JP5223256B2 - 圧電素子の製造方法、及び、アクチュエータユニットの製造方法 - Google Patents

圧電素子の製造方法、及び、アクチュエータユニットの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5223256B2
JP5223256B2 JP2007185346A JP2007185346A JP5223256B2 JP 5223256 B2 JP5223256 B2 JP 5223256B2 JP 2007185346 A JP2007185346 A JP 2007185346A JP 2007185346 A JP2007185346 A JP 2007185346A JP 5223256 B2 JP5223256 B2 JP 5223256B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piezoelectric element
resonance frequency
drive pulse
displacement amount
ink
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007185346A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009026787A (ja
Inventor
朋裕 狭山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2007185346A priority Critical patent/JP5223256B2/ja
Publication of JP2009026787A publication Critical patent/JP2009026787A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5223256B2 publication Critical patent/JP5223256B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、インクジェット式プリンタ等の液体噴射装置に適用される圧電素子の製造方法、及び、その圧電素子を複数備えるアクチュエータユニットの製造方法に関するものであり、特に、駆動パルスを圧電素子に印加することによりエージング処理を行う圧電素子の製造方法、及び、アクチュエータユニットの製造方法に関するものである。
液体噴射装置は液体噴射ヘッドを備え、この液体噴射ヘッドから各種の液体を噴射する装置である。この液体噴射装置の代表的なものとして、例えば、液体噴射ヘッドとしてのインクジェット式記録ヘッド(以下、単に記録ヘッドという)を備え、この記録ヘッドから噴射対象物としての記録紙等に対して液体状のインクをインク滴として噴射(吐出)・着弾させてドットを形成することで記録を行うインクジェット式プリンタ(以下、単にプリンタという)等の画像記録装置を挙げることができる。この液体噴射装置は、近年においては、画像記録装置に限らず、例えばディスプレー製造装置等の各種の製造装置にも応用されている。
上記液体噴射ヘッドには、液体を噴射するための駆動源として圧電素子を備えたものがある。この圧電素子は、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)からなる圧電材料と電極材料を積層して構成されており、駆動電極と共通電極との間に電圧を印加することによって、変位する。この圧電素子を、ノズル開口に連通する圧力発生室の一部を区画する振動板に接合し、駆動信号を印加して変形駆動させることによって振動板を変形させることができる。そして、この振動板の変形によって圧力発生室の容積が変化して圧力発生室内のインクに圧力変動が生じ、この圧力変動を制御することによってノズル開口から液体を噴射(吐出)することができる。
そして、上記の圧電素子を駆動源として採用している液体噴射ヘッドでは、駆動信号の電圧値に応じて噴射される液体の量が増減するので、圧電素子を駆動するための駆動信号に対し最適な電圧値を設定することが行われている。
ところで、上記の圧電素子は、通常、製造時からの初期段階において特性の急激な低下が見られる。即ち、図9に示すように、駆動パルスの印加数に対する圧電素子の変位量の変化を見ると、最初の数億パルスまではパルスの印加数に対する変位量の変化(低下)の割合が大きく、その後パルスの印加数に対する変位量の変化の割合は小さくなり安定する。以下、このような初期段階での圧電素子の変位量の急激な変化を初期変化と言う。一般的には、このような初期変化を考慮して、製造後の圧電素子に対して所定数のパルスを印加することで初期変化を経過させるためのエージングが行われている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−202849号公報
しかしながら、複数の圧電素子を備える液体噴射ヘッドでは、圧電素子の初期変位量が同程度に揃っているとは限らず、これにより、各圧電素子に対して同一条件で一律にエージングを行った場合、エージング後の圧電素子の変位量にばらつきが生じることがあった。なお、初期変位量とは、エージング処理を施す前の圧電素子の変位量を意味する。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、駆動パルスを圧電素子に印加することによりエージング処理を行うことで、エージング後の圧電素子間の変位量を揃えることが可能な圧電素子の製造方法、及び、アクチュエータユニットの製造方法を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために提案されたものであり、駆動パルスの印加による圧電素子の変位によって圧力発生室を膨張または収縮させることでノズル開口から液滴を吐出する液体噴射ヘッド用の圧電素子の製造方法であって、
前記圧電素子の共振周波数を測定する共振周波数測定工程と、
少なくとも圧電素子の変位量の初期変化を経過させることが可能な回数以上、前記駆動パルスを圧電素子に印加することによりエージング処理を行うエージング工程と、を経て成り、
前記エージング工程において、前記共振周波数測定工程で得られた測定共振周波数が基準共振周波数よりも大きい圧電素子ほど駆動パルスの印加回数を規定回数よりも低減させ、前記測定共振周波数が前記基準共振周波数よりも小さい圧電素子ほど駆動パルスの印加回数を規定回数よりも増加させることを特徴とする。
なお、「規定回数」とは、エージング処理を行う場合に基準変位量の圧電素子に設定される駆動パルスの印加回数を意味する。
上記構成によれば、エージング工程において、共振周波数測定工程で得られた測定共振周波数が基準共振周波数よりも大きい圧電素子ほど駆動パルスの印加回数を規定回数よりも低減させ、測定共振周波数が基準共振周波数よりも小さい圧電素子ほど駆動パルスの印加回数を規定回数よりも増加させるので、エージング後の各圧電素子の変位量を揃えることができる。これにより、複数の圧電素子を備え、この圧電素子を液体噴射の駆動源とする液体噴射ヘッドにおいては、噴射特性のばらつきを抑制することが可能となる。
そして、本発明は、駆動パルスの印加による圧電素子の変位によって圧力発生室を膨張または収縮させることでノズル開口から液滴を吐出する液体噴射ヘッド用の圧電素子を複数備えるアクチュエータユニットの製造方法であって、
前記各圧電素子の共振周波数を測定する共振周波数測定工程と、
少なくとも圧電素子の変位量の初期変化を経過させることが可能な回数以上、前記駆動パルスを各圧電素子に印加することによりエージング処理を行うエージング工程と、を経て成り、
前記エージング工程において、前記共振周波数測定工程で得られた測定共振周波数が基準共振周波数よりも大きい圧電素子ほど駆動パルスの印加回数を規定回数よりも低減させ、前記測定共振周波数が前記基準共振周波数よりも小さい圧電素子ほど駆動パルスの印加回数を規定回数よりも増加させることを特徴とする。
上記構成によれば、エージング工程において、共振周波数測定工程で得られた測定共振周波数が基準共振周波数よりも大きい圧電素子ほど駆動パルスの印加回数を規定回数よりも低減させ、測定共振周波数が基準共振周波数よりも小さい圧電素子ほど駆動パルスの印加回数を規定回数よりも増加させるので、圧電素子毎のエージング後の変位量のばらつきを抑えたアクチュエータユニットを提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、添付図面を参照して説明する。なお、以下に述べる実施の形態では、本発明の好適な具体例として種々の限定がされているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、本実施形態では、液体噴射ヘッドの一例としてインクジェット式記録ヘッド(以下、記録ヘッド)を例に挙げて説明する。
図1は、本実施形態における記録ヘッド1の断面図である。例示した記録ヘッド1は、インク(液体の一種)を噴射して噴射対象物(例えば、記録紙)に画像等を記録するために用いられるものであり、ヘッドケース2にヘッドユニット3およびインク導入針4を取り付けて概略構成されている。
ヘッドケース2は、例えば、合成樹脂等を用いて射出成型することによって作製されており、複数のインク導入針4を取り付けるためのベース部5と、このベース部5からインク導入針の取付側とは反対側に延出した中空箱体状の流路形成部6とにより成る部材である。ベース部5には、図示しないインクカートリッジ(液体供給源の一種)を配置するための配置部が区画されており、これらの配置部にそれぞれインク導入針4が取り付けられている。本実施形態におけるヘッドケース2は、合計6本のインク導入針4を備えている。インク導入針4は、先端部が円錐形状に尖った中空針状部材であり、インクを針内部に導入するためのインク導入孔が開設されている。そして、このインク導入針4がカートリッジ内に挿入されると、カートリッジ内部に貯留されたインクがインク導入孔を通じて記録ヘッド1内に導入されるようになっている。
流路形成部6には、インク導入針4から導入したインクをヘッドユニット3の各圧力発生室(図2参照)に供給するためのインク供給路8が、各インク導入針4に対応して複数形成されている。各インク供給路8の上流端部と、各インク導入針4との間には、流路内の異物や気泡を濾別するためのフィルタ7が介装されている。また、流路形成部6内には、記録ヘッド1が搭載されるプリンタ側からの駆動信号(駆動パルス)を圧電素子(図2参照)に供給するためのフレキシブルケーブル(図示せず)などが収容されるようになっている。
図2は、上記ヘッドユニット3の構成を説明する要部断面図である。本実施形態におけるヘッドユニット3は、流路ユニット10とアクチュエータユニット11とを備えて概略構成されている。
流路ユニット10は、インク供給口13およびノズル連通口14の一部となる貫通孔を開設した供給口形成基板15と、共通インク室16(共通液体室の一種)となる貫通孔およびノズル連通口14の一部となる貫通孔を開設したインク室形成基板17と、ノズル開口19を開設したノズル基板18から構成されている。これらの供給口形成基板15、インク室形成基板17、ノズル基板18は、例えば、ステンレス製の板材をプレス加工することで作製されている。そして、流路ユニット10は、インク室形成基板17の一方の面に(図2中下側)にノズル基板18を、他方の面(同図上側)に供給口形成基板15をそれぞれ配置し、これらを積層状態で接合することで作製される。
上記ノズル基板18には、複数のノズル開口19を列設してノズル列(ノズル群)が横並びに形成されており、本実施形態では、ノズル列は一定のピッチ(例えば、360dpi)で開設された360個のノズル開口19によって構成されている。
アクチュエータユニット11は、インク導入口12となる貫通孔および圧力発生室20となる貫通孔を開設した圧力発生室形成基板23と、インク導入口12となる貫通孔が開設され、圧力発生室20の一部を区画する振動板24と、インク導入口12の一部となる貫通孔、供給側連通口25の一部となる連通孔、およびノズル連通口14の一部となる連通孔を開設した連通口基板26と、圧電素子27とによって構成される。
このアクチュエータユニット11は、圧力発生室形成基板23の一方の表面に連通口基板26を、他方の表面に振動板24をそれぞれ配置して各部材を接合し、その後、振動板24の表面に圧電素子27を形成することで作製される。これらの各部材の中で圧力発生室形成基板23、振動板24、および、連通口基板26は、アルミナや酸化ジルコニウム等のセラミックスで作製されており、焼成によって接合される。
上記の圧電素子27は、所謂撓みモード型の圧電素子であり、圧力発生室20とは反対側の振動板24の表面に圧力発生室20毎に形成されている。即ち、1条のノズル列に対して合計360個の圧電素子27が、各ノズル開口19に対応して設けられている。この圧電素子27は、圧電体層30と駆動電極31と共通電極32とによって構成される多層構造であり、駆動電極31と共通電極32とによって圧電体層30を挟んでいる。駆動電極31には、フレキシブルケーブル等を介して駆動信号(駆動パルス)が印加される。一方、共通電極32は、例えば接地電位に調整される。そして、駆動電極31に駆動信号が印加されると、駆動電極31と共通電極32との間には電位差に応じた電場が発生する。この電場は圧電体層30に付与され、圧電体層30は付与された電場の強さに応じて変形する。即ち、駆動電極31の電位を高くする程、圧電体層30は電場と直交する方向に収縮し、圧力発生室20の容積を少なくするように振動板24を変形させる。このようにして、圧電素子27を変位させることで対応する圧力発生室20が収縮或いは膨張し、圧力発生室20内のインクに圧力変動が生じる。このインク圧力を制御することで、ノズル開口19からインク滴(液滴)を噴射させることができる。
ところで、記録ヘッド1を製造して何等の対策(以下で説明するエージング処理)をしない状態では、同じ条件でインク滴を噴射させてもインク滴の噴射特性(インク滴の量や飛翔速度等)がノズル開口19毎に相違してしまう場合がある。特に、本実施形態のように、ノズル開口19毎に圧電素子27を有する構成では、圧電素子27の個体差(即ち、変位量の違い)の影響を受けてしまうので、インク滴の噴射特性はノズル開口19毎にばらつく傾向がある。
インク滴の噴射特性がノズル開口19毎にばらついてしまうと、記録画像の濃淡ばらつきなどの画質低下を招いてしまうため、全てのノズル開口19におけるインク滴の噴射特性を揃えることが望ましい。このため、本実施形態においては、駆動パルスを印加したときの圧電素子27の変位量を測定し、測定結果に応じた回数の駆動パルスを圧電素子27に印加してエージング処理を行うことで、エージング後の圧電素子27の変位量を同程度に揃えるようにしている。
以下、圧電素子27の変位量測定工程およびエージング工程の手順について説明する。なお、変位量測定工程は、例えば、ヘッドユニット3をヘッドケース2に取り付ける前の段階で行われる。
まず、変位量測定工程では、図3に示すように、例えばレーザードップラー振動計や静電容量計等の非接触測定機35を用いて各圧電素子27の変位を測定する。本実施形態における非接触測定機35はレーザードップラー振動計により構成され、測定対象の圧電素子27にレーザー光を照射し、照射光と反射光の周波数変化を利用して圧電素子27の変位量を求める。なお、圧電素子27の変位測定については、例示したレーザードップラー振動計には限らず、種々の測定装置を利用することができる。
図4は、ノズル列を構成する360個のノズル開口19(ノズル番号#1〜#360)にそれぞれ対応する圧電素子27の変位量を例示している。この例では、#1のノズル開口19に対応する圧電素子27の変位量が最も大きく、#360側の圧電素子27ほど変位量が小さくなっている。噴射されるインクの量は圧電素子27の変位量に応じて増減するため、この場合、#1のノズル開口19から噴射されるインク量が最も多く、#360側のノズル開口19ほどインク量が少なくなる。ここで、図4においてBで示す線は、各圧電素子27の初期変位量の平均値(基準変位量)である。なお、この基準変位量は、同一ノズル列に対応する各圧電素子27の初期変位量の平均値であっても良いし、記録ヘッド1に搭載される全ての圧電素子27の初期変位量の平均値であっても良い。
個々の圧電素子27の変位量(初期変位量)を測定したならば、エージング工程に移る。このエージング工程では、記録ヘッド1をプリンタ又はエージング用の装置に取り付けた状態で行う。
図5は、エージング工程を行う際の装置構成を説明する模式図である。エージング工程において各部を制御する制御部36は、ROM37に記憶された制御プログラム等に従って各部を制御するCPU39と、各種データ処理のための制御プログラム等を記憶したROM37と、各種データ等を記憶するRAM38と、記録ヘッド1の圧電素子27を駆動するための駆動信号を発生する駆動信号発生回路40と、変位量測定工程で得られた各圧電素子27の初期変位量を記憶する不揮発性記憶素子41と、記録ヘッド1にデータを出力するインタフェース(I/F)部42とを相互に接続した状態で備えている。
駆動信号発生回路40は、記録ヘッド1の圧電素子27に供給する吐出パルスの電圧値の変化量を示すデータと吐出パルスの電圧を変化させるタイミングを規定するタイミング信号とが入力され、これらのデータ及びタイミング信号に基づいて、図6に示すような駆動信号COMを発生する。例示した駆動信号COMは、第1駆動パルスPS1、第2駆動パルスPS2、第3駆動パルスPS3を周期T毎に発生している。
これらの第1駆動パルスPS1〜第3駆動パルスPS3は、何れも同じ波形形状の吐出パルス信号によって構成されている。即ち、これらの駆動パルスPS1〜PS3は、中間電位Vmから最低電位VLまで比較的緩やかな勾配で電位を降下させる膨張要素P1と、最低電位VLを所定時間保持する膨張ホールド要素P2と、最低電位VLから最高電位VPまで急勾配で電位を上昇させる収縮要素P3と、最高電位VPを所定時間保持する収縮ホールド要素P4と、最高電位VPから中間電位Vmまで電位を下降させる制振要素P5とを含んで構成されている。膨張要素P1が圧電素子27に供給されると、圧電素子27が撓んで圧力発生室20が比較的緩やかに膨張し圧力発生室20が減圧される。続いて、膨張ホールド要素P2が供給されることで圧力発生室20の膨張状態が維持される。その後、収縮要素P3が供給されて圧電素子27が反対側に撓み、圧力発生室20が極く短時間で収縮し、この収縮状態が収縮ホールド要素P4の供給期間に亘って維持される。そして、これらの収縮要素P3及び収縮ホールド要素P4の供給により、圧力発生室20内のインクが急激に加圧されてノズル開口19からインクが噴射される。続いて制振要素P5が供給されて圧力発生室20が緩やかに膨張され、インクが噴射された後のメニスカスの振動を収束させる。
上記構成の制御部36は、少なくとも圧電素子27の変位量の初期変化(図9参照)を経過させることが可能な最小回数以上、上記の駆動パルスを記録ヘッド1の各圧電素子27に連続的に印加して圧電素子27を駆動することでエージングを行う。この際、制御部36は、変位量測定工程で得られた測定変位量(初期変位量)が基準変位量よりも大きい圧電素子27ほど駆動パルスの印加回数を規定回数よりも増加させ、測定変位量が基準変位量よりも小さい圧電素子27ほど駆動パルスの印加回数を、最小回数を下回らない範囲内で規定回数よりも低減させる。
例えば、図4の場合、測定変位量が基準変位量Bに相当する値である圧電素子27(#180のノズル開口19に対応する圧電素子27)については、駆動パルスの印加回数を規定回数に相当する5億回に設定する。また、基準変位量Bよりも測定変位量が大きい圧電素子27ほど駆動パルスの印加回数を5億回よりも多く設定し、測定変位量が最も大きい#1のノズル開口19に対応する圧電素子27については駆動パルスの印加回数を6億に設定する。一方、基準変位量Bよりも測定変位量が小さい圧電素子27ほど駆動パルスの印加回数を最小回数(この例では3億)を下回らない範囲内で5億回よりも少なく設定し、測定変位量が最も小さい#360のノズル開口19に対応する圧電素子27については駆動パルスの印加回数を4億に設定する。
図9に示すように、本実施形態における最小回数である3億回よりも下回る回数は、急激な特性変化(変位量変化)を生じる範囲であり、この3億回を越えると緩やかな特性変化となる。即ち、上記の4億回、5億回、6億回は初期変化域を十分に超える回数である。4億回は、初期変位量が最も小さい圧電素子について初期変化域を経過させることが可能な回数であり、6億回は、初期変位量が最も大きい圧電素子のエージング後の変位量を、初期変位量が最も小さい圧電素子のエージング後の変位量に揃えることが可能な回数である。
なお、駆動パルスの印加回数については、本実施形態において例示したものには限られず、圧電素子の特性に応じて適宜変更することができる。また、例えば、初期変位量が最も小さい(最小変位量の)圧電素子に対する駆動パルスの印加回数(最小回数)を基準とし、初期変位量が最小変位量に比べてより大きい圧電素子ほど駆動パルスの印加回数を最小回数よりも増加するような設定の仕方を採用しても良い。
このようにしてエージング工程において初期変位量に応じて駆動パルスの印加回数を増減しつつ圧電素子27の変位量低下を意図的に生じさせることで、図7に示すように、エージング後の各圧電素子27の変位量を揃えることができる。これにより、これらの圧電素子27を備える記録ヘッド1においては、インクの噴射特性、即ち、噴射されるインクの量、噴射されたインクの飛翔速度などのばらつきを抑制することが可能となる。その結果、画像を記録する際には、むらの少ない良好な画質を得ることができる。特にノズル列を複数備える場合においては、ノズル列間の噴射特性を揃えることができるので、画像の濃度や色相を設計通りに揃えることが可能となる。
ところで、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて種々の変形が可能である。
上記の実施形態では、圧電素子27の変位量を直接測定した例を示したが、これには限られない。例えば、圧電素子27の共振周波数(固有振動数)を測定し、この測定結果に応じてエージングを行う構成を採用することも可能である。即ち、圧電素子27の共振周波数を測定し(共振周波数測定工程)、測定共振周波数が基準共振周波数(各圧電素子27の共振周波数の平均値)よりも大きい圧電素子27ほど駆動パルスの印加回数を、最小回数以上であって規定回数よりも少ない値に設定し、測定共振周波数が基準共振周波数よりも小さい圧電素子27ほど駆動パルスの印加回数を規定回数よりも大きい値に設定してエージング工程を行うことで、上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
同様に、圧電素子27の変位量は、噴射されるインクの量や飛翔速度に密接に関わっているため、エージング工程を行う前にインクの噴射量や飛翔速度を測定し、測定結果に応じてエージング工程における駆動パルスの印加回数を設定するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、圧力発生室20毎(ノズル開口19毎)に個別に設けられる所謂撓み振動モードの圧電素子27を例示したが、これには限らず、例えば、図8に示すような、所謂縦振動モードの圧電素子44を複数備えてユニット化されたアクチュエータユニット45に対しても本発明は好適である。即ち、初期変位量や共振周波数等に応じてエージング工程における駆動パルスの印加回数を増減することで、圧電素子毎のエージング後の変位量のばらつきを抑えたアクチュエータユニットを提供することができる。
なお、本発明は、上記記録ヘッド1に限らず、上記のような圧電素子を備えるものであれば他の液体噴射ヘッドにも適用することができる。例えば、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレー、FED(面発光ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材噴射ヘッド、バイオチップ(生物化学素子)の製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等にも本発明を適用することができる。
記録ヘッドの構成を示す断面図である。 ヘッドユニットの構造を説明する要部拡大断面図である。 圧電素子の変位量を測定する様子を示す模式図である。 各ノズル開口に対応する圧電素子の変位量を示す図である。 エージング工程を行う際の装置構成を説明する模式図である。 駆動信号の構成の一例を説明する波形図である。 エージング前とエージング後の変位量を例示する図である。 アクチュエータユニットの構成を説明する斜視図である。 駆動パルスの印加数と圧電素子の変位量との関係を説明する図である。
符号の説明
1…記録ヘッド,11…アクチュエータユニット,19…ノズル開口,20…圧力発生室,27…圧電素子,35…非接触測定機,36…制御部,40…駆動信号発生回路

Claims (2)

  1. 駆動パルスの印加による圧電素子の変位によって圧力発生室を膨張または収縮させることでノズル開口から液滴を吐出する液体噴射ヘッド用の圧電素子の製造方法であって、
    前記圧電素子の共振周波数を測定する共振周波数測定工程と、
    少なくとも圧電素子の変位量の初期変化を経過させることが可能な回数以上、前記駆動パルスを圧電素子に印加することによりエージング処理を行うエージング工程と、を経て成り、
    前記エージング工程において、前記共振周波数測定工程で得られた測定共振周波数基準共振周波数よりも大きい圧電素子ほど駆動パルスの印加回数を規定回数よりも低減させ、前記測定共振周波数が前記基準共振周波数よりも小さい圧電素子ほど駆動パルスの印加回数を規定回数よりも増加させることを特徴とする圧電素子の製造方法。
  2. 駆動パルスの印加による圧電素子の変位によって圧力発生室を膨張または収縮させることでノズル開口から液滴を吐出する液体噴射ヘッド用の圧電素子を複数備えるアクチュエータユニットの製造方法であって、
    前記各圧電素子の共振周波数を測定する共振周波数測定工程と、
    少なくとも圧電素子の変位量の初期変化を経過させることが可能な回数以上、前記駆動パルスを各圧電素子に印加することによりエージング処理を行うエージング工程と、を経て成り、
    前記エージング工程において、前記共振周波数測定工程で得られた測定共振周波数が基準共振周波数よりも大きい圧電素子ほど駆動パルスの印加回数を規定回数よりも低減させ、前記測定共振周波数が前記基準共振周波数よりも小さい圧電素子ほど駆動パルスの印加回数を規定回数よりも増加させることを特徴とするアクチュエータユニットの製造方法。
JP2007185346A 2007-07-17 2007-07-17 圧電素子の製造方法、及び、アクチュエータユニットの製造方法 Active JP5223256B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007185346A JP5223256B2 (ja) 2007-07-17 2007-07-17 圧電素子の製造方法、及び、アクチュエータユニットの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007185346A JP5223256B2 (ja) 2007-07-17 2007-07-17 圧電素子の製造方法、及び、アクチュエータユニットの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009026787A JP2009026787A (ja) 2009-02-05
JP5223256B2 true JP5223256B2 (ja) 2013-06-26

Family

ID=40398363

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007185346A Active JP5223256B2 (ja) 2007-07-17 2007-07-17 圧電素子の製造方法、及び、アクチュエータユニットの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5223256B2 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4025998B2 (ja) * 2002-12-25 2007-12-26 セイコーエプソン株式会社 液体噴射ヘッドの製造方法
JP4539090B2 (ja) * 2003-12-10 2010-09-08 富士ゼロックス株式会社 画像記録装置
JP4655489B2 (ja) * 2004-02-23 2011-03-23 セイコーエプソン株式会社 液滴吐出ヘッドの製造方法、液滴吐出ヘッドおよび液滴吐出装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009026787A (ja) 2009-02-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20070008356A1 (en) Image reproducing/forming apparatus with print head operated under improved driving waveform
JP5024589B2 (ja) 液滴吐出装置、液滴吐出特性補正方法及びインクジェット記録装置
US8657415B2 (en) Liquid ejecting apparatus and control method thereof
US9050792B2 (en) Liquid ejecting apparatus and method of controlling liquid ejecting apparatus
US8061819B2 (en) Liquid ejecting method, liquid ejecting head, and liquid ejecting apparatus
US10160214B2 (en) Liquid ejecting apparatus
US8167396B2 (en) Liquid discharging apparatus and control method of liquid discharging apparatus
US9211702B2 (en) Liquid ejecting apparatus
US8567888B2 (en) Liquid ejecting apparatus and method of controlling the same
JP2010105300A (ja) 液体吐出装置
JP4497173B2 (ja) インクジェット式記録ヘッド、及び、インクジェット式記録ヘッドにおけるインク吐出量調整方法
JP5003495B2 (ja) 液体吐出装置、及び、その制御方法
US7862135B2 (en) Method of driving liquid ejecting head and liquid ejecting apparatus
US10065417B2 (en) Temperature uniformity across an inkjet head using piezoelectric actuation
JP5055738B2 (ja) 液体噴射装置、及び、その制御方法
JP5223256B2 (ja) 圧電素子の製造方法、及び、アクチュエータユニットの製造方法
JP5223214B2 (ja) 液滴噴射装置の製造方法
JP2013199025A (ja) 画像形成装置、画像形成方法、及びプログラム
JP2009160827A (ja) 微振動パルス設定方法、及び、液体吐出装置
JP6471797B2 (ja) 液体噴射装置
US8567914B2 (en) Liquid ejecting head and liquid ejecting apparatus
JP2007030230A (ja) 液体噴射装置
JP2005074651A (ja) インクジェット式記録装置
JP5315540B2 (ja) インクジェット記録装置
JP3991767B2 (ja) インクジェット式記録ヘッドの適正電圧決定方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100204

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121024

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121120

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130118

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130212

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130225

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5223256

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160322

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350