JP5222057B2 - ガスタービン高温部の冷却装置 - Google Patents
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Description
しかし、現在ガスタービンの高温部品として使用されている耐熱性超合金材料の限界温度は、約1000℃と高温であるものの、1500℃というタービン入口温度は前記限界温度を大きく越えている。したがってガスタービンの高温部品を前記限界温度以下まで冷却する必要がある。
また、前記インピンジメント冷却とフィルム冷却を組み合わせて用いることでさらに高い冷却効率を得ることができる。
ガスタービンの高温部材の冷却面側に、複数の空気噴出孔を設けたインピンジメント板を設け、前記空気噴出孔から冷却空気を噴出させ、該噴出させた冷却空気を前記ガスタービンの高温部材の冷却面側に衝突させてインピンジメント冷却するガスタービン高温部の冷却装置において、
前記インピンジメント板を複数のノズル管で形成し、
前記ガスタービンの高温部材の冷却面側に、空気噴出孔を設けた複数の前記ノズル管が互いに間隙を空けて並ぶように前記ノズル管を前記冷却面に沿って延在させるとともに、
前記ノズル管より前記ガスタービンの高温部材の冷却面側に向けて噴出した噴流が、前記ガスタービンの高温部材の冷却面側に衝突後、隣接する前記ノズル管の間の前記間隙を介して、前記ノズル管を挟んで前記冷却面とは反対側のスペースへ流れるように構成したことを特徴とする。
前記ガスタービンの高温部材としては、タービン翼、分割環、外側シュラウド、内側シュラウドなどが挙げられる。
これにより、ノズル管から噴出されガスタービンの高温部材の冷却面側に衝突した空気は、前記間隙からガスタービンの高温部材の冷却面の反対側へ流れるため、インピンジメント板(ノズル管)とガスタービンの高温部材の冷却面との間に形成される隙間でクロスフローが発生しにくい。
そのためインピンジメント冷却であっても充分にガスタービンの高温部材の冷却面の冷却が可能となる。さらにクロスフローが発生しにくいため冷却空気量も削減することができ、タービン全体におけるエネルギー効率の向上が可能となる。
そのためインピンジメント冷却であっても充分に高温部材の冷却が可能となる。さらにクロスフローが発生しにくいため冷却空気量も削減することができ、タービン全体におけるエネルギー効率の向上が可能となる。
これにより、クロスフローとならずに高温部材内面の反対側へ流れた空気をスムースに高温部材外へ排出することができる。したがって、前記高温部材内面の反対側へ流れた空気が、再びノズル管と高温部材内面との間に形成される隙間に戻ってクロスフローとなるなどの高温部材の冷却の障害となることはない。
これにより、前記ノズル管の高温部材への取り付けが容易になることに加えて、ノズル管から噴出される噴流が高温部材の内面に垂直に衝突するため、衝突後に前記間隙から高温部材内面の反対側へ流れやすくなる。
これにより、ノズル管長を短くすることができるため、ノズル管中での冷却空気の圧力損失が小さくなる。そのため、ノズル管中での冷却空気の圧力損失に起因する空気噴出孔からの冷却空気の噴出流量や噴出速度の減少を防止することができる。さらに、インサート管にのみ外部から冷却空気を供給すればよいため、冷却空気供給のための配管等の系統を簡略化することができる。
高温部材のうちで、タービン内の約1500℃の高温の流体の熱影響を受けやすい箇所は、タービン内の流体流れ方向上流側(前端部)である。前記ノズル管を、前記インサート管よりも前記タービン内の流体流れ方向上流側に配置し、ノズル管を高温部材前端の内面形状に沿って配置することで、タービン内の高温の流体の熱影響を受けやすいタービン内の流体流れ方向上流側を確実に冷却することができる。
リブを設けることにより、ノズル管から噴出される噴流がリブに誘導されて、衝突後に前記間隙からガスタービンの高温部材内面の反対側へ流れやすくなる。
さらにクロスフローが発生しにくいため冷却空気量も削減することができ、タービン全体におけるエネルギー効率の向上が可能となる。
また、前記ノズル管109にはガスタービンの高温部材105の冷却面105aと対向する位置に空気噴出孔109aが設けられており、さらに前記間隙112と対向するガスタービンの高温部105の冷却面105aにはリブ115が取り付けられている。
以下、図面を参照して図3、4を用いて説明したガスタービン高温部の冷却装置を適用した本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
図1は、実施例1におけるガスタービンの静翼部の基本構成を示す縦断面図であり、図2は図1におけるA−A断面図である。
図1における上側がタービン1の外周側、下側がタービン1の内周側に相当し、5は静翼、7は外側シュラウド、8は内側シュラウドである。図1及び図2に示すように、前記静翼5は中空構造に形成されており、該中空部には複数のノズル管9(図1では2本のみ図示)が収納されている。前記複数のノズル管9は前記外側シュラウド7及び内側シュラウド8を貫通しており、外側シュラウド7のタービン外周側で外側シュラウド7に溶接などによって固定されるとともに、内側シュラウド8のタービン内周側で内側シュラウド8に溶接などによって固定されている。これにより前記ノズル管9は静翼5の内周面と接触することなく静翼5の中空部内に固定される。
また10、11は静翼5内の中空部に設けた突起部であり、静翼5の翼形状を保持するための補強材となるとともに、後述する流路13内を流れる空気の流れ方向を調整するガイドの役割も果たす。
静翼5の冷却時には、まず図1に示したようにそれぞれのノズル管9内に圧縮空気である冷却空気を導入する。該ノズル管9内に導入された冷却空気は、ノズル管9内を流れ、ノズル管9に設けた空気噴出孔9aより、静翼5の内面(冷却面)に向かって噴出し、静翼5の内面に衝突してインピンジメント冷却する。前記インピンジメント冷却した空気の大部分は、前記ノズル管9の間に設けられた間隙12方向へ流れ、それぞれの間隙12から流れてきた空気と合流しながら前記流路13内を流れ排出口14から静翼5の外部へ排出される。即ち冷却空気は前記ノズル管9から噴出された後、図2及び図3に示したfの流れで流れる。なお、リブ15は静翼5の内面に衝突した空気が前記間隙12方向へ流れることを促進するために設けられており、リブ15を設けることでより多くの空気が前記fの流れで流れるようになる。
また前記流路13を形成することにより、クロスフローとならずに翼内面の反対側へfの流れで流れた空気をスムースに静翼5の外へ排出することができる。
図5は、実施例2におけるガスタービンの静翼部の基本構成を示す縦断面図であり、図6は図5におけるB−B断面図である。図7は後述するインサート管19とノズル管20の部分斜視図であり、図8は図6におけるC−C断面図である。
図5における上側がタービン1の外周側、下側がタービン1の内周側に相当し、5は静翼、7は外側シュラウド、8は内側シュラウドである。図5及び図6に示すように、前記静翼5は中空構造に形成されており、該中空部には2つのインサート管19が収納されており、該インサート管19には該インサート管と空気の通流が可能で複数の空気噴出孔20aが設けられた複数のノズル管20が前記タービンの径方向に間隙配置して取り付けられている。また前記ノズル管20は、前記インサート管19よりも前記タービン内の流体流れ方向上流側に配置されるとともに、前記ノズル管20を翼前端部の内面形状に沿った形状としている。
また、前記インサート管19は前記外側シュラウド7及び内側シュラウド8を貫通しており、外側シュラウド7のタービン外周側で外側シュラウド7に溶接などによって固定されるとともに、内側シュラウド8のタービン内周側で内側シュラウド8に溶接などによって固定されている。これにより前記インサート管19及びノズル管20は静翼5の内周面と接触することなく静翼5の中空部内に固定される。
静翼5の冷却時には、まず図5に示したようにインサート管19に圧縮空気である冷却空気を導入する。該インサート管19内に導入された冷却空気は、インサート管19内を流れながら、インサート管19に取り付けられた複数のノズル管20それぞれに供給される。そして、ノズル管20に供給された空気は、ノズル管20に設けた空気噴出孔20aより、静翼5の内面(冷却面)に向かって噴出され、静翼5の内面に衝突してインピンジメント冷却する。前記インピンジメント冷却した空気の大部分は、前記ノズル管20の間に設けられた間隙32方向へ流れ、それぞれの間隙32から流れてきた空気と合流しながら前記流路13内を流れ排出口(不図示)から静翼5の外部へ排出される。即ち冷却空気は前記ノズル管20から噴出された後、図8に示したf´の流れで流れる。なお、リブ21は静翼5の内面に衝突した空気が前記間隙32方向への流れることを促進するために設けられており、リブ15を設けることでより多くの空気が前記f´の流れで流れるようになる。
また前記流路23を形成することにより、クロスフローとならずに翼内面の反対側へf´の流れで流れた空気をスムースに静翼5の外へ排出することができる。
図9は、実施例3におけるタービン翼環部の構成を示す縦断面図である。
図9における上側がタービン1の外周側、下側がタービン1の内周側に相当する。タービン翼環41には、周方向に複数に分割された遮熱環42と、周方向に複数に分割された分割環43が支持されている。分割環43は、動翼6の先端と対向する内壁となり、分割環43と動翼6との間には所定の間隔が設けられている。また、翼環41と分割環43との間には空間部47が形成されており、翼環41を貫通して空間部47内に冷却空気を導入可能な冷却空気導入管48が設けられている。また、空間部47には分割環43に沿って環状に形成された複数のノズル管49(図9においては3本)が収納されている。ノズル管49は、冷却空気導入管48に支持されることにより、翼環41及び分割管43の何れとも接触することなく空間部47内に固定される。また冷却空気導入管48とノズル管49とは冷却空気の流通が可能となるように構成されている。
分割環43の冷却時には、まず図9に示したようにそれぞれのノズル管49内に冷却空気導入間48を介して圧縮空気である冷却空気を導入する。該ノズル管49内に導入された冷却空気は、ノズル管49内を流れ、ノズル管49に設けた空気噴出孔49aより、分割環43の外周側表面に向かって噴出され、分割環43の外周側表面に衝突してインピンジメント冷却する。前記インピンジメント冷却した空気の大部分は、前記ノズル管49の間に設けられた間隙52方向へ流れ、それぞれの間隙52から流れてきた空気と合流しながらマルチホール44から空間部47の外部へ排出される。即ち冷却空気は前記ノズル管49から噴出された後、図9に示したf´´の流れで流れる。なお、リブ55は分割環43の外周側表面に衝突した冷却空気が前記間隙52方向への流れることを促進するために設けられており、リブ55を設けることでより多くの空気が前記f´´の流れで流れるようになる。
またマルチホール44を形成することにより、クロスフローとならずに翼内面の反対側へf´´の流れで流れた空気をスムースに空間部47の外へ排出することができる。
5 静翼
9 ノズル管
9a 空気噴出孔
12 間隙
13 流路
15 リブ
19 インサート管
20 ノズル管
20a 空気噴出孔
23 流路
32 間隙
43 分割環
49 ノズル管
49a 空気噴出孔
52 間隙
Claims (11)
- ガスタービンの高温部材の冷却面側に、複数の空気噴出孔を設けたインピンジメント板を設け、前記空気噴出孔から冷却空気を噴出させ、該噴出させた冷却空気を前記ガスタービンの高温部材の冷却面側に衝突させてインピンジメント冷却するガスタービン高温部の冷却装置において、
前記インピンジメント板を複数のノズル管で形成し、
前記ガスタービンの高温部材の冷却面側に、空気噴出孔を設けた複数の前記ノズル管が互いに間隙を空けて並ぶように前記ノズル管を前記冷却面に沿って延在させるとともに、
前記ノズル管より前記ガスタービンの高温部材の冷却面側に向けて噴出した噴流が、前記ガスタービンの高温部材の冷却面側に衝突後、隣接する前記ノズル管の間の前記間隙を介して、前記ノズル管を挟んで前記冷却面とは反対側のスペースへ流れるように構成したことを特徴とするガスタービン高温部の冷却装置。 - 前記高温部材は、前記ガスタービンの中空構造のブレードであり、
複数の前記ノズル管は、前記ブレードの内部空間において前記ガスタービンの径方向に沿って延在しており、前記ブレードの圧力面側の内面に対向する第1の管列と、前記ブレードの吸込面側の内面に対向する第2の管列とを含み、
前記冷却面としての前記ブレードの内面に衝突した前記冷却空気の噴流は、前記間隙を介して、前記第1の管列と前記第2の管列との間に形成された前記スペースに導かれることを特徴とする請求項1記載のガスタービン高温部の冷却装置。 - 前記冷却空気は、前記ブレードの前端側から後端側に向かって前記スペース内を流れ、
前記ブレードの後端側には、前記スペース内の前記冷却空気を排出するための流路が設けられていることを特徴とする請求項2記載のガスタービン高温部の冷却装置。 - 前記高温部材は、前記ガスタービンの分割環であり、
複数の前記ノズル管は、前記分割環と前記ガスタービンの翼環との間の空間部に収納されるとともに、前記分割環の外周側表面に対向して設けられており、
前記冷却面としての前記分割環の前記外周側表面に衝突した前記冷却空気は、前記間隙を介して前記空間部内における前記スペースに導かれ、前記空間部に連通するマルチホールによって排出されることを特徴とする請求項1記載のガスタービン高温部の冷却装置。 - 前記冷却面には、前記間隙に沿って前記ノズル管の長手方向に延在し、前記高温部材の冷却面側に衝突した後の前記冷却空気の噴流を前記間隙に向かう流れに変向させるリブが設けられていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載のガスタービン高温部の冷却装置。
- 前記高温部材は中空構造であり、複数の前記ノズル管を含むインサートコアが前記高温部材の内部に収納されており、
前記インサートコアの前記ノズル管から噴出された前記冷却空気の噴流が、前記冷却面としての前記高温部材の内面に衝突後、前記間隙から高温部材の内面の反対側へ流れるように構成したことを特徴とする請求項1記載のガスタービン高温部の冷却装置。 - 前記間隙を介して高温部材内面の反対側への流れた空気が、前記高温部材の後端側へ導かれて排出される流路が高温部材内部に形成されたことを特徴とする請求項6記載のガスタービン高温部の冷却装置。
- 前記ノズル管は、前記タービンの径方向に延在して間隙配置されるとともに、前記高温部材の内面と対面する位置に前記空気噴出孔が設けられていることを特徴とする請求項6又は7記載のガスタービン高温部の冷却装置。
- ガスタービンの高温部材の冷却面側に、複数の空気噴出孔を設けたインピンジメント板を設け、前記空気噴出孔から冷却空気を噴出させ、該噴出させた冷却空気を前記ガスタービンの高温部材の冷却面側に衝突させてインピンジメント冷却するガスタービン高温部の冷却装置において、
前記インピンジメント板を複数のノズル管で形成し、
前記ガスタービンの高温部材の冷却面側に、空気噴出孔を設けた前記ノズル管を所定方向に前記間隙を介して複数延在させるとともに、
前記高温部材は中空構造であり、複数の前記ノズル管を含むインサートコアが前記高温部材の内部に収納されており、
空気の流通が可能なインサートコアを、前記高温部材内において、前記ガスタービンの径方向に沿って延在させ、
空気噴出孔を設けた複数のノズル管を、前記ガスタービンの径方向に間隙を空けて前記インサートコアに配置して、
前記インサートコアの前記ノズル管から噴出された前記冷却空気の噴流が、前記冷却面としての前記高温部材の内面に衝突後、前記間隙から高温部材の内面の反対側へ流れるように構成されたことを特徴とするガスタービン高温部の冷却装置。 - 前記ノズル管を、前記インサートコアよりも前記タービン内の流体流れ方向上流側に配置するとともに、
前記ノズル管を高温部材前端部の内面形状に沿って配置することを特徴とする請求項9記載のガスタービン高温部の冷却装置。 - 前記ノズル管間の間隙と対向する前記ガスタービンの高温部材の冷却面側に、該ガスタービンの高温部材の冷却面側と直角方向に向け、前記ノズル管とガスタービンの高温部材の冷却面間の距離よりも短いリブを取り付けたことを特徴とする請求項1〜10の何れか一項に記載のガスタービン高温部の冷却装置。
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