JP5226395B2 - メカニカルシールの漏れ計測方法 - Google Patents

メカニカルシールの漏れ計測方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5226395B2
JP5226395B2 JP2008158598A JP2008158598A JP5226395B2 JP 5226395 B2 JP5226395 B2 JP 5226395B2 JP 2008158598 A JP2008158598 A JP 2008158598A JP 2008158598 A JP2008158598 A JP 2008158598A JP 5226395 B2 JP5226395 B2 JP 5226395B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
leak
leakage
mechanical seal
distilled water
spectrophotometer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008158598A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010002182A (ja
Inventor
悟史 安
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eagle Industry Co Ltd
Original Assignee
Eagle Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Eagle Industry Co Ltd filed Critical Eagle Industry Co Ltd
Priority to JP2008158598A priority Critical patent/JP5226395B2/ja
Publication of JP2010002182A publication Critical patent/JP2010002182A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5226395B2 publication Critical patent/JP5226395B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Examining Or Testing Airtightness (AREA)

Description

本発明は、密封装置の一種であるメカニカルシールにおける漏れ計測方法に関するものである。
従来から図7に示すように、自動車等車両の冷却系部品であるウォーターポンプに用いられるメカニカルシール11が知られている(特許文献1参照)。
この種のウォーターポンプ用メカニカルシール11は、エンジン冷却液LLC(ロングライフクーラント)をシールする部品であり、密封対象であるLLCは、主剤である溶媒に添加剤として腐食防止剤、着色剤、pH調整剤および消泡剤などが添加されている。主剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール類、メタノール、エタノールなどのアルコール類が使用され、腐食防止剤としては、トリエタノールなどのアミン類、ホウ砂、シリケート、亜硝酸塩、リン酸塩などの無機酸類、安息香酸ナトリウム、セバシン酸ナトリウムなどの有機酸類、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾールなどの芳香族化合物などが使用される。また、着色剤としては、赤色2号、赤色104号、赤色106号、黄色4号、緑色3号などが使用される。
一般的に市場では、ポンプドレン穴部のLLC着色成分の付着によりウォーターポンプからの水漏れが発見され交換される場合が多い。このポンプドレン穴部へのLLC着色成分の付着は漏れ速度が非常に遅くても発生することがある。また、これまでの性能試験結果からウォーターポンプ用メカニカルシールの漏れには定常的な漏れと非定常的な漏れがあることが分かっている。しかしながら従来の漏れ測定技術である滴下法では短時間でかつ微量な漏れを測定することや非定常な漏れを測定することが困難である。ここでの短時間とは5時間以下であり、微量な漏れとは前記時間において20mg/h以下の漏れのことを云う。滴下法の問題点を列挙すると以下のとおりである。
(1)自然にメスシリンダー内に滴下する漏れ液の量を計測するため、応答性が悪い。
(2)漏れ回収チャンバー内やチューブ内などに付着する漏れを回収できないため、漏れ計測の精度が悪い。
(3)メスシリンダーの最小目盛りの関係や漏れ回収チャンバー内やチューブ内に漏れ液が付着するなどの理由から、微量な漏れを測定する場合は100時間以上必要としてしまう。
(4)ウォーターポンプ用メカニカルシールの漏れには密封液の原色の色がついた液が漏れてきたり透明な液が漏れてきたりする現象があるが、滴下法では目視のため、漏れ液の色の濃淡が定量化できていない。この漏れ液の色は市場ではウォーターポンプ用メカニカルシールからの漏れの判断基準となっており、非常に重要なパラメータである。
(5)高精度な自動漏れ計測システムを構築するのが難しい。
(6)漏れに対する応答性が悪いため、非定常的な漏れ挙動の変化を測定できず、また、そのときの漏れの成分や色の変化も測定できない。
(7)従来の滴下法では、その性能試験評価用治具の構造上、ベアリンググリースや防錆剤、シリコングリースなどが漏れ液と一緒に漏れていたため、紫外可視分光光度計や蛍光分光光度計などを用いて密封液の漏れ量を高精度に定量化することができない。
(8)蒸気漏れや液漏れなどの漏れ形態の変化を捉えることができない。
(9)回収チャンバーにガラス窓が付いていないため、漏れ箇所や漏れる瞬間を観察することができない。
特開2006−57725号公報
本発明は以上の点に鑑みて、紫外可視光吸収成分および/または蛍光成分を含む密封対象または腐食防止剤および着色剤を含むLLCを計測の対象とする漏れ計測方法において、微量な漏れの計測が可能であり、計測時間を短縮することも可能なメカニカルシールにおける漏れ計測方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の請求項1によるメカニカルシールの漏れ計測方法は、紫外可視光吸収成分および蛍光成分を含む密封対象をシールするメカニカルシールの漏れ計測方法であって、蒸留水が漏れ回収チャンバーおよび紫外可視分光光度計を循環するよう循環経路を設定するとともに蒸留水が漏れ回収チャンバーおよび蛍光分光光度計を循環するよう循環経路を別途設定し、供試体であるメカニカルシールの密封対象漏れ試験を実施してその漏れ分を前記漏れ回収チャンバーに回収し、前記回収した漏れ分を前記循環する蒸留水に溶融させ、前記循環する蒸留水に含まれる紫外可視光吸収成分を前記紫外可視分光光度計で測定するとともに前記循環する蒸留水に含まれる蛍光成分を前記蛍光分光光度計で測定し検量線法で漏れ量を算出することを特徴とするものである。
また、本発明の請求項2によるメカニカルシールの漏れ計測方法は、上記した請求項1に記載したメカニカルシールの漏れ計測方法であって、密封対象は、ウォーターポンプ用LLCであり、紫外可視光吸収成分は、前記LLCに含まれる腐食防止剤であり、蛍光成分は、前記LLCに含まれる着色剤であることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項3によるメカニカルシールの漏れ計測方法は、上記した請求項2に記載したメカニカルシールの漏れ計測方法であって、前記着色剤を前記蛍光分光光度計で計測することにより漏れ液の色の濃淡を定量的に評価することを特徴とするものである。
密封対象に含まれる紫外可視光吸収成分はこれを紫外可視分光光度計で検出することが可能であり、同じく密封対象に含まれる蛍光成分はこれを蛍光分光光度計で検出することが可能である。また上記LLCの成分のうち、芳香族系の腐食防止剤は紫外可視領域に吸収を有するので紫外可視分光光度計で検出することが可能であり、着色剤は蛍光を有するので蛍光分光光度計で検出することが可能である。したがって本発明ではこの特徴をメカニカルシールの漏れ計測に活用し、紫外可視光吸収成分を紫外可視分光光度計で測定するとともに蛍光成分を蛍光分光光度計で測定して検量線法で漏れ量を算出することにより密封対象の漏れ量を計測し、また、LLC中の腐食防止剤を紫外可視分光光度計で測定するとともに同じくLLC中の着色剤を蛍光分光光度計で測定して検量線法で漏れ量を算出することによりLLCの漏れ量を測定する。検量線法は、密封対象またはLLCの濃度と各成分の吸光度、蛍光強度との関係を予め調査のうえ特定し、その関係を用いて漏れ量を換算する方法である。成分測定の手順としてはバッチ方式と連続方式とがある。
本発明によれば、後記する実施の形態ないし実施例に詳記するように、紫外可視分光光度計と蛍光分光光度計を用いることにより密封対象中の異なる2成分の漏れが測定可能になり、これにより揮発性の高い成分が優先的に漏れると考えられる蒸気漏れには、揮発性の高い成分が定量測定可能な紫外可視分光光度計を用い、揮発性が非常に低く蒸気漏れが生じない蛍光物質を蛍光分光光度計で測定することで、蒸気漏れと液漏れの2つの漏れ形態を区別できる可能性がある。また紫外可視分光光度計と蛍光分光光度計を用いることで検出限界0.01mgという高精度な漏れ計測が可能になり、微量な漏れ量でも測定できるため試験時間の短縮化が可能となる。さらに、紫外可視分光光度計と蛍光分光光度計をポンプ付き配管により漏れ回収チャンバーと接続し、蒸留水で満たすことで、従来のウォーターポンプ用メカニカルシール性能試験では実施不可能であった漏れ液の色の定量化や自動計測を可能にすることができる。
本発明には、以下の実施形態が含まれる。
(1) 上記したLLC成分のうち、芳香族系の腐食防止剤は紫外可視領域に吸収を有するので紫外可視分光光度計で検出することができ、着色剤は蛍光を有しているので蛍光分光光度計で検出することが可能である。本発明はこの特徴をウォーターポンプ用メカニカルシールの漏れ計測に活用し、紫外可視分光光度計にてLLC中の腐食防止剤を、蛍光分光光度計にて着色剤を検出することによりLLCの漏れ量を測定する。本発明の計測方法を計測装置ないしシステムとして特徴付けると以下のようになる。
(1−1) 分光光度計を検出器として用いるウォーターポンプ用メカニカルシールのLLC漏れ量計測装置。
(1−2) 上記(1−1)のシステムとして分光光度計と摺動試験部、漏れ液回収チャンバー、送液ポンプから構成され、それらを配管でつなぎ一体化したことで連続測定可能である装置。この連続測定における最短時間は2分間隔である。
(1−3) 上記(1−1)の分光光度計として蛍光分光光度計、紫外可視分光光度計を使用し、LLC中の蛍光成分、紫外可視光吸収成分をLLC漏れ量のプローブとする装置。
(1−4) 上記(1−1)の分光光度計として蛍光分光光度計、紫外可視分光光度計を用いることでLLC漏れ量として約0.01mgの検出が可能な装置。
(1−5) 摺動試験部は温度、圧力を変化させることができ、その温度範囲は−40〜150度、圧力範囲は0〜1Mpa、回転数範囲は0〜10000rpmである。また、供試品の取付け治具を変更することにより、各種ミスアライメント(回転部振れ、固定側軸ずれ、固定側傾き)の設定が可能な装置。
(1−6) 漏れ液回収チャンバーには透明窓が付属しており、漏れ液の色や漏れ箇所および漏れ形態を観察することが可能な装置。
(2)また、本発明は、好適には、密封対象をウォーターポンプ用LLCとし、紫外可視光吸収成分を前記LLCに含まれる腐食防止剤とし、蛍光成分を前記LLCに含まれる着色剤とするものである。したがってこれらのウォーターポンプ用LLC、腐食防止剤および着色剤によって上記発明を再構成すると以下のようになる。
(2−1) 腐食防止剤および着色剤を含むウォーターポンプ用LLCをシールするメカニカルシールの漏れ計測方法であって、前記ウォーターポンプ用LLCの漏れ分に含まれる腐食防止剤および着色剤を紫外可視分光光度計および蛍光分光光度計で測定し検量線法で漏れ量を算出することを特徴とするメカニカルシールの漏れ計測方法。
(2−2) 腐食防止剤および着色剤を含むウォーターポンプ用LLCをシールするメカニカルシールの漏れ計測方法であって、供試体であるメカニカルシールの密封対象漏れ試験を実施してその漏れ分を漏れ回収チャンバーに回収し、前記回収した漏れ分を前記チャンバー内で蒸留水に溶融させ、前記漏れ分を溶融させた蒸留水の少なくとも一部を前記チャンバー外へ取り出し、前記取り出した蒸留水に含まれる腐食防止剤および着色剤を紫外可視分光光度計および蛍光分光光度計で測定し検量線法で漏れ量を算出することを特徴とするメカニカルシールの漏れ計測方法。
(2−3) 腐食防止剤および着色剤を含むウォーターポンプ用LLCをシールするメカニカルシールの漏れ計測方法であって、蒸留水が漏れ回収チャンバーならびに紫外可視分光光度計および蛍光分光光度計を循環するよう循環経路を設定し、供試体であるメカニカルシールの密封対象漏れ試験を実施してその漏れ分を前記漏れ回収チャンバーに回収し、前記回収した漏れ分を前記循環する蒸留水に溶融させ、前記循環する蒸留水に含まれる腐食防止剤および着色剤を前記紫外可視分光光度計および蛍光分光光度計で測定し検量線法で漏れ量を算出することを特徴とするメカニカルシールの漏れ計測方法。
(3) つぎに、本発明における「バッチ方式」を説明する。
(3−1)このバッチ方式は、紫外可視光吸収成分および/または蛍光成分を含む密封対象をシールするメカニカルシールの漏れ計測方法であって、供試体であるメカニカルシールの密封対象漏れ試験を実施してその漏れ分を漏れ回収チャンバーに回収し、前記回収した漏れ分を前記チャンバー内で蒸留水に溶融させ、前記漏れ分を溶融させた蒸留水の少なくとも一部を前記チャンバー外へ取り出し、前記取り出した蒸留水に含まれる紫外可視光吸収成分および/または蛍光成分を紫外可視分光光度計および/または蛍光分光光度計で測定し検量線法で漏れ量を算出するものであり、また上記(2−2)に記載したように、腐食防止剤および着色剤を含むウォーターポンプ用LLCをシールするメカニカルシールの漏れ計測方法であって、供試体であるメカニカルシールの密封対象漏れ試験を実施してその漏れ分を漏れ回収チャンバーに回収し、前記回収した漏れ分を前記チャンバー内で蒸留水に溶融させ、前記漏れ分を溶融させた蒸留水の少なくとも一部を前記チャンバー外へ取り出し、前記取り出した蒸留水に含まれる腐食防止剤および着色剤を紫外可視分光光度計および蛍光分光光度計で測定し検量線法で漏れ量を算出するものである。
(3−2) 具体例としては、図1に示すように、回転駆動可能な軸13の一端を挿通したタンク12内にウォーターポンプ用メカニカルシール11を作動状態でセットし、メカニカルシール11で仕切られるタンク12内の一方の空間を密封対象室14としてここにウォーターポンプ用LLCを充填し、他方の空間を漏れ回収チャンバー15とする。漏れ回収チャンバー15には蒸留水の注入口16が設けられ、また開閉弁18付きの取り出し口17が設けられている。符号19と20は蒸留水の取り出し容器である。符号21は紫外可視分光光度計である。符号22は蛍光分光光度計である。手順としては先ず、軸13を回転駆動させる等して所定の条件で漏れ試験を行ない、試験終了後にチャンバー15内に注入口16から蒸留水を注入し充満させて10分間放置する。メカニカルシール11からの漏れがあればこの10分間で漏れ分が蒸留水に溶融する。次いで、チャンバー15内の蒸留水(液体)を適量、取り出し口17から容器19,20へ取り出し、取り出した蒸留水(液体)を紫外可視分光光度計21のセルに入れ、蒸留水(液体)中に含まれる腐食防止剤を測定し、検量線法で漏れ量を算出する。またチャンバー15内の蒸留水(液体)を適量、取り出し口17から容器19,20へ取り出し、取り出した蒸留水(液体)を蛍光分光光度計22のセルに入れ、蒸留水(液体)中に含まれる着色剤を測定し、検量線法で漏れ量を算出する。尚、この漏れ回収方法では、1回の回収で全ての漏れを回収できず、実験結果から2回の回収で90%の漏れ回収率であることが分かっている。したがって通常は1つの評価試験につき2回の漏れ回収を実施し、その漏れ量を90%とし、漏れ量換算を実施する。
(4) つぎに、本発明における「連続方式」を説明する。
(4−1)この連続方式は、紫外可視光吸収成分および/または蛍光成分を含む密封対象をシールするメカニカルシールの漏れ計測方法であって、蒸留水が漏れ回収チャンバーならびに紫外可視分光光度計および/または蛍光分光光度計を循環するよう循環経路を設定し、供試体であるメカニカルシールの密封対象漏れ試験を実施してその漏れ分を前記漏れ回収チャンバーに回収し、前記回収した漏れ分を前記循環する蒸留水に溶融させ、前記循環する蒸留水に含まれる紫外可視光吸収成分および/または蛍光成分を前記紫外可視分光光度計および/または蛍光分光光度計で測定し検量線法で漏れ量を算出するものであり、また上記(2−3)に記載したように、腐食防止剤および着色剤を含むウォーターポンプ用LLCをシールするメカニカルシールの漏れ計測方法であって、蒸留水が漏れ回収チャンバーならびに紫外可視分光光度計および蛍光分光光度計を循環するよう循環経路を設定し、供試体であるメカニカルシールの密封対象漏れ試験を実施してその漏れ分を前記漏れ回収チャンバーに回収し、前記回収した漏れ分を前記循環する蒸留水に溶融させ、前記循環する蒸留水に含まれる腐食防止剤および着色剤を前記紫外可視分光光度計および蛍光分光光度計で測定し検量線法で漏れ量を算出するものである。
(4−2) 具体例としては、図2に示すように、回転駆動可能な軸13の一端を挿通したタンク12内にウォーターポンプ用メカニカルシール11を作動状態でセットし、メカニカルシール11で仕切られるタンク12内の一方の空間を密封対象室14としてここにウォーターポンプ用LLCを充填し、他方の空間を漏れ回収チャンバー15とする。漏れ回収チャンバー15には蒸留水を注入し充満させる。また、注入した蒸留水がチャンバー15と紫外可視分光光度計21のセルをポンプ24で循環するよう循環経路(送液用配管)23を設定し、同じく注入した蒸留水がチャンバー15と蛍光分光光度計22のセルをポンプ26で循環するよう循環経路(送液用配管)25を設定する。手順としては先ず、軸13を回転駆動させる等して所定の条件で漏れ試験を行なう。メカニカルシール11からの漏れがあれば漏れ分が蒸留水に溶融する。次いで、ポンプ24を駆動してチャンバー15内の蒸留水(液体)を循環経路23を介して紫外可視分光光度計21のセルへ送り込み、蒸留水(液体)中に含まれる腐食防止剤を測定し、検量線法で漏れ量を算出する。またポンプ26を駆動してチャンバー15内の蒸留水(液体)を循環経路25を介して蛍光分光光度計22のセルへ送り込み、蒸留水(液体)中に含まれる着色剤を測定し、検量線法で漏れ量を算出する。このとき、ポンプ24,26による送液を自動化することで自動漏れ計測が可能となる。尚、送液はポンプ流量などを考慮して40秒間継続して送液し、送液後はセル内の液の揺らぎがおさまるまで30秒間待機してから測定を実施する。このような理由から通常、自動漏れ計測は2分間隔で実施する。
(5) つぎに「検量線法」を説明する。
検量線法は、溶液中の物質濃度を決定するに際して、既知濃度の標準液列の濃度−吸光度関係から未知濃度を決定する方法である。分光光度計を用いた比色分析や、原子吸光光度法などで用いる。一般には、濃度と吸光度などの間に直線関係が見られる範囲において用いるが、場合によっては、折れ線検量、非線型の検量線などを用いる場合もある。
(5−1)標準溶液列の準備
求めたい濃度、およびそれより薄いものと濃いものを準備する。未知濃度の推定が外挿によることにならないよう注意する。直線性に依存するが、一般に3〜5点の標準溶液を用いる。方法に熟知し、直線性が確かめられている場合には、1点検量を行なう場合もある。
(5−2)分析
未知濃度、既知濃度の溶液とも同じ方法で分析を行なう。検量線作成のための未知濃度の分析は、一般には分析の当初に行なわれることが多いが、バックグラウンドの安定や、ベース・ラインのドリフトなどに注意をはらう必要がある。
(5−3)グラフへのプロット
標準溶液について得られたデータは、グラフ用紙にプロットして直線性などについて検討する。横軸に濃度、縦軸に吸光度をとる。
(5−4)関係式の決定
直線の検量線は、最小二乗法によって係数を決定する。得られた直線を
ABS=a×C+b・・・・(1)
ここで、ABS:吸光度(%)
C:濃度(mg/l)
a,b:定数
と表す。
(5−5)未知濃度溶液の濃度の決定方法
すると、未知濃度の検体の吸光度x(%)から、濃度C(mg/l)は、
C=(x−b)/a・・・・(2)
という式で求めることができる。
つぎに、本発明の実施例について説明する。
第一実施例・・・
本発明の実施例の一つとして、従来の漏れ計測方法である滴下法と本発明実施例に係る分光光度計を用いる漏れ計測方法との比較を示す。試験で用いたLLCの成分は図3の表1に示すとおりである。供試品としては、市場漏れ不具合品と市場漏れなし品、新品2個の計4種類を用いており、市場回収品の試験時の取付け長は市場で取付けられていた時と同様にし、新品の取付け長は基準長である。滴下法の漏れ計測に用いた試験機は五頭式試験機であり、本発明実施例の漏れ計測に用いた試験機は横型回転試験機である。どちらもウォーターポンプ用メカニカルシール単体の評価試験機である。滴下法における漏れ回収方法は、回収チャンバーにつなげたチューブを通って落ちてきた漏れをメスシリンダーで回収する方法をとっている。一方、本発明実施例における漏れ回収方法は、上記したバッチ方式である。測定条件は図4の表2のとおりである。尚、同表の定量に用いた波長は、紫外可視分光光度計はLLC中の成分で高い揮発性と紫外可視吸光成分を有している腐食防止剤の波長であり、蛍光分光光度計は非常に低い揮発性と蛍光物質である着色剤の波長である。また、検量線法とは、LLC濃度と各成分の吸光度と蛍光強度の関係を調査し、その関係を用いて漏れ量を換算する方法である。このとき換算される漏れ量はLLC原液の漏れ量であり、滴下法で得られる漏れ量と異なる。試験条件および試験結果を図5の表3に示す。同表より、本発明実施例では試験時間が1時間と非常に短いのに対し、滴下法では漏れ回収/測定精度が悪いため、試験時間が500、1000時間と非常に長いことがわかる。しかも、比較例1−1に関しては漏れが非常に少ないため、滴下法では漏れが測定できずに0mgの漏れ量となっている。また、全実施例を見比べてみても、本発明実施例に比べ滴下法のほうが漏れの回収率が悪いことがわかる。このように滴下法では、今回のような漏れが少ないサンプルの評価を実施する場合、試験時間を長くしなければ漏れの計測ができず効率が悪い。さらに、評価試験で重要なパラメータである漏れ液の着色有無に関しても、同表では目視確認のため、本発明実施例と滴下法が同様の結果になっているが、本発明実施例では着色剤を蛍光分光光度計で計測しているため、漏れ液の色の濃淡が定量的に評価できる。
第二実施例・・・
もう一つの実施例として、本発明の漏れ計測方法における自動漏れ計測の実施例を示す。これは上記した連続方式にもとづくもので、前述したように自動漏れ計測装置として、漏れ回収チャンバー、循環経路(送液用配管)、分光光度計内の測定箇所であるセル内をつなぎ、蒸留水を満たした構造である(図2参照)。本実施例における自動漏れ計測は2分間隔で実施する。測定条件は、紫外可視分光光度計と蛍光分光光度計ともに固定波長測定であり、測定した波長は上記第一実施例の表2の定量に用いた波長である。試験条件は、上記第一実施例の表3中の実施例1−1と同様である。供試品は通常のウォーターポンプ用メカニカルシールを用い、取付け長は基準長である。以上の方法で実施した試験結果を図6のグラフ図に示す。同図より、腐食防止剤と着色剤の漏れの経時変化がわかる。これにより、初期に着色剤の漏れが多くその後ほとんど漏れないことと、腐食防止剤の漏れは一定になることがなく、漏れの増減を繰り返していることがわかる。このように、LLC中に含まれる成分が常に一緒に同じ量漏れるわけではなく、それぞれに異なる漏れ推移を示すことが判明した。以上のように、従来の滴下法では測定不可能であった2つの異なる成分の漏れを同時に自動計測することが可能になった。
本発明の実施形態に係る漏れ計測方法の実施に用いる漏れ計測システム(バッチ方式)の説明図 本発明の他の実施形態に係る漏れ計測方法の実施に用いる自動漏れ計測システム(連続方式)の説明図 本発明の第一実施例に係る比較試験で用いたLLCの成分を示す表図 同比較試験における分光光度計の漏れ測定条件を示す表図 同比較試験における試験条件および試験結果を示す表図 本発明の第二実施例に係る自動漏れ計測装置を用いたときの密封液中2成分の漏れ速度の経時変化を示すグラフ図 ウォーターポンプ用メカニカルシールの一般構造を示す断面図
符号の説明
11 メカニカルシール
12 タンク
13 軸
14 密封対象室
15 漏れ回収チャンバー
16 注入口
17 取り出し口
18 開閉弁
19,20 取り出し容器
21 紫外可視分光光度計
22 蛍光分光光度計
23,25 循環経路
24,26 ポンプ

Claims (3)

  1. 紫外可視光吸収成分および蛍光成分を含む密封対象をシールするメカニカルシールの漏れ計測方法であって、
    蒸留水が漏れ回収チャンバーおよび紫外可視分光光度計を循環するよう循環経路を設定するとともに蒸留水が漏れ回収チャンバーおよび蛍光分光光度計を循環するよう循環経路を別途設定し、供試体であるメカニカルシールの密封対象漏れ試験を実施してその漏れ分を前記漏れ回収チャンバーに回収し、前記回収した漏れ分を前記循環する蒸留水に溶融させ、前記循環する蒸留水に含まれる紫外可視光吸収成分を前記紫外可視分光光度計で測定するとともに前記循環する蒸留水に含まれる蛍光成分を前記蛍光分光光度計で測定し検量線法で漏れ量を算出することを特徴とするメカニカルシールの漏れ計測方法。
  2. 請求項1に記載したメカニカルシールの漏れ計測方法であって、
    密封対象は、ウォーターポンプ用LLCであり、紫外可視光吸収成分は、前記LLCに含まれる腐食防止剤であり、蛍光成分は、前記LLCに含まれる着色剤であることを特徴とするメカニカルシールの漏れ計測方法。
  3. 請求項2に記載したメカニカルシールの漏れ計測方法であって、
    前記着色剤を前記蛍光分光光度計で計測することにより漏れ液の色の濃淡を定量的に評価することを特徴とするメカニカルシールの漏れ計測方法。
JP2008158598A 2008-06-18 2008-06-18 メカニカルシールの漏れ計測方法 Active JP5226395B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008158598A JP5226395B2 (ja) 2008-06-18 2008-06-18 メカニカルシールの漏れ計測方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008158598A JP5226395B2 (ja) 2008-06-18 2008-06-18 メカニカルシールの漏れ計測方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010002182A JP2010002182A (ja) 2010-01-07
JP5226395B2 true JP5226395B2 (ja) 2013-07-03

Family

ID=41584040

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008158598A Active JP5226395B2 (ja) 2008-06-18 2008-06-18 メカニカルシールの漏れ計測方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5226395B2 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102507103B (zh) * 2011-10-11 2013-12-04 浙江工业大学 一种气体密封实验装置及方法
CN103277323A (zh) * 2013-05-10 2013-09-04 重庆科技学院 发动机水泵密封性及旋转功能检测机
CN103471771A (zh) * 2013-08-12 2013-12-25 浙江工业大学 一种空化可视的多功能密封实验装置
US10280977B2 (en) 2015-04-16 2019-05-07 Eagle Industry Co., Ltd Slide Component
JP6659324B2 (ja) * 2015-11-26 2020-03-04 トヨタ自動車株式会社 鋳造装置および該鋳造装置における冷媒の漏れを検出する方法並びに漏れ検出装置
CN110057505B (zh) * 2019-04-24 2020-11-10 东阳市俊华电器销售有限公司 一种水冷电机壳体检测设备
CN109916572B (zh) * 2019-04-24 2021-06-01 台州精壹机电股份有限公司 一种便于观察的水冷电机壳体检测设备
CN111678648B (zh) * 2020-06-24 2021-12-21 重庆亿盛塑胶科技有限公司 一种汽车密封件密封性能检测装置
CN112284626B (zh) * 2020-10-21 2021-12-07 东风汽车集团有限公司 带循环喷水系统的转向密封罩测试台及测试方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63214633A (ja) * 1987-03-03 1988-09-07 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 摺動シ−ル部の液漏れ測定法
JPH03199938A (ja) * 1989-12-27 1991-08-30 Hamamatsu Photonics Kk 液漏れ検査方法
JPH06148074A (ja) * 1992-11-12 1994-05-27 Sumitomo Metal Ind Ltd 水溶性作動油の漏洩検出方法
JP3614678B2 (ja) * 1998-08-31 2005-01-26 光洋精工株式会社 流体漏れ検出方法および流体漏れ検出装置
JP4474142B2 (ja) * 2003-10-24 2010-06-02 トヨタ自動車株式会社 内燃機関用冷却液及びその再生方法
JP2006057725A (ja) * 2004-08-19 2006-03-02 Eagle Ind Co Ltd メカニカルシール装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010002182A (ja) 2010-01-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5226395B2 (ja) メカニカルシールの漏れ計測方法
CA2120569C (en) Boiler system leak detection
US7612874B2 (en) Method and apparatus for monitoring oil deterioration in real time
CN109443867B (zh) 一种对致密岩石的物性参数进行连续检测的方法
CN103026207B (zh) 评估产出流体中的化学品的方法
US20060270050A1 (en) Method and test kit for the determination of iron content of in-use lubricants
CN110715876B (zh) 一种污水缓蚀剂室内快速评价方法
CN101936712B (zh) 金属板表面油膜厚度测定方法及装置
CN104535421B (zh) 一种交联聚合物凝胶性能检测仪及检测方法
JP2020509394A (ja) 車両エンジンの燃焼室漏洩検知キット
CN104458160B (zh) 管路件压力测试系统及其压力测试方法
CN207395980U (zh) 一种烃类水冷器泄漏检测及快速定量装置
CN211043067U (zh) 一种污水腐蚀评价装置
RU90908U1 (ru) Устройство для исследования жидкого ракетного топлива
CN110261266A (zh) 一种综合nmr和ct扫描测量油气最小混相压力的装置与方法
CN116482159A (zh) 一种测定二氧化碳在地层水中溶解度的装置及方法
CA2995721C (en) Fluid system evaluation with multiple chemical tracers
JPH03199938A (ja) 液漏れ検査方法
CN109752150B (zh) 一种烃类水冷器泄漏检测及快速定量装置及其方法
BR112013009804B1 (pt) Método para detecção de impurezas em um fluido e método de regulação da entrada de fluido em um sistema de transferência de energia
CN112946024A (zh) 一种余氯传感器测量特性的检验方法
Warming et al. A technique for continuous detection of drill liquid in ice cores
CN106526022B (zh) 一种检测柴油泵中柴油是否泄漏到润滑油中的方法
CN110455464A (zh) 一种高效检测容器内腔渗漏的方法
CN217717183U (zh) 水质自动在线监测仪内部用稀释装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110218

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120831

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120905

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121101

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130213

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130314

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5226395

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160322

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250