JP5226718B2 - マルチレイヤ記録キャリアに情報を記録する方法及びデュアルレイヤ記録キャリアに記録するための装置 - Google Patents

Description

本発明は、マルチレイヤ記録キャリアに情報を記録する方法に関する。より詳細には、本発明は、デュアルレイヤＤＶＤ−ＲＯＭ規格に準拠するようデュアルレイヤＤＶＤ＋ＲまたはＤＶＤ＋Ｒ／Ｗディスク上に情報を記録する方法に関する。

一般に規格と呼ばれる文書に記載されたフォーマットとして一般に呼ばれる特定のルール及びレイアウトに従って、情報が光記録キャリアに格納される。

映像及びデータアプリケーションのための記録可能な（ライトワンスとリライタブルの両方）光ストレージは、急速に拡大しつつあるマーケットである。単一の情報レイヤを有するＤＶＤ＋Ｒディスクでは、記憶容量は４．７ギガバイトである。これは、映像記録及びデータアプリケーションのための格納には限定的な容量である。ＭＰＥＧ２圧縮では、１時間の高画質デジタル映像と２時間の標準画質の記録が可能である。より大きなデータ記憶容量が望まれる。選択肢の１つは、複数の情報レイヤを有する光ディスクを利用することである。そのようなディスクは既にＤＶＤ−ＲＯＭで利用可能である。

２つの情報レイヤを有する記録可能な光ディスクが、データ記憶容量及び映像記録時間を２倍にするため開発されている。図１において、このようなデュアルレイヤディスクが概略的に示される。デュアルレイヤディスクは、一般にＬ０とＬ１レイヤと呼ばれる２つの情報レイヤを有する。Ｌ０レイヤは、情報を読取及び／または記録するのに用いられるレーザビームなどの放射ビームがディスクに投入されるディスクサイドに最も近接して配置された情報レイヤである。

デュアルレイヤＤＶＤ＋Ｒディスクは、フィリップスにより最近提案されてきたものであり、国際特許出願ＷＯ０３／０６０８９５−Ａ１に開示されている。このようなディスクは、原則的にデュアルレイヤＤＶＤ−ＲＯＭ規格と互換性を備える。例えば、両方のレイヤの反射レベルは、ＤＶＤ−ＲＯＭ規格（規格ＥＣＭＡ−２６７，１２０ｍｍＤＶＤ−読出し専用ディスク）に従って、１８％以上となっている。

ＷＯ０３／０６０８９５−Ａ１

しかしながら、デュアルレイヤ記録可能ＤＶＤディスクに記録された情報は、常にエラーなくＤＶＤ−ＲＯＭプレーヤー上で再生できるとは限らないという問題がある。これは、いわゆる互換性問題であり、ＤＶＤ−ＲＯＭプレーヤーに導入されている多くの基礎は、すでに世界中で利用可能となっているため、特に問題である。

本発明の課題は、マルチレイヤ記録キャリアを記録する方法であって、特にエラーなくＤＶＤ−ＲＯＭプレーヤーにおいて再生可能となるようにデュアルレイヤ記録可能ＤＶＤディスクを記録する方法を提供することである。

上記課題を解決するため、本発明の一特徴は、記録可能マルチレイヤ記録キャリアに情報を記録する方法であって、前記記録キャリアは、情報を格納するための第１情報レイヤと第２情報レイヤとを有し、前記第１情報レイヤ上の情報を有するエリアと前記第２情報レイヤ上の情報を有するエリアとが、実質的に等しいサイズとなり、両方のエリアが重なり合うように、前記情報が記録されることを特徴とする方法に関する。

本発明によると、マルチレイヤ記録キャリアを記録する方法であって、特にエラーなくＤＶＤ−ＲＯＭプレーヤーにおいて再生可能となるようにデュアルレイヤ記録可能ＤＶＤディスクを記録する方法を提供することができる。

図１は、デュアルレイヤディスクを概略的に示す。 図２Ａは、ＯＴＰ（Ｏｐｐｏｓｉｔｅ Ｔｒａｃｋ Ｐａｔｈ）ディスクを示す。 図２Ｂは、ＰＴＰ（Ｐａｒａｌｌｅｌ Ｔｒａｃｋ Ｐａｔｈ）ディスクを示す。 図３Ａは、一例となるフル書き込みＯＴＰタイプデュアルＤＶＤ−ＲＯＭディスクを示す。 図３Ｂは、他の例となるフル書き込みＯＴＰタイプデュアルＤＶＤ−ＲＯＭディスクを示す。 図４は、他の例となるフル書き込みＯＴＰタイプデュアルＤＶＤ−ＲＯＭディスクを示す。 図５は、レイヤＬ０からレイヤＬ１への再生ジャンプ中のＤＶＤプレーヤーの２つの可能なパスを示す。 図６は、ブランクデータエリアにダミーデータを書き込むことによりファイナライズされるデュアルレイヤディスクを示す。 図７は、ミドルゾーンエリアを内径方向にシフトさせながらデータを記録するディスクを示す。 図８は、ファイナライズエリアが最小化されるような方法によるデュアルレイヤＤＶＤ＋Ｒディスクへの記録を示す。

以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。

デュアルレイヤＤＶＤ−ＲＯＭ規格によると、ＯＴＰ（Ｏｐｐｏｓｉｔｅ Ｔｒａｃｋ Ｐａｔｈ）ディスク（図２Ｂに示される）とＰＴＰ（Ｐａｒａｌｌｅｌ Ｔｒａｃｋ Ｐａｔｈ）ディスク（図２Ａに示される）の２つの異なるディスクタイプが記載されている。図３Ａは、８．５ギガバイトデータのフル容量がディスク上に格納されるフル書き込みＯＴＰタイプデュアルレイヤＤＶＤ−ＲＯＭディスクを示し、図３Ｂは、８．５ギガバイトデータのフル容量未満しかディスク上に格納されないフル書き込みＯＴＰタイプデュアルレイヤＤＶＤ−ＲＯＭディスクを示す。

ファイナライズ後、デュアルレイヤＤＶＤ＋Ｒディスクは、それがＤＶＤプレーヤー（またはＤＶＤレコーダ）上で再生されるとき、デュアルレイヤＤＶＤ−ＲＯＭ規格に準拠すべきである。このＤＶＤ−ＲＯＭ規格（規格ＥＣＭＡ−２６７，１２０ｍｍＤＶＤ読出し専用ディスク）では、ＯＴＰタイプディスクの場合、リードアウト以降のデータ領域全体がデータ（データパターン）により書き込まれることが要求される。ＯＴＰと同様のデュアルレイヤＤＶＤ＋Ｒディスクの場合、レイヤＬ１（またはレイヤＬ０及びＬ１）のデータ領域が完全には書き込みされていないとき、ディスクは原則的にクローズすることが可能である（図４を参照せよ）。しかしながら、このような記録ディスクは、ＤＶＤ−ＲＯＭに準拠したものではない。なぜなら、データ領域全体がデータにより充填されておらず、それがＤＶＤプレーヤー（またはＤＶＤレコーダ）に挿入及び再生されるときに、問題が生じ得るためである。

図５は、レイヤＬ０からレイヤＬ１への再生ジャンプ中のＤＶＤプレーヤーの２つの可能なパス（パス１及びパス２）を示す。Ｌ０上のポジションＡからＬ１上のポジションＢへの２つの可能なサーチパス（パス１及びパス２）が示される。パス１が最も短く、最も可能性の高い選択対象となる選択肢である。しかしながら、このようなレイヤジャンプまたはフォーカス処理ルーチン中、リードアウトスポットは、ブランクデータエリアにジャンプする。ＤＶＤ−ＲＯＭ規格によると、ここにデータは存在すべきである。従って、ＤＶＤ−ＲＯＭプレーヤーは困惑し、おそらく当該ディスクを拒絶する。この効果は、最近の測定により確認されている。

上記問題を解決し、デュアルレイヤＤＶＲ＋ＲまたはＤＶＤ＋Ｒ／ＷディスクをＤＶＤ−ＲＯＭに準拠させる選択肢は、図６に示されるように、残りのブランクデータエリアにランダムデータパターンやオールゼロデータパターンなどのダミーデータを書き込むことによりディスクをファイナライズというものである。しかしながら、これはかなりの時間を要し（１時間以上）、ユーザアプリケーションには受け入れられるものではない。

本発明による記録方法及び記録装置は、記録時間を大きく増大させることなく、デュアルレイヤＤＶＤ＋ＲまたはＤＶＤ＋Ｒ／Ｗディスクの記録をデュアルレイヤＤＶＤ−ＲＯＭ ＯＴＰ規格に準拠させることを可能にし、これにより、市場で販売されている任意のＤＶＤプレーヤー上での記録ディスクの再生を保証すると共に、利用性を向上させることが可能である。

本発明によると、ＤＶＤ−ＲＯＭに準拠した手法によりデータ（ビデオストリームなど）をデュアルレイヤＤＶＤ＋ＲまたはＤＶＤ＋Ｒ／Ｗディスクに書き込むことは、２つの情報レイヤのデータ領域がデータにより充填されるようにミドルゾーンエリアを内径方向にシフトさせることにより実行される。図７に示されるように、データエリア全体がデータで充填されるように、ミドルゾーンエリアをディスクの内径方向にシフトしながら、データは記録される。

ＤＶＤ−ＲＯＭ準拠ディスクが生成されるということに加えて、本方法は、ダミーデータを記録する必要がないため、時間のかかるファイナライズ手順が実行される必要がないという効果を有する。

本発明の実施例では、ファイナライズエリアを最小化することが提案される。これは特に、ミドルゾーンエリアのシフトを正確に調整することが困難であるようなときに効果的である。図８は、ファイナライズエリアが最小化されるような方法によるデュアルレイヤＤＶＤ＋Ｒディスクへの記録を示す。ファイナライズエリアのサイズは、データエリアのサイズよりはるかに小さいものとされるべきである（例えば、データエリアの５％以下など）。

さらなる実施例では、データコンテンツは、情報レイヤＬ０とＬ１の両方に均等に分散される。データコンテンツのサイズがわかっているとき（例えば、ハードディスクからデュアルレイヤＤＶＤ＋ＲまたはＤＶＤ＋Ｒ／Ｗディスクへの記録の場合、あるいは、ディスク間記録中など）、当該コンテンツは双方の情報レイヤに均等に分散可能である。例えば、６ギガバイトデータがハードディスクからデュアルレイヤＤＶＤ＋Ｒディスクへのコピーが必要なときがあげられる。レイヤＬ０に４．７ギガバイトを、レイヤＬ１に１．３ギガバイトを書き込む代わりに（図４及び６に示されるように）、ミドルゾーンを内径方向にシフトすることによって、レイヤＬ０に３ギガバイトを、レイヤＬ１に１．３ギガバイトを書き込むことが提案されている。ここで、当該データは、長いファイナライズエリアを回避するように書き込みされる（または、必要なときに小さくされる）。

さらなる実施例では、データを格納するのに要するディスクスペースが、その記録前に推定される。これは、ビデオまたはデータストリームをデュアルレイヤＤＶＤ＋ＲまたはＤＶＤ＋Ｒ／Ｗに直接記録するときなど、記録時間がわかっているとき特に有用である。記録時間がわかっているとき（例えば、テレビガイドまたはビデオレコーダにプログラムされた時間などから）、予め必要とされるディスクスペースを推定することが可能である。例えば、３時間の記録がプログラムされる。レイヤＬ０に２時間とレイヤＬ１に１時間を記録する代わりに、レイヤＬ０に１．５時間とレイヤＬ１に１．５時間を記録することを提案している。好ましくは、一部の記録スペースは、ストリームの圧縮中の可能な可変ビットレートを想定するため、レイヤＬ１上で予約される。

ここで、本発明はデュアルレイヤ記録キャリアを参照して説明されているが、本発明は、その本質から逸脱することなく、３以上の情報レイヤを有するマルチレイヤ記録キャリアに適用可能であるということは、当業者には明らかであろう。

Ｌ０，Ｌ１ レイヤ

Claims (4)

1. 記録可能マルチレイヤ記録キャリアに情報を記録する方法であって、
   前記記録キャリアは、情報を格納するための第１情報レイヤと第２情報レイヤとを有し、
   前記第１及び第２情報レイヤは、１８％以上の反射レベルを有し、前記情報を記録するためのデータゾーンと、前記データゾーンに隣接したミドルゾーンとを有し、
   前記第１情報レイヤのデータゾーンにおける情報を有するエリアと前記第２情報レイヤのデータゾーンにおける情報を有するエリアとが実質的に等しいサイズとなり、両方のエリアが重なり合うように、また、前記データゾーンのサイズの５％未満のサイズを有するようにファイナライズエリアが最小化されるように、前記情報レイヤのミドルゾーンが前記情報を記録するため前記記録キャリアの内径方向にシフトされ、
   当該方法はさらに、前記ファイナライズエリアにダミーデータを書き込むことによって、前記記録キャリアをファイナライズするステップを有することを特徴とする方法。
2. 請求項１記載の方法であって、
   前記記録対象となる情報は、前記マルチレイヤ記録キャリアのすべてのレイヤ上に均等に分散されることを特徴とする方法。
3. 請求項１又は２記載の方法であって、
   前記情報の記録前に前記情報を格納するのに必要なスペースを推定するステップをさらに有することを特徴とする方法。
4. 請求項１乃至３何れか一項記載の方法を実行するよう動作可能であり、記録可能マルチレイヤ記録キャリア上に情報を記録することを特徴とする記録装置。

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