JP5227837B2 - フィルタ回路 - Google Patents

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Description

本発明は、高周波帯用フィルタの技術分野に関するものである。
従来より、無線通信機、レーダ等の高周波信号を用いる高周波回路システムでは、所望の周波数帯域の信号と、不要な周波数帯の信号を分離するため、各種フィルタが用いられる。フィルタには、通過、遮断特性によって、バンドパスフィルタ(以下では、BPFという)、バンドリジェクトフィルタ(以下では、BRFという)、ローパスフィルタ(以下では、LPFという)、ハイパスフィルタ(以下では、HPFという)があり、目的に応じて使い分けられている。従来の高周波帯用のBPFを伝搬路に接続した一例を図4に示す。同図に示す高周波帯用のフィルタ40は、所望の周波数帯域(以下では、使用周波数成分という)の信号を通過させ、それ以外の周波数帯域(以下では、不要周波数成分という)の信号を遮断するフィルタ部41を備えている。高周波信号を伝送するために、フィルタ40の入力側及び出力側には、伝搬路42、43がそれぞれ接続されている。
伝搬路42から入力した高周波信号は、使用周波数成分がフィルタ部41を通過して伝搬路43に出力される一方、不要周波数成分がフィルタ部41で反射されて伝搬路42に出力される。フィルタ部41の通過帯域のインピーダンスは、通常伝搬路42、43の特性インピーダンスと一致するようにインピーダンス調整されている。
従来のフィルタ40の反射特性及び通過特性の一例を図5に示す。図5はフィルタ40の使用周波数成分の中心周波数を26.5GHzとしたときの特性を示しており、図5(a)は反射特性を示すグラフであり、図5(b)はフィルタ40の通過特性を示すグラフである。同図に示すフィルタ40の反射特性及び通過特性より、26.5GHzを中心とする使用周波数成分がフィルタ40を通過し、それ以外の不要周波数成分が略全反射され、遮断されていることがわかる。
フィルタ40は、上記のように不要周波数成分をできるだけ通過させないように設計されているが、フィルタの種類によっては、使用周波数成分の高調波周波数成分(スプリアス信号)については、これを十分に除去できないことがあった。このような高調波周波数成分を抑制するために、特許文献1ではBPFの出力側にスタブ型共振子を設けており、これによりBPFの出口側に高調波周波数成分が出力されるのを抑制可能とする技術が開示されている。
特開平08−335897号公報
一方、フィルタ部41で反射される不要周波数成分については、これまでフィルタ40内でとくに処理を行うことはなかった。しかしながら、不要周波数成分内の所定の信号が、放射、電磁結合などにより他の経路から伝播することにより、発振、スプリアス発射などのおそれがある。
そこで、本発明は上記問題を解決するためになされたものであり、入力ポートから入力される高周波信号やフィルタ部41の入力側で反射される不要周波数成分の所定の周波数成分を低減するフィルタ回路を提供することを目的とする。
本発明のフィルタ回路の第1の態様は、誘電体基板面にマイクロストリップラインで構成されて入力ポート及び出力ポートを有するフィルタ回路であって、フィルタ本体と、前記入力ポートと前記フィルタ本体の入力側との間に接続され、前記フィルタ本体の使用周波数f0の成分は吸収せず前記使用周波数f0の高調波または低調波である不要周波数f1の成分のみを吸収するスタブ回路と、を備え、前記スタブ回路は、先端開放スタブまたは先端短絡スタブと、前記先端開放スタブまたは前記先端短絡スタブと前記入力ポートとの間に接続された抵抗と、を有し、前記不要周波数f1の成分の伝搬路内の波長をλ1とするとき、前記先端開放スタブが(1/4)λ1の奇数倍の長さに前記抵抗の寄生容量と該先端開放スタブの端部効果に対する補正を加えた長さに形成されている、または前記先端短絡スタブが(1/2)λ1の整数倍の長さに前記抵抗の寄生容量と該先端短絡スタブの端部効果に対する補正を加えた長さに形成されていることを特徴とする。この態様によれば、スタブ回路を設けることで、フィルタ本体で反射される信号のうち、所定の周波数の信号をスタブ回路で低減させることが可能となる。
本発明のフィルタ回路の他の態様は、前記フィルタ本体は、バンドパスフィルタであることを特徴とする
本発明のフィルタ回路の他の態様は、前記スタブ回路は、少なくとも(1/2)f0と(3/2)f0の両方を吸収することを特徴とする。
本発明のフィルタ回路は、使用周波数成分f0の少なくとも一つの高調波又は低調波を生成する非線形回路を備え、前記フィルタ回路の前記入力ポートに、非線形回路の出力ポートが接続されていることを特徴とする高周波回路中で用いられる。この態様によれば、非線形回路で生成された高調波又は低調波信号がフィルタ本体で反射される信号はスタブ回路で低減させることが可能となる。
本発明のフィルタ回路は、使用周波数成分f0の少なくとも一つの高調波又は低調波を生成する非線形回路を備え、前記フィルタ回路の前記入力ポートに、非線形回路の出力ポートが接続されていることを特徴とする高周波回路を有する無線通信機又はレーダ装置で用いられる。この態様によれば、非線形回路で生成された高調波又は低調波信号がフィルタ本体で反射される信号はスタブ回路で低減されるので、発振、スプリアス発射のない無線通信機又はレーダ装置を提供する事が可能となる。
以上説明したように本発明によれば、所定のスタブ回路を用いてフィルタ本体での不要帯域の所定の周波数成分の反射信号を低減させることで、該周波数成分での発振、スプリアス発射などを防止できるバンドパスフィルタを提供することができる。
本発明の実施形態に係るフィルタ回路の概略構成を示すブロック図である。 先端開放スタブの一例を示すブロック図である。 先端短絡スタブの一例を示すブロック図である。 従来のフィルタ回路の概略構成を示すブロック図である。 (a)は反射特性のグラフであり、(b)は通過特性のグラフである。 (a)は反射特性のグラフであり、(b)は通過特性のグラフである。 (a)は反射特性のグラフであり、(b)は通過特性のグラフである。 (a)は反射特性のグラフであり、(b)は通過特性のグラフである。
(発明の原理)
本発明の好ましい実施の形態におけるフィルタ回路について、図面を参照して詳細に説明する。同一機能を有する各構成部については、図示及び説明簡略化のため、同一符号を付して示す。本発明は、通信機器、またはレーダシステム等の高周波回路に用いられる高周波帯用のフィルタ回路に係り、特にフィルタ本体で反射させた不要周波数成分のうち、発振、スプリアス発射などのおそれのある周波数成分を低減するように構成されたフィルタ回路を提供する。
本発明の実施の形態に係るフィルタ回路を図1を用いて以下に説明する。図1は、本実施形態のフィルタ回路の概略構成を示すブロック図である。本実施形態のフィルタ回路100は、フィルタ部110とその入力側にスタブ回路120を備えており、信号の伝搬路として入力側と出力側にそれぞれマイクロストリップライン(以下では、MSLという)101、102が接続されている。MSL101から高周波信号10がフィルタ回路100に入力されると、使用周波数成分11のみを通過させてMSL102側に出力し、それ以外の不要帯域成分12についてはMSL101側に反射させる。
スタブ回路120は、フィルタ部110で反射された不要帯域成分12のうち、発振、スプリアス発射等のおそれのある周波数成分を除去するために設けられている。以下では、スタブ回路120で除去する周波数成分の信号を、除去対象信号ということとする。フィルタ回路100に入力される高周波信号10は、通常通過帯域に高い電力を有していることから、その高調波、低調波成分等も高い電力を有することがある。この高調波、低調波成分等は通過帯域外の周波数成分であり、フィルタ部110で反射される不要帯域成分である。そこで本実施形態では、この高調波成分等の反射信号をスタブ回路120で吸収するように構成している。
フィルタ回路100の通過帯域の中心周波数をf0とするとき、高調波、低調波成分等のうち中心周波数f0に最も近い周波数である(1/2)f0及び(3/2)f0の周波数の信号が高い電力を有している。そこで、スタブ回路120は、(1/2)f0及び(3/2)f0の周波数を有する信号の反射成分を吸収するように構成される。
スタブ回路120は、図1に示すように、所定長さのスタブ121と抵抗部122とを備えている。スタブ121のスタブ長は、上記説明の除去対象信号の波長に基づいて決定されている。スタブ121のスタブ長を決定する方法を、図2を用いて以下に説明する。図2は先端開放スタブの一例を示すブロック図である。
先端開放スタブ20の電気長をθとしスタブ長をLとするとき、先端開放スタブ20を伝送線路21側から見た入力インピーダンスZinは、
Figure 0005227837
で与えられる。ここで、Zosは、先端開放スタブ20の特性インピーダンスである。
先端開放スタブ20を用いてスタブ121を構成する場合、周波数がfaで伝送線路中の波長がλaの高周波信号を抵抗部122で吸収するためには、式(1)において、λ=λaのときにZin=0を満たすように先端開放スタブ20のスタブ長Lを設定する必要がある。すなわち、スタブ長Lが
Figure 0005227837
を満たすように設定する。これより、
Figure 0005227837
が得られる。式(3)を満たす図2に示すスタブ長Lの先端開放スタブ20を形成することで、スタブ回路120は、波長λa(周波数fa)の周波数において、抵抗部122のスタブ121側が接地されたのと等価となる。
抵抗部122は、周波数faでのフィルタ部110のインピーダンスと、スタブ回路120の合成インピーダンスが、伝送線路の特性インピーダンスと一致するよう適宜選定すればよい。
図1に示す本実施形態のフィルタ回路100では、スタブ121を用いて周波数が(1/2)f0及び(3/2)f0の信号を除去するように構成するために、上記式(3)において、λa=2・λ0(fa=(1/2)f0)としてスタブ121のスタブ長Lを決定する。すなわち、スタブ長L=λa/4=λ0/2とするのがよい。このとき、入力インピーダンスZinは、式(1)より次式で与えられる。
Figure 0005227837
上式(4)において、λ=2・λ0(f=(1/2)f0)及びλ=(2/3)λ0(f=(3/2)f0)としたとき入力インピーダンスZin=0となり、スタブ121は周波数(1/2)f0と(3/2)f0の除去対象信号の反射成分を吸収するよう作用する。すなわち、図1に示すフィルタ部110で反射された不要帯域成分12のうち、発振、スプリアス発射のおそれのある周波数(1/2)f0及び(3/2)f0の除去対象信号を、スタブ回路120で吸収することが可能となっている。
一方、周波数f0で波長λ0の通過帯域の信号に対しては、式(4)においてλ=λ0(f=f0)としたとき入力インピーダンスZin=∞となる。すなわち、周波数f0において、抵抗部122のスタブ121先端側が開放され、スタブ回路120が接続されていないのと等価となるため、フィルタ回路100の通過帯域の信号は、スタブ回路120の影響を受けない。すなわち、MSL101を伝送してフィルタ部110に入力される高周波信号10の通過帯域成分(使用周波数成分)11は、スタブ回路120側に伝送されることなくこれを通過し、フィルタ部110に入力される。よって、通過帯域成分11がスタブ回路120で減衰されるおそれはない。
次に、スタブ121のスタブ長を決定する別の方法を、図3を用いて以下に説明する。図3は先端短絡スタブの一例を示すブロック図である。
先端短絡スタブ30の電気長をθとしスタブ長をLとするとき、先端短絡スタブ30を伝送線路31側から見た入力インピーダンスZinは、
Figure 0005227837
で与えられる。ここで、Zssは、先端短絡スタブ20の特性インピーダンスである。
先端短絡スタブ30を用いてスタブ121を構成する場合、周波数がfbで伝送線路中の波長がλbの高周波信号を抵抗部121で吸収するためには、式(1)において、λ=λbのときにZin=0を満たすように先端短絡スタブ30のスタブ長Lを設定する必要がある。すなわち、スタブ長Lが
Figure 0005227837
を満たすように設定する。これより、
Figure 0005227837
が得られる。式(7)を満たす図3に示すスタブ長Lの先端短絡スタブ30を形成することで、スタブ回路120は、波長λb(周波数fb)の周波数において、抵抗部122のスタブ121先端側が接地されたのと等価となる。
抵抗部122は、周波数fbでのフィルタ部110のインピーダンスと、スタブ回路120の合成インピーダンスが、伝送線路の特性インピーダンスと一致するよう適宜選定すればよい。
図1に示す本実施形態のフィルタ回路100では、スタブ121を用いて周波数が2f0の信号を除去するように構成するために、上記式(7)において、λb=λ0/2(fb=2f0)としてスタブ121のスタブ長Lを決定する。すなわち、スタブ長L=λb/2=λ0/4とするのがよい。このとき、入力インピーダンスZinは、式(4)より次式で与えられる。
Figure 0005227837
上式(8)において、λ=λ0/2(f=2f0)としたとき入力インピーダンスZin=0となり、スタブ121は周波数2f0の除去対象信号の反射成分を吸収するよう作用する。すなわち、図1に示すフィルタ部110で反射された不要帯域成分12のうち、発振、スプリアス発射のおそれのある周波数2f0の除去対象信号を、スタブ回路120で吸収することが可能となっている。
一方、周波数f0で波長λ0の通過帯域の信号に対しては、式(8)においてλ=λ0(f=f0)としたとき入力インピーダンスZin=∞となる。すなわち、周波数f0において、抵抗部122のスタブ121側が開放され、スタブ回路120が接続されていないのと等価となるため、フィルタ回路100の通過帯域の信号は、スタブ回路120の影響を受けない。すなわち、MSL101を伝送してフィルタ部110に入力される高周波信号10の通過帯域成分11は、スタブ回路120側に伝送されることなくこれを通過し、フィルタ部110に入力される。よって、通過帯域成分11がスタブ回路120で減衰されるおそれはない。
以上のように、発振、スプリアス発射などのおそれのある除去対象信号の周波数と、使用周波数の関係に応じて、先端開放スタブ、先端短絡スタブを使い分ける事ができる。
(第一の実施形態)
本実施形態のフィルタ回路100の一実施例を以下に説明する。ここでは、フィルタ回路100は中心周波数f0を26.5GHzとしたバンドパスフィルタであり、フィルタ回路100に用いる基板の比誘電率を3.66とする。除去対象信号の周波数を13.25GHz及び39.75GHzとすると、このとき、伝搬路内の波長λは13.25GHzで13.45mmとなる。先端開放スタブ121の長さLは式(3)より、3.35mmと算出されるが、抵抗部122の寄生容量および、先端開放スタブの端部効果を考慮して2.18mmとした。先端開放スタブ121の幅は、略0.5mmとしている。さらに、抵抗部122の抵抗値については、51Ωとしたときと39Ωとしたときの実施例を示す。
スタブ回路120を上記のように構成したときのフィルタ回路100の入力反射特性、及び通過特性の一例を図6に示す。図6(a)は、反射特性を示すグラフであり、図6(b)通過特性を示すグラフである。また、符号60はスタブ回路120を設けないフィルタ回路の反射特性及び通過特性を示し、符号61は抵抗部122の抵抗値を51Ωとしたフィルタ回路の反射特性及び通過特性を示し、符号62は抵抗部122の抵抗値を39Ωとしたフィルタ回路の反射特性及び通過特性を示している。
図6(a)に示す反射特性より、周波数が(1/2)f0に相当する13.25GHz及び(3/2)f0に相当する39.75GHzにおいて、スタブ回路120を設けない符号60に比べてスタブ回路120を設けた符号61、62の方が、反射特性が大きく改善していることがわかる。すなわち、スタブ回路120を設けることで、13.25GHz及び39.75GHzにおける反射量が低減されており、これによりこれらの周波数帯における発振、スプリアス発射のおそれを抑制することが可能となっている。
また、図6(b)に示す通過特性では、符号60、61、62のいずれとも大きな差がないことがわかる。とくに、26.5GHz帯の通過帯域では、3者の間でほとんど差が見られない。これより、スタブ回路120を設けてもBPF110の通過特性にはほとんど影響しないことがわかる。
(第2の実施形態)
ここでは、フィルタ回路100は中心周波数f0を26.5GHzとしたバンドパスフィルタであり、フィルタ回路100に用いる基板の比誘電率を3.66とする。除去対象信号の周波数を39.75GHzとすると、伝搬路内の波長は4.39mmとなる。先端短絡スタブ121の長さLは式(7)より、2.19mmと算出されるが、抵抗部122の寄生容量および、短絡部構造を考慮して1.25mmとした。先端短絡スタブ121の幅は、略0.5mmとしている。さらに、抵抗部122の抵抗値については、33Ωとしたときの実施例を示す。
スタブ回路120を上記のように構成したときのフィルタ回路100の入力反射特性、及び通過特性の一例を図7に示す。図7(a)は、反射特性を示すグラフであり、図7(b)は通過特性を示すグラフである。また、符号70はスタブ回路120を設けないフィルタ回路の反射特性及び通過特性を示し、符号71は抵抗部122の抵抗値を33Ωとしたフィルタ回路の反射特性及び通過特性を示している。
図7(a)に示す反射特性より、周波数が(3/2)f0に相当する39.75GHzにおいて、スタブ回路320を設けない符号70に比べてスタブ回路120を設けた符号71の方が、反射特性が大きく改善していることがわかる。すなわち、スタブ回路120を設けることで、39.75GHzにおける反射量が低減されており、これによりこれらの周波数帯における発振、スプリアス発射のおそれを抑制することが可能となっている。
また、図7(b)に示す通過特性では、符号70、71のいずれも大きな差がないことがわかる。とくに、26.5GHz帯の通過帯域では、両者の間でほとんど差が見られない。これより、スタブ回路120を設けてもBPF110の通過特性にはほとんど影響しないことがわかる。
(第三の実施形態)
ここでは、フィルタ回路100はカットオフ周波数を16.8GHzのローパスフィルタであり、フィルタ回路100に用いる基板の比誘電率を3.66とする。除去対象信号の周波数を26.5GHzとすると、伝搬路内の波長は6.66mmとなる。先端開放スタブ121の長さLは式(3)より、1.66mmと算出されるが、抵抗部122の寄生容量および、先端開放スタブの端部効果を考慮して0.5mmとした。先端開放スタブ121の幅は、略0.5mmとしている。さらに、抵抗部122の抵抗値については、39Ωとしたときの実施例を示す。
スタブ回路120を上記のように構成したときのフィルタ回路100の入力反射特性、及び通過特性の一例を図8に示す。図8(a)は反射特性を示すグラフであり、図8(b)通過特性を示すグラフである。また、符号80はスタブ回路120を設けないフィルタ回路の反射特性及び通過特性を示し、符号81は抵抗部122の抵抗値を39Ωとしたフィルタ回路の反射特性及び通過特性を示している。
図8(a)に示す反射特性より、周波数が26.5GHzにおいて、スタブ回路320を設けない符号80に比べてスタブ回路120を設けた符号81の方が、反射特性が大きく改善していることがわかる。すなわち、スタブ回路120を設けることで、26.5GHzにおける反射量が低減されており、これによりこれらの周波数帯における発振を抑制することが可能となっている。
また、図8(b)に示す通過特性では、符号80、81のいずれとも大きな差がないことがわかる。これより、スタブ回路120を設けてもLPF110の通過特性にはほとんど影響しないことがわかる。
上記説明のように、本発明のフィルタ回路によれば、所定のスタブ回路を設けて不要帯域の所定の周波数成分を低減することで、該周波数成分が発振、スプリアス発射するのを防止することが可能となる。また、スタブ回路を設けても通過特性が劣化することがないように構成することができる。
なお、本実施の形態における記述は、本発明に係るフィルタ回路の一例を示すものであり、これに限定されるものではない。本実施の形態におけるフィルタの細部構成及び詳細な動作等に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
100 フィルタ回路
101、102、20、30 マイクロストリップライン
110 フィルタ部
120 スタブ回路
121 スタブ
122 抵抗部
10 高周波信号
11 通過帯域成分
12 不要帯域成分
42、43 伝搬路
21 先端開放スタブ
31 先端短絡スタブ
40 フィルタ回路
41 フィルタ部

Claims (5)

  1. 誘電体基板面にマイクロストリップラインで構成されて入力ポート及び出力ポートを有するフィルタ回路であって、
    フィルタ本体と、
    前記入力ポート前記フィルタ本体の入力側の間に接続され、前記フィルタ本体の使用周波数f0の成分は吸収せず前記使用周波数f0の高調波または低調波である不要周波数f1の成分のみを吸収するスタブ回路と、を備え、
    前記スタブ回路は、先端開放スタブまたは先端短絡スタブと、前記先端開放スタブまたは前記先端短絡スタブと前記入力ポートとの間に接続された抵抗と、を有し、
    前記不要周波数f1の成分の伝搬路内の波長をλ1とするとき、
    前記先端開放スタブが(1/4)λ1の奇数倍の長さに前記抵抗の寄生容量と該先端開放スタブの端部効果に対する補正を加えた長さに形成されている、または前記先端短絡スタブが(1/2)λ1の整数倍の長さに前記抵抗の寄生容量と該先端短絡スタブの端部効果に対する補正を加えた長さに形成されている
    ことを特徴とするフィルタ回路。
  2. 前記フィルタ本体は、バンドパスフィルタである
    ことを特徴とする請求項1に記載のフィルタ回路。
  3. 前記スタブ回路は、少なくとも(1/2)f0と(3/2)f0の両方を吸収する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のフィルタ回路。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載のフィルタ回路と、前記使用周波数f0の成分の少なくとも一つの高調波又は低調波を生成する非線形回路を備え、前記フィルタ回路の前記入力ポートに、前記非線形回路の出力ポートが接続されている
    ことを特徴とする高周波回路。
  5. 請求項4に記載の高周波回路を備えた無線通信装置、またはレーダ装置。
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