→ステップS206→ステップS207→ステップS211→エンドへと進む流れとなる。つまり、ステップS206において、|SΔNe|≦C2であり、決定されている応答時定数が適正な値であるとの判断に基づき、推定エンジントルクの応答速度の補正を行わない。
一方、エンジン目標トルク変化時であって、推定エンジントルクの応答が遅いとき、図4のフローチャートにおいて、ステップS201→ステップS202→ステップS203→ステップS204へと進み、偏差絶対値|ΔNe|が定数C1以下になるまで、ステップS203→ステップS204へと進む流れが繰り返され、偏差絶対値|ΔNe|が定数C1以下になると、ステップS204からステップS205→ステップS206→ステップS208→ステップS209→ステップS211→エンドへと進む流れとなる。つまり、ステップS208でのSΔNe>0であり、推定エンジントルクの応答が遅いとの判断に基づき、ステップS209では、応答時定数が速くなるように応答時定数が変更される。
また、エンジン目標トルク変化時であって、推定エンジントルクの応答が速いとき、図4のフローチャートにおいて、ステップS201→ステップS202→ステップS203→ステップS204へと進み、偏差絶対値|ΔNe|が定数C1以下になるまで、ステップS203→ステップS204へと進む流れが繰り返され、偏差絶対値|ΔNe|が定数C1以下になると、ステップS204からステップS205→ステップS206→ステップS208→ステップS210→ステップS211→エンドへと進む流れとなる。つまり、ステップS208でのSΔNe≦0であり、推定エンジントルクの応答が速いとの判断に基づき、ステップS210では、応答時定数が遅くなるように応答時定数が変更される。
上記のように、実施例1の発電制御装置において、実エンジントルク推定部200は、エンジン目標トルクtTeを変化させたとき、エンジン回転数Neがエンジン目標回転数tNeからずれた場合、そのずれ量積算値SΔNeに基づきエンジン目標トルクtTeに対する実エンジントルクの過渡応答を推定する。
このため、コントローラ間の通信遅れや経年劣化等により応答特性が変わった場合において、正確にエンジントルクを推定することができる。
実施例1の発電制御装置において、実エンジントルク推定部200は、エンジン目標トルクtTeに対する実エンジントルクの過渡応答に応じて応答時定数を変更し、この応答時定数を統合コントローラ10等の電子制御系の電源オフ時に記憶しておき、次回の統合コントローラ10等の電子制御系の電源オン後に記憶しておいた応答時定数を用いて実エンジントルクの過渡応答を推定する。
このため、電子制御系の電源オン直後から精度の高い実エンジントルクの推定が可能であり、電源オンとした後の初回の発電時においても、エンジンEとモータジェネレータMGの回転数制御の安定性を補償することができる。
実施例1の発電制御装置において、実エンジントルク推定部200は、実エンジントルクの応答時定数を、電子制御系の電源オフ時に記憶しておく際に、エンジン水温やエンジン回転数に応じて応答時定数を記憶させておく。
このため、電子制御系の電源オフ時と次回の電源オン時において、エンジン水温が変わっていたり、エンジン目標回転数tNeが変更された場合にも、精度の高いエンジントルクの推定が可能となる。
[エンジン回転数収束時の実エンジントルク推定作用]
エンジン目標トルクの変化が無く、かつ、エンジン回転数Neがエンジン目標回転数tNeに収束しているとき、図4のフローチャートにおいて、ステップS201→ステップS212→ステップS213→エンドへと進む流れとなり、ステップS212において|Ne−tNe|≦C3であり、エンジン回転数Neがエンジン目標回転数tNeに収束しているとの判断に続き、ステップS213において、モータジェネレータトルク=実エンジントルクとされる。
併せて、ステップS213では、エンジ目標トルクtTeと実エンジントルクtT1とのずれ量ΔTeが演算され、このずれ量ΔTeを、エンジン目標トルク、エンジン水温、エンジン回転数に応じて記憶しておく。さらに、統合コントローラ10の電源オフ要求があった場合には、ステップS213で記憶したずれ量ΔTeをEEPROM等に書き込んだ後に電源オフにし、次回のコントローラ電源オン時には、EEPROM等に書き込まれた値を読み込み、エンジントルク応答推定演算に用いる。
このように、実施例1の発電制御装置において、実エンジントルク推定部200は、エンジン目標トルクtTeの変化がなく、かつ、エンジンEとモータジェネレータMGの回転数がエンジン目標回転数tNeに収束している場合、実エンジントルクはモータジェネレータ目標トルクtTmに等しいと推定する。
このため、エンジン目標トルクtTeの変化がなく、かつ、エンジン回転数に変動がない場合、実エンジントルクをモータジェネレータ目標トルクtTmに等しいと推定することで、実エンジントルクを正確に推定できる。
また、実施例1の発電制御装置において、実エンジントルク推定部200は、実エンジントルクはモータジェネレータ目標トルクtTmに等しいと推定する場合、エンジン目標トルクtTeと実エンジントルクtT1とのずれ量ΔTeを演算し、電子制御系の電源オフ時にこのずれ量ΔTeをエンジン目標トルク、エンジン水温、エンジン回転数に応じて記憶しておき、次回の電子制御系の電源オン後に記憶しておいたずれ量ΔTeを用いて実エンジントルクの定常応答を推定する。
このため、電子制御系の電源オフ時と次回の電源オン時において、エンジン水温が変わっていたり、エンジン目標トルクtTeやエンジン目標回転数tNeが変更された場合にも、精度の高いエンジントルクの推定が可能となる。
次に、効果を説明する。
実施例1のハイブリッド車両の発電制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) エンジンEとモータジェネレータMGとを第1クラッチCL1を介して連結可能としてハイブリッド駆動系を構成し、前記エンジンEとモータジェネレータMGとを連結状態としての発電時、目標発電量tPに基づきエンジン目標トルクtTeを演算し、実エンジントルク推定値eTeに基づきモータジェネレータ目標トルクtTmを演算し、エンジンEとモータジェネレータMGの回転数を目標回転数に保ちながら発電制御する発電制御手段を備えたハイブリッド車両の発電制御装置において、前記発電制御手段は、前記エンジン目標トルクtTeが変化するとき、前記目標回転数に対するエンジンEとモータジェネレータMGの回転数の追従度合いにより実エンジントルクの過渡応答を推定する実エンジントルク推定部200を有するため、発電時、エンジンEとモータジェネレータMGの回転数を所望の回転数に収束させ、発電量の安定化を図ることができる。
(2) 前記発電制御手段(図2)は、バッテリSOCに基づき求めた目標発電量tPとエンジン回転数Neとからエンジン目標回転数tNeとエンジン目標トルクtTeを演算する目標発電量演算部100と、エンジントルクTeとエンジン回転数Neとモータジェネレータ目標トルク前回値tTmzとから実エンジントルク推定値eTeを演算する実エンジントルク推定部200と、エンジン目標回転数tNeとエンジン回転数Neとの偏差を無くすフィードバック制御によりモータジェネレータ補償トルクTmを演算するエンジン回転数制御部300と、モータジェネレータ補償トルクTmから実エンジントルク推定値eTeを減算してモータジェネレータ目標トルクtTmを決定するモータジェネレータ目標トルク決定部400と、を有するため、発電時、エンジンEとモータジェネレータMGの回転数をエンジン目標回転数tNeに収束させる精度の高い実エンジントルク推定値eTeが演算され、モータジェネレータ補償トルクTmから実エンジントルク推定値eTeを減算してモータジェネレータ目標トルクtTmを決定することができる。
(3) 前記実エンジントルク推定部200は、エンジン目標トルクtTeを変化させたとき、エンジン回転数Neがエンジン目標回転数tNeからずれた場合、そのずれ量積算値SΔNeに基づきエンジン目標トルクtTeに対する実エンジントルクの過渡応答を推定するため、コントローラ間の通信遅れや経年劣化等により応答特性が変わった場合において、正確にエンジントルクを推定することができる。
(4) 前記実エンジントルク推定部200は、エンジン目標トルクtTeに対する実エンジントルクの過渡応答に応じて応答時定数を変更し、この応答時定数を統合コントローラ10等の電子制御系の電源オフ時に記憶しておき、次回の統合コントローラ10等の電子制御系の電源オン後に記憶しておいた応答時定数を用いて実エンジントルクの過渡応答を推定するため、電子制御系の電源オン直後から精度の高い実エンジントルクの推定が可能であり、電源オンとした後の初回の発電時においても、エンジンEとモータジェネレータMGの回転数制御の安定性を補償することができる。
(5) 前記実エンジントルク推定部200は、実エンジントルクの応答時定数を、電子制御系の電源オフ時に記憶しておく際に、エンジン水温やエンジン回転数に応じて応答時定数を記憶させておくため、電子制御系の電源オフ時と次回の電源オン時において、エンジン水温が変わっていたり、エンジン目標回転数tNeが変更された場合にも、精度の高いエンジントルクを推定することができる。
(6) 前記実エンジントルク推定部200は、エンジン目標トルクtTeの変化がなく、かつ、エンジンEとモータジェネレータMGの回転数がエンジン目標回転数tNeに収束している場合、実エンジントルクはモータジェネレータ目標トルクtTmに等しいと推定するため、エンジン目標トルクtTeの変化がなく、かつ、エンジン回転数に変動がない場合、実エンジントルクをモータジェネレータ目標トルクtTmに等しいと推定することで、実エンジントルクを正確に推定できる。
(7) 前記実エンジントルク推定部200は、実エンジントルクはモータジェネレータ目標トルクtTmに等しいと推定する場合、エンジン目標トルクtTeと実エンジントルクtT1とのずれ量ΔTeを演算し、電子制御系の電源オフ時にこのずれ量ΔTeをエンジン目標トルク、エンジン水温、エンジン回転数に応じて記憶しておき、次回の電子制御系の電源オン後に記憶しておいたずれ量ΔTeを用いて実エンジントルクの定常応答を推定するため、電子制御系の電源オフ時と次回の電源オン時において、エンジン水温が変わっていたり、エンジン目標トルクtTeやエンジン目標回転数tNeが変更された場合にも、精度の高いエンジントルクを推定することができる。
以上、本発明のハイブリッド車両の発電制御装置を実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施例1に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、発電制御手段として、エンジン目標回転数に対するエンジン回転数の追従度合いにより実エンジントルクの過渡応答を推定する例を示したが、モータジェネレータ目標回転数に対するモータジェネレータ回転数の追従度合いにより実エンジントルクの過渡応答を推定する用にしても良い。要するに、発電制御手段は、エンジン目標トルクが変化するとき、目標回転数に対するエンジンとモータジェネレータの回転数の追従度合いにより実エンジントルクの過渡応答を推定する実エンジントルク推定部を有するものであれば実施例1には限定されない。
実施例1では、後輪駆動のハイブリッド車両への適用例を示したが、前輪駆動のハイブリッド車両や四輪駆動のハイブリッド車両へも適用できる。実施例1では、第2クラッチとして自動変速機に内蔵されたクラッチを利用する例を示したが、自動変速機の代わりに無段変速機を用いても良いし、また、図7に示すように、変速機の入力軸に新たな第2クラッチを設けても良し、図8に示すように、変速機の出力軸に新たな第2クラッチを設けても良い(特開2002−144921号公報参照)。さらには、エンジンとモータジェネレータとが直結されたシリーズ型のハイブリッド車両にも適用することができる。要するに、エンジンとモータジェネレータとを連結もしくは連結可能としてハイブリッド駆動系を構成し、エンジンとモータジェネレータの回転数を目標回転数に保ちながら発電制御する発電制御手段を備えたハイブリッド車両であれば適用できる。
実施例1の発電制御装置が適用された後輪駆動のハイブリッド車両を示す全体システム図である。 実施例1の統合コントローラにおける発電制御手段を示すブロック図である。 図2の発電制御手段の目標発電量演算に用いられるバッテリSOCに対する目標充放電量マップの一例を示す図である。 実施例1の発電制御手段の実エンジントルク推定部にて実行される実エンジントルク推定演算処理の流れを示すフローチャートである。 発電制御時であって推定エンジントルクの応答が速い場合におけるエンジンEとモータジェネレータMGの回転数・エンジントルク・モータジェネレータトルクを示すタイムチャートである。 図5の直後にエンジントルクを変化させた場合におけるエンジンEとモータジェネレータMGの回転数・エンジントルク・モータジェネレータトルクを示すタイムチャートである。 第2クラッチを自動変速機への内蔵に代え変速入力軸に設けたハイブリッド車両の駆動系を示す図である。 第2クラッチを自動変速機への内蔵に代え変速出力軸に設けたハイブリッド車両の駆動系を示す図である。
符号の説明
E エンジン
MG モータジェネレータ
CL1 第1クラッチ
CL2 第2クラッチ
AT 自動変速機
PS プロペラシャフト
DF ディファレンシャル
DSL 左ドライブシャフト
DSR 右ドライブシャフト
RL 左後輪(駆動輪)
RR 右後輪(駆動輪)
FL 左前輪
FR 右前輪
1 エンジンコントローラ
2 モータコントローラ
3 インバータ
4 バッテリ
5 第1クラッチコントローラ
6 第1クラッチ油圧ユニット
7 ATコントローラ
8 第2クラッチ油圧ユニット
9 ブレーキコントローラ
10 統合コントローラ
100 目標発電量演算部
200 実エンジントルク推定部
300 エンジン回転数制御部
400 モータジェネレータ目標トルク決定部

Claims (7)

  1. エンジンとモータジェネレータとを連結もしくは連結可能としてハイブリッド駆動系を構成し、
    前記エンジンとモータジェネレータとを連結状態としての発電要求時、目標発電量に基づき走行に必要なトルクに発電トルクを上乗せしたエンジン目標トルクと、このエンジン目標トルクに応じたエンジンの燃料消費が小さくなるエンジン目標回転数とを演算する目標発電量演算部と、
    実エンジントルク推定値を演算する実エンジントルク推定部と、
    フィードバック制御により前記エンジン目標回転数と実エンジン回転数との偏差を無くすモータジェネレータ補償トルクを演算するエンジン回転数制御部と、
    前記実エンジントルク推定値と前記モータジェネレータ補償トルクとに基づきモータジェネレータ目標トルクを演算するモータジェネレータ目標トルク決定部と、
    を有し、エンジンとモータジェネレータの回転数を目標回転数に保ちながら発電制御する発電制御手段を備えたハイブリッド車両の発電制御装置において、
    前記実エンジントルク推定部は、前記エンジン目標トルクが変化するとき、前記エンジン目標回転数に対するエンジンとモータジェネレータの回転数の追従度合いにより実エンジントルクの過渡応答を推定することを特徴とするハイブリッド車両の発電制御装置。
  2. 請求項1に記載されたハイブリッド車両の発電制御装置において、
    前記実エンジントルク推定部は、前記エンジン目標トルクと前記エンジン回転数と前記モータジェネレータ目標トルクの前回値とから実エンジントルク推定値を演算することを特徴とするハイブリッド車両の発電制御装置。
  3. 請求項1または2に記載されたハイブリッド車両の発電制御装置において、
    前記実エンジントルク推定部は、エンジン目標トルクを変化させたとき、エンジン回転数がエンジン目標回転数からずれた場合、そのずれ量積算値に基づきエンジン目標トルクに対する実エンジントルクの過渡応答を推定することを特徴とするハイブリッド車両の発電制御装置。
  4. 請求項1乃至3の何れか1項に記載されたハイブリッド車両の発電制御装置において、
    前記実エンジントルク推定部は、エンジン目標トルクに対する実エンジントルクの過渡応答に応じて応答時定数を変更し、この応答時定数を電子制御系の電源オフ時に記憶しておき、次回の電子制御系の電源オン後に記憶しておいた応答時定数を用いて実エンジントルクの過渡応答を推定することを特徴とするハイブリッド車両の発電制御装置。
  5. 請求項1乃至4の何れか1項に記載されたハイブリッド車両の発電制御装置において、
    前記実エンジントルク推定部は、実エンジントルクの応答時定数を、電子制御系の電源オフ時に記憶しておく際に、エンジン水温やエンジン回転数に応じて応答時定数を記憶させておくことを特徴とするハイブリッド車両の発電制御装置。
  6. 請求項1乃至5の何れか1項に記載されたハイブリッド車両の発電制御装置において、
    前記実エンジントルク推定部は、エンジン目標トルクの変化がなく、かつ、エンジンとモータジェネレータの回転数が目標回転数に収束している場合、実エンジントルクはモータジェネレータ目標トルクに等しいと推定することを特徴とするハイブリッド車両の発電制御装置。
  7. 請求項6に記載されたハイブリッド車両の発電制御装置において、
    前記実エンジントルク推定部は、実エンジントルクはモータジェネレータ目標トルクに等しいと推定する場合、エンジン目標トルクと実エンジントルクとのずれ量を演算し、電子制御系の電源オフ時にこのずれ量をエンジン目標トルク、エンジン水温、エンジン回転数に応じて記憶しておき、次回の電子制御系の電源オン後に記憶しておいたずれ量を用いて実エンジントルクの定常応答を推定するとを特徴とするハイブリッド車両の発電制御装置。
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