JP5227584B2 - 多層プリント基板およびその製造方法 - Google Patents
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Description
スルーホールと、両面に形成された導体パターンと、前記スルーホールに前記導体パターンと一体に導体が充填形成された充填スルーホールとをそれぞれ有する複数の第1の樹脂フィルムと、ビアホールを有し、両面に導体パターンの無い第2の樹脂フィルムとが交互に重ね合わされており、前記第1の樹脂フィルムと前記第2の樹脂フィルムとは、同じフィルム基材で構成されており、前記ビアホール内に充填された導電ペースト或いは金属粉が、前記複数の第1の樹脂フィルムのうちの隣接する2つの前記第1の樹脂フィルム間で対向する2つの前記導体パターンと金属間結合している多層プリント基板。
前記第1の樹脂フィルムは、ガラス転移点および融点が150℃以上350℃以下である熱可塑性樹脂である多層プリント基板。
前記第1の樹脂フィルムは、ポリアリールケトン樹脂と非晶質ポリエーテルイミドからなる多層プリント基板。
前記第1の樹脂フィルムは、結晶が光学的異方性を有するフィルムである多層プリント基板。
前記導電ペーストが少なくともSn,Cu,Agを含む金属粉からなる多層プリント基板。
スルーホールと、両面に形成された導体パターンと、前記スルーホールに前記導体パターンの導体と一体に導体が充填形成された充填スルーホールとを有する第1の樹脂フィルムを作製する工程と、ビアホールを有し、両面に導体パターンの無い第2の樹脂フィルムを作製する工程と、前記ビアホールの開口端が前記導体パターンと接するように、前記第1の樹脂フィルムと前記第2の樹脂フィルムとを熱融着して単位ユニットを作製する工程と、前記ビアホール内に導電ペースト或いは金属粉を充填した後、複数の前記単位ユニットを積み重ね、これらの積層体を熱融着プレスにより重ね合わせる工程と、を備え、前記第1の樹脂フィルムと前記第2の樹脂フィルムとは、同じフィルム基材で構成されている多層プリント基板の製造方法。
前記第1の樹脂フィルムを作製する工程において、該第1の樹脂フィルムの両面および前記スルーホール内壁に無電解めっきによって下地金属層を形成し、該下地金属層上に電気めっきによって導体層を形成した後、該導体層に前記第1の樹脂フィルムの両面の導体パターンを形成する多層プリント基板の製造方法。
多層プリント基板を図1乃至図6に基づいて説明する。
(1)まず、スルーホール11と、両面に形成された導体パターン12と、スルーホール11に導体パターン12と一体に導体13が充填形成された充填スルーホール14とを有する第1の樹脂フィルム15を作製する工程を実施する。
(2)次に、ビアホール21を有し、両面に導体パターンの無い第2の樹脂フィルム22を作製する工程を実施する。
(3)次に、図5(A)に示すように、ビアホール21の開口端が導体パターン12と接するように、第1の樹脂フィルム15と第2の樹脂フィルム22とを熱融着して単位ユニット30を作製する工程を実施する。
(4)次に、ビアホール21内に導電ペースト23Aを充填する(図5(B)参照)。
(5)次に、複数の単位ユニット30を積み重ね、これらの積層体を熱融着プレスにより重ね合わせる工程を実施する。
○第1の樹脂フィルム15は、スルーホール11と、両面に形成された導体パターン12と、スルーホール11に導体パターン12と一体に導体13が充填形成された充填スルーホール14とを有するので、充填スルーホール14により各第1の樹脂フィルム15両面の導体パターン12が電気的に接続される。また、複数の第1の樹脂フィルム15のうちの隣接する2つの第1の樹脂フィルム15間に、対向する2つの導体パターン12と金属間結合した導電体23が設けられているので、隣接する2つの第1の樹脂フィルム15間で対向する導体パターン12が、導電体23を介して電気的に接続されると共に機械的に結合されている。
(参考例)
下記の表1に示す参考例1〜3は、上記多層プリント基板10において、導電ペースト23Aとして、Agペーストを用いた参考例である。参考例4〜6は、上記多層プリント基板10において、導電ペースト33Aとして、AgSnペーストを用いた参考例である。
スルーホール11は、炭酸ガスレーザだけでなく、小径ではUV-YAGレーザを用いてもよく、エキシマレーザを用いても良い。また、機械ドリルでスルーホール11を加工してもよい。
フィルム粗面化・デスミア:
穴あけ加工した第1の樹脂フィルム15を強アルカリに浸して表面を溶解し粗面化した。
無電解めっき:
コンディショナー処理は、奥野製薬工業株式会社製のOPC−350コンディショナーにより、高分子フィルムの表面を洗浄した。ここで、パラジウムを含む触媒付与液として奥野製薬工業株式会社製のOPC−80キャタリスト、活性化剤としてOPC−500アクセラレーターを用いた。
銅電気めっき:
さらに銅電気めっきを行い、導体13の導体層13bを1〜10ミクロン厚に形成した。銅(Cu)の電気めっき処理は、導体層13bの導体厚が5ミクロンになるように銅を形成した。銅電気めっき液は下記を用いた。尚、スルーホールフィリング用添加剤として、荏原ユージライト株式会社製のキューブライトTFIIを使用した。
硫酸 150 g/L
濃塩酸 0.125mL/L(塩素イオンとして)
導体パターン12の作製:
導体パターン12は、サブトラクティブ法で第1の樹脂フィルム15の両面(導体13の導体層13b)に回路を形成した。感光レジストを塗布し、紫外線にて露光し、現像を行った。次に、エッチング工程を行い、導体パターン12を形成した後、レジストを剥離した。なお、さらに微細な回路形成には、電気銅めっき厚(導体厚)を2〜3ミクロン厚にして、めっきレジストを形成してから導体パターン部に電気銅めっきを行うセミアディティブ法を用いても構わない。
第1の樹脂フィルム15と第2の樹脂フィルム22を重ねてプレス温度150〜350℃の範囲、プレス圧力0.5〜10MPaの範囲で熱融着プレスを行った。
(比較例)
比較例1〜6では、銅箔と樹脂フィルムを張り合わせた片面積層板(片面導体パターンフィルム)、および、両面積層板(両面導体パターンフィルム)を用い、層間接続には、ブラインドビアホールに導電ペーストを充填したものを熱融着プレスして多層プリント基板を作製した。導電ペーストは参考例と同じものを用いた。各比較例で用いたフィルム、プレス圧力、プレス温度は下記の表2による。フィルムは参考例と同じ型番で厚さのものを使用した。
フィルム厚さを基準にして、融着プレス後の基板厚さの変化を求めた(表1、表2参照)。参考例、比較例では50ミクロン厚の樹脂フィルムを7枚積層したので、350ミクロン厚を基準とし、プレス後のフィルム厚さを測定し、厚さ変形量とした。
JIS C 5012の付図2.1のLに準じる導体パターンの6層基板を作製した。ただし、層間接続部の穴径100ミクロンとし、ランド径は0.5mm、配線幅は0.3mmとし、スルーホール11の間隔は7.62mmとした。参考例の多層プリント基板10の作製では、充填スルーホール14の中心位置に対し、導電ペースト23Aを充填するビアホール21の中心位置は150ミクロンオフセットした位置となるようにした。一方、比較例では、層間接続をとるための導電ペーストを充填するビアホールは同軸上となるように配置した。
融着プレス後のプレス厚さ変形量が小さい。
スルーホールの接続信頼性が高い。
次に、実施形態に係る多層プリント基板10Aを、図7および図8に基づいて説明する。
なお、この発明は以下のように変更して具体化することもできる。
11:スルーホール
12:導体パターン
13:導体
13a:下地金属層
13b:導体層
14:充填スルーホール
15:第1の樹脂フィルム(樹脂フィルム)
21:ビアホール
22:第2の樹脂フィルム
23:導電体
23A:導電ペースト
30:単位ユニット
41,42:レジスト膜
41a,42a:貫通孔
Claims (4)
- スルーホールと、両面に形成された導体パターンと、前記スルーホールに前記導体パターンと一体に導体が充填形成された充填スルーホールとをそれぞれ有する樹脂フィルムが直接複数枚重ね合わされており、
複数の前記樹脂フィルムのうちの隣接する2つの樹脂フィルム間に、対向する2つの前記導体パターンと金属間結合した導電体が設けられていることを特徴とする多層プリント基板。 - 前記導体パターンと前記充填スルーホールは、下地金属層と、該下地金属層上に形成された導体層とを有し、前記導体パターンが前記導体層に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の多層プリント基板。
- 前記下地金属層は、Pが2〜6%で厚さが0.05〜0.5ミクロンのNi−P合金で形成され、前記導体層は、Cuで形成されていることを特徴とする請求項2に記載の多層プリント基板。
- スルーホールと、両面に形成された導体パターンと、前記スルーホールに前記導体パターンと一体に導体が充填形成された充填スルーホールとを有する樹脂フィルムを作製する工程と、
導電ペースト或いは金属粉を、隣接する2つの前記樹脂フィルムの導体パターン間に介在させて、複数の前記樹脂フィルムを直接積み重ね、これらの積層体を熱融着プレスにより重ね合わせる工程と、
を備えることを特徴とする多層プリント基板の製造方法。
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