JP5219204B2 - 新規不斉触媒、並びに光学活性エステル及び光学活性カルボン酸の製造方法 - Google Patents
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Description
Birman, V. B.; Li, X.; Org. Lett.; 2006, Vol.8, No.7, p.1351−1354 Birman, V. B.; Guo, L.; Org. Lett.; 2006, Vol.8, No.21, p.4859−4861
また、R5は水素原子、アルキル基、又はアリール基を示す。
また、R6〜R9はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルチオ基、アシル基、アシロキシ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、カルボキシル基、チオカルボキシル基、カルバモイル基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基、アルキルアリールアミノ基、ニトロ基、シアノ基、又はスルホ基を示す。
また、置換基又は他の置換基の一部として用いられる「アリール基」は、芳香族炭化水素基を示し、2以上の環が縮合していてもよい。アリール基の炭素数に特に制限はないが、好ましくは炭素数5〜14、より好ましくは炭素数6〜10である。
また、置換基又は他の置換基の一部として用いられる「アシル基」は、カルボン酸から水酸基を除いた基を示す。アシル基の炭素数に特に制限はないが、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜6である。
また、この不斉触媒は、ラセミの2級アルコールから光学活性エステル及び光学活性2級アルコールを製造する際にも好適にも用いることができる。すなわち、ラセミの2級アルコールと特定のカルボン酸とを、カルボン酸無水物と上記の不斉触媒との存在下で反応させ、ラセミの2級アルコールのうち一方のエナンチオマーを選択的にエステル化することにより、光学活性エステル及び光学活性2級アルコールを、高収率かつ高エナンチオ選択的に製造することができる。
本発明に係る光学活性エステルの製造方法及び光学活性カルボン酸の製造方法は、ラセミのカルボン酸と特定のアルコール又はフェノール誘導体とを、カルボン酸無水物と本発明に係る不斉触媒との存在下で反応させ、ラセミのカルボン酸のうち一方のエナンチオマーを選択的にエステル化することを特徴とするものである。
本発明の製造方法で得られる光学活性エステル及び光学活性カルボン酸は、それぞれラセミのカルボン酸の異なるエナンチオマーに対応する。したがって、本発明に係る光学活性エステルの製造方法及び光学活性カルボン酸の製造方法は、ラセミのカルボン酸の光学分割方法と理解することもできる。
本発明の製造方法で用いられるカルボン酸無水物は、脱水縮合剤として作用する。カルボン酸無水物としては、安息香酸、フェニル基にアルキル基、アルコキシ基、アミノ基、アルコキシアルキル基等の電子供与性基が結合した安息香酸、又はα位が4級炭素である多置換カルボン酸から得られるものが好ましく、安息香酸、炭素数1〜3のアルキル基又はアルコキシ基が結合した1〜3置換の安息香酸、ピバル酸、2−メチル−2−フェニルプロピオン酸、又は2,2−ジフェニルプロピオン酸から得られるものがより好ましい。
光学活性エステル及び光学活性カルボン酸の製造は、溶媒中に、ラセミのカルボン酸、アルコール又はフェノール誘導体、カルボン酸無水物、及び本発明に係る不斉触媒を添加することによって行われる。溶媒としては、ジクロロメタン、クロロベンゼン等が挙げられる。また、反応進行に伴って生成するカルボン酸無水物由来の酸を中和するため、反応系内に塩基を添加することが好ましい。この塩基としては、求核性を有さない有機塩基(トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン)が好ましい。
溶媒中への添加順序は任意であるが、ラセミのカルボン酸とカルボン酸無水物とを含む溶液中に、塩基、アルコール又はフェノール誘導体、不斉触媒を順次加えることが好ましい。
反応温度は−23〜30℃が好ましく、反応時間は10分間〜48時間が好ましい。
7.79−7.69(m,4H,Np),
7.42−7.32(m,3H,Np),
4.88−4.81(m,1H,1−H),
3.84(dd,J=9.8,3.7Hz,1H,2−H),
3.61(dd,J=9.8,9.8Hz,1H,2−H),
3.14(s,1H,OH),
1.08−0.94(m,21H,TIPS).
7.91−7.76(m,4H,Np),
7.56−7.43(m,3H,Np),
6.03(dd,J=7.5,4.4Hz,1H,1−H),
4.06(dd,J=10.3,7.5Hz,1H,2−H),
3.96(dd,J=10.3,7.5Hz,1H,2−H),
2.67(se,J=7.0Hz,1H,2’−H),
1.23(d,J=7.0Hz,3H,3’−H),
1.21(d,J=7.0Hz,3H,3’−H),
1.13−0.98(m,21H,TIPS).
7.79−7.69(m,4H,Np),
7.42−7.32(m,3H,Np),
4.88−4.81(m,1H,1−H),
3.84(dd,J=9.8,3.7Hz,1H,2−H),
3.61(dd,J=9.8,9.8Hz,1H,2−H),
3.14(s,1H,OH),
1.08−0.94(m,21H,TIPS).
光学活性な2−(トリイソプロピルシロキシ)−1−(2−ナフチル)エタノール(6)(1.951g,5.662mmol)のベンゼン溶液(56.6mL)に対し、トリフェニルホスフィン(2.670g,11.32mmol)、アジ化水素酸ベンゼン溶液(1.15M、7.4mL,8.510mmol)、及びジエチルアゾジカルボキシレート(約2.2M、5.15mL,11.33mmol)を室温で続けて加えた。反応混合液を室温で1時間撹拌した後に減圧濃縮し、得られた混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=10/1)を用いて分取することにより、対応するアジ化物(7)の粗製体が得られた。
7.87−7.77(m,4H,Np),
7.53−7.42(m,3H,Np),
4.29(dd,J=8.6,3.7Hz,1H,1−H),
3.90(dd,J=9.6,3.7Hz,1H,2−H),
3.69(dd,J=9.6,8.6Hz,1H,2−H),
1.85(br s,2H,NH2),
1.17−1.02(m,21H,TIPS).
7.86−7.75(m,4H,Np),
7.51−7.40(m,3H,Np),
4.21(dd,J=8.2,4.3Hz,1H,2−H),
3.83(dd,J=10.8,4.3Hz,1H,1−H),
3.65(dd,J=10.8,8.2Hz,1H,1−H),
2.04(br s,3H,NH2,OH)
ヘキサン/酢酸エチル混合溶媒より再結晶を行うことにより、光学的にほぼ純粋な不斉触媒((S)−β−Np−BTM)(99.6%ee,599mg)が得られた。(S)−β−Np−BTMの物性値は以下のとおりである。
7.90−7.80(m,4H,Np),
7.52−7.43(m,3H,Np),
7.33(dd,J=7.7,0.7Hz,1H,Ar),
7.19(td,J=7.7,1.3Hz,1H,Ar),
6.98(td,J=7.7,1.3Hz,1H,Ar),
6.68(dd,J=7.7,0.7Hz,1H,Ar),
5.85(dd,J=10.3,8.1Hz,1H,1−H),
4.35(dd,J=10.3,8.1Hz,1H,2−H),
3.78(dd,J=8.9,8.1Hz,1H,2−H).
8.07(d,J=8.3Hz,1H,Np),
7.88(d,J=7.9Hz,1H,Np),
7.80(d,J=8.3Hz,1H,Np),
7.67(d,J=7.1Hz,1H,Np),
7.55−7.44(m,3H,Np),
5.60(dd,J=8.9,3.4Hz,1H,1−H),
4.10(ddd,J=9.9,3.4,0.9Hz,1H,2−H),
3.69(td,J=8.9,0.9Hz,1H,2−H),
3.29(br s,1H,OH),
1.17−1.06(m,21H,TIPS).
8.21(d,J=8.5Hz,1H,Np),
7.87(d,J=8.0Hz,1H,Np),
7.80(d,J=8.0Hz,1H,Np),
7.67−7.42(m,4H,Np),
6.70(dd,J=11.0,4.0Hz,1H,1−H),
4.10(dd,J=11.0,7.9Hz,1H,2−H),
4.04(dd,J=11.0,4.0Hz,1H,2−H),
2.69(se,J=7.0Hz,1H,2’−H),
1.24(d,J=7.0Hz,3H,3’−H),
1.21(d,J=7.0Hz,3H,3’−H).
8.07(d,J=8.3Hz,1H,Np),
7.88(d,J=7.9Hz,1H,Np),
7.80(d,J=8.3Hz,1H,Np),
7.67(d,J=7.1Hz,1H,Np),
7.55−7.44(m,3H,Np),
5.60(dd,J=8.9,3.4Hz,1H,1−H),
4.10(ddd,J=9.9,3.4,0.9Hz,1H,2−H),
3.69(td,J=8.9,0.9Hz,1H,2−H),
3.29(br s,1H,OH),
1.17−1.06(m,21H,TIPS).
光学活性な2−(トリイソプロピルシロキシ)−1−(1−ナフチル)エタノール(19)(937.8mg,2.722mmol)のベンゼン溶液(27.2mL)に対し、トリフェニルホスフィン(1.428g,5.444mmol)、アジ化水素酸ベンゼン溶液(1.15M、3.55mL,4.083mmol)、及びジエチルアゾジカルボキシレート(約2.2M、2.47mL,5.434mmol)を室温で続けて加えた。反応混合液を室温で1.5時間撹拌した後に減圧濃縮し、得られた混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=20/1)を用いて分取することにより、対応するアジ化物(20)の粗製体が得られた。
8.18(d,J=8.6Hz,1H,Np),
7.88(d,J=8.0Hz,1H,Np),
7.82−7.75(m,2H,Np),
7.56−7.45(m,3H,Np),
5.00(dd,J=8.6,3.4Hz,1H,1−H),
4.61(ddd,J=9.8,3.4,0.9Hz,1H,2−H),
3.73(td,J=8.0,0.9Hz,1H,2−H),
1.92(br s,2H,NH2),
1.17−1.03(m,21H,TIPS).
8.12(d,J=8.2Hz,1H,Np),
7.91−7.85(m,1H,Np),
7.78(d,J=8.2Hz,1H,Np),
7.60(d,J=7.0Hz,1H,Np),
7.57−7.44(m,3H,Np),
4.92(dd,J=8.1,3.9Hz,1H,2−H),
3.96(dd,J=11.0,3.9Hz,1H,1−H),
3.68(dd,J=11.0,8.1Hz,1H,1−H),
2.14(br s,3H,NH2,OH).
ヘキサン/ジクロロメタン混合溶媒(3/1)より再結晶を行うことにより、光学純度の高い不斉触媒((S)−α−Np−BTM)(99.7%ee,100.5mg)が得られた。(S)−α−Np−BTMの物性値は以下のとおりである。
7.98−7.89(m,2H,Np),
7.80(d,J=8.1Hz,1H,Np),
7.70(d,J=7.2Hz,1H,Np),
7.62−7.45(m,2H,Np),
7.32(dd,J=7.8,1.0Hz,1H,Ar),
7.16(td,J=7.8,1.0Hz,1H,Ar),
6.97(td,J=7.8,1.0Hz,1H,Ar),
6.62(dd,J=7.8,1.0Hz,1H,Ar),
6.42(dd,J=10.4,7.8Hz,1H,1−H),
4.53(dd,J=15.0,8.7Hz,1H,2−H),
3.63(dd,J=8.7,7.8Hz,1H,2−H).
ラセミのナプロキセン(45.8mg,0.199mmol)、PMBA(68.5mg,0.239mmol)、及び1,1−ジ(1−ナフチル)メタノール(28.4mg,0.100mmol)のジクロロメタン溶液(2.0mL)に対し、ジイソプロピルエチルアミン(62.7μL,0.360mmol)及び不斉触媒である(S)−β−Np−BTM(2.9mg,0.010mmol)を室温で順番に加えた。反応混合液を12時間室温で撹拌した後、飽和塩化アンモニア水で反応を停止した。有機層を分取した後、水層をジエチルエーテルで4回抽出した。有機層を混合した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液を濾過した後に減圧濃縮し、得られた混合物をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:ベンゼン/ヘキサン=70/30)を用いて分取することにより、対応する光学活性エステル(49.1mg,49%,93%ee)を得た。高極性区画を再度シリカゲル薄層クロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル/ギ酸=80/20/2)を用いて展開し、未反応の光学活性カルボン酸(23.4mg,51%,74%ee)を得た。反応速度比sは60.9であった。
HPLC(CHIRALPAK AD−H,i−PrOH/hexane=1/9,flow rate=1.0mL/min):tR=11.4min(96.5%),tR=14.6min(3.5%);
IR(neat):3034,1733,1604,1508,782,679cm−1;
1H NMR(CDCl3):δ8.29(s,1H,1’−H),8.00−7.90(m,1H,Ph),7.82−6.96(m,17H,Ph),6.95−6.81(m,2H,Ph),3.86(q,J=7.0Hz,1H,2−H),3.79(s,3H,OMe),1.49(d,J=7.0Hz,3H,3−H);
13C NMR(CDCl3):δ173.6,157.6,135.1,134.7,134.5,133.8,133.7,133.6,131.2,130.8,129.3,129.1,128.9,128.8,128.7,128.6,128.3,127.1,126.7,126.5,126.3,126.2,125.8,125.6,125.3,125.2,125.0,123.4,123.3,118.9,105.5,71.2,55.2,45.5,18.3;
HR MS:calcd for C35H28O3Na(M+Na+) 519.1931,found 519.1932.
HPLC(CHIRALPAK AD−H,i−PrOH/hexane/TFA=1/10/0.01,flow rate=1.0mL/min):tR=13.0min(86.9%),tR=15.2min(13.1%);
1H NMR(CDCl3):δ9.42(br s,1H,COOH),7.68−7.55(m,3H,Ph),7.33−7.28(m,1H,Ph),7.13−6.99(m,2H,Ph),3.83(s,3H,OMe),3.79(q,J=7.2Hz,1H,2−H),1.50(d,J=7.2Hz,3H,3−H).
ラセミのナプロキセン(46.0mg,0.200mmol)、PMBA(68.9mg,0.241mmol)、及び1,1−ジ(1−ナフチル)メタノール(28.5mg,0.100mmol)のジクロロメタン溶液(2.0mL)に対し、ジイソプロピルエチルアミン(62.7μL,0.360mmol)及びα−ナフチルベンゾテトラミソール(2.9mg,0.010mmol)を室温で順番に加えた。反応混合液を12時間室温で撹拌した後、飽和塩化アンモニア水で反応を停止した。有機層を分取した後、水層をジエチルエーテルで4回抽出した。有機層を混合した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液を濾過した後に減圧濃縮し、得られた混合物をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:ベンゼン)を用いて分取することにより、対応する光学活性エステル(42.3mg,43%,88%ee)を得た。高極性区画を再度シリカゲル薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:ベンゼン/酢酸エチル=10/1)を用いて展開し、相当部分を再びシリカゲル薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル/ギ酸=80/20/2)を用いて展開し、未反応の光学活性カルボン酸(22.1mg,48%,44%ee)を得た。反応速度比sは24.9であった。
ラセミのナプロキセン(46.1mg,0.200mmol)、PMBA(68.8mg,0.240mmol)、及び1,1−ジ(1−ナフチル)メタノール(28.4mg,0.100mmol)のジクロロメタン溶液(2.0mL)に対し、ジイソプロピルエチルアミン(62.7μL,0.360mmol)及び不斉触媒である(−)−BTM(2.7mg,0.011mmol)を室温で順番に加えた。反応混合液を12時間室温で撹拌した後、飽和塩化アンモニア水で反応を停止した。有機層を分取した後、水層をジエチルエーテルで4回抽出した。有機層を混合した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液を濾過した後に減圧濃縮し、得られた混合物をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:ベンゼン)を用いて分取することにより、対応する光学活性エステル(47.7mg,48%,76%ee)を得た。高極性区画を再度シリカゲル薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:ベンゼン/酢酸エチル=10/1)を用いて展開し、相当部分を再びシリカゲル薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル/ギ酸=80/20/2)を用いて展開し、未反応の光学活性カルボン酸(18.4mg,40%,59%ee)を得た。反応速度比sは13.4であった。
ラセミの2−フェニルプロピオン酸(30.0mg,0.200mmol)、PMBA(68.6mg,0.240mmol)、及び1,1−ジ(1−ナフチル)メタノール(28.4mg,0.100mmol)のジクロロメタン溶液(1.0mL)に対し、ジイソプロピルエチルアミン(62.7μL,0.360mmol)及び不斉触媒である(S)−β−Np−BTM(3.0mg,0.010mmol)を室温で順番に加えた。反応混合液を12時間室温で撹拌した後、飽和塩化アンモニア水で反応を停止した。有機層を分取した後、水層をジエチルエーテルで3回抽出した。有機層を混合した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液を濾過した後に減圧濃縮し、得られた混合物をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:ベンゼン/ヘキサン=70/30)を用いて分取することにより、対応する光学活性エステル(34.2mg,41%,91%ee)及び未反応の光学活性カルボン酸の一部がそれぞれ得られた。高極性区画中のカルボン酸を再度シリカゲル薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:ベンゼン/酢酸エチル=10/1)を用いて展開し、相当部分を再びシリカゲル薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル/ギ酸=80/20/2)を用いて展開して精製した。
一方、水層に1M塩酸を加え、pHを約2に調整後、ジエチルエーテルで4回抽出した。有機層を混合した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液を濾過した後に減圧濃縮し、得られた混合物をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル/ギ酸=80/20/2)を用いて展開して精製し、未反応の光学活性カルボン酸をさらに回収した。先に得られたカルボン酸と合わせ、光学活性カルボン酸(10.4mg,35%,55%ee)を得た。反応速度比は38.2であった。
HPLC(CHIRALPAK AD−H,i−PrOH/hexane=1/50,flow rate=1.0mL/min):tR=14.0min(95.7%),tR=18.4min(4.3%);
Mp:128℃(i−PrOH/hexane);
IR(KBr):3067,1728,1600,1509,776,699cm−1;
1H NMR(CDCl3):δ8.29(s,1H,1’−H),7.99−7.94(m,1H,Ph),7.84−7.79(m,1H,Ph),7.74(t,J=7.0Hz,2H,Ph),7.68(d,J=8.0Hz,1H,Ph),7.63(d,J=8.5Hz,1H,Ph),7.45−7.38(m,2H,Ph),7.35−7.31(m,1H,Ph),7.23−7.14(m,7H,Ph),7.11(t,J=7.5Hz,1H,Ph),7.06(d,J=7.5Hz,1H,Ph),6.90(d,J=7.0Hz,1H,Ph),3.77(q,J=7.0Hz,1H,2−H),1.45(d,J=7.0Hz,3H,3−H);
13C NMR(CDCl3):δ173.5,140.0,134.8,134.6,133.8,133.7,131.2,130.8,129.1,128.9,128.7,128.64,128.57,127.8,127.2,126.7,126.4,126.3,125.9,125.6,125.2,125.0,123.5,123.3,71.1,45.6,18.2;
HR MS:calcd for C30H24O2Na(M+Na+) 439.1669,found 439.1668.
HPLC(CHIRALPAK AD−H,i−PrOH/hexane/TFA=1/50/0.05,flow rate=0.5mL/min):tR=34.9min(77.4%),tR=37.7min(22.6%);
1H NMR(CDCl3):δ10.95(br s,1H,COOH),7.30−7.16(m,5H,Ph),3.67(q,J=7.2Hz,1H,2−H),1.45(d,J=7.2Hz,3H,3−H).
ラセミの2−フェニルプロピオン酸(30.0mg,0.200mmol)、PMBA(68.7mg,0.240mmol)、及び1,1−ジ(1−ナフチル)メタノール(28.4mg,0.100mmol)のジクロロメタン溶液(1.0mL)に対し、ジイソプロピルエチルアミン(62.7μL,0.360mmol)及び不斉触媒である(S)−α−Np−BTM(2.9mg,0.010mmol)を室温で順番に加えた。反応混合液を12時間室温で撹拌した後、飽和塩化アンモニア水で反応を停止した。有機層を分取した後、水層をジエチルエーテルで3回抽出した。有機層を混合した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液を濾過した後に減圧濃縮し、得られた混合物をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:ベンゼン/ヘキサン=70/30)を用いて分取することにより、対応する光学活性エステル(23.3mg,28%,85%ee)及び未反応の光学活性カルボン酸の一部がそれぞれ得られた。高極性区画中のカルボン酸を再度シリカゲル薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:ベンゼン/酢酸エチル=10/1)を用いて展開し、相当部分を再びシリカゲル薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル/ギ酸=80/20/2)を用いて展開して精製した。
一方、水層に1M塩酸を加え、pHを約2に調整後、ジエチルエーテルで4回抽出した。有機層を混合した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液を濾過した後に減圧濃縮し、得られた混合物をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル/ギ酸=80/20/2)を用いて展開して精製し、未反応の光学活性カルボン酸をさらに回収した。先に得られたカルボン酸と合わせ、光学活性カルボン酸(17.0mg,57%,26%ee)を得た。反応速度比sは16であった。
ラセミの2−フェニルプロピオン酸(30.0mg,0.200mmol)、PMBA(68.7mg,0.240mmol)、及び1,1−ジ(1−ナフチル)メタノール(28.4mg,0.100mmol)のジクロロメタン溶液(1.0mL)に対し、ジイソプロピルエチルアミン(62.7μL,0.360mmol)及び不斉触媒である(−)−BTM(2.5mg,0.010mmol)を室温で順番に加えた。反応混合液を12時間室温で撹拌した後、飽和塩化アンモニア水で反応を停止した。有機層を分取した後、水層をジエチルエーテルで3回抽出した。有機層を混合した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液を濾過した後に減圧濃縮し、得られた混合物をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:ベンゼン/ヘキサン=70/30)を用いて分取することにより、対応する光学活性エステル(29.5mg,35%,87%ee)及び未反応の光学活性カルボン酸の一部がそれぞれ得られた。高極性区画中のカルボン酸を再度シリカゲル薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:ベンゼン/酢酸エチル=10/1)を用いて展開し、相当部分を再びシリカゲル薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル/ギ酸=80/20/2)を用いて展開して精製した。
一方、水層に1M塩酸を加え、pHを約2に調整後、ジエチルエーテルで4回抽出した。有機層を混合した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液を濾過した後に減圧濃縮し、得られた混合物をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル/ギ酸=80/20/2)を用いて展開して精製し、未反応の光学活性カルボン酸をさらに回収した。先に得られたカルボン酸と合わせ、光学活性カルボン酸(12.4mg,41%,40%ee)を得た。反応速度比sは21.1であった。
ラセミの2−(4−トリル)プロピオン酸(32.8mg,0.200mmol)、PMBA(68.6mg,0.240mmol)、及び1,1−ジ(1−ナフチル)メタノール(28.2mg,0.099mmol)のジクロロメタン溶液(1.0mL)に対し、ジイソプロピルエチルアミン(62.7μL,0.360mmol)及び不斉触媒である(S)−β−Np−BTM(3.1mg,0.010mmol)を室温で順番に加えた。反応混合液を12時間室温で撹拌した後、飽和塩化アンモニア水で反応を停止した。有機層を分取した後、水層をジエチルエーテルで4回抽出した。有機層を混合した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液を濾過した後に減圧濃縮し、得られた混合物をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:ベンゼン/ヘキサン=70/30)を用いて分取することにより、対応する光学活性エステル(37.6mg,44%,91%ee)及び未反応の光学活性カルボン酸の一部がそれぞれ得られた。高極性区画中のカルボン酸を再度シリカゲル薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:ベンゼン/酢酸エチル=10/1)を用いて展開し、相当部分を再びシリカゲル薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル/ギ酸=80/20/2)を用いて展開し、未反応の光学活性カルボン酸(9.2mg,28%,64%ee)を得た。反応速度比sは41.3であった。
HPLC(CHIRALPAK AD−H,i−PrOH/hexane=1/9,flow rate=0.75mL/min):tR=10.2min(95.6%),tR=14.5min(4.4%);
IR(neat):3051,1733,1598,1512,801,777,732cm−1;
1H NMR(CDCl3):δ8.27(s,1H,1’−H),7.98−7.91(m,1H,Ph),7.83−7.76(m,1H,Ph),7.72(t,J=8.2Hz,2H,Ph),7.66(d,J=8.2Hz,1H,Ph),7.62(d,J=8.6Hz,1H,Ph),7.44−7.36(m,1H,Ph),7.31(t,J=7.5Hz,1H,Ph),7.22−7.14(m,2H,Ph),7.13−7.01(m,4H,Ph),6.97(d,J=7.9Hz,2H,Ph),6.92(d,J=7.5Hz,1H,Ph),3.72(q,J=7.0Hz,1H,2−H),2.25(s,3H,Me),1.42(d,J=7.0Hz,3H,3−H);
13C NMR(CDCl3):δ173.7,137.0,136.7,134.9,134.6,133.8,133.7,131.2,130.9,129.2,129.1,128.8,128.7,128.6,128.3,127.6,126.7,126.3,126.2,125.8,125.6,125.3,125.2,125.0,123.5,123.3,71.1,45.2,21.0,18.2;
HR MS:calcd for C31H26O2Na(M+Na+) 453.1825,found 453.1816.
HPLC(CHIRALPAK AD−H,i−PrOH/hexane/TFA=1/50/0.05,flow rate=0.5mL/min):tR=36.4min(81.8%),tR=39.8min(18.2%);
1H NMR(CDCl3):δ10.63(br s,1H,COOH),7.13(d,J=7.8Hz,2H,Ph),7.07(d,J=7.8Hz,2H,Ph),3.63(q,J=7.0Hz,1H,2−H),2.26(s,3H,Me),1.42(d,J=7.0Hz,3H,3−H).
ラセミの2−(4−メトキシフェニル)プロピオン酸(36.1mg,0.200mmol)、PMBA(68.5mg,0.239mmol)、及び1,1−ジ(1−ナフチル)メタノール(28.5mg,0.100mmol)のジクロロメタン溶液(1.0mL)に対し、ジイソプロピルエチルアミン(62.7μL,0.360mmol)及び不斉触媒である(S)−β−Np−BTM(3.1mg,0.010mmol)を室温で順番に加えた。反応混合液を12時間室温で撹拌した後、飽和塩化アンモニア水で反応を停止した。有機層を分取した後、水層をジエチルエーテルで4回抽出した。有機層を混合した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液を濾過した後に減圧濃縮し、得られた混合物をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:ベンゼン)を用いて分取することにより、対応する光学活性エステル(41.6mg,46%,85%ee)及び未反応の光学活性カルボン酸の一部がそれぞれ得られた。高極性区画中のカルボン酸を再度シリカゲル薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:ベンゼン/酢酸エチル=10/1)を用いて展開し、相当部分を再びシリカゲル薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル/ギ酸=80/20/2)を用いて展開して精製した。
一方、水層に1M塩酸を加え、pHを約2に調整後、ジエチルエーテルで4回抽出した。有機層を混合した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液を濾過した後に減圧濃縮し、得られた混合物をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル/ギ酸=80/20/2)を用いて展開して精製し、未反応の光学活性カルボン酸をさらに回収した。先に得られたカルボン酸と合わせ、光学活性カルボン酸(10.8mg,30%,68%ee)を得た。反応速度比sは24.7であった。
HPLC(CHIRALPAK AD−H,i−PrOH/hexane=1/9,flow rate=1.0mL/min):tR=11.6min(92.4%),tR=14.2min(7.6%);
IR(neat):3059,1733,1608,1512,783,733cm−1;
1H NMR(CDCl3):δ8.26(s,1H,1’−H),7.97−7.89(m,1H,Ph),7.85−7.58(m,5H,Ph),7.46−7.04(m,8H,Ph),6.93(d,J=6.9Hz,1H,Ph),6.75−6.67(m,2H,Ph),3.78−3.68(m,4H,2−H,OMe),1.42(d,J=6.9Hz,3H,3−H);
13C NMR(CDCl3):δ173.7,158.7,134.8,134.6,133.8,133.6,132.1,131.2,130.9,129.1,128.83,128.76,128.7,128.6,128.3,126.7,126.3,126.2,125.8,125.6,125.3,125.2,125.0,123.5,123.3,113.9,71.0,55.3,44.8,18.2;
HR MS:calcd for C31H26O2Na(M+Na+) 469.1774,found 469.1754.
HPLC(CHIRALPAK AD−H,i−PrOH/hexane/TFA=1/50/0.05,flow rate=1.0mL/min):tR=34.6min(84.0%),tR=37.5min(16.0%);
1H NMR(CDCl3):δ10.99(br s,1H,COOH),7.17(d,J=8.7Hz,2H,Ph),6.79(d,J=8.7Hz,2H,Ph),3.72(s,3H,OMe),3.61(q,J=7.2Hz,1H,2−H),1.42(d,J=7.2Hz,3H,3−H).
ラセミの2−(4−クロロフェニル)プロピオン酸(36.9mg,0.200mmol)、PMBA(68.8mg,0.240mmol)、及び1,1−ジ(1−ナフチル)メタノール(28.5mg,0.100mmol)のジクロロメタン溶液(1.0mL)に対し、ジイソプロピルエチルアミン(62.7μL,0.360mmol)及び不斉触媒である(S)−β−Np−BTM(2.9mg,0.010mmol)を室温で順番に加えた。反応混合液を12時間室温で撹拌した後、飽和塩化アンモニア水で反応を停止した。有機層を分取した後、水層をジエチルエーテルで4回抽出した。有機層を混合した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液を濾過した後に減圧濃縮し、得られた混合物をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:ベンゼン/ヘキサン=70/30)を用いて分取することにより、対応する光学活性エステル(45.9mg,51%,86%ee)及び未反応の光学活性カルボン酸の一部がそれぞれ得られた。高極性区画中のカルボン酸を再度シリカゲル薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:ベンゼン/酢酸エチル=10/1)を用いて展開し、相当部分を再びシリカゲル薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル/ギ酸=80/20/2)を用いて展開して精製し、未反応の光学活性カルボン酸(12.2mg,33%,37%ee)を得た。反応速度比sは19.2であった。
HPLC(CHIRALPAK AD−H,i−PrOH/hexane=1/20,flow rate=0.5mL/min):tR=23.4min(93.0%),tR=27.5min(7.0%);
IR(neat):3052,1737,1599,1510,837,777cm−1;
1H NMR(CDCl3):δ8.26(d,J=3.0Hz,1H,1’−H),7.90(dd,J=7.5,3.0Hz,1H,Ph),7.81(d,J=7.5Hz,1H,Ph),7.75(t,J=8.5Hz,2H,Ph),7.70(d,J=8.0Hz,1H,Ph),7.62(dd,J=8.5,3.0Hz,1H,Ph),7.45−7.32(m,3H,Ph),7.26−7.04(m,8H,Ph),6.93(dd,J=7.0,3.0Hz,1H,Ph),3.73(qd,J=8.5,1.5Hz,1H,2−H),1.45−1.41(m,3H,3−H);
13C NMR(CDCl3):δ173.1,138.4,134.5,134.4,133.8,133.7,133.0,131.1,130.8,129.2,129.1,128.9,128.7,128.6,128.3,126.7,126.4,126.1,125.9,125.7,125.3,125.2,124.5,123.3,123.2,71.4,45.0,18.0;
HR MS:calcd for C30H23O2ClNa(M+Na+) 473.1279,found 473.1284.
HPLC(CHIRALPAK AD−H,i−PrOH/hexane/TFA=1/50/0.05,flow rate=0.75mL/min):tR=26.6min(68.4%),tR=29.1min(31.6%);
1H NMR(CDCl3):δ9.15(br s,1H,COOH),7.39−7.09(m,4H,Ph),3.69(q,J=7.0Hz,1H,2−H),1.48(d,J=7.0Hz,3H,3−H).
ラセミのイブプロフェン(41.2mg,0.200mmol)、PMBA(68.9mg,0.241mmol)、及び1,1−ジ(1−ナフチル)メタノール(28.3mg,0.100mmol)のジクロロメタン溶液(1.0mL)に対し、ジイソプロピルエチルアミン(62.7μL,0.360mmol)及び不斉触媒である(S)−β−Np−BTM(2.8mg,0.010mmol)を室温で順番に加えた。反応混合液を12時間室温で撹拌した後、飽和塩化アンモニア水で反応を停止した。有機層を分取した後、水層をジエチルエーテルで4回抽出した。有機層を混合した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液を濾過した後に減圧濃縮し、得られた混合物をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:ベンゼン/ヘキサン=70/30)を用いて分取することにより、対応する光学活性イブプロフェンエステル(39.7mg,42%,92%ee)及び未反応の光学活性カルボン酸の一部がそれぞれ得られた。高極性区画中のカルボン酸を再度シリカゲル薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:ベンゼン/酢酸エチル=10/1)を用いて展開し、相当部分を再びシリカゲル薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル/ギ酸=80/20/2)を用いて展開して精製し、未反応の光学活性イブプロフェン(16.8mg,41%,66%ee)を得た。反応速度比sは44.6であった。
HPLC(CHIRALPAK AD−H,i−PrOH/hexane=1/9,flow rate=1.0mL/min):tR=6.4min(95.8%),tR=11.6min(4.2%);
IR(neat):3036,1735,1599,1512,782,679cm−1;
1H NMR(CDCl3):δ8.29(s,1H,1”−H),8.02−7.93(m,1H,Ph),7.85−7.60(m,5H,Ph),7.47−7.26(m,3H,Ph),7.24−7.02(m,6H,Ph),7.00−6.88(m,3H,Ph),3.74(q,J=7.1Hz,1H,2−H),2.38(d,J=7.1Hz,2H,1’−H),1.78(qq,J=6.6,6.6Hz,1H,2’−H),1.43(d,J=7.1Hz,3H,3−H),0.84(d,J=6.6Hz,6H,3’−H);
13C NMR(CDCl3):δ173.7,140.6,137.2,134.9,134.7,133.8,133.7,131.2,130.9,129.3,129.1,128.8,128.7,128.6,127.5,126.7,126.3,125.8,125.6,125.2,125.0,123.5,123.4,70.9,45.3,45.0,30.2,22.4,18.1;
HR MS:calcd for C34H32O2Na(M+Na+) 495.2295,found 495.2276.
HPLC(CHIRALPAK AD−H,i−PrOH/hexane/TFA=1/100/0.1,flow rate=1.0mL/min):tR=26.3min(17.1%),tR=28.5min(82.9%);
1H NMR(CDCl3):δ10.30(br s,1H,COOH),7.14(d,J=7.9Hz,2H,Ph),7.02(d,J=7.9Hz,2H,Ph),3.63(q,J=7.3Hz,1H,2−H),2.37(q,J=7.3Hz,2H,1’−H),1.77(qq,J=6.5,6.5Hz,1H,2’−H),1.42(d,J=7.3Hz,2H,3−H),0.82(d,J=6.5Hz,6H,3’−H).
ラセミのケトプロフェン(50.8mg,0.200mmol)、PMBA(68.8mg,0.240mmol)、及び1,1−ジ(1−ナフチル)メタノール(28.4mg,0.100mmol)のジクロロメタン溶液(1.0mL)に対し、ジイソプロピルエチルアミン(62.7μL,0.360mmol)及び不斉触媒である(S)−β−Np−BTM(2.8mg,0.010mmol)を室温で順番に加えた。反応混合液を12時間室温で撹拌した後、飽和塩化アンモニア水で反応を停止した。有機層を分取した後、水層をジエチルエーテルで4回抽出した。有機層を混合した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液を濾過した後に減圧濃縮し、得られた混合物をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:ベンゼン/ヘキサン=70/30)を用いて分取することにより、対応する光学活性ケトプロフェンエステル(53.3mg,51%,78%ee)及び未反応の光学活性カルボン酸の一部がそれぞれ得られた。高極性区画中のカルボン酸を再度シリカゲル薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:ベンゼン/酢酸エチル=10/1)を用いて展開し、相当部分を再びシリカゲル薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル/ギ酸=80/20/2)を用いて展開して精製し、未反応の光学活性ケトプロフェン(18.8mg,37%,48%ee)を得た。反応速度比sは13.3であった。
HPLC(CHIRALPAK AD−H,i−PrOH/hexane=1/4,flow rate=0.75mL/min):tR=18.9min(89.2%),tR=50.9min(10.8%);
IR(neat):3035,1735,1660,1599,1511,780,680cm−1;
1H NMR(CDCl3):δ8.28(s,1H,1’−H),7.93−7.85(m,1H,Ph),7.82−7.54(m,6H,Ph),7.52−7.44(m,2H,Ph),7.44−7.06(m,13H,Ph),6.95(d,J=7.1Hz,1H,Ph),3.81(q,J=7.1Hz,1H,2−H),1.46(d,J=7.1Hz,3H,3−H);
13C NMR(CDCl3):δ196.3,173.0,140.1,137.8,137.3,134.5,134.4,133.8,133.7,132.4,131.6,131.1,130.8,129.9,129.5,129.2,128.93,128.91,128.86,128.7,128.6,128.3,128.2,126.7,126.4,126.1,125.9,125.7,125.4,125.2,125.0,123.2,71.4,45.5,17.9;
HR MS:calcd for C37H28O3Na(M+Na+) 543.1931,found 543.1910.
HPLC(CHIRALPAK AD−H,i−PrOH/hexane/TFA=1/10/0.01,flow rate=1.0mL/min):tR=14.0min(74.1%),tR=17.0min(25.9%);
1H NMR(CDCl3):δ10.67(br s,1H,COOH),7.85−7.76(m,3H,Ph),7.69(dt,J=7.5,1.5Hz,1H,Ph),7.63−7.54(m,2H,Ph),7.52−7.42(m,3H,Ph),3.83(q,J=7.0Hz,1H,2−H),1.56(d,J=7.0Hz,3H,3−H).
ラセミのフェノプロフェン(48.3mg,0.199mmol)、PMBA(68.7mg,0.240mmol)、及び1,1−ジ(1−ナフチル)メタノール(28.4mg,0.100mmol)のジクロロメタン溶液(1.0mL)に対し、ジイソプロピルエチルアミン(62.7μL,0.360mmol)及び不斉触媒である(S)−β−Np−BTM(2.9mg,0.010mmol)を室温で順番に加えた。反応混合液を12時間室温で撹拌した後、飽和塩化アンモニア水で反応を停止した。有機層を分取した後、水層をジエチルエーテルで4回抽出した。有機層を混合した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液を濾過した後に減圧濃縮し、得られた混合物をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:ベンゼン/ヘキサン=70/30)を用いて分取することにより、対応する光学活性フェノプロフェンエステル(46.8mg,46%,86%ee)及び未反応の光学活性カルボン酸の一部がそれぞれ得られた。高極性区画中のカルボン酸を再度シリカゲル薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:ベンゼン/酢酸エチル=10/1)を用いて展開し、相当部分を再びシリカゲル薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル/ギ酸=80/20/2)を用いて展開して精製し、未反応の光学活性フェノプロフェン(20.3mg,42%,59%ee)を得た。反応速度比sは24.6であった。
HPLC(CHIRALPAK AD−H,i−PrOH/hexane=1/50,flow rate=1.0mL/min):tR=20.4min(8.9%),tR=23.9min(91.1%);
IR(neat):3036,1735,1585,1484,781,679cm−1;
1H NMR(CDCl3):δ8.28(s,1H,1’−H),7.92(d,J=8.0Hz,1H,Ph),7.82−7.62(m,5H,Ph),7.43−7.30(m,3H,Ph),7.27−7.09(m,7H,Ph),6.98−6.91(m,3H,Ph),6.86−6.83(m,1H,Ph),6.82−6.73(m,3H,Ph),3.72(q,J=7.0Hz,1H,2−H),1.42(d,J=7.0Hz,3H,3−H);
13C NMR(CDCl3):δ173.1,157.3,157.0,141.9,134.7,134.6,133.8,133.7,131.2,130.9,129.8,129.7,129.1,128.9,128.8,128.7,128.3,126.7,126.4,126.1,125.9,125.7,125.3,125.2,125.1,123.4,123.3,123.1,122.6,118.7,118.4,117.6,71.2,45.5,17.9;
HR MS:calcd for C36H28O3Na(M+Na+) 531.1931,found 531.1948.
HPLC(CHIRALPAK AD−H,i−PrOH/hexane/TFA=1/50/0.05,flow rate=1.0mL/min):tR=26.0min(23.4%),tR=30.9min(76.6%);
1H NMR(CDCl3):δ11.8(br s,1H,COOH),7.24−7.10(m,3H,Ph),7.00−6.85(m,5H,Ph),6.76(ddd,J=8.2,2.5,0.9Hz,1H,Ph),3.58(q,J=7.2Hz,1H,2−H),1.37(d,J=7.2Hz,3H,3−H).
ラセミのフルルビプロフェン(48.9mg,0.200mmol)、PMBA(68.7mg,0.240mmol)、及び1,1−ジ(1−ナフチル)メタノール(28.3mg,0.100mmol)のジクロロメタン溶液(1.0mL)に対し、ジイソプロピルエチルアミン(62.7μL,0.360mmol)及び不斉触媒である(S)−β−Np−BTM(2.9mg,0.010mmol)を室温で順番に加えた。反応混合液を12時間室温で撹拌した後、飽和塩化アンモニア水で反応を停止した。有機層を分取した後、水層をジエチルエーテルで4回抽出した。有機層を混合した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液を濾過した後に減圧濃縮し、得られた混合物をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:ベンゼン/ヘキサン=70/30)を用いて分取することにより、対応する光学活性フルルビプロフェンエステル(49.0mg,48%,85%ee)及び未反応の光学活性カルボン酸の一部がそれぞれ得られた。高極性区画中のカルボン酸を再度シリカゲル薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:ベンゼン/酢酸エチル=10/1)を用いて展開し、相当部分を再びシリカゲル薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル/ギ酸=80/20/2)を用いて展開して精製し、未反応の光学活性フルルビプロフェン(20.0mg,41%,45%ee)を得た。反応速度比sは18.8であった。
HPLC(CHIRALPAK AD−H,i−PrOH/hexane=1/9,flow rate=0.75mL/min):tR=9.4min(92.4%),tR=15.2min(7.6%);
IR(neat):3035,1734,1599,1513,783,679cm−1;
1H NMR(CDCl3):δ8.29(s,1H,1’−H),7.95−7.86(m,1H,Ph),7.80−7.72(m,1H,Ph),7.70(d,J=8.1Hz,2H,Ph),7.64(d,J=8.1Hz,2H,Ph),7.46−7.04(m,12H,Ph),7.01−6.90(m,3H,Ph),3.74(q,J=7.0Hz,1H,2−H),1.44(t,J=7.0Hz,3H,3−H);
13C NMR(CDCl3):δ173.5,140.0,134.8,134.6,133.8,133.7,131.2,130.8,129.1,128.9,128.7,128.64,128.57,127.8,127.2,126.7,126.4,126.3,125.9,125.6,125.2,125.0,123.5,123.3,71.1,45.6,18.2;
HR MS:calcd for C36H27O2FNa(M+Na+) 533.1887,found 533.1865.
HPLC(CHIRALPAK AD−H,i−PrOH/hexane/TFA=1/50/0.05,flow rate=1.0mL/min):tR=21.8min(72.5%),tR=31.3min(27.5%);
1H NMR(CDCl3):δ9.45(br s,1H,COOH),7.57−7.49(m,2H,Ph),7.48−7.33(m,4H,Ph),7.22−7.11(m,2H,Ph),3.80(q,J=7.2Hz,1H,2−H),1.56(d,J=7.2Hz,3H,3−H).
Claims (6)
- 下記式(I)若しくは(II)で表される化合物又はそのエナンチオマーである新規不斉触媒。
- ラセミのカルボン酸と、下記式(a)で表されるアルコール又は下記式(b)で表されるフェノール誘導体とを、カルボン酸無水物と下記式(I)若しくは(II)で表される化合物又はそのエナンチオマーである不斉触媒との存在下で反応させ、前記ラセミのカルボン酸のうち一方のエナンチオマーを選択的にエステル化することを特徴とする光学活性エステルの製造方法。
- 前記式(g)中、不斉炭素と結合するRg1及びRg2の炭素原子の一方は、多重結合により他の原子と結合していることを特徴とする請求項3記載の光学活性エステルの製造方法。
- 前記式(b)中、Rbがナフチル基であり、フェノールの2,6位に置換していることを特徴とする請求項2から4のいずれか記載の光学活性エステルの製造方法。
- ラセミのカルボン酸と、下記式(a)で表されるアルコール又は下記式(b)で表されるフェノール誘導体とを、カルボン酸無水物と下記式(I)若しくは(II)で表される化合物又はそのエナンチオマーである不斉触媒との存在下で反応させ、前記ラセミのカルボン酸のうち一方のエナンチオマーを選択的にエステル化することを特徴とする光学活性カルボン酸の製造方法。
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