JP5221778B2 - Dslノイズキャンセル - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、DSL(デジタル加入者回線)通信の分野に関し、特に、DSL伝送線路上のノイズ干渉を低減するための参照ノイズ信号の使用に関する。
DSLの開発は1990年代の中頃に始まった。現在、3億を超えるDSL伝送線路(または、単に「DSL回線」)が世界中に存在する。DSLは、非シールド電話回線に高周波数信号を使用することによって、高ビットレートデータ通信を提供するように設計されている。電話回線は、高周波数データ伝送ではなく、元々は音声通信のために設計され、本質的に、DSLで使用される高周波数帯でのノイズ干渉(または、単に、「ノイズ」)の影響を受けやすい。
DSL伝送線路のノイズ干渉(すなわち、非シールド電話回線上でDSLデータトラヒックを伝送すること)は、世界中で展開されるDSLにとって、深刻な性能劣化の原因である。典型的なDSLネットワークの大多数の回線で、ノイズ干渉によって、データレートの多大な損失に悩むことは、珍しくない。多くのDSLネットワークでは、ノイズの結果として、50%を優に超えるデータレートの損失に悩む回線が多くある。AMラジオ伝送、さまざまな源からのインパルスノイズ、コンピューターおよびテレビからの高調波ノイズ、TIなどの他のデジタル通信プロトコルからの干渉、並びに他のDSL伝送線路からのクロストークを含む多くのノイズ源が、DSL伝送を損なっている。
早くも1990年代中頃には、ノイズ干渉の悪影響についてDSL設計者は認識しており、結果として生じる性能劣化を軽減する方法を探していた。1997年に出願された、「ラジオ周波数ノイズキャンセル」という名称の米国特許第5,995,567号には、DSL伝送線路のノイズ干渉を低減するために、参照ノイズ信号の使用および周知のLMS(最小二乗平均)キャンセル(cancellation)技術が記載されている。
参照ノイズ信号を利用してDSL回線のノイズを低減させて、DSLデータ伝送性能を向上させる(より高いビットレート、長い伝送範囲および/またはより少ない伝送エラー)多数の試行が、長年にわたって、繰り返されてきた。一般に入手可能な参照ノイズ信号源は、DSL回線のコモンモード信号、および、DSL回線の近くにある他の電話回線に由来する信号を含む。これらの回線に由来する(および他の類似する)参照ノイズ信号には、ノイズキャンセル性能を十分に発揮できない2つの次善の特性がある。
第1に、電話回線に由来する参照ノイズ信号には、電話回線クロストークの結果、いくらかのDSLデータ信号の残留エネルギーが含まれる。ノイズキャンセラは、DSL回線の相関するエネルギーを最適化するように機能するので、しばしばDSLデータ信号を「キャンセル」するように機能し、その結果DSLモデム性能を劣化させる。今後、この効果を、「データ信号キャンセル」と称する。
第2に、これらの参照ノイズ信号源は、しばしば、多くのノイズ信号の複雑な組み合わせである。多様なノイズ源が、一般的に参照ノイズ信号とDSLデータ回線に、それぞれ異なって結合する。たとえば、DSL回線に存在しないある種のノイズが、参照ノイズ信号に結合する場合もある。このような場合には、単純に、すべての広帯域ノイズエネルギーを低減するように機能する、従来のキャンセルアプローチ(LMSなど)では、DSL伝送性能を向上させるという意味では、満足な結果を達成することができない。たとえば、LMSキャンセラは大きなエネルギーを持つ狭帯域AMノイズに集中し、AM周波数帯で適度にビットレートを向上させるが、他の帯域で、より大きなノイズ劣化を発生させる。一般的に、広帯域エネルギーを低減させるアルゴリズムでは、周波数帯キャンセルを、最適にDSLデータ伝送性能を向上させる領域に集中するように最適化させることができない。
さまざまな解決法が、参照ノイズ信号のこの性質に起因する課題を解決するために提案されてきた。提案された解決法のそれぞれには、一定の制限があり、解決すべき点がある。
提案された解決法のいくつかには、一般に入手可能な電話回線に由来する、参照ノイズ信号源を利用する技術が含まれる。該すぐに利用できるノイズ源の使用は、広く展開するためには好ましい。
しかしながら、これらの技術のいずれも、電話回線に由来する参照ノイズ信号源にしばしば見られる、残留DSLデータ信号に由来する、有害なDSLデータ信号キャンセル効果を低減する、効果的な方法を提供していない。米国特許第5,995,567号のCioffi et al.,は、この問題を解決するために、DSLデータが伝送されない期間だけに、ノイズキャンセラを教育することを記載している。この技術は、ピンポンタイム・デュープレックス非同期DSL(ADSL)システムに使用されるために提案された技術であり、一般的に使用される周波数分割双方向(FDD)およびエコーキャンセルDSL技術では、米国特許第5、995、567号で要求される繰り返し無信号期間を有しないので、現在の世界的な展開に適用することは難しい。Magesacher、「Analysis of Adaptive Interference Cancellation Using Common−Mode Information in Wireline Communications」は、DSLデータ信号キャンセルの問題についてさらに言及し、データ伝送中に使用されると、コモンモード回線に由来する参照ノイズ信号を使用するノイズキャンセラは、DSL性能を劣化させる(それ故に、一般に展開されるDSL技術には直ちに適用できない)と結論づけている。
Amrany et al.,の米国特許第6,999,504号は、参照ノイズ信号として、DSL回線コモンモード信号を使用することを記載する。この信号を使用することは、すべてのDSL接続で利用することができるので好ましいが、Amranyは、データ信号キャンセル問題、または最適ではない周波数帯へ集中する問題には取り組まなかった。実際、これらの問題は、従来のキャンセル技術と共に使用された場合に、DSL伝送線路性能を向上させるために、参照ノイズ信号としてコモンモード信号を使用することを制限する。
他のアプローチでは、回線に由来する(AMノイズ、インパルスノイズ、高調波ノイズ、および/またはクロストークノイズの多重信号源などの)参照ノイズ信号源に見られる多くのタイプのノイズを取り扱うために、ノイズキャンセラの能力を改良させる技術が記載されている。国際特許出願公開番号第2008/045332号のCioffi et al.,は、参照ノイズ信号を解析して、存在するノイズのクラスに基づいて、キャンセルパラメータを調節することを提案する。そこに記載された技術は、係数の組み合わせを記憶し、キャンセルしきい値を適用し、復調フィードバックを取り込むことを含む。これらのアプローチは、存在するノイズクラスに対するキャンセルを最適化する、ノイズキャンセラを支援するが、参照ノイズ信号中の残留DSLデータ信号による、データ信号キャンセル問題を直接取り扱わない。
以下に記載される他の技術は、より最適な参照ノイズ信号源の使用を提案する。この特性によるアプローチでは、提案される参照信号源からキャンセルできるノイズ量の制限および/または提案される参照信号源の入手可能性の制限によって、適用性が制限される。
米国特許第7,003,094号のFischer、et al.,は、AMラジオ受信機を使用して、回線に由来する参照ノイズ信号源に関連する問題に影響されない、適切なAM参照ノイズ信号を生成することを記載している。このアプローチは、一つ以上のAMラジオ局から伝送されるノイズのキャンセルには、効果的である。しかしながら、AM伝送ノイズは大きなノイズ障害源の一つであるので、参照ノイズ信号源としてAM受信機を使用することによって、DSLネットワークの全体の性能を大きく向上させることはできない。
米国特許第6,477,212号のBingel、et al.,は、アンテナなどの個別の検出デバイスに由来する参照ノイズ信号を記載している。実際、回線に由来する参照ノイズに関連する問題が存在しない程度に、回線信号から分離されていれば、検出器は良好に相関する参照ノイズ信号を生成しない。クロストークやインパルスおよび高調波ノイズに結合する回線の多くは、回線から分離された検出器では十分に代表できない。このタイプのアプローチは、主に、AMおよびアマチュアラジオ放送信号のキャンセルに適している。これらのタイプのノイズを改良するだけでは、DSLネットワーク全体の利益を上げるには限界がある。
ベクトル化されたDSLノイズキャンセルは、クロストーク効果を持つ可能性が高い、他のDSL送信機から、理想参照信号を、キャンセルデバイスに提供することによって、多重DSLクロストーク源を効果的にキャンセルするアプローチである。これは、DSLクロストーク干渉を低減させる効果的な方法であるが、DSLアクセスマルチプレクサ(DSLAM)モデム間の伝送信号源を共有することを支援する、大幅に変更されたアーキクチャを備える、新システムだけに適用できる。さらに、ベクトル化されたDSLは、DSL接続末端の顧客施設装置(CPE)での、AMラジオ伝送またはインパルスノイズなどの、他の外部ノイズ源をキャンセルすることに対処していない。
特許協力条約(PCT)特許出願、公開番号WO2004/027579号のShah etal.,は、一つの回線から受信されたデータ信号が、別の回線のクロストークをキャンセルできるように使用できる相互接続を備える、多重受信機の使用について記載している。このアプローチは、多重受信機からの相互接続経路が必要になるので、大多数のDSLネットワーク施設には適用できない。
参照ノイズ信号中に存在する残留DSLデータ信号から生じる問題を解決でき、および/または、DSLネットワーク全体の性能を向上させるために、すぐに利用可能な回線に由来する参照ノイズ信号を使用して、ノイズキャンセラによるキャンセルを集中させる周波数帯を最適化できる本発明の実施形態によって、当該技術分野における重要な進歩が達成されるであろう。
本発明の実施形態によれば、すぐに利用可能な電話回線に由来する、参照ノイズ信号(または、他の類似する参照ノイズ信号)の使用によって、DSLノイズ障害のキャンセルを実施できるので、DSLネットワークの全体の性能を有益に改良することができる。回線に由来する参照ノイズを使用することによって、本発明の実施形態は、DSL回線に存在する多重ノイズタイプを検出してキャンセルでき、および、今日存在する3億を超えるDSL回線の改造による更新を含んだ広範な展開に適している。
特に、本発明の一実施形態は、回線に由来する(あるいは、他の類似する)参照ノイズの有益な使用を以下の工程によって支援する。
a)有害なデータ信号キャンセルを緩和する工程であって、参照ノイズ信号中に、残留DSLデータ信号が存在する場合に、i)ノイズキャンセルによってDSLデータ伝送性能を改良すること、およびii)キャンセル係数をデータ伝送中に適用することを可能にする工程と、
b)キャンセルプロセスのキャンセルを集中させる周波数帯をシフトさせる工程であって、全体のエネルギーを低減させることをゴールとする、従来のキャンセラ(LMSアプローチなど)を避けて、DSL性能をより高めるために、最適化されたキャンセルを集中させる周波数帯を実施する工程。
これらの機能は、個々にまたは組み合わせて使用できるので、回線に由来する参照ノイズ信号を有益に使用することが達成できる。
本発明の一実施形態は、3つの技術の一つ以上を利用して、参照ノイズ信号中に、残留DSLデータ信号エネルギーが存在する場合に、データ信号をキャンセルする有害な問題を克服する。それぞれの技術は、データ信号をキャンセルする望ましくなく問題を避け、低減し、または、強調しないために、DSL同期シンボルの反復性を活用する。これらの技術は、個々に、または、いかなる組み合わせであっても使用できる。
プロセスの最初のステップは、DSL同期シンボルの無ノイズ代表特性、または単純に、同期シンボルを得て記憶することである。同期シンボルは、最も広く適用されているDSL回線伝送標準の特徴である。第1の技術は、記憶された無ノイズ同期シンボルを使用して、参照ノイズ信号から残留DSLデータ信号の大部分を除去する、参照ノイズ「クリーンアップ」エネルギーキャンセルループを教育することである。この技術によって、データ信号をキャンセルしてしまう問題を、軽減または解消する。
第2の技術は、記憶された無ノイズ同期シンボルを使用して、模擬データが伝送されない期間の反復期間を生成する。これらの期間は、記憶された同期シンボルを、実際のDSL回線同期シンボル伝送信号から減算することによって、同期シンボル伝送中に生成される。この技術を使用する場合には、模擬データが無い期間中だけに、一次DSLノイズキャンセルループが更新されるので、参照ノイズ信号に残る残留DSLデータ信号によって生じる、データをキャンセルすることを避けられる。従って、キャンセル係数は同期シンボル期間中に学習され、次のデータシンボル期間中にノイズキャンセルを実施できる。参照ノイズ信号源からDSL回線への空間的な結合を示す係数は、空間的な結合が比較的時間に独立しているので、次のデータシンボル期間で有効である。キャンセル係数のわずかな変更は、反復する同期シンボル期間中の、更新プロセスによって追跡される。
第3の技術では、参照ノイズ信号とDSLデータ信号との間の相関が検出される周波数帯で、ノイズキャンセルが試行されることを避け、または強調しないことが含まれる。参照ノイズ信号と記憶された無ノイズの同期シンボルとの間の相関は、同期シンボルを伝送する期間の間に測定される。この解析によって、参照ノイズ信号中で、相関するDSLデータ信号が存在する周波数帯を特定する。この第3の技術は、相関が検出された周波数帯で、キャンセルの試行を避け、または強調しないように案内できる、周波数帯アジャイルノイズキャンセルプロセスとともに機能する。有害な周波数帯は避けられ、または強調されないが、参照ノイズ信号が有用である周波数帯は利用される。
参照ノイズに、残留DSLデータ信号エネルギーが存在する場合に発生する、データ信号をキャンセルするという有害を克服する別の技術では、メモリの使用、およびプロセスの平均化または予測化を含む。このアプローチは、60Hz高調波、テレビ受像機、コンピューターのディスプレイ、電源または電気モーターによって発生するノイズなどのように、関心対象の参照ノイズ信号が、周期的な特性を有する場合に有用である。関心対象となっているノイズ信号のそれぞれが周期的である、多数の信号サンプルを、長時間、解析または平均化することによって、有害なDSLデータ信号を抑制できる。この技術は、関心の対象となっている周期的参照ノイズ信号を、他の形態の望ましくない信号エネルギーから減算することにも有用であることに留意されたい。
本発明の実施形態によれば、全体のエネルギーを低減させることをゴールとする、従来のキャンセラ(LMSアプローチなど)を避けて、DSL性能をより高めるために、キャンセルを集中する周波数帯を最適化させて実施し、キャンセルを集中させる周波数帯をシフトさせることによって、回線に由来する参照ノイズ信号の使用をさらに支援する。
キャンセルを集中させる周波数帯最適化プロセスの第1のステップは、DSL回線信号と参照ノイズ信号を解析し、a)DSL性能を高めるために、ノイズキャンセルが最も有益である周波数帯であって、B)キャンセルの試行が有害であり、避けられるべき周波数帯であって、およびc)DSL回線信号の効果を無視できる周波数帯を決定することである。
プロセスの第2のステップは、周波数帯案内情報を周波数帯アジャイルノイズキャンセラに提供することである。周波数帯アジャイルキャンセラは、信号の高速フーリエ変換(FFT)解析および周波数領域適応係数を含む多くの技術の何れかによって実現できる。
信号とノイズの解析には、最適な周波数帯の案内情報を決定するために、いくつの技術が組み合わされて使用されてもよい。DSL回線信号は、使用する周波数帯、および使用する可能性がある周波数帯を決定するために評価される。これによって、キャンセルプロセスは、それぞれの回線のDSL信号によって使用される可能性が小さい、強調されるべきでない周波数帯を案内できる。
参照ノイズ信号は、ノイズタイプおよびノイズエネルギーPSD(パワー・スペクトル密度)を決定するために評価される。記憶された無ノイズ同期シンボルは、DSL回線ノイズフロアを計測できる、模擬データが伝送されない期間を生成するように使用できる。参照ノイズ情報は、ノイズフロア推定と結合されて、DSL性能に最も利益がある可能性があるノイズキャンセルバンド幅を決定する。たとえば、この特性の解析によって、AMラジオ伝送信号とそのFFTサイドローブによって、DSLモデムが障害を受けている場合には、AMラジオ伝送信号をキャンセルするのに大きな利益があり、または解析によって、AMラジオ伝送信号をキャンセルするよりも、他の周波数帯で広帯域ノイズにキャンセルを集中することによって、DSL性能に大きな利益があることを決定できる。
さらに、相間技術は解析を向上させ、最適なキャンセルを集中させる周波数帯を決定するように使用できる。参照ノイズ信号は、模擬データが伝送されない期間で、実際のDSLデータ回線信号および/または回線信号と相関する。この情報と同期シンボル相間データとの組み合わせによって、参照ノイズ信号のエネルギーを同定することを補助でき、すなわちa)DSL回線のDSLデータ信号と相関する、B)DSL回線の回線ノイズと相関する、および/またはc)どちらとも相関しないかを同定できる。さらに、この情報は、DSL性能にとって最も有益な周波数帯に集中するように、周波数帯アジャイルキャンセラを案内するように使用できる。
ローカル信号解析による案内情報に加えて、中央ネットワーク性能管理システムは、入力情報によって、周波数帯アジャイルキャンセラを案内することができる。プロセスを感知するネットワークは、ユーザが認知できる、試行されるキャンセルの種類に対する利得、一日でノイズが活発な時間、または一日で性能が必要な時間などの追加の有益な情報を追跡できる。
上述したプロセスによって供給される周波数帯案内情報によって、全体のノイズパワーを低減することを目標とする、従来のキャンセル技術よりも、ノイズキャンセル係数を相当変更させることになる。変更されたキャンセル係数によって、DSLモデム性能を向上させることができる。さらに、キャンセルを集中させる周波数帯を最適化するプロセスは、ノイズキャンセル案内情報によって、変化する回線とノイズ条件を追跡するように適用できる。
データキャンセル回避機能および周波数帯キャンセルを最適化して集中する機能は、実際の実施形態における機能目標によって異なるが、個別に、または組み合わせて利用できる。
上述された技術は、回線に由来する参照ノイズ信号を使用する場合に有益であるが、本発明の実施形態は、残留DSLデータ情報を含むいかなる参照ノイズ信号、および複雑な信号を含むいかなる参照ノイズ信号にも有益に適用できるので、全体のノイズの低減を目標とするよりも、キャンセルを集中させる周波数帯を最適化することによって、DSL性能はより多くの利益を得ることができることに留意されたい。
本発明の実施形態は、一例として記載され、類似の参照記号が類似の構成要素を示す、添付図面の図の内容を制限するものではない。この明細書で、「一つ(an)」または「一(one)」の実施形態という場合には、必ずしも同一の実施形態である必要は無く、該参照では「少なくとも一つ」を意味することに留意されたい
本発明の実施形態が実装されてもよい、DSLネットワークを示す。 本発明の少なくとも一つの実施形態を示す。 キャンセルを集中させる周波数帯パラメータを演算する方法を示す。 同期シンボルの獲得および追跡方法を示す。 DSL同期シンボルの獲得方法(a)を示す。 DSL同期シンボルの獲得方法(b)を示す。 中央ネットワーク性能管理センターと本発明との間の可能性のある通信チャンネルを示す。 参照クリーンアップ処理の方法を示す。 無ノイズ同期シンボルを使用して、推定された伝送データが無い期間を生成する方法を示す。
図1は、本発明の一実施形態を含むDSLネットワークを示す。DSLAM(100)と称する、一束のDSLモデムは、典型的には本社(108)の中に位置する。さらに、受信DSLモデムは、それぞれ顧客施設(109)に位置する。電話回線(103)は、DSL信号をDSLAMからモデムに伝送する。回線(103)は、任意で、音声帯電話信号を提供してもよい。電話回線103は、典型的には、ツイストペア線を含み、該ツイストペア線は、ノイズキャンセラ101位置で終端する線の共通の結束中で、組み合わされた、または分離された、多くのツイストペア線の一つである。追加の電話回線(105)は、DSL通信を他の顧客に提供する。
ノイズキャンセラ(101)は、顧客施設の中に位置する、本発明の一実施形態を示す。ノイズキャンセラ(101)は、参照ノイズ入力(104)上で見つけられる参照ノイズ信号を使用して、回線(103)の干渉ノイズを低減し、したがって取り付けられたモデム(102)のDSL性能を高める。顧客施設内のノイズキャンセラ(101)の位置によって、モデム入力点で、干渉ノイズをキャンセル能力を高める。本発明の他の実施形態は、モデムにキャンセラ(101)を一体化すること、または顧客施設の外側に位置するデバイスに一体化することを含む。モデムから物理的に分離している本発明の実施形態では、モデム位置で参照ノイズ信号がすぐに利用できない、建物の中での設置を容易にする(たとえば、施設では、モデムで終端する前に、DSL信号を同軸ケーブル上で変調する)。
参照ノイズ信号(104)は、ノイズキャンセルプロセス中に、キャンセラ(101)が入力として使用する一つ以上の入である。参照ノイズ信号は、回線にDSL信号または音声帯信号が存在するか否かにかかわらず、関連する回線(103)のコモンモード信号または差動モード信号から得ることができ、および付近にあるいずれかの他の電話回線、たとえば、キャンセラ位置で終端する線の共通結束中で、組み合わせたまたは分離された、いずれかのツイストペアのいずれかの線から得ることができる。参照ノイズ信号の代替源は、アンテナおよび建物の基準接地接続点を含む。一つ以上の電話回線は、DSL設置場所ですぐに利用でき、および、電話回線は、しばしばキャンセルされるべきノイズの代表を含むので、DSLノイズキャンセルデバイスにとって、電話回線信号から得られる参照ノイズ信号を利用することは有益である。しかしながら、参照ノイズ信号源に由来する、電話回線に存在するノイズ信号の複雑性のために、従来のノイズキャンセルアルゴリズムでは、DSL性能をしばしば低下させる。本発明の一実施形態は、複雑なノイズ信号を有する参照ノイズ信号源からの回線の使用によって、ノイズの有益な低減とDSLの性能を向上できる技術を含む。
DSL結合信号(110)は、取り付けられたモデムに関連するDSLデータ信号の一部が、参照ノイズ信号(104)に結合することを示す。典型的には、経路(110)を介して、参照ノイズ信号中に残留DSLデータ信号が存在するので、キャンセラ(101)はDSLデータ信号をキャンセルさせて、DSL性能を劣化させる。本発明の一実施形態は、キャンセラ(101)によるDSLデータのキャンセルを軽減または排除させるので、有益にDSL回線ノイズを低減し、取り付けられたDSLモデム(102)の性能を高めるように、残留DSLデータ信号要素を有する参照ノイズ信号(104)を使用できる技術を含む。
クロストーク信号(106)は、他のデータ伝送線路(105)からのデータ信号クロストークによる干渉を、電話回線(103)と参照ノイズ入力(104)の両方に結合させる。クロストークによる干渉は、他のDSL送信機または、TIまたはISDNなどの他のデータ通信プロトコルであってもよい。ノイズ干渉信号(107)は、電話回線(103)と参照ノイズ入力(104)の両方に結合する、多くの源からの多重ノイズ信号を示す。共通に見つけられるノイズ干渉信号には、AM放送、テレビおよびコンピューターからの高調波信号、並びに、さまざまな電化製品および他の電子または電気機械デバイスからの広帯域インパルス干渉が含まれる。ノイズ源は、顧客施設(109)の内部と外部の両方に存在することに留意されたい。
多重干渉ノイズ信号の代表特性を有する参照ノイズ信号(104)は、キャンセラ(101)によって使用されることができるので、多重ノイズ源からの干渉を低減し、取り付けられたモデム(102)のDSL性能を高める。しかしながら、従来のLMSなどの、回線(103)の全体のノイズパワーを低減するように機能する、キャンセル技術は、DSL性能を最適に高めることはできない。本発明の実施形態は、参照ノイズ信号および回線信号を解析し、その解析から、周波数帯案内情報をキャンセラ(101)に提供する技術を含むので、よりキャンセルを集中させる周波数帯の最適化が実施されてDSL性能を一層高めることができる。
図2は、本発明の一実施形態のブロック図を示す。図は、別々の論理ブロックで、本発明の多様な機能的な形態を示す。一実施形態では、一つ以上の論理ブロックは、ハードウェアで実現されてもよい。または、一つ以上の論理ブロックは、ファームウェアで実現されてもよい。たとえば、本発明の実施形態は、たとえば、モデムへのファームウェアのアップグレードによって実現されてもよいことを意図している。回線ポート(210)によって、電話回線はDSL DSLAM(100)に接続され、モデムポート(211)によって顧客施設の関連するDSLモデムに接続され、参照ノイズポート(212a−n)によって一つ以上の参照ノイズ信号の入力に接続される。
適応ノイズキャンセルフィルター(201a−n)は、参照ノイズ信号(212)から、ポート(210)のDSL回線に存在するノイズの逆像を含むノイズキャンセル信号(214)を減算する。結合器(202)は、ノイズキャンセル信号(214)とDSL回線信号とを結合するので、モデムポート(211)を介して、関連する顧客施設モデムに伝えられる結果として生じる信号は、ノイズ干渉が低減され、DSL性能の向上を支援する。
適応ノイズキャンセルフィルター(201)はプログラム可能な係数を備えるので、本発明の一実施形態によるデジタルフィルタリング技術を使用して実装される。当業者であれば、これらのフィルターおよび関連する機能は、時間領域信号または周波数領域信号を処理するように構成されてもよく、並びに該処理は、デジタル論理またはマイクロプロセッサーおよびソフトウェアで実装されてもよいことを理解するであろう。一実施形態では、適応ノイズキャンセルフィルター(201)は、たとえば128ポイントの、超広帯域FIRフィルターを並列に組み合わせて、およびプロセス狭帯域AM信号または高調波信号を処理するために導入できる、一つ以上の狭帯域フィルターで実装されてもよい。
結合器回路(202)は、ノイズキャンセルプロセスの信号処理遅延に合致するように構成される、アナログ遅延回線を使用し、それに加えて、ノイズキャンセル信号が、ポート211取り付けられたモデムの方向に主に導かれる、ハイブリッド回路を使用して実装されてもよい。一実施形態では、電話回線信号が、アップストリーム信号経路およびダウンストリーム信号経路のそれぞれに侵入するように構成される、デュアルハイブリッド回路を使用して、結合器回路(202)が実装されてもよい。この構成ではノイズキャンセル信号は、ダウンストリーム信号経路だけに適用される。デュアルハイブリッド構成によって、ダウンストリーム信号は潜在的に増幅および/または周波数補償が可能になるので、モデムノイズフロアおよび/またはダイナミックレンジの悪影響を低減できる。一実施形態では、ハイブリッドは、エラー信号(213)に存在するアップストリーム信号のエネルギーを有益に低減する、適応ハイブリッドキャンセル技術を使用して実装される。
ノイズキャンセル制御ブロック(200)は、ノイズキャンセルフィルター(単数または複数)(201)の係数を適用するので、有益なノイズ低減が、結合器(202)で実施される。キャンセル制御機能(200)は、参照ノイズ入力とエラー信号(213)との間のエネルギー相関を探す。LMSなどの従来のキャンセルアルゴリズムでは、キャンセルフィルター係数は、エラー信号(213)に存在する、参照ノイズ信号のエネルギーを最小化するために使用されるので、DSL回線の相関するノイズ信号成分をキャンセルする。一つの該LMSベースのアプローチが以下に記載される。ノイズキャンセルに関する当業者であれば、類似するLMSおよび適応フィルタリング技術ばかりではなく、これらの技術および実装法をよく知っている。
は、離散時間nにおける回線(210)からの信号を意味し、yは、離散時間nにおけるモデム(211)からの信号(213)を意味し、および
Figure 0005221778
は、離散時間nにおけるクリーンアップ参照信号(219)を意味する。フィルター(201(a))は、タップがwで示される有限インパルス応答(FIR)フィルターを含む。ノイズキャンセル制御ブロック(200)は、フィルター(201(a))タップを、最小二乗平均(LMS)アルゴリズムまたは正規化最小二乗平均(RLMS)アルゴリズムによって規定される方法で、制御する。この場合に、ノイズキャンセルフィルター(201(a))モジュールによって使用されるフィルターのタップは、次のLMS/RLMS更新数式によって、ノイズキャンセル制御ブロック(200)によって更新されてもよい。
Figure 0005221778
ここで、μは、ノイズキャンセル制御ブロック(200)によって調節されるパラメータであり、
Figure 0005221778
は、信号rの平均パワーを意味する。
本発明の一実施形態では、信号解析機能(203)は、ノイズキャンセル制御ブロック(200)のキャンセルを集中させる周波数帯を有益に導くために使用される。この案内情報によって、キャンセルを集中させる周波数帯を、従来のエネルギー最小化アプローチによって達成されたものから、DSL性能をより高める結果となる本発明の実施形態によるものへシフトさせる。周波数帯案内情報(217)は、特定の周波数帯の周波数帯キャンセルを避け、または強調しないための案内情報、特定の周波数帯のキャンセルに焦点を合わせる案内情報、および/またはキャンセルを緩和または無視して他の周波数帯への案内情報を含む、さまざまな形式であってもよい。案内情報(217)は、指定されるそれぞれの周波数帯における、キャンセルの案内に関連する、しきい値、境界および時定数などの他のパラメータを含んでもよい。
本発明の実施形態は、上記で論じたタイプの周波数帯案内情報(217)を取り込むことができる、周波数帯アジャイルノイズキャンセル制御機能(200)を有する、信号解析機能(203)を含む。LMSアルゴリズムは、修正されて、周波数帯キャンセル案内情報を適用できるように構成されることができる。一つの実施形態では、フーリエ変換および適応した周波数領域LMSアルゴリズムを使用して、周波数帯キャンセル情報の適用を容易にしている。あるいは、時間領域キャンセルアルゴリズムは、周波数帯キャンセル案内情報を適用するように構成することができる。当業者であれば類似する実現技術を知っていることに留意されたいが、実施形態の例を以下に記載する。
は、離散周波数nにおける、モデム(211)からの信号(213)のフーリエ変換を意味し、および
Figure 0005221778
は、離散周波数nにおける参照信号(212)のフーリエ変換を意味する。フィルター(201(a))は、タップがwによって示される有限インパルス応答(FIR)フィルターを含む。ノイズキャンセル制御ブロック(200)は、最小二乗平均(LMS)アルゴリズムまたは正規化最小二乗平均(RLMS)アルゴリズムによって規定される方法で、フィルター(201(a))タップを制御する。この場合に、「フィルター」モジュールによって使用されるフィルターのタップは、次の数式によるノイズキャンセル制御ブロック(200)によって更新されてもよい。
Figure 0005221778
ここで、μは、「制御ロジック」によって調節される、周波数依存LMS適応パラメ−タであり、IFFTは、逆高速フーリエ変換動作を意味し、および、
Figure 0005221778
は信号
Figure 0005221778
の平均パワーを意味する。
一実施形態では、信号解析機能(203)は、多くの解析動作を実施して、ノイズキャンセル制御ブロック(200)を使用するために、有益な周波数帯キャンセル案内情報(217)を決定する。複数の解析ルーチンが結合して、それぞれに重要度重み付け係数を付けて、全体の周波数帯キャンセル案内情報を生成する。
信号解析機能(203)中の一つの解析技術は、DSL信号(210)のスペクトル解析を含み、関連するモデムでデータを受信しそうにない周波数帯を決定する。たとえば、解析ルーチンは、ローカルモデム受信機が使用することに適さない、アップストリーム信号周波数帯および高減衰ダウンストリーム周波数帯を特定する。この情報は、キャンセラの制約を緩和し、または使用することに適さないダウンストリーム周波数帯のキャンセル結果を無視できるように使用される。ノイズキャンセルフィルター(201)の実現可能な伝達関数には制約があるので、重要でない周波数帯の要求条件を緩和することによって、より重要な周波数帯の要求に合うようにフィルターの能力を高めるために、この情報をキャンセル制御ブロック(200)に提供することは有益である。
信号解析機能(203)内の別の解析技術には、参照ノイズ信号(212a−n)の解析が含まれ、存在するノイズの種類を評価する。識別可能なノイズタイプには、広帯域ノイズ、AMノイズ、高調波ノイズおよびインパルスノイズが含まれる。解析ルーチンは、DSL復調を理解しているので、どのタイプのノイズがDSLに大きな障害を引き起こしているかを判断できる。DSL回線信号(210)PSDを解析することによって、この決定を支援することができる。ルーチンは周波数帯キャンセル案内情報(217)をノイズキャンセル制御ブロック(200)に提供するので、キャンセルによってほとんどの有益な種類のノイズを低減できる。案内情報は、ノイズインパルスの存在などのノイズ条件の変化に、素早く対応するように調節できる。DSL回線への利益を最適化する試みに起因する案内情報は、従来のエネルギー低減アプローチから得られた結果を有益に修正することに留意されたい。たとえば、解析によって、高エネルギー狭帯域AM信号をキャンセルする小さなゲインだけを決定できるので、より小さいエネルギーの広帯域クロストーク信号をキャンセルする代わりに、DSL性能をより大きく高めるようにキャンセラを導くことができる。
図3は、前述の有益な周波数帯キャンセル案内情報の適用方法300を示す。該方法は、335で、関連するモデムを再教育し、改良されたノイズキャンセルの利点を生かす決定分岐325を含むことに留意されたい。
図3では、ノード310「DSL信号と参照信号の統計演算」は、参照信号(212)および回線信号(210)を記録し、これらのデータから生成された統計データを演算するプロセスを意味する。ノード315「可能な場合は、ネットワーク管理システムが周波数アジリティーキャンセルガイダンスを検索する」は、外部ネットワーク管理システムからパラメータと制御情報を収集することに対応する。次に、ノード320「ノイズを避けて強調しないために、有益なノイズキャンセルが可能な周波数パラメータと周波数帯を演算して記憶する」は、前のステップで集積されたDSL信号および参照信号並びに外部情報に基づく統計データを統合し、ノイズキャンセルから恩恵を受ける周波数帯と恩恵を受けない周波数帯を決定することを意味する。ノード325「調節された周波数パラメータから利益を得るために再教育が必要か」は、前のステップで演算されたパラメータの効果を得るために、モデムの再初期化が必要か否かを決定することを示す。再初期化が要求される場合には、次にノード335「モデムを再教育する」で、DSLモデム(102)の再初期化を含むプロセスを実行する。
信号解析機能(203)内の別の解析技術には、DSLデータ信号をキャンセルする可能性が高い周波数帯を決定するために、参照ノイズ信号(212)を推定される無ノイズDSLデータ信号と関連させることが含まれる。この解析には、DSL同期シンボル(216)の無ノイズ代表特性の獲得および記憶が含まれる。同期獲得および記憶ブロック(204)は、この機能を実施する。当業者であれば、同期シンボル獲得技術を知っている。ブロック(204)は反復されるDSL同期シンボル伝送を獲得して追跡し、同期シンボルを補足して記憶し、多くのシンボルを平均化して、無ノイズ同期シンボル(216)の代表特性を生成する。いくつかのDSLプロトコルは異なる同期シンボルを利用するが、この場合には、それぞれの特有タイプの代表特性が生成されて記憶される。
図4、図5および図6は、前述のように同期シンボルを獲得して追跡する方法400、方法500および方法600を示す。図4を参照すると、410で「回線信号中のDSLデータ信号の存在を検出する」で表示される手順の第1のステップは、DSL回線伝送が、DSL回線(103)上で現在アクティブであることを確認する。一旦DSLデータ信号の存在が検出されると、「方法(a)または(b)を使用してDSL同期シンボルを獲得する」で表示されるノード415で同期シンボルのタイミングが得られ、方法(a)は図5に描かれて方法(b)は図6に描かれる。この手順は、DSLモデム(102)の教育手順中、DSLモデム(102)のSHOW TIME動作中、またはSELT、DELTなどのDSLモデム(102)の診断動作、および当該技術分野における当業者に知られている類似する診断モード中に、発生してもよい。一旦最新の同期シンボルタイミングが得られると、ノード420「同期シンボル境界でトリガされたか」は、次の同期シンボル境界が発生するまで待つプロセスを意味する。一旦次の同期シンボルが発生すると、「キャプチャし、獲得された同期シンボルを前の同期シンボルと比較する」で示されるノード425で、新同期シンボルが獲得されて前の同期シンボルと比較される。現在の同期シンボルが前の同期シンボルと類似していることが検出されると、推定された無ノイズ同期シンボルが更新されて、「推定されたノイズの無い同期シンボルを更新して記憶する」で示されるノード430で記憶され、制御が「同期シンボル境界でトリガされたか」で示されるノード420に戻る。
代わりに相違が観察される場合には、その差異は、ビットスワップ、利得調節、信号のタイミング、または、DSL伝送標準の適用または専用の特定チップセットの実装で定義される他の形式のオンライン再構成(OLR)動作による。ノード435「差異は、ビットスワップ、利得調節、タイミング、OLRによるのか」は、最新の同期シンボルの相違が、前述の原因に起因するのか否かを決定するプロセスを意味する。もし該原因に起因するのであれば、ノード440「影響を受けた周波数帯で、ノイズの無い同期シンボルの平均化を再び開始する」は、相違する影響を受けた領域で、無ノイズ同期シンボルの推定プロセスを再開することを示す。一例では、利得調節によって、同期シンボルのPSDが特定の周波数で変化する。利得調節が検出された場合の再起動プロセスは、利得調節の結果、PSDが変化した周波数帯での、ノイズ同期シンボル獲得プロセスの再起動に対応し、PSDが変化しなかった周波数帯では、存在する予測無ノイズ同期シンボルを再教育するに対応する。
相違が検出されるが、ノード435「差異は、ビットスワップ、利得調節、タイミング、OLRによるのか」で検出された原因に起因できない場合には、記憶された無ノイズ同期シンボルを削除して再初期化するプロセスを意味する、ノード445「同期シンボルを廃棄する」に進む。その後に、制御が「回線信号中のDSLデータ信号の存在を検出する」を示すノード410に戻る。
図5は、図4の「方法(a)または(b)を使用してDSL同期シンボルを獲得する」で示されるノード415でなされる手順の、例示的な実施形態の詳細(「方法(a)」で示される)を示す。この方法では、ノード510で示される「DSLライン信号の時間相関を検査して、DSLライン信号中のDMTシンボルの境界を検出する」は、DSL回線信号中に存在するDMTシンボルフレーミングの、開始時間および終了時間を決定するプロセスを意味する。このプロセスは、多くのDSL回線伝送標準の特徴である、DMTシンボルのサイクリック・プレフィックスまたはサイクリック・サフィックスによる、サンプル相関を検査することで実現されてもよい。次に、ノイズキャンセラ(101)中に存在する局部発信器と、例えばDSLAM(100)などに存在する遠端発信器との間の信号位相ロックが、時間をかけてDMTシンボル境界の変化を検査することによって、「位相補償ループを教育する」で示されるノード515で得られる。位相補償ループは、位相ロックループ(PLL)、デジタル位相ロックループ(DPLL)、電圧制御発信器(VCO)、電圧制御水晶発信器(VCXO)、または当該技術分野における当業者に知られている他の該技術の何れかの組み合わせとして実現されてもよい。次に、「位相補償ループがロックされたか?」で示されるノード520は、位相補償ループの教育が成功したか否かを決定するプロセスを示し、システムは位相補償タイミングへのロックを維持する。ロックされていない場合には、制御がノード510「DSLライン信号の時間相関を検査して、DSLライン信号中のDMTシンボルの境界を検出する」に戻る。さもなければ、「DMTスーパーフレ−ムの中の同期シンボル位置を検出して追跡する」で示されるノード525は、DMTスーパーフレーム構造中の同期シンボルの位置を決定するプロセスに対応する。いくつかのDSL伝送標準は、多くのDMTシンボルから成っている、スーパーフレームの概念を定義する。決定された位置に基づいて、ノード530「同期シンボル境界トリガを送信する」は、同期シンボルの発生時期を示すタイミングで、トリが、割り込み、信号、フラグ、または当該技術分野における当業者に知られている他の該表示を生成することに対応する。このトリガは、図8の840での「同期シンボル境界でトリガされたか」の決定などの、同期シンボルの同期を要求する他のプロセスで受信される。この図に記載された処理は、ノード510「DSLライン信号の時間相関を検査して、DSLライン信号中のDMTシンボルの境界を検出する」に戻ることによって永遠に繰り返される。
別の例示的な実施形態(方法(b)で示される)が図6に示される。最初に、ノード610で示される「DMTスーパーフレ−ムの中の同期シンボル位置を検出する」は、DSL回線信号中に存在するDMTシンボルフレーミングの、開始時間および終了時間を、直接決定するプロセスを意味する。次に、ノイズキャンセラ(101)中に存在する局部発信器と、例えばDSLAM(100)などに存在する遠端発信器の間の信号位相ロックが、時間をかけて同期シンボル境界の変化を検査することによって、「位相補償ループを追跡する」で示されるノード615で得られる。決定ノード620で示される「位相補償ループがロックされたか?」は、位相補償ループの追跡が成功したか否かを決定するプロセスを示し、システムは位相補償タイミングへのロックを維持する。ロックされていない場合には、制御がノード610「DMTスーパーフレ−ムの中の同期シンボル位置を検出する」に戻る。さもなければ、決定された位置に基づいて、ノード625「同期シンボル境界トリガを送信する」は、同期シンボルの発生時期を示すタイミングで、トリが、割り込み、信号、フラグ、または当該技術分野における当業者に知られている他の該表示を生成することに対応する。この手順は、ノード610「DMTスーパーフレ−ムの中の同期シンボル位置を検出する」に戻ることによって永遠に繰り返される。
参照ノイズ信号(212)と推定された無ノイズDSLデータ信号との相関を取り、キャンセルによって、DSLデータ信号をキャンセルする可能性がある周波数帯を決定することを含む、信号解析機能(203)中の解析技術では、
Figure 0005221778
は、P番目の同期シンボル周期中の、(P番目の同期シンボルの先頭に対する)離散時間nにおける回線(210)からの信号を示し、
Figure 0005221778
は、(P番目の同期シンボルの先頭に対する)離散時間nにおける、記憶された無ノイズ同期シンボルの推定(216)を示す。記憶された無ノイズ同期シンボルは、以下の式によって示されるP周期の全体にわたって、
Figure 0005221778
を平均することによって演算されてもよい。
Figure 0005221778
または次式の1次IIRフィルターなどの平均化フィルターの使用によって演算されてもよい。
Figure 0005221778
ここで、αは、ノイズキャンセル制御ブロック(200)によって制御される適応パラメ−タである。
記憶された無ノイズ同期シンボルは、同期シンボルを伝送する期間中に、伝送された無ノイズデータ信号の推定に用いることができることに留意すべきである。したがって、同期シンボルを伝送する期間中に、参照ノイズ信号(219)と記憶された無ノイズ同期シンボル(216)を相関させることによって、参照ノイズ信号中に、残留相関データ信号が存在する、周波数帯を示す情報を生成する。この情報は、該周波数帯での、ノイズキャンセル制御ブロック(200)による、周波数帯キャンセルを避ける、または強調しない試みに使用され、DSLデータ信号での有害なキャンセルを避けることに留意すべきである。
この解析技術の一実施形態では、
Figure 0005221778
は、(同期シンボルの先頭に対する)離散時間nにおける、記憶された無ノイズ同期シンボルの推定(216)を示し、および
Figure 0005221778
は、(同期シンボルの先頭に対する)離散時間nにおける、参照ノイズ信号(219)を意味する、
Figure 0005221778
を演算する。
ここで、FFTは、高速フーリエ変換動作を意味する。避けるべき周波数帯は、特定の関数Cの周波数帯として選択され、示されたf(C)は、特定のしきい値を超える値を意味する。
本発明の一実施形態では、参照ノイズ信号中に存在する、残留DSLデータ信号を低減または排除することによって、参照ノイズ信号を「クリーンアップ」することができる。以下に記述するブロック207、ブロック208およびブロック209はこの機能を実施する。このノイズクリーンアップ機能であっても、クリーンアッププロセスは完全ではないので、上述の周波数帯キャンセル回避機能は役に立つ。本発明の別の実施形態では、ブロック207とブロック208を備えないので、上に記載された周波数帯キャンセル回避機能がより重要になる。
信号解析機能(203)中のさらに別の解析技術では、推定された回線ノイズ信号(218)と共に、参照ノイズ信号(212)を解析し、有益なノイズキャンセルをする可能性がある周波数帯を決定する。推定された回線ノイズ信号は、同期伝送期間中に、データ回線を伝送された信号(210)から、上記の記憶された無ノイズ同期信号(216)を減算することで生成される。加算ブロック(206)は、この機能を実施する。参照ノイズ信号と推定された回線ノイズ信号との相関によって、最も効果的な回線ノイズキャンセルを実行する、周波数帯の代表特性を生成する。信号解析ブロック(203)は、優先順位を付けてこの周波数帯情報をすべての他の信号解析プロセスの周波数帯結果に結合し、ノイズキャンセル制御ブロック(200)のための、最適化された全体の周波数案内情報(217)を生成する。
この解析技術の一実施形態では、
Figure 0005221778
は、(P番目の同期シンボルの先頭に対する)離散時間nにおける、P番目の同期シンボル周期中の回線(210)からの信号を示し、
Figure 0005221778
は、(P番目の同期シンボルの先頭に対する)離散時間nにおける、記憶された無ノイズ同期シンボルの推定(216)を示す。そして、(P番目の同期シンボルの先頭に対する)離散時間nにおける、推定された回線ノイズ信号
Figure 0005221778
は、以下の式で演算される。
Figure 0005221778
最終的に、有用なノイズキャンセルを実施できる周波数帯が、高ノイズが存在する周波数に対する、推定された回線ノイズ周波数コンテンツを検査することによって演算される。このプロセスの一つの実施形態が以下に記載される。wは、離散時間nにおける所定の窓関数を示し、FFTは高速フーリエ変換動作を示し、および
Figure 0005221778
は離散周波数nにおける推定されたノイズPSDを示す。そして下記式を演算する。
Figure 0005221778
キャンセルを可能にする周波数帯は、離散周波数nを見つけることによって推定されてもよく、ここでN値はその値が大きく、Nの値は(知られたテレビ高調波周波数、または知られたAM伝送周波数など)知られた干渉源に対応する。有用な周波数帯を特定するプロセスの第2の実施形態は、以下のように数学的に表現されてもよい。Cは以下のように定義される。
Figure 0005221778
ここで、
Figure 0005221778
は、信号(219)を意味する。ノイズキャンセルを可能にする周波数帯は、所定の関数Cの周波数帯として選択されてもよく、f(C)は特定のしきい値を超える値を示す。
さらに周波数帯キャンセル案内情報を最適化するために、信号解析機能(203)は、それぞれの周波数帯内の特定のキャンセルパラメータに関する案内情報を、ノイズキャンセル制御ブロック(200)に提供できる。実施例には、適応を可能にするために使用されるエネルギーしきい値、適応時定数、減衰時定数係数、適応中止案内情報の設定、および特定の検出されたノイズ特性に合致することが見いだされた記憶された係数の実装を最適化することが含まれる。PSD、ノイズタイプ、バンド幅、期間および繰り返し数などの参照ノイズ信号(212)の特性の解析によって、これらのパラメータのそれぞれに案内情報を提供可能である。たとえば、ほどよく早いペースでノイズ特性を変化させることが決定される場合には、次に適応係数が十分に早く適応するように導かれるので、ノイズキャンセルについていくことができる。あるいは、インパルスノイズ源が突然ON/OFFする特性である場合には、係数をオフ期間に保持するように導くことができるので、インパルスノイズが戻ってくる場合に正しい値を有する。別の例では、非常に高いインパルスノイズ信号が検出される場合には、係数は適応を中止するように導かれることができるので、過剰なエネルギーによって、ノイズキャンセルフィルター(201)が間違うことはない。解析ルーチンは、検出されたノイズ源のそれぞれのノイズキャンセルに対して、その演算による、または実際の、ユーザの処理応力またはサービス品質の効果に基づいて、優先順位を付けることができる。
いくつかの実施形態は、ローカルモデムに対する通信経路を含んでもよく、この場合には、上記の信号情報のいくつかは、ローカルモデムに対するクエリによって得てもよい。例では、回線ノイズ、信号PSDおよび利用される周波数帯を含む。可能な場合には、ローカルモデムからのエラーレート情報を最適化することによって、フィードバックが可能になり、キャンセルを集中させる周波数帯または他のパラメータをさらに案内することができる。
信号解析機能(203)、またはローカルモデムを介した、ローカル信号解析を案内することに加えて、本発明の一実施形態では、入力情報および構成パラメータを、中央ネットワーク性能管理システムから受信することができるので、DSL性能をさらに高められる。ネットワーク装置は、周波数帯キャンセルバンド案内情報を提供でき、入力情報を提供でき、または上記で論じた他のキャンセルパラメータのいずれをも制御できる。一般的に、ネットワーク管理実態は、いずれのローカルデバイスよりも、ネットワーク動作に関して、著しく膨大な知識量を有するので、ローカルデバイスの機能を有効に案内する立場にある。
図7は、インターネット通信チャンネル710および/または地上回線電話通信回線720または無線セルラー通信チャンネル730を含む、中央ネットワーク性能管理センターと本発明の実施形態との間の、いくつかの可能性のある通信チャンネルを備えるシステム700を示す。
本発明の一実施形態は、参照ノイズ信号中に、残留DSLデータ信号エネルギーが存在する場合に発生する、有害なデータ信号キャンセルを克服する、3つの技術を含む。それぞれの技術は、DSL同期シンボルの反復性を活用し、望ましくないデータ信号キャンセルを避けまたは低減する。これらの技術は、個々に、またはいずれの組み合わせであっても使用できる。
図2を参照すると、これらの技術のそれぞれは、同期シンボル(216)の記憶された無ノイズ代表特性を利用する。前述の機能(204)によって、無ノイズ同期シンボルの獲得および記憶が実施される。
3つの技術の第1番目は、参照ノイズ信号から、ほとんどの残留DSLデータ信号を減算する工程を含む。これは、参照「クリーンアップ」プロセスと称する。再び図2を参照すると、適応参照クリーンアップフィルター(208a−n)は、DSL回線信号(210)から、参照ノイズ信号に存在する残留DSLデータ信号の逆像を含む参照クリーンアップ信号(215)を減算する。加算器(209a−n)は、参照クリーンアップ信号(215)と参照ノイズ信号(212)を結合するので、参照ノイズ信号中に存在する残留DSLデータ信号要素をキャンセルする。
参照クリーンアップ制御機能(207)は、参照クリーンアップフィルター係数を適用して、参照ノイズ信号(212)から、残留DSLデータ信号を最適に除去することを実施する。参照クリーンアップ制御機能(207)は、参照クリーンアップフィルター係数を教育する目的で、記憶された無ノイズ同期シンボル(216)を無ノイズデータ信号の代表特性として利用することによって、最適化されたデータ除去を達成する(参照クリーンアップ)。この代表特性は、同期シンボル伝送中のみで有効であり、したがって参照クリーンアップ制御機能(207)は、同期シンボル期間中のみに、係数を更新することに留意すべきである。記憶された同期シンボルは、DSL回線信号のデータ信号成分だけを示す(すなわち回線ノイズを含まない)ので、教育された部分は、参照ノイズ信号中に存在する望ましくないDSLデータ信号の除去にだけに対応する。さらに、回線上のDSLデータ信号は、広帯域であり、回線上のノイズ信号よりも大きいので、係数教育は、望ましくないデータを除去する解決策として実施される。この条件では、DSL回線(210)上のノイズは、参照ノイズ信号(212)中のノイズと結合し、ノイズキャンセルフィルター(210)に使用される参照ノイズ信号を変更することに留意すべきである。適応キャンセルフィルター(210)は、キャンセルできる能力を損なうことなく、変更された参照ノイズに適応できるように構成される。
本発明の一実施形態では、xは、離散時間nにおける回線(210)からの信号を示し、rは、フィルタリング適用後の、離散時間nにおける参照信号(212)を示す。フィルター(208(n))は、そのタップがwで示されて参照クリーンアップ制御(207)によって制御される有限インパルス応答(FIR)フィルターを含む。離散時間nにおけるクリーンアップ参照信号
Figure 0005221778
(219)は、次式で演算される。
Figure 0005221778
ここで*は、離散時間、畳み込み演算を意味する。
Figure 0005221778
は、(同期シンボルの先頭に対する)離散時間nにおける、記憶された無ノイズ同期シンボルの推定(216)を示す。フィルター(208(n))は、タップがwで示されて次式のLMSまたはRLMS数式によって更新されてもよい、有限インパルス応答(FIR)フィルターを含む。
Figure 0005221778
ここで、μは、参照クリーンアップ制御(207)によって調節されるパラメータであり、
Figure 0005221778
は、信号
Figure 0005221778
の平均パワーを意味する。前述したステップでは、時間領域処理動作として示したが、当該技術分野における当業者であれば、同等の処理が、フーリエ領域で実施することができることが理解できるであろう。
図8は、前述の参照クリーンアップ処理の方法800を示す。ノード810「参照クリーンアップフィルターを初期化する」は、スタートアップ時に、参照クリーンアップフィルター(206)係数に記憶された初期設定係数を意味する。「参照クリーンアップ機能が有効か」で示されるプロセスの、次のステップ820は、参照クリーンアップ処理動作が、管理者によって現在使用可能となっているか、または、参照クリーンアップ制御論理(207)によって使用不能となっているかを確認することに対応する。使用不能の場合には、参照クリーンアップ処理が使用可能となるまで、処理は、このステップを一時停止する。次のステップ830は、ノード「ノイズの無い同期シンボルを検索する」で示されるように、無ノイズ同期シンボルの、記憶された値を検索する。「同期シンボル境界でトリガされたか」で示されるノード840では、同期シンボルがDSL回線入力(210)で受信された時間を示すトリが受信されるまで、処理はループする。次に、ステップ850「同期シンボル送信中に参照シンボル入力を収集する」で、参照ノイズ入力(212)からの信号が、回線(210)上での同期シンボルの獲得に同期して、収集される。ノード860「参照クリーンアップフィルター係数を更新して記憶する」では、前の2つのステップのデータが、参照クリーンアップ制御論理(207)によって使用され、参照クリーンアップフィルター(単数または複数)係数を更新し、更新された係数を記憶する。ノード880「参照フィルター係数の収束を検知したか」では、参照クリーンアップフィルター(単数または複数)係数を変化させることによって、係数の収束が検出される。参照フィルター係数が収束しない場合には、制御がノード820「参照クリーンアップ機能が有効か」に戻る。係数が収束した場合には、ノード870「ノイズフロアは最後の教育時よりも低いか」では、参照クリーンアップ処理によって生じる現在の利益を解析し、それを前回のモデム(102)再教育時に得られた、ノイズフロア低減による利益と比較する。ノイズフロアがしきい値を超えて低減したのであれば、モデム(102)は、ノード890「モデムを再教育する」で再教育される。制御がノード820「参照クリーンアップ機能が有効か」に戻る。
第2の技術は、無ノイズの記憶された同期シンボルを使用して、DSLデータ信号をキャンセルする危険が無く、データキャンセル係数を更新できる、模擬データ伝送が無い期間の反復期間を生成する。図2を参照すると、これらの期間は、加算器(205)によって実現され、ノイズキャンセルエラー信号(213)から記憶された同期シンボル(216)を減算することによって、同期シンボル伝送中に生成される。模擬データ伝送が無い期間のこれらの期間中には、キャンセルエラー信号(213)中には、データ信号が皆無かそれに等しいので、キャンセル係数を適用することによって、DSL回線上のデータ信号をキャンセルすることにはならない。したがって、この技術を使用する場合には、ノイズキャンセル制御ブロック(200)によって管理される、一次DSLノイズキャンセルループは、模擬データが無い期間の間だけに、更新される。
Figure 0005221778
は、(同期シンボルの先頭に対する)離散時間nにおける、記憶された無ノイズ同期シンボルの推定(216)を示し、xは、(同期シンボルの先頭に対する)離散時間nにおけるモデム信号(213)を示し、
Figure 0005221778
(219)は、(同期シンボルの先頭に対する)離散時間nにおける、クリーンアップ参照信号を示す。フィルター(201)は、タップがwで示され、次式のLMS数式によって更新される、有限インパルス応答(FIR)フィルターを含む。
Figure 0005221778
ここで、μは、ノイズキャンセル制御ブロック(200)によって調節されるパラメータである。前述したステップでは、時間領域処理動作として示したが、当該技術分野における当業者であれば、同等の処理が、フーリエ領域で実施することができることが理解できるであろう。
図9は、無ノイズ同期シンボルを使用して、推定された伝送データが無い期間を生成する方法を示す。最初に、ノード901「ノイズキャンセルフィルターを初期化する」は、スタートアップ時に、ノイズキャンセルフィルター(201)係数に記憶された、初期の設定係数を意味する。「ノイズキャンセルフィルタ(単数または複数)が有効か否かを検査する」で示される、プロセスの次のステップ915は、ノイズキャンセル処理動作が、管理者によって現在使用可能となっているか、またはノイズキャンセル制御論理(200)によって使用不可能となっているかを確認することに対応する。使用不能の場合には、ノイズキャンセル処理が使用可能となるまで、処理は、このステップを一時停止する。次のステップ920では、ノード920「ノイズの無い同期シンボルを検索して周波数アジリティキャンセラを設定する(ノイズの無い同期シンボルおよび周波数アジリティキャンセラの設定を検索する)」で示されるように、無ノイズ同期シンボルおよび周波数アジャイルノイズキャンセルのための、記憶された値を検索する。決定ノード925で示される「同期シンボル境界でトリガされたか」は、DSL回線入力(210)上で、次の同期シンボル境界が受信されるまで待つプロセスを示す。ステップ930「同期シンボル送信期間中に単数または複数の参照信号と、DSLライン信号を収集する」では、回線入力(210)上の同期シンボルの伝送に同期して、参照ノイズ入力(212)からの信号と回線入力(210)が収集される。「収集されたDSLライン信号から記憶された同期シンボルを減算する」ノード935では、収集されたDSL回線入力が、記憶された無ノイズ同期シンボルから減算され、伝送データが無い期間の模擬期間を生成する。次に、ノード940「ノイズキャンセルフィルター係数を更新して記憶する」で、ノイズキャンセル制御論理(200)は、ノイズキャンセルフィルター(単数または複数)(201)係数を更新し、更新された係数を記憶する。ノード945「キャンセルフィルタ係数の収束を検知したか」では、ノイズキャンセルフィルター(単数または複数)係数を変化させることによって、キャンセルフィルター係数の収束が検出される。係数が収束しない場合には、制御がノード915「ノイズキャンセルフィルタ(単数または複数)が有効か否かを検査する」に戻る。係数が収束した場合には、ノード950「ノイズフロアは最後の教育時よりも低いか」では、参照クリーンアップ処理によって生じる現在の利益を解析し、それを前回のモデム(102)再教育時に得られた、ノイズフロア低減による利益と比較する。ノイズフロアがしきい値を超えて低減したのであれば、モデム(102)は、ノード955「モデムを再教育する」で再教育される。制御がノード915「ノイズキャンセルフィルタ(単数または複数)が有効か否かを検査する」に戻る。
場合によっては、最大の利益を得るために、上記の技術の両方を実装することが利益になる場合がある。しかしながら、第2の技術を使用すると、著しく適応が遅くなることに留意が必要である。このために、いくつかの実施形態では、DSLノイズキャンセルループをより早く追跡するために、第1の技術だけの実装を選択してもよい。
第3の技術では、参照ノイズ信号とDSLデータ信号との間の相関が検出される周波数帯で、計画されるノイズキャンセルを避け、または強調しないことが含まれる。参照ノイズ信号と無ノイズの記憶された同期シンボルとの間の相関は、同期シンボルを伝送する期間の間に測定される。この解析によって、参照ノイズ信号中に、相関するDSLデータ信号が存在する、周波数帯を特定する。この第3の技術は、相関が検出された周波数帯での、キャンセルの試行を避け、または強調しないように案内できる、周波数帯アジャイルノイズキャンセルプロセスとともに機能する。参照ノイズ信号が有用である周波数帯が利用される一方で、有害な周波数帯は避けられ、または強調されない。
参照ノイズに、残留DSLデータ信号エネルギーが存在する場合に発生する、有害となるデータ信号キャンセルを克服する別の技術は、メモリの使用、およびプロセスの平均化または予測化を含む。このアプローチは、60Hz高調波、テレビ受像機、コンピューターのディスプレイ、または電源によって発生するノイズなどのように、関心対象の参照ノイズ信号が、周期的な特性を有する場合に有用である。それぞれが関心対象となっているノイズ信号に関して周期的である、多数の信号サンプルを、長時間、解析または平均化することによって、有害なDSLデータ信号は、抑制できる。多様なパターン認識技術を使用することによって、参照ノイズ信号内の周期的信号を検出し、同期を取るようにできる。平均化プロセスの使用によって、関心対象の周期的参照信号を増強する一方で、有害な残留DSL信号を抑制することができる。別の技術は予測技術または反復技術の使用を含み、関心対象の周期的信号を推定する。これらの技術は、関心対象の周期的参照ノイズ信号を、他の形態の望ましくない信号エネルギーから減算する場合にも有用であることに留意されたい。
本発明の一実施形態の機能ブロックの一部またはすべては、アナログ技術を使用して、またはアナログ技術とデジタル技術を混合することによって実装されてもよく、ここでデジタル処理はハードウェアロジックまたはマイクロプロセッサーおよびソフトウェア技術のいずれかによって実装されてもよいことが当業者であれば容易に想到できる。さらに、デジタル信号プロセスは、時間領域または時間領域と周波数領域の処理を混合することよって、実施できることが当業者であれば容易に想到できる。
参照ノイズ信号中の残留データ信号から生じる問題を克服するために3つの技術が記載され、ノイズキャンセルを集中して実施する周波数帯を最適化し、DSL性能を向上させる多数の技術が記載された。好ましい実施形態は、協調して動作するこれらの技術のすべてを取り込む。代替実施形態は、これらの技術のサブセットのいずれかを取り込んでもよい。

Claims (25)

  1. 参照ノイズ信号入力ポートを介して、参照ノイズ信号を受信するノイズキャンセルシステムにおける方法であって、
    前記ノイズキャンセルシステムが結合している、DSL伝送線路によって伝送されたDSLデータ信号中のノイズを低減するために、手順aおよびbの少なくとも一つを含み、
    手順aは、
    (a)(i)前記伝送されたDSLデータ信号中で繰り返し発生する、DSL同期シンボルの無ノイズ代表特性を生成する工程と、
    (a)(ii)前記DSL同期シンボルの無ノイズ代表特性と受信された参照ノイズ信号に基づいて、前記伝送されたDSLデータ信号中の前記ノイズを低減する工程を含み、
    手順bは、
    (b)(i)前記受信された参照ノイズ信号と前記伝送されたDSLデータ信号の少なくとも一つを解析し、前記伝送されたDSLデータ信号中で、ノイズキャンセルを強調しない、一つ以上の周波数帯を特定する工程と、
    (b)(ii)解析に対応して、前記伝送されたDSLデータ信号中で、特定された一つ以上の周波数帯のノイズキャンセルを強調しないように、ノイズキャンセルシステムを動作させる工程と、を含む方法。
  2. 請求項1に記載の方法において、
    前記受信された参照ノイズ信号は、前記伝送されたDSLデータ信号からのエネルギーを含み、
    DSL同期シンボルの無ノイズ代表特性と受信された参照ノイズ信号に基づいて、伝送されたDSLデータ信号中のノイズを低減する工程は、
    DSL同期シンボルの無ノイズ代表特性で、参照クリーンアップ機能を教育する工程を含み、前記参照クリーンアップ機能は、受信された参照ノイズ信号中の伝送されたDSLデータ信号のエネルギーを低減する方法。
  3. 請求項1に記載の方法において、
    DSL同期シンボルの無ノイズ代表特性と、受信された参照ノイズ信号に基づいて、伝送されたDSLデータ信号中のノイズを低減する工程は、伝送されたDSLデータ信号で、繰り返し発生するDSL同期シンボル期間中に、ノイズキャンセルエラー信号から、DSL同期シンボルの無ノイズ代表特性を減算し、DSL伝送線路にDSLデータ信号が伝送されない模擬繰り返し期間を生成する工程を含み、
    初期教育手順後に、ノイズキャンセルシステムは、前記DSL伝送線路にDSLデータ信号が伝送されない模擬繰り返し期間中だけに教育されるので、DSLデータ信号のエネルギーは、ノイズキャンセルシステムを教育するためには使用されない方法。
  4. 請求項1に記載の方法において、
    受信された参照ノイズ信号と伝送されたDSLデータ信号の両方の少なくとも一つを解析し、伝送されたDSLデータ信号中で、ノイズキャンセルを強調しない、一つ以上の周波数帯を特定する工程は、伝送されたDSLデータ信号中に繰り返し発生するDSL同期シンボルの無ノイズ代表特性と受信された参照ノイズ信号との間の相関を測定する工程を含む方法。
  5. 請求項1に記載の方法において、
    伝送されたDSLデータ信号を解析する工程は、さらに、伝送されたDSLデータ信号を解析して、ノイズキャンセルシステムが結合している顧客施設装置(CPE)DSLモデムが、伝送されたDSLデータ信号を受信する可能性が低い、一つ以上の周波数帯を特定する工程を含む方法。
  6. 請求項1に記載の方法において、
    受信された参照ノイズ信号と伝送されたDSLデータ信号の少なくとも一つを解析し、伝送されたDSLデータ信号中で、ノイズキャンセルを強調しない、一つ以上の周波数帯を特定する工程は、さらに、ネットワーク管理局から構成パラメータを受信する工程を含み、前記構成パラメータは、前記一つ以上の周波数帯を特定するために使用される周波数案内情報、または参照ノイズ信号中に存在する特定のタイプのノイズをキャンセルするための案内情報を含む方法。
  7. 請求項1に記載の方法において、
    DSL同期シンボルの無ノイズ代表特性と受信された参照ノイズ信号に基づいて、伝送されたDSLデータ信号中のノイズを低減する工程は、
    伝送されたDSLデータ信号中に繰り返し発生するDSL同期シンボルから、DSL同期シンボルの無ノイズ代表特性を減算し、伝送されたDSLデータ信号中のノイズの推定を生成する工程と、
    伝送されたDSLデータ信号中のノイズの推定情報と参照ノイズ信号を解析し、ノイズキャンセル信号を適用すべき、伝送されたDSLデータ信号中の一つ以上の周波数帯を特定する工程を含む方法。
  8. 請求項1に記載の方法において、
    受信された参照ノイズ信号は、DSL伝送線路に伝送されたコモンモード信号、若しくはDSL伝送線路の近くに位置する電話回線に伝送されたコモンモード信号または差動モード信号から誘導された信号、
    ノイズキャンセルシステムに結合するツイストペア線の共通結束帯から分離して、またはそれと組み合わされた、一つ以上のツイストペア線の一つである電線に伝送されたコモンモード信号または差動モード信号、
    DSL回線の近くに位置するアンテナから得られるラジオ周波数信号、および基準接地信号からなる信号群の少なくとも一つから選択される方法。
  9. 請求項1に記載の方法において、
    受信された参照ノイズ信号は、60ヘルツ高調波信号、テレビ信号、コンピューターモニターまたはビデオ表示デバイス信号、電力供給信号、および電気モーター信号からなる信号群の少なくとも一つから選択される、周期的参照ノイズ信号であり、方法はさらに、
    周期的参照ノイズ信号を一定時間サンプリングし、周期的参照ノイズ信号の複数のサンプルを得る工程と、
    複数のサンプルを平均化して、平均化された周期的参照ノイズ信号を生成する工程を含み、
    DSL同期シンボルの無ノイズ代表特性および受信された参照ノイズ信号に基づいて、伝送されたDSLデータ信号中のノイズを低減する工程は、DSL同期シンボルの無ノイズ代表特性および平均化された周期的参照ノイズ信号に基づいて、伝送されたDSLデータ信号中のノイズを低減する工程を含む方法。
  10. 請求項1に記載の方法において、
    DSL同期シンボルの無ノイズ代表特性および受信された参照ノイズ信号に基づいて、伝送されたDSLデータ信号中のノイズを低減する工程は、
    伝送されたDSLデータ信号中に存在するノイズに基づいて、受信された参照ノイズ信号からノイズキャンセル信号を生成する工程であって、前記ノイズキャンセル信号を生成する工程は、プログラム可能な広帯域幅フィルター、および伝送されたDSLデータ信号中の狭帯域信号ノイズを低減するためのノイズキャンセル信号を生成するプログラム可能な一つ以上の狭帯域フィルターに従って実施される工程と、
    ノイズキャンセル信号を伝送されたDSLデータ信号と結合し、伝送されたDSLデータ信号中のノイズを低減する工程を含む方法。
  11. 請求項1に記載の方法において、
    DSL同期シンボルの無ノイズ代表特性および受信された参照ノイズ信号に基づいて、伝送されたDSLデータ信号中のノイズを低減する工程は、
    伝送されたDSLデータ信号中に存在するノイズに基づいて、受信された参照ノイズ信号からノイズキャンセル信号を生成する工程を含み、前記ノイズキャンセル信号を生成する工程は、受信された参照ノイズ信号の特性を解析する工程と、解析工程で、非常に高いインパルスノイズの存在を示す特性を検出する場合を除いて、解析に応じて、生成されたノイズキャンセル信号を適用する工程を含む方法。
  12. 請求項1に記載の方法において、
    さらに、ノイズが低減された伝送DSLデータ信号を増幅し、信号を処理するモデムに関連するノイズフロアの有害な効果を低減する工程を含む方法。
  13. 請求項1に記載の方法において、
    ノイズキャンセルシステムは、DSLモデムと一体化され、さらに、ノイズキャンセルシステムとDSLモデム間の内部通信経路を介して、ノイズが低減された伝送DSLデータ信号をモデムに伝送する工程を含む方法。
  14. ノイズキャンセルシステムであって、
    参照ノイズ信号を受信するための参照ノイズ信号入力ポートと、
    前記ポートが結合するDSL伝送線路上を伝送される、伝送DSLデータ信号を受信するDSLデータ信号入力ポートと、
    伝送されたDSLデータ信号中のノイズを低減するために、手順aおよびbの少なくとも一つを実施するロジックを備え、
    手順aは、
    (a)(i)DSLデータ信号入力ポートに結合する同期化ブロックで、伝送DSLデータ信号中で繰り返し発生する、DSL同期シンボルの無ノイズ代表特性を生成する工程と、
    (a)(ii)同期化ブロック、DSLデータ信号入力ポート、および参照ノイズ信号入力ポートに結合するノイズキャンセルロジックで、DSL同期シンボルの無ノイズ代表特性および受信された参照ノイズ信号に基づいて、伝送DSLデータ信号中のノイズを低減する工程を含み、
    手順bは、
    (b)(i)DSLデータ信号入力ポートと参照ノイズ信号入力ポートに結合する信号解析ブロックで、受信された参照ノイズ信号と伝送DSLデータ信号の少なくとも一つを解析し、伝送されたDSLデータ信号中で、ノイズキャンセルを強調しない、一つ以上の周波数帯を特定する工程と、
    (b)(ii)信号解析ブロックに結合するノイズキャンセルロジックで、解析に応答して、ノイズキャンセルシステムに、伝送DSLデータ信号の、特定された一つ以上の周波数帯でノイズキャンセルを強調させない工程を含むシステム。
  15. 請求項14に記載のシステムにおいて、
    受信された参照ノイズ信号は、伝送DSLデータ信号からのエネルギーを含み、さらに、DSL同期シンボルの無ノイズ代表特性と受信された参照ノイズ信号に基づいて、伝送DSLデータ信号中のノイズを低減するノイズキャンセルロジックは、DSL同期シンボルの無ノイズ代表特性で、参照クリーンアップ機能を教育する参照クリーンアップロジックを備え、参照クリーンアップ機能は受信された参照ノイズ信号中の伝送DSLデータ信号のエネルギーを低減するシステム。
  16. 請求項14に記載のシステムにおいて、
    DSL同期シンボルの無ノイズ代表特性と受信された参照ノイズ信号に基づいて、伝送DSLデータ信号中のノイズを低減するノイズキャンセルロジックは、
    伝送DSLデータ信号で、繰り返し発生するDSL同期シンボル期間中に、ノイズキャンセルエラー信号から、DSL同期シンボルの無ノイズ代表特性を減算し、DSL伝送線路にDSLデータ信号が伝送されない模擬繰り返し期間を生成する加算器ロジックを備え、
    初期教育手順(シーケンス)後に、ノイズキャンセルシステムは、前記DSL伝送線路にDSLデータ信号が伝送されない、模擬繰り返し期間中だけに教育されるので、DSLデータ信号のエネルギーは、ノイズキャンセルシステムを教育するためには使用されないシステム。
  17. 請求項14に記載のシステムにおいて、
    受信された参照ノイズ信号と伝送DSLデータ信号の少なくとも一つを解析し、伝送DSLデータ信号中で、ノイズキャンセルを強調しない、一つ以上の周波数帯を特定する信号解析ブロックは、伝送DSLデータ信号中に繰り返し発生するDSL同期シンボルの無ノイズ代表特性と受信された参照ノイズ信号との相関を測定するシステム。
  18. 請求項14に記載のシステムにおいて、
    信号解析ブロックは、さらに、伝送DSLデータ信号を解析し、ノイズキャンセルシステムが結合している顧客施設装置(CPE)DSLモデムが、伝送DSLデータ信号を受信する可能性が低い一つ以上の周波数帯を特定するシステム。
  19. 請求項14に記載のシステムにおいて、
    信号解析ブロックは、さらにネットワーク管理局から構成パラメータを受信し、構成パラメータは、一つ以上の周波数帯を特定するために使用される周波数案内情報、または参照ノイズ信号中に存在する特定のタイプのノイズをキャンセルするための案内情報を含むシステム。
  20. 請求項14に記載のシステムにおいて、
    DSL同期シンボルの無ノイズ代表特性と受信された参照ノイズ信号に基づいて、伝送DSLデータ信号中のノイズを低減するノイズキャンセルロジックは、伝送DSLデータ信号中に繰り返し発生する、DSL同期シンボルからDSL同期シンボルの無ノイズ代表特性を減算し、伝送DSLデータ信号中のノイズの推定情報を生成する加算器ロジックを備え、
    信号解析ブロックは、加算器ロジックに結合し、伝送DSLデータ信号中のノイズの推定情報と参照ノイズ信号を解析し、ノイズキャンセル信号を適用すべき、伝送DSLデータ信号中の一つ以上の周波数帯を特定するシステム。
  21. 請求項14に記載のシステムにおいて、
    受信された参照ノイズ信号は、DSL伝送線路に伝送されたコモンモード信号、またはDSL伝送線路の近くに位置する電話回線に伝送されたコモンモード信号または差動モード信号に由来する信号
    ノイズキャンセルシステムに結合するツイストペア線の共通結束の中に結合する、または離れた、一つ以上のツイストペア線の一部である線に伝送されたコモンモード信号または差動モード信号;DSL回線の近くに位置するアンテナから得られるラジオ周波数信号
    基準接地信号からなる信号群の少なくとも一つから選択されるシステム。
  22. 請求項14に記載のシステムにおいて、
    受信された参照ノイズ信号は、60ヘルツ高調波信号、テレビ信号、コンピューターモニターまたはビデオ表示デバイス信号、電力供給信号、および電気モーター信号からなる信号群の少なくとも一つから選択される周期的参照ノイズ信号であり、
    さらに、信号解析ブロックは、周期的参照ノイズ信号を一定時間サンプリングして周期的参照ノイズ信号の複数のサンプルを得て、複数のサンプルを平均化して平均化された周期的参照ノイズ信号を生成し、ノイズキャンセルロジックは、DSL同期シンボルの無ノイズ代表特性と平均化された周期的参照ノイズ信号に基づいて、伝送DSLデータ信号中のノイズを低減するシステム。
  23. 請求項14に記載のシステムにおいて、
    伝送DSLデータ信号中のノイズを低減するノイズキャンセルロジックは、
    伝送DSLデータ信号中に存在するノイズに基づいて、受信された参照ノイズ信号からノイズキャンセル信号を生成する適応ノイズキャンセルフィルターロジックと、
    プログラム可能な広帯域幅フィルター、および、伝送DSLデータ信号中の狭帯域信号ノイズを低減するために、ノイズキャンセル信号を生成するプログラム可能な一つ以上の狭帯域フィルターとを備えるフィルターロジックと、
    ノイズキャンセル信号と伝送DSLデータ信号とを結合させて、伝送DSLデータ信号中のノイズを低減するフィルターロジックと結合する結合器ロジックを備えるシステム。
  24. 請求項14に記載のシステムにおいて、
    伝送DSLデータ信号中のノイズを低減するノイズキャンセルロジックは、伝送DSLデータ信号中に存在するノイズに基づいて、受信された参照ノイズ信号からノイズキャンセル信号を生成し、ノイズキャンセル信号の生成は、受信された参照ノイズ信号中に非常に高いインパルスノイズの存在を示す特性を解析ブロックが検出する場合を除いて、受信された参照ノイズ信号の特性に基づいて適用されるシステム。
  25. 請求項14に記載のシステムにおいて、
    さらに信号を処理するモデムに関連するノイズフロアの有害な効果を低減するために、ノイズが低減された伝送DSLデータ信号を増幅する結合器ロジックを備えるシステム。
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