JP5220320B2 - 信号解析装置及び信号解析方法 - Google Patents

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本発明は、例えば開発中の携帯電話等の移動通信システムに採用される信号を解析する信号解析装置及び信号解析方法に関し、特にCDMA(Code Division Multiple Access :符号分割多重接続)や広帯域CDMA(W−CDMA)等のような広い帯域幅を持つ変調波信号を被測定信号として信号解析を行う場合に適した信号解析装置及び信号解析方法に関する。
例えば開発中の携帯電話等の移動通信システムに採用される信号を解析する場合、信号に含まれる様々な周波数成分を正確に測定できるスペクトラムアナライザ等の信号解析装置が従来より用いられる。図10はこの種の信号解析に用いられる一般的な信号解析装置の概略構成を示すブロック図である。
図10に示す信号解析装置51では、入力端子52から入力される被測定信号が信号混合器53で局部発振器54からの局部発振信号と混合され、中間周波数を有する中間周波数信号に変換される。
局部発振器54の発振周波数は、掃引部55により、所定の周波数範囲にわたって掃引される。これにより、信号混合器53から出力される中間周波数信号の周波数も掃引動作に同期して変化する。
信号混合器53より周波数が低減されて出力された中間周波数信号は次段のRBWフィルタ56に入力される。RBWフィルタ56は、アナログのバンドパスフィルタで構成され、不要な周波数成分を除去し、必要な中間周波数信号のみを通過させる。なお、RBWフィルタ56の周波数特性の通過中心周波数におけるピークレベルから3dB低下した時点におけるバンド幅(RBW)は、この信号解析装置における周波数分解能を表す。
信号混合器53から出力される中間周波数信号の周波数は掃引動作に同期して変化するので、RBWフィルタ56から1掃引時間(掃引期間)内において時間経過とともに出力される出力信号は、掃引受信して中間周波数信号に変換された被測定信号の各周波数成分における時系列波形となる。
RBWフィルタ56からの中間周波数信号は、LOG変換部57により信号レベルがdB単位に変換されて出力され、DC(直流)成分に落とされた後、次段のアナログのVBWフィルタ58に入力される。VBWフィルタ58では、表示部59に最終的に表示される周波数スペクトラム波形の高周波成分(雑音成分)を除去して信号を出力する。このVBWフィルタ58から出力された信号は、次段の検波器(DET)60によって検波される。
検波器60では、VBWフィルタ58から出力されたアナログの周波数スペクトラム波形における各時間軸位置のピーク値を検出し、包絡線検波された状態の最終的な周波数スペクトラム波形を得る。そして、掃引期間内に検波された信号は、掃引された周波数における時系列波形の大きさを示す。よって、横軸を周波数、縦軸を振幅とすれば、周波数スペクトラム波形となる。
そして、この最終的な周波数スペクトラム波形を示す信号は、次段のA/D変換器(A/D)61でデジタルデータに変換された後、データ記憶部62に蓄積して記憶される。このデータ記憶部62に蓄積されたデジタルデータは次段の信号処理部63で信号処理される。そして、この信号処理の結果から得られる周波数スペクトラム波形は、表示部59の表示画面に対し、横軸を周波数、縦軸を振幅として表示される。
また、この種の信号解析装置として、ユーザによってゾーン幅が設定されたゾーンマーカを表示画面上に表示し、この表示されたゾーンマーカに対応させて電力分布を示すグラフ波形を表示するものが下記特許文献1に開示されている。
特開2002−296310号公報
ところで、上述した従来の信号解析装置では、1掃引毎に被測定信号のピークレベルを検出し、この検出したピークレベルにゾーン幅の中心が位置するようにゾーンマーカを自動的に移動させて表示するピークサーチ機能を有している。そして、ピークレベルの周波数が時間に対して変化しないCW信号が被測定信号の場合には、上述したピークサーチ機能を用いることにより、図11に示すように、ゾーンマーカ71(図中の破線で囲む部分)のゾーン幅の中心を、CW信号のピークレベル(図中×で示す部分)の位置に自動的に一致させ、ゾーンマーカ71の表示を行うことができる。
これに対し、例えば広帯域CDMA(W−CDMA)等のような広い帯域幅(3.84MHz)を持つ変調波信号が被測定信号の場合、通常このような信号の送信電力といったとき、変調帯域幅の積分電力を指すことが多い。このため、変調波信号の変調帯域幅に合わせてゾーンマーカ71のゾーン幅を設定し、変調波信号の変調帯域幅に合わせてゾーンマーカ71を自動的に移動させ、その位置でゾーン幅内の積分電力のピーク値を測定することが望まれる。
ところが、この種の変調波信号は、時間の経過とともにピークレベルの周波数が任意に変動し、ノイズによる変動の影響も大きい。このため、上述したピークサーチ機能を用い、変調波信号のピークレベルの位置を中心としてゾーンマーカ71を自動的に移動しても、ノイズ等の影響により変調波信号のピークレベルの周波数の変動に伴ってゾーンマーカ71のゾーン幅が移動してしまい、図12に示すように、ゾーンマーカ71のゾーン幅が変調波信号の変調帯域幅から外れることがあった。すなわち、従来のピークサーチ機能を用いた構成では、ゾーンマーカ71のゾーン幅を変調波信号の変調帯域幅内に安定して収めることが困難であり、ゾーンマーカ71が本来意図しない位置に移動するおそれがあった。これにより、変調波信号の変調帯域幅内の積分電力のピーク値を正確に測定できない場合があった。
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであって、ゾーン幅を被測定信号の変調帯域幅に合わせてゾーンマーカの表示を自動的に安定して行え、また複数のゾーンマーカを表示した場合には、この複数のゾーンマーカの中から選択的に電力比の算出及び結果表示を行うことができる信号解析装置及び信号解析方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に記載された信号解析装置は、所定の変調帯域幅を有する被測定信号Wを受信して所定の周波数範囲でスペクトラム分析し、該被測定信号の周波数成分の大きさを対応する周波数毎にデジタル値の波形データとして記憶し、該波形データに基づいて該被測定信号のスペクトラム波形表示を行う信号解析装置1において、
前記被測定信号の変調帯域幅に合わせてゾーン幅を指定し、前記波形データにおける前記指定されたゾーン幅内のデータを該ゾーン幅分だけ積分した積分電力値を、前記所定の周波数範囲内で当該ゾーン幅の位置を変えてそれぞれ算出し、この算出した積分電力値から最大積分電力値を示す位置を検出するときに、前記ゾーン幅内の前記最大積分電力値が複数箇所に存在する場合、前記複数箇所の最大積分電力値から3dB低下した最大積分電力値の位置間の中心となる位置を前記最大積分電力値の位置として検出しており、
前記指定されたゾーン幅を有するゾーンマーカであって、前記検出した最大積分電力値を示す位置をゾーン幅の中心としたゾーンマーカ16を表示するゾーンマーカ位置制御表示機能を有することを特徴とする。
本発明の請求項2に記載された信号解析装置は、請求項1に記載された信号解析装置において、
前記ゾーンマーカ位置制御表示機能を用いて表示される少なくとも1つのゾーンマーカ16を含む複数のゾーンマーカを表示し、当該表示された複数のゾーンマーカから任意に選択された2つのゾーンマーカのゾーン幅内の電力比を算出して結果を表示する機能を有することを特徴とする。
本発明の請求項3に記載された信号解析方法は、所定の変調帯域幅を有する被測定信号Wを受信して所定の周波数範囲でスペクトラム分析し、該被測定信号の周波数成分の大きさを対応する周波数毎にデジタル値の波形データとして記憶し、該波形データに基づいて該被測定信号のスペクトラム波形表示を行う信号解析方法において、
前記被測定信号の変調帯域幅に合わせてゾーン幅を指定するステップと、
前記波形データにおける前記指定されたゾーン幅内のデータを該ゾーン幅分だけ積分した積分電力値を、前記所定の周波数範囲内で当該ゾーン幅の位置を変えてそれぞれ算出するステップと、
前記算出した積分電力値から最大積分電力値を示す位置を検出するときに、前記ゾーン幅内の前記最大積分電力値が複数箇所に存在する場合、前記複数箇所の最大積分電力値から3dB低下した最大積分電力値の位置間の中心となる位置を前記最大積分電力値の位置として検出するステップと、
前記指定されたゾーン幅を有するゾーンマーカであって、前記検出した最大積分電力値を示す位置をゾーン幅の中心としたゾーンマーカ16を表示するステップとを含むことを特徴とする。
本発明の請求項4に記載された信号解析方法は、請求項3に記載された信号解析方法において、
前記請求項3記載の手法を用いて表示される少なくとも1つのゾーンマーカ16を含む複数のゾーンマーカを表示するステップと、
前記表示された複数のゾーンマーカから任意に選択された2つのゾーンマーカのゾーン幅内の電力比を算出して結果を表示するステップとを更に含むことを特徴とする。
本発明によれば、被測定信号の変調帯域幅に合わせてゾーンマーカのゾーン幅(範囲)を指定し、信号処理によって取得した波形データからゾーン幅の積分電力を算出し、ゾーン幅内のノイズの影響度の低い積分電力のピーク値の位置にゾーン幅の中心が位置するようにゾーンマーカを自動的に表示制御することができる。
また、ゾーンマーカを複数表示する場合には、少なくとも1つのゾーンマーカについてゾーンマーカ位置制御表示機能を用い、残りのゾーンマーカについてはユーザの手動設定とすることにより複数のゾーンマーカの表示制御が可能になる。そして、表示された複数のゾーンマーカから任意に選択された2つのゾーンマーカのゾーン幅内のチャンネルパワー比を算出して結果を表示することができる。これにより、被測定信号とその隣接チャンネルの信号やユーザが指示する信号との電力比を算出し、その結果を表示することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら具体的に説明する。図1は本発明に係る信号解析装置の第1実施形態のブロック構成図、図2は第1実施形態の信号解析装置の動作フローチャート、図3(a)〜(c)はゾーン幅に複数のピーク値が存在する場合の1つのピーク位置を決定するための各手法例を示す説明図、図4は第1実施形態の信号解析装置によるゾーンマーカの表示例を示す図、図5は本発明に係る信号解析装置の第2実施形態のブロック構成図、図6は第2実施形態の信号解析装置の動作フローチャート、図7は第2実施形態の信号解析装置によるゾーンマーカの表示例を示す図、図8は本発明に係る信号解析装置によるネクストピークサーチ機能を説明するための測定波形の一例を示す図、図9は第3実施形態の信号解析装置の動作フローチャートである。
本発明に係る信号解析装置は、例えば開発中の携帯電話機等の移動通信システムに採用される信号を解析するものであり、特にCDMA(Code Division Multiple Access :符号分割多重接続)や広帯域CDMA(W−CDMA)等のような広い帯域幅を持ち、信号を平均化処理してもピーク位置が安定しにくい変調波信号を被測定信号として信号解析を行う場合に適したものである。
そして、以下に説明する本例の信号解析装置は、被測定信号の変調帯域幅に合わせてゾーン幅(ゾーン範囲)を指定し、信号処理によって取得した波形データを指定ゾーン幅で周波数掃引して当該ゾーン幅毎のチャンネルパワー値(積分電力値)を算出し、この算出したチャンネルパワー値が最大値を示す位置を検出し、この検出した位置をゾーン幅の中心としてゾーンマーカを自動的に表示するゾーンマーカ位置制御表示機能を有している。また、本例の信号解析装置は、少なくとも1つのゾーンマーカを上記ゾーンマーカ位置制御表示機能を用いて複数のゾーンマーカを表示制御し、この表示された複数のゾーンマーカから任意に選択された2つのゾーンマーカのゾーン幅内のチャンネルパワー比(積分電力比)の算出及び結果表示を行う機能を有している。
まず、本発明に係る信号解析装置の第1実施形態について図1〜図4を参照しながら説明する。
第1実施形態の信号解析装置1(1A)は、上記ゾーンマーカ位置制御表示機能を用いて1つのゾーンマーカ16の自動表示制御を実現するため、図1に示すように、設定部2、周波数変換部3、掃引制御部4、RBWフィルタ5、対数変換部(LOG)6、VBWフィルタ7、検波部8、A/D変換部9、第1波形メモリ(第1記憶部)10、ゾーン制御部11、データ処理部12、第2波形メモリ(第2記憶部)13、表示制御部14、表示部15を備えて概略構成される。
設定部2は、例えば表示部15とともに装置本体の操作パネルに設けられ、ユーザのコマンド入力やキー操作により、被測定信号Wの測定や測定結果の表示を行う際の各種条件設定を行うものである。
具体的に、本例では、チャンネルパワー測定を行うに際して、被測定信号Wの帯域幅に応じたゾーンマーカ16のゾーン幅(ゾーンマーカ情報)、被測定信号Wの測定チャンネル(チャンネル情報)や電力測定範囲(測定周波数範囲)を示すゾーン(ゾーン情報)の設定を行っている。
なお、本例におけるチャンネルパワー測定とは、表示部15の表示画面15a上に表示されるゾーンマーカ16のゾーン幅を被測定信号Wの帯域幅に応じて設定し、このゾーン幅による周波数範囲内の電力を求める測定である。従って、電力測定範囲を示すゾーン(ゾーン情報)を設定部2から調整することによって測定周波数範囲をある程度絞り込むことができる。
また、設定部2からは、スケール全体の電力分布のグラフ表示、ゾーンマーカ16が位置するゾーン幅内のチャンネルパワー値(積分電力値)表示などを含め、被測定信号Wの測定結果を表示するための指令として、測定結果表示指令情報を表示制御部14に入力している。
なお、本例において、スケールとは、1回の周波数掃引走査で得られる測定データが格納される第1波形メモリの格納エリアである。
周波数変換部3は、局部発振器3a、信号混合器3b、帯域制限フィルタ(IFフィルタ)3cを備えて構成される。
局部発振器3aは、チャンネルパワー測定時の周波数ドメインの状態において、掃引制御部4からの掃引信号により所定の周波数範囲にわたって発振周波数が掃引(周波数掃引)される。信号混合器3bは、外部からの被測定信号W(例えば広い帯域幅を持つCDMAやW−CDMA等の変調波信号)と、局部発振器3aからの発振周波数とを混合し、中間周波数信号(IF信号)に変換して帯域制限フィルタ3cに入力している。帯域制限フィルタ3cは、バンドパスフィルタからなり、信号混合器3bからのIF信号を所定の周波数幅に帯域制限して通過させている。
掃引制御部4は、局部発振器3aの出力周波数を所定掃引時間で掃引するための掃引信号(電圧信号)を出力している。さらに説明すると、掃引制御部4は、チャンネルパワー測定時に、設定部2からのゾーン情報(電力測定範囲を示すゾーン)に基づき、所定周波数範囲にわたって局部発振器3aの発振周波数を掃引するべく掃引信号を局部発振器3aに入力し、局部発振器3aの発振周波数を可変している。
RBWフィルタ5は、アナログのバンドパスフィルタで構成され、設定部2からのゾーン情報に基づくゾーン制御部11の制御により、バンド幅(RBW:通過中心周波数におけるピークレベルから3dB低下した時点におけるバンド幅)が所定周波数に可変設定できるようになっている。このRBWフィルタ5では、帯域制限フィルタ3cから入力される中間周波数信号の不要な周波数成分を除去し、可変設定されるバンド幅の周波数成分の中間周波数信号のみを通過させる。
対数変換部(LOG)6は、RBWフィルタ5を通過した中間周波数信号の信号レベルをdB単位に変換し、DC(直流)成分に落とした後に次段のVBWフィルタ7に出力している。
VBWフィルタ7は、対数変換部6から入力される信号のうち、出力部としての表示部15に最終的に表示される周波数スペクトラム波形の高周波成分(雑音成分)を除去して出力している。
検波部8は、VBWフィルタ7を通過した信号を受けて検波し、この検波した信号をA/D変換部9に出力している。
A/D変換部9は、検波部8が検波した信号をデジタルデータに変換している。さらに説明すると、A/D変換部9では、表示部15が出力表示する1周波数掃引当たりのポイント数(例えば500ポイント)のレートで検波部8の出力をサンプリングしてデジタルデータを出力している。
第1波形メモリ10は、例えばRAM等で構成され、A/D変換部9により変換されたデジタルデータを波形データとして記憶し格納している。
ゾーン制御部11は、設定部2からのゾーン情報(電力測定範囲を示すゾーン)に基づいてRBWフィルタ5のバンド幅(通過帯域)を可変制御している。また、ゾーン制御部11は、表示部15の表示画面15a上にスケール全体(測定周波数範囲)の電力分布を表示する場合、ゾーンのゾーン幅をスケールの端から端(表示部15では、表示画面15aの左端から右端に相当)まで1ポイント(第1波形メモリ10の格納エリアの1ポイント、又は表示部15の表示画面15aの1ドットに相当)づつずらして移動する制御を行っている。その際、ゾーン制御部11は、ゾーンを移動するタイミングに同期してデータ処理部12にタイミング信号を出力している。
データ処理部12は、例えばDSP,MPU,CPU等のマイクロプロセッサで構成される。このデータ処理部12は、ゾーン制御部11の制御によりゾーンのゾーン幅がスケールの端から端(表示部15の表示画面15a上の左端から右端)まで1ポイントづつずれて移動したときに、ゾーン制御部11からのタイミング信号をトリガとして、ゾーン幅内のデータをゾーン幅分だけ積分している。これにより、ゾーンの移動に伴うゾーン幅内のチャンネルパワー値(積分電力値)を算出している。
第2波形メモリ13は、第1波形メモリ10と同じエリアを有するRAM等で構成され、ゾーンのゾーン幅をスケールの端から端まで1ポイントづつ移動したときのゾーン幅内のチャンネルパワー値を記憶し格納している。
表示制御部14は、設定部2からのゾーンマーカ情報(ゾーン幅)や測定結果表示指令情報に基づき、ゾーンマーカ16の表示制御を含め、1回の掃引による波形データの表示(図4の実線で示す波形)、スケール全体の電力分布を示すグラフ波形(図4の一点鎖線で示す波形)、ゾーン幅内のチャンネルパワー値などの被測定信号Wの測定に関わる各種表示を制御している。
さらに説明すると、表示制御部14は、図1に示すように、ゾーン内ピーク検出手段14a、ゾーンマーカ表示位置制御手段14b、全体表示制御手段14cを備えて構成される。
ゾーン内ピーク検出手段14aは、設定部2からゾーンマーカ情報(ゾーン幅)が入力しており、第2波形メモリ13に記憶されたチャンネルパワー値において、ゾーンのゾーン幅をスケール(測定周波数範囲)の端から端まで1ポイントづつ移動したときのゾーン幅内のチャンネルパワー値が最大となる1つのゾーン位置をピーク位置として検出している。
ここで、ゾーン幅内のチャンネルパワー値が最大となるゾーン位置が複数存在する場合には、例えば以下に説明する図3(a)〜(c)の手法を用いて1つのゾーン位置をピーク位置として検出している。
図3(a)に示す手法は、例えばゾーン幅内の最大チャンネルパワー値が複数箇所(図3(a)の例ではP1,P2の2箇所)に点在する場合、複数箇所の最大チャンネルパワー値P1,P2から3dB低下した時点におけるチャンネルパワー値の位置間のバンド幅H1の中心のゾーン位置Pをピーク位置として検出する。
図3(b)に示す手法は、ゾーン幅内の最大チャンネルパワー値がフラットで存在する(所定幅で連続して同じ最大値を示す)場合に有効であり、このフラットな最大チャンネルパワー値の範囲(図3(b)の例では範囲H2)に対応する被測定信号Wの元波形を参照し、この元波形のピーク位置(図3(b)の×の位置)と対応するゾーン位置Pをピーク位置として検出する。この手法によれば、ピーク位置の検出にあたって、被測定信号Wの元波形の全てを対象としてピーク位置検出を行う必要がなく、最大チャンネルパワー値のフラットな部分に対応する元波形のみのピーク位置検出を行うだけで済む。なお、この手法は、上述したゾーン幅内の最大チャンネルパワー値が複数箇所に点在する場合にも採用できる。
図3(c)に示す手法は、被測定信号Wの元波形(図3(c)では波形を簡略している)のピーク値P3から3dB低下した時点におけるバンド幅H3をピーク検出用バンド幅として設定し、このピーク検出用バンド幅のゾーンをスケールの端から端まで1ポイントづつ移動したときのピーク検出用バンド幅内のチャンネルパワー値が最大となる1つのゾーン位置をピーク位置として検出している。
なお、図3(c)に示す手法を採用し、ピーク検出用バンド幅内で最大となるチャンネルパワー値が複数箇所に存在する場合には、上述した図3(a)や図3(b)の手法を併用して1つのゾーン位置をピーク位置として検出することもできる。また、ゾーン内ピーク検出手段14aは、第2波形メモリ13に記憶されたゾーン幅内のチャンネルパワー値が最大となる1つのゾーン位置をピーク位置として検出できれば良く、上述した図3(a)〜(c)に示す手法のみに限定されるものではない。
ゾーンマーカ表示位置制御手段14bは、設定部2からゾーンマーカ情報(ゾーン幅)が入力しており、ゾーン内ピーク検出手段14aが検出したピーク位置をゾーン幅の中心とするゾーンマーカ16の位置情報をゾーンマーカ表示位置情報として全体表示制御手段14cに出力している。
全体表示制御手段14cは、ゾーンマーカ表示位置制御手段14bからのゾーンマーカ表示位置情報、設定部2から入力される測定結果表示指令情報に基づき、例えば図4に示すような被測定信号Wの測定結果を表示するべく、表示部15の全体表示を制御している。
表示部15には、第1波形メモリ10又は第2波形メモリ13に格納されたデジタルデータ(電力値)が縦軸信号として入力され、掃引制御部4の掃引信号が横軸信号として入力される。この表示部15は、表示画面15a上の横軸(X座標)を周波数目盛りとし、縦軸(Y座標)を被測定信号Wに含まれる各周波数成分の大きさ(強度)として波形を表示している。その際、ゾーンマーカ16は、図4に示すように、ゾーン内ピーク検出手段14aが検出したゾーン位置(図4の一点鎖線の波形の×で示す位置)がゾーン幅ZHの中心となるように表示される。
なお、本例の表示部15において、横軸を周波数軸とすると、横軸は500周波数ポイント(出力ポイント数)で表示される。その際、ポイント間のデータはピークホールドされ、そのピーク値が次の出力ポイントの値とするように表示される。
次に、上記構成による第1実施形態の信号解析装置1Aのゾーンマーカ位置制御表示機能の動作について図2のフローチャートを参照しながら説明する。
まず、被測定信号Wの測定が行われて、第1波形メモリ10に波形データが取得される(ST1)。この取得された波形データに基づく被測定信号Wのスペクトラム波形は、図4に示すように、表示部15の表示画面15a上に表示される(ST2)。次に、ゾーンマーカ情報として設定部2からゾーンマーカ16のゾーン幅を指定する(ST3)。これにより、ゾーンをスケールの左端(第1波形メモリ10の格納エリアの最初のポイント、又は表示部15の表示画面15aの左端ドット)に移動し(ST4)、そのポイントでのゾーン幅内のチャンネルパワー値を算出する(ST5)。
次に、上記のようにして算出したチャンネルパワー値を第1波形メモリ10と同じエリアで別トレースの第2波形メモリ13に格納する(ST6)。その後、ゾーンがスケールの右端(第1波形メモリ10の格納エリアの最後のポイント、又は表示部15の表示画面15aの右端ドット)まで移動したか否かの判断がなされる(ST7)。
ここで、ゾーンがスケールの右端まで移動していないと判断されると、ゾーンをスケールの右に1ポイントずらし(ST8)、そのポイントでのゾーン幅内のチャンネルパワー値を算出する(ST5)。この動作は、ゾーンがスケールの右端に移動するまで繰り返し行われる。
そして、ゾーンがスケールの右端まで移動したと判断されると、第2波形メモリ13に格納されたチャンネルパワー値からゾーン幅内のチャンネルパワー値が最大となるゾーン位置(ピーク位置)を検出する(ST9)。このゾーン位置の検出は、例えば図3(a)〜(c)の手法を用いて行われる。その後、図4に示すように、検出したゾーン位置(図4の一点鎖線の波形の×で示す位置)をゾーン幅ZHの中心としてゾーンマーカ16を表示部16の表示画面15a上に表示する(ST10)。その際、ゾーンマーカ16のチャンネルパワー値(積分電力値)も表示部16の表示画面15a上(表示画面15aの左上部分)に表示する。
次に、本発明に係る信号解析装置の第2実施形態について図5〜図7を参照しながら説明する。なお、上述した第1実施形態の信号解析装置と同一の構成要素には同一番号を付し、その説明を省略する。
第2実施形態の信号解析装置1(1B)は、上述したゾーンマーカ位置制御表示機能に加え、このゾーンマーカ位置制御表示機能を用いて2つのゾーンマーカ16(16A,16B)を自動的に表示制御し、この表示された2つのゾーンマーカ16A,16Bのゾーン幅ZH内のチャンネルパワー比(積分電力比)の算出及び結果表示を行う機能を有している。
そして、第2実施形態の信号解析装置1Bでは、上記2つの機能を実現するため、設定部2からはマーカ数(ここでは2つ)及びゾーン幅がゾーンマーカ情報として入力される。なお、一方のゾーンマーカ16を手動によって表示する場合には、そのゾーンマーカ16の位置情報(例えばゾーンの中心位置)が設定部2から入力される。
また、図5に示すように、表示制御部14は、第1実施形態で説明したゾーン内ピーク検出手段14a、ゾーンマーカ表示位置制御手段14b、全体表示制御手段14cに加え、パワー比算出手段14dを備えている。
ゾーン内ピーク検出手段14aは、設定部2からゾーンマーカ情報(マーカ数、ゾーン幅)が入力しており、第2波形メモリ13に記憶されたチャンネルパワー値において、例えば前述した図3(a)〜(c)の手法を用い、ゾーンをスケールの端から端まで1ポイントづつ移動したときのゾーン幅内のチャンネルパワー値が最大となる2つのゾーン位置をピーク位置として検出している。
ゾーンマーカ表示位置制御手段14bは、設定部2からゾーンマーカ情報(マーカ数、ゾーン幅)が入力しており、ゾーン内ピーク検出手段14aが検出した2つのピーク位置のうち、一方のピーク位置をゾーン幅の中心とするゾーンマーカ16Aと、他方のピーク位置をゾーン幅の中心とするゾーンマーカ16Bとの位置情報をゾーンマーカ表示位置情報として全体表示制御手段14cに出力している。
パワー比算出手段14dは、ゾーンマーカ表示位置制御手段14bからのゾーンマーカ表示位置情報に基づき、第1のゾーンマーカ16Aのゾーン幅内のチャンネルパワー値と、第2のゾーンマーカ16Bのゾーン幅内のチャンネルパワー値との電力比を算出し、その算出結果を全体表示制御手段14cに出力している。
全体表示制御手段14cは、ゾーンマーカ表示位置制御手段14bからのゾーンマーカ表示位置情報、パワー比算出手段14dからの算出結果、設定部2から入力される測定結果表示指令情報に基づき、例えば図7に示すような各ゾーンマーカ16A,16Bの表示、各ゾーンマーカ16A,16Bのチャンネルパワー値の表示、チャンネルパワー比を含め、被測定信号Wの測定結果を表示するべく、表示部15の全体表示を制御している。
次に、上記構成による第2実施形態の信号解析装置1Bの前記2つの機能の動作について図6のフローチャートを参照しながら説明する。
まず、被測定信号Wの測定が行われて、第1波形メモリ10に波形データが取得される(ST1)。この取得された波形データに基づく被測定信号Wのスペクトラム波形は、図7に示すように、表示部15の表示画面15a上に表示される(ST2)。次に、設定部2からゾーンマーカ情報としてゾーンマーカ16のマーカ数(ここでは2つ)及びゾーン幅を指定する(ST3)。これにより、ゾーンをスケールの左端(第1波形メモリの格納エリアの最初のポイント、又は表示部15の表示画面15aの左端ドット)に移動し(ST4)、そのポイントでのゾーン幅内のチャンネルパワー値を算出する(ST5)。
次に、上記のようにして算出したチャンネルパワー値を第1波形メモリ10と同じエリアで別トレースの第2波形メモリ13に格納する(ST6)。その後、ゾーンがスケールの右端(第1波形メモリ10の格納エリアの最後のポイント、又は表示部15の表示画面15aの右端ドット)まで移動したか否かの判断がなされる(ST7)。
ここで、ゾーンがスケールの右端まで移動していないと判断されると、ゾーンをスケールの右に1ポイントずらし(ST8)、そのポイントでのゾーン幅内のチャンネルパワー値を算出する(ST5)。この動作は、ゾーンがスケールの右端に移動するまで繰り返し行われる。
そして、ゾーンがスケールの右端まで移動したと判断されると、第2波形メモリ13に格納されたチャンネルパワー値からゾーン幅内のパワー値が最大となるゾーン位置aを検出する(ST11)。このゾーン位置aの検出は、例えば図3(a)〜(c)の手法を用いて行われる。その後、検出したゾーン位置aを中心とするゾーン範囲Aを設定する(ST12)。
次に、第2波形メモリ13に格納されたチャンネルパワー値において、ゾーン範囲Aとゾーンが重ならずにゾーン幅内のパワー値が最大となるゾーン位置bを検出する(ST13)。このゾーン位置bの検出は、ゾーン位置aの検出と同様に、例えば図3(a)〜(c)の手法を用いて行われる。その後、検出したゾーン位置bを中心とするゾーン範囲Bを設定する(ST14)。
次に、ゾーン範囲Aとゾーン範囲Bとを比較し、周波数の低いゾーン範囲を第1のゾーンマーカ16A、周波数の高いゾーン範囲を第2のゾーンマーカ16Bとして決定し、これらゾーンマーカ16A,16Bを表示部15の表示画面15a上に表示する(ST15)。そして、第1のゾーンマーカ16Aのゾーン幅内のチャンネルパワー値と第2のゾーンマーカ16Bのゾーン幅内のチャンネルパワー値との比を算出し(ST16)、算出したチャンネルパワー比(積分電力比)を表示部15の表示画面15a上に表示する(ST17)。その際、各ゾーンマーカ16A,16Bのチャンネルパワー値(積分電力値)も表示部16の表示画面15a上(表示画面15aの左上部分)に表示する。
ところで、上述した第2実施形態では、2つのゾーンマーカ16A,16Bのゾーン幅内のチャンネルパワー比を算出して結果を表示する構成としているが、これら2つのゾーンマーカ16A,16Bの各ゾーン幅内の任意の位置に設定部2から不図示のマーカを設定し、表示制御部14が2つのゾーンマーカ16A,16Bのゾーン幅内のマーカが示す位置におけるチャンネルパワー比を算出して結果を表示する構成とすることもできる。
また、上述した第2実施形態では、ゾーンマーカ位置制御表示機能を用いて2つのゾーンマーカ16A,16Bを自動的に表示制御する場合を例にとって説明したが、少なくとも1つのゾーンマーカ16についてゾーンマーカ位置制御表示機能を用いて表示制御を行う構成であれば良い。例えば2つのゾーンマーカ16A,16Bを表示する場合には、一方のゾーンマーカ16A(又は16B)についてはゾーンマーカ位置制御表示機能を用い、他方のゾーンマーカ16B(又は16A)については手動設定する。また、3つ以上のゾーンマーカ16を表示制御する場合でも同様の手法により表示制御でき、少なくとも1つのゾーンマーカ16についてゾーンマーカ位置制御表示機能を用いて自動的に表示し、残りのゾーンマーカについては位置を手動設定して表示する。そして、これら複数のゾーンマーカ16を表示した場合には、この表示された複数のゾーンマーカから2つのゾーンマーカを設定部2から任意に選択し、この任意に選択された2つのゾーンマーカのゾーン幅内のチャンネルパワー比を算出し、その結果を表示することができる。
次に、本発明に係る信号解析装置の第3実施形態について図5および図8,図9を参照しながら説明する。なお、上述した第2実施形態の信号解析装置と同一の構成要素については、説明を省略する。
第3実施形態の信号解析装置1(1C)は、第2実施形態の信号解析装置1Bと同様に、図5に示すブロック構成に基づくゾーンマーカ位置制御表示機能を用いて2つのゾーンマーカ16(16A,16B)を自動的に表示制御し、その表示された2つのゾーンマーカ16A,16Bのゾーン幅ZH内のチャンネルパワー比(積分電力比)の算出及び結果表示を行う機能を有するが、第2実施形態の信号解析装置1Bとはゾーン位置の検出が異なっている。
ゾーン内ピーク検出手段14aは、設定部2からゾーンマーカ情報(マーカ数、ゾーン幅)が入力しており、第2波形メモリ13に記憶されたチャンネルパワー値において、例えば前述した図3(a)〜(c)の手法を用い、ゾーンをスケールの端から端まで1ポイントづつ移動したときのゾーン幅ZH内のチャンネルパワー値が最大となるゾーン位置を1つ目のピーク位置として検出することに加え、以下に説明するネクストピークサーチ機能を有し、2つ目以降のピーク位置を検出する。
ネクストピークサーチ機能は、現在、ピークとして検出しているポイントの次に値が最大となるピークをサーチする機能である。そして、ネクストピークサーチ機能の検出対象となるピークは、そのポイントの両側にサーチ分解能以上のスロープがあること、言い換えれば、サーチ分解能以上のレベル差がある他のポイントを両側に有する極大点であることである。サーチ分解能とは、レベル差として設定されるパラメータであり、ノイズ等によるピークの誤検出を防ぐのに有用である。このサーチ分解能の値は、予め設定された所定値が用いられるか、もしくは設定部2からの設定により設定される。
以下、図8を用いて、ネクストピークサーチ機能を説明する。図8はネクストピークサーチ機能を説明するための測定波形の一例である。図8における(a)〜(i)は、波形のピーク点又はディップ点を表している。なお、サーチ分解能は30dBに設定されているものとする。
現在、表示波形中で最大レベルである(c)点がピークとして検出されている場合に、ネクストピークサーチ機能が実行されると、以下のように検出が行われる。
まず、(c)点の次にレベルが大きい(a)点は、片側にしかスロープがないため、ピークと見なされない。その次にレベルが大きい(i)点も同様である。さらにその次にレベルが大きい(e)点は、(d)点に至る左側のスロープと、(h)点に至る右側のスロープとがそれぞれ30dB以上のレベル差を有しているので、ピークとして検出され、ネクストピークサーチ機能は終了する。この場合、(e)点から(h)点に至る波形の間にディップ(f)点とピーク(g)点とが存在しているが、(e)点を基準として(f)点、(g)点を見ると、サーチ分解能30dBの範囲にどちらの点も含まれてしまう。このため(g)点は検出対象とされず、(e)点から(h)点に至る波形は単一のスロープと見なされる。これにより、例えばノイズによってピーク(g)点が発生してしまった場合でも、ピーク点の誤検出を防ぐことができる。もし、ここで再度ネクストピークサーチ機能が実行されると、(e)点の次にレベルが大きい(g)点は検出対象でないため検出されず、他にピークが無いため、「ネクストピーク無し」の状態で終了する。
なお、(g)点をネクストピークサーチ機能で検出対象とすべき場合は、サーチ分解能の設定を例えば5dBにすることにより、(e)点の次に検出できる。
ゾーンマーカ表示位置制御手段14bは、設定部2からゾーンマーカ情報(マーカ数、ゾーン幅)が入力しており、ゾーン内ピーク検出手段14aが検出した2つのピーク位置のうち、一つ目のピーク位置をゾーン幅の中心とするゾーンマーカ16Aと、ネクストピークサーチ機能によって検出された2つ目のピーク位置をゾーン幅の中心とするゾーンマーカ16Bとの位置情報をゾーンマーカ表示位置情報として全体表示制御手段14cに出力している。
次に、上記構成による第3実施形態の信号解析装置1Cの動作について図9のフローチャートを参照しながら説明する。ST1〜ST8までは第2実施形態の信号解析装置1Bと同様であるので、説明を省略する。
ST7でゾーンがスケールの右端まで移動したと判断されると、第2波形メモリ13に格納されたチャンネルパワー値からゾーン幅内のパワー値が最大となるゾーン位置aを検出する(ST21)。このゾーン位置aの検出は、例えば図3(a)〜(c)の手法を用いて行われる。その後、検出したゾーン位置aを中心とするゾーン範囲Aを設定し、第1のゾーンマーカ16Aとして表示する(ST22)。
次に、第2波形メモリ13に格納されたチャンネルパワー値において、ネクストピークサーチ機能により、ゾーン位置aの次にゾーン幅内のパワー値が最大となるゾーン位置bを検出する(ST23)。ここで、ゾーン位置bの検出は、ネクストピークサーチ機能により行われるので、検出されるゾーン位置bは、サーチ分解能以上のレベル差がある他のポイントを両側に有する極大点であるという条件を満たしている。その後、検出したゾーン位置bを中心とするゾーン範囲Bを設定し、第2のゾーンマーカ16Bとして表示する(ST24)。
そして、第1のゾーンマーカ16Aのゾーン幅内のチャンネルパワー値と第2のゾーンマーカ16Bのゾーン幅内のチャンネルパワー値との比を算出し(ST25)、算出したチャンネルパワー比(積分電力比)を表示部15の表示画面15a上に表示する(ST26)。その際、各ゾーンマーカ16A, 16Bのチャンネルパワー値(積分電力値)も表示部16の表示画面15a上(表示画面15aの左上部分)に表示する。
上述した第3実施形態では、ゾーンマーカ位置制御表示機能を用いて2つのゾーンマーカ16A,16Bを自動的に表示制御する場合を例にとって説明したが、3つ以上のゾーンマーカ16を表示制御する場合でも同様の手法により表示制御できる。そして、これら複数のゾーンマーカ16を表示した場合には、この表示された複数のゾーンマーカから2つのゾーンマーカを設定部2から任意に選択し、この任意に選択された2つのゾーンマーカのゾーン幅内のチャンネルパワー比を算出し、その結果を表示することができる。あるいは、設定部2から選択することなく、第1のゾーンマーカ16Aのゾーン幅内のチャンネルパワー値とそれ以外のゾーンマーカのゾーン幅内のチャンネルパワー値との比をそれぞれ算出し、並べて表示するようにしてもよい。
なお、上述した第1〜第3実施形態において、本願発明の信号解析装置は、被測定信号を周波数掃引してアナログ処理により検波し、検波した信号をA/D変換して波形データとして記憶する構成となっているが、この構成に限定されるものではない。例えば、被測定信号を周波数掃引してA/D変換し、フィルタリングや検波の処理をデジタル処理で行う構成でもよいし、周波数掃引を行わずに、FFT方式により周波数ドメインでデジタルの波形データを取得する構成であってもよい。
このように、本例の信号解析装置及び方法によれば、被測定信号の変調帯域幅に合わせてゾーンマーカのゾーン幅(範囲)を指定し、信号処理によって取得した波形データからゾーン幅のチャンネルパワー値(積分電力値)を算出し、ゾーン幅内のノイズの影響度の低い積分電力のピーク値の位置にゾーン幅の中心が位置するようにゾーンマーカを自動的に表示制御することができる。
また、ゾーンマーカ16を複数表示する場合には、少なくとも1つのゾーンマーカについてゾーンマーカ位置制御表示機能を用い、残りのゾーンマーカについてはユーザの手動設定することにより複数のゾーンマーカの表示制御が可能になる。そして、表示された複数のゾーンマーカから任意に選択された2つのゾーンマーカのゾーン幅内のチャンネルパワー比を算出して結果を表示することができる。これにより、被測定信号とその隣接チャンネルの信号やユーザが指示する信号との電力比を算出し、その結果を表示することができる。
本発明に係る信号解析装置の第1実施形態のブロック構成図である。 第1実施形態の信号解析装置の動作フローチャートである。 (a)〜(c) ゾーン幅に複数のピーク値が存在する場合の1つのピーク位置を決定するための各手法例を示す説明図である。 第1実施形態の信号解析装置によるゾーンマーカの表示例を示す図である。 本発明に係る信号解析装置の第2実施形態および第3実施形態のブロック構成図である。 第2実施形態の信号解析装置の動作フローチャートである。 第2実施形態の信号解析装置によるゾーンマーカの表示例を示す図である。 本発明に係る信号解析装置によるネクストピークサーチ機能を説明するための測定波形の一例を示す図である。 第3実施形態の信号解析装置の動作フローチャートである。 従来の信号解析装置の概略構成を示すブロック構成図である。 従来の信号解析装置において、被測定信号がCW信号のときのゾーンマーカの表示例を示す図である。 従来の信号解析装置において、被測定信号が変調波信号のときのゾーンマーカの表示例を示す図である。
符号の説明
1(1A,1B,1C) 信号解析装置
2 設定部
3 周波数変換部
3a 局部発振器
3b 信号混合器
3c 帯域制限フィルタ(IFフィルタ)
4 掃引制御部
5 RBWフィルタ
6 対数変換部(LOG)
7 VBWフィルタ
8 検波部
9 A/D変換部
10 第1波形メモリ(第1記憶部)
11 ゾーン制御部
12 データ処理部
13 第2波形メモリ(第2記憶部)
14 表示制御部
14a ゾーン内ピーク検出手段
14b ゾーンマーカ表示位置制御手段
14c 全体表示制御手段
14d パワー比算出手段
15 表示部
16(16A,16B) ゾーンマーカ
W 被測定信号

Claims (4)

  1. 所定の変調帯域幅を有する被測定信号(W)を受信して所定の周波数範囲でスペクトラム分析し、該被測定信号の周波数成分の大きさを対応する周波数毎にデジタル値の波形データとして記憶し、該波形データに基づいて該被測定信号のスペクトラム波形表示を行う信号解析装置(1)において、
    前記被測定信号の変調帯域幅に合わせてゾーン幅を指定し、前記波形データにおける前記指定されたゾーン幅内のデータを該ゾーン幅分だけ積分した積分電力値を、前記所定の周波数範囲内で当該ゾーン幅の位置を変えてそれぞれ算出し、この算出した積分電力値から最大積分電力値を示す位置を検出するときに、前記ゾーン幅内の前記最大積分電力値が複数箇所に存在する場合、前記複数箇所の最大積分電力値から3dB低下した最大積分電力値の位置間の中心となる位置を前記最大積分電力値の位置として検出しており、
    前記指定されたゾーン幅を有するゾーンマーカであって、前記検出した最大積分電力値を示す位置を該ゾーン幅の中心としたゾーンマーカ(16)を表示するゾーンマーカ位置制御表示機能を有することを特徴とする信号解析装置。
  2. 請求項1記載の信号解析装置(1)において、
    前記ゾーンマーカ位置制御表示機能を用いて表示される少なくとも1つのゾーンマーカ(16)を含む複数のゾーンマーカを表示し、当該表示された複数のゾーンマーカから任意に選択された2つのゾーンマーカのゾーン幅内の電力比を算出して結果を表示する機能を有することを特徴とする信号解析装置。
  3. 所定の変調帯域幅を有する被測定信号(W)を受信して所定の周波数範囲でスペクトラム分析し、該被測定信号の周波数成分の大きさを対応する周波数毎にデジタル値の波形データとして記憶し、該波形データに基づいて該被測定信号のスペクトラム波形表示を行う信号解析方法において、
    前記被測定信号の変調帯域幅に合わせてゾーン幅を指定するステップと、
    前記波形データにおける前記指定されたゾーン幅内のデータを該ゾーン幅分だけ積分した積分電力値を、前記所定の周波数範囲内で当該ゾーン幅の位置を変えてそれぞれ算出するステップと、
    前記算出した積分電力値から最大積分電力値を示す位置を検出するときに、前記ゾーン幅内の前記最大積分電力値が複数箇所に存在する場合、前記複数箇所の最大積分電力値から3dB低下した最大積分電力値の位置間の中心となる位置を前記最大積分電力値の位置として検出するステップと、
    前記指定されたゾーン幅を有するゾーンマーカであって、前記検出した最大積分電力値を示す位置をゾーン幅の中心としたゾーンマーカ(16)を表示するステップとを含むことを特徴とする信号解析方法。
  4. 請求項3記載の信号解析方法において、
    前記請求項3記載の手法を用いて表示される少なくとも1つのゾーンマーカ(16)を含む複数のゾーンマーカを表示するステップと、
    前記表示された複数のゾーンマーカから任意に選択された2つのゾーンマーカのゾーン幅内の電力比を算出して結果を表示するステップとを更に含むことを特徴とする信号解析方法。
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