JP5219032B2 - 水素同位体含有ガス除去装置およびそれに用いる吸着装置 - Google Patents

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Description

本発明は、核融合施設のような大量のトリチウムを取扱う施設においてトリチウム含有ガスが室内へ漏洩した場合に、ガス中に含まれるトリチウムを効果的に無害化して除去することができる水素同位体含有ガス除去装置に関するものである。
また、この発明は、上記した水素同位体含有ガス除去装置に用いて好適な吸着装置に関するものである。
さらに、本発明の水素同位体含有ガス除去装置は、現状にあっても、比較的大容量のトリチウム含有ガスの発生や漏洩を伴うおそれがある原子力や放射性物質取り扱い施設において、トリチウムの回収装置としても使用することができる。
放射線物質である水素同位体のトリチウムは、原子力発電所やその使用済み燃料の再処理施設でその発生が問題とされる程度であったが、最近では、新しいエネルギー源としての核融合実験炉の開発に伴って燃料としての重要性が増している。核融合炉では、燃料としてトリチウムを大量に用いるので、施設の室内にトリチウムが漏洩した場合を想定して放射性排出ガスの除去装置が必要になる。また、トリチウムが発生または使用する施設においては、放射性排出ガス除去装置を備えた排気設備が必要となる。
トリチウムは、ベータ放射性物質であって、核融合の燃料とするトリチウム取扱い施設では高純度のものを大量に扱うので安全性には特別な配慮が求められ、独自のトリチウムプロセス技術の開発が必要である。トリチウムガス1gは、約10,000Ciの放射性物質で、1気圧,1ccのトリチウムガスでも約2.6 Ciの放射能を有している。
核融合炉の燃料としては、一日で約1kgのトリチウムが使われる。従って、このガスの一部、例えば1Ciすなわち3.7×1010Bqが何らかの事故で容積:1000m3の室内に漏れ出た場合を想定しても、放射能濃度は1cc当たり約37Bqで、これは法律で規定された排出濃度限度の1万倍である。
従って、トリチウムを含むガスが室内に漏洩した場合、室内空気を直ちに換気する必要があるが、この換気の過程でトリチウムガスを水として回収したのち清浄なガスのみを屋外へ排出する方法が考えられている。
例えば非特許文献1では、被処理ガスを酸素と水素を共に200℃以上に加熱した貴金属触媒酸化器に送り、ここで水素を水にしてモレキュラーシーブ(商標登録)で代表されるゼオライト等の固体乾燥材に吸着させて回収する方法が開示されている。
「Tritium Process Laboratory at the JAERI (Y. Naruse et al.:Fusion Engineering and Design Vol.12 P 293-318 (1990))」
上記したように、漏洩したガス中に含まれるトリチウムを回収するには、一般的に水素および水素化合物が含まれるガスを触媒に通して酸化し、生成した水を吸湿材で捕集する方式が採られている。従来は、粒子状(ペブル状)の触媒または吸湿材を充填した反応塔または吸着塔を用いていたことから、高い流体抵抗に起因して圧力損失が大きくなるため、処理流量が増すほど装置が大型化し、また流体移送系に対する負担も大きかった。
一例として、核融合炉規模の大量にトリチウムを扱う施設で処理したガスと水分の量を推定すると次のようになる。すなわち、室容積が10万m3で、湿度が60%のときの室内ガス中の水分量は1.3 m3である。トリチウムの放射能半減期は約12年なので、室内のガスがトリチウムで汚染された場合、室内に閉じ込めて放射能の減衰を待つことはできない。また、トリチウムは、水素と同じ挙動をするので材料に侵透し拡散し易いため、できる限り早急な回収が必要である。
ここで、室内ガス中の水分を全てモレキュラシーブを充填した吸着塔で回収しようとすると、最低7m3のモレキュラシーブが必要になる。吸着塔内に、処理ガス量に応じて大量のモレキュラシーブ粒子を充填すると、塔内の流体抵抗が上昇するので、ポンプなど流体移送系への負荷が大きくなるだけでなく、設備が大規模になりコストも上昇する。
また、モレキュラシーブを充填した吸着塔の利点は、吸着した水分を加熱脱離させ、モレキュラシーブを再利用することにあるので、吸着塔1基の容積はなるべく小さくし、繰り返し使用することが求められる。しかしながら、吸着塔の再生に要する時間は、加熱、脱水、冷却の各工程を合わせると半日以上はかかるので、頻繁な吸湿再生操作を繰り返して実施することは、多量のガスを処理する目的には必ずしも有効ではない。
また、その他にも、トリチウムを含む水素成分を水にして吸湿性高分子材に吸着させる技術として特許文献1が、また施設から排出されるトリチウム除去に関する技術として特許文献2が知られている。さらに、ハニカム酸化触媒を水素同位体ガス酸化に使用することについては、非特許文献2に記載されている。
特開平7−181294号公報 特開2002−90496号公報 「Development of High Performance Catalyst for Oxidation of Tritiated Hydrogen and Methane Gases (T. Uda, et.al., Fusion Science & Technology, Vol.48 No.1 pp 480-483 (2005))」
核融合炉のように、大量のトリチウム燃料を扱う施設では室内に漏洩するトリチウム量が多くなるおそれがある。また、施設の規模が大きいので、処理対象となる室内空気中の水蒸気分および水へ転換された水素同位体成分を加えた水分量も多大になる。
かような水分を吸湿する固体乾燥材の吸湿率は、固体乾燥材の質量の1%程度にすぎないため、生成した水分を回収するためにモレキュラーシーブ粒子等のペブル状の固体乾燥材を用いる装置では充填量が極めて多くなり、その結果、流体抵抗も大きくなり、装置も大型化する。また、流体抵抗が上がると、ポンプの容量が増し、圧力も高まり、水素同位体ガスが系外へ漏洩し易くなるので、安全のために装置の耐圧性が要求される。
そのため、トリチウムを含む大容量のガスを浄化する装置として、流体抵抗が小さく、かつ移送ポンプ系や容器配管系への負担も小さく、しかもシンプルな構造の吸着装置が望まれていた。
さらに、吸湿材であるモレキュラシーブに吸着された水分を脱離させる再生操作のための加熱器や加熱ガスを流すための設備への負担も大きいので、流通系と熱系の負担低減も併せて要望されていた。
本発明は、上記の現状に鑑み開発されたもので、吸湿性能を低下させることなく、流体抵抗を効果的に低減し、その結果、移送ポンプ系や容器配管系への負荷軽減を可能ならしめた吸着装置を、それを組み込んだ水素同位体含有ガス除去装置と共に提案することを目的とする。
さて、発明者らは、上記の目的を達成すべく、水素同位体含有ガス除去装置の吸着装置に対して、発明者らが先に酸化触媒に対して適用した非特許文献2に開示のハニカム構造の適用を試みた。
その結果、以下に述べる知見を得た。
(1) 従来から使用されてきたモレキュラシーブ等の吸湿材を、単味でハニカム構造とすることはできなかったが、この点については適量の造形材を混合して成型することにより解決することができる。
(2) また、吸湿能を向上させるには、ハニカム構造とした吸湿部材を前段と後段に2分割し、前段の吸湿材としては湿分捕集容量の大きい吸湿材を、一方後段の吸湿材としては平衡圧の低い吸湿材を用いることが有効である。
(3) さらに、酸化触媒塔に比べると、吸湿乾燥塔の方が吸湿材の充填量も多く、圧力損失も過大になるため、吸湿材は吸湿と脱湿再生を繰り返すことが要求されるが、この点については、使用するハニカム構造吸湿部材を回転式にして、湿潤ガスを流通させる流路とこれとは逆方向から乾燥ガスを通過させる流路とを併設することにより、常に吸湿と脱着再生を行うことができる。
本発明は上記の知見に立脚するものである。
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
1.トリチウムを含む水素および水素化合物ガスを酸化させ、該酸化により生じた水分を含む湿潤ガス中から水分を捕集する吸湿部材を収納した吸着装置であって、該吸湿部材がハニカム構造になり、かつ該ハニカム構造の吸湿部材が、吸湿材に対し15〜40mass%の造形材を混合して成型したものであることを特徴とする水素同位体含有ガス除去装置用の吸着装置。
2.前記吸湿材がゼオライト系吸湿材からなり、また前記造形材がセピオライト系造形材からなることを特徴とする上記1記載の吸着装置。
3.前記ハニカム構造の吸湿部材の吸湿材として、前段に水分捕集容量の大きい吸湿材を、一方後段に平衡圧の低い吸湿材を用いることを特徴とする上記1記載の吸着装置。
4.前記ハニカム構造の吸湿部材が、回転式であって、前記湿潤ガスを流通させる流路と、該流路を通過させることにより除湿された乾燥ガスの一部を逆方向から通過させることにより吸湿部材の脱湿を司る流路をそなえることを特徴とする上記1乃至3のいずれかに記載の吸着装置。
5.トリチウムを含む水素および水素化合物ガスを酸化させる酸化触媒をそなえる酸化装置と、該酸化により生じた水分を含む湿潤ガス中から水分を捕集する吸湿部材をそなえる吸着装置を有する水素同位体含有ガス除去装置において、該酸化装置としてハニカム構造の酸化触媒を収納した酸化装置を用いると共に、該吸着装置として、上記1乃至4のいずれかに記載のハニカム構造の吸湿部材を収納した吸着装置を用いることを特徴とする水素同位体含有ガス除去装置。
6.前記ハニカム構造の酸化触媒および前記ハニカム構造の吸湿部材を、それぞれモジュール化し、処理効率、装置形状および処理規模に応じて当該モジュールの装荷量を最適化することを特徴とする上記5記載の水素同位体含有ガス除去装置。
本発明の吸着装置によれば、吸湿性能の劣化を招くことなしに、流体抵抗を従来に比べて格段に低減することができる。
また、本発明の水素同位体含有ガス除去装置に従い、酸化触媒および吸湿部材としてハニカム構造のものを用いることにより、圧力損失を大幅に下げて、大風量の気体を処理できるので、ポンプへの負荷を軽減できるだけでなく、配管・容器系の耐圧性を向上させることができ、その結果、コンパクトで経済性および信頼性の高い浄化装置を提供することができる。
以下、本発明を具体的に説明する。
図1に、本発明で対象とする水素同位体含有ガス除去装置の要部を模式で示す。図中、符号1はフィルタ、2は冷却凝縮器、3は酸化装置、そして4が吸着装置であり、5は排気ポンプである。なお、図示は省略したが、酸化装置3と吸着装置4の間には、吸着装置4における負担を低減するため、湿分回収を行う予備冷却器を配置することもできる。また、通常、フィルタの出側には処理対象ガスを吸引する送風器が、該送風器の吐出側には処理対象ガスを所定温度に予熱する予熱器がそれぞれ設けられている。
同図に示したところにおいて、トリチウム取扱い機器を設置した室で漏洩したトリチウム汚染ガスは、フィルタ1を通過させて浮遊粒子を除去したのち、冷却凝縮器2によりガス中の水分を低減し、ついで酸化装置3へ流通し、ここでトリチウムを含む水素同位体および化合物ガスを酸化して水に変える。しかるのち、吸湿部材を充填した吸着装置4で水分を回収し、清浄化したのち、排気ポンプ5により大気へ放出または室内または装置系に戻す。
また、図2も、本発明で対象とする水素同位体含有ガス除去装置の要部を模式で示したものであり、図2では、図1に示した構造に加えて、メタンなどの水素化合物ガスを別に回収するためのメタン用酸化装置6とそこで酸化された水分を捕集する吸着装置7を配置して、水素ガス形トリチウムとメタン形水素をそれぞれ酸化し、併せて回収するものである。なお、図2の構成の骨子は、図1と共通するので、共通するものは同一の番号を付して示している。
なお、メタンガスの処理に際しては、300℃以上の高温にしたメタン用酸化装置6でメタンガスを酸化することが好ましい。
さて、本発明では、吸着装置に収容する吸湿部材をハニカム構造とし、かつ、かかるハニカム構造の吸湿部材として、吸湿材に対し15〜40mass%の造形材を混合して成型したものを用いることが重要である。
ここに、造形材を15〜40mass%混合することにした理由は、吸湿材単味では、必要な強度および造形性が得られないからである。
すなわち、本発明で対象とするハニカム構造の吸湿部材としては、吸湿性能だけでなく、強度および造形性が必要とされるのであるが、造形材の比率が15mass%(下限)に満たないと必要とする強度および造形性が得られず、一方40mass%(上限)を超えると吸湿性能の低下を招くからである。
ここで、吸湿材としては、モレキュラーシーブ4Aや5AのA型ゼオライト系吸湿材が有利に適合するが、その他にもモレキュラーシーブ3Aや、13Xで代表されるX型などを使用することもできる。
また、造形材としては、やはりある程度の吸湿性を有するものが好ましく、特にセピオライト(珪酸マグネシウム)系造形材が有利に適合するが、その他にも、通常の珪酸塩系の粘土などを使用することもできる。
なお、ハニカム構造とは、通常、六角形を隙間なく敷きつめた構造を指すが、本発明はこの形状だけに限るものではなく、四角形や三角形など同一の形を隙間なく敷きつめられる形状であれば、いずれをも含むものとする。
ここに、ガスの通路を形成するハニカムの各孔の大きさは、円相当径で0.5〜2mm程度とすることが好ましい。というのは、ハニカム孔の大きさが0.5mm(下限)に満たないと、十分な流体抵抗の低減が望めず、一方2mm(上限)を超えると吸湿性能の低下を招くからである。
次に、図3に、本発明のハニカム構造吸湿部材を用いた場合と従来のペブル状吸湿部材を用いた場合における圧力抵抗の違いについて調査した結果を比較して示す。
実験に用いた部材は次のとおりである。
・ハニカム構造吸湿部材
吸湿構造材:(カルシウムアルミネート)、ハニカム孔径:1mm
・ペブル状吸湿部材A
吸湿材:モレキュラーシーブ4A、粒径:約3.2mm(1/8インチ)
・ペブル状吸湿部材B
吸湿材:モレキュラーシーブ4A、粒径:約1.6mm(1/16インチ)
同図に示したとおり、本発明のハニカム構造吸湿部材を用いた場合には、従来のペブル状吸湿部材を用いた場合に比べて、圧力抵抗を格段に低減することができた。
また、図4に、吸湿材として、従来のペブル状のMS5Aおよび本発明に従う2種類のハニカム構造吸湿部材を用い、同一条件下で吸湿処理を行った場合における各吸湿部材の水蒸気吸着破過特性について調べた結果を比較して示す。
実験に用いた吸湿部材は次のとおりである。
・ペブル状吸湿部材
吸湿材:ゼオライト、モレキュラーシーブ4A、粒径:約1.68mm
・ハニカム構造吸湿部材X
吸湿材:モレキュラーシーブ4A、造形材:(セピオライトと珪酸塩,含有量:50mass%)、ハニカム孔径:1mm
・ハニカム構造吸湿部材Y
吸湿材:モレキュラーシーブ4A、造形材:(セピオライト,含有量:20mass%)、ハニカム孔径:1mm
・実験条件
ハニカム吸湿剤形状と寸法、直径:20mm、長さ:30mm、体積:9.42cm
試験ガス:空気、湿分分圧:1000Pa(約1%)、流量:200cm3/min、温度:313K
同図に示したとおり、本発明に従うハニカム構造吸湿部材X,Yを用いた場合はいずれも、破過曲線が鋭敏な立ち上がりを見せているのに対し、従来のペブル状吸湿部材では、破過曲線が緩慢な立ち上がりである。ここで、吸湿水分量は、図中に斜線で示すように、当該部材の破過曲線の上部1.0以下の部分の面積積分によって求めることができる。破過曲線の急峻な立ち上がりとは、当該吸湿材が飽和に達するまで低い平衡圧を保ったまま吸湿性能を有することを意味している。一方、破過曲線が緩慢であると吸湿量は飽和に達していないにもかかわらず湿分が流出してくる、すなわち早い段階から平衡圧が高くなることを意味する。従って、実用上は急峻な立ち上がりであって、かつ立ち上がりの時間が遅い部材の方が適する。
このような点から見てみると、本発明に従うハニカム構造吸湿部材は、従来のペブル状吸湿部材に比べ、破過に至る時間はほぼ同じであって、立ち上がりは急峻である。このことは、殊にハニカム構造吸湿部材Yは、従来のペブル状吸湿材と同じ吸湿性能を有しつつ、大風量の水分吸着により適していることを示している。
また、本発明においては、図5に示すように、ハニカム構造吸湿部材をモジュール化して、処理効率や装置形状、処理規模等を勘案して当該モジュールの装荷量を最適化することが好ましい。
図中、番号8がモジュール化したハニカムモジュール、9がこれらを複数束組み合わせて大容量のガス処理に対応可能にした大型のハニカムモジュール組立体である。
さらに、本発明では、ハニカム構造吸湿部材に回転機能を付与して、ハニカム構造吸湿部材が、湿潤ガスを流通させる流路と、これとは逆方向から乾燥ガスを通過させる流路とを併設することにより、吸湿部材による吸着と吸湿部材の脱着再生を同時に実施することができる。
すなわち、回転機能を備えるハニカム構造吸湿部材の流路の一部に、一端から湿潤ガスを流通させて吸湿を行う一方、ハニカム構造吸湿部材の残りの流路に、他端から回収用に脱湿させた乾燥ガスの一部を環流して逆方向から流通させることにより、吸湿と再生を同時並行的に行うことができるのである。
図6に、回転式のハニカム構造吸湿部材におけるハニカム吸湿再生要領を示す。図中、符号10が回転式のハニカム構造吸湿部材、11が予備冷却器(水分凝縮器)である。
さて、酸化装置を出た湿潤ガス12は、水分凝縮器11を通して湿分を低下させたのち、この例でハニカム構造吸湿部材10の上半分の流路に一端から供給すると同時に、排出された乾燥ガス13の一部を当該回転式ハニカム構造吸湿部材の下半分の流路に他端から逆方向に再生用乾燥ガス14として送風する。このように再生用乾燥ガス14を、回転しているハニカム構造吸湿部材10に通すことにより、ハニカム構造吸湿部材10に吸着していた水分は再生用乾燥ガス14に回収され、その結果、ハニカム構造吸湿部材10の吸湿部位は除湿されて再生されることになる。なお、吸湿した再生用乾燥ガス15は水分凝縮器11に送られ、ここで湿分が低下されて、再利用される。
図7は、図6に示した回転式のハニカム構造吸湿部材10を前後段の二層に分け、前段10Aに水分捕集容量の大きい吸湿材を、一方後段10Bに平衡圧の低い吸湿材を配置した場合を示したものである。
かような二層構造にすれば、前段で高露点の湿分を取り除くことができ、また後段で十分低い露点まで水分を取ることができるので、より一層吸湿効果を高めることができる。
この構造の有効性は、前段の吸湿材に流入する前の凝縮器で露点を十分下げることができないか、もしくはそうした凝縮器を設置されない場合に特に顕著である。また、吸湿保持量が少ない場合は上記回転式のハニカム材の回転速度を上げる必要が出てくる。しかし、回転速度を上げすぎると十分な再生、すなわち脱湿が困難になることも予想される。
なお、2層構造化した場合も圧力損失は、単一の場合と基本的に変わらない。すなわち、圧力損失は本処理のようにガスの流れがゆっくりな層流の場合、孔径に反比例し、長さに比例するからである。
ここに、前段に配置して好適な水分捕集容量の大きい吸湿材としては、シリカゲルおよびその他の珪酸塩や吸湿性の高分子材等が有利に適合し、一方後段に配置して好適な平衡圧の低い吸湿材としてはA型のゼオライト(モレキュラーシーブ4Aや5A)等が有利に適合する。
なお、本発明において、水分捕集容量が大きいとは、湿分分圧に比例して吸湿率が増すシリカゲル1g当り約0.5gまたはそれ以上の水分を捕集するものをいう。ちなみに、モレキュラーシーブで代表されるゼオライトは約0.3g/g、セピオライトは0.15g/g程度である。また、水分の捕集しやすさや逆に発散のしやすさは比表面積に依存し、シリカゲル吸湿材の比表面積が450〜700m2/gであるのに対して、ゼオライトは約150m2/gである。一方、平衡圧が低い吸湿材とは、ここでは吸湿後の露点が-40℃以下をいい、ゼオライトは-60℃以下である。
このように、シリカゲルは分圧が上がるほど吸湿量が増える一方、平衡圧も高くなるが、モレキュウラーシーブは分圧が一定以上になっても平衡圧は余り変わらない。従って、処理ガスの湿度が高いほど、シリカゲルが吸湿に有効に作用し、最終的な低い露点の平衡圧はモレキュラーシーブで実現できる。
本発明の水素同位体含有ガス除去装置の要部は、前掲図1または図2に示したとおりである。
すなわち、本発明の水素同位体含有ガス除去装置は、トリチウムを含む水素および水素化合物ガスを酸化させる酸化触媒をそなえる酸化装置と、該酸化により生じた水分を含む湿潤ガス中から水分を捕集する吸湿部材をそなえる吸着装置を有するものであって、酸化装置としてハニカム構造の酸化触媒を収納した酸化装置を用いると共に、吸着装置として、上述したような本発明に従う吸着装置を用いるものである。
酸化装置に収納する酸化触媒としては、白金やパラジウム等の貴金属を触媒容積1リットル当り1g程度添加したものが有利に適合する。ちなみに、調査した結果によれば、添加率を2倍3倍に上げるほど酸化効率は向上するので、触媒を小型化するには添加率を上げることは有効である。
また、このハニカム構造の酸化触媒のハニカムの各孔の大きさについては、ハニカム構造吸湿部材の場合と同じく、円相当径で0.5〜2mm程度とすることが好ましい。
なお、ハニカム酸化触媒としては、水素ガス酸化には白金貴金属を担持させた酸化触媒を、一方メタンなど水素化合物酸化にはパラジウム貴金属を担持させた触媒を用いることにより効果が達成される。また、ハニカム酸化触媒用の貴金属担持用基材として、酸化効率の向上を求める場合はセラミックス系のハニカムによってより効果が達成される。さらに、高濃度水素酸化ないしはメタンガスなど水素化合物酸化において、構造的な強度を求めるときは耐食性金属を基材とすることにより効果が達成される。
本発明に従う水素同位体含有ガス除去装置の要部を示す模式図である。 本発明に従う別の水素同位体含有ガス除去装置の要部を示す模式図である。 本発明のハニカム構造吸湿部材を用いた場合と従来のペブル状吸湿部材を用いた場合における圧力抵抗の違いを比較して示したグラフである。 本発明のハニカム構造吸湿部材を用いた場合と従来のペブル状吸湿部材を用いた場合における水蒸気吸着破過特性を比較して示したグラフである。 モジュール化したハニカム構造吸湿部材の説明図である。 回転式のハニカム構造吸湿部材におけるハニカム吸湿再生要領を示す模式図である。 回転式のハニカム構造吸湿部材を前後段の二層に分けた場合の模式図である。
符号の説明
1 フィルタ
2 冷却凝縮器
3 酸化装置
4 吸着装置
5 排気ポンプ
6 メタン用酸化装置
7 吸着装置
8 ハニカムモジュール
9 ハニカムモジュール組立体
10 回転式のハニカム構造吸湿部材
10A ハニカム構造吸湿部材の前段
10B ハニカム構造吸湿部材の後段
11 予備冷却器(水分凝縮器)
12 湿潤ガス
13 乾燥ガス
14 再生用乾燥ガス
15 吸湿した再生用乾燥ガス

Claims (6)

  1. トリチウムを含む水素および水素化合物ガスを酸化させ、該酸化により生じた水分を含む湿潤ガス中から水分を捕集する吸湿部材を収納した吸着装置であって、該吸湿部材がハニカム構造になり、かつ該ハニカム構造の吸湿部材が、吸湿材に対し15〜40 mass%の造形材を混合して成型したものであることを特徴とする水素同位体含有ガス除去装置用の吸着装置。
  2. 前記吸湿材がゼオライト系吸湿材からなり、また前記造形材がセピオライト系造形材からなることを特徴とする請求項1記載の吸着装置。
  3. 前記ハニカム構造の吸湿部材の吸湿材として、前段に水分捕集容量の大きい吸湿材を、一方後段に平衡圧の低い吸湿材を用いることを特徴とする請求項1記載の吸着装置。
  4. 前記ハニカム構造の吸湿部材が、回転式であって、前記湿潤ガスを流通させる流路と、該流路を通過させることにより除湿された乾燥ガスの一部を逆方向から通過させることにより吸湿部材の脱湿を司る流路をそなえることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の吸着装置。
  5. トリチウムを含む水素および水素化合物ガスを酸化させる酸化触媒をそなえる酸化装置と、該酸化により生じた水分を含む湿潤ガス中から水分を捕集する吸湿部材をそなえる吸着装置を有する水素同位体含有ガス除去装置において、該酸化装置としてハニカム構造の酸化触媒を収納した酸化装置を用いると共に、該吸着装置として、請求項1乃至4のいずれかに記載のハニカム構造の吸湿部材を収納した吸着装置を用いることを特徴とする水素同位体含有ガス除去装置。
  6. 前記ハニカム構造の酸化触媒および前記ハニカム構造の吸湿部材を、それぞれモジュール化し、処理効率、装置形状および処理規模に応じて当該モジュールの装荷量を最適化することを特徴とする請求項5記載の水素同位体含有ガス除去装置。
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