JP5223623B2 - 直流モータの回転情報検出装置 - Google Patents

直流モータの回転情報検出装置 Download PDF

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Description

本発明は、専用の回転センサ等を用いずに直流モータの回転数等の回転情報を検出する直流モータの回転情報検出装置に関する。
上記回転情報の検出対象とする直流モータとしては、例えば車載システムとして採用されているメモリシートシステムやパワーウィンドウシステムにあってそれら駆動対象のアクチュエータとして用いられる直流モータがある。このようなシステムでは、上記直流モータの回転数などの回転情報に基づき各駆動対象の移動量を算出するなどしてその駆動を制御するようにしている。
一方、近年は、こうした直流モータの回転情報の検出に際して例えばエンコーダやパルスジェネレータなどの専用の回転センサを用いずに、モータ自身を流れる電流に含まれるリップル(脈動)成分を抽出し、この抽出したリップルの数をカウントすることによって、直流モータの回転情報を得る方法が採用されることが多い。すなわちこうした回転情報検出装置では、直流モータを流れる電流に含まれるリップルの周波数が直流モータの回転数、及び回転子に設けられてブラシと摺動しながら接触して同回転子に電流を供給する整流子片(セグメント)の数に相関することに基づいて直流モータの回転情報を検出することとなる。ただし、こうしたリップル成分に基づく直流モータの回転情報の検出に際しては、ブラシと整流子の各セグメントとが切り替わる際の不連続性に起因するサージ成分や、パルス幅変調(PWM)制御でのスイッチング等にかかるその他のノイズ成分が上記リップル成分に重畳されることともなる。そこで従来は、例えば特許文献1に見られるように、モータに流れる電流を上記リップル成分の周波数にろ波帯域が設定されたバンドパスフィルタに通すことによって、これらサージ成分やその他のノイズ成分を除去しつつリップル成分の抽出を行うようにしている。
特開2000−114962号公報
ところで、バンドパスフィルタを通して上記リップル成分を抽出するには上述のように、そのろ波帯域をリップル成分の周波数に対応するように設定する必要があるが、このリップル成分の周波数はモータの回転数(回転速度)に応じて変化する。このため、直流モータの起動時や停止直前などの低速回転域、あるいは定常(高速)回転域といったモータ回転域に応じてバンドパスフィルタのろ波帯域を変更する必要がある。そして通常、こうしたろ波帯域の設定は、上記抽出されるリップル成分に基づき得られる直流モータの回転情報に応じて行われる。図29に、上記リップル成分とノイズ成分との関係、並びに上記バンドパスフィルタに可変設定されるろ波帯域についてその概要を示す。
例えばいま、直流モータが起動時等の低速回転域から定常回転域に移行する過渡状態にあるとする場合には、モータの回転数の変動が大きいことから、モータの回転状態にバンドパスフィルタのろ波帯域を追従させることができず、図29(a)に示すように、このろ波帯域PBに上記リップル成分及びノイズ成分が含まれてしまう。
一方、直流モータが定常回転域に移行するにつれて、図29(b)に示すように、バンドパスフィルタのろ波帯域PBがモータの回転状態に適合され、ノイズ成分を除去してリップル成分のみを取り出すことが可能となる。
このため、上記フィルタを介して抽出されるモータ電流の波形は、図30に示されるように、同じ過渡状態であっても直流モータの定常回転域に近いB領域ではリップル波形のみが適正にろ波されるものの、同モータの起動時や停止直前などの回転数の変動が大きいA領域ではノイズ成分が含まれやすくなる。したがって、このような後状態にあるA領域でリップル成分を正確に抽出することは困難であり、これに基づいて検出される直流モータの回転情報も自ずと信頼性の低いものとなる。
なお、直流モータの電流波形等、その駆動信号波形に含まれる周期成分波形には上記リップル成分以外にサージ成分などもある。そして、このサージ成分であっても、これが周期成分波形である以上、その抽出に基づいて上記回転情報を検出することは可能であり、また過渡状態における上記課題も概ね共通するものとなっている。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、直流モータの起動時や停止直前などの回転数が変動する過渡状態にあっても、同モータの駆動振動波形に含まれる周期成分波形に基づいてその回転情報を高い信頼性のもとに検出することのできる直流モータの回転情報検出装置を提供することを目的とする。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、直流モータの駆動信号波形からろ波帯域可変フィルタを介して抽出される周期成分波形に基づいて同モータの回転情報を検出する直流モータの回転情報検出装置において、前記直流モータが定常回転している定常状態と回転数が変動している過渡状態との間でそれら状態遷移にかかる臨界点から過渡状態側への前記周期成分波形の周期もしくは波高値の変化率を求め、この求めた変化率が維持されるものとして前記直流モータが前記過渡状態にある期間の回転情報を検出することを要旨とする。
上記過渡状態にある期間の上記周期成分波形は通常、先の図30に例示したように推移する(図30は例えばリップル波形の場合)。すなわち、直流モータが定常回転域に移行するにつれて直流モータの回転状態にろ波帯域が適合され、上記臨界点を中心とした過渡状態側の一定の領域では、ろ波対象とする周期成分波形が顕在化されるようになる。そして、例えば直流モータが起動時から定常状態に遷移するまでの、あるいは定常状態から直流モータが停止に至るまでの間に抽出される周期成分波形は、通常は一定の変化率をもって変化(推移)するものと考えられる。そこで、上記構成によるように、直流モータのこれら状態遷移にかかる臨界点から過渡状態側への顕在化された周期成分波形からその周期もしくは波高値の変化率を求め、この求めた変化率が維持されるものとして、この変化率を求めた波形からそれら周期もしくは波高値を追っていけば、過渡状態にある期間内での周期成分波形の本来あるべき推移、すなわち直流モータの回転情報を推定することが可能となる。これによって、直流モータが過渡状態にあっても同モータの駆動信号波形に含まれる周期成分波形に基づいてその回転情報を高い信頼性のもとに検出することができるようになる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の直流モータの回転情報検出装置において、前記状態遷移にかかる臨界点から過渡状態側への前記周期成分波形の周期もしくは波高値の変化率が臨界点から過渡状態側で抽出された2つの周期成分波形に基づいて求められることを要旨とする。
一般に、直流モータの過渡状態における上記周期成分波形の周期もしくは波高値の変化率は略一定の値になるものと考えられる。そこで、上記構成によるように、臨界点から過渡状態側で抽出される顕在化された周期成分波形のうちの2つの波形に基づき周期成分波形の周期もしくは波高値の変化率を算出すれば通常は十分と考えられ、これにより上記過
渡状態にある期間内での周期成分波形の本来あるべき推移をより容易に推定することができるようになる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の直流モータの回転情報検出装置において、前記回転情報の検出対象とする過渡状態にある期間が前記直流モータの起動時から前記定常状態に移行するまでの期間であり、前記直流モータが定常状態に状態遷移したときの臨界点を検出して前記直流モータの起動時から該臨界点に至った時間である過渡状態継続時間を計測するとともに前記周期成分波形の臨界点直前の2つの波形の周期差に基づいて周期成分波形の当該過渡状態での周期変化率を求め、この求めた周期変化率のもとにそれ以前の周期成分波形の周期を順次遡るかたちで推定しつつ前記臨界点からの周期成分波形の数を計数していき、前記臨界点から遡って推定した周期成分波形の周期時間の合計値が前記計測した過渡状態継続時間を超えたときの前記周期成分波形の計数値を当該過渡状態にある期間内での周期成分波形の数として前記回転情報を検出することを要旨とする。
前述のように、直流モータの回転数が変動する過渡状態にある場合は、上記ろ波帯域可変フィルタを介しての周期成分波形の抽出に際し、この周期成分波形とともに各種ノイズ成分の波形もろ波されやすくなる。そして、特に直流モータが起動されてから定常状態に達するまでの間では、起動時に近いほどこの傾向も顕著となる。この点、上記構成によるように、直流モータの起動時から定常状態に移行するまでの期間を過渡状態継続時間として計測するとともに、過渡状態における周期変化率を算出する上で最も信頼性の高い領域、すなわち臨界点直前の領域での2つの周期成分波形の周期差に基づいて周期変化率を求め、この求めた周期変化率のもとにそれ以前の周期成分波形の周期を順次遡るかたちで推定しつつ臨界点からの周期成分波形の数を計数していき、臨界点から遡って推定した周期成分波形の周期時間の合計値が上記計測した過渡状態継続期間を超えたときの周期成分波形の計数値を直流モータの起動時から臨界点に至るまでに本来検出されるべき周期成分波形の数として推定することで、この直流モータの起動から定常状態に至るまでの過渡状態にある期間内での回転情報を高い信頼性のもとに検出することができるようになる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の直流モータの回転情報検出装置において、前記定常状態に状態遷移したときの臨界点の検出が、前記直流モータの起動時から前記周期成分波形の隣り合う2つが同一周期となったときのそれら波形の中心点の検出として行われることを要旨とする。
上記ろ波帯域可変フィルタを介して抽出される周期成分波形は、直流モータの回転域が定常回転域(定常状態)に達することで同一の周期となる。このため、直流モータの起動時から周期成分波形の隣り合う2つが同一周期となったことをもって直流モータが定常状態に状態遷移したものと推定することができる。したがって、上記構成によるように、これら同一周期となった周期成分波形の中心点を定常状態に状態遷移したときの臨界点として検出することで、上記周期推定の基準となる臨界点を容易に、しかも高い信頼性のもとに検出することができるようになる。なお、ここでいう同一周期とは、予め設定したある一定の閾値以内の周期差も含むものとする。
請求項5に記載の発明は、請求項2に記載の直流モータの回転情報検出装置において、前記回転情報の検出対象とする過渡状態にある期間が前記直流モータの定常状態から停止に至るまでの期間であり、前記直流モータに対して停止指令が発せられたタイミングを定常状態から過渡状態への状態遷移に至る臨界点として該臨界点から前記直流モータが停止に至った時間である過渡状態継続時間を計測するとともに前記周期成分波形の臨界点直後の2つの波形の周期差に基づいて周期成分波形の当該過渡状態での周期変化率を求め、この求めた周期変化率のもとにそれ以降の周期成分波形の周期を順次辿るかたちで推定しつつ前記臨界点からの周期成分波形の数を計数していき、前記臨界点から辿って推定した周
期成分波形の周期時間の合計値が前記計測した過渡状態継続時間を超えたときの前記周期成分波形の計数値を当該過渡状態にある期間内での周期成分波形の数として前記回転情報を検出することを要旨とする。
直流モータの停止時にあっても直流モータが定常回転域から停止に至るまでにその回転数の低下による回転数変動を伴うことから、ろ波帯域可変フィルタを介しての周期成分波形の抽出に際し、この周期成分波形とともに各種ノイズ成分の波形もろ波されやすくなる。そして、直流モータが定常状態から停止に至るまでの間では、停止状態に近いほどこの傾向も顕著となる。この点、上記構成によるように、直流モータに対して停止指令が発せられてから停止に至るまでの期間を過渡状態継続時間として計測するとともに、過渡状態における周期変化率を算出する上で最も信頼性の高い領域、すなわち直流モータに対して停止指令が発せられたタイミング(臨界点)直後の領域での2つの周期成分波形の周期差に基づいて周期変化率を求め、この求めた周期変化率のもとにそれ以降の周期成分波形の周期を順次辿るかたちで推定しつつ臨界点からの周期成分波形の数を計数していき、臨界点から辿って推定した周期成分波形の周期時間の合計値が上記計測した過渡状態継続時間を超えたときの周期成分波形の計数値を直流モータに対して停止指令が発せられてから停止に至るまでに本来検出されるべき周期成分波形の数として推定することで、この直流モータの定常状態から停止に至るまでの過渡状態にある期間内での回転情報を高い信頼性のもとに検出することができるようになる。
請求項6に記載の発明は、請求項3〜5のいずれか一項に記載の直流モータの回転情報検出装置において、前記直流モータの回転方向と同モータに加わる負荷とに基づき前記求めた周期成分波形の周期変化率を補正することを要旨とする。
上記算出される周期変化率は、直流モータの回転方向、及びその使用用途や温度環境に応じてモータに加わる負荷によって変化することが多い。この点、上記構成によるように、直流モータの回転状態に影響を与えるこれらの要因に基づき上記周期変化率を補正するようにすれば、直流モータの回転方向及び同モータに加わる負荷が変動するような場合であれ、上記回転情報の検出精度をさらに高めることができるようになる。
請求項7に記載の発明は、請求項2に記載の直流モータの回転情報検出装置において、前記回転情報の検出対象とする過渡状態にある期間が前記直流モータの起動時から前記定常状態に移行するまでの期間であり、前記直流モータの起動時における周期成分波形の最大波高値を計測するとともに、前記直流モータが定常状態に状態遷移したときの臨界点を検出して前記周期成分波形の臨界点直前の2つの波形の波高値差に基づき周期成分波形の当該過渡状態での波高値変化率を求め、この求めた波高値変化率のもとにそれ以前の周期成分波形の波高値を順次遡るかたちで推定しつつ前記臨界点からの周期成分波形の数を計数していき、前記臨界点から遡って推定した周期成分波形の波高値が前記計測した最大波高値を超えたときの前記周期成分波形の計数値を当該過渡状態にある期間内での周期成分波形の数として前記回転情報を検出することを要旨とする。
先の図30からも明らかなように、直流モータが定常回転している定常状態と回転数が変動している過渡状態との間での上記フィルタを介して抽出される周期成分波形の変化態様は、同周期成分波形の波高値にも相関しており、この波高値は、直流モータの起動直後もしくは停止直前に最大となり、回転数変動のない定常状態で一定となる。すなわち、直流モータが起動されてから定常状態に達するまでの間を例にとった場合、上記抽出される周期成分波形は、はじめ最大波高値となった後、徐々に顕在化されつつその波高値も徐々に小さくなり、定常状態に達したところで一定となる。そこで、上記構成によるように、直流モータの起動時における周期成分波形の波高値を最大波高値として計測するとともに、過渡状態における波高値変化率を算出する上で最も信頼性の高い領域、すなわち臨界点
直前の領域での2つの周期成分波形の波高値差に基づいて波高値変化率を求め、この求めた波高値変化率のもとにそれ以前の周期成分波形の波高値を順次遡るかたちで推定しつつ臨界点からの周期成分波形の数を計数していき、臨界点から遡って推定した周期成分波形の波高値が上記計測した最大波高値を超えたときの周期成分波形の計数値を直流モータの起動時から臨界点に至るまでに本来検出されるべき周期成分波形の数として推定することで、この直流モータの起動から定常状態に至るまでの過渡状態にある期間内での回転情報を高い信頼性のもとに検出することができるようになる。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の直流モータの回転情報検出装置において、前記定常状態に状態遷移したときの臨界点の検出が、前記直流モータの起動時から前記周期成分波形の隣り合う2つが同一波高値となったときのそれら波形の中心点の検出として行われることを要旨とする。
上述のように、ろ波帯域可変フィルタを介して抽出される周期成分波形は、直流モータの回転域が定常回転域(定常状態)に達することで同一の波高値となる。このため、直流モータの起動時から周期成分波形の隣り合う2つが同一波高値となったことをもって直流モータが定常状態に状態遷移したものと推定することができる。したがって、上記構成によるように、これら同一波高値となった周期成分波形の中心点を定常状態に状態遷移したときの臨界点として検出することで、上記波高値推定の基準となる臨界点を容易に、しかも高い信頼性のもとに検出することができるようになる。なお、ここでいう同一波高値とは予め設定したある一定の閾値以内の波高値差も含むものとする。
請求項9に記載の発明は、請求項2に記載の直流モータの回転情報検出装置において、前記回転情報の検出対象とする過渡状態にある期間が前記直流モータの定常状態から停止に至るまでの期間であり、前記直流モータに対して停止指令が発せられたタイミングを定常状態から過渡状態への状態遷移に至る臨界点として前記周期成分波形の臨界点直後の2つの波形の波高値差に基づいて周期成分波形の当該過渡状態での波高値変化率を求め、この求めた波高値変化率のもとにそれ以降の周期成分波形の波高値を順次辿るかたちで推定しつつ前記臨界点からの周期成分波形の数を計数していき、前記臨界点から辿って推定した周期成分波形の波高値が前記直流モータの停止直前に計測した最大波高値を超えたときの前記周期成分波形の計数値を当該過渡状態にある期間内での周期成分波形の数として前記回転情報を検出することを要旨とする。
定常状態にある直流モータに停止指令が発せられてから停止に至るまでの間に着目すると、上記抽出される周期成分波形は、はじめは顕在化されて同一値となっている波高値が、一定の変化率のもとに徐々に大きくなり、直流モータの停止直前で最大波高値となる。そして、停止状態に近づくほど、この抽出される周期成分波形とともに各種ノイズ成分の波形もろ波されやすくなる。そこで、上記構成によるように、過渡状態における波高値変化率を算出する上で最も信頼性の高い領域、すなわち直流モータに対して停止指令が発せられたタイミング(臨界点)直後の領域での2つの周期成分波形の波高値差に基づいて波高値変化率を求め、この求めた変化率のもとにそれ以降の周期成分波形の波高値を順次辿るかたちで推定しつつ臨界点からの周期成分波形の数を計数していき、臨界点から辿って推定した周期成分波形の波高値が直流モータの停止直前に計測した波高値、すなわち最大波高値を超えたときの周期成分波形の計数値を直流モータに停止命令が発せられてから停止に至るまでに本来検出されるべき周期成分波形の数として推定することで、この直流モータの定常状態から停止に至るまでの過渡状態にある期間内での回転情報を高い信頼性のもとに検出することができるようになる。
請求項10に記載の発明は、請求項7〜9のいずれか一項に記載の直流モータの回転情報検出装置において、前記直流モータの回転方向と同モータに加わる負荷とに基づき前記
求めた周期成分波形の波高値変化率を補正することを要旨とする。
上記算出される波高値変化率も、直流モータの回転方向、及びその使用用途や温度環境に応じてモータに加わる負荷によって変化することが多い。この点、上記構成によるように、直流モータの回転状態に影響を与えるこれらの要因に基づき上記波高値変化率を補正するようにすれば、直流モータの回転方向及び同モータに加わる負荷が変動するような場合であれ、上記回転情報の検出精度をさらに高めることができるようになる。
請求項11に記載の発明は、請求項1〜10のいずれか一項に記載の直流モータの回転情報検出装置において、前記回転情報の検出対象として前記ろ波帯域可変フィルタを介して抽出される周期成分波形が前記直流モータの駆動信号のリップル波形であることを要旨とする。
前述のように、直流モータを流れる駆動信号に含まれるリップル波形は、同直流モータの回転数、及び回転子に設けられてブラシと摺動しながら接触して同回転子に電流を供給する整流子片(セグメント)の数に相関する。このため、このリップル波形を直流モータの駆動信号から上記ろ波帯域可変フィルタを介して抽出し、この抽出したリップル波形に基づいて直流モータの回転情報を検出することとすれば、直流モータの回転情報を高い信頼性のもとに検出することができるようになる。
(第1の実施の形態)
図1に、本発明にかかる直流モータの回転情報検出装置を具体化した第1の実施の形態についてその構成を示す。
この図1に示されるように、本実施の形態の回転情報検出装置は、駆動装置100を通じて駆動制御される直流モータ10に流れる電流のリップル成分を抽出してその回転情報を検出する装置200Aとして構成されている。
ここで、直流モータ10は、例えば前述したメモリシートシステムにあって、ユーザによる操作部110の操作に基づき適宜に回転駆動されてシート位置やシート姿勢等を調整するものである。また、その駆動を制御する駆動装置100は、操作部110をはじめ、この操作部110を通じた各種操作指令に基づいて上記モータ10の駆動態様を統括制御する駆動制御部120、この駆動制御部120から発せられる各種制御指令に応じて例えばPWM(パルス幅変調)によるモータ駆動信号を生成する駆動回路130を基本的に備えている。この駆動回路130からの駆動信号は、いわゆるHブリッジと称される正逆転回路140を構成する各トランジスタTr1,Tr2,Tr3,Tr4の制御端子に印加され、それらトランジスタTr1〜Tr4の選択的なオン/オフ動作を通じて直流モータ10の起動、反転、停止等を制御する。すなわち、同図1に例示した正逆転回路140の構成によれば、例えばトランジスタTr1及びTr4をオフ状態に維持し、トランジスタTr2及びTr3を選択的にオン(PWM駆動)状態とすることでモータ10は正転駆動(起動)される。また逆に、トランジスタTr2及びTr3をオフ状態に維持し、トランジスタTr1及びTr4を選択的にオン(PWM駆動)状態とすることでモータ10は逆転駆動(起動)される。そして、それらトランジスタTr1〜Tr4が全てオフ状態とされることでモータ10は停止状態となる。
さて、本実施の形態の回転情報検出装置200Aは、このような態様で駆動制御される直流モータ10の回転情報を検出すべく、例えば上記正逆転回路140と接地との間に設けられたシャント抵抗SRを介してその駆動電流を入力し、この電流に含まれるリップル成分を抽出してその回転情報を検出する以下のような回路群によって構成されている。
まず、駆動電流Iが入力されるリップル抽出部210は、先の図29に例示したようなフィルタ処理を通じて同電流に含まれるリップル成分を抽出しつつ、その特徴量を求める部分であり、バンドパスフィルタ211、A/D(アナログ/デジタル)変換器212、リップル処理部213、及びろ波帯域制御部214のループ回路からなる。
このうち、バンドパスフィルタ211は、例えばスイッチドキャパシタフィルタ等からなるろ波帯域可変型のバンドパスフィルタであり、このフィルタによりろ波された信号がA/D変換器212によってデジタル信号に変換される。そして、このデジタル信号に変換されたろ波信号がリップル処理部213に与えられ、このリップル処理部213を通じて、その都度のろ波信号に基づくリップル成分を特徴づける特徴量が抽出される。
図2は、このリップル処理部213による上記特徴量の抽出態様の一例を概念的に示したものである。リップル処理部213ではこの図2に示されるように、実際にはデジタル信号に変換されて入力されるろ波信号の立ち上がりから次の立ち上がりまでを1つの周期として、この周期内における極値である第1の立ち上がり点a、立ち下がり点b、第2の立ち上がり点cをそれぞれ特徴量として抽出する。そしてリップル処理部213では、この抽出した各極値a,b,cに関するデータをモータ状態判定部220、及びリップル数演算部230に出力するとともに、上記第1及び第2の立ち上がり点a,c間の周期Tに関する情報を同リップル抽出部210内のろ波帯域制御部214に与える。リップル抽出部210では、リップル処理部213からろ波帯域制御部214に対しこうしてリップルの周期Tに関する情報が与えられることにより、同ろ波帯域制御部214を通じてバンドパスフィルタ211のろ波帯域がリップル周期Tに応じて、すなわち上記直流モータ10の回転数に応じて先の図29(a)、(b)の態様で制御される。
また、上記抽出された各極値a,b,cに関するデータが入力されるモータ状態判定部220は、それら入力されるデータに基づいて直流モータ10の回転状態が定常状態に達したか否かを判定する部分であり、周期演算部221と定常状態判定及び臨界点設定部222とを備える構成となっている。
このうち、周期演算部221は、上記入力される各極値a,b,cに基づきリップルの周期演算を繰り返し、それら演算した周期時間Tをリップル数演算部230の周期メモリ232に順次格納しつつ、同モータ状態判定部220内の定常状態判定及び臨界点設定部222に出力する部分である。なおここでは便宜上、上記周期時間Tを、直流モータ10が起動されてから定常状態に至るまでに演算される周期時間Tsと、定常状態から停止に至るまでに演算される周期時間Teとに分けて表記する。また、定常状態判定及び臨界点設定部222は、こうして入力される周期時間Tのうち、特に直流モータ10が起動されてから定常状態に至るまでに演算される周期時間Tsを監視し、連続して入力される2つの周期時間Tsが同一時間(同一周期)となることに基づいてモータ状態が定常状態に達したと判定する部分である。そして、この定常状態判定及び臨界点設定部222では併せて、上記連続する2つのリップルが同一周期となったときの中心点を上記直流モータ10が起動状態から定常状態に状態遷移したときの臨界点として設定し、この設定した臨界点を示す情報Ptsをリップル数演算部230に対して出力する。なお、同一周期とはいえ、必ずしもこれを厳格に監視せずとも、上記連続して入力される2つの周期時間Tsのずれ量ΔTsに対して許容可能な閾値Tdを設け、「ΔTs≦Td」なる関係を満たすことをもって同一周期とみなすようにしてもよい。また、上記臨界点に関し、定常状態にある直流モータ10が停止に至るときには、上述の駆動装置100において、操作部110を通じて停止操作されたタイミングが定常状態から停止状態に状態遷移するときの臨界点となる。そしてこの場合、この臨界点を示す情報Pteは、上記駆動装置100を構成する駆動制御部120を介してリップル数演算部230に与えられることとなる。
また、これら臨界点を示す情報Pts,Pteをはじめ、上記リップル抽出部210からは極値a,b,cに関するデータが、また上記モータ状態判定部220からは周期時間Ts,Te等が入力されるリップル数演算部230は、直流モータ10の定常状態、並びに過渡状態におけるリップル数を演算してその回転情報を求める部分である。そしてこのリップル数演算部230は、過渡状態が継続される時間Twを計時するタイマ231aや内部メモリ231bを内蔵する演算部231をはじめ、上記周期時間Ts,Teが一時的に格納される周期メモリ232、過渡状態や定常状態でのリップル数の計数に用いられるカウンタ233,234を備える構成となっている。
このうち、演算部231は、上記周期メモリ232や過渡状態カウンタ233、定常状態カウンタ234を用いて、(イ)直流モータ10の起動から定常状態に至るまでの過渡状態、(ロ)定常状態、(ハ)定常状態から直流モータ10が停止に至るまでの過渡状態、の別にそれぞれ次のような処理を行うこととなる。
(イ)直流モータ10の起動から定常状態に至るまでの過渡状態(起動時過渡状態)
・駆動制御部120を介して起動指令があった旨を認識した後、上記モータ状態判定部220から臨界点を示す情報Ptsが与えられるまでの時間をリップル抽出部210からの極値a,b,cに関するデータの入力に基づきTwタイマ231aを用いて計測する。そして、この計測した時間を過渡状態継続時間Twsとして内部メモリ231bに一時的に記憶する。
・上記臨界点を示す情報Ptsに基づき、上記モータ状態判定部220内の周期演算部221にて演算されているリップル周期Tsのうちの臨界点直前の2つの周期Ts1,Ts2を周期メモリ232に一時的に格納する。そして、これら2つの周期Ts1,Ts2の周期差に基づいてリップル成分波形の当該過渡状態での周期変化率Rtsを求め、この求めた周期変化率Rtsについてもこれを内部メモリ231bに一時的に記憶する。
・上記求めた周期変化率Rtsのもとにそれ以前のリップル成分波形の周期を順次遡るかたちで推定しつつ、過渡状態カウンタ233を用いて上記臨界点からのリップル成分波形の数を計数していく。そして、臨界点から遡って推定したリップル成分波形の周期時間の合計値が上記内部メモリ231bに記憶した過渡状態継続時間Twsを超えたときの同リップル成分波形の計数値を当該過渡状態にある期間内でのリップル成分波形の数Nwsとして求め、必要に応じてこれを直流モータ10の回転数Nに変換して駆動制御部120にフィードバックする。
(ロ)定常状態
・リップル抽出部210から入力される極値a,b,cに関するデータに基づき、定常状態カウンタ234を用いてその数(リップル成分波形の数)Nwを計数する。これも、必要に応じて直流モータ10の回転数Nに変換して駆動制御部120にフィードバックする。
(ハ)定常状態から直流モータ10が停止に至るまでの過渡状態(停止時過渡状態)
・駆動制御部120を介して停止指令があった旨を認識したタイミングを定常状態から過渡状態への状態遷移に至る臨界点(情報Pte)と認識して、このタイミングから直流モータ10が停止に至るまでの時間をリップル抽出部210からの極値a,b,cに関するデータの入力に基づきTwタイマ231aを用いて計測する。すなわちこの場合、上記極値a,b,cに関するデータの入力が途絶えたことをもって直流モータ10が停止したと判断する。そして、この計測した時間を過渡状態継続時間Tweとして内部メモリ231bに一時的に記憶する。
・上記モータ状態判定部220内の周期演算部221にて演算されるリップル周期Teのうちの臨界点直前の2つの周期Te1,Te2を周期メモリ232に一時的に格納しておき、上記直流モータ10の停止が確認されたところで、これら2つの周期Te1,Te2の周期差に基づいてリップル成分波形の当該過渡状態での周期変化率Rteを求める。そして、この求めた周期変化率Rteについてもこれを内部メモリ231bに一時的に記憶する。
・上記求めた周期変化率Rteのもとにそれ以降のリップル成分波形の周期を順次辿るかたちで推定しつつ、過渡状態カウンタ233を用いて上記臨界点からのリップル成分波形の数を計数していく。そして、臨界点から辿って推定したリップル成分波形の周期時間の合計値が上記内部メモリ231bに記憶した過渡状態継続時間Tweを超えたときの同リップル成分波形の計数値を当該過渡状態にある期間内でのリップル成分波形の数Nweとして求め、必要に応じてこれを直流モータ10の回転数Nに変換して駆動制御部120にフィードバックする。
図3は、このようにして駆動、あるいは回転情報が検出される直流モータ10についてその状態遷移の一例を示したものである。
この図3に示されるように、停止状態にあるとする直流モータ10が上述した起動指令のもとに起動されると、上記起動時過渡状態を経て定常状態に至る。また、定常状態にあるとする直流モータ10が上述した停止指令のもとに停止するときには、上記停止時過渡状態を経て停止状態に至る。なおこのとき、起動時過渡状態から定常状態に遷移する条件は、上述のように「ΔTs=0(連続して入力される2つのリップルが同一周期)」のとき、もしくは「ΔTs≦Td(連続して入力される2つのリップルの周期(時間)Tsのずれ量ΔTsが許容可能な閾値Td以下)」のときである。また、停止時過渡状態から停止状態に遷移する条件は「I=0」、すなわち駆動電流Iが「0」となって上記リップル抽出部210からの極値a,b,cに関するデータの出力が途絶えるときである。
以下、上記回転情報検出装置200Aによる回転情報検出態様の一例として、主に上記起動時過渡状態と停止時過渡状態とにおけるリップル数の検出態様についてそれぞれ詳述する。
まず、図4〜図8を参照して、直流モータ10の起動時過渡状態におけるリップル数、ひいては回転数の検出態様について説明する。
この起動時過渡状態にあって、直流モータ10の起動時から定常状態に状態遷移する際にバンドパスフィルタ211を介して得られる電流波形は前述のように、また図4(a)に示されるように、直流モータ10の回転数の変化にバンドパスフィルタ211のろ波帯域が追従しきれずに、リップル成分とともに各種ノイズ成分が含まれたものとなる。ただしこの間、直流モータ10の回転数が一定の変化率のもとに変化するとすれば、この回転数の変化に追従して得られるリップル成分の周期変化も一定の変化率を持つものと考えられる。すなわち図4(b)に示すように、直流モータ10の起動時から定常状態に状態遷移するまでの間、リップル成分は一定の周期変化率Rtsをもって、徐々にその周期が短くなり、かつ顕在化される。そして、図4(a)にC領域として示すように、定常状態Tfに至る臨界点Ptsを境に、その周期Ts1,Ts0が上記「ΔTs=0」、もしくは「ΔTs≦Td」の条件を満たすようになる。このため、上記臨界点Ptsの直前の2つの周期Ts1,Ts2の周期差に基づけば、リップル成分の当該過渡状態での周期変化率、すなわち図4(b)に示す周期変化率Rtsを求めることができるようになる。
図5は、このような前提のもとに回転情報検出装置200Aのリップル数演算部230を構成する演算部231を通じて実行される処理、すなわち上記(イ)として示した起動
時過渡状態での回転情報検出処理の詳細をフローチャートとして示したものである。
この図5に示されるように、同処理は、先の駆動制御部120を介して直流モータ10に対する起動指令があった旨が伝達されることをもって開始される(ステップS1101)。そして、こうして起動指令があると、内蔵するTwタイマ231aの値を「0」にリセットした後(ステップS1102)、上記臨界点(情報)Ptsが設定されるまで、すなわちモータ状態判定部220を通じて直流モータ10の回転が定常状態となったことが判定されるまで、Twタイマ231aによる計時(インクリメント)を繰り返す(ステップS1103,S1104)。
その後、モータ状態判定部220を通じて直流モータ10の回転数が定常状態となったことが判定されると、Twタイマ231aによるそのときの計時情報を上記過渡状態継続時間Twsとして内部メモリ231bに記憶する(ステップS1103,S1105)。そして、上記設定された臨界点Ptsに基づき、モータ状態判定部220内の周期演算部221にて演算されているリップル周期Tsのうちの臨界点直前の2つの周期Ts1,Ts2を周期メモリ232に格納保持し、内部メモリ231b内の記憶領域の一部に初期化として次の情報をセットする(ステップS1106)。
Ts3=Ts2 …(1)
Ts=Ts1+Ts2 …(2)
Nws=2 …(3)
ここで、上記式(1)は、代数値としてのリップル周期Ts3に上記臨界点から2つ前のリップル周期Ts2の値を代入することを意味し、上記式(2)は、総リップル周期Tsの初期値を上記臨界点の直前の2つの周期Ts1,Ts2の和とすることを意味する。そして、上記式(3)は、当該過渡状態での求めるべきリップル数Nwsの初期値をこれら2つのリップル成分の数である「2」とすることを意味する。
こうして初期化を終えると、次に、上記2つの周期Ts1,Ts2の周期差に基づいてリップル成分波形の当該過渡状態での周期変化率Rtsを次式(4)によって求める(ステップS1107)。
Rts=(Ts2−Ts1)/Ts1 …(4)
そして、この求めた周期変化率Rtsについてもこれを内部メモリ231bに一時的に記憶する。
こうして周期変化率Rtsを求めた後は、推定されるリップル周期Ts4を、上記代数化したリップル周期Ts3をもとに、
Ts4=Rts×Ts3+Ts3 …(5)
として求めるとともに(ステップS1108)、そのときの総リップル時間Tsを、この推定したリップル周期Ts4をもとに、
Ts=Ts+Ts4 …(6)
として算出する(ステップS1109)。なお、これらリップル周期Ts4の推定や、総リップル時間Tsの算出態様については、図6の特にD領域での処理態様として例示している通りである。そしてこれらの処理は、上記算出される総リップル時間Tsが上記計時(計測)されて内部メモリ231bに保持されている過渡状態継続時間Tws以上となるまで、過渡状態カウンタ233によるリップル数Nwsのカウントアップ、及び推定したリップル周期Ts4による周期Ts3の更新とともに繰り返される(ステップS1110,S1111)。また、こうした処理が繰り返されることにより、図7にE領域として示す態様で、臨界点以前のリップル成分波形の周期が順次遡るかたちで推定されるとともにその総リップル時間Tsが累積され、かつ、過渡状態カウンタ233を通じて上記臨界点
からのリップル成分波形の数が計数されていく。
こうした処理を経て、上記累積された総リップル時間Ts、すなわち臨界点から遡って推定したリップル成分波形の周期時間の合計値が上記過渡状態継続時間Tws以上となると、過渡状態カウンタ233によるリップル数Nwsの計数値が「+1」だけ調整されて、当該過渡状態でのリップル数が確定される(ステップS1112,S1113)。すなわち、図8にF領域として例示する態様で、上記バンドパスフィルタ211のろ波帯域が適正に追従していれば本来検出されるであろうリップル成分波形の数が推定される。その後は必要に応じて、この確定したリップル数Nwsに基づく回転数Nへの変換演算が行われ、その変換された回転数Nが駆動制御部120にフィードバックされる(ステップS1114)。なお、この演算部231では上記リップル数Nwsの推定のみを行い、駆動制御部120側で上記フィードバックされるリップル数Nwsに基づき回転数Nへの変換演算を行うようにしてもよい。直流モータではその回転数Nとリップル数Nwsとが相関関係にあることは前述の通りであり、モータ仕様によるものの、モータの1回転につき、例えば12個とか20個とかのリップルが発せられる。
次に、図9〜図13を参照して、直流モータ10の停止時過渡状態におけるリップル数、ひいては回転数の検出態様について説明する。
この停止時過渡状態にあっても、直流モータ10の定常状態から停止状態に状態遷移する際にバンドパスフィルタ211を介して得られる電流波形は、図9(a)に示されるように、直流モータ10の回転数の変化にバンドパスフィルタ211のろ波帯域が追従しきれずに、リップル成分とともに各種ノイズ成分が含まれたものとなる。ただしこの間も、直流モータ10の回転数が一定の変化率のもとに変化するとすれば、この回転数の変化に追従して得られるリップル成分の周期変化も一定の変化率を持つものと考えられる。すなわち図9(a)、(b)に示すように、直流モータ10の定常状態から停止状態に状態遷移するまでの間、はじめ顕在化されているリップル成分は、一定の周期変化率Rteをもって徐々にその周期が長くなり、かつノイズ成分も混入しやすくなる。そこでこの場合には、図9(a)にG領域として示すように、定常状態Tfからの臨界点Pteを境に変化するリップル周期のうち、上記臨界点Pteの直後の2つの周期Te1,Te2の周期差に基づけば、リップル成分の当該過渡状態での周期変化率、すなわち図9(b)に示す周期変化率Rteを求めることができるようになる。
図10は、このような前提のもとに回転情報検出装置200Aのリップル数演算部230を構成する演算部231を通じて実行される処理、すなわち上記(ハ)として示した停止時過渡状態での回転情報検出処理の詳細をフローチャートとして示したものである。
この図10に示されるように、同処理は、先の駆動制御部120を介して直流モータ10に対する停止指令があった旨が伝達されることをもって開始される(ステップS1201)。そして、こうして停止指令があると、そのタイミングをもって上記臨界点に関する情報Pteを取得する(ステップS1202)。また併せて、モータ状態判定部220内の周期演算部221にて演算されているリップル周期Teのうち、臨界点直後の2つの周期Te1,Te2を周期メモリ232に格納保持しつつ、内部メモリ231b内の記憶領域の一部に初期化として次の情報をセットする(ステップS1203)。
Twe=0 …(7)
Te3=Te2 …(8)
Te=Te1+Te2 …(9)
Nwe=2 …(10)
ここで、上記式(7)は、内蔵するTwタイマ231aの値を「0」にリセットすることを意味し、上記式(8)は、代数値としてのリップル周期Te3に上記臨界点から2つ
後のリップル周期Te2の値を代入することを意味する。また、上記式(9)は、モータ停止までの総リップル周期Teの初期値を上記臨界点の直後の2つの周期Te1,Te2の和とすることを意味し、上記式(10)は、当該過渡状態での求めるべきリップル数Nweの初期値をこれら2つのリップル成分の数である「2」とすることを意味する。
一方、こうした初期化に併せて、直流モータ10が停止されるまで、すなわちリップル抽出部210からの上記極値a,b,cに関するデータの入力が途絶えるまで、上記リセットしたTwタイマ231aによる計時(インクリメント)を繰り返す(ステップS1204,S1205)。そして、直流モータ10が停止状態となったことが判定されると、Twタイマ231aによるそのときの計時情報を上記過渡状態継続時間Tweとして内部メモリ231bに記憶する(ステップS1204,S1206)。
こうして過渡状態継続時間Tweの計時(計測)、記憶保持を終えると、次に、周期メモリ232に格納保持している上記2つの周期Te1,Te2の周期差に基づいてリップル成分波形の当該過渡状態での周期変化率Rteを次式(11)によって求める(ステップS1207)。
Rte=(Te2−Te1)/Te1 …(11)
そして、この求めた周期変化率Rteについてもこれを内部メモリ231bに一時的に記憶する。
こうして周期変化率Rteを求めた後は、推定されるリップル周期Te4を、上記代数化したリップル周期Te3をもとに、
Te4=Rte×Te3+Te3 …(12)
として求めるとともに(ステップS1208)、そのときの総リップル時間Teを、この推定したリップル周期Te4をもとに、
Te=Te+Te4 …(13)
として算出する(ステップS1209)。なお、これらリップル周期Te4の推定や、総リップル時間Teの算出態様については、図11の特にH領域での処理態様として例示している通りである。そしてこれらの処理は、上記算出される総リップル時間Teが上記計時(計測)されて内部メモリ231bに保持されている過渡状態継続時間Twe以上となるまで、過渡状態カウンタ233によるリップル数Nweのカウントアップ、及び推定したリップル周期Te4による周期Te3の更新とともに繰り返される(ステップS1210,S1211))。また、こうした処理が繰り返されることにより、図12にI領域として示す態様で、臨界点以降のリップル成分波形の周期が順次辿るかたちで推定されるとともにその総リップル時間Teが累積され、かつ、過渡状態カウンタ233を通じて上記臨界点からのリップル成分波形の数が計数されていく。
こうした処理を経て、上記累積された総リップル時間Te、すなわち臨界点から辿って推定したリップル成分波形の周期時間の合計値が上記過渡状態継続時間Twe以上となると、過渡状態カウンタ233によるリップル数Nweの計数値が「+1」だけ調整されて、当該過渡状態でのリップル数が確定される(ステップS1212,S1213)。すなわち、図13にJ領域として例示する態様で、上記バンドパスフィルタ211のろ波帯域が適正に追従していれば本来検出されるであろうリップル成分波形の数が推定される。そしてその後は、これも必要に応じて、この確定したリップル数Nweに基づく回転数Nへの変換演算が行われ、その変換された回転数Nが駆動制御部120にフィードバックされる(ステップS1214)。なおここでも、演算部231では上記リップル数Nweの推定のみを行い、駆動制御部120側で上記フィードバックされるリップル数Nweに基づき回転数Nへの変換演算を行うようにしてもよい。
以上説明したように、本実施の形態にかかる直流モータの回転情報検出装置によれば、以下のような効果が得られるようになる。
(1)直流モータ10の起動から定常状態に至るまで、あるいは定常状態から停止に至るまでの回転数が変動する過渡状態にある期間の回転情報の検出に際し、直流モータ10のそれら定常状態との間での状態遷移にかかる臨界点から過渡状態側への顕在化された2つのリップル成分波形から周期変化率(Rts,Rte)を求めることとした。そして、それら過渡状態にある時間を過渡状態継続時間として計測し、同求めた周期変化率が維持されるものとして、臨界点から過渡状態側に順次遡る、もしくは順次辿るかたちでそれらリップル成分波形の周期を推定しつつその時間累積値が各々過渡状態継続時間以上となるまでリップル成分波形を計数してその数を推定、検出することとした。これにより、複雑な波形処理回路等を用いずとも、回転数が変動する過渡状態にある期間の回転情報を容易に、しかも高い信頼性のもとに検出することができるようになる。
(2)上記周期変化率(Rts,Rte)を上記臨界点から過渡状態側への顕在化された2つのリップル成分波形に基づいて求めることとした。このため、その算出が容易であるとともに、臨界点から過渡状態側に順次遡る、もしくは順次辿るかたちでのそれらリップル成分波形の周期の推定も容易である。
(3)特に直流モータ10の起動時には、デジタル変換したろ波信号の極値a,b,c(図2)から得られる周期情報を演算してリップル成分波形の周期を求めるようにした。そして、連続する2つのリップル成分波形の周期のずれ量をΔTsとするとき、過渡状態から定常状態に遷移する条件を、「ΔTs=0(2つのリップルが同一周期)」のとき、もしくは「ΔTs≦Td(2つのリップルの周期Tsのずれ量ΔTsが許容可能な閾値Td以下)」のときに定めるようにした。このため、直流モータ10の定常状態への遷移を容易に、しかも高精度に判定することができるようになる。
(4)ろ波帯域可変フィルタであるバンドパスフィルタ211を介して抽出される周期成分波形を直流モータ10の駆動電流のリップル成分波形とし、このリップル成分波形に基づいて直流モータ10の回転情報を検出することとした。このようなリップル成分波形は、同直流モータ10の回転数、及び回転子に設けられてブラシと摺動しながら接触して同回転子に電流を供給する整流子片(セグメント)の数に相関するため、直流モータ10の回転情報を高い信頼性のもとに検出することができるようになる。
(第2の実施の形態)
次に、本発明にかかる直流モータの回転情報検出装置の第2の実施の形態について先の第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
先の第1の実施の形態では、直流モータの駆動電流波形に含まれるリップル成分の周期情報に基づいてその回転情報を検出することとしたが、この第2の実施の形態では、同じく駆動電流波形に含まれるリップル成分のうちの各波高値、すなわち各ピーク電流の値に基づいてその回転情報を検出するようにしている。
すなわち図14に示すように、本実施の形態の回転情報検出装置は、駆動装置100を通じて駆動制御される直流モータ10に流れる電流のリップル成分を抽出した後、その波高値からモータ状態を判定するモータ状態判定部240及び波高値に基づいてリップル数を演算するリップル数演算部250を備える装置200Bとして構成されている。
まず、モータ状態判定部240は、先のリップル抽出部210を通じて抽出された上記各極値a,b,c(図2)に関するデータに基づいて直流モータ10の回転状態が定常状態に達したか否かを判定する部分であり、波高値演算部241と定常状態判定及び臨界点
設定部242とを備える構成となっている。
このうち、波高値演算部241は、上記入力される各極値a,b,cのうちの特に極値bに基づきリップルの波高値演算を繰り返し、それら演算した波高値Aをリップル数演算部250の波高値メモリ252に順次格納しつつ、同モータ状態判定部240内の定常状態判定及び臨界点設定部242に出力する部分である。なおここでも便宜上、上記波高値Aを、直流モータ10が起動されてから定常状態に至るまでに演算される波高値Asと、定常状態から停止に至るまでに演算される波高値Aeとに分けて表記する。また、定常状態判定及び臨界点設定部242は、こうして入力される波高値Aのうち、特に直流モータ10が起動されてから定常状態に至るまでに演算される波高値Asを監視し、連続して入力される2つの波高値Asが同一波高値となることに基づいてモータ状態が定常状態に達したと判定する部分である。そして、この定常状態判定及び臨界点設定部242では併せて、上記連続する2つのリップルが同一波高値となったときの中心点を上記直流モータ10が起動状態から定常状態に状態遷移したときの臨界点として設定し、この設定した臨界点を示す情報Pisをリップル数演算部250に対して出力する。なお、同一波高値とはいえ、必ずしもこれを厳格に監視せずとも、上記連続して入力される2つの波高値Asのずれ量ΔAsに対して許容可能な閾値Adを設け、「ΔAs≦Ad」なる関係を満たすことをもって同一波高値とみなすようにしてもよい。また、上記臨界点に関し、定常状態にある直流モータ10が停止に至るときには、駆動装置100において、操作部110を通じて停止操作されたタイミングが定常状態から停止状態に状態遷移するときの臨界点となることは前述と同様である。そしてこの場合、この臨界点を示す情報Pieは、上記駆動装置100を構成する駆動制御部120を介してリップル数演算部250に与えられることとなる。
また、これら臨界点を示す情報Pis,Pieをはじめ、上記リップル抽出部210からは極値a,b,cに関するデータが、また上記モータ状態判定部240からは波高値As,Ae等が入力されるリップル数演算部250も、直流モータ10の定常状態、並びに過渡状態におけるリップル数を演算してその回転情報を求める部分である。そしてこのリップル数演算部250は、最大波高値Awを記憶するメモリ(Awメモリ)251aや内部メモリ251bを内蔵する演算部251をはじめ、上記演算された波高値As,Aeが一時的に格納される波高値メモリ252、過渡状態や定常状態でのリップル数の計数に用いられるカウンタ253,254を備える構成となっている。
このうち、演算部251は、上記波高値メモリ252や過渡状態カウンタ253、定常状態カウンタ254を用いて、(ニ)直流モータ10の起動から定常状態に至るまでの過渡状態、(ホ)定常状態、(ヘ)定常状態から直流モータ10が停止に至るまでの過渡状態、の別にそれぞれ次のような処理を行うこととなる。
(ニ)直流モータ10の起動から定常状態に至るまでの過渡状態(起動時過渡状態)
・駆動制御部120を介して起動指令があった旨を認識した後、その直後にリップル抽出部210から与えられる極値bに基づき最大波高値Awsを計測し、この計測した最大波高値Awsに関する情報をAwメモリ251aに一時的に記憶する。なお本実施の形態において、この最大波高値Awsについては、図15に例示するように、ノイズ等の影響のない範囲で直流モータ10に流れ得る上限値Amaxを実験等を通じて予め求めておき、上記計測値Awsとこの上限値Amaxとのいずれか小さい方、すなわち次式(14)にて求められる値を上記記憶する最大波高値とする。
Aws=min(Aws,Amax) …(14)
・上記臨界点を示す情報Pisに基づき、上記モータ状態判定部240内の波高値演算部241にて演算されている波高値Asのうちの臨界点直前の2つの波高値As1,As
2を波高値メモリ252に一時的に格納する。そして、これら2つの波高値As1,As2の波高値差に基づいてリップル成分波形の当該過渡状態での波高値変化率Risを求め、この求めた波高値変化率Risを内部メモリ251bに一時的に記憶する。
・上記求めた波高値変化率Risのもとにそれ以前のリップル成分波形の波高値を順次遡るかたちで推定しつつ、過渡状態カウンタ253を用いて上記臨界点からのリップル成分波形の数を計数していく。そして、臨界点から遡って推定したリップル成分波形の波高値が上記Awメモリ251aに記憶した最大波高値Awsを超えたときの同リップル成分波形の計数値を当該過渡状態にある期間内でのリップル成分波形の数Nwsとして求め、必要に応じてこれを直流モータ10の回転数Nに変換して駆動制御部120にフィードバックする。
(ホ)定常状態
・リップル抽出部210から入力される極値a,b,cに関するデータに基づき、定常状態カウンタ254を用いてその数(リップル成分波形の数)Nwを計数する。これも、必要に応じて直流モータ10の回転数Nに変換して駆動制御部120にフィードバックする。
(ヘ)定常状態から直流モータ10が停止に至るまでの過渡状態(停止時過渡状態)
・駆動制御部120を介して停止指令があった旨を認識したタイミングを定常状態から過渡状態への状態遷移に至る臨界点(情報Pie)と認識して、その直後の2つの波高値Ae1,Ae2を波高値メモリ252に一時的に格納する。そして、リップル抽出部210からの極値a,b,cに関するデータの入力が途絶えたことをもって直流モータ10が停止したと判断するとともに、この停止直前の極値bに基づき最大波高値Aweを計測し、この計測した最大波高値Aweに関する情報をAwメモリ251aに一時的に記憶する。なお、この最大波高値Aweについても、先の起動時の最大波高値Awsと同様、次式(15)にて求められる値を上記記憶する最大波高値とする。
Awe=min(Awe,Amax) …(15)
・上記波高値メモリ252に格納保持している臨界点直後の2つの波高値Ae1,Ae2の波高値差に基づいてリップル成分波形の当該過渡状態での波高値変化率Rieを求め、この求めた波高値変化率Rieを内部メモリ251bに一時的に記憶する。
・上記求めた波高値変化率Rieのもとにそれ以降のリップル成分波形の波高値を順次辿るかたちで推定しつつ、過渡状態カウンタ253を用いて上記臨界点からのリップル成分波形の数を計数していく。そして、臨界点から辿って推定したリップル成分波形の波高値が上記Awメモリ251aに記憶した最大波高値Aweを超えたときの同リップル成分波形の計数値を当該過渡状態にある期間内でのリップル成分波形の数Nweとして求め、必要に応じてこれを直流モータ10の回転数Nに変換して駆動制御部120にフィードバックする。
以下、上記回転情報検出装置200Bによる回転情報検出態様の一例として、ここでも主に上記起動時過渡状態と停止時過渡状態とにおけるリップル数の検出態様についてそれぞれ詳述する。
まず、図16〜図19を参照して、直流モータ10の起動時過渡状態におけるリップル数、ひいては回転数の検出態様について説明する。
この起動時過渡状態にあって、直流モータ10の起動時から定常状態に状態遷移する際にバンドパスフィルタ211を介して得られる電流波形が、図16(a)に示されるように、直流モータ10の回転数の変化にバンドパスフィルタ211のろ波帯域が追従しきれ
ずに、リップル成分とともに各種ノイズ成分が含まれたものとなることは前述の通りである。ただしこの間、直流モータ10の回転数が一定の変化率のもとに変化するとすれば、この回転数の変化に追従して得られるリップル成分の波高値(ピーク電流値)変化も一定の変化率を持つものと考えられる。すなわち図16(b)に示すように、直流モータ10の起動時から定常状態に状態遷移するまでの間、リップル成分は一定の波高値変化率Risをもって、徐々にその波高値が小さくなり、かつ顕在化される。そして、図16(a)にK領域として示すように、定常状態Tfに至る臨界点Pisを境に、その波高値As1,As0が上記「ΔAs=0」、もしくは「ΔAs≦Ad」の条件を満たすようになる。このため、上記臨界点Pisの直前の2つの波高値As1,As2の波高値差に基づけば、リップル成分の当該過渡状態での波高値変化率、すなわち図16(b)に示す波高値変化率Risを求めることができるようになる。
図17は、このような前提のもとに回転情報検出装置200Bのリップル数演算部250を構成する演算部251を通じて実行される処理、すなわち上記(ニ)として示した起動時過渡状態での回転情報検出処理の詳細をフローチャートとして示したものである。
この図17に示されるように、同処理は、先の駆動制御部120を介して直流モータ10に対する起動指令があった旨が伝達されることをもって開始される(ステップS2101)。そして、こうして起動指令があると、その直後にリップル抽出部210から与えられる極値bに基づき最大波高値Awsを計測し、この計測した最大波高値Awsと先の図15に例示した上限値Amaxとに基づき上記式(14)を通じて求められる値を最大波高値AwsとしてAwメモリ251aに一時的に記憶する(ステップS2102)。
その後、モータ状態判定部240を通じて直流モータ10の回転が定常状態となったことが判定され、上記臨界点(情報)Pisが設定されるまで待機状態となる(ステップS2103)。そして、臨界点Pisが設定されると、この設定された臨界点Pisに基づき、モータ状態判定部240内の波高値演算部241にて演算されている波高値Asのうちの臨界点直前の2つの波高値As1,As2を波高値メモリ252に格納保持し、内部メモリ251b内の記憶領域の一部に初期化として次の情報をセットする(ステップS2104)。
As3=As2 …(16)
Nws=2 …(17)
ここで、上記式(16)は、代数値としての波高値As3に上記臨界点から2つ前の波高値As2の値を代入することを意味し、上記式(17)は、当該過渡状態での求めるべきリップル数Nwsの初期値を上記臨界点直前のリップル成分の数である「2」とすることを意味する。
こうして初期化を終えると、次に、上記2つの波高値As1,As2の波高値差に基づいてリップル成分波形の当該過渡状態での波高値変化率Risを次式(18)によって求める(ステップS2105)。
Ris=(As2−As1)/As1 …(18)
そして、この求めた波高値変化率Risについてもこれを内部メモリ251bに一時的に記憶する。
こうして波高値変化率Risを求めた後は、推定される波高値As4を、上記代数化した波高値As3をもとに、
As4=Ris×As3+As3 …(19)
として求める(ステップS2106)。なお、これら波高値As4の推定態様については
、図18の特にL領域での処理態様として例示している通りである。そしてこれらの処理は、上記算出される波高値As4が上記Awメモリ251aに保持されている最大波高値Aws以上となるまで、過渡状態カウンタ253によるリップル数Nwsのカウントアップ、及び推定した波高値As4による波高値As3の更新とともに繰り返される(ステップS2107,S2108)。また、こうした処理が繰り返されることにより、図19に示す態様で、臨界点以前のリップル成分波形の波高値が順次遡るかたちで推定されるとともに、過渡状態カウンタ253を通じて上記臨界点からのリップル成分波形の数が計数されていく。
こうした処理を経て、上記推定される波高値As4、すなわち臨界点から遡って推定したリップル成分波形の波高値が上記最大波高値Aws以上となると、過渡状態カウンタ253によるリップル数Nwsの計数値が「+1」だけ調整されて、当該過渡状態でのリップル数が確定される(ステップS2109,S2110)。すなわち、図19に例示する態様で、上記バンドパスフィルタ211のろ波帯域が適正に追従していれば本来検出されるであろうリップル成分波形の数が推定される。その後は必要に応じて、この確定したリップル数Nwsに基づく回転数Nへの変換演算が行われ、その変換された回転数Nが駆動制御部120にフィードバックされる(ステップS2111)。なお、この演算部251でも上記リップル数Nwsの推定のみを行い、駆動制御部120側で上記フィードバックされるリップル数Nwsに基づき回転数Nへの変換演算を行うようにしてもよい。
次に、図20〜図23を参照して、直流モータ10の停止時過渡状態におけるリップル数、ひいては回転数の検出態様について説明する。
この停止時過渡状態にあっても、直流モータ10の定常状態から停止状態に状態遷移する際にバンドパスフィルタ211を介して得られる電流波形が、図20(a)に示されるように、直流モータ10の回転数の変化にバンドパスフィルタ211のろ波帯域が追従しきれずに、リップル成分とともに各種ノイズ成分が含まれたものとなることは前述した。そしてこの間も、直流モータ10の回転数が一定の変化率のもとに変化するとすれば、この回転数の変化に追従して得られるリップル成分の波高値(ピーク電流)変化は一定の変化率を持つものと考えられる。すなわち図20(a)、(b)に示すように、直流モータ10の定常状態から停止状態に状態遷移するまでの間、はじめ顕在化されているリップル成分は、一定の波高値変化率Rieをもって徐々にその波高値が大きくなり、かつノイズ成分も混入しやすくなる。そこでこの場合には、図20(a)にM領域として示すように、定常状態Tfからの臨界点Pieを境に変化する波高値のうち、上記臨界点Pieの直後の2つの波高値Ae1,Ae2の波高値差に基づけば、リップル成分の当該過渡状態での波高値変化率、すなわち図20(b)に示す波高値変化率Rieを求めることができるようになる。
図21は、このような前提のもとに回転情報検出装置200Bのリップル数演算部250を構成する演算部251を通じて実行される処理、すなわち上記(ヘ)として示した停止時過渡状態での回転情報検出処理の詳細をフローチャートとして示したものである。
この図21に示されるように、同処理は、先の駆動制御部120を介して直流モータ10に対する停止指令があった旨が伝達されることをもって開始される(ステップS2201)。そして、こうして停止指令があると、そのタイミングをもって上記臨界点に関する情報Pieを取得する(ステップS2202)。また併せて、モータ状態判定部240内の波高値演算部241にて演算されている波高値Aeのうち、臨界点直後の2つの波高値Ae1,Ae2を波高値メモリ252に格納保持しつつ、内部メモリ251b内の記憶領域の一部に初期化として次の情報をセットする(ステップS2203)。
Ae3=Ae2 …(20)
Nwe=2 …(21)
ここで、上記式(20)は、代数値としての波高値Ae3に上記臨界点から2つ後の波高値Ae2の値を代入することを意味し、上記式(21)は、当該過渡状態での求めるべきリップル数Nweの初期値を上記臨界点直後のリップル成分の数である「2」とすることを意味する。
そして、リップル抽出部210からの上記極値a,b,cに関するデータの入力が途絶えたことにより直流モータ10が停止状態となったことが判定されると、この停止直前の極値bに基づき最大波高値Aweを計測し、この計測した最大波高値Aweと先の図15に例示した上限値Amaxに基づき上記式(15)を通じて求められる値を最大波高値AweとしてAwメモリ251aに一時的に記憶する(ステップS2204,S2205)。
こうして最大波高値Aweの計測、記憶保持を終えると、次に、波高値メモリ252に格納保持している上記2つの波高値Ae1,Ae2の波高値差に基づいてリップル成分波形の当該過渡状態での波高値変化率Rieを次式(22)によって求める(ステップS2206)。
Rie=(Ae2−Ae1)/Ae1 …(22)
そして、この求めた波高値変化率Rieについてもこれを内部メモリ251bに一時的に記憶する。
こうして波高値変化率Rieを求めた後は、推定される波高値Ae4を、上記代数化した波高値Ae3をもとに、
Ae4=Rie×Ae3+Ae3 …(23)
として求める(ステップS2207)。なお、この波高値Ae4の推定態様については、図22の特にN領域での処理態様として例示している通りである。そしてこの処理は、上記算出される波高値Ae4が上記取得されて内部メモリ251bに保持されている最大波高値Awe以上となるまで、過渡状態カウンタ253によるリップル数Nweのカウントアップ、及び推定した波高値Ae4による波高値Ae3の更新とともに繰り返される(ステップS2208,S2209)。また、こうした処理が繰り返されることにより、図23に示す態様で、臨界点以降のリップル成分波形の波高値が順次辿るかたちで推定されるとともに、過渡状態カウンタ253を通じて上記臨界点からのリップル成分波形の数が計数されていく。
こうした処理を経て、上記推定される波高値Ae4、すなわち臨界点から辿って推定したリップル成分波形の波高値が上記最大波高値Awe以上となると、過渡状態カウンタ253によるリップル数Nweの計数値が「+1」だけ調整されて、当該過渡状態でのリップル数が確定される(ステップS2210,S2211)。すなわち、図23に例示する態様で、上記バンドパスフィルタ211のろ波帯域が適正に追従していれば本来検出されるであろうリップル成分波形の数が推定される。その後は必要に応じて、この確定したリップル数Nweに基づく回転数Nへの変換演算が行われ、その変換された回転数Nが駆動制御部120にフィードバックされる(ステップS2212)。なおここでも、この演算部251では上記リップル数Nweの推定のみを行い、駆動制御部120側で上記フィードバックされるリップル数Nweに基づき回転数Nへの変換演算を行うようにしてもよい。
以上説明したように、この第2の実施の形態にかかる直流モータの回転情報検出装置によれば、以下のような効果が得られるようになる。
(1)直流モータ10の起動から定常状態に至るまで、あるいは定常状態から停止に至
るまでの回転数が変動する過渡状態にある期間の回転情報の検出に際し、直流モータ10のそれら定常状態との間での状態遷移にかかる臨界点から過渡状態側への顕在化された2つのリップル成分波形から波高値変化率(Ris,Rie)を求めることとした。そして、直流モータの起動直後あるいは停止直前におけるリップル成分波形の波高値を最大波高値として計測し、同求めた波高値変化率が維持されるものとして、臨界点から過渡状態側に順次遡る、もしくは順次辿るかたちでそれらリップル成分波形の波高値を推定しつつその推定値が最大波高値以上となるまでリップル成分波形を計数してその数を推定、検出することとした。これにより、複雑な波形処理回路等を用いずとも、回転数が変動する過渡状態にある期間の回転情報を容易に、しかも高い信頼性のもとに検出することができるようになる。
(2)上記波高値変化率(Ris,Rie)を上記臨界点から過渡状態側への顕在化された2つのリップル成分波形に基づいて求めることとした。このため、その算出が容易であるとともに、臨界点から過渡状態側に順次遡る、もしくは順次辿るかたちでのそれらリップル成分波形の波高値の推定も容易である。
(3)特に直流モータ10の起動時には、デジタル変換したろ波信号の極値a,b,c(図2)から得られる波高値情報を演算してリップル成分波形の波高値を求めるようにした。そして、連続する2つのリップル成分波形の波高値のずれ量をΔAsとするとき、過渡状態から定常状態に遷移する条件を、「ΔAs=0(2つのリップルが同一波高値)」のとき、もしくは「ΔAs≦Ad(2つのリップルの波高値Asのずれ量ΔAsが許容可能な閾値Ad以下)」のときに定めるようにした。このため、直流モータ10の定常状態への遷移を容易に、しかも高精度に判定することができるようになる。
(4)ろ波帯域可変フィルタであるバンドパスフィルタ211を介して抽出される周期成分波形を直流モータ10の駆動電流のリップル成分波形とし、このリップル成分波形に基づいて直流モータ10の回転情報を検出することとした。このようなリップル成分波形は、同直流モータ10の回転数、及び回転子に設けられてブラシと摺動しながら接触して同回転子に電流を供給する整流子片(セグメント)の数に相関するため、直流モータ10の回転情報を高い信頼性のもとに検出することができるようになる。
(5)直流モータ10の起動直後あるいは停止直前に検出される最大波高値(Aws,Awe)とノイズ等の影響のない範囲で直流モータ10に流れ得る上限値Amaxとを比較し、いずれか小さい方を上記最大波高値として設定することとした。このため、ノイズの影響が大きくなる直流モータ10の起動直後、停止直前の最大波高値を高い信頼性のもとに検出することができるようになり、ひいてはリップル成分波形の波高値に基づき直流モータ10の回転情報を検出する上で、その信頼性を高めることができるようになる。
(第3の実施の形態)
次に、本発明にかかる直流モータの回転情報検出装置の第3の実施の形態について先の第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
先の第1の実施の形態では、直流モータの駆動電流波形に含まれるリップル成分の周期変化率に基づいてその回転情報を検出することとしたが、この第3の実施の形態では、この周期変化率を直流モータの回転方向、及びその使用用途や温度環境に応じてモータに加わる負荷に基づき補正してその回転情報を検出するようにしている。なお、この第3の実施の形態では、メモリーシートのアクチュエータとして用いられる例えば4つの直流モータを回転情報の検出対象としている。
はじめに、図24を参照して、上記メモリーシートの概要を説明する。同図24に示すように、このメモリーシートは、シートクッションSCの降端部の位置を調整するリフタ
機構、シートバックSBのリクライニングの位置を調整するリクライニング機構、シートクッションSCの前端部の位置を調整するフロントバーチカル機構、及びシートSTの前後の位置を調整するスライド機構、及びこれら各機構を制御するメモリーシートECU(電子制御装置)によって構成される。そして、これら各機構にはその駆動源として、リフタ回転用モータ11、リクライニング用モータ12、フロントバーチカル用モータ13、スライド用モータ14がそれぞれ用いられている。
このように構成されるメモリーシートは、先の操作部110(図24では図示略)を通じた各種操作がなされることでメモリーシートECUから各直流モータ11〜14に駆動指令が発せられ、この駆動指令に基づき各モータが駆動することで上記各機構が任意の位置に調整される。
次に、本実施の形態の直流モータの回転情報検出装置についてその概略構成を図25を参照して説明する。
図25は、先の図1に対応する図として、この第3の実施の形態における直流モータの回転情報検出装置についてその構成を示すブロック図である。なお、この図25において、先の図1に示した各要素と同一の要素についてはそれぞれ同一の符号を付して示しており、それら要素についての重複する説明は割愛する。また、上記リフタ回転用モータ11、リクライニング用モータ12、フロントバーチカル用モータ13、及びスライド用モータ14は、実際には各別の駆動装置にて駆動され、各別の回転情報検出装置にてその回転情報が検出されるものであるが、この図25では便宜上、上記各モータを直流モータ11〜14として図示し、その駆動装置及び回転情報検出装置についても共通化した一つの装置として図示している。
さて、同図25に示すように、本実施の形態の回転情報検出装置は、駆動装置100を通じて駆動制御される直流モータ11〜14(実際にはそのいずれか)に流れる電流のリップル成分を抽出した後、正逆転回路140に設けられた温度センサ20から検出される直流モータ11〜14の温度情報、及び駆動制御部120から与えられる回転方向、上記各機構の駆動箇所に基づいてそのリップル成分の周期変化率を補正するための補正係数Rcが記憶された補正係数データベース260を備える装置200Cとして構成されている。図26に、この補正係数データベース260に記憶されている補正係数Rcの一例を示す。
まず、温度センサ20によって検出される直流モータ11〜14の温度が0℃(度)以上の場合の周期変化率(Rts,Rte)の補正係数として、図26(a)に示すように、リフタ回転用モータ11の正回転(CW)時、及びリクライニング用モータ12の逆回転(CCW)時には「1.66」、フロントバーチカル用モータ13の正回転時には「1.2」の値がそれぞれ設定されている。
すなわち、リフタ回転用モータ11の正回転時、リクライニング用モータ12の逆回転時、フロントバーチカル用モータ13の正回転時には、各モータに加わる負荷が大きくなる傾向にあり、各モータ11〜14が過渡状態にある期間の回転数の変化率が変動する可能性が高い。そこで、この回転数に相関するリップル成分の周期変化率に基づいて直流モータ11〜14の回転情報を算出するに際し、上記補正係数Rcに基づき周期変化率を補正することで、それら直流モータ11〜14の回転方向や同モータに加わる負荷に起因する誤差を抑制することができるようにしている。
一方、同図26(b)に示すように、温度センサ20で検出される直流モータ11〜14の温度が0℃(度)未満の場合には、各機構の潤滑油の粘性が低下し、各モータに加わる負荷が大きくなる。このため、リフタ回転用モータ11の正回転時、リクライニング用
モータ12の逆回転時、フロントバーチカル用モータ13の正回転時における補正係数もこれら負荷に応じて高く設定されている。
このように、本実施の形態では、直流モータ11〜14の温度情報、回転方向、駆動箇所に応じて設定された上記補正係数Rcによって周期変化率(Rts,Rte)を補正することで、リップル成分の周期変化率をより精度の高いものとすることができ、ひいては各モータ11〜14の回転情報を高い信頼性のもとに算出することができるようにしている。
次に、例えばスライド用モータ14の正回転時におけるリップル成分の推移と、リフタ回転用モータ11の正回転時におけるリップル成分の推移とを、図27を参照して比較する。
まず、スライド用モータ14の起動時に抽出されるリップル成分は、同スライド用モータ14にかかる負荷が小さいため、このスライド用モータ14が過渡状態にある期間にわたり略一定の変化率のもとにその周期が変化する。このため、図27(a)に示すように、同モータ14の起動直後のリップル成分の周期、あるいは臨界点Pts直前のリップル成分の周期は、共にその変化率が例えば20%と一定になっている。このように、直流モータに加わる負荷が小さい場合は、直流モータの回転情報の算出に用いられるリップル成分の変化率は、その過渡状態にある期間、略一定の値をとる。
一方、リフタ回転用モータ11はこれにかかる負荷が大きく、起動時ほどその回転数が低下することから、同リフタ回転用モータ11の起動時に抽出されるリップル成分は、過渡状態にある期間で、その周期がいわば指数関数的に変化する。このため、図27(b)に示すように、同モータ11の起動直後のリップル成分の周期はその変化率が例えば40%であるのに対し、臨界点Pts直前のリップル成分の周期はその変化率が例えば20%程度となる。このように、直流モータ11〜14に加わる負荷が大きい場合には、直流モータ11〜14の回転情報の算出に用いられる臨界点直前のリップル成分の周期変化率と、直流モータ11〜14の過渡状態初期におけるリップル成分の周期変化率とで異なる値となる。そしてこのような場合に、上記直流モータ11〜14の全てについて先の第1の実施の形態と同様の態様でその回転情報を算出するとなると、その信頼性も自ずと低いものとなる。
そこで本実施の形態では、先の図26に示したように、直流モータ11〜14の温度、回転方向、駆動箇所に応じて上記周期変化率を補正することで、それら回転情報の算出にかかる信頼性を維持するようにしている。
以下、上記回転情報検出装置200Cによる回転情報検出態様の一例として、主に起動時過渡状態におけるリップル数、ひいては回転数の検出態様について、図28を参照して説明する。
図28は、このような前提のもとに回転情報検出装置200Cのリップル数演算部230を構成する演算部231を通じて実行される起動時過渡状態での回転情報検出処理の詳細をフローチャートとして示したものである。
この図28に示されるように、同処理は、先の駆動制御部120を介して直流モータ11〜14に対する起動指令があった旨が伝達されることをもって開始される(ステップS3101)。そして、例えば上記リフタ機構を駆動すべくリフタ回転用モータ11に対する起動指令が発せられると、内蔵するTwタイマ231aの値を「0」にリセットした後(ステップS3102)、臨界点(情報)Ptsが設定されるまで、すなわちモータ状態
判定部220を通じてリフタ回転用モータ11の回転が定常状態となったことが判定されるまで、Twタイマ231aによる計時(インクリメント)を繰り返す(ステップS3103,S3104)。
その後、モータ状態判定部220を通じてリフタ回転用モータ11の回転数が定常状態となったことが判定されると、Twタイマ231aによるそのときの計時情報を上記過渡状態継続時間Twsとして内部メモリ231bに記憶する(ステップS3103,S3105)。そして、上記設定された臨界点Ptsに基づき、モータ状態判定部220内の周期演算部221にて演算されているリップル周期Tsのうちの臨界点直前の2つの周期Ts1,Ts2を周期メモリ232に格納保持し、内部メモリ231b内の記憶領域の一部に初期化として次の情報をセットする(ステップS3106)。
Ts3=Ts2 …(24)
Ts=Ts1+Ts2 …(25)
Nws=2 …(26)
こうして初期化を終えると、ここでリフタ回転用モータ11の回転方向及び温度を検出し、これら検出される回転方向及び温度に基づき、補正係数データベース260から当該モータ11の補正係数Rcを取得する(ステップS3107,S3108)。次に、上記2つの周期Ts1,Ts2の周期差、及び補正係数Rcに基づいてリップル成分波形の当該過渡状態での周期変化率Rtsを次式(27)によって求める(ステップS3109)。
Rts=Rc×(Ts2−Ts1)/Ts1 …(27)
そして、この求めた周期変化率Rtsについてもこれを内部メモリ231bに一時的に記憶する。こうして周期変化率Rtsを求めた後は、先の図5に示したステップS1108〜S1114と同様の処理がなされ、上記バンドパスフィルタ211のろ波帯域が適正に追従していれば本来検出されるであろうリップル成分波形の数が推定される。そしてその後は、必要に応じて、この確定したリップル数Nwsに基づく回転数Nへの変換演算が行われ、その変換された回転数Nが駆動制御部120にフィードバックされる。
なお、以上はリフタ回転用モータ11の起動時過渡状態での回転情報検出態様であるが、停止時過渡状態での回転情報の検出も、図28並びに先の図10に準じて行われる。また、リフタ回転用モータ11に限られず、他の直流モータ12〜14についても同様の処理が行われる。
以上説明したように、この第3の実施の形態にかかる直流モータの回転情報検出装置によれば、半導体装置の製造方法によっても、第1の実施の形態による前記(1)〜(4)の効果に加えて更に以下のような効果が得られるようになる。
(5)リップル成分の周期変化率(Rts,Rte)を、直流モータ11〜14の温度、回転方向、駆動箇所に応じて求められる補正係数Rcによって補正することとした。これにより、これら直流モータ11〜14の温度、回転方向、駆動箇所に起因して周期変化率が変動するような場合であれ、これらの影響を受けることなく直流モータ11〜14の回転情報を高い信頼性のもとに算出することができるようになる。
(他の実施の形態)
なお、上記各実施の形態は、以下のような態様をもって実施することもできる。
・上記第3の実施の形態は、第1の実施の形態に限らず、上記第2の実施の形態にも同様に適用することができる。すなわち、図26に例示した補正係数Rcを用いて、直流モータ11〜14の駆動電流から抽出されるリップル成分波形の波高値変化率(Ris,R
ie)を補正するようにしてもよい。また、補正係数Rcも、回転情報の検出対象となる直流モータの回転方向と同モータに加わる負荷とが基本的に加味された補正係数であれば、図26に例示した値に限定されるものではない。
・直流モータの起動に際しての臨界点の検出に際して、例えば第1の実施の形態では、連続して入力される2つのリップルの周期(時間)Tsのずれ量ΔTsが「0」もしくは許容可能な閾値Td以下となったときのそれらリップル成分の中心点を起動時臨界点Ptsとして設定した。また、第2の実施の形態では、連続して入力される2つのリップルの波高値Asのずれ量ΔAsが「0」もしくは許容可能な閾値Ad以下となったときのそれらリップル成分の中心点を起動時臨界点Pisとして設定した。これに限らず、モータ状態判定部220とモータ状態判定部240とを組み合わせ、上記双方の条件を共に満たすことをもって直流モータが過渡状態から定常状態に状態遷移したものと推定し、そのときのリップル成分の中心点を臨界点として設定するようにしてもよい。このような構成によれば、直流モータの過渡状態と定常状態との状態遷移にかかる臨界点の検出精度をさらに高めることができるようになる。
・また、上記周期差あるいは波高値差等のずれ量の監視に代えてそれら差に基づき算出される周期変化率あるいは波高値変化率を監視し、それら変化率が「0」もしくは許容できる閾値以下となったことをもって直流モータが過渡状態から定常状態への状態遷移を判定するとともに、その臨界点を設定するようにしてもよい。さらに、順次計測されるリップル成分の周期あるいは波高値と直流モータが定常状態にある期間でのリップル成分の周期あるいは波高値との比較に基づいて直流モータが過渡状態から定常状態に状態遷移したか否かを判定し、この判定に基づいて臨界点を設定するようにしてもよい。
・上記各実施の形態では、直流モータの起動時には、定常状態に遷移する臨界点の直前の2つのリップル成分の関係に基づいて、また直流モータの停止時には、定常状態から停止状態に遷移する臨界点の直後の2つのリップル成分の関係に基づいてそれぞれ周期変化率あるいは波高値変化率を求めるようにした。これに限らず、各臨界点から過渡状態側で抽出される3つ以上のリップル成分波形に基づいてそれら周期変化率あるいは波高値変化率を求めるようにしてもよい。これにより、リップル成分波形が指数関数的な変化をするような場合であれ、その変化率を的確に捉えてより信頼性の高いリップル数の計数、ひいては回転情報の検出を行うことができるようになる。
・また、2つのリップル成分波形であれ、それ以上のリップル成分波形であれ、直流モータの起動時にあっては臨界点直前、あるいは同モータの停止時にあっては臨界点直後のリップル成分波形には限られない。要は、臨界点から過渡状態側で抽出されるリップル成分波形のうちの顕在化された波形でありさえすれば、その顕在化されたリップル成分波形に基づき先の各種演算を行って直流モータの回転情報を検出することはできる。
・上記各実施の形態では、直流モータの駆動信号波形から抽出される周期成分波形としてリップル成分を用いることとしたが、これに限らず、サージ成分等を用いるようにしてもよい。
・上記各実施の形態では、駆動信号波形として直流モータに流れる電流波形を用いることとしたが、これに限らず、直流モータの端子間電圧波形を用いることもできる。
・その他、上記モータ状態判定部(220,240)やリップル数演算部(230,250)の実現方法は任意であり、カスタム化されたLSIによってこれを実現するようにしてもよいし、あるいはマイクロコンピュータを用いたソフトウェアによってこれを実現するようにしてもよい。
本発明にかかる直流モータの回転情報検出装置の第1の形態について、その構成を示すブロック図。 同実施の形態の装置のリップル抽出部で抽出対象とするリップル成分の特徴量を示す図。 直流モータの回転状態の遷移を示す状態遷移図。 (a)は、直流モータの起動時に抽出されるリップル成分波形の周期の推移例を示すタイムチャート。(b)は、同実施の形態において算出する上記リップル成分波形の周期変化率を示すタイムチャート。 同実施の形態による起動時過渡状態の回転情報検出処理についてその処理手順を示すフローチャート。 同実施の形態による起動時過渡状態の回転情報検出処理についてその処理態様を示すタイムチャート。 同実施の形態による起動時過渡状態の回転情報検出処理についてその処理態様を示すタイムチャート。 同実施の形態による起動時過渡状態の回転情報検出処理についてその処理態様を示すタイムチャート。 (a)は、直流モータの停止時に抽出されるリップル成分波形の周期の推移例を示すタイムチャート。(b)は、同実施の形態において算出する上記リップル成分波形の周期変化率を示すタイムチャート。 同実施の形態による停止時過渡状態の回転情報検出処理についてその処理手順を示すフローチャート。 同実施の形態による停止時過渡状態の回転情報検出処理についてその処理態様を示すタイムチャート。 同実施の形態による停止時過渡状態の回転情報検出処理についてその処理態様を示すタイムチャート。 同実施の形態による停止時過渡状態の回転情報検出処理についてその処理態様を示すタイムチャート。 本発明にかかる直流モータの回転情報検出装置の第2の実施の形態について、その構成を示すブロック図。 同実施の形態において計測対象とするリップル成分波形の最大波高値とその上限値との関係の一例を示すグラフ。 (a)は、直流モータの起動時に抽出される周期成分波形の波高値の推移例を示すタイムチャート。(b)は、同実施の形態において算出する上記リップル成分波形の波高値変化率を示すタイムチャート。 同実施の形態による起動時過渡状態の回転情報検出処理についてその処理手順を示すフローチャート。 同実施の形態による起動時過渡状態の回転情報検出処理についてその処理態様を示すタイムチャート。 同実施の形態による起動時過渡状態の回転情報検出処理についてその処理態様を示すタイムチャート。 (a)は、直流モータの停止時に抽出されるリップル成分波形の波高値の推移例を示すタイムチャート。(b)は、同実施の形態において算出する上記リップル成分波形の波高値変化率を示すタイムチャート。 同実施の形態による停止時過渡状態の回転情報検出処理についてその処理手順を示すフローチャート。 同実施の形態による停止時過渡状態の回転情報検出処理についてその処理態様を示すタイムチャート。 同実施の形態による停止時過渡状態の回転情報検出処理についてその処理態様を示すタイムチャート。 本発明にかかる直流モータの回転情報検出装置の第3の実施の形態において適用対象とするメモリーシートの概略構成を示す図。 同第3の実施の形態にかかる直流モータの回転情報検出装置について、その構成を示すブロック図。 (a)、(b)は、同実施の形態の装置において参照する補正係数データベースに記憶されている補正係数の一例を示す図。 (a)は、例えばスライド用モータの起動時のリップル成分波形の推移例を示すタイムチャート。(b)は、同実施の形態において算出、補正する例えばリフタ回転用モータの起動時のリップル成分波形の推移例を示すタイムチャート。 同実施の形態による起動時過渡状態の回転情報検出処理についてその処理手順を示すフローチャート。 (a)は、ろ波帯域が適合されていないリップル成分とノイズ成分との関係ついてその概要を示す図。(b)は、ろ波帯域が適合されたリップル成分とノイズ成分との関係ついてその概要を示す図。 直流モータの起動時に抽出されるリップル成分波形の推移例を示すタイムチャート。
符号の説明
10,11〜14…直流モータ、11…リフタ回転用モータ、12…リクライニング用モータ、13…フロントバーチカル用モータ、14…スライド用モータ、20…温度センサ、100…駆動装置、110…操作部、120…駆動制御部、130…駆動回路、140…正逆転回路、200A,200B,200C…回転情報検出装置、210…リップル抽出部、211…バンドパスフィルタ、212…A/D変換器、213…リップル処理部、214…波帯域制御部、220…モータ状態判定部、221…周期演算部、222…定常状態判定及び臨界点設定部、230…リップル数演算部、231…演算部、231a…Twタイマ、231b…内部メモリ、232…周期メモリ、233…過渡状態カウンタ、234…定常状態カウンタ、240…モータ状態判定部、241…波高値演算部、242…定常状態判定及び臨界点設定部、250…リップル数演算部、251…演算部、251a…Awメモリ、251b…内部メモリ、252…波高値メモリ、253…過渡状態カウンタ、254…定常状態カウンタ、260…補正係数データベース、SB…シートバック、SC…シートクッション、ST…シート、Tr1〜Tr4…トランジスタ。

Claims (11)

  1. 直流モータの駆動信号波形からろ波帯域可変フィルタを介して抽出される周期成分波形に基づいて同モータの回転情報を検出する直流モータの回転情報検出装置において、
    前記直流モータが定常回転している定常状態と回転数が変動している過渡状態との間でそれら状態遷移にかかる臨界点から過渡状態側への前記周期成分波形の周期もしくは波高値の変化率を求め、この求めた変化率が維持されるものとして前記直流モータが前記過渡状態にある期間の回転情報を検出する
    ことを特徴とする直流モータの回転情報検出装置。
  2. 前記状態遷移にかかる臨界点から過渡状態側への前記周期成分波形の周期もしくは波高値の変化率が臨界点から過渡状態側で抽出された2つの周期成分波形に基づいて求められる
    請求項1に記載の直流モータの回転情報検出装置。
  3. 前記回転情報の検出対象とする過渡状態にある期間が前記直流モータの起動時から前記定常状態に移行するまでの期間であり、前記直流モータが定常状態に状態遷移したときの臨界点を検出して前記直流モータの起動時から該臨界点に至った時間である過渡状態継続時間を計測するとともに前記周期成分波形の臨界点直前の2つの波形の周期差に基づいて周期成分波形の当該過渡状態での周期変化率を求め、この求めた周期変化率のもとにそれ以前の周期成分波形の周期を順次遡るかたちで推定しつつ前記臨界点からの周期成分波形の数を計数していき、前記臨界点から遡って推定した周期成分波形の周期時間の合計値が前記計測した過渡状態継続時間を超えたときの前記周期成分波形の計数値を当該過渡状態にある期間内での周期成分波形の数として前記回転情報を検出する
    請求項2に記載の直流モータの回転情報検出装置。
  4. 前記定常状態に状態遷移したときの臨界点の検出が、前記直流モータの起動時から前記周期成分波形の隣り合う2つが同一周期となったときのそれら波形の中心点の検出として行われる
    請求項3に記載の直流モータの回転情報検出装置。
  5. 前記回転情報の検出対象とする過渡状態にある期間が前記直流モータの定常状態から停止に至るまでの期間であり、前記直流モータに対して停止指令が発せられたタイミングを定常状態から過渡状態への状態遷移に至る臨界点として該臨界点から前記直流モータが停止に至った時間である過渡状態継続時間を計測するとともに前記周期成分波形の臨界点直後の2つの波形の周期差に基づいて周期成分波形の当該過渡状態での周期変化率を求め、この求めた周期変化率のもとにそれ以降の周期成分波形の周期を順次辿るかたちで推定しつつ前記臨界点からの周期成分波形の数を計数していき、前記臨界点から辿って推定した周期成分波形の周期時間の合計値が前記計測した過渡状態継続時間を超えたときの前記周期成分波形の計数値を当該過渡状態にある期間内での周期成分波形の数として前記回転情報を検出する
    請求項2に記載の直流モータの回転情報検出装置。
  6. 前記直流モータの回転方向と同モータに加わる負荷とに基づき前記求めた周期成分波形の周期変化率を補正する
    請求項3〜5のいずれか一項に記載の直流モータの回転情報検出装置。
  7. 前記回転情報の検出対象とする過渡状態にある期間が前記直流モータの起動時から前記定常状態に移行するまでの期間であり、前記直流モータの起動時における周期成分波形の最大波高値を計測するとともに、前記直流モータが定常状態に状態遷移したときの臨界点
    を検出して前記周期成分波形の臨界点直前の2つの波形の波高値差に基づき周期成分波形の当該過渡状態での波高値変化率を求め、この求めた波高値変化率のもとにそれ以前の周期成分波形の波高値を順次遡るかたちで推定しつつ前記臨界点からの周期成分波形の数を計数していき、前記臨界点から遡って推定した周期成分波形の波高値が前記計測した最大波高値を超えたときの前記周期成分波形の計数値を当該過渡状態にある期間内での周期成分波形の数として前記回転情報を検出する
    請求項2に記載の直流モータの回転情報検出装置。
  8. 前記定常状態に状態遷移したときの臨界点の検出が、前記直流モータの起動時から前記周期成分波形の隣り合う2つが同一波高値となったときのそれら波形の中心点の検出として行われる
    請求項7に記載の直流モータの回転情報検出装置。
  9. 前記回転情報の検出対象とする過渡状態にある期間が前記直流モータの定常状態から停止に至るまでの期間であり、前記直流モータに対して停止指令が発せられたタイミングを定常状態から過渡状態への状態遷移に至る臨界点として前記周期成分波形の臨界点直後の2つの波形の波高値差に基づいて周期成分波形の当該過渡状態での波高値変化率を求め、この求めた波高値変化率のもとにそれ以降の周期成分波形の波高値を順次辿るかたちで推定しつつ前記臨界点からの周期成分波形の数を計数していき、前記臨界点から辿って推定した周期成分波形の波高値が前記直流モータの停止直前に計測した最大波高値を超えたときの前記周期成分波形の計数値を当該過渡状態にある期間内での周期成分波形の数として前記回転情報を検出する
    請求項2に記載の直流モータの回転情報検出装置。
  10. 前記直流モータの回転方向と同モータに加わる負荷とに基づき前記求めた周期成分波形の波高値変化率を補正する
    請求項7〜9のいずれか一項に記載の直流モータの回転情報検出装置。
  11. 前記回転情報の検出対象として前記ろ波帯域可変フィルタを介して抽出される周期成分波形が前記直流モータの駆動信号のリップル波形である
    請求項1〜10のいずれか一項に記載の直流モータの回転情報検出装置。
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