JP5223959B2 - 分散補償装置および分散補償方法 - Google Patents

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Description

この発明は、光信号の分散補償を行う分散補償装置および分散補償方法に関する。
近年の通信トラフィック増加を背景として、光通信システムへの需要が高まっている。基幹網で導入されてきた光中継ノードだけでなく、最近では地域網についても光通信システムの導入が活発に行われており、さらには加入者系へも光通信システムが形成されている。このように、光通信システムは世界の情報網に対して重要な役割を担っている。
データ通信の急激な増加に対応するべく、WDM(Wavelength Division Multiplexing:波長分割多重)とOTDM(Optical Time Division Multiplexing:光時分割多重)を用いた、より高速かつ大容量の光通信システムの構築が進んでいる。近年では、40Gb/s以上の光通信システムが導入され始めている。
伝送速度が40Gb/s以上になると、光信号の光パルス幅が数ピコ秒と狭くなるため、光ファイバのわずかな波長分散による波形ひずみが伝送性能を著しく劣化させる。たとえば、伝送速度が10Gb/sから40Gb/sに高速化すると、分散トレランスは1/16になってしまう。また、伝送ファイバの分散値は温度や環境の変化に伴って時間的に変動し、そのわずかな変化が伝送性能に影響する。
受信側に可変分散補償器(TDC:Tunable Dispersion Compensator)をチャネルごとに配置し、伝送路で累積した分散を相殺するように逆符号の分散を付加することで、波長分散による性能劣化を抑圧する技術が用いられている。
また、伝送路の波長分散の経時変化に応じて可変分散補償器の分散補償量を調整することで、より安定した伝送特性を確保することができると考えられる。分散補償量が可変の可変分散補償器としては、たとえば、エタロン型、VIPA(Virtually Imaged Phased Array)型、FBG(Fiber Bragg Grating)型などが開発されている(たとえば、下記非特許文献1参照。)。
財団法人 光産業技術振興協会,「可変波長分散補償器のGDR測定法に関する検討」,2008年10月9日
しかしながら、上述した従来技術では、可変分散補償器の群遅延特性における群遅延リップルによって光信号が劣化するという問題がある。具体的には、可変分散補償器の透過帯域が群遅延特性の有効帯域より十分広い可変分散補償器において、可変分散補償器へ入力される光信号の占有帯域が、可変分散補償器の群遅延特性における有効帯域の外側の帯域と重なると、有効帯域の外側の群遅延リップルによって光信号が劣化する。
ところで、従来から用いられているVIPAなどの可変分散補償器においては、有効帯域の外側帯域における透過率が低いため、光信号における群遅延リップルの影響を受ける帯域の成分が減衰し、光信号に対する群遅延リップルの影響が小さかった。このため、可変分散補償器の群遅延リップルによる光信号の劣化が意識されてこなかった。
これに対して、エタロンTDCなどの分散帯域に対して透過帯域が十分に広い可変分散補償器においては、有効帯域の外側の各帯域における成分がほとんど減衰しない。このため、エタロンTDCなどの分散帯域に対して透過帯域が十分に広い可変分散補償器においては、群遅延リップルの影響によって光信号が劣化していることが分かった。
また、光信号のビットレートが高い場合は、光信号の占有帯域が広がるため、可変分散補償器における群遅延特性の有効帯域を、光信号の占有帯域をカバーできる程度に確保することが困難である。このため、光信号のビットレートが高いほど、可変分散補償器の群遅延特性における群遅延リップルによる光信号の劣化が大きくなる。
また、一般的に、可変分散補償器の波長分散補償量と群遅延特性の有効帯域にはトレードオフの関係があることが知られており、波長分散補償量は小さいが群遅延特性の有効帯域が広い可変分散補償器を複数設けることによって可変分散補償器の群遅延特性の有効帯域を広くすることが考えられる。この場合は、可変分散補償器へ入力される光信号の占有帯域が、可変分散補償器の群遅延特性における有効帯域の外側の帯域と重ならないようにすることも可能である。しかしながら、この場合は、可変分散補償器を複数設けることによる挿入損失の増大、装置の大型化およびコストの増大という問題がある。
この分散補償装置および分散補償方法は、上述した問題点を解消するものであり、群遅延リップルによる光信号の劣化を抑えることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この分散補償装置は、有効帯域の外側における各帯域が非対称な群遅延特性によって光信号を分散補償する可変分散補償器と、前記光信号の前記有効帯域の外側における各帯域であって、群遅延リップルの影響を受ける帯域を減衰させ、透過特性の中心周波数と帯域幅の少なくとも一方を含むフィルタ特性が可変な可変フィルタと、前記可変分散補償器における分散補償量を設定する設定手段と、前記設定手段によって設定された分散補償量に基づいて前記可変フィルタの前記フィルタ特性を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
上記構成によれば、光信号における、可変分散補償器の群遅延リップルの影響を受ける帯域の成分を減衰させることができる。また、群遅延特性の有効帯域の外側における各帯域の非対称性を利用して、群遅延特性の大きな群遅延リップルを光信号の占有帯域からずらすことができる。
開示の分散補償装置および分散補償方法によれば、群遅延リップルによる光信号の劣化を抑えることができるという効果を奏する。
図1は、実施の形態1にかかる分散補償装置の構成を示すブロック図である。 図2は、図1に示した記憶部が記憶するテーブルの一例を示す図である。 図3は、図1に示した可変分散補償器の群遅延特性および透過特性の一例を示すグラフである。 図4は、図1に示した可変分散補償器の有効帯域特性の一例を示すグラフである。 図5は、可変分散補償器の群遅延特性の一例を示すグラフ(その1)である。 図6は、可変分散補償器の群遅延特性の一例を示すグラフ(その2)である。 図7は、図1に示した分散補償装置の動作の一例を示すフローチャートである。 図8は、図1に示した分散補償装置の動作の一例を示すグラフである。 図9は、図1に示した分散補償装置の動作の他の例を示すグラフである。 図10は、図1に示した分散補償装置の動作のさらに他の例を示すグラフである。 図11は、図1に示した分散補償装置における信号品質の改善効果を示すグラフである。 図12は、実施の形態2にかかる分散補償装置の構成を示すブロック図である。 図13は、図12に示したパワー測定部によって測定されるパワーの特性を示すグラフ(その1)である。 図14は、図12に示したパワー測定部によって測定されるパワーの特性を示すグラフ(その2)である。 図15は、図12に示したパワー測定部によって測定されるパワーの特性を示すグラフ(その3)である。 図16は、図12に示した分散補償装置の動作の一例を示すフローチャートである。 図17は、実施の形態3にかかる光受信装置の構成を示すブロック図である。 図18は、図17に示した品質測定部によって測定されるBERの特性を示すグラフ(その1)である。 図19は、図17に示した品質測定部によって測定されるBERの特性を示すグラフ(その2)である。 図20は、図17に示した光受信装置の動作の一例を示すフローチャートである。 図21は、図17に示した分散補償装置の動作の他の例を示すフローチャートである。 図22は、中心周波数が最適な場合の群遅延特性を示すグラフである。 図23は、中心周波数が最適な場合のBERの特性を示すグラフである。 図24は、中心周波数が最適でない場合の群遅延特性を示すグラフである。 図25は、中心周波数が最適でない場合のBERの特性を示すグラフである。 図26は、実施の形態4にかかる分散補償装置の構成を示すブロック図である。 図27は、図26に示した可変分散補償器の群遅延特性の一例を示すグラフである。 図28は、可変分散補償器にVIPAを用いる場合の特性の一例を示す参考グラフである。 図29は、図26に示した可変分散補償器の特性の一例を示すグラフである。 図30は、図26に示した帯域フィルタの作用を示すグラフである。 図31は、信号品質の改善を検証するための実験装置を示すブロック図である。 図32は、図31に示した実験装置による実験結果を示すグラフ(その1)である。 図33は、図31に示した実験装置による実験結果を示すグラフ(その2)である。 図34は、スペクトラム幅の影響を検証するための実験装置を示すブロック図である。 図35は、図34に示した実験装置による実験結果を示すグラフ(その1)である。 図36は、図34に示した実験装置による実験結果を示すグラフ(その2)である。 図37は、分散補償範囲の拡大を示すグラフ(その1)である。 図38は、分散補償範囲の拡大を示すグラフ(その2)である。 図39は、図26に示した分散補償装置の実施例を示すブロック図である。 図40は、実施の形態5にかかる分散補償装置の構成を示すブロック図である。 図41は、図40に示した記憶部が記憶するテーブルの一例を示す図である。 図42は、実施の形態6にかかる光受信装置の構成を示すブロック図である。 図43は、図40に示した光受信装置の動作例を示すグラフである。 図44は、実施の形態7にかかる通信システムの構成を示すブロック図である。
以下に添付図面を参照して、この分散補償装置および分散補償方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態1)
(分散補償装置の構成)
図1は、実施の形態1にかかる分散補償装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように、実施の形態1にかかる分散補償装置100は、可変分散補償器110と、制御部120と、記憶部130と、を備えている。分散補償装置100は、光信号の分散補償を行う装置である。可変分散補償器110には光信号が入力される。可変分散補償器110は、入力された光信号を所定の群遅延特性によって分散補償する。
可変分散補償器110の群遅延特性は、有効帯域の外側における各帯域が非対称な群遅延特性(図3参照)である。可変分散補償器110の透過特性は、分散の有効帯域に対して透過帯域が十分に広い(図3参照)。可変分散補償器110は、たとえばエタロンを利用した可変分散補償器110(以下、「エタロンTDC」と称する。)である。
制御部120は、可変分散補償器110の動作を制御する。具体的には、制御部120は、分散量設定部121と、中心周波数シフト部122と、を備えている。分散量設定部121は、可変分散補償器110における分散補償量を設定する設定手段である。分散量設定部121は、設定した分散補償量を中心周波数シフト部122へ通知する。
中心周波数シフト部122は、分散量設定部121から通知された分散補償量に基づいて、可変分散補償器110の群遅延特性における有効帯域の中心周波数(以下、単に「可変分散補償器110の中心周波数」ともいう。)をシフトさせる。これにより、可変分散補償器110の群遅延特性が周波数方向にシフトする。
具体的には、中心周波数シフト部122は、分散量設定部121から分散補償量が通知されると記憶部130に記憶されたテーブルを参照する。記憶部130に記憶されたテーブルにおいては、分散補償量と中心周波数のシフト量とが対応付けられている。中心周波数シフト部122は、通知された分散補償量がテーブルにおいて対応付けられたシフト量を取得し、取得したシフト量により可変分散補償器110の中心周波数をシフトさせる。
図2は、図1に示した記憶部が記憶するテーブルの一例を示す図である。図1に示した記憶部130には、たとえば、図2に示すテーブル200が記憶されている。テーブル200においては、可変分散補償器110の分散補償量210と、可変分散補償器110の中心周波数のシフト量220と、が対応付けられている。
たとえば、分散量設定部121が可変分散補償器110の分散補償量を−100[ps/nm]に設定したとする。この場合は、中心周波数シフト部122は、テーブル200において分散補償量210の−100[ps/nm]に対応付けられたシフト量220の+1だけ、可変分散補償器110の中心周波数をシフトさせる。
分散補償量210に対する最適なシフト量220の値は、可変分散補償器110の群遅延特性に依存する。テーブル200を作成するためには、たとえば、分散補償装置100の製造時に、ある分散補償量210に対してシフト量220を変化させながら可変分散補償器110によって光信号を分散補償する。
そして、可変分散補償器110によって分散補償した光信号の品質が最も高くなったときのシフト量220を分散補償量210と対応付けて記憶する。分散補償量210の値を変えながら同様の方法でシフト量220を分散補償量210と対応付けて記憶することで、テーブル200を作成することができる。
(可変分散補償器の特性)
図3は、図1に示した可変分散補償器の群遅延特性および透過特性の一例を示すグラフである。図3において、特性310、特性320および特性330は、図1に示した可変分散補償器110の各種特性を示している。特性310、特性320および特性330において、横軸は周波数を示している。また、横軸におけるITUは、可変分散補償器110へ入力される光信号の波長グリッドを示している。
特性310は、可変分散補償器110の群遅延特性(周波数に対する群遅延の特性)を示している。特性310において、縦軸は群遅延[ps]を示している。図1に示した可変分散補償器110は、たとえば特性310のような群遅延特性を有している。可変分散補償器110において、特性310の傾きが分散補償量となる。
特性310に示すように、帯域311においては特性310が一定の大きさの傾きを有しているため、この帯域においては光信号に対して一定の分散補償量が与えられる。また、帯域311の外側においては、特性310がほぼ一定となっているため、光信号に与えられる分散補償量はほとんどない。
特性320は、可変分散補償器110の群遅延リップル特性を示している。特性320において、縦軸は群遅延リップル[ps]を示している。群遅延リップルは、群遅延の線形近似に対する群遅延の差である。特性320は、特性310の帯域311における傾きによって線形近似した場合の群遅延リップルを示している。
上限321および下限322のそれぞれは、通信システムにおいて許容される群遅延リップルの上限および下限を示している。有効帯域323は、特性320において、群遅延リップルが上限321および下限322の間の範囲324に収まる周波数の帯域である。
有効帯域323の中心周波数は、初期状態において、光信号の波長グリッド(ITU)に設定され、光信号の占有帯域が有効帯域323の範囲内に含まれる。このため有効帯域323は、可変分散補償器110へ入力される光信号の分散補償を十分に行うことができる帯域となる。特性310および特性320に示すように、有効帯域323の外側における帯域325および帯域326においては、群遅延特性が互いに非対称になっている。
特性330は、可変分散補償器110の透過率特性を示している。特性330において、縦軸は透過率[dB]を示している。特性330に示すように、可変分散補償器110の透過率特性は、有効帯域323、帯域325および帯域326を含む帯域に対して透過帯域が十分に広い特性になっている。
図4は、図1に示した可変分散補償器の有効帯域特性の一例を示すグラフである。図4において、横軸は周波数を示している。縦軸は群遅延を示している。可変分散補償器110における分散補償量を変化させると、可変分散補償器110の群遅延特性(図3の特性310)は特性411〜414のように変化する。
特性411〜414のうちの特性411は、可変分散補償器110における分散補償量の絶対値を最も小さくした場合の可変分散補償器110の群遅延特性を示している。特性411〜414のうちの特性414は、可変分散補償器110における分散補償量の絶対値を最も大きくした場合の可変分散補償器110の群遅延特性を示している。
特性411〜414に示すように、可変分散補償器110における分散補償量の絶対値を大きくするほど、群遅延特性の傾きが一定になる帯域が狭くなる。このため、有効帯域(図3の有効帯域323)も狭くなる。
図5は、可変分散補償器の群遅延特性の一例を示すグラフ(その1)である。図6は、可変分散補償器の群遅延特性の一例を示すグラフ(その2)である。ここでは可変分散補償器110がエタロンTDCであるとする。エタロンTDCは、複数のエタロン素子における群遅延特性の重ね合わせによって所望の分散補償量を実現することができる。
図5および図6において、特性511〜515は、5枚のエタロン素子のそれぞれにおける群遅延特性である。特性520は、5枚のエタロン素子における群遅延特性を重ね合わせた群遅延特性である。有効帯域530は、特性520の有効帯域である。
図5は、5枚のエタロン素子の周波数間隔をほぼ均等にした場合を示している。この場合は、特性520は、傾きが比較的小さく(分散補償量が小さく)なり、有効帯域530は広くなる。図6は、5枚のエタロン素子の周波数間隔を、低周波数側よりも高周波数側で短くなるようにした場合を示している。この場合は、特性520は、傾きが比較的大きく(分散補償量が大きく)なり、有効帯域530は狭くなる。
図5および図6に示すように、複数のエタロン素子を組み合わせる場合に、分散補償量を大きくするためには短い周波数間隔でエタロン素子を配置することになる。このため、有効帯域が狭くなる。一方、有効帯域を広げるためにエタロン素子を増やすと、光挿入損失の増大、エタロン素子の制御の複雑化、製造歩留まりが悪化するなどの問題が生じる。
(分散補償装置の動作)
図7は、図1に示した分散補償装置の動作の一例を示すフローチャートである。まず、分散量設定部121が可変分散補償器110の分散補償量を設定する(ステップS701)。つぎに、中心周波数シフト部122が、ステップS701によって設定された分散補償量に対応するシフト量を記憶部130のテーブルから取得する(ステップS702)。
つぎに、中心周波数シフト部122が、ステップS702によって取得されたシフト量により可変分散補償器110の中心周波数をシフトさせ(ステップS703)、一連の動作を終了する。以上のステップを、可変分散補償器110の分散補償量を設定するごとに行う。これにより、可変分散補償器110の分散補償量に基づいて可変分散補償器110の中心周波数を最適な値にシフトさせることができる。
図8は、図1に示した分散補償装置の動作の一例を示すグラフである。図8において、特性810は、可変分散補償器110の群遅延特性である。スペクトル820は、可変分散補償器110へ入力される光信号のスペクトルである。スペクトル820において、横軸は周波数を示し、縦軸は光信号のパワー(光パワー)を示している。
スペクトル820に示すように、可変分散補償器110へ入力される光信号は、可変分散補償器110の群遅延特性における有効帯域811の外側の帯域812および帯域813にも信号成分を含んでいる。一方、分散補償装置100の特性810は、有効帯域811の外側における各帯域(帯域812および帯域813)が互いに非対称である。
このため、帯域812および帯域813における特性810の各群遅延リップルも互いに異なる。ここでは、帯域813における群遅延リップルが、帯域812における群遅延リップルより大きくなっている。この場合は、中心周波数シフト部122は、特性810における有効帯域811の中心周波数を高周波数側へシフトさせる。
有効帯域811の中心周波数を高周波数側へシフトさせると、符号830に示すように、特性810が高周波数側へシフトし、特性810における群遅延リップルが大きな部分814も高周波数側へシフトする。これにより、スペクトル820における、特性810の部分814と重なる信号成分が少なくなる。これにより、特性810の群遅延リップルによる光信号の品質劣化を抑えることができる。
図9は、図1に示した分散補償装置の動作の他の例を示すグラフである。図9において、特性910および特性920のそれぞれは、可変分散補償器110の群遅延特性を示している。特性910は、有効帯域が負分散となっており、有効帯域より高周波数側の部分911の群遅延リップルが大きい。特性920は、有効帯域が正分散となっており、有効帯域より低周波数側の部分921の群遅延リップルが大きい。
可変分散補償器110の群遅延特性が特性910の場合は、中心周波数シフト部122は、特性910における有効帯域の中心周波数を高周波数側へシフトさせる。これにより、符号912に示すように、特性910の部分911も高周波数側へシフトする。これにより、可変分散補償器110へ入力される光信号における、特性910の群遅延リップルが大きな部分911と重なる信号成分が少なくなる。
可変分散補償器110の群遅延特性が特性920の場合は、中心周波数シフト部122は、特性920における有効帯域の中心周波数を低周波数側へシフトさせる。これにより、符号922に示すように、特性920の部分921も低周波数側へシフトする。これにより、可変分散補償器110へ入力される光信号における、特性920の群遅延リップルが大きな部分921と重なる信号成分が少なくなる。
図10は、図1に示した分散補償装置の動作のさらに他の例を示すグラフである。図10において、特性1010および特性1020のそれぞれは、可変分散補償器110の群遅延特性を示している。特性1010は、有効帯域が負分散となっており、有効帯域より低周波数側の部分1011の群遅延リップルが大きい。特性1020は、有効帯域が正分散となっており、有効帯域より低周波数側の部分1021の群遅延リップルが大きい。
可変分散補償器110の群遅延特性が特性1010の場合は、中心周波数シフト部122は、特性1010における有効帯域の中心周波数を低周波数側へシフトさせる。これにより、符号1012に示すように、特性1010の部分1011も低周波数側へシフトする。これにより、可変分散補償器110へ入力される光信号における、特性1010の群遅延リップルが大きな部分1011と重なる信号成分が少なくなる。
可変分散補償器110の群遅延特性が特性1020の場合は、中心周波数シフト部122は、特性1020における有効帯域の中心周波数を低周波数側へシフトさせる。これにより、符号1022に示すように、特性1020の部分1021も低周波数側へシフトする。これにより、可変分散補償器110へ入力される光信号における、特性1020の群遅延リップルが大きな部分1021と重なる信号成分が少なくなる。
図8〜図10に示したように、中心周波数シフト部122は、可変分散補償器110の有効帯域の外側の各帯域のうちの群遅延リップルが大きい帯域側へ可変分散補償器110の中心周波数をシフトさせる。これにより、群遅延特性の大きな群遅延リップルを光信号の占有帯域からずらすことができる。
(信号品質の改善効果)
図11は、図1に示した分散補償装置における信号品質の改善効果を示すグラフである。図11において、横軸は、可変分散補償器110の中心周波数のシフト量[GHz]を示している。横軸のシフト量0[GHz]は、可変分散補償器110の中心周波数が、光信号の波長グリッドに設定されている状態である。縦軸は、分散補償装置100によって分散補償を行った光信号のQ値ペナルティ[0.2dB/div]を示している。
特性1110は、中心周波数のシフト量に対するQ値ペナルティの特性を示している。また、特性1110の測定時には、43Gb/sのRZ−DQPSK(Return to Zero Differential Quadrature Phase Shift Keying)によって変調した光信号を可変分散補償器110へ入力した。また、可変分散補償器110の分散補償量を−500[ps]とした。
特性1110に示すように、可変分散補償器110の分散補償量が−500[ps]である場合は、群遅延特性の中心周波数のシフト量[GHz]を+2GHzだけシフトさせることによってQ値ペナルティを最小にすることができる。このように、有効帯域の外側の各帯域の群遅延特性が非対称であり、分散帯域に対して透過帯域が十分に広い可変分散補償器110においては、中心周波数をシフトさせることによって光信号の品質を向上させることができる。
このように、実施の形態1にかかる分散補償装置100は、可変分散補償器110の分散補償量に基づいて可変分散補償器110の中心周波数をシフトさせる。これにより、可変分散補償器110の群遅延特性があらかじめわかっていれば、群遅延特性の有効帯域の外側における各帯域の非対称性を利用して、群遅延特性の大きな群遅延リップルを光信号の占有帯域からずらすことができる。
このため、可変分散補償器110の有効帯域が光信号の占有帯域より狭くても、群遅延特性の有効帯域外の群遅延リップルによる光信号の劣化を抑えることができる。特に、分散帯域に対して透過帯域が十分に広い可変分散補償器110においては、信号光スペクトル狭窄化による信号品質劣化を抑圧でき、さらには、群遅延リップルによる信号の劣化を回避することによって光信号の品質を大きく向上させることができる。
また、分散補償量と中心周波数のシフト量とを対応付けて記憶しておき、設定手段によって設定された分散補償量に対応付けられたシフト量により可変分散補償器110の中心周波数をシフトさせる。これにより、フィードフォワード制御となるため、可変分散補償器110の中心周波数を最適な値へ高速にシフトさせることができる。また、フィードバック系を設ける場合と比べて簡単な構成で実現することができる。
(実施の形態2)
(分散補償装置の構成)
図12は、実施の形態2にかかる分散補償装置の構成を示すブロック図である。図12において、図1に示した構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。図12に示すように、実施の形態2にかかる分散補償装置100は、図1に示した記憶部130に代えて、光分岐部1210と、光電変換部1220と、帯域制限部1230と、パワー測定部1240と、を備えている。
光分岐部1210は、可変分散補償器110から出力された光信号を分岐し、分岐した各光信号のうちの一方を分散補償装置100の外部へ出力し、他方を光電変換部1220へ出力する。光電変換部1220は、光分岐部1210から出力された光信号を光電変換し、光電変換により得られた電気信号を帯域制限部1230へ出力する。
帯域制限部1230は、光電変換部1220から出力された電気信号の帯域を制限し、帯域を制限した電気信号をパワー測定部1240へ出力する。パワー測定部1240は、帯域制限部1230から出力された電気信号のパワーを測定する。これにより、可変分散補償器110によって分散補償された光信号の光電変換後の特定周波数成分のパワーを測定することができる。パワー測定部1240は、測定したパワーを制御部120へ通知する。たとえば、パワー測定部1240はRF(Radio Frequency)パワーモニタである。
制御部120の中心周波数シフト部122は、パワー測定部1240から通知されたパワーに応じたシフト方向に、可変分散補償器110の中心周波数をシフトさせる。以上の構成において、たとえば、帯域制限部1230を、光信号のボーレート相当の周波数成分を抽出するBPF(Band Pass Filter)とする(図13参照)。
または、帯域制限部1230を、光信号のボーレート相当の周波数成分とは異なる周波数成分を抽出するBPFまたはLPF(Low Pass Filter)としても(図14,図15参照)よい。この場合は、パワー測定部1240の前段にDCブロック部(不図示)を設けるとよい。DCブロック部は、帯域制限部1230からパワー測定部1240へ出力される電気信号の直流成分を取り除く。
これにより、帯域制限部1230から出力された電気信号の交流成分が抽出されてパワー測定部1240へ出力される。DCブロック部は、たとえばコンデンサである。なお、光電変換部1220やパワー測定部1240において帯域制限部1230に相当する帯域制限がなされている場合は、帯域制限部1230を設けない構成にしてもよい。
(信号パワーの特性)
図13は、図12に示したパワー測定部によって測定されるパワーの特性を示すグラフ(その1)である。図13において、横軸は、可変分散補償器110の中心周波数のシフト量[GHz]を示している。縦軸は、パワー測定部1240によって測定された電気信号のパワー[dB](相対モニタパワー)を示している。
図13は、図12に示した帯域制限部1230をBPFとし、BPFによって光信号のボーレート(たとえば22.3GHz)相当の周波数成分を抽出した場合について示している。この場合は、パワー測定部1240によって、光信号におけるボーレートに対応する周波数成分のパワーが測定される。
可変分散補償器110へ入力する光信号は、44.6Gb/sのRZ−DQPSKによって変調を行った光信号とした。可変分散補償器110については、図11に測定結果を示した可変分散補償器110と同様のものを用いているため、光信号の劣化を最小に抑えることができる可変分散補償器110の中心周波数のシフト量は+2GHzである。
特性1310は、可変分散補償器110の中心周波数のシフト量に対する、パワー測定部1240によって測定される電気信号のパワーの特性を示している。特性1310は、群遅延特性の中心周波数のシフト量が+2GHzのときに極大値となっている。したがって、可変分散補償器110の中心周波数を、特性1310の極大値に近づくように制御することによって、光信号の劣化を最小に抑えることができることがわかる。
この場合は、中心周波数シフト部122は、パワー測定部1240によって測定されるパワーが大きくなるシフト方向へ、可変分散補償器110の中心周波数をシフトさせる。これにより、可変分散補償器110の中心周波数が特性1310の極大値に近づくように変化し、光信号の劣化を抑えることができる。
図14は、図12に示したパワー測定部によって測定されるパワーの特性を示すグラフ(その2)である。図14において、横軸は、可変分散補償器110の中心周波数のシフト量[GHz]を示している。縦軸は、パワー測定部1240によって測定された電気信号のパワー[dB](相対モニタパワー)を示している。
図14は、図12に示した帯域制限部1230をBPFとし、BPFによって光信号のボーレート(たとえば22.3GHz)とは異なる周波数成分を抽出した場合について示している。この場合は、パワー測定部1240によって、光信号におけるボーレートに対応する周波数成分とは異なる周波数成分のパワーが測定される。
可変分散補償器110へ入力する光信号は、44.6Gb/sのRZ−DQPSKによって変調を行った光信号とした。可変分散補償器110については、図11に測定結果を示した可変分散補償器110と同様のものを用いているため、光信号の劣化を最小に抑えることができる可変分散補償器110の中心周波数のシフト量は+2GHzである。
特性1411〜1415のそれぞれは、可変分散補償器110の中心周波数のシフト量に対する、パワー測定部1240によって測定される電気信号のパワーの特性を示している。特性1411〜1415は、それぞれ、光信号の1GHz成分、5GHz成分、10GHz成分、15GHz成分、20GHz成分の特性を示している。
特性1411〜1415は、群遅延特性の中心周波数のシフト量がほぼ+2GHzのときに極小値となっている。したがって、可変分散補償器110の中心周波数を、特性1411〜1415の極小値に近づくように制御することによって、光信号の劣化を最小に抑えることができることがわかる。
この場合は、中心周波数シフト部122は、パワー測定部1240によって測定されるパワーが小さくなるシフト方向へ可変分散補償器110の中心周波数をシフトさせる。これにより、可変分散補償器110の中心周波数が特性1411〜1415の極小値に近づくように変化し、光信号の劣化を抑えることができる。
図15は、図12に示したパワー測定部によって測定されるパワーの特性を示すグラフ(その3)である。図15において、横軸は、可変分散補償器110の中心周波数のシフト量[GHz]を示している。縦軸は、パワー測定部1240によって測定された電気信号のパワー[dB](相対モニタパワー)を示している。
図15は、図12に示した帯域制限部1230をLPFとし、LPFによって光信号のボーレート(たとえば22.3GHz)より低い周波数成分を抽出した場合について示している。この場合は、パワー測定部1240によって、光信号におけるボーレートに対応する周波数成分とは異なる周波数成分のパワーが測定される。
可変分散補償器110へ入力する光信号は、44.6Gb/sのRZ−DQPSKによって変調を行った光信号とした。可変分散補償器110については、図11に測定結果を示した可変分散補償器110と同様のものを用いているため、光信号の劣化を最小に抑えることができる可変分散補償器110の中心周波数のシフト量は+2GHzである。
特性1511〜1515のそれぞれは、可変分散補償器110の中心周波数のシフト量に対する、パワー測定部1240によって測定される電気信号のパワーの特性を示している。特性1511〜1515は、それぞれ、光信号の1GHz成分、5GHz成分、10GHz成分、15GHz成分、20GHz成分の特性を示している。
特性1511〜1515のそれぞれは、群遅延特性の中心周波数のシフト量がほぼ+2GHzのときに極小値となっている。したがって、可変分散補償器110の中心周波数を、特性1511〜1515の極小値に近づくように制御することによって、光信号の劣化を最小に抑えることができることがわかる。
この場合は、中心周波数シフト部122は、パワー測定部1240によって測定されるパワーが小さくなるシフト方向へ可変分散補償器110の中心周波数をシフトさせる。これにより、可変分散補償器110の中心周波数が特性1511〜1515の極小値に近づくように変化し、光信号の劣化を抑えることができる。
(分散補償装置の動作)
図16は、図12に示した分散補償装置の動作の一例を示すフローチャートである。図16においては、光信号のボーレートに相当する周波数成分を抽出するBPFによって帯域制限部1230を実現した場合(図13参照)の分散補償装置100の動作について説明する。まず、中心周波数シフト部122が、可変分散補償器110の中心周波数の初期設定を行う(ステップS1601)。
つぎに、パワー測定部1240が、可変分散補償器110によって分散補償された光信号のパワーを測定する(ステップS1602)。つぎに、中心周波数シフト部122が、ステップS1602によって測定されたパワーが光信号のパワーの極大値であるか否かを判断する(ステップS1603)。測定されたパワーが極大値でない場合(ステップS1603:No)は、中心周波数シフト部122が、可変分散補償器110の中心周波数をシフトさせ(ステップS1604)、ステップS1602へ戻って処理を続行する。
ステップS1603において、測定されたパワーが極大値である場合(ステップS1603:Yes)は、一連の動作を終了する。または、ステップS1603において、測定されたパワーが極大値である場合は、ステップS1602に戻って処理を続行するようにしてもよい。これにより、光信号のパワーを常に極大値に制御することができる。
なお、ステップS1604においては、分散量設定部121によって可変分散補償器110に設定された分散補償量の絶対値や符号に応じて、可変分散補償器110の中心周波数をシフトさせるシフト方向を決定してもよい。これにより、可変分散補償器110の中心周波数を、光信号のパワーが極大値になるシフト方向へ確実にシフトさせることができるため、光信号のパワーの極大値へ高速に収束させることができる。
図16においては、光信号のボーレートに相当する周波数成分を抽出するBPFによって帯域制限部1230を実現した場合(図13参照)について説明した。これに対して、光信号のボーレートとは異なる周波数成分を抽出するBPF(図14参照)や、光信号のボーレートより低い周波数成分を抽出するBPF(図15参照)によって帯域制限部1230を実現してもよい。この場合は、ステップS1603において、測定されたパワーが光信号のパワーの極小値であるか否かを判断するようにする。
このように、実施の形態2にかかる分散補償装置100は、可変分散補償器110によって分散補償された光信号のパワーに応じたシフト方向に可変分散補償器110の中心周波数をシフトさせる。これにより、可変分散補償器110の群遅延特性があらかじめわかっていれば、群遅延特性の有効帯域の外側における各帯域の非対称性を利用して、群遅延特性の大きな群遅延リップルを光信号の占有帯域からずらすことができる。
このため、可変分散補償器110の有効帯域が光信号の占有帯域より狭くても、群遅延特性の有効帯域外の群遅延リップルによる光信号の劣化を抑えることができる。特に、分散帯域に対して透過帯域が十分に広い可変分散補償器110においては、信号光スペクトル狭窄化による信号品質劣化を抑圧でき、さらには、群遅延リップルによる信号の劣化を回避することによって光信号の品質を大きく向上させることができる。
また、光信号のパワーをフィードバックするフィードバック制御となるため、可変分散補償器110の中心周波数を最適な値へ精度よくシフトさせることができる。また、可変分散補償器110の群遅延特性が変化しても、可変分散補償器110の群遅延特性の変化に応じて可変分散補償器110の中心周波数を最適な値にすることができる。
また、光信号を受信しなくてもフィードバック制御が可能であるため、光信号の受信器とは独立した制御を行うことができる。このため、可変分散補償器110の中心周波数を最適な値へ高速にシフトさせることができる。また、光信号のパワーを用いてフィードバック制御を行うことで、光信号の誤り数に依存せず高精度な制御が可能になる。このため、可変分散補償器110の中心周波数を最適な値へ精度よくシフトさせることができる。
(実施の形態3)
(光受信装置の構成)
図17は、実施の形態3にかかる光受信装置の構成を示すブロック図である。図17において、図1に示した構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。図17に示すように、実施の形態3にかかる光受信装置1700は、分散補償装置100と、受信器1710と、品質測定部1720と、を備えている。実施の形態3においては、分散補償装置100の記憶部130(図1参照)は省いた構成にしてもよい。
受信器1710は、可変分散補償器110から出力された光信号を受信する。そして、受信器1710は、受信した信号のうちの一方を光受信装置1700の外部へ出力し、他方を品質測定部1720へ出力する。品質測定部1720は、受信器1710から出力された信号の品質を測定し、測定した品質を制御部120へ通知する。
たとえば、品質測定部1720は、信号品質の指標である、BER、誤り数、誤り訂正数またはQ値などを測定する。制御部120の中心周波数シフト部122は、品質測定部1720から通知される品質が向上するシフト方向に、可変分散補償器110の中心周波数をシフトさせる。
(信号品質の特性)
図18は、図17に示した品質測定部によって測定されるBERの特性を示すグラフ(その1)である。図18において、横軸は、可変分散補償器110の分散補償量を示している。縦軸は、品質測定部1720によって測定される光信号のBERを示している。特性1810は、分散補償量に対するBERの特性を示している。
特性1810においては、分散補償量d1においてBERが極小値となっている。分散量設定部121は、品質測定部1720によって測定される光信号のBERが少なくなる方向へ可変分散補償器110の分散補償量を変更する。これにより、可変分散補償器110の分散補償量は分散補償量d1に近づくように変化する。
図19は、図17に示した品質測定部によって測定されるBERの特性を示すグラフ(その2)である。図19において、横軸は、可変分散補償器110の中心周波数を示している。縦軸は、品質測定部1720によって測定される光信号のBERを示している。特性1910は、中心周波数に対するBERの特性を示している。
特性1910においては、中心周波数f1においてBERが極小値となっている。中心周波数シフト部122は、品質測定部1720によって測定される光信号のBERが少なくなる方向へ可変分散補償器110の中心周波数をシフトさせる。これにより、可変分散補償器110の中心周波数は中心周波数f1に近づくように変化する。
(光受信装置の動作)
図20は、図17に示した光受信装置の動作の一例を示すフローチャートである。まず、分散量設定部121が、可変分散補償器110の分散補償量の初期設定を行う(ステップS2001)。中心周波数シフト部122が、可変分散補償器110の中心周波数の初期設定を行う(ステップS2002)。つぎに、品質測定部1720が、分散補償装置100によって分散補償された光信号のBERを測定する(ステップS2003)。
つぎに、分散量設定部121が、ステップS2003によって測定されたBERが極小値か否かを判断する(ステップS2004)。BERが極小値でない場合(ステップS2004:No)は、分散量設定部121が、可変分散補償器110の分散補償量を変更し(ステップS2005)、ステップS2003へ戻って処理を続行する。
ステップS2004においてBERが極小値である場合(ステップS2004:Yes)は、品質測定部1720が、分散補償装置100により分散補償された光信号のBERを測定する(ステップS2006)。つぎに、中心周波数シフト部122が、ステップS2006によって測定されたBERが極小値か否かを判断する(ステップS2007)。
ステップS2007において、BERが極小値でない場合(ステップS2007:No)は、中心周波数シフト部122が、可変分散補償器110の中心周波数をシフトさせ(ステップS2008)、ステップS2006へ戻って処理を続行する。BERが極小値である場合(ステップS2007:Yes)は、一連の動作を終了する。
一般的に、可変分散補償器110において、中心周波数に比べて分散補償量の方が光信号の品質に与える影響が大きい。たとえば、分散補償量の制御を行う前に中心周波数の制御を行うと、分散補償量のずれが大きい場合は光信号の品質測定が困難になる。
このため、上記のステップのように、まず分散補償量の制御を行い、その後に中心周波数の制御を行うようにするとよい。ただし、波長分散に対する分散補償量のずれた小さい場合は、分散補償量の制御を行う前に中心周波数の制御を行うようにしてもよい。
図21は、図17に示した分散補償装置の動作の他の例を示すフローチャートである。図21に示すステップS2101〜S2108は、図20に示したステップS2001〜S2008と同様であるため説明を省略する。ステップS2107において、BERが極小値である場合(ステップS2107:Yes)は、ステップS2103〜S2107のサイクル数が2回以上か否かを判断する(ステップS2109)。
ステップS2109において、サイクル数が2回以上でない場合(ステップS2109:No)は、ステップS2106によって測定されたBERをメモリ(不図示)に記憶し(ステップS2110)、ステップS2103に戻って処理を続行する。サイクル数が2回以上である場合(ステップS2109:Yes)は、ステップS2106によって測定されたBERが、ステップS2110によってメモリに記憶されたBERと一致するか否かを判断する(ステップS2111)。
ステップS2111において、測定されたBERがメモリに記憶されたBERと一致しない場合(ステップS2111:No)は、ステップS2110へ移行して処理を続行する。測定されたBERがメモリに記憶されたBERと一致する場合(ステップS2111:Yes)は一連の動作を終了する。このように、図20に示した動作と同様の動作を、BERが変化しなくなるまで複数回行う。
(中心周波数による波長分散トレランスの変化)
図22は、中心周波数が最適な場合の群遅延特性を示すグラフである。図22において、横軸は周波数を示し、縦軸は群遅延を示している。図22は、可変分散補償器110の中心周波数が最適な値にシフトされている場合における群遅延特性を示している。中心周波数が最適な値とは、たとえば、図11に示した例では+2[GHz]である。
特性2211〜2214は、可変分散補償器110の分散補償量の絶対値を変化させた場合における可変分散補償器110の各群遅延特性を示している。特性2211〜2214のうちの特性2211は、可変分散補償器110の分散補償量の絶対値を最も小さくした場合の群遅延特性を示している。特性2214は、可変分散補償器110の分散補償量の絶対値を最も大きくした場合の群遅延特性を示している。
帯域2220は、可変分散補償器110へ入力される光信号の占有帯域を示している。図22に示すように、可変分散補償器110の中心周波数が最適な値にシフトされている場合は、帯域2220が特性2211〜2214の各有効帯域の範囲内に入る。これにより、可変分散補償器110の分散補償量を特性2211〜2214の範囲で変化させても、特性2211〜2214の群遅延リップルが帯域2220に入らない。
図23は、中心周波数が最適な場合のBERの特性を示すグラフである。図23において、横軸は分散補償量を示し、縦軸はBERを示している。また、横軸の分散補償量D1〜D4は、それぞれ図22に示した特性2211〜2214に対応する分散補償量である。特性2310は、可変分散補償器110の中心周波数が最適な値にシフトされている場合における、可変分散補償器110の分散補償量に対するBERの特性である。
特性2310に示すように、この場合は、品質測定部1720によって測定されたBERが小さくなるように可変分散補償器110の分散補償量を制御すると、可変分散補償器110の分散補償量は分散補償量D3に収束する。したがって、分散補償装置100へ入力される光信号に対する最適な分散補償量は分散補償量D3である。
図24は、中心周波数が最適でない場合の群遅延特性を示すグラフである。図24において、図22に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図24の特性2211〜2214は、可変分散補償器110の中心周波数が最適な値でない場合における、分散補償量に応じた各群遅延特性を示している。
図24に示すように、可変分散補償器110の中心周波数が最適な値でない場合は、帯域2220が、特性2211および特性2212の群遅延リップルを含んでいる。このため、可変分散補償器110の分散補償量を特性2211または特性2212に変化させると、可変分散補償器110へ入力される光信号の占有帯域に群遅延リップルが入る。
図25は、中心周波数が最適でない場合のBERの特性を示すグラフである。図25において、図23に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図25に示す特性2310は、可変分散補償器110の中心周波数が最適な値でない場合における、可変分散補償器110の分散補償量に対するBERの特性である。
特性2310に示すように、この場合は、有効帯域外の群遅延リップの影響により、可変分散補償器110における分散補償量に対するBERの特性が、図23に示した特性と異なる。したがって、図25に示す特性2310に基づいてBERを極小値に収束させると、分散補償量が分散補償量D2に収束し、分散補償量が分散補償量D3(図23参照)には収束しない。
このように、可変分散補償器110の中心周波数が最適な値でない場合は、BERが極小値になるように分散補償量を収束させても最良な分散補償量とはならない。これに対して、分散補償量の制御および中心周波数の制御を含む一連の動作を複数回行う(図21参照)ことで、分散補償量および中心周波数を交互に最適値に近づけることができる。
このように、実施の形態3にかかる光受信装置1700は、可変分散補償器110によって分散補償された光信号の品質が向上するシフト方向に可変分散補償器110の中心周波数をシフトさせる。これにより、可変分散補償器110の群遅延特性があらかじめわかっていれば、群遅延特性の有効帯域の外側における各帯域の非対称性を利用して、群遅延特性の大きな群遅延リップルを光信号の占有帯域からずらすことができる。
このため、可変分散補償器110の有効帯域が光信号の占有帯域より狭くても、群遅延特性の有効帯域外の群遅延リップルによる光信号の劣化を抑えることができる。特に、分散帯域に対して透過帯域が十分に広い可変分散補償器110においては、信号光スペクトル狭窄化による信号品質劣化を抑圧でき、さらには、群遅延リップルによる信号の劣化を回避することによって光信号の品質を大きく向上させることができる。
また、光信号の品質をフィードバックするフィードバック制御となるため、可変分散補償器110の中心周波数を最適な値へ精度よくシフトさせることができる。また、可変分散補償器110の群遅延特性が変化しても、可変分散補償器110の群遅延特性の変化に応じて可変分散補償器110の中心周波数を最適な値にすることができる。また、光信号を受信することによって光信号の品質を直接測定するため、可変分散補償器110の中心周波数を最適な値へ精度よくシフトさせることができる。
(実施の形態4)
(分散補償装置の構成)
図26は、実施の形態4にかかる分散補償装置の構成を示すブロック図である。図26において、可変分散補償器110については、図1に示した可変分散補償器110と同様であるため説明を省略する。ただし、実施の形態4にかかる可変分散補償器110の群遅延特性は、有効帯域の外側における各帯域が非対称でなくてもよい。
図26に示すように、実施の形態4にかかる分散補償装置100は、可変分散補償器110と、帯域フィルタ2610と、を備えている。帯域フィルタ2610は、可変分散補償器110の後段に設けられている。帯域フィルタ2610は、可変分散補償器110によって分散補償された光信号を通過させる。
そして、帯域フィルタ2610は、通過させる光信号における、可変分散補償器110の有効帯域の外側の各帯域を減衰させる。帯域フィルタ2610は、たとえば、波長に対して周期的な透過特性を有するフィルタ、またはBPFである。帯域フィルタ2610を通過した光信号は、分散補償装置100の外部へ出力される。なお、帯域フィルタ2610は、可変分散補償器110の前段に設けられていてもよい。
(可変分散補償器の特性)
図27は、図26に示した可変分散補償器の群遅延特性の一例を示すグラフである。図27において、横軸は波長を示し、縦軸は群遅延を示している。特性2710および特性2720のそれぞれは、図26に示した可変分散補償器110の群遅延特性を示している。特性2720は、特性2710よりも有効帯域の傾きが小さい。
したがって、可変分散補償器110の群遅延特性が特性2720となっている場合は、可変分散補償器110の群遅延特性が特性2710となっている場合よりも光信号に対する分散補償量が小さくなる。特性2710および特性2720に示すように、可変分散補償器110の群遅延特性は、波長に対して周期的に有効帯域となっている。
ch(n−1),ch(n),ch(n+1)は、可変分散補償器110へ入力される光信号に含まれる各信号チャネルを示している。ch(n−1),ch(n),ch(n+1)に示す各信号チャネルは、それぞれ、可変分散補償器110の群遅延特性における各有効帯域の中心波長λ(n−1),λ(n),λ(n+1)に割り当てられている。
図28は、可変分散補償器にVIPAを用いる場合の特性の一例を示す参考グラフである。参考として、図26に示した可変分散補償器110に代えてVIPAを用いる場合について説明する。図28において、特性2810は、VIPAにおける波長に対する透過率の特性である。特性2820は、VIPAにおける波長に対する群遅延の特性である。
有効帯域2831は、特性2820の有効帯域を示している。帯域2832および帯域2833は、有効帯域2831の外側の各帯域である。帯域2832および帯域2833における特性2820は大きな群遅延リップルとなっている。
特性2810に示すように、VIPAの透過特性は、有効帯域2831においてはほぼ一定であるが、帯域2832および帯域2833においては透過率が低くなる特性になっている。このため、大きな群遅延リップルが存在する帯域2832および帯域2833の信号成分が減衰するため、特性2820の群遅延リップルの影響は少なくなっていた。
図29は、図26に示した可変分散補償器の特性の一例を示すグラフである。図26に示した可変分散補償器110にエタロンTDCを用いる場合について説明する。図29において、特性2910は、可変分散補償器110における波長に対する透過率の特性である。特性2920は、可変分散補償器110における波長に対する群遅延の特性である。
有効帯域2931は、特性2920の有効帯域を示している。帯域2932および帯域2933は、有効帯域2931の外側の各帯域である。ここでは、可変分散補償器110の特性2920は、図28に示した特性2820と同じであるとする。したがって、有効帯域2931、帯域2932および帯域2933も、図28に示した有効帯域2831、帯域2832および帯域2833と同じである。
特性2910に示すように、図26に示した可変分散補償器110においては、群遅延特性の有効帯域2831と、帯域2832および帯域2833と、に対して透過帯域が十分に広い。このため、大きな群遅延リップルが存在する帯域2932および帯域2933の信号成分が減衰しないため、特性2920の群遅延リップルが光信号の占有帯域と重なる。
(帯域フィルタの作用)
図30は、図26に示した帯域フィルタの作用を示すグラフである。図30において、図29に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。特性3010は、帯域フィルタ2610の波長に対する透過率の特性を示している。特性3010に示すように、帯域フィルタ2610においては、帯域2932および帯域2933の透過率が、有効帯域2931の透過率よりも低くなっている。
このため、帯域フィルタ2610を通過した光信号は、有効帯域2931の外側における帯域2932および帯域2933の成分が減衰する。したがって、大きな群遅延リップルが存在する帯域2932および帯域2933の信号成分が減衰し、可変分散補償器110における特性2920の群遅延リップルの影響を少なくすることができる。
(信号品質の改善の検証)
図31は、信号品質の改善を検証するための実験装置を示すブロック図である。実験装置3110は、送信器3111と受信器3112とを備えている。実験装置3110においては、送信器3111からNRZ−DPSK(Non Return to Zero Differential Phase Shift Keying)により変調を行った光信号を送信し、送信した光信号を直接、受信器3112で受信する。
実験装置3120は、実験装置3110の構成に加えて、送信器3111と受信器3112との間に帯域フィルタ2610を備えた装置である。帯域フィルタ2610は、図26に示した帯域フィルタ2610である。
実験装置3130は、実験装置3120の構成に加えて、送信器3111と帯域フィルタ2610の間に光ファイバ3131を設け、帯域フィルタ2610と受信器3112の間に可変分散補償器110を設けた構成である。光ファイバ3131を通過する光信号に発生する波長分散は+800ps/nmとした。また、光ファイバ3131における波長分散に合わせて、可変分散補償器110の分散補償量は−800ps/nmとした。
図32は、図31に示した実験装置による実験結果を示すグラフ(その1)である。図33は、図31に示した実験装置による実験結果を示すグラフ(その2)である。図32において、横軸は、図31に示した帯域フィルタ2610の透過帯域[GHz]を示している。縦軸は、受信器3112によって受信した光信号のペナルティ[dB]を示している。また、縦軸のペナルティは、実験装置3110の受信器3112によって受信した光信号のペナルティを基準(0[dB])としたペナルティである。
図32において、特性3210は、実験装置3120において、受信器3112が受信した光信号の透過帯域に対するペナルティの特性を示している。特性3220は、実験装置3130において、受信器3112が受信した光信号の透過帯域に対するペナルティの特性を示している。図33において、特性3310は、図32に示した特性3210および特性3220の差分[dB]を示している。
55[GHz]以上の透過帯域においては、可変分散補償器110の群遅延リップルの影響による影響が大きく、特性3220のペナルティが大きくなっている。また、特性3210における、60[GHz]以下の透過帯域においては、帯域フィルタ2610によって信号成分が減衰しているため、ペナルティが大きくなっている。
これに対して、50[GHz]以下の透過帯域においては、特性3210および特性3220におけるペナルティがほぼ一致している。これは、可変分散補償器110の波長リップルによって影響を受けた信号成分が帯域フィルタ2610によってカットされたためと考えられる。したがって、可変分散補償器110の後段または前段に帯域フィルタ2610を設けることによって光信号の品質を向上させることができる。
(スペクトラム幅の影響の検証)
図34は、スペクトラム幅の影響を検証するための実験装置を示すブロック図である。図34において、図31に示した構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。実験装置3410は、送信器3111と、光ファイバ3131と、帯域フィルタ2610と、可変分散補償器110と、受信器3112と、を備えた装置である。実験装置3420は、実験装置3110の送信器に代えて送信器3421を備えた装置である。送信器3421は、RZ−DQPSKにより変調を行った光信号を送信する。
図35は、図34に示した実験装置による実験結果を示すグラフ(その1)である。図35において、横軸は周波数[GHz]を示している。縦軸は光信号のパワー[dBm]を示している。スペクトラム3510は、図34に示した実験装置3410の送信器3111が送信した光信号を示している。
スペクトラム3520は、図34に示した実験装置3420の送信器3421が送信した光信号を示している。スペクトラム3510およびスペクトラム3520に示すように、送信器3421が送信した光信号(RZ−DQPSK)は、送信器3111が送信した光信号(NRZ−DPSK)よりもスペクトラム幅が狭い。
図36は、図34に示した実験装置による実験結果を示すグラフ(その2)である。図36における横軸および縦軸は、図32の横軸および縦軸と同様であるため説明を省略する。特性3610は、実験装置3410の受信器3112が受信した光信号の透過帯域に対するペナルティの特性を示している。特性3620は、実験装置3420の受信器3112が受信した光信号の透過帯域に対するペナルティの特性を示している。
特性3610に示すように、送信器3111が送信する光信号(NRZ−DPSK)は、スペクトラム幅が広いため(図35参照)、可変分散補償器110の波長リップルと重なる周波数成分が多い。このため、送信器3111が送信する光信号は、可変分散補償器110の波長リップルの影響によってペナルティが大きくなる。
特性3620に示すように、送信器3421が送信する光信号(RZ−DQPSK)は、スペクトラム幅が狭いため(図35参照)、可変分散補償器110の波長リップルと重なる周波数成分が少ない。このため、送信器3421が送信する光信号は、可変分散補償器110の波長リップルによる影響が少なくペナルティが小さい。
(分散補償範囲の拡大)
図37は、分散補償範囲の拡大を示すグラフ(その1)である。図38は、分散補償範囲の拡大を示すグラフ(その2)である。図37において、横軸は波長を示し、縦軸は群遅延を示している。特性3710および特性3720は、可変分散補償器110の群遅延特性を示している。図38において、横軸は可変分散補償器110の有効帯域の大きさを示し、縦軸は可変分散補償器110の分散補償範囲を示している。図38の関係3810は、可変分散補償器110の分散補償範囲と有効帯域の関係を示している。
一般的に、可変分散補償器110の分散補償範囲と有効帯域はトレードオフの関係にある。たとえば、特性3710のように、可変分散補償器110の分散補償範囲を小さく設定すれば、有効帯域を広くすることができる。また、特性3720のように、可変分散補償器110の分散補償範囲を大きく設定すれば、有効帯域が狭くなる。
このため、可変分散補償器110の分散補償量を大きくしたい場合は、光信号の変調方式(たとえばRZ−DQPSK)に合わせて可変分散補償器110の有効帯域を狭くすればよい。また、可変分散補償器110の有効帯域を狭くした分だけ帯域フィルタ2610の帯域幅も狭くすることで、光信号の品質劣化を抑えることができる。
(分散補償装置の実施例)
図39は、図26に示した分散補償装置の実施例を示すブロック図である。通信システム3900は、多重分離部3910と、光受信装置3920と、を含んでいる。多重分離部3910には、異なる波長の光信号を多重化したWDM信号が入力される。多重分離部3910は、入力されたWDM信号を波長多重分離する。
多重分離部3910は、波長多重分離したWDM信号を、それぞれ光受信装置3920を含む各光受信装置へ送信する。光受信装置3920は、多重分離部3910から送信された各光信号のうちの一つを受信する。具体的には、光受信装置3920は、光アンプ3921と、分散補償装置100と、受信器3922と、エラー訂正回路3923と、を備えている。光アンプ3921は、波長分離部から送信された光信号を増幅し、増幅した光信号を分散補償装置100へ出力する。
分散補償装置100は、光アンプ3921から出力された光信号を分散補償し、分散補償した光信号を受信器3922へ出力する。受信器3922は、分散補償装置100から出力された光信号を受信する。受信器3922は、受信した信号をエラー訂正回路3923へ出力する。エラー訂正回路3923は、受信器3922から出力された信号のエラーを訂正し、エラーを訂正した信号を出力する。
このように、実施の形態4にかかる分散補償装置100は、可変分散補償器110の有効帯域の外側における各帯域を帯域フィルタ2610によって減衰させる。これにより、光信号における、群遅延リップルの影響を受ける帯域の成分を減衰させ、群遅延特性の有効帯域外の群遅延リップルによる光信号の劣化を抑えることができる。
特に、分散帯域に対して透過帯域が十分に広い可変分散補償器110においては、有効帯域の外側の各帯域が可変分散補償器110によって減衰しないため、群遅延リップルによる信号の劣化を回避することによって光信号の品質を大きく向上させることができる。
(実施の形態5)
図40は、実施の形態5にかかる分散補償装置の構成を示すブロック図である。図40において、図1に示した構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。図40に示すように、実施の形態5にかかる分散補償装置100は、可変フィルタ4010と、可変分散補償器110と、分散量設定部121と、フィルタ制御部4020と、記憶部130と、を備えている。
可変フィルタ4010は、可変分散補償器110の前段に設けられている。可変フィルタ4010は、入力された光信号を通過させ、通過させる光信号における、可変分散補償器110の有効帯域の外側の各帯域を減衰させる。可変フィルタ4010を通過した光信号は、可変分散補償器110へ出力される。なお、可変フィルタ4010は、可変分散補償器110の後段に設けられていてもよい。
また、可変フィルタ4010は、フィルタ制御部4020の制御によってフィルタ特性が可変である。可変なフィルタ特性は、たとえば、透過特性の中心周波数である。または、可変なフィルタ特性は、帯域幅であってもよい。または、可変なフィルタ特性は、透過特性の中心周波数および帯域幅であってもよい。
可変分散補償器110の群遅延特性は、有効帯域の外側における各帯域が非対称な群遅延特性(図3参照)である。また、可変分散補償器110の透過特性は、群遅延特性の有効帯域と、有効帯域の外側における各帯域と、に対して透過帯域が十分に広い(図3参照)。分散量設定部121は、可変分散補償器110における分散補償量を設定する。分散量設定部121は、設定した分散補償量をフィルタ制御部4020へ通知する。
フィルタ制御部4020は、可変フィルタ4010のフィルタ特性を制御する。具体的には、フィルタ制御部4020は、帯域制御部4021と、中心周波数シフト部4022と、を備えている。帯域制御部4021は、分散量設定部121から通知された分散補償量に基づいて、可変フィルタ4010の帯域幅を制御する。
具体的には、帯域制御部4021は、分散量設定部121から分散補償量が通知されると、記憶部130に記憶されたテーブルを参照する。記憶部130に記憶されたテーブルにおいては、分散補償量と帯域幅の制御量とが対応付けられている。帯域制御部4021は、通知された分散補償量がテーブルにおいて対応付けられた制御量を取得し、取得した制御量により可変フィルタ4010の帯域幅を制御する。
中心周波数シフト部4022は、分散量設定部121から通知された分散補償量に基づいて、可変フィルタ4010における透過特性の中心周波数をシフトさせる。具体的には、中心周波数シフト部4022は、分散量設定部121から分散補償量が通知されると、記憶部130に記憶されたテーブルを参照する。記憶部130に記憶されたテーブルにおいては、分散補償量と中心周波数のシフト量とが対応付けられている。
中心周波数シフト部4022は、通知された分散補償量がテーブルにおいて対応付けられたシフト量を取得し、取得したシフト量により可変フィルタ4010における透過特性の中心周波数をシフトさせる。なお、フィルタ制御部4020においては、帯域制御部4021および中心周波数シフト部4022のうちの一方を省いた構成にしてもよい。
図41は、図40に示した記憶部が記憶するテーブルの一例を示す図である。図40に示した記憶部130には、たとえばテーブル4100が記憶されている。テーブル4100においては、可変分散補償器110の分散補償量4110と、可変フィルタ4010における透過特性の中心周波数のシフト量4120と、可変フィルタ4010の帯域幅の制御量4130と、が対応付けられている。
たとえば、分散量設定部121が可変分散補償器110の分散補償量を−100[ps/nm]に設定したとする。この場合は、中心周波数シフト部4022は、テーブル4100において分散補償量4110の−100[ps/nm]に対応付けられたシフト量4120の+1だけ可変フィルタ4010における透過特性の中心周波数をシフトさせる。
また、帯域制御部4021は、テーブル4100において分散補償量4110の−100[ps/nm]に対応付けられた制御量4130の+X1だけ、可変フィルタ4010の帯域幅を制御する。
分散補償量4110に対する最適なシフト量4120および制御量4130の値は、可変分散補償器110の群遅延特性に依存する。テーブル4100を作成するためには、たとえば、ある分散補償量4110に対してシフト量4120および制御量4130を変化させながら可変分散補償器110によって光信号を分散補償する。
そして、可変分散補償器110によって分散補償した光信号の品質が最も高くなったときのシフト量4120および制御量4130を分散補償量4110と対応付ける。分散補償量4110の値を変えながら同様の方法でシフト量4120および制御量4130を分散補償量4110と対応付けることで、テーブル4100を作成することができる。
ここでは、分散補償量4110に対してシフト量4120および制御量4130が対応付けられている場合について説明したが、帯域制御部4021を省いた構成にする場合はテーブル4100から制御量4130を省いてもよい。また、中心周波数シフト部4022を省いた構成にする場合はテーブル4100からシフト量4120を省いてもよい。
図40に示した分散補償装置100の動作の例については、図7に示した動作と同様である。ただし、図7のステップS702においては、帯域制御部4021が、ステップS701によって設定された分散補償量に対応する制御量を記憶部130から取得する。また、ステップS703においては、帯域制御部4021が、ステップS702によって取得された制御量により可変フィルタ4010の帯域幅を制御する。
または、図7のステップS702においては、中心周波数シフト部4022が、ステップS701によって設定された分散補償量に対応するシフト量を記憶部130のテーブルから取得する。また、ステップS703においては、中心周波数シフト部4022が、ステップS702によって取得されたシフト量により可変フィルタ4010の透過特性の中心周波数をシフトさせる。または、これらの帯域制御部4021および中心周波数シフト部4022の動作を同時に行うようにしてもよい。
このように、実施の形態5にかかる分散補償装置100は、可変分散補償器110の分散補償量に基づいて可変フィルタ4010のフィルタ特性を制御する。これにより、可変分散補償器110の群遅延特性があらかじめわかっていれば、群遅延特性の有効帯域の外側における各帯域の非対称性を利用して、群遅延特性の大きな群遅延リップルを光信号の占有帯域からずらすことができる。
このため、可変分散補償器110の有効帯域が光信号の占有帯域より狭くても、群遅延特性の有効帯域外の群遅延リップルによる光信号の劣化を抑えることができる。特に、分散帯域に対して透過帯域が十分に広い可変分散補償器110においては、信号光スペクトル狭窄化による信号品質劣化を抑圧でき、さらには、群遅延リップルによる信号の劣化を回避することによって光信号の品質を大きく向上させることができる。
また、分散補償量とフィルタ特性の制御量とを対応付けて記憶しておき、設定手段によって設定された分散補償量に対応付けられた制御量により可変フィルタ4010のフィルタ特性を制御する。これにより、フィードフォワード制御となるため、可変分散補償器110の中心周波数を最適な値へ高速にシフトさせることができる。また、フィードバック系を設ける場合と比べて簡単な構成で実現することができる。
ここでは、可変分散補償器110の群遅延特性が、有効帯域の外側における各帯域において非対称な群遅延特性である場合について説明した。ただし、帯域制御部4021による可変フィルタ4010の帯域幅の制御を行う場合は、可変分散補償器110の群遅延特性が、有効帯域の外側における各帯域において対称であってもよい。
(実施の形態6)
図42は、実施の形態6にかかる光受信装置の構成を示すブロック図である。図42において、図40または図17に示した構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。図41に示すように、実施の形態6にかかる光受信装置1700は、分散補償装置100と、受信器1710と、品質測定部1720と、を備えている。
実施の形態6においては、分散補償装置100の記憶部130(図40参照)は省いた構成にしてもよい。品質測定部1720は、受信器1710から出力された信号の品質を測定し、測定した品質をフィルタ制御部4020へ通知する。
フィルタ制御部4020の帯域制御部4021は、品質測定部1720から通知される品質が向上する制御方向に、可変フィルタ4010の帯域幅を制御する。フィルタ制御部4020の中心周波数シフト部4022は、品質測定部1720から通知される品質が向上する制御方向に、可変フィルタ4010の透過特性の中心周波数をシフトさせる。
図42に示した分散補償装置100の動作の例については、図20または図21に示した動作と同様である。ただし、図20のステップS2002においては、帯域制御部4021が、可変フィルタ4010の帯域幅の初期設定を行う。また、ステップS2007においては、帯域制御部4021が、ステップS2006によって測定されたBERが極小値か否かを判断する。また、ステップS2008においては、帯域制御部4021が、可変フィルタ4010の帯域幅を制御する。
または、ステップS2002においては、中心周波数シフト部4022が、可変フィルタ4010の透過特性の中心周波数の初期設定を行う。また、ステップS2007においては、中心周波数シフト部4022が、ステップS2006によって測定されたBERが極小値か否かを判断する。また、ステップS2008においては、中心周波数シフト部4022が、可変フィルタ4010の透過特性の中心周波数をシフトさせる。
ここで説明したステップS2002、ステップS2007およびステップS2109を、図21のステップS2102、ステップS2107およびステップS2109において行ってもよい。または、これらの帯域制御部4021および中心周波数シフト部4022の動作を同時に行うようにしてもよい。
図43は、図40に示した光受信装置の動作例を示すグラフである。図43において、横軸は可変フィルタ4010の帯域幅を示し、横軸は光信号品質の劣化量を示している。特性4310は、信号光スペクトル狭窄化による信号品質の劣化量を示している。特性4320は、有効帯域外の群遅延リップルによる信号品質の劣化量を示している。
合成特性4330は、特性4310と特性4320を合成した特性である。特性4310および特性4320に示すように、信号光スペクトル狭窄化による光信号品質の劣化量と、有効帯域外の群遅延リップルによる光信号品質の劣化量と、はトレードオフの関係になっている。
光受信装置1700は、光信号の品質を直接測定しながらフィードバック制御を行うため、合成特性4330における光信号品質の劣化量が最小になるように、可変フィルタ4010の帯域幅を制御することができる。
このように、実施の形態6にかかる光受信装置1700は、可変分散補償器110の有効帯域の外側における各帯域を可変フィルタ4010によって減衰させる。これにより、群遅延特性の有効帯域外の群遅延リップルによる光信号の劣化を抑えることができる。特に、分散帯域に対して透過帯域が十分に広い可変分散補償器110においては、群遅延リップルによる信号の劣化を回避することによって光信号の品質を大きく向上させることができる。
また、光受信装置1700は、可変分散補償器110によって分散補償された光信号の品質が向上する制御方向に可変フィルタ4010のフィルタ特性を制御する。これにより、可変分散補償器110の群遅延特性があらかじめわかっていなくても、群遅延特性の有効帯域の外側における各帯域の非対称性を利用して、群遅延特性の有効帯域外の群遅延リップルによる光信号の劣化をさらに効果的に回避することができる。
また、光信号の品質をフィードバックするフィードバック制御となるため、可変フィルタ4010のフィルタ特性を最適な値へ精度よく制御することができる。また、可変分散補償器110の群遅延特性が変化しても、可変分散補償器110の群遅延特性の変化に応じて可変フィルタ4010のフィルタ特性を最適な値にすることができる。また、光信号を受信することによって光信号の品質を直接測定するため、可変フィルタ4010のフィルタ特性を最適な値へ精度よくシフトさせることができる。
なお、図示しないが、実施の形態2と同様に、可変分散補償器110によって分散補償された光信号のパワーを測定し、測定したパワーに応じた制御方向に可変フィルタ4010のフィルタ特性を制御するようにしてもよい。
ここでは、可変分散補償器110の群遅延特性が、有効帯域の外側における各帯域において非対称な群遅延特性である場合について説明した。ただし、帯域制御部4021による可変フィルタ4010の帯域幅の制御を行う場合は、可変分散補償器110の群遅延特性が、有効帯域の外側における各帯域において対称であってもよい。
(実施の形態7)
図44は、実施の形態7にかかる通信システムの構成を示すブロック図である。図44において、図42に示した構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。図44に示すように、実施の形態7にかかる通信システム4400は、光送信装置4410と、光中継装置4420と、光受信装置4430と、を含んでいる。光送信装置4410は伝送路4401を介して光中継装置4420と接続されている。光中継装置4420は伝送路4402を介して光受信装置4430と接続されている。
光送信装置4410は、送信器t1〜tnと、波長多重部4412と、受信部4413と、波長制御部4414と、受信部4415と、中心周波数シフト部4416と、を備えている。送信器t1〜tnは、それぞれ異なる波長の光信号を生成する。送信器t1〜tnは、生成した光信号を波長多重部4412へ出力する。送信器tnの光信号の波長は、波長制御部4414の制御によって可変である。
波長多重部4412は、送信器t1〜tnから出力された各光信号を波長多重し、波長多重により得られたWDM信号を、伝送路4401を介して光中継装置4420へ送信する。また、波長多重部4412は所定の透過帯域を有する。波長多重部4412の透過特性の中心周波数は、中心周波数シフト部4416の制御によって可変である。
受信部4413は、光受信装置4430から送信された光信号の品質を受信し、受信した品質を波長制御部4414へ通知する。波長制御部4414は、受信部4413から通知された品質が向上する方向へ、送信器tnの光信号の波長を制御する。
受信部4415は、光受信装置4430から送信された光信号の品質を受信し、受信した品質を中心周波数シフト部4416へ通知する。中心周波数シフト部4416は、受信部4415から通知された品質が向上する方向へ、波長多重部4412の透過特性の中心周波数をシフトさせる。
光中継装置4420は、OADM(Optical add−drop multiplexer:光分岐挿入装置)4421と、受信部4422と、中心周波数シフト部4423と、を備えている。OADM4421は、OADM4421が備えるWSSスイッチにより、光送信装置4410から送信されたWDM信号に対するAdd/Dropを行う。OADM4421は、Add/Dropを行ったWDM信号を、伝送路4402を介して光受信装置4430へ送信する。また、OADM4421が備えるWSS(Wavelength Selectable Switch:波長選択スイッチ)スイッチは所定の透過帯域を有する。WSSスイッチの透過特性の中心周波数は、中心周波数シフト部4423の制御によって可変である。
受信部4422は、光受信装置4430から送信された光信号の品質を受信し、受信した品質を中心周波数シフト部4423へ通知する。中心周波数シフト部4423は、受信部4422から通知された品質が向上する方向へ、OADM4421が備えるWSSスイッチの透過特性の中心周波数をシフトさせる。
光受信装置4430は、多重分離部4431と、可変分散補償器110と、受信器1710と、品質測定部1720と、送信部4432と、受信部4433と、中心周波数シフト部4434と、を備えている。多重分離部4431は、光中継装置4420から送信されたWDM信号を波長多重分離し、波長多重分離により得られた各光信号を送信する。また、多重分離部4431は所定の透過帯域を有する。多重分離部4431の透過特性の中心周波数は、中心周波数シフト部4434の制御によって可変である。
可変分散補償器110は、多重分離部4431から送信された各光信号のうちの一つを分散補償する。可変分散補償器110は、分散補償した光信号を受信器1710へ出力する。受信器1710は、可変分散補償器110から出力された光信号を受信した信号を品質測定部1720へ出力する。品質測定部1720は、受信器1710から出力された信号の品質を測定し、測定した品質を送信部4432へ通知する。
送信部4432は、品質測定部1720から通知された品質を、光送信装置4410、光中継装置4420および受信部4433へ送信する。送信部4432による品質の通知は、たとえば、NMS(Network Management System:ネットワーク管理システム)または監視制御信号を用いて行われる。
受信部4433は、送信部4432から送信された光信号の品質を受信する。受信部4433は、受信した品質を中心周波数シフト部4434へ通知する。中心周波数シフト部4434は、受信部4433から通知された品質が向上する方向へ、多重分離部4431の透過特性の中心周波数をシフトさせる。
このように、実施の形態7にかかる通信システム4400は、可変分散補償器110によって分散補償された光信号の品質が向上する制御方向に、通信システム4400の各部のフィルタ特性を制御する。通信システム4400の各部のフィルタ特性としては、波長多重部4412の透過特性や、OADM4421が備えるWSSスイッチの透過特性の中心周波数や、多重分離部4431の透過特性の中心周波数などが挙げられる。
これにより、実施の形態6にかかる光受信装置1700と同様の効果を得ることができる。また、送信器tnの光信号の波長を制御することによって、可変分散補償器110における群遅延リップルの帯域から、光信号の占有帯域をずらすことができる。これにより、実施の形態6にかかる光受信装置1700と同様の効果を得ることができる。
以上に説明したように、この分散補償装置および分散補償方法によれば、群遅延特性の有効帯域外の群遅延リップルによる光信号の劣化を抑えることができる。また、可変分散補償器を複数設けなくても、群遅延特性の有効帯域外の群遅延リップルによる光信号の劣化を抑えることができる。
このため、挿入損失の増大、装置の大型化およびコストの増大などの問題を回避しつつ、光信号の劣化を抑えることができる。ただし、可変分散補償器を複数設ける構成としてもよい。これにより、群遅延リップルによる光信号の劣化をさらに効果的に抑えることができる。上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)有効帯域の外側における各帯域が非対称な群遅延特性によって光信号を分散補償する可変分散補償器と、
前記可変分散補償器における分散補償量を設定する設定手段と、
前記設定手段によって設定された分散補償量に基づいて前記可変分散補償器における前記有効帯域の中心周波数をシフトさせるシフト手段と、
を備えることを特徴とする分散補償装置。
(付記2)前記分散補償量と前記中心周波数のシフト量とを対応付けて記憶する記憶手段を備え、
前記シフト手段は、前記設定手段によって設定された分散補償量と前記記憶手段において対応付けられたシフト量により前記中心周波数をシフトさせることを特徴とする付記1に記載の分散補償装置。
(付記3)前記シフト手段は、前記各帯域のうちの前記群遅延特性の群遅延リップルが大きい帯域側へ前記中心周波数をシフトさせることを特徴とする付記1に記載の分散補償装置。
(付記4)有効帯域の外側における各帯域が非対称な群遅延特性によって光信号を分散補償する可変分散補償器を用いる分散補償方法において、
前記可変分散補償器における分散補償量を設定する設定工程と、
前記設定工程によって設定された分散補償量に基づいて前記可変分散補償器における前記有効帯域の中心周波数をシフトさせるシフト工程と、
を含むことを特徴とする分散補償方法。
(付記5)有効帯域の外側における各帯域が非対称な群遅延特性によって光信号を分散補償する可変分散補償器と、
前記可変分散補償器によって分散補償された光信号の光電変換後の特定周波数成分のパワーを測定する測定手段と、
前記測定手段によって測定されたパワーに応じたシフト方向に前記可変分散補償器における前記有効帯域の中心周波数をシフトさせるシフト手段と、
を備えることを特徴とする分散補償装置。
(付記6)前記測定手段は、前記光信号のボーレートに対応する周波数成分のパワーを測定し、
前記シフト手段は、前記測定手段によって測定されるパワーが大きくなるシフト方向へ前記中心周波数をシフトさせることを特徴とする付記5に記載の分散補償装置。
(付記7)前記測定手段は、前記光信号のボーレートに対応する周波数成分とは異なる周波数成分のパワーを測定し、
前記シフト手段は、前記測定手段によって測定されるパワーが小さくなるシフト方向へ前記中心周波数をシフトさせることを特徴とする付記5に記載の分散補償装置。
(付記8)有効帯域の外側における各帯域が非対称な群遅延特性によって光信号を分散補償する可変分散補償器を用いる分散補償方法において、
前記可変分散補償器によって分散補償された光信号の光電変換後の特定周波数成分のパワーを測定する測定工程と、
前記測定工程によって測定されたパワーに応じたシフト方向に前記可変分散補償器における前記有効帯域の中心周波数をシフトさせるシフト工程と、
を含むことを特徴とする分散補償方法。
(付記9)有効帯域の外側における各帯域が非対称な群遅延特性によって光信号を分散補償する可変分散補償器と、
前記可変分散補償器によって分散補償された光信号を受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された光信号の品質を測定する測定手段と、
前記測定手段によって測定される品質が向上するシフト方向に前記可変分散補償器における前記有効帯域の中心周波数をシフトさせるシフト手段と、
を備えることを特徴とする光受信装置。
(付記10)有効帯域の外側における各帯域が非対称な群遅延特性によって光信号を分散補償する可変分散補償器を用いる光受信方法において、
前記可変分散補償器によって分散補償された光信号を受信する受信工程と、
前記受信工程によって受信された光信号の品質を測定する測定工程と、
前記測定工程によって測定される品質が向上するシフト方向に前記可変分散補償器における前記有効帯域の中心周波数をシフトさせるシフト工程と、
を含むことを特徴とする光受信方法。
(付記11)群遅延特性の有効帯域と、前記有効帯域の外側における各帯域と、に対して透過帯域が十分に広く、前記群遅延特性によって光信号を分散補償する可変分散補償器と、
前記光信号の前記有効帯域の外側における各帯域を減衰させるフィルタと、
を備えることを特徴とする分散補償装置。
(付記12)有効帯域の外側における各帯域が非対称な群遅延特性によって光信号を分散補償する可変分散補償器と、
前記光信号の前記有効帯域の外側における各帯域を減衰させ、透過特性の中心周波数と帯域幅の少なくとも一方を含むフィルタ特性が可変な可変フィルタと、
前記可変分散補償器における分散補償量を設定する設定手段と、
前記設定手段によって設定された分散補償量に基づいて前記可変フィルタの前記フィルタ特性を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする分散補償装置。
(付記13)前記分散補償量と前記フィルタ特性の制御量とを対応付けて記憶する記憶手段を備え、
前記制御手段は、前記設定手段によって設定された分散補償量と前記記憶手段において対応付けられた制御量により前記フィルタ特性を制御することを特徴とする付記12に記載の分散補償装置。
(付記14)有効帯域の外側における各帯域が非対称な群遅延特性によって光信号を分散補償する可変分散補償器と、前記光信号の前記有効帯域の外側における各帯域を減衰させ、透過特性の中心周波数と帯域幅の少なくとも一方を含むフィルタ特性が可変な可変フィルタと、を用いる分散補償方法において、
前記可変分散補償器における分散補償量を設定する設定工程と、
前記設定工程によって設定された分散補償量に基づいて前記可変フィルタの前記フィルタ特性を制御する制御工程と、
を含むことを特徴とする分散補償方法。
(付記15)有効帯域の外側における各帯域が非対称な群遅延特性によって光信号を分散補償する可変分散補償器と、
前記光信号の前記有効帯域の外側における各帯域を減衰させ、透過特性の中心周波数と帯域幅の少なくとも一方を含むフィルタ特性が可変な可変フィルタと、
前記可変分散補償器によって分散補償された光信号を受信する受信器と、
前記受信器によって受信された光信号の品質を測定する測定手段と、
前記測定手段によって測定された品質が向上する制御方向に前記可変フィルタの前記フィルタ特性を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする光受信装置。
(付記16)有効帯域の外側における各帯域が非対称な群遅延特性によって光信号を分散補償する可変分散補償器と、前記光信号の前記有効帯域の外側における各帯域を減衰させ、透過特性の中心周波数と帯域幅の少なくとも一方を含むフィルタ特性が可変な可変フィルタと、を用いる光受信方法において、
前記可変分散補償器によって分散補償された光信号を受信する受信工程と、
前記受信工程によって受信された光信号の品質を測定する測定工程と、
前記測定工程によって測定された品質が向上する制御方向に前記可変フィルタの前記フィルタ特性を制御する制御工程と、
を含むことを特徴とする光受信方法。
100 分散補償装置
200,4100 テーブル
210,4110 分散補償量
220,4120 シフト量
311,325,326,812,813,2220,2832,2833,2932,2933 帯域
323,530,811,2831,2931 有効帯域
1210 光分岐部
3110,3120,3130,3410,3420 実験装置
3131 光ファイバ
3510,3520 スペクトラム
3900,4400 通信システム
3910,4431 多重分離部
3921 光アンプ
4330 合成特性
4401,4402 伝送路
f1 中心周波数
d1,D1〜D4 分散補償量

Claims (3)

  1. 有効帯域の外側における各帯域が非対称な群遅延特性によって光信号を分散補償する可変分散補償器と、
    前記光信号の前記有効帯域の外側における各帯域であって、群遅延リップルの影響を受ける帯域を減衰させ、透過特性の中心周波数と帯域幅の少なくとも一方を含むフィルタ特性が可変な可変フィルタと、
    前記可変分散補償器における分散補償量を設定する設定手段と、
    前記設定手段によって設定された分散補償量に基づいて前記可変フィルタの前記フィルタ特性を制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とする分散補償装置。
  2. 前記分散補償量と前記フィルタ特性の制御量とを対応付けて記憶する記憶手段を備え、
    前記制御手段は、前記設定手段によって設定された分散補償量と前記記憶手段において対応付けられた制御量により前記フィルタ特性を制御することを特徴とする請求項1に記載の分散補償装置。
  3. 有効帯域の外側における各帯域が非対称な群遅延特性によって光信号を分散補償する可変分散補償器と、前記光信号の前記有効帯域の外側における各帯域であって、群遅延リップルの影響を受ける帯域を減衰させ、透過特性の中心周波数と帯域幅の少なくとも一方を含むフィルタ特性が可変な可変フィルタと、を用いる分散補償方法において、
    前記可変分散補償器における分散補償量を設定する設定工程と、
    前記設定工程によって設定された分散補償量に基づいて前記可変フィルタの前記フィルタ特性を制御する制御工程と、
    を含むことを特徴とする分散補償方法。
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