JP5223623B2 - 直流モータの回転情報検出装置 - Google Patents
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Description
請求項1に記載の発明は、直流モータの駆動信号波形からろ波帯域可変フィルタを介して抽出される周期成分波形に基づいて同モータの回転情報を検出する直流モータの回転情報検出装置において、前記直流モータが定常回転している定常状態と回転数が変動している過渡状態との間でそれら状態遷移にかかる臨界点から過渡状態側への前記周期成分波形の周期もしくは波高値の変化率を求め、この求めた変化率が維持されるものとして前記直流モータが前記過渡状態にある期間の回転情報を検出することを要旨とする。
渡状態にある期間内での周期成分波形の本来あるべき推移をより容易に推定することができるようになる。
期成分波形の周期時間の合計値が前記計測した過渡状態継続時間を超えたときの前記周期成分波形の計数値を当該過渡状態にある期間内での周期成分波形の数として前記回転情報を検出することを要旨とする。
直前の領域での2つの周期成分波形の波高値差に基づいて波高値変化率を求め、この求めた波高値変化率のもとにそれ以前の周期成分波形の波高値を順次遡るかたちで推定しつつ臨界点からの周期成分波形の数を計数していき、臨界点から遡って推定した周期成分波形の波高値が上記計測した最大波高値を超えたときの周期成分波形の計数値を直流モータの起動時から臨界点に至るまでに本来検出されるべき周期成分波形の数として推定することで、この直流モータの起動から定常状態に至るまでの過渡状態にある期間内での回転情報を高い信頼性のもとに検出することができるようになる。
求めた周期成分波形の波高値変化率を補正することを要旨とする。
図1に、本発明にかかる直流モータの回転情報検出装置を具体化した第1の実施の形態についてその構成を示す。
・駆動制御部120を介して起動指令があった旨を認識した後、上記モータ状態判定部220から臨界点を示す情報Ptsが与えられるまでの時間をリップル抽出部210からの極値a,b,cに関するデータの入力に基づきTwタイマ231aを用いて計測する。そして、この計測した時間を過渡状態継続時間Twsとして内部メモリ231bに一時的に記憶する。
・リップル抽出部210から入力される極値a,b,cに関するデータに基づき、定常状態カウンタ234を用いてその数(リップル成分波形の数)Nwを計数する。これも、必要に応じて直流モータ10の回転数Nに変換して駆動制御部120にフィードバックする。
・駆動制御部120を介して停止指令があった旨を認識したタイミングを定常状態から過渡状態への状態遷移に至る臨界点(情報Pte)と認識して、このタイミングから直流モータ10が停止に至るまでの時間をリップル抽出部210からの極値a,b,cに関するデータの入力に基づきTwタイマ231aを用いて計測する。すなわちこの場合、上記極値a,b,cに関するデータの入力が途絶えたことをもって直流モータ10が停止したと判断する。そして、この計測した時間を過渡状態継続時間Tweとして内部メモリ231bに一時的に記憶する。
この図3に示されるように、停止状態にあるとする直流モータ10が上述した起動指令のもとに起動されると、上記起動時過渡状態を経て定常状態に至る。また、定常状態にあるとする直流モータ10が上述した停止指令のもとに停止するときには、上記停止時過渡状態を経て停止状態に至る。なおこのとき、起動時過渡状態から定常状態に遷移する条件は、上述のように「ΔTs=0(連続して入力される2つのリップルが同一周期)」のとき、もしくは「ΔTs≦Td(連続して入力される2つのリップルの周期(時間)Tsのずれ量ΔTsが許容可能な閾値Td以下)」のときである。また、停止時過渡状態から停止状態に遷移する条件は「I=0」、すなわち駆動電流Iが「0」となって上記リップル抽出部210からの極値a,b,cに関するデータの出力が途絶えるときである。
この起動時過渡状態にあって、直流モータ10の起動時から定常状態に状態遷移する際にバンドパスフィルタ211を介して得られる電流波形は前述のように、また図4(a)に示されるように、直流モータ10の回転数の変化にバンドパスフィルタ211のろ波帯域が追従しきれずに、リップル成分とともに各種ノイズ成分が含まれたものとなる。ただしこの間、直流モータ10の回転数が一定の変化率のもとに変化するとすれば、この回転数の変化に追従して得られるリップル成分の周期変化も一定の変化率を持つものと考えられる。すなわち図4(b)に示すように、直流モータ10の起動時から定常状態に状態遷移するまでの間、リップル成分は一定の周期変化率Rtsをもって、徐々にその周期が短くなり、かつ顕在化される。そして、図4(a)にC領域として示すように、定常状態Tfに至る臨界点Ptsを境に、その周期Ts1,Ts0が上記「ΔTs=0」、もしくは「ΔTs≦Td」の条件を満たすようになる。このため、上記臨界点Ptsの直前の2つの周期Ts1,Ts2の周期差に基づけば、リップル成分の当該過渡状態での周期変化率、すなわち図4(b)に示す周期変化率Rtsを求めることができるようになる。
時過渡状態での回転情報検出処理の詳細をフローチャートとして示したものである。
Ts=Ts1+Ts2 …(2)
Nws=2 …(3)
ここで、上記式(1)は、代数値としてのリップル周期Ts3に上記臨界点から2つ前のリップル周期Ts2の値を代入することを意味し、上記式(2)は、総リップル周期Tsの初期値を上記臨界点の直前の2つの周期Ts1,Ts2の和とすることを意味する。そして、上記式(3)は、当該過渡状態での求めるべきリップル数Nwsの初期値をこれら2つのリップル成分の数である「2」とすることを意味する。
そして、この求めた周期変化率Rtsについてもこれを内部メモリ231bに一時的に記憶する。
Ts4=Rts×Ts3+Ts3 …(5)
として求めるとともに(ステップS1108)、そのときの総リップル時間Tsを、この推定したリップル周期Ts4をもとに、
Ts=Ts+Ts4 …(6)
として算出する(ステップS1109)。なお、これらリップル周期Ts4の推定や、総リップル時間Tsの算出態様については、図6の特にD領域での処理態様として例示している通りである。そしてこれらの処理は、上記算出される総リップル時間Tsが上記計時(計測)されて内部メモリ231bに保持されている過渡状態継続時間Tws以上となるまで、過渡状態カウンタ233によるリップル数Nwsのカウントアップ、及び推定したリップル周期Ts4による周期Ts3の更新とともに繰り返される(ステップS1110,S1111)。また、こうした処理が繰り返されることにより、図7にE領域として示す態様で、臨界点以前のリップル成分波形の周期が順次遡るかたちで推定されるとともにその総リップル時間Tsが累積され、かつ、過渡状態カウンタ233を通じて上記臨界点
からのリップル成分波形の数が計数されていく。
この停止時過渡状態にあっても、直流モータ10の定常状態から停止状態に状態遷移する際にバンドパスフィルタ211を介して得られる電流波形は、図9(a)に示されるように、直流モータ10の回転数の変化にバンドパスフィルタ211のろ波帯域が追従しきれずに、リップル成分とともに各種ノイズ成分が含まれたものとなる。ただしこの間も、直流モータ10の回転数が一定の変化率のもとに変化するとすれば、この回転数の変化に追従して得られるリップル成分の周期変化も一定の変化率を持つものと考えられる。すなわち図9(a)、(b)に示すように、直流モータ10の定常状態から停止状態に状態遷移するまでの間、はじめ顕在化されているリップル成分は、一定の周期変化率Rteをもって徐々にその周期が長くなり、かつノイズ成分も混入しやすくなる。そこでこの場合には、図9(a)にG領域として示すように、定常状態Tfからの臨界点Pteを境に変化するリップル周期のうち、上記臨界点Pteの直後の2つの周期Te1,Te2の周期差に基づけば、リップル成分の当該過渡状態での周期変化率、すなわち図9(b)に示す周期変化率Rteを求めることができるようになる。
Te3=Te2 …(8)
Te=Te1+Te2 …(9)
Nwe=2 …(10)
ここで、上記式(7)は、内蔵するTwタイマ231aの値を「0」にリセットすることを意味し、上記式(8)は、代数値としてのリップル周期Te3に上記臨界点から2つ
後のリップル周期Te2の値を代入することを意味する。また、上記式(9)は、モータ停止までの総リップル周期Teの初期値を上記臨界点の直後の2つの周期Te1,Te2の和とすることを意味し、上記式(10)は、当該過渡状態での求めるべきリップル数Nweの初期値をこれら2つのリップル成分の数である「2」とすることを意味する。
そして、この求めた周期変化率Rteについてもこれを内部メモリ231bに一時的に記憶する。
Te4=Rte×Te3+Te3 …(12)
として求めるとともに(ステップS1208)、そのときの総リップル時間Teを、この推定したリップル周期Te4をもとに、
Te=Te+Te4 …(13)
として算出する(ステップS1209)。なお、これらリップル周期Te4の推定や、総リップル時間Teの算出態様については、図11の特にH領域での処理態様として例示している通りである。そしてこれらの処理は、上記算出される総リップル時間Teが上記計時(計測)されて内部メモリ231bに保持されている過渡状態継続時間Twe以上となるまで、過渡状態カウンタ233によるリップル数Nweのカウントアップ、及び推定したリップル周期Te4による周期Te3の更新とともに繰り返される(ステップS1210,S1211))。また、こうした処理が繰り返されることにより、図12にI領域として示す態様で、臨界点以降のリップル成分波形の周期が順次辿るかたちで推定されるとともにその総リップル時間Teが累積され、かつ、過渡状態カウンタ233を通じて上記臨界点からのリップル成分波形の数が計数されていく。
(1)直流モータ10の起動から定常状態に至るまで、あるいは定常状態から停止に至るまでの回転数が変動する過渡状態にある期間の回転情報の検出に際し、直流モータ10のそれら定常状態との間での状態遷移にかかる臨界点から過渡状態側への顕在化された2つのリップル成分波形から周期変化率(Rts,Rte)を求めることとした。そして、それら過渡状態にある時間を過渡状態継続時間として計測し、同求めた周期変化率が維持されるものとして、臨界点から過渡状態側に順次遡る、もしくは順次辿るかたちでそれらリップル成分波形の周期を推定しつつその時間累積値が各々過渡状態継続時間以上となるまでリップル成分波形を計数してその数を推定、検出することとした。これにより、複雑な波形処理回路等を用いずとも、回転数が変動する過渡状態にある期間の回転情報を容易に、しかも高い信頼性のもとに検出することができるようになる。
次に、本発明にかかる直流モータの回転情報検出装置の第2の実施の形態について先の第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
設定部242とを備える構成となっている。
・駆動制御部120を介して起動指令があった旨を認識した後、その直後にリップル抽出部210から与えられる極値bに基づき最大波高値Awsを計測し、この計測した最大波高値Awsに関する情報をAwメモリ251aに一時的に記憶する。なお本実施の形態において、この最大波高値Awsについては、図15に例示するように、ノイズ等の影響のない範囲で直流モータ10に流れ得る上限値Amaxを実験等を通じて予め求めておき、上記計測値Awsとこの上限値Amaxとのいずれか小さい方、すなわち次式(14)にて求められる値を上記記憶する最大波高値とする。
・上記臨界点を示す情報Pisに基づき、上記モータ状態判定部240内の波高値演算部241にて演算されている波高値Asのうちの臨界点直前の2つの波高値As1,As
2を波高値メモリ252に一時的に格納する。そして、これら2つの波高値As1,As2の波高値差に基づいてリップル成分波形の当該過渡状態での波高値変化率Risを求め、この求めた波高値変化率Risを内部メモリ251bに一時的に記憶する。
・リップル抽出部210から入力される極値a,b,cに関するデータに基づき、定常状態カウンタ254を用いてその数(リップル成分波形の数)Nwを計数する。これも、必要に応じて直流モータ10の回転数Nに変換して駆動制御部120にフィードバックする。
・駆動制御部120を介して停止指令があった旨を認識したタイミングを定常状態から過渡状態への状態遷移に至る臨界点(情報Pie)と認識して、その直後の2つの波高値Ae1,Ae2を波高値メモリ252に一時的に格納する。そして、リップル抽出部210からの極値a,b,cに関するデータの入力が途絶えたことをもって直流モータ10が停止したと判断するとともに、この停止直前の極値bに基づき最大波高値Aweを計測し、この計測した最大波高値Aweに関する情報をAwメモリ251aに一時的に記憶する。なお、この最大波高値Aweについても、先の起動時の最大波高値Awsと同様、次式(15)にて求められる値を上記記憶する最大波高値とする。
・上記波高値メモリ252に格納保持している臨界点直後の2つの波高値Ae1,Ae2の波高値差に基づいてリップル成分波形の当該過渡状態での波高値変化率Rieを求め、この求めた波高値変化率Rieを内部メモリ251bに一時的に記憶する。
この起動時過渡状態にあって、直流モータ10の起動時から定常状態に状態遷移する際にバンドパスフィルタ211を介して得られる電流波形が、図16(a)に示されるように、直流モータ10の回転数の変化にバンドパスフィルタ211のろ波帯域が追従しきれ
ずに、リップル成分とともに各種ノイズ成分が含まれたものとなることは前述の通りである。ただしこの間、直流モータ10の回転数が一定の変化率のもとに変化するとすれば、この回転数の変化に追従して得られるリップル成分の波高値(ピーク電流値)変化も一定の変化率を持つものと考えられる。すなわち図16(b)に示すように、直流モータ10の起動時から定常状態に状態遷移するまでの間、リップル成分は一定の波高値変化率Risをもって、徐々にその波高値が小さくなり、かつ顕在化される。そして、図16(a)にK領域として示すように、定常状態Tfに至る臨界点Pisを境に、その波高値As1,As0が上記「ΔAs=0」、もしくは「ΔAs≦Ad」の条件を満たすようになる。このため、上記臨界点Pisの直前の2つの波高値As1,As2の波高値差に基づけば、リップル成分の当該過渡状態での波高値変化率、すなわち図16(b)に示す波高値変化率Risを求めることができるようになる。
Nws=2 …(17)
ここで、上記式(16)は、代数値としての波高値As3に上記臨界点から2つ前の波高値As2の値を代入することを意味し、上記式(17)は、当該過渡状態での求めるべきリップル数Nwsの初期値を上記臨界点直前のリップル成分の数である「2」とすることを意味する。
そして、この求めた波高値変化率Risについてもこれを内部メモリ251bに一時的に記憶する。
As4=Ris×As3+As3 …(19)
として求める(ステップS2106)。なお、これら波高値As4の推定態様については
、図18の特にL領域での処理態様として例示している通りである。そしてこれらの処理は、上記算出される波高値As4が上記Awメモリ251aに保持されている最大波高値Aws以上となるまで、過渡状態カウンタ253によるリップル数Nwsのカウントアップ、及び推定した波高値As4による波高値As3の更新とともに繰り返される(ステップS2107,S2108)。また、こうした処理が繰り返されることにより、図19に示す態様で、臨界点以前のリップル成分波形の波高値が順次遡るかたちで推定されるとともに、過渡状態カウンタ253を通じて上記臨界点からのリップル成分波形の数が計数されていく。
この停止時過渡状態にあっても、直流モータ10の定常状態から停止状態に状態遷移する際にバンドパスフィルタ211を介して得られる電流波形が、図20(a)に示されるように、直流モータ10の回転数の変化にバンドパスフィルタ211のろ波帯域が追従しきれずに、リップル成分とともに各種ノイズ成分が含まれたものとなることは前述した。そしてこの間も、直流モータ10の回転数が一定の変化率のもとに変化するとすれば、この回転数の変化に追従して得られるリップル成分の波高値(ピーク電流)変化は一定の変化率を持つものと考えられる。すなわち図20(a)、(b)に示すように、直流モータ10の定常状態から停止状態に状態遷移するまでの間、はじめ顕在化されているリップル成分は、一定の波高値変化率Rieをもって徐々にその波高値が大きくなり、かつノイズ成分も混入しやすくなる。そこでこの場合には、図20(a)にM領域として示すように、定常状態Tfからの臨界点Pieを境に変化する波高値のうち、上記臨界点Pieの直後の2つの波高値Ae1,Ae2の波高値差に基づけば、リップル成分の当該過渡状態での波高値変化率、すなわち図20(b)に示す波高値変化率Rieを求めることができるようになる。
Nwe=2 …(21)
ここで、上記式(20)は、代数値としての波高値Ae3に上記臨界点から2つ後の波高値Ae2の値を代入することを意味し、上記式(21)は、当該過渡状態での求めるべきリップル数Nweの初期値を上記臨界点直後のリップル成分の数である「2」とすることを意味する。
そして、この求めた波高値変化率Rieについてもこれを内部メモリ251bに一時的に記憶する。
Ae4=Rie×Ae3+Ae3 …(23)
として求める(ステップS2207)。なお、この波高値Ae4の推定態様については、図22の特にN領域での処理態様として例示している通りである。そしてこの処理は、上記算出される波高値Ae4が上記取得されて内部メモリ251bに保持されている最大波高値Awe以上となるまで、過渡状態カウンタ253によるリップル数Nweのカウントアップ、及び推定した波高値Ae4による波高値Ae3の更新とともに繰り返される(ステップS2208,S2209)。また、こうした処理が繰り返されることにより、図23に示す態様で、臨界点以降のリップル成分波形の波高値が順次辿るかたちで推定されるとともに、過渡状態カウンタ253を通じて上記臨界点からのリップル成分波形の数が計数されていく。
(1)直流モータ10の起動から定常状態に至るまで、あるいは定常状態から停止に至
るまでの回転数が変動する過渡状態にある期間の回転情報の検出に際し、直流モータ10のそれら定常状態との間での状態遷移にかかる臨界点から過渡状態側への顕在化された2つのリップル成分波形から波高値変化率(Ris,Rie)を求めることとした。そして、直流モータの起動直後あるいは停止直前におけるリップル成分波形の波高値を最大波高値として計測し、同求めた波高値変化率が維持されるものとして、臨界点から過渡状態側に順次遡る、もしくは順次辿るかたちでそれらリップル成分波形の波高値を推定しつつその推定値が最大波高値以上となるまでリップル成分波形を計数してその数を推定、検出することとした。これにより、複雑な波形処理回路等を用いずとも、回転数が変動する過渡状態にある期間の回転情報を容易に、しかも高い信頼性のもとに検出することができるようになる。
(第3の実施の形態)
次に、本発明にかかる直流モータの回転情報検出装置の第3の実施の形態について先の第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
機構、シートバックSBのリクライニングの位置を調整するリクライニング機構、シートクッションSCの前端部の位置を調整するフロントバーチカル機構、及びシートSTの前後の位置を調整するスライド機構、及びこれら各機構を制御するメモリーシートECU(電子制御装置)によって構成される。そして、これら各機構にはその駆動源として、リフタ回転用モータ11、リクライニング用モータ12、フロントバーチカル用モータ13、スライド用モータ14がそれぞれ用いられている。
図25は、先の図1に対応する図として、この第3の実施の形態における直流モータの回転情報検出装置についてその構成を示すブロック図である。なお、この図25において、先の図1に示した各要素と同一の要素についてはそれぞれ同一の符号を付して示しており、それら要素についての重複する説明は割愛する。また、上記リフタ回転用モータ11、リクライニング用モータ12、フロントバーチカル用モータ13、及びスライド用モータ14は、実際には各別の駆動装置にて駆動され、各別の回転情報検出装置にてその回転情報が検出されるものであるが、この図25では便宜上、上記各モータを直流モータ11〜14として図示し、その駆動装置及び回転情報検出装置についても共通化した一つの装置として図示している。
モータ12の逆回転時、フロントバーチカル用モータ13の正回転時における補正係数もこれら負荷に応じて高く設定されている。
判定部220を通じてリフタ回転用モータ11の回転が定常状態となったことが判定されるまで、Twタイマ231aによる計時(インクリメント)を繰り返す(ステップS3103,S3104)。
Ts=Ts1+Ts2 …(25)
Nws=2 …(26)
こうして初期化を終えると、ここでリフタ回転用モータ11の回転方向及び温度を検出し、これら検出される回転方向及び温度に基づき、補正係数データベース260から当該モータ11の補正係数Rcを取得する(ステップS3107,S3108)。次に、上記2つの周期Ts1,Ts2の周期差、及び補正係数Rcに基づいてリップル成分波形の当該過渡状態での周期変化率Rtsを次式(27)によって求める(ステップS3109)。
そして、この求めた周期変化率Rtsについてもこれを内部メモリ231bに一時的に記憶する。こうして周期変化率Rtsを求めた後は、先の図5に示したステップS1108〜S1114と同様の処理がなされ、上記バンドパスフィルタ211のろ波帯域が適正に追従していれば本来検出されるであろうリップル成分波形の数が推定される。そしてその後は、必要に応じて、この確定したリップル数Nwsに基づく回転数Nへの変換演算が行われ、その変換された回転数Nが駆動制御部120にフィードバックされる。
(他の実施の形態)
なお、上記各実施の形態は、以下のような態様をもって実施することもできる。
ie)を補正するようにしてもよい。また、補正係数Rcも、回転情報の検出対象となる直流モータの回転方向と同モータに加わる負荷とが基本的に加味された補正係数であれば、図26に例示した値に限定されるものではない。
・その他、上記モータ状態判定部(220,240)やリップル数演算部(230,250)の実現方法は任意であり、カスタム化されたLSIによってこれを実現するようにしてもよいし、あるいはマイクロコンピュータを用いたソフトウェアによってこれを実現するようにしてもよい。
Claims (11)
- 直流モータの駆動信号波形からろ波帯域可変フィルタを介して抽出される周期成分波形に基づいて同モータの回転情報を検出する直流モータの回転情報検出装置において、
前記直流モータが定常回転している定常状態と回転数が変動している過渡状態との間でそれら状態遷移にかかる臨界点から過渡状態側への前記周期成分波形の周期もしくは波高値の変化率を求め、この求めた変化率が維持されるものとして前記直流モータが前記過渡状態にある期間の回転情報を検出する
ことを特徴とする直流モータの回転情報検出装置。 - 前記状態遷移にかかる臨界点から過渡状態側への前記周期成分波形の周期もしくは波高値の変化率が臨界点から過渡状態側で抽出された2つの周期成分波形に基づいて求められる
請求項1に記載の直流モータの回転情報検出装置。 - 前記回転情報の検出対象とする過渡状態にある期間が前記直流モータの起動時から前記定常状態に移行するまでの期間であり、前記直流モータが定常状態に状態遷移したときの臨界点を検出して前記直流モータの起動時から該臨界点に至った時間である過渡状態継続時間を計測するとともに前記周期成分波形の臨界点直前の2つの波形の周期差に基づいて周期成分波形の当該過渡状態での周期変化率を求め、この求めた周期変化率のもとにそれ以前の周期成分波形の周期を順次遡るかたちで推定しつつ前記臨界点からの周期成分波形の数を計数していき、前記臨界点から遡って推定した周期成分波形の周期時間の合計値が前記計測した過渡状態継続時間を超えたときの前記周期成分波形の計数値を当該過渡状態にある期間内での周期成分波形の数として前記回転情報を検出する
請求項2に記載の直流モータの回転情報検出装置。 - 前記定常状態に状態遷移したときの臨界点の検出が、前記直流モータの起動時から前記周期成分波形の隣り合う2つが同一周期となったときのそれら波形の中心点の検出として行われる
請求項3に記載の直流モータの回転情報検出装置。 - 前記回転情報の検出対象とする過渡状態にある期間が前記直流モータの定常状態から停止に至るまでの期間であり、前記直流モータに対して停止指令が発せられたタイミングを定常状態から過渡状態への状態遷移に至る臨界点として該臨界点から前記直流モータが停止に至った時間である過渡状態継続時間を計測するとともに前記周期成分波形の臨界点直後の2つの波形の周期差に基づいて周期成分波形の当該過渡状態での周期変化率を求め、この求めた周期変化率のもとにそれ以降の周期成分波形の周期を順次辿るかたちで推定しつつ前記臨界点からの周期成分波形の数を計数していき、前記臨界点から辿って推定した周期成分波形の周期時間の合計値が前記計測した過渡状態継続時間を超えたときの前記周期成分波形の計数値を当該過渡状態にある期間内での周期成分波形の数として前記回転情報を検出する
請求項2に記載の直流モータの回転情報検出装置。 - 前記直流モータの回転方向と同モータに加わる負荷とに基づき前記求めた周期成分波形の周期変化率を補正する
請求項3〜5のいずれか一項に記載の直流モータの回転情報検出装置。 - 前記回転情報の検出対象とする過渡状態にある期間が前記直流モータの起動時から前記定常状態に移行するまでの期間であり、前記直流モータの起動時における周期成分波形の最大波高値を計測するとともに、前記直流モータが定常状態に状態遷移したときの臨界点
を検出して前記周期成分波形の臨界点直前の2つの波形の波高値差に基づき周期成分波形の当該過渡状態での波高値変化率を求め、この求めた波高値変化率のもとにそれ以前の周期成分波形の波高値を順次遡るかたちで推定しつつ前記臨界点からの周期成分波形の数を計数していき、前記臨界点から遡って推定した周期成分波形の波高値が前記計測した最大波高値を超えたときの前記周期成分波形の計数値を当該過渡状態にある期間内での周期成分波形の数として前記回転情報を検出する
請求項2に記載の直流モータの回転情報検出装置。 - 前記定常状態に状態遷移したときの臨界点の検出が、前記直流モータの起動時から前記周期成分波形の隣り合う2つが同一波高値となったときのそれら波形の中心点の検出として行われる
請求項7に記載の直流モータの回転情報検出装置。 - 前記回転情報の検出対象とする過渡状態にある期間が前記直流モータの定常状態から停止に至るまでの期間であり、前記直流モータに対して停止指令が発せられたタイミングを定常状態から過渡状態への状態遷移に至る臨界点として前記周期成分波形の臨界点直後の2つの波形の波高値差に基づいて周期成分波形の当該過渡状態での波高値変化率を求め、この求めた波高値変化率のもとにそれ以降の周期成分波形の波高値を順次辿るかたちで推定しつつ前記臨界点からの周期成分波形の数を計数していき、前記臨界点から辿って推定した周期成分波形の波高値が前記直流モータの停止直前に計測した最大波高値を超えたときの前記周期成分波形の計数値を当該過渡状態にある期間内での周期成分波形の数として前記回転情報を検出する
請求項2に記載の直流モータの回転情報検出装置。 - 前記直流モータの回転方向と同モータに加わる負荷とに基づき前記求めた周期成分波形の波高値変化率を補正する
請求項7〜9のいずれか一項に記載の直流モータの回転情報検出装置。 - 前記回転情報の検出対象として前記ろ波帯域可変フィルタを介して抽出される周期成分波形が前記直流モータの駆動信号のリップル波形である
請求項1〜10のいずれか一項に記載の直流モータの回転情報検出装置。
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