JP5224373B2 - シース状塗布具及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、掌又は指の挿入部を有する、塗布組成物を保持したシート部材と保護フィルムからなる、嵩張らない、携帯に便利なシース状塗布具に関する。
さらに詳しくは、本発明は、保存時には塗布組成物の品質保持ができ、使用時には塗布組成物を覆う保護フィルムを簡単に除去でき、塗布組成物の、漏出、遺漏、浸透又は漏出等の漏れ出し(以下、浸透又は漏出という)によって、手、掌や指先を汚さずに塗布組成物を皮膚の好みのところへ適用可能なシース状塗布具に関する。
従来、化粧料等の塗布組成物を顔面、頸部等身体の所定部位に簡便に適用するための技術が本発明者らから幾つか提案されている。
例えば本発明者は、シース状のように予め所定形状に成形した部材に皮膚外用剤を含有せしめたシース状袋体について、特開2000−79016号公報(特許文献1)において提案した。これはシース状袋体の内側に掌全体でなく手指の先のみを挿入して皮膚外用剤を皮膚面に塗布するものであるが、手指の先のみによる塗布であり、塗布量も少なく、手や掌を汚し易い欠点があった。
また、実開昭63−67442号公報(特許文献2)や実開平4−56639号(特許文献3)に提案されるようなセパレート型構造の袋に塗布組成物と塗布部材と別々に2室に収納するものも知られるが、2室の開封後、塗布部材に塗布組成物を含ませる手数がかかり、手を汚染する問題もあった。
さらに、本発明者らは、特開2003−180449号公報(特許文献4)及び特表2005−511443号公報(特許文献5)において、手袋状の塗布部材に皮膚外用剤を含ませた状態で気密包装しておき、包装袋の一部を切り離して、皮膚外用組成物の付着した塗布部材を取り出して図1に示すように塗布部材内側に掌を差し込んで化粧料の塗布作業を行う技術を提案したが、塗布組成物が高い粘度の場合、塗布部材に均一に含ませることは困難であり、高い粘度の化粧料には適用できない、また、組成物は一種類に限られる等の汎用性に限界があった。
上記に類似する技術として、英国特許公開公報2108921A(特許文献6)には、塗布体を包装袋内に一体化梱包した塗布用具について開示されているが、使用時に包装の開封操作が煩雑であること、塗布面を有効に使えない、手や衣服を不用意に汚損するなどの欠点が存在しており、製造面でも、塗布体を折り曲げる工程が必須であり、シワ発生の要因であり、他に包装袋と結合するときに位置決めが難しいなど製品収率を低下させる要因が多数存在していた。
一方、一つの包装体において、異なる物質を隔離して収納し、使用時に混合して使用する技術が米国特許第6322798号公報(特許文献7)、国際公開公報WO2004/110414号公報(特許文献8)などに開示されているが、開封や混合に際して操作が非常に煩雑なものであった。
特開2000−79016号公報 実開昭63−67442号公報 実開平4−56639号 特開2003−180449号公報 特表2005−511443号公報 英国特許公開公報第2108921A号公報 米国特許第6322798号公報 国際公開公報WO2004/110414号公報
上記従来製品の問題点に鑑み、化粧料や皮膚外用剤等の塗布組成物と基材シートを一体的に、薄く、柔軟に包装すると同時に、塗布組成物の品質保持に優れ、塗布組成物の粘度に関係なく、保持層に均一に含ませて、塗布組成物の掌や指側への浸透又は漏出のおそれがなく、使用時には簡単に開封でき、手や指を汚すことなく顔、皮膚等の所望の身体個所への塗布操作ができるコンパクトなシース状塗布具を提供することを課題とする。
また、本発明は、異なる種類の塗布組成物を用いる場合でも、使用前までは異種の塗布組成物が混じることなく、別々に収納し、使用時に顔等の適宜の皮膚にこすりつけるだけの簡単な操作で、異種の塗布組成物を自在に混合して使用できるシース状塗布具を提供することを課題とする。
また、本発明は、原料成分を混合したときに不安定となる塗布組成物でも、原料成分を別々に隔離状態で保管することで使用直前まで活性を保持でき、使用時に上記原料成分の活性をそのまま有効活用できるシース状塗布具を提供することを課題とする。
さらに、基材の両面に異種の塗布組成物を含浸又は配置することで、複合的な効果や多機能の塗布組成物の使用時調合による効果を発揮できるシース状の塗布具を提供することを課題とする。
さらにまた、シース状塗布具の製造プロセスでは、複数のシートを積層しても、煩雑な工程を採ることなく、特定のシート材の特定部位を選択的にシールする制御技術と、所定の塗布組成物を個別に目的の区画域に確実に収容するようにシールする技術を特徴とし、製造時の歩留まり率の高い効率的な連続生産方法を提供することを課題とする。
上記課題を達成するために、本発明は、基材シートと、保護フィルムと、塗布組成物と、を備え、掌又は指が挿入されるための空所域を有するシース状塗布具であって、上記基材シートは少なくとも1面には塗布組成物が配置されてなる保持層と、上記掌又は指の挿入されるための空所域への該塗布組成物の浸透又は漏出を防止するバリア層を有する基材シートを備えており、且つ上記保護フィルムは上記保持層から上記塗布組成物が外部に露出しないように保護するものであり、上記基材シートと保護フィルムはシール部で除去可能にシールされてなるものである。
請求項1に係る発明のシース状塗布具は、基材シート10と保護フィルム12との間に、塗布組成物15を配置するための1室又は2室以上のシールされた区画域を有しており、かつ、別の基材シート10’と上記基材シート10との間に掌又は指の挿入のための空所域18を形成するように略外周でシールされたシース状塗布具11であって、
前記基材シートがその表面に前記塗布組成物15を配置した、繊維シートの保持層16と、前記空所域側に上記塗布組成物の浸透又は漏出防止のための樹脂シートのバリア層17とをヒートシールした第1シール部21からなる積層体であり、その第1シール部に沿って上記保護フィルムを除去可能であり、前記掌又は指の挿入のための空所域18を形成するように略外周を第2シール部22でヒートシールしており、上記第1シール部における保護フィルムと繊維シート間の剥離強度(JIS―Z0238準拠)が0.1〜5N/15mm、上記第2シール部における樹脂シートのバリア層間の剥離強度(JIS―Z0238準拠)が10〜50N/15mmであることを特徴とする。
請求項2に係る発明のシース状塗布具は、前記基材シートのバリア層17が掌又は指に接触する側に配置され、基材シート10と保護フィルム12とが掌又は指の挿入のための空所域18を形成するように開口部を除いて略外周でシールされていることを特徴とする。
請求項3に係る発明のシース状塗布具は、前記掌又は指の挿入のための空所域18を形成するために、開口部を除いてシールされた外周が、略袋状、ミトン状又はグローブ状の形状であることを特徴とする。
請求項4に係る発明のシース状塗布具は、少なくとも一方の基材シート10側に設けられた前記1室又は2室以上の区画域には、少なくとも1種以上の塗布組成物が配置されてなることを特徴とする。
請求項5に係る発明のシース状塗布具は、前記塗布組成物15が保持層16に対して、線状、格子状又は面状に配置されてなることを特徴とする。
請求項6に係る発明のシース状塗布具は、前記基材シート10及び/又は保護フィルム12の少なくとも一つが、着色及び/又は印刷模様を有することを特徴とする。
請求項7に係る発明のシース状塗布具は、 前記塗布組成物が、スキンケア化粧料、クレンジング化粧料、メークアップ化粧料、毛髪又は頭皮用外用剤、サンケア化粧料、タンニング化粧料、染毛料、マスカラ化粧料、冷却剤又は洗浄料からなる群から選ばれた組成物であることを特徴とする。
請求項8に係る発明のシース状塗布具は、前記基材シート10及び/又は保護フィルムが、生分解性物質を含むことを特徴とする。
請求項9に係る発明のシース状塗布具は、前記生分解性物質が、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、脂肪族ポリエステル、微生物由来のポリ3−ヒドロキシアルカネート、ポリアミノ酸、ポリビニルアルコール、プルラン、セルロース類又はセルロース・キトサン混合体から選ばれた1種以上の成分であることを特徴とする。
請求項10に係る発明のシース状塗布具の製造方法は、(i)繊維シートの保持層16と樹脂シートのバリア層17からなる基材シート10を配置する工程、(ii)上記保持層の少なくとも1個所以上の域に1種以上の塗布組成物15を配置する工程、(iii)上記塗布組成物を覆うように基材シート10と保護フィルム12とを重ね合わせて閉領域を形成するように、その保護フィルムと上記繊維シート間の剥離強度(JIS―Z0238準拠)が0.1〜5N/15mmでシールする第1シール工程、(iv)さらに基材シート10のバリア層17を内側にして、別の基材シート10’又は別の基材シートのバリア層17’を内側にして、上記バリア層と別の基材シートの間に、又は上記基材シートのバリア層と別の基材シートのバリア層の間に、掌又は指の挿入のための空所域18を形成するように、上記バリア層間の剥離強度(JIS―Z0238準拠)が10〜50N/15mmでシールする第2シール工程、(v)切断する工程、を有することを特徴とする。
請求項11に係る発明のシース状塗布具の製造方法は、前記第2シール工程が、掌又は指の挿入のための開口部が非シール部となるようにシールすることを特徴とする。
請求項12に係る発明のシース状塗布具の製造方法は、前記(iii)の第1シール工程が、少なくとも1個所以上の区画域を形成するように保護フィルムと基材シートとをシールすることを特徴とする。
請求項13に係る発明のシース状塗布具の製造方法は、少なくとも一方の基材シートに、塗布組成物の掌又は指への浸透又は漏出を防止するためのバリア層を設けることを特徴とする。
請求項14に係る発明のシース状塗布具の製造方法は、前記(i)〜(iii)の工程を並行的に行い、得られた2つのシートを保護フィルムが外側になるように重ね合わせてシールする上記第2シール工程と、使用単位に切断する工程からなることを特徴とする。
第4の発明は、少なくとも一方の基材シート側に設けられた上記1室又は2室以上の区画域には、少なくとも1種以上の塗布組成物が配置されてなることを特徴とする第1〜第3の発明のいずれかのシース状塗布具にある。
第5の発明は、塗布組成物は、保持層に対して、線状、格子状又は面状に配置されてなる第1〜第4の発明のいずれかのシース状塗布具にある。
第6の発明は、基材シート及び/又は保護フィルムの少なくとも一つが、着色及び/又は印刷模様を有することを特徴とする第1〜第5の発明のいずれかに記載のシース状塗布具にある。
第7の発明は、基材シートが、繊維シート及び/又はスポンジシートと、バリア機能を有する樹脂シートとの積層体であることを特徴とする第1〜第6の発明のいずれかに記載のシース状塗布具にある。
第8の発明は、塗布組成物が、スキンケア化粧料、クレンジング化粧料、メークアップ化粧料、毛髪又は頭皮用外用剤、サンケア化粧料、タンニング化粧料、染毛料、マスカラ化粧料、冷却剤、又は洗浄料からなる群から選ばれた組成物であることを特徴とする第1〜第7の発明のいずれかのシース状塗布具にある。
第9の発明は、上記基材シート及び/又は保護フィルムが、生分解性物質を含むことを特徴とする第1〜第8の発明のいずれかに記載のシース状塗布具にある。
第10の発明は、生分解性物質が、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、脂肪族ポリエステル、微生物由来のポリ3−ヒドロキシアルカネート、ポリアミノ酸、ポリビニルアルコール、プルラン、セルロース類又はセルロース・キトサン混合体から選ばれた1種以上の成分であることを特徴とする第9の発明のシース状塗布具にある。
第11の発明は、以下の工程を有するシース状塗布具の製造方法にある。
(i)保持層とバリア層からなる基材シートを配置する工程、
(ii)該保持層の少なくとも1個所以上の域に1種以上の塗布組成物を配置する工程、
(iii)該塗布組成物を覆うように基材シートと保護フィルムとを重ね合わせて閉領域を形成するようにシールする第1シール工程、
(iv)さらに基材シートのバリア層を内側にして掌又は指の挿入のための空所域を形成するようにシールする第2シール工程、
(v)切断する工程、
第12の発明は、上記第2シール工程が、掌又は指の挿入のための開口部が非シール部となるようにシールすることを特徴とする第11の発明に記載のシース状塗布具の製造方法にある。
第13の発明は、上記(iii)の第1シール工程が、少なくとも1個所以上の区画域を形成するように保護フィルムと基材シートとをシールすることを特徴とする第11又は第12の発明に記載のシース状塗布具の製造方法にある。
第14の発明は、少なくとも一方の基材シートに、塗布組成物の掌又は指への浸透又は漏出を防止するためのバリア層を設けることを特徴とする第11〜第13のいずれかの発明に記載のシース状塗布具の製造方法にある。
第15の発明は、上記(i)〜(iii)の工程を並行的に行い、得られた2つのシートを保護フィルムが外側になるように重ね合わせてシールする上記第2シール工程と、使用単位に切断する工程からなることを特徴とする第11〜第14のいずれかの発明に記載のシース状塗布具の製造方法にある。
本発明のシース状塗布具は、掌又は指の挿入が可能な空所域を形成したシース状塗布具であり、使用前までは塗布組成物が外部と接触しないように保護され、使用時に掌又は指の装着の前後に保護フィルムを容易に剥がし取ることができ、手指を汚すことなく塗布操作が手軽に行えるようになり、複数の高粘度の塗布組成物であっても特別の複雑な装置を必要とせず、基材シートに均一に配置せしめることが可能となり、塗布組成物の選択が飛躍的に拡がり、異種の塗布組成物の組合せが容易になる。
本発明のシース状の塗布具のもっとも特徴的な点は、高粘度の塗布組成物であっても特別の複雑な装置を必要とせず基材に均一に配置せしめることが可能となり、塗布組成物の選択自由度が飛躍的に増大する。
さらに、本発明のシース状の塗布具は、塗布組成物の片面配置も、両面配置も可能で、両面配置の場合は、好ましくは、異なる組成、性能を有する塗布組成物を組み合わせて使用することができる。
このように本発明のシース状塗布具は、基材シートの保持層に配置された塗布組成物は、外側の保護フィルム、シール部及び内側(掌又は指に接触する側)のバリア層によって外部とは完全に遮断されるので、塗布組成物は保存中の変質や変性がなく、保存安定性、品質保持性に優れる。シンプルな構成でありながら、皮膚外用剤について厳格な品質保証も満たし、外用剤と基材の選定により需要者の多種多様の使用ニーズにも応え、利便性があり、製造面での品質管理も容易で、経済性に富むという顕著な効果がある。
また、本発明のシース状の塗布具は、外側(使用する側)から順に保護フィルム、塗布組成物を配置した保持層及びバリア層からなる基材シートからなり、バリア層は塗布組成物の浸透又は漏出防止に役立っており、塗布具の使用時に保護フィルムを剥離して使用するが、掌又は指の挿入されるための空所域は薄く、材料シートの厚みだけであるから、全体的に嵩張らず、コンパクト性、携行性に優れている。
さらに、本発明のシース状塗布具は、使用時に掌又は指を装着する前又は後に、外側の保護フィルムを簡単な操作で略外周のシール部に沿って除去し、シース状の空所域に掌又は指を挿入することによって保持層に含浸された塗布組成物を皮膚に塗布、擦りこみ等の適用操作が適確に行え、手や衣装を汚す虞れもなく、取扱い性、簡便性に優れ、時や場所を選ばず使用が可能であり、特に鞄類、ハンドバッグ、ポーチ等に入れて出先等へ携行するのに好適である。
本発明の別の実施態様では、複数の塗布組成物を使用することができ、例えば基材シートと保護フィルムとの間に2以上の複数の区画された室を設け、この複数の区画された室にはそれぞれ同種又は少なくとも二種以上の塗布組成物を配置することができる。
本発明のシース状塗布具は、使用前までは異なる塗布組成物が混ざらないように基材シートと保護フィルムの間に設けた区画域に収納、保管でき、使用時には保護フィルムをワンタッチ操作で引き剥がすとともに、身体への塗布の目的部位に該塗布組成物を混練しながら塗り込みが可能で、シンプルな構成でありながら、用時混合が簡便に行える塗布具を実現化したものである。
塗布組成物として複数の反応性物質や不安定物質を収納する場合にも、使用前は品質を安定に保持でき、使用時に塗布組成物の原料成分の化学活性又は薬理活性を有効に活用できる。
従来技術及び本発明のものに共通するシース状塗布具の使用の一例を示す図 従来のシース状塗布具の概念断面図 本発明のシース状塗布具の透視状態を示す概念平面図 本発明のシース状塗布具の掌又は指の挿入方向から見た概念断面図 図4の別例 図3のシース状塗布具のB―B'における掌又は指の挿入方向に直角方向から見た概念断面図 図6の別例 保護フィルムの剥離時の概念図 掌又は指を挿入して使用する時の概念断面図(保護フィルム剥離前) 図9の別例 (a)保護フィルム剥離後の使用状態図(b)保護フィルム剥離後の使用状態図(別例) 本発明のシース状塗布具の製造工程(製造法1)の概念図 本発明のシース状塗布具の製造工程(製造法2)の概念図 シース状塗布具の製造工程における第1シール後の状態を示す透視平面概念図 図14のA―A’位置における第1シール状態を示す断面の概念図 第2シール後(切断前)の状態を示す透視平面概念図(片側面を表示) 図16のA―A’位置における第1シールと第2シールの状態を示す断面概念図(手又は指挿入のための空所域を基準に片側半分のみ表示)
符号の説明
1 従来の塗布組成物の塗布具
2 従来の塗布具のバリア層
3 塗布組成物含浸層
4 塗布組成物
5 外側包装体
6 シール域
7 切断線
10 基材シート
10’ 基材シート
11 シース状塗布具
12 保護フィルム
12' 保護フィルム
13 ヒートシール部
13' 手もとヒートシール部(使用時に剥離)
13" 手もとヒートシール部(使用時に剥離)
14 先端ヒートシール部
141 先端ヒートシール部(使用時に剥離)
142 先端ヒートシール部(使用時に剥離)
15 塗布組成物
15' 塗布組成物
15” 塗布組成物
15”’塗布組成物
16 保持層
16' 保持層
17 バリア層
17' バリア層
18 掌又は指の挿入のための空所域
19 ヒートシール部
20 切断予定線
201、201' 第1フィードロール
202、202' 基材シート
203、203' 塗布組成物の吐出ノズル
204、204' 第2フィードロール
205、205' 保護フィルム
206 ヒートシール部
207 カット部
21 第1シール部
22 第2シール部
301 第1フィードロール
301’ 第1フィードロール
302 基材シート
302’ 基材シート
303 吐出ノズル
303’ 吐出ノズル
304 第2フィードロール
304’ 第2フィードロール
305 保護フィルム
305’ 保護フィルム
3061 第1シール用ウエルダー装置
3061’第1シール用ウエルダー装置
3062 第2シール用ウエルダー装置
307 切断装置
本発明のシース状塗布具を図面を用いて説明するが、本発明はこれらの図示するものに限られるわけではない。
(図の総括説明)
図1は、従来技術及び本発明に共通するシース状の塗布組成物の塗布具の使用図、図2は、従来技術(特開2003−180449号公報、特表2005−511443号公報)のシース状の塗布具の長手方向(掌又は指の挿入方向に直角の方向)の概念断面図、図3は本発明のシース状塗布具の透視の概念平面図、図4は、本発明のシース状塗布具の掌又は指の挿入方向から見た概念断面図、図5は図4の別例、図6は、図3のB−B’位置における掌又は指の挿入方向に直角の方向から見た概念断面図、図7は図6の別例(同)、図8は保護フィルムの剥離時の掌又は指の挿入方向の直角方向から見た概念断面図、図9は、使用時の掌又は指の挿入方向の概念断面図、図10は図9の別例、図11(a)は、使用状態図(両面タイプ)、図11(b)は使用状態の別例(片面タイプ)、図12は本発明のシース状塗布具の製造工程(製造法1)の概念図、図13は、本発明のシース状塗布具の製造工程(製造法2)の概念図、図14及び図16はシース状塗布具の製造時の途中状態を示す透視平面概念図、図15及び図17は、図14及び図16の各A−A’の概念断面図である。
なお、本発明の図面では、掌の挿入の場合のシース状塗布具の図面しか示していないが、指の挿入の場合のシース状塗布具の態様も含むものである。
図1は、上記従来技術と本発明に共通する使用態様で、シース状塗布具のシース状の袋1の内部に掌や指を挿入して化粧料等の塗布組成物を塗布している状態を示す。
従来のシース状の袋1は、図2の概念断面図に示すように、気液不透過層2の表面に外側の化粧料含浸層3を設け、外皮層5の中間に液状化粧料4を適量充填した状態で、シール域6をヒートシールして気密性が保たれている。
使用時には、シール域6に設けられた切断線7に沿って包装材と基材シートとを同時に切り離して開封し、包装材から基材シートを取り出し、基材シートの中間部(図2の中央空白部)に掌を挿入し、掌を操作して含浸層3に含浸した液状化粧料を塗布する。
この場合、液状化粧料の粘度が高いと、基材シートへの液状化粧料の均一含浸が難しく、一方化粧料の粘度が低いと、開封時に周囲に液が漏れ出て汚れてしまうことが多かったので、本発明のシース状の塗布具は、この従来のシース状塗布具の欠点を以下に説明するように改善するものである。
本発明のシース状の塗布具は、実際的には包装袋に入れて(図示せず)保管、流通するが、製品の一例は図3に示されるものであり、この製品のシース状塗布具11は、基本的には基材シートと保護フィルムからなり、第1シール部13(手元側)、14(先端側)、19(サイド部)によって塗布組成物を閉領域として収納している。そして、その内側(手又は指の接する側)には、手又は指の挿入のための空所域18が形成されている。手又は指の挿入のためには、第2シールでは、挿入口部位となる部位にはシール部を設けることなく(非シール部とする)、開領域としておく。第2シールでは、溶着と、溶断とが同時の一工程としてもよい。
塗布組成物の基本的な配置は、基材シート10(正確には保持層16の表面)に塗布組成物15が配置された態様であり、塗布組成物は保護フィルムによって保護、収納されている。
また、塗布組成物15は、図6に示すように片面に配置されたもの、図4に示すように両面にそれぞれ異なる種類の塗布組成物が配置されたもの、図5に示すようにそれぞれの片面に2種類の塗布組成物が配置されたもの(塗布組成物は、15,15’、15”、15”’の合計4種類)の態様があるが、いずれも使用時には保護フィルム12(12’)を引きはがして、塗布組成物15(実施態様により、さらに15’、15”、15”’)を露出させて使用する。
図6の塗布組成物の片面配置タイプのものは、図9(使用図)、図10(使用図)及び図11(b)によって、その使用状態を示すもので、図4、図5、図7の両面に塗布組成物が配置されたタイプのものは、図11(a)(使用時)によって使用状態を示す。
なお、図9及び図10のものは、使用時に保護フィルム12(12’)を略外周のシール部に沿って引き剥がす必要がある。
塗布組成物が片面にのみ配置されたタイプの図6では、基材シート10は、バリア層17及び保持層16からなり、保持層の表面に塗布組成物15が配置されており、その上に塗布組成物の浸透又は漏出防止のための保護フィルム12があり、先端ヒートシール部14、手もとヒートシール部13,両側面端部19でシールされている。このときに、基材シート10と、別の基材シート10’との間で、掌又は指挿入のための空所域18を形成するようにするが、塗布具の構成シート全体のシールは、掌又は指の挿入のための開口部を除いてシールする必要がある。
使用時には、図8(両面タイプ)と同じように片面の保護フィルム12をシール部に剥ぎ取った上で、基材シート同士で形成した空所域18に掌又は指を挿入して、保持層16にある塗布組成物15を使用するようにする。
塗布組成物15を配置した保持層16の裏側又は内側(掌又は指の接する側)には、バリア層17を設けることによって、塗布組成物の掌又は指の挿入のための空所域への浸透又は漏出により掌又は指を汚すおそれがなくなる。
また、シース状塗布具の先端部(掌又は指の先の方)及び両側面部(掌又は指の側部の方)は、略外周、掌又は指の挿入のための開口部を除いて各14及び19でヒートシールされている。
別の態様としては、片側面には積層シートを基材シートとして使用し、他方側面は、図6のように別のシート材を使用することもできる。
このときの別のシート材は、塗布組成物を使用しないから、塗布組成物の浸透又は漏出の心配がないので、強度的に耐えられるものであれば、特段限定されるものではなく、適宜のシート類を使用することができる。
本発明のシース状塗布具を図4、図5の両面タイプで説明すれば、掌又は指の挿入されるための空所域18が設けられており、内側(掌又は指の接する側)からバリア層17(17')、その外側に向けて保持層16(16’)、塗布組成物15(15')、上記塗布組成物を保護するための保護フィルム12(12')が配置され、掌の挿入部を除いて略外周でシール(第2シール)されている。
なお、図4や図5の塗布組成物の両面配置のタイプのシース状塗布具の使用時には、図8に示すように保護フィルム12(12')を手もとヒートシール部13'、13"及び先端シール部141,142を、塗布組成物の保持層16(16’)の外側をカバーする保護フィルム12(12')を略外周のシール部に沿って剥がし、塗布組成物15(15’)を表面に露出するようにし、残った基材シート10(10’)で形成された空所域18に掌又は指を挿入して、塗布、擦過のような作業を行う。
次いで、図11(a)に示すように片側面の塗布組成物15を身体の所定の部位に当て、塗布し、反対側面の塗布組成物15'を身体の所定の部位に当てて塗布する。
塗布組成物15(15’)は同一組成のものでもよいし、異種組成のものでもよい。もちろん、図11(b)に示すように片側面の1種類の塗布組成物を使用することも可能である。
また、塗布組成物の種類に応じて保持層を形成する基材シートの材質や特性を互いに異なるように設計することも可能である。
また、片面タイプ及び両面タイプには関係なく、塗布組成物を複数用いる場合には、異種の塗布組成物を独立的に収納するための最初のシール部(第1シール部)は、通常、基材シートの保持層上の塗布組成物の存在領域のほぼ周囲に沿って、またはこれより外側に設けることが好ましい。このようにすると、上記組成物が散逸しないように閉塞することが可能となるからである。塗布組成物が散逸しにくい物質の場合は、組成物の存在領域の少し内側にシール部を設けることも可能である。
以下に、本発明のシース状塗布具の好ましい製造態様について図12及び図13の連続生産フロー図に基づいて説明する。
(製造法1)
製造法1は、塗布組成物を基材シートの両側面に収納したシース状塗布具(塗布組成物は2種)の製造工程で、図12に示すように第1フィードロール201に、繊維シートと樹脂シートとの一体化ラミネートした第1の基材シート202を、別に第2フィードロール201’に繊維シートと樹脂シートとの一体化ラミネートした第2の基材シート202’を、それぞれバリア層が内側(掌や指に接する側)になるようにセッティングした。
なお、該基材シートの塗布組成物を配置した保持層の裏側(掌又は指に接する側)には、塗布組成物の浸透を防止するために、バリア層となる樹脂シートが設けられている。
一例として、両側に塗布組成物を配置する場合には、各吐出ノズル203、203’から、塗布組成物として、一方はクレンジング用のクリーム(粘度1.2Pa・sec)を基材シート202の保持層面に、他側からは塗布組成物として保湿剤を配合したスキンケア用乳液(粘度0.12Pa・sec)を基材シート202’の保持層面にそれぞれ吐出する。
次いで、両側のそれぞれの第2フィードロール204、204’よりポリエチレンからなる保護フィルムを繰り出し、上記塗布組成物を覆うように重ね合わせ、超音波加熱方式のヒートシール機206で掌挿入域がミトン状となるように、挿入のための開口部を残すようにしてヒートシールした後、カット装置207で所定長さにカットして、本発明のシース状塗布具を得た。
得られたシース状塗布具の第1のシート側には、クレンジングクリームがストライプ状に配置され、第2のシート側には、スキンケア用乳液が保持層に一様に含浸された。
なお、図12は、縦型配置の装置となっているが、横型装置としても塗布組成物の処方等を変えることにより、同様のシース状塗布具を製造することができる。
(製造法2)
また、多種の塗布組成物を基材シートの両側面にそれぞれ2つの室を設けて、各室に塗布組成物を収納したもの(塗布組成物は合計4種)の製造工程を図13によって説明する。
第1フィードロール301より繊維シートと樹脂シートとの一体化ラミネートシートである第1の基材シート302を送り出し、塗布組成物の吐出口を並列した吐出ノズル303より2種類の塗布組成物15、15”を吐出し、保持層である繊維シート上に2種類の該塗布組成物を配置する。該基材シート302の塗布組成物を配置した保持層の裏側(掌又は指に接する側)には、塗布組成物の浸透又は漏出を防止するために、バリア層となる樹脂シートが設けられている。
次いで、第2フィードロール304より保護フィルム305を繰り出し、該2種類の塗布組成物を被覆するように重ね合わせ、2種類の塗布組成物が独立して収納されるように第1シール用ウエルダー3061でヒートシール(第1シール)する。
上記並列の吐出ノズル303は、1種類の塗布組成物の場合は、単一ノズルとすることもできるし、並列ノズルの一つのみを使用することもできるし、吐出口から塗布組成物をシート面にジグザグ状に配置できるように制御された揺動装置と連結することもできる。塗布組成物を、平面視でストライプ状、格子状、ジグザグ状、プレーンな面状など任意の幾何学的形状に配置することができる。
別に並列的に、第1フィードロール301’より基材シート302’(繊維シートと樹脂シートとの一体化ラミネートシート)を送り出し、吐出口を2つ備えた並列の吐出ノズル303’より2種類の塗布組成物15’、15”’を吐出し、保持層に相当する繊維シート上に2種類の該塗布組成物を配置する。上記塗布組成物の、15,15”、15’、15”’は適宜同じであってもよいし、異なっていてもよい。
上記基材シートの塗布組成物を配置する保持層の裏側又は内側(掌又は指に接する側)には、塗布組成物の浸透又は漏出を防止するために、バリア層となる樹脂シートが設けられている。
次いで、第2フィードロール304’より保護フィルム305’を繰り出し、該2種類の塗布組成物を被覆するように重ね合わせ、2種類の塗布組成物が独立して収納されるように第1シール用ウエルダー3061’でヒートシール(第1シール)する。
さらに、これらの各シールしたシートをそれぞれ基材シート302,302’のバリア層(図示せず)が内側となるように重ね併わせるようにウエルダー装置3062によって熱シール(第2シール)し、カッティング装置307により所用寸法に切断する。
さらに上記製造法2の別例について説明する。
第1フィードロールからは、上記同様、ラミネートした基材シートを送り出し、2種類の塗布組成物を配置後、保護フィルムを積層して区画化された室が閉領域となるように第1ヒートシートする。
別側面の第1フィードロールからは別の基材シートを送り出し、塗布組成物を配置することなく、単に保護フィルムを重ね合わせて第2ヒートシールする。
このようにすると、塗布具の片側面のみに2種の塗布組成物15が配置され、しかも、上記組成物が互いに隔離された構造の塗布具を得ることができる。これらの工程で、いずれも第1シール部で囲まれる部位が閉領域となるようにシールするのは、保護フィルムと基材シートとの間の閉領域に配置した塗布組成物が外部に漏出あるいは散逸しないようにカバーするためである。
上述の保護フィルムと基材シートを合わせてシールする部分(第2シール部)は、第1シール部の外側を取り囲むように設けることが好ましい。
この場合は、図14〜図16に示すように、保護フィルム12と、塗布組成物15の保持層16及びバリア層17を有する基材シート11とをヒートシールした部分が第1シール部21であるが、特に該保持層が繊維シートの場合、シール部は繊維とフィルムとのヒートシールであり、弱シール(シール力が弱い)の場合は、シート材同士が溶け合った完全溶着状態には到達せず、保護フィルムを引き剥がしやすくなる。
また、第2シール部22は、保護フィルム12/基材シート10/基材シート(塗布組成物が片側のみ配置)、保護フィルム12/基材シート10/基材シート10’/保護フィルム12’(塗布組成物が両側面配置)の略外周を平面視でほぼ開ループ状にシールするものである。厚み方向に関しては、塗布具を構成するシート材のほぼ全体にわたりシールするものである。基材シート10の内側(掌又は指に接する側)に位置するバリア層17(17’)同士が堅固な面状接着となり、シール強度は、第1シール部に比べ高いので、掌又は指を挿入しても剥がれる心配はほとんどない。
第2シール部は、図14〜図16に示すように掌又は指の挿入部(矢印で示す)を除き、第1シール部と概略一致するものであってもよい。これら第1シール部、第2シール部ともに線状又は帯状に形成することが好ましい。第1シール部、第2シール部が描く幾何学的形状は本発明の主旨を損なわない範囲で任意に設計できる。第1シール部は、閉領域を形成するように、第2シール部は、掌又は指の挿入のための開口部となる部位をシールせず(非シール部という)、開領域を形成するようにシールすることが重要である。
本発明の塗布具は、掌又は指の挿入部を形成するために、保持層とバリア層の積層体からなる2枚の基材シートをバリア層同士が対向するように掌又は指の挿入のための開口部を残してシールするか、又は片側面を該積層シートを使用し、他側面を図6に示すように別のシート材を使用してシールする態様もある。
該シートの素材は、特段限定されるものではなく、任意のシート類を使用することができるが、樹脂シートからなるバリア層同士のシールの場合、面状接着となり、シール強度が高められるので好適である。
塗布組成物を配置するための基材シートとしては、塗布組成物の保持層とバリア層から構成される積層シート材料を使用する必要がある。上記保持層は、塗布組成物を表面及び/又は内部に保持するために設ける層を意味するものであり、若干浸透性を有する方が保持性の点で有利であり、該バリア層の存在によって、塗布組成物が掌又は指への直接的な接触を遮断することができる。
これらの中で、製造性、使用性、皮膚感触の観点で繊維シート類やスポンジシート類を保持層として使用することが特に好ましい。また、これらを組み合わせることもできる。
異種の塗布組成物を使用する場合には、各塗布組成物を隔離するためのシールは、保護フィルムと基材シートとのシール(第1シール)で達成できる。第1シール部は、通常、基材シートの保持層上の塗布組成物の存在領域のほぼ周囲に沿って、またはこれより外側に設けることが好ましい。このようにすると、上記組成物が散逸しないように閉塞することが可能となるからである。塗布組成物が散逸しにくい物質の場合は、組成物の存在領域の少し内側にシール部を設けることも可能である。
上記保持層とバリア層は、全面的なシールでもよくポイントシールでもよい。また、使用性、耐久性の点では、保持層とバリア層が積層一体化されたものが好ましく、該バリア層の存在によって、空所域18に掌又は指を入れても、塗布組成物と直接触れることはなく汚れる心配がない。
シール強度は、品質保持性と実用性の点で好ましくは第1シール部における保護フィルムと繊維シート間の剥離強度(JIS―Z0238準拠)は、0.1〜5N/15mm、第2シール部におけるバリア層間の剥離強度(JIS―Z0238準拠)は、10〜50N/15mm程度のものである。
バリア層は、塗布組成物が保持層の掌又は指側に浸透や漏出を防止するために設ける層であり、液体不透過性のフィルムを上記保持層のシート体に接着、又はラミネートするか、フィルム形成素材をメルトコート等の手段で樹脂シートとして積層して使用する。あるいは、造膜性物質の溶液を保持層にコーテイング法によって樹脂シートとして設けてもよい。
このようなバリア層に使用する樹脂シート素材としては、塗布組成物に対し不活性であり、不溶性のものが必要であり、例えば、ポリオレフィン類、ポリアミド類、ポリエステル類、ポリウレタン類、天然ゴム類、合成ゴム類等を単独で、又は組み合わせて使用できる。
また、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリフタル酸エステル、ポリヒドロキシブチレート−ポリヒドロキシバリレート共重合体等の脂肪族ポリエステル類、ポリブチレンアジペート・テレフタレート共重合体等の脂肪族・芳香族ポリエステル類、セルロース類、セルロース・キトサン混合体等のような生分解性素材を単独で、又は上記合成樹脂類と併用して使用することができる。
基材シートに一面に位置して塗布組成物を配置するための保持層を形成する具体的素材として、織物、編物、不織布等の繊維シート類、紙、合成紙類、多孔構造を有するスポンジシート類等を使用することができる。これらの中で、製造性、使用性、皮膚感触の観点で繊維シート類やスポンジシート類が特に好ましい。素材は、塗布組成物に対し不活性であり、不溶性のものが適当である。例えば、ポリオレフィン類、ポリアミド類、ポリエステル類、ポリウレタン類、天然ゴム類、合成ゴム類等を単独で、又は組み合わせて使用できる。
また、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、脂肪族ポリエステル、微生物由来のポリ3−ヒドロキシアルカネート、ポリアミノ酸、ポリビニルアルコール、プルラン、セルロース類、セルロース・キトサン混合体等のような生分解性素材を単独で、又は上記合成樹脂類と併用して使用することができる
上記保持層の目付けや密度は、特段限定されないが、塗布組成物を保持できるように設計する。保持層に塗布組成物を配置すると粘度の低い液状の場合は、保持層内部にも浸透漏出し、ゲル状、クリーム状、ペースト状のような高粘度の組成物の場合は、ペーストの浸透が少ないので、保持層の表面付近に主として保持される。
また、塗布組成物は、保持層に対して任意の幾何学的形状に配置することができるが、線状、格子状又は面状等所定の形態に配置することが好ましい。面状の場合、ほぼ全面に配置することもできれば、局部的に配置することもできる。線状の場合、直線状、曲線状等の形状は問わないが並列するノズルから塗布組成物を吐出するような製造過程を考慮するとストライプ状に平行な直線として配置することができる。この場合でも後工程で加圧処理を経ることで面状に圧延することもできる。
基材シートの保持層に配置する塗布組成物は、1種又はそれ以上でもよく、複合機能を期待する場合、異種の組成物を配置することが好ましい。
化粧時に両面を使用する場合、片側面と他側面の識別のために保護フィルムや保持層の色を異なるように設計したり、印刷等の加飾手段を施すこともできる。
使用する塗布組成物の性状や使用目的に応じて保持層を形成するシート材を、適宜、選択すればよく、例えば、片側面にクレンジング皮膚外用剤を配置し、他側にスキンケア皮膚外用剤を配置する場合では、クレンジング側の保持層を擦過効果の高いシートを、スキンケア側にはソフトなタッチのシートを選ぶことができる。
使用できる塗布組成物として、特段、制限されるものではないが、皮膚用の医薬品類、医薬部外品類、皮膚外用剤類、化粧料を好ましく使用することができる。性状は、粉粒体や各種の粘度の液状、クリーム状、ペースト状、ゲル状から選ばれるものを使用できる。
粉粒体の場合、保持層での保持性を考慮すると、好ましくは、平均粒子径0.1μm程度から3mm程度の粉末や、顆粒を使用できる。
本発明の構成のシース状塗布具によれば1mPa・sec〜0.5Pa・sec未満の低粘度の液状組成物でも好ましく使用できるが、従来基材に均一に保持させることが困難であった高粘度組成物でも均一に保持層に配置させることができるので顕著な効果を発揮するものである。かかる高粘度組成物の具体的な粘度は、常温で0.5Pa・sec〜200Pa・secが好ましく、さらに好ましくは1Pa・sec〜100Pa・secである。従来法では、これらの高粘度範囲の組成物を基材に均一に配置できなかった。
塗布組成物が1mPa・sec〜0.5Pa・sec未満の低粘度液体の場合は、塗布具の一面において、分離した複数の区画域を設けない場合に適し、0.5Pa・secを越える高粘度の場合は、区画域が単一の場合でも、複数の場合でもどちらでも使用できる。
本発明で好ましく使用できる塗布組成物の例としては、皮膚医薬用の軟膏製剤、ゲル製剤や、各種の皮膚外用剤類、好ましくは保湿、美白、消炎、アンチエージング等の作用を有するスキンケア用皮膚化粧料、クレンジング用化粧料、ピーリング用外用剤、ゴマージュ化粧料、毛髪又は頭皮用外用剤、メークアップ化粧料、ベースメイク化粧料、マッサージ用化粧料、タンニング用化粧料、サンケア用化粧料、デオドラント用外用剤、トニック外用剤、ボデイケア用化粧料、染毛料、冷却剤、洗浄料、洗顔料、サンスクリーン化粧料、アフターサンケア用外用剤、マスカラ化粧料等である。本発明の塗布具によれば、これらの塗布組成物15を簡単な操作により、掌を汚すことなく所定の皮膚面に塗布したり、皮膚面上で拡げたり、皮膚組織に擦りこむ、あるいはマッサージ等の適用処置を行うことができる。
本発明の塗布具の構造を利用して上記各種の塗布組成物を使用すると、たとえば、メークアップ用具、クレンジング用具、スキンケア用具、ヘアトリートメント用具、応急処置用具、薬剤塗布用具、サンケア用具、セルフタンニング用具、マッサージ用具、身体や顔用の洗浄具、マスカラ塗布具として活用することが可能となる。あるいは、好ましくはこれらの両用型の用具とすることもできる。
本発明で使用する保護フィルムは、塗布組成物を乾燥や酸化等外界の変動因子から遮断し、品質を使用開始前まで保持するためのものであり、また、塵埃、微生物等による汚染から防護するために設けるものである。これらの要求特性を満たす素材であれば、特に限定されるものではない。熱的なシールができることを考慮すると、種々の熱可塑性樹脂フィルムを使用するのが好ましい。
これらの中で、ポリオレフィン類、ポリアミド類、ポリエステル類、ポリウレタン類のフィルムを使用することが好ましい。その他、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、脂肪族ポリエステル、微生物由来のポリ3−ヒドロキシアルカネート、ポリアミノ酸、ポリビニルアルコール、プルラン、セルロース類、セルロース・キトサン混合体等のような生分解性素材を単独で、又は上記合成樹脂類と併用して使用することができる。
基材シート及び/又は保護フィルムの素材として生分解性物質を含有するものを使用すると、環境負荷の低減が可能となり、環境に配慮したエコマテリアル製品とすることができるので一層好ましい。
これら素材からなるフィルムと金属層や異なる合成樹脂との積層型ガスバリア性素材も使用することが可能である。また、フィルム表面に接着層を設けておくこともできる。
本発明で使用する保護フィルムは、保持層上に配置された塗布組成物を使用前までの塗布組成物の散逸の防止の品質を保持するために基材シートにシールされているもので、基材シートを構成する基材シートの保持層に対し除去可能にシールしておき、使用時には上記保護フィルムを該シール部に沿って容易に除去することができれば、シールの方法、形態について特に限定されるものではない。好ましくは、熱溶着、熱プレス、熱エンボス等直接加熱あるいは外部加熱による機械的手段、高周波誘導加熱、高周波誘電加熱、マイクロ波等電磁波を利用した内部加熱手段、超音波による内部加熱手段等により周囲にわたってシールが施されるのが適当である。殊に高周波、マイクロ波、超音波を利用した加熱機(ウエルダー)によると、特定のシール部位のみを選択的に、集中的に加熱することができ、シール強度を制御しやすいので、都合がよい。
このようにすると、保護フィルムは、製品を使用するまでは塗布組成物の品質を保持できるように、しっかりとシールされ、使用時にはシール部に沿って確実に除去ができることが可能となる。
さらに、積層物をシールするとき、処理時間の選択、焦点の調節等により特定の層のみを選択的にシールすることも可能である。シールとカットとを同時に完結せしめることも可能である。上記シール部の平面的形状は線状でもよく、帯状でもよい。さらに好ましくは、上記シール部外周側の端部等に摘み部を形成しておくと、引き剥がし操作が一層容易となり、保護フィルムを基材シートとのシール部に沿って引き剥がすことが確実にできるようになる。
さらに基材シートと保護フィルムをシールするときには、処理時間の選択、焦点の調節等により特定の層のみを選択的にシールすることも可能である。シールとカットとを同時に完結せしめることも可能である。該シール部の平面的形状は線状でもよく、帯状でもよい。さらに好ましくは、該シール部外周側の端部等に摘み部を形成しておくと、引き剥がし操作が一層容易となり、保護フィルムをシール部に沿って引き剥がすことが確実にできるようになる。
本発明の塗布具は、基本的には、掌又は指の挿入のための空所域を形成するために、保持層16(16’)とバリア層17(17’)からなる二枚の積層シートからなる基材シート同士を、塗布組成物が掌又は指にふれないように、内側(掌や指が接触する側)にバリア層同士が対置するようにして掌や指の挿入用開口部を残してシールする。
別の態様としては、片側面には積層シートを基材シートとして使用し、他方側面は、図6のように別のシート材を使用することもできる。
このときの別のシート材は、塗布組成物を使用しないから、塗布組成物の浸透又は漏出の心配がないので、強度的に耐えられるものであれば、特段限定されるものではなく、適宜のシート類を使用することができる。
また、塗布組成物を複数用いる場合には、異種の塗布組成物を独立的に収納するための最初のシール部(第1シール部)は、通常、基材シートの保持層上の塗布組成物の存在領域のほぼ周囲に沿って、またはこれより外側に設けることが好ましい。このようにすると、上記組成物が散逸しないように閉塞することが可能となるからである。塗布組成物が散逸しにくい物質の場合は、組成物の存在領域の少し内側にシール部を設けることも可能である。
上記いずれの態様の場合でも、本発明のシース状塗布具の外観形状は、平面視で長方形、正方形、平行四辺形、台形形状、楕円形状、円形状、紡錘形状等任意の幾何学的形状に設計できる。かかる形状に成形するために、溶断、裁断等の方法を採用することができる。高周波、マイクロ波、超音波等を利用した加熱手段によると熱シールと溶断を同時に行うことができ、好都合である。本発明でいう挿入部は皮膚面への塗布組成物の適用作業を行うために掌又は指を入れられる程度の大きさであればよい。広範囲の皮膚面への適用作業を想定すると、シース状塗布具を大きくして有効面積を稼ぐ方が良く、これに伴い開口部も手の平が挿入できる程度の大きさとすることが好ましい。限られた部位に対し細かな作業を行う場合には挿入部は指が入るくらいの小さなものでもよい。挿入部の内部形状は、ハンドリング性や組成物を皮膚面に塗ったり、拡げたりする作業性を考慮して、袋状、ミトン状又はグローブ状となるように形成することが好ましい。
使用時においては、上記挿入のための空所域より掌又は指を挿入して把持すると共に保護フィルムを引き剥がすと、塗布基材の保持層に配置された塗布組成物15が露出するので、これを顔面、頸部、肩、腕等、身体の所望の皮膚面に適用する。
なお、保護フィルムと基材シートの全体をシールする部分(第2シール部)は、第1シール部の外側を取り囲むように設けてもよく、逆に内側になるように設けてもよい。好ましくは、第1シール部の外側であって、塗布具の周縁部に概略沿う形で第2シール部を設けると、塗布作業に関与する面積を有効に活用できるので都合がよい。
また、本発明でシール部を形成するには、接着剤を使用する方法も可能であるが、好ましくは加熱手段により熱シールする方法が生産性を考慮すると好ましい。材料を選択的に局所的に加熱できる利点から、高周波、マイクロ波又は超音波から選ばれる手段を使用することが好ましい。これらの中でも、工程管理上の制御性、生産性の点で、超音波発振方式による加熱シールが最も好ましい。
超音波を利用したウエルダー装置を使用する場合、発振周波数は、好ましくは15kHz〜40kHz程度が好ましく、特に20kHzが適当である。また、超音波出力は、500W〜5000Wの範囲がよく、ことに1000W〜3000Wの範囲が適当である。第1シールと第2シールとで出力を変えることができる。第2シールの時点では、被シール材料の厚みが増大するため、シール強度を向上する目的で、第2シールの出力を第1シールより高くすることが好ましい。
また、第1シール部、第2シール部を所定の形状にするには、発振ホーンがコンピュータ制御により移動可能な超音波ウエルダー装置を使用できるが、連続生産を考慮すると、発振ホーンに対向する側に受け金型として、目的とする塗布具の形状、寸法に適合したパターンを設けたローラを使用することが好ましい。ラインスピードや、被シールシートに負荷する圧力は、材料の種類、厚み、密度などによって適宜選択できる。シール工程での超音波発振時間は、生産性とシール強度を考慮すると、0.1秒〜5秒程度が好ましい。
本発明では、上述するように得られたシールシートを、さらに、より好ましくは所定の形状、寸法に成形する。成形形状は、任意の幾何学的形状から選択することができる。成形方法は特に限定されるものではなく、打ち抜き加工のような機械的方法や、レーザーカット、ウォータージェットカットなど任意の加工手段を使用することができる。
さらに区画域の数としては、2室、3室、4室あるいはそれ以上とすることもできる。
これら区画化された収容部に異なる物質を配置することができるが、特に反応性物質や不安定物質を扱う場合、使用時に混合するように、異なる区画域に隔離して配置することが好ましい。隔離の仕方は特に限定されず、互いに独立し重ならないように複数の区画域を形成したり、区画を間仕切るように仕切り部を設けてもよい。
いずれにしても第1シール部を形成する工程で、シール部において保護フィルムと基材シートとがシールされ、このような隔離構造が設定される。
異種の塗布組成物が異なる区画に区分されて収容されている場合は、保護フィルムを除去することで初めて、互いに混合可能な状態となる。保護フィルムを除去後、基材シートの保持層面で皮膚面や頭髪を擦ることにより、両者は混合あるいは混練され均一化されて塗布部位に適用されることとなる。塗布組成物が不安定物質あるいは反応性物質を含有する場合、このときに初めて反応が開始されることとなり用時混合が実現できる。
(実施例)
以下、本発明の塗布具を以下の実施例によってさらに詳しく説明する。
(クレンジング・スキンケア両用用具)
ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維からなるメッシュ状不織布(70g/m2)と、ポリエチレンフィルム(40μm)を熱的にラミネートして保持層とバリア層からなる塗布基材(シートAとする)を製造した。
また、PET繊維とポリプロピレン(PP)繊維を混繊(PET/PPの重量比70重量%/30重量%)して得られた不織布(60g/m2)と、ポリエチレンフィルム(30μm)を熱的にラミネートして保持層とバリア層からなる塗布基材(シートBとする)を製造した。
原反の送り出し部と、高粘度組成物の吐出が可能なノズル(基材面に対しストライプ状に吐出できるように多数の孔を備えている)と、保護フィルムの送り出し部と、加熱シール部と、カット部を備えた装置により本発明のシース状塗布具を製造した。
製造は以下のように行った。
シートAを第1フィードロール201に、シートBを第1フィードロール201'に、これらの塗布基材シート202、202'をバリア層が内側となるようにそれぞれセットした。片側面の吐出ノズル203からは塗布組成物としてクレンジング用のクリーム(粘度1.2Pa・sec)を塗布基材202の保持層面に、他側には別の塗布組成物として、保湿剤を配合したスキンケア用乳液(粘度0.12Pa・sec)を吐出ノズル203'から、塗布基材202'の保持層面にそれぞれ吐出する。次いで、両側の第2フィードロール204、204'よりポリエチレンからなる保護フィルム(80μm)を繰り出し、上記塗布組成物を覆うように積層し、次いで超音波加熱方式によるヒートシール機206でヒートシールし、(掌挿入域がミトン状となるよう、開口部を残すようにシールした)さらにカット部で所定長さにカットして本発明のシース状塗布具を得た。シートA側には、クレンジングクリームがストライプ状に配置され、シートB側には、スキンケア用乳液が保持層に一様に含浸された。
かくして得られたシース状塗布具を2ヶ月間50℃で保持したのち使用した。まず、挿入口から掌を挿入して塗布具を把持し、クレンジングクリーム側の保護フィルムを、挿入口側に形成された摘み部から先端側に向かって、外周に沿って形成された細い帯状のシール部に沿って引き剥がした。超音波による選択的ヒートシールであるのでフィルム除去は容易であった。内容物のクレンジング用クリームは何ら変性されることなく品質は充填当初と変わっていなかった。
(使用結果)
次に、メッシュ状不織布を保持層として使用しているのでメイクアップしていた顔面を軽く擦るのみで、クレンジングクリームとメッシュ状不織布との相乗的効果により顔面に付着していたメイクアップ化粧料を簡単に落すことができた。また、基材シートが柔軟であるので操作性がよく、鼻の周り、目の下などの凹凸のある部位でも効率よく、きめ細かな作業ができ、掌も疲れなかった。
クレンジング作業終了後、このシース状塗布具を掌にはめたままシートB側の保護フィルムを挿入口側から先端側に向かって引き剥がしたところ、やはりヒートシール部に沿って簡単にフィルムを除去することが可能であった。保持層に含浸保持されていたスキンケア用乳液は、乾燥せずに、品質も変化することなく充填当初のまま維持されていた。この乳液をクレンジング後の顔面に容易に塗布することができ、肌感触も非常にソフトであり、有効にアフターケアを行うことができた。
このように本発明のシース状塗布具はシンプルな構成でありながら、内容物の化粧料の品質保持効果にも優れ、使用操作も簡単である。
塗布基材と塗布組成物を選定することで1個の塗布具でありながらクレンジング機能とスキンケア機能と異なる機能をもたせることができ、これらを組み合わせることで美容効果を高めることができた。しかも、これら組成物を顔面に適用する工程で掌を汚すことは全くなかった。
(ヘアトリートメント用具)
PET繊維からなる不織布(60g/m2)と、ポリプロピレンフィルム(40μm)を熱的にラミネートして保持層とバリア層からなる塗布基材を製造した。
この基材シートを実施例1に示す装置の第1フィードロール201、201'にバリア層が内側となるようにそれぞれセットし、片側面のノズル203よりゲル状ヘアセット剤(粘度74Pa・sec)を、他側のノズル203'よりムース状ヘアトニック(粘度0.84Pa・sec)をそれぞれ吐出し、基材シート202、202'の表面にそれぞれストライプ状に配置し、保護フィルムを積層後、ヒートシール(掌挿入域がグローブ状となるよう、開口部を残してシールした)、カットの工程を経て、本発明のシース状塗布具を製造した。
得られた塗布具をさらにロールプレスを通すことによりストライプ状に配置された塗布組成物を面状に一様に圧延することができた。従来のような含浸法では、到底達成し得なかった高粘度物質の均一付与が初めて可能となった。
かくして得られたシース状塗布具を2ヶ月間50℃で保持したのち使用した。
まず開口部から掌を挿入して、シース状塗布具を保持し、ヘアトニックを配置した塗布基材側の保護フィルムを、摘み部を指で把持し、開口部から先端側に向かって引き剥がした。外周に沿って形成された略線状のシール部は、マイクロ波加熱を利用して形成されており、容易にフィルムを剥ぎ取ることが可能であった。内容物のヘアトニックは乾燥せず、かつ何ら変性されることなく品質は充填当初と変わっていなかった。
塗布具の内部は5本指のグローブ状に形成されているため、装着感とフィット性に優れ、洗髪後の頭髪部をマッサージすることにより、ヘアトニックを頭髪と頭皮まで万遍なく行き渡らすことができ、頭皮吸収効果とマッサージ効果に際立って優れていた。
次いで、このシース状塗布具を、もう一方の掌に嵌め直し、ヘアセット剤側の保護フィルムを同様に引き剥がした。ヘアセット剤は、品質も変化することなく充填当初のまま維持されていた。塗布具は装着性と操作性に優れており、硬いヘアセット剤であっても頭髪に均等に行き渡らせることができ、ヘアケア用具として極めて優れていた。美容トリートメントに不慣れな人であっても本発明の塗布具を使用すれば、十分なトリートメント効果を発揮することができた。また、これらヘアトリートメントの工程で掌を汚すことは全くなかった。
(応急処置用具)
PET繊維からなる織物(60g/m2)と、ポリウレタンフィルム(40μm)を熱的にラミネートして保持層とバリア層からなる塗布基材を製造し、滅菌した。
実施例1と同様の装置を使用し、滅菌管理下において本発明のシース状塗布具を製造した。
塗布基材をバリア層が内側となるよう第1フィードロール201、201'にそれぞれセットし、片側面のノズル203より消毒液(粘度3mPa・sec)を、他側のノズル203'より抗生剤を配合したペースト状軟膏剤(粘度127Pa・sec)を吐出し、基材シート202の表面には全面に、202'の表面にはストライプ状に配置し、保護フィルムを積層後、ヒートシール(指が二本入る程度の大きさの袋状の掌又は指の挿入のための空所域を形成するよう、開口部を残してシールした)、カットの工程を経て、本発明のシース状塗布具を製造した。得られた塗布具をさらにロールプレスを通すことによりストライプ状に配置された軟膏組成物を面状に一様に圧延することができた。従来のような含浸法では、到底達成し得なかった高粘度物質の均一付与が初めて可能となった。一方、粘度の低い消毒液は、基材に拡散浸透漏出して一様に含浸されていた。
得られたシース状塗布具を約2ヶ月間50℃で保持したのち、傷口の応急掌当の際に使用した。まず、本塗布具を指に嵌め、消毒液を配置した塗布基材側の保護フィルムを、指の先端側に向かって引き剥がした。保護フィルムの除去は簡単であった。気密状態で保存されていたため内容物の消毒液は乾燥せず、かつ何ら変性されることなく品質は充填当初と変わっていなかった。傷口を軽くなぞる操作で、消毒液を簡単に塗布することができた。
次に、上記シース状塗布具を指に嵌めたまま反転して、保護フィルムを引き剥がした。軟膏剤側と消毒液側の両側とも使用直前まで滅菌状態が保持されていた。軟膏剤が付着したシート面で傷口を軽くなぞることにより軟膏剤は傷口へと転着した。これらの掌当てにおいても傷口への触感はソフトで痛みを余り感じることはなかった。装着性もよいので、きめ細かな作業ができ、小さい傷の掌当てにも使い易いものであった。
このように本発明のシース状塗布具は一つの用具でありながら消毒具と薬剤塗布具の二機能を具備しており、シンプルな構成であるために持ち運び性に優れ応急処置用具として非常に優れており、使用済み品は使い捨て可能で簡便性に優れていた。
(サンケア用具)
発泡構造を有するNBR(ニトリルブタジエンラバー)ゴムスポンジシート(厚み2mm)と、ポリウレタンフィルム(50μm)を熱的にラミネートして保持層とバリア層からなる塗布基材を製造した。
上記塗布基材をバリア層が内側となるようフィードロール201及び201'にそれぞれセットし、ノズル203より、消炎剤と冷感剤を配合したサンケア用水性ローション(粘度1.2mPa・sec)を基材シート202の表面にスプレーし、保護フィルムを積層後、ヒートシール(掌挿入域がミトン状となるよう、開口部を残して高周波を利用してヒートシールした)、カットの工程を経て、片側面使用型のシース状塗布具を製造した。
得られたシース状塗布具を2ヶ月間50℃で保持した後、使用に供した。まず、掌を開口部より挿入して、掌に嵌め、保護フィルムを、開口部側に形成された摘み部から先端側に向かって引き剥がした。
内部形状がミトン状であるためにフィット性は良好であった。基材シートの保持層には、水性ローションがたっぷり含浸されており、日焼けで火照った顔、首筋、肩をなでるのみでローションを隅々まで行き渡らせることができ、触感も極めてソフトなためヒリつきを助長することは全くなかった。また、このサンケアは旅行先においても、掌を汚すことなく掌軽に行えるのでの需要者にも大変好評であった。
(薬剤塗布用具)
微細発泡構造を有するポリウレタンスポンジシート(厚み2.5mm)と、ポリウレタンフィルム(30μm)を熱的にラミネートして保持層とバリア層からなる塗布基材シートを製造した。
上記塗布基材をフィードロール201に(バリア層は内側になるよう配置)、ポリエステル不織布(150g/m2)をフィードロール201'にそれぞれセットし、ノズル203より、ゲル状の湿疹治療用軟膏剤(粘度193Pa・sec)を基材シート202の表面に吐出し、保護フィルムを積層後、ヒートシール(三本指が挿入可能な袋状の掌又は指の挿入のための空所域を形成するよう超音波を利用した)、カットの工程を経て、片側面使用型のシース状塗布具を製造した。高粘度のゲル製剤であっても、後プレス工程を併用することで、ポリウレタンスポンジ基材シートの表面に均一に配置することができた。
得られたシース状塗布具を2ヶ月間50℃で保持した後でも、軟膏は乾燥せず、かつ何ら変性されることなく品質は充填当初と変わっていなかった。
シース状塗布具を指に装着した状態で、保護フィルムを引き剥がした。クッション性とフィット感は良好であった。上記塗布具を使用してアトピー湿疹が発生した患部を軽く擦ることによって皮膚面に軟膏剤を選択的に塗布でき、擦りこみ操作を付加することで皮膚への吸収効果も高められた。皮膚に直接接触する塗布基材は柔軟なポリウレタンスポンジシートであるので、患部にストレスを与えることなく掻痒感を助長することもなかった。また、塗布過程で指を汚すことは全くなかった。
(セルフタンニング用具)
PET繊維からなる不織布(60g/m2)に、ポリエチレンをメルトコート(厚み10μm)して保持層とバリア層からなる塗布基材を製造した。
上記塗布基材をバリア層が内側となるようフィードロール201、201'にそれぞれセットし、ノズル203より、着色料を配合したペースト状サンタンニング剤(粘度36Pa・sec)を基材シート202の表面に格子状に押し出し、保護フィルムを積層後、ヒートシール(掌挿入域が袋状に形成されるよう、開口部を残して超音波を利用してヒートシールした)、カットの工程を経て、片側面使用型のシース状塗布具を製造した。
得られたシース状塗布具を2ヶ月間50℃で保持した後、使用に供した。
まず、掌を開口部より挿入して、掌に嵌め、保護フィルムを、開口部側に形成された摘み部から先端側に向かって引き剥がした。
内部形状が袋状であるために掌の形状の個人差に左右されずフィット性は良好であった。基材シートの保持層には、擬似タンニング処置を行うのに十分量のタンニング剤が配置されており、基材は柔軟なため塗布作業性に優れ、身体の凹凸のある部位に対してもきめ細かい塗布と延展作業を、場所を選ばず手軽に行うことができ、需要者に大変好評であった。また、タンニング剤は高粘度であり使用中に雫が垂れ落ちることはなく、また、掌や衣服を汚すことは全くなかった。
以下、実施例7〜12に、図13の製造フローに基づく製造例と使用例について具体的に説明する。もちろん、上記実施例1〜6の塗布具も、図13に示すフローの装置系に基づいて製造することができる。
(水相・油相分離型スキンケア用化粧料塗布具)
両側の基材シートとして、ポリ乳酸繊維を主成分とする脂肪族ポリエステル系不織布(目付:100g/m)と、生分解性ポリウレタンフィルム(厚み:20μm)とのラミネートシートを使用した。
保護フィルムとして、ポリ乳酸フィルム(厚み:100μm)を使用した。
塗布組成物については、二連式並列ノズルを使用し、片側からは水相のゲル状スキンケア化粧料組成物を、他側からは油相のゲル状スキンケア化粧料組成物を、それぞれ基材シートの不織布面上に互いに混ざらないように配置した。
前述の製造方法2にしたがって、空所域内部がミトン形状であり、片側面のみに2分割状態の区画域を有する塗布具を製造した。
この塗布具は、使用開始までは水相と油相が分離収納されているので、界面活性剤を併用する必要はなく長期間保管しても相分離の心配は全くなかった。
使用時に、この塗布具の開口部より掌を挿入し、次いで保護フィルムを引き剥がして除去し、露出した両組成物を顔面上で、こすりながら混ぜ合わせ皮膚に擦りこんだ。水相と油相が分離収納されているため、界面活性剤を有しておらず、この美容トリートメントを毎日反復して1ヶ月経過しても、敏感肌の人でも皮膚刺激による感作反応はなく、使用感に優れていた。また、保護フィルムを引き剥がすと簡単に除去できるのと、内側(掌の挿入のための空所域に面する側)にバリア層が設けられているので、使用中においても掌を汚すことはなかった。さらに装着感と、操作性にも優れていた。
(二液混合型毛染め具)
基材シートと、保護フィルムは、実施例7と同じものを使用した。
塗布組成物は、二連式並列ノズルを使用し、片側からは毛髪用染料を含有するゲル状組成物を、他側からは酸化剤を含有するゲル状組成物を、それぞれ基材シートの不織布面上に互いに混ざらないように配置した。
前述の製造方法に従って、空所域内部がグローブ形状であり、片側面のみに独立した二つの区画室を有する(図10参照)塗布具を製造した。
この塗布具は、使用開始までは染料と酸化剤とが分離収納されているので、長期間保管しても染色活性の低下は全くなかった。
使用時に保護フィルムを引き剥がして除去し、露出した両組成物を頭髪面上で擦るように混ぜ合わせながら頭髪に塗布した。
使用時混合ができるので、染色活性が高く、効率よく毛染めができた。また、保護フィルムを引き剥がすと簡単に除去できるのと、掌の挿入のための空所域側にバリア層が設けられているので、使用中においても掌を汚すことはなかった。さらに、掌にフィットする形状に成形されているので装着感がよく、操作性にも優れていた。
(混合型洗顔用具)
両側の基材シートとして、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)不織布(目付:150g/m)と、ポリエチレンフィルム(厚み:40μm)とのラミネートシートを使用した。
保護フィルムとして、ポリエチレンフィルム(厚み:150μm)を使用した。
不織布面上に、塗布組成物として、クレー粉末とシリカ粉末からなる粉体(平均粒子径35μm)を散布し、またゲル状洗顔料組成物を、不織布面上で互いに混ざらないように配置した。
前述の製造方法に従って、空所域内部がグローブ形状であり、片側面が2室に区画された塗布具を製造した(図10参照)。
この塗布具は、使用開始までは粉末と洗顔料とが分離収納されているので、長期間保管しても粉末が洗顔料中で比重差により分離することは全くなかった。
使用時に保護フィルムを引き剥がして除去し、粉体と洗顔料組成物とを顔面上で擦るように混ぜ合わせながら顔面をマッサージした。使用時に混合しながら洗浄するので、角質落とし効果と洗浄効果とマッサージ効果は、通常のスクラブ剤による洗顔の場合より高かった。また、保護フィルムを引き剥がすと簡単に除去できるのと、掌の挿入のための空所域の内側にバリア層が設けられているので、使用中においても掌を汚すことはなかった。さらに掌にフィットする形状に成形されているので装着感がよく、操作性にも優れていた。
(二剤混合型スキンケア用塗布用具)
両側の基材シートと、保護フィルムは実施例9と同じものを使用した。
塗布組成物として、炭酸水素ナトリウムを含有するゲル状水性組成物と、アスコルビン酸グルコシド及びクエン酸を含有するゲル状水性組成物を、それぞれ基材シートの不織布面上に互いに混ざらないように配置した。
前述の製造方法に従って、内部がグローブ形状の挿入域を有し、片側面に2つの独立区画(図10)を有する塗布具を製造した。
この塗布具は、使用開始までは炭酸水素ナトリウムとクエン酸とが分離収納されているので、長期間保管しても両者が反応することはなかった。
使用時に保護フィルムを引き剥がして除去し、これら組成物を顔面上で擦るように混ぜ合わせながら顔面をマッサージした。
混合開始から炭酸ガスが発生し顔面が泡で覆われた。この美容操作を1ヶ月間連用したところ、炭酸ガスを発生しない場合に比べ、美白成分の皮膚への浸透効果が向上し、美白効果が高かった。
また、保護フィルムを引き剥がすと簡単に除去できるのと、掌の挿入のための空所域の内側にバリア層が設けられているので、使用中においても掌を汚すことはなかった。さらに掌にフィットする形状に成形されているので装着感がよく、操作性にも優れていた。
(両面使用・混合型アフターサンケア用具)
両側の基材シートと、保護フィルムは実施例9と同じものを使用した。
塗布組成物として、基材シート片側面(A面とする)に硝酸アンモニウムと尿素の混合粉末と、水性ゲル組成物を、互いに混ざらないように配置した。
また、基材シートの反対側面(B面とする)にはグリチルリチン酸ジカリウムを含有する水性組成物を配置した。
前述の製造方法に従って、挿入域内部が袋形状であり、片側面が2分割状態の区画を有し、他側は仕切りで分割されていない構造の塗布具を製造した。
この塗布具は、使用開始までは硝酸アンモニウムが乾燥状態で分離収納されているので、長期間保管しても吸熱反応を起こすことはなかった。
使用時にA面側の保護フィルムを引き剥がして除去し、これら組成物を混ぜ合わせ冷却反応を開始した。塗布具全体が十分冷却後、塗布具を掌に嵌め、B面側の保護フィルムを引き剥がして除去し、グリチルリチン酸ジカリウムを含有する水性ゲル組成物を、日焼けで火照った首筋や肩部に軽くマッサージするように塗布した。B面側の水性ゲル組成物はよく冷えており、炎症を鎮めるのに効果が高く、アウトドアスポーツ後のアフターケア用として手軽に使用できるものであった。
また、保護フィルムを引き剥がすと簡単に除去できるのと、掌の挿入のための空所域の内側にバリア層が設けられているので、使用中においても掌を汚すことはなかった。さらに掌にフィットする大きさに成形されているので装着感がよく、操作性にも優れていた。
(両面使用・混合型ゴマージュ/スキンケア兼用塗布具)
両側の基材シートと、保護フィルムは実施例9と同じものを使用した。
塗布組成物として、基材シート片側面(A面とする)に、混合型ゴマージュ化粧料としてカルボキシビニルポリマーとポリビニルアルコールを含有する水性ゲル組成物と、植物油を有する油性ゲル組成物を、それぞれ基材シートの不織布面上で互いに混ざらないように配置した。
また、基材シートの反対側面(B面とする)には、ビタミンC粉末と、水性ゲル組成物を互いに混ざり合わないように配置した。
前述の製造方法に従って、挿入域内部が袋形状であり、両側面とも独立した2室の区画を有する構造(図5)の塗布具を製造した。
この塗布具は、使用開始まではビタミンCが乾燥状態で保持されるために酸化の影響を受けにくく活性が保持された。
使用時に、まずA面側の保護フィルムを引き剥がして除去し、顔面上で、水性組成物と油性組成物を混ぜ合わせながら、ゴマージュ化粧料をマッサージ塗布した。この操作で角質などの老廃物、皮脂汚れを掌を汚すことなく簡単に除去することができた。また、界面活性剤が不要なので敏感肌の人でも刺激感を覚えることなく使用感に優れていた。
次いで、この塗布具を反転し、B面側の保護フィルムを引き剥がして除去し、顔面上でビタミンCと水性ゲル組成物とを混ぜ合わせながら皮膚に擦りこんだ。皮膚面からは汚れ成分が除去された上に、ビタミンCの活性を保持しながら皮膚面に擦りこんだので、経皮吸収効果も高く、美白効果に著しく優れていた。
また、保護フィルムを引き剥がすと簡単に除去できるのと、掌の挿入のための空所域の内側にバリア層が設けられているので、使用中においても掌を汚すことはなかった。さらに掌にフィットする大きさに成形されているので装着感がよく、袋状であるため反転もできるので操作性にも非常に優れていた。
(両面使用型マスカラ塗布・除去兼用具)
基材シートと、保護フィルムは、実施例7と同じものを使用した。
塗布組成物として、基材シート片側面(A面とする)には、マスカラ化粧料を配置した。また、基材シートの反対側面(B面とする)には、マスカラ除去用化粧料を配置した。
前述の図13の製造方法に従って、A面、B面とも面を分割するための隔壁は設けることなく、指が2本程度挿入可能な袋形状の挿入域を有する構造の塗布具を製造した。
外出前の使用に際し、開口部より指を挿入し、先ずA面側の保護フィルムを引き剥がして除去し、塗布面に現れたマスカラ化粧料を睫毛に沿って塗布した。指に直接装着しているので指の曲面形状と睫毛のカール形状とがほぼ合致するために塗布性がよく、きめ細かな塗布にも十分に対応できるものであった。また、塗布基材シートに化粧料が吸収されているので、剰余の化粧料が垂れ落ちることはなかった。
帰宅後、マスカラを落としたいときには、開口部より指を挿入し、B面側の保護フィルムを引き剥がして除去し、現れたマスカラ除去化粧料を有する基材シート面で睫毛に沿って擦り、付着したマスカラ化粧料を除去した。指に直接装着するために操作性に優れていた。
また、保護フィルムを引き剥がすと簡単に除去できるのと、指の挿入のための空所域の内側にバリア層が設けられているので、使用中においても指を汚すことはなかった。

Claims (14)

  1. 基材シート10と保護フィルム12との間に、塗布組成物15を配置するための1室又は2室以上のシールされた区画域を有しており、かつ、別の基材シート10’と上記基材シート10との間に掌又は指の挿入のための空所域18を形成するように略外周でシールされたシース状塗布具11であって、
    前記基材シートその表面に前記塗布組成物15を配置した、繊維シートの保持層16と、前記空所域側に上記塗布組成物の浸透又は漏出防止のための樹脂シートのバリア層17とをヒートシールした第1シール部21からなる積層体であり、その第1シール部に沿って上記保護フィルムを除去可能であり、前記掌又は指の挿入のための空所域18を形成するように略外周を第2シール部22でヒートシールしており、上記第1シール部における保護フィルムと繊維シート間の剥離強度(JIS―Z0238準拠)が0.1〜5N/15mm、上記第2シール部における樹脂シートのバリア層間の剥離強度(JIS―Z0238準拠)が10〜50N/15mmであることを特徴とするシース状塗布具。
  2. 前記基材シートのバリア層17が掌又は指に接触する側に配置され、基材シート10と保護フィルム12とが掌又は指の挿入のための空所域18を形成するように開口部を除いて略外周でシールされていることを特徴とする請求項1に記載のシース状塗布具。
  3. 前記掌又は指の挿入のための空所域18を形成するために、開口部を除いてシールされた外周が、略袋状、ミトン状又はグローブ状の形状であることを特徴とする請求項1又は2に記載のシース状塗布具。
  4. 少なくとも一方の基材シート10側に設けられた前記1室又は2室以上の区画域には、少なくとも1種以上の塗布組成物が配置されてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のシース状塗布具。
  5. 前記塗布組成物15は、保持層16に対して、線状、格子状又は面状に配置されてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のシース状塗布具。
  6. 前記基材シート10及び/又は保護フィルム12の少なくとも一つが、着色及び/又は印刷模様を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のシース状塗布具。
  7. 前記塗布組成物が、スキンケア化粧料、クレンジング化粧料、メークアップ化粧料、毛髪又は頭皮用外用剤、サンケア化粧料、タンニング化粧料、染毛料、マスカラ化粧料、冷却剤又は洗浄料からなる群から選ばれた組成物であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のシース状塗布具。
  8. 前記基材シート10及び/又は保護フィルムが、生分解性物質を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のシース状塗布具。
  9. 前記生分解性物質が、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、脂肪族ポリエステル、微生物由来のポリ3−ヒドロキシアルカネート、ポリアミノ酸、ポリビニルアルコール、プルラン、セルロース類又はセルロース・キトサン混合体から選ばれた1種以上の成分であることを特徴とする請求項8に記載のシース状塗布具。
  10. (i)繊維シートの保持層16と樹脂シートのバリア層17からなる基材シート10を配置する工程、
    (ii)上記保持層の少なくとも1個所以上の域に1種以上の塗布組成物15を配置する工程、
    (iii)上記塗布組成物を覆うように基材シート10と保護フィルム12とを重ね合わせて閉領域を形成するように、その保護フィルムと上記繊維シート間の剥離強度(JIS―Z0238準拠)が0.1〜5N/15mmでシールする第1シール工程、
    (iv)さらに基材シート10のバリア層17を内側にして、別の基材シート10’又は別の基材シートのバリア層17’を内側にして、上記バリア層と別の基材シートの間に、又は上記基材シートのバリア層と別の基材シートのバリア層の間に、掌又は指の挿入のための空所域18を形成するように、上記バリア層間の剥離強度(JIS―Z0238準拠)が10〜50N/15mmでシールする第2シール工程、
    (v)切断する工程、
    を有することを特徴とするシース状塗布具の製造方法。
  11. 前記第2シール工程が、掌又は指の挿入のための開口部が非シール部となるようにシールすることを特徴とする請求項10に記載のシース状塗布具の製造方法。
  12. 前記(iii)の第1シール工程が、少なくとも1個所以上の区画域を形成するように保護フィルムと基材シートとをシールすることを特徴とする請求項10又は11に記載のシース状塗布具の製造方法。
  13. 少なくとも一方の基材シートに、塗布組成物の掌又は指への浸透又は漏出を防止するためのバリア層を設けることを特徴とする請求項10〜12のいずれかに記載のシース状塗布具の製造方法。
  14. 前記(i)〜(iii)の工程を並行的に行い、得られた2つのシートを保護フィルムが外側になるように重ね合わせてシールする上記第2シール工程と、使用単位に切断する工程からなることを特徴とする請求項10〜13のいずれかに記載のシース状塗布具の製造方法。
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