JP5219526B2 - 水中探知装置 - Google Patents

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Description

本発明は、超音波信号の送受信によって水中を探知する水中探知装置に関する。
超音波信号の送受信によって周囲の物標を探知する水中探知装置、特にスキャニングソナーは、複数の素子から成るトランスデューサを備えている。スキャニングソナーは、トランスデューサの各素子を駆動することによって、全周に向けて超音波信号を送信する。そして、トランスデューサの方位方向(円周方向)に並ぶ所定列の素子を組としてビームフォーミングを行い、所定方位方向から到来するエコー信号を受信する。このビームフォーミングは、各素子が受信したエコー信号の利得の重み付けや整相を行うとともに加算することにより行う。なお、用いる素子の組の選択を順次切り換えることによって全方位方向の受信を行うことで、スキャニングソナーは全方位に亘る探知を行う。
しかし、上記のようなスキャニングソナーは、トランスデューサの構造上、グレーティングローブが生じ、探知方向以外からのエコー信号を受信してしまい、それが結果的に虚像となって表示されてしまう。
そこで、特許文献1に記載の水中探知装置ではグレーティングローブによる虚像を低減する方法として、方位別に帯域を制限した超音波信号により送受信を行うDFM(Directional Frequency Modulation)法が用いられている。
以下、図5および図6を用いてDFM法による虚像の低減方法について説明する。
図5は、トランスデューサの船首方向に配列された素子群により得られる受信信号Rx1のメインローブおよびグレーティングローブを表す概念図であり、受信信号Rx1の高さは信号レベルに相当する。また、点線はフィルタリング前の信号レベルを有する受信信号Rx1を、実線はフィルタリング後の信号レベルを有する受信信号Rx1を表す。
図6(a)は、送信される送信信号Tx1およびその反射信号であるエコー信号Ex1における方位方向と周波数との関係を示す相関図である。また、図6(b)は、図5と同様の素子により得られる受信信号Rx1における方位方向と信号レベルとの関係を示す相関図である。
まず、図6(a)に示すように、船尾から左舷、船首、右舷、船尾にかけて周波数を線形に増加させた送信信号Tx1を送信する。送信信号Tx1の周波数は、船尾のftsから掃引され、この船尾から左舷、船首、右舷、船尾にかけてfteまで線形に増加し、各方位方向において周波数は異なる。
そして、送信信号Tx1のエコー信号Ex1を右舷方向に配列された素子群により受信する。このとき、図5や図6(b)に示すように、メインローブの方位方向(探知方向)以外からのエコー信号Ex1もグレーティングローブにより受信してしまう。言い換えれば、図5(b)の点線で示すように、受信信号Rx1は探知方向以外にも信号レベルを有した信号となってしまう。したがって、このような受信信号Rx1に基づいて表示を行うとき、虚像が表示されてしまう。
そこで、グレーティングローブの信号レベルを小さくするために、メインローブの方位方向から到来するエコー信号Ex1の周波数fcを中心周波数としたバンドパスフィルタにより受信信号Rx1をフィルタリングする。なお、図6(a)中のBWは、バンドパスフィルタのバンド幅を表す。
このようにすることで、図6(b)の実線で示す受信信号Rx1のようにグレーティングローブの信号レベルが小さい、つまり探知方向以外から到来するエコー信号Ex1の信号レベルが小さい受信信号Rx1を得ることができ、虚像の表示を防ぐことができる。
特開2005−106705
ここで、水中探知装置は専ら船舶の走航中に使用されるため、エコー信号はドップラーシフトの影響を受ける。船舶が船首方向に走航している時、船尾から到来するエコー信号の周波数は低くなり、船首方向から到来するエコー信号の周波数は高くなる。また、左舷方向と右舷方向からのエコー信号の周波数は変化しない。
このようにドップラーシフトの影響を受けたエコー信号における方位方向と周波数との相関を図7(a)に示す。図7(a)中のTx2が送信信号であり、Ex2がエコー信号である。図7(a)に示すように、エコー信号Ex2は船首より右舷側で周波数の変化量が小さくなる。
そして、エコー信号Ex2を船首方向に配列された素子群により受信する。さらに、従来の水中探知装置と同様に、グレーティングローブの信号レベルを小さくするために、メインローブの方位方向から到来するエコー信号Ex2の周波数fcを中心周波数としたバンドパスフィルタにより受信信号Rx2をフィルタリングする。
しかしながら、右舷側においてエコー信号Ex2の周波数の掃引がなだらかで変位が小さいために船首方向の周波数fc1を中心周波数とするバンドパスフィルタのバンド幅BWの内側となってしまう。したがって、受信信号Rx2は船首より右舷側でフィルタリングすることができず、図7(b)に示すようにグレーティングローブの信号レベルを小さくすることができなかった。つまり、従来の水中探知装置では走航中に虚像の表示を防ぐことができなかった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、DFM法を用いて水中を探知した際にドップラーシフトの影響をうけたとしてもグレーティングローブによる虚像の表示を防ぐことのできる水中探知装置を提供することを目的とする。さらに、従来よりもグレーティングローブの抑圧効果を高くすることのできる水中探知装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために本発明の水中探知装置は、方位方向に周波数掃引した第1および第2送信信号を送信し、該送信信号の第1および第2エコー信号を受信する送受波器と、所定方位方向における第1および第2送信信号の周波数と自船速情報に基づいて第1および第2エコー信号の周波数を算出する周波数算出部と、前記周波数算出が算出した周波数に基づいて第1および第2エコー信号をフィルタリングするフィルタ部と、前記フィルタ部によりフィルタリングされた第1および第2受信信号に基づいてグレーティングローブを低減する受信信号合成部を備えたことを特徴とする。
より具体的には、前記水中探知装置は、方位方向に周波数掃引した第1送信信号および該第1送信信号と周波数が異なり且つ方位方向に周波数掃引した第2送信信号を全方位方向に配列された素子群により送信し、該第1送信信号の第1エコー信号および該第2送信信号の第2エコー信号を所定方位方向に配列された素子群により受信する送受波器と、前記所定方位方向から到来する第1エコー信号および第2エコー信号の周波数を算出する周波数算出部と、前記周波数算出部が算出した第1エコー信号の周波数に基づいて前記受信部が受信した信号をフィルタリングし第1受信信号を得る第1フィルタと、前記周波数算出部が算出した第2エコー信号の周波数に基づいて前記受信部が受信した信号をフィルタリングし第2受信信号を得る第2フィルタと、前記第1受信信号と前記第2受信信号とに基づいてグレーティングローブの信号レベルを小さくした合成受信信号を生成する受信信号合成部と、を備え、前記第1フィルタでフィルタリングされる前記第1エコー信号のグレーティングローブの方位方向と前記第2フィルタでフィルタリングされる前記第2エコー信号のグレーティングローブの方位方向は異なることを特徴とする。
このようにすることで、DFM法を用いて水中を探知する際にドップラーシフトの影響を受けたとしても、フィルタリングできないグレーティグローブの方位方向が異なる2種類の受信信号を得ることができ、それらを比較することにより互いにフィルタリングできなかった方位方向を補うことができる。つまり、全方位方向においてフィルタリングできた受信信号と等価な合成受信信号を得ることができ、グレーティングローブによる虚像の表示を防ぐことができる。
特に、前記送受波器は、方位方向に対して周波数がアップチャープする第1送信信号および該第1送信信号と周波数が異なり且つ方位方向に対して周波数がダウンチャープする第2送信信号を全方位方向に配列された素子群により送信することを特徴とする。
このように周波数が増加および減少する2種類の送信信号を送信することで、フィルタリングできない方位方向を顕著に異ならせることができ、グレーティングローブの信号レベルを小さくした合成受信信号を確実に生成することができる。
また、前記送受波器は、方位方向に対して周波数が三角掃引する第1送信信号および該第1送信信号と周波数が異なり且つ前記方位方向に対して周波数が該第1送信信号と異なる位相で三角掃引する第2送信信号を全方位方向に配列された素子群により送信することを特徴とする。
三角掃引のように方位方向に周波数の共通帯域が生じることで受信信号のメインローブとグレーティングローブがフィルタリングできない場合でも、方位方向に位相が異なる2種類の送信信号を送信することにより、フィルタリングできない方位方向を顕著に異ならせることができ、グレーティングローブの信号レベルを小さくした合成受信信号を確実に生成することができる。
また、前記受信信号合成部は、前記受信信号合成部は、方位方向毎に前記第1受信信号と前記第2受信信号の信号レベルを比較し、各受信信号のうち信号レベルが小さい受信信号を選択することで合成受信信号を生成することを特徴とする。
このように第1受信信号と第2受信信号との信号レベルを比較し、互いに最小の信号レベルと等しい合成受信信号を生成することによって、簡易にグレーティングローブの信号レベルを小さくでき、虚像の表示を防ぐことができる。
また、前記受信信号合成部は、方位方向毎に前記第1受信信号と前記第2受信信号の信号レベルを比較し、各信号レベルの差が所定値未満のときは各受信信号のうち信号レベルが小さい受信信号を選択し、各信号レベルの差が前記所定値以上のときは各受信信号のうち信号レベルが大きい受信信号を選択することで合成受信信号を生成することを特徴とする。
このように第1受信信号と第2受信信号との信号レベル差を考慮することで、常に信号レベルの小さい信号を選択することによる全体的な感度の低下を防ぐことができ、虚像の原因であるグレーティングローブの信号レベルのみを小さくすることができる。
本発明によれば、グレーティングローブによる虚像の表示を防ぐことができる。さらに、従来よりもグレーティングローブの抑圧効果を高くすることができる。
(実施の形態1)
本実施の形態1における水中探知装置1は、2種類の送信信号を送信することにより得られた2種類の受信信号を比較することで、グレーティングローブの信号レベルが小さい合成受信信号を生成することを主な特徴とする。
以下、水中探知装置1について図1から図3を用いて説明する。
水中探知装置1は、図1に示すように、駆動信号生成部11、送受切替部12、送受波器13、第1BMF14a、第2BMF14b、周波数算出部15、第1フィルタ16a、第2フィルタ16b、第1アンプ17a、第2アンプ17b、受信信号合成部18、および表示部19から構成される。
駆動信号生成部11は、送受波器13に備えられた複数の素子を駆動するための駆動信号を生成し、送受切替部12を介して送受波器13に出力する。この駆動信号によって、送信される送信信号の周波数などは決定される。
送受切替部12は、駆動信号生成部11が生成した駆動信号を送受波器13に出力する。また、後述する送受波器13が受信したエコー信号を第1BMF14aおよび第2BMF14bに出力する。
送受波器13は、駆動信号生成部11が生成した駆動信号に基づいて全方位方向に送信信号を送信する。送信される送信信号は2種類であり、船尾から左舷、船首、右舷、船尾にかけて周波数を線形に増加させた第1送信信号Ta1と、減少させた第2送信信号Ta2である。
そして、送受波器13は、第1送信信号Ta1の反射信号である第1エコー信号Ea1と、第2送信信号Ta2の反射信号である第2エコー信号Ea2とを受信する。
第1BMF14aおよび第2BMF14bは、ビームフォーミング(BMF)、つまり、受信ビームを形成し、受信信号を出力する。このビームフォーミングは、送受波器13の所定方位方向に配列された各素子が受信したエコー信号をそれぞれ利得の重み付けや整相するとともに加算し、検波することにより行われる。なお、この所定方位方向は探知方向であり、ビームフォーミングされる所定方位方向の素子群を方位方向に順次回転することで、全方位方向に亘る探知を行う。
ここで、水中探知装置1が具備されている船舶が走航することによりエコー信号はドップラーシフトを受けるため、各方位方向においてエコー信号の周波数は送信信号の周波数と異なる。エコー信号の周波数の算出式を次式に表す。なお、f(θ)は方位θにおけるエコー信号の周波数を、f(θ)は方位θにおける送信信号の周波数を、Cは音速を、v(θ)は方位θにおける船速を表す。
Figure 0005219526
周波数算出部15は、数1に基づいて各方位方向から到来するエコー信号の周波数f(θ)を算出する。周波数算出部15は、駆動信号生成部11から出力される駆動信号に基づく送信信号の周波数f(θ)と、船速v(θ)とを入力値として、受信したエコー信号の周波数f(θ)を算出する。
第1フィルタ16aおよび第2フィルタ16bは、第1BMF14aおよび第2BMF14bから出力された受信信号をそれぞれフィルタリングする。第1フィルタ16aはバンドパスフィルタであり、周波数算出部15が算出した所定方位方向から到来する第1エコー信号Ea1の周波数を中心周波数として第1BMF14aから出力された受信信号のフィルタリングを行い、第1受信信号Ra1を得る。同様に、第2フィルタ16bもバンドパスフィルタであり、周波数算出部15が算出した所定方位方向から到来する第2エコー信号Ea2の周波数を中心周波数として第2BMF14bから出力された受信信号のフィルタリングを行い、第2受信信号Ra2を得る。
第1アンプ17aは、第1フィルタ16aによりフィルタリングされた第1受信信号Ra1を増幅する。同様に、第2アンプ17bは、第2フィルタ16bによりフィルタリングされた第2受信信号Ra2を増幅する。これら第1アンプ17aおよび第1アンプ17bは、時間経過とともに増幅率が大きくなる、いわゆるTVG(Time Variable Gain)制御を行う。つまり、水中を伝搬した信号の減衰をその経路長に応じて補正する。これにより、受信信号の信号レベルを経路長に対して一定とする。
受信信号合成部18は、第1アンプ17aにより増幅された第1受信信号Ra1と、第2アンプ17bにより増幅された第2受信信号Ra2とを比較し合成受信信号Ra12を生成する。受信信号合成部18は、方位方向毎に第1受信信号Ra1と第2受信信号Ra2の信号レベルを比較し、各受信信号のうち信号レベルが小さい受信信号を選択することで合成受信信号Ra12を生成する。つまり、各方位方向において第1受信信号Ra1と第2受信信号Ra2とのうち信号レベルが小さい方を合成受信信号Ra12として生成する。
これにより、第1受信信号Ra1のうち第1フィルタ16aでフィルタリングできなかった方位方向の信号レベルを、第2フィルタ16bでフィルタリングされた第2受信信号Ra2に基づいて低くすることができるため、グレーティングローブの信号レベルを小さくした合成受信信号Ra12を得ることができる。
そして、この合成受信信号Ra12に基づいた画像を表示部19に表示する。
以上のようにして、水中探知装置1は、グレーティングローブによる虚像の表示を防ぐことができる。また、後述するように、フィルタリングによるグレーティングローブの抑圧効果を高めることもできるため、表示される虚像を従来よりも小さくすることができる。
なお、本実施の形態1において、これら2つの送信信号は一つの送信期間に順次送信され、後の受信期間にそれぞれ受信される。しかし、2つの送信信号はそれぞれ交互に送受を行ってもよい。このときは、前回得られた受信信号をメモリ等に保存しておき、今回得られた受信信号とメモリに保存された受信信号を比較し、合成受信信号を生成すればよい。
次に、図2および図3を用いて水中探知装置1で送受信および生成される信号について説明する。なお、図2および図3で示される各受信信号の信号レベルは、受信ビームの信号レベルに等しい。
図2(a)は、送信される送信信号およびその反射信号であるエコー信号における方位方向と周波数との関係を示す相関図である。
図2(a)に示すように、送受波器13から送信される第1送信信号Ta1は、周波数が船尾から左舷、船首、右舷、船尾にかけてfts1からfte1まで線形に増加(リニア掃引)した信号である。対して、第2送信信号Ta2は、周波数が船尾から左舷、船首、右舷、船尾にかけてfts2からfte2まで線形に減少(リニア掃引)した信号である。このように、第1送信信号Ta1と第1送信信号Ta1との周波数は対称に掃引する。なお、周波数fts1はfts2よりも大きく、第1送信信号Ta1と第2送信信号Ta2の周波数帯域は重ならない。
そして、第1エコー信号Ea1はドップラーシフトの影響を受け、周波数が左舷側で急峻に、右舷側でなだらかに掃引した信号となる。逆に、第2エコー信号Ea2は、周波数が左舷側でなだらかに、右舷側で急峻に掃引した信号となる。なお、水中探知装置1が具備される船舶は船首方向に走航しており、左舷方向および右舷方向でその速度成分は0である。
図2(b)は、第1フィルタ16aによりフィルタリングされた第1受信信号Ra1における方位方向と信号レベルとの関係を示す相関図である。また、図2(c)は、第2フィルタ16bによりフィルタリングされた第2受信信号Ra2における方位方向と信号レベルとの関係を示す相関図である。なお、第1受信信号Ra1および第2受信信号Ra2は、船首方向に配列された素子群により得られた信号である。
図2(b)に示すように、第1受信信号Ra1における右舷側の信号は、フィルタリングされないため信号レベルを小さくすることができない。これは、右舷側において第1エコー信号Ea1の周波数掃引がなだらかで周波数変位が第1送信信号Ta1よりも小さいために、船首方向の周波数fc1を中心周波数とする第1フィルタ16a(バンドパスフィルタ)のバンド幅BWの内側となってしまうためである。一方、左舷側における周波数掃引は急峻で、船首方向から離れるに連れて周波数変位は第1送信信号Ta1よりも大きくなる。つまり、左舷側ではフィルタリング効果が従来よりも向上しグレーティングローブによる信号レベルがより小さくなる。
第2受信信号Ra2は、図2(c)に示すように、第1受信信号Ra1の右舷と左舷の関係を逆にした信号である。つまり、第1受信信号Ra1と同様の理由により、左舷側の信号がフィルタリングされず右舷側の信号のフィルタリング効果は向上している。
図3は、合成受信信号Ra12における方位方向と信号レベルとの関係を示す相関図である。図3に示すように、合成受信信号Ra12の方位方向毎の信号レベルは、図2(b)に示す第1受信信号Ra1と図2(c)に示す第2受信信号Ra2との信号レベルが小さい信号と等しい。つまり、合成受信信号Ra12は、第1受信信号Ra1と第2受信信号Ra2のうち信号レベルが小さい信号を方位方向毎に合成した信号である。さらに、各受信信号のフィルタリングされた成分は従来よりも信号レベルが小さくなっているため、合成受信信号Ra12は従来よりもグレーティングローブの抑圧効果が高い信号である。
なお、水中に送信する2種類の送信信号は、エコー信号の方位方向に対する周波数変化幅がそれぞれ異なることでフィルタリングされる方位方向が異なればよく、送信信号を線形に掃引することに限定されない。つまり、高次や対数にアップチャープした信号とダウンチャープした信号等でもよい。
また、受信信号合成部18は、方位方向毎に第1受信信号Ra1と第2受信信号Ra2の信号レベルを比較し、各信号レベルの差が所定値未満のときは各受信信号のうち信号レベルが小さい受信信号を選択し、各信号レベルの差が所定値以上のときは各受信信号のうち信号レベルが大きい受信信号を選択することで合成受信信号Ra12を生成してもよい。
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2について図4を参照しながら説明する。本実施の形態2における水中探知装置は、送信信号を三角掃引する点に関して実施の形態1における水中探知装置1と異なる。なお、実施の形態2における水中探知装置の構成は実施の形態1における水中探知装置1と同様であり説明を省略し、送受信される信号についてのみ説明する。
図4(a)は、送信される送信信号における方位方向と周波数との関係を示す相関図である。図4(a)に示すように、送受波器から送信される第3送信信号Ta3は、周波数が船尾から左舷、船首にかけて線形に増加し、船首から右舷、船尾にかけて左舷側と対称に減少した、いわゆる三角掃引された信号である。第4送信信号Ta4は、第3送信信号Ta3の周波数掃引を方位方向にシフトした信号である。つまり、第3送信信号Ta3と第4送信信号Ta4は方位方向に対する位相が異なる。なお、このシフト(位相)量は同一周波数となる方位方向が各送信信号間で異なればよく、本実施の形態2のように90°(船首方向から右舷方向)に限定されない。
ここで、本実施の形態2では説明を簡易にするためドップラーシフトの影響を考慮していないことを言及しておく。つまり、図4(a)に示すように、第3送信信号Ta3とその反射信号である第3エコー信号Ea3との周波数は等しく、第4送信信号Ta4とその反射信号である第4エコー信号Ea4との周波数は等しい。
図4(b)は、実施の形態1と同様に、第1フィルタによりフィルタリングされた第3受信信号Ra3における方位方向と信号レベルとの関係を示す相関図である。また、図4(c)は、第2フィルタによりフィルタリングされた第3受信信号Ra3における方位方向と信号レベルとの関係を示す相関図である。なお、第3受信信号Ra3および第4受信信号Ra4は、船首方向よりやや右舷側に配列された素子群により得られた信号である。
以上のような第3受信信号Ra3と第4受信信号Ra4に基づいて、実施の形態1と同様に、受信信号合成部により合成受信信号を生成することで、グレーティングローブの信号レベルを小さくした信号を得ることができ虚像の表示を防ぐことができる。
また、このような方位方向に周波数を三角掃引した送信信号がドップラーの影響を受けたとき、同様な構成によりグレーティングローブの影響は低減できる。ドップラーシフトの影響を考慮したときは、図4(a)に示す送信信号Ta3のような船首方向に周波数のピークを持つ三角掃引を行った送信信号に対応するエコー信号は、実施の形態1のようにリニア掃引した送信信号に対応するエコー信号と異なり、左舷側と右舷側の両側で周波数掃引が急峻で、方位方向に対する周波数変位が大きいものとなる。これを鑑みると、送信する2種類の送信信号は、船首方向に周波数のピークを持つ信号から左舷方向と右舷方向に対称に位相させた2種類の信号とするとき、フィルタリング効果を大きくした合成受信信号を生成することができる。
本発明の実施の形態1による水中探知装置の構成を示す図である。 本発明の実施の形態1による水中探知装置において送受信される信号を表す図である。 本発明の実施の形態1による水中探知装置において生成される合成受信信号を表す図である。 本発明の実施の形態2による水中探知装置において送受信される信号を表す図である。 従来の水中探知装置において受信される信号(受信ビーム)を表す図である。 従来の水中探知装置において送受信される信号を表す図である。 従来の水中探知装置において送受信される信号を表す図である。
符号の説明
1 水中探知装置
11 駆動信号生成部
12 送受切替部
13 送受波器
14a 第1BMF
14b 第1BMF
15 周波数算出部
16a 第1フィルタ
16b 第2フィルタ
17a 第1アンプ
17b 第2アンプ
18 受信信号合成部
19 表示部

Claims (6)

  1. 方位方向に周波数掃引した第1および第2送信信号を送信し、該送信信号の第1および第2エコー信号を受信する送受信部と、
    所定方位方向における第1および第2送信信号の周波数と自船速情報に基づいて第1および第2エコー信号の周波数を算出する周波数算出部と、
    前記周波数算出部が算出した周波数に基づいて第1および第2エコー信号をフィルタリングするフィルタ部と、
    前記フィルタ部によりフィルタリングされた第1および第2受信信号に基づいてグレーティングローブを低減する受信信号合成部を備えたことを特徴とする水中探知装置。
  2. 方位方向に周波数掃引した第1送信信号および該第1送信信号と周波数が異なり且つ方位方向に周波数掃引した第2送信信号を全方位方向に配列された素子群により送信し、該第1送信信号の第1エコー信号および該第2送信信号の第2エコー信号を所定方位方向に配列された素子群により受信する送受波器と、
    前記所定方位方向から到来する第1エコー信号および第2エコー信号の周波数を算出する周波数算出部と、
    前記周波数算出部が算出した第1エコー信号の周波数に基づいて前記受信部が受信した信号をフィルタリングし第1受信信号を得る第1フィルタと、
    前記周波数算出部が算出した第2エコー信号の周波数に基づいて前記受信部が受信した信号をフィルタリングし第2受信信号を得る第2フィルタと、
    前記第1受信信号と前記第2受信信号とに基づいてグレーティングローブの信号レベルを小さくした合成受信信号を生成する受信信号合成部と、を備え、
    前記第1フィルタでフィルタリングされる前記第1エコー信号のグレーティングローブの方位方向と前記第2フィルタでフィルタリングされる前記第2エコー信号のグレーティングローブの方位方向は異なることを特徴とする水中探知装置。
  3. 請求項1または2に記載の水中探知装置において、
    前記送受波器は、方位方向に周波数がアップチャープする第1送信信号および該第1送信信号と周波数が異なり且つ方位方向に周波数がダウンチャープする第2送信信号を全方位方向に配列された素子群により送信する、
    ことを特徴とする水中探知装置。
  4. 請求項1または2に記載の水中探知装置において、
    前記送受波器は、方位方向に周波数が三角掃引する第1送信信号および該第1送信信号と周波数が異なり且つ前記方位方向に周波数が該第1送信信号と異なる位相で三角掃引する第2送信信号を全方位方向に配列された素子群により送信する、
    ことを特徴とする水中探知装置。
  5. 請求項1乃至4の何れかに記載の水中探知装置において、
    前記受信信号合成部は、方位方向毎に前記第1受信信号と前記第2受信信号の信号レベルを比較し、各受信信号のうち信号レベルが小さい受信信号を選択することで合成受信信号を生成する、
    ことを特徴とする水中探知装置。
  6. 請求項1乃至4の何れかに記載の水中探知装置において、
    前記受信信号合成部は、方位方向毎に前記第1受信信号と前記第2受信信号の信号レベルを比較し、各信号レベルの差が所定値未満のときは各受信信号のうち信号レベルが小さい受信信号を選択し、各信号レベルの差が前記所定値以上のときは各受信信号のうち信号レベルが大きい受信信号を選択することで合成受信信号を生成する、
    ことを特徴とする水中探知装置。
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