JP4088696B2 - ガス浄化方法及び装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はガス浄化方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
核融合炉の排出ガスから高放射線量のダストを除去する手段には、フィルタによってダストを捕捉する濾過器が用いられている。
【0003】
また、核融合炉の排出ガスからトリチウム(三重水素)を除去する手段には、トリチウムが組み込まれた水素分子と酸素と反応させて水蒸気を生成する酸化反応器と、トリチウムが組み込まれた水蒸気を吸着するモレキュラーシーブが用いられている。
【0004】
更に、上記の排出ガスに、トリチウムが組み込まれたメタンが含まれている場合には、該メタンを除去する手段として、メタンを二酸化炭素とトリチウムが組み込まれた水素分子とに分解する電解反応器と、上記の酸化反応器及びモレキュラーシーブとを用いている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ダストを除去するための濾過器は、使用済みフィルタを焼却によって減容するにしても、長期的には、多大な放射性廃棄物が発生することになる。
【0006】
更に、トリチウムを除去するための反応器と、トリチウムが組み込まれているメタンを除去するための反応器とを別個に設置するので、装置が全体的が大きくなり、設備費、管理費などが高額になる。
【0007】
本発明は上述した実情に鑑みてなしたもので、高放射線量のダスト及びトリチウムを含んだガスを効率よく浄化できるようにすることを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に記載のガス浄化方法では、陽極及び陰極が配置されている空間を、ダストとトリチウムと含んだガス雰囲気に保ち、陽極と陰極との間にプラズマ放電を発生させて、トリチウムが組み込まれた硝酸を生成し且つ放電によりイオン化したダストを集塵極へ誘導し、液体を前記の空間に散布し且つ集塵極表面に沿って液膜状に流下させて、集塵極へ誘導されるダスト及びトリチウムが組み込まれた硝酸を液体とともに収集して集塵する。
【0009】
本発明の請求項2に記載のガス浄化装置では、ダスト及びトリチウムを含んだガスが内部に供給される反応容器と、該反応容器内に配置した陽極及び陰極と、当該陽極と陰極との間にプラズマ放電を発生させる放電発生器と、前記の反応容器内に液体を散布し且つダストが誘導される集塵極の上端部分へ液体を供給し得る液体供給手段と、集塵極の下方に設けた液体貯留槽とを備えている。
【0010】
本発明の請求項1に記載のガス浄化方法及び本発明の請求項2に記載のガス浄化装置にいずれにおいても、陽極と陰極との間で生じさせたプラズマ放電によって、浄化すべきガス中のダストのイオン化が図られ、また、浄化すべきガス中に混在している空気の窒素及び酸素から窒素酸化物が生成される反応と、トリチウムなどの水素同位体及び酸素から水蒸気が生成される反応と、水蒸気及び前記の窒素酸化物から水素同位体が組み込まれた硝酸が生成される反応とが発生する。
【0011】
更に、イオン化に起因して集塵極に付着しようとする高放射線量のダストと、前記の反応で生成されたトリチウムなどの水素同位体が組み込まれた硝酸とを、集塵極が配置されている空間に散布した液体、及び集塵極の表面を液膜状に流下する液体によって捕捉収集する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
図1は本発明のガス浄化装置の実施の形態の一例であり、このガス浄化装置は、反応容器1と、陽極2及び陰極3と、液体供給手段4とを備えている。
【0014】
反応容器1は、耐蝕性に優れたステンレス鋼などの金属により、中間部分から上側が略円筒状で且つ下側寄り部分の内外径が下方へ向かって徐々に縮小する形状に形成され、その下端部が水などの液体Lを貯留可能な液体貯留槽5になっている。
【0015】
反応容器1の側壁部には、核融合炉(図示せず)から送出されるダスト及びトリチウムを含んだ浄化対象ガスG1を送給するための浄化対象ガス管路6のガス流通方向下流端と、反応容器1内において後述する浄化が完了した後の浄化済みガスG2を外部へ送出するための浄化済みガス管路7のガス流通方向上流端とが接続されている。
【0016】
上記の浄化対象ガス管路6には、ブロワ8とガス送給弁9とが設けられ、また、浄化済みガス管路7には、ガス排出弁10が設けられている。
【0017】
反応容器1の下端部には、前記の液体貯留槽5に貯留される液体Lを、廃液処理設備(図示せず)へ送給するための液体排出管路11の液体流通方向上流端が接続されている。
【0018】
この液体排出管路11には、液体排出弁12が設けられている。
【0019】
陽極2及び陰極3は、それぞれが上下方向に延び且つ互いに所定の間隔を隔てるように、前記の反応容器1内に配置されている。
【0020】
陽極2及び陰極3には、両極2,3間にパルスストリーマ放電(低温プラズマ放電)を発生させる得る放電発生器13の出力端子が、反応容器1の上端部に設けた絶縁部材14を貫通する給電線15を介して接続されている。
【0021】
液体供給手段4は、液体散布部分が反応容器1内方の空間の頂部に位置するように反応容器1の側壁部を貫通する液体供給管路16と、該液体供給管路16に設けたポンプ17及び液体供給弁18とを有しており、液体供給管路16から水などの液体Lを、反応容器1内の頂部から全体へ液滴として散布するとともに、陽極2の上部へ滴下させると、液体Lが陽極2の表面に沿って液膜状に流下するようになっている。
【0022】
以下、図1に示すガス浄化装置の作動を説明する。
【0023】
ダスト及びトリチウムを含んだ浄化対象ガスG1を浄化する際には、放電発生器13によって、陽極2と陰極3との間にパルスストリーマ放電を発生させ、液体供給手段4によって、液体Lを、反応容器1内の頂部から全体へ液滴として散布するとともに、陽極2の表面に沿って液膜状に流下させる。
【0024】
次いで、浄化対象ガス管路6から反応容器1内へ浄化対象ガスG1を送給すると、該浄化対象ガスG1中の種々の分子が活性化され、反応容器1内において、浄化対象ガスG1に混在している空気の窒素(N2)及び酸素(O2)から、窒素酸化物(NO2及びN2O5)が生成される反応と、水素、重水素、トリチウムなどの水素同位体(Q2)及び酸素、あるいは水素同位体が組み込まれているメタン(CQ4)及び酸素から、水素同位体が組み込まれた水蒸気(Q2O)が生成される反応と、水蒸気及び前記の窒素酸化物から、水素同位体が組み込まれた硝酸(QNO3)が生成される反応とが、下記のように生じる。
【0025】
【化1】
N2+O2→NO2+N2O5
【0026】
【化2】
Q2+1/2O2→Q2O
【0027】
【化3】
CQ4+2O2→CO2+2Q2O
【0028】
【化4】
1/3Q2O+NO2→2/3QNO3+1/3NO
【0029】
【化5】
Q2O+N2O5→2QNO3
【0030】
また、パルスコロナ放電により、浄化対象ガスG1中のダストが陰イオン化されて、陽極2に付着しようとする。
【0031】
陰イオン化されたダストは、陽極2に付着しようとする際に、反応容器1内全体に散布される液体L、及び陽極2の表面を液膜状に流下する液体Lに捕捉され、また、先に述べた化学反応により生成された硝酸も液体L中に溶解し、高放射線量のダストとトリチウムが組み込まれた硝酸とが、液体Lとともに反応容器1の下部の液体貯留槽5へ収集されることになる。
【0032】
このように、図1に示すガス浄化装置では、陽極2と陰極3との間におけるパルスストリーマ放電によって、ダストの陰イオン化を図り、また、トリチウムなどの水素同位体が組み込まれた硝酸を生成し、陽極2へ誘導されるダストとトリチウムが組み込まれた硝酸とを、反応容器1内に散布される液体L、及び陽極2の表面を液膜状に流下する液体Lによって捕捉収集するので、浄化対象ガスG1からの高放射線量のダストの除去、並びにトリチウムの除去を、反応容器1内で同時に実施することができ、よって、核融合炉より排出される浄化対象ガスG1の浄化効率が向上する。
【0033】
なお、本発明のガス浄化方法及び装置は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において変更を加え得ることは勿論である。
【0034】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明のガス浄化方法及び装置によれば、下記のような種々の優れた効果を奏し得る。
【0035】
(1)プラズマ放電によりイオン化されるダストと、プラズマ放電により生成されるトリチウムが組み込まれた硝酸とを、集塵極が配置されている空間に散布される液体、及び集塵極の表面を液膜状に流下する液体によって捕捉収集し、浄化すべきガスからの高放射線量のダストの除去、並びにトリチウムの除去を同一空間で同時に実施するので、ダスト及びトリチウムを含んだガスを効率よく浄化することができる。
【0036】
(2)トリチウムからの水蒸気の生成とトリチウムが組み込まれたメタンからの水蒸気の生成とが、同一空間で行われるので、設備費、管理費などの軽減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガス浄化装置の実施の形態の一例を示す概念図である。
【符号の説明】
1 反応容器
2 陽極(集塵極)
3 陰極
4 液体供給手段
5 液体貯留槽
13 放電発生器
G1 浄化対象ガス
L 液体
Claims (2)
- 陽極及び陰極が配置されている空間を、ダストとトリチウムと含んだガス雰囲気に保ち、陽極と陰極との間にプラズマ放電を発生させて、トリチウムが組み込まれた硝酸を生成し且つ放電によりイオン化したダストを集塵極へ誘導し、液体を前記の空間に散布し且つ集塵極表面に沿って液膜状に流下させて、集塵極へ誘導されるダスト及びトリチウムが組み込まれた硝酸を液体とともに収集して集塵することを特徴とするガス浄化方法。
- ダスト及びトリチウムを含んだガスが内部に供給される反応容器と、該反応容器内に配置した陽極及び陰極と、当該陽極と陰極との間にプラズマ放電を発生させる放電発生器と、前記の反応容器内に液体を散布し且つダストが誘導される集塵極の上端部分へ液体を供給し得る液体供給手段と、集塵極の下方に設けた液体貯留槽とを備えてなることを特徴とするガス浄化装置。
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- 1998-08-26 JP JP24025698A patent/JP4088696B2/ja not_active Expired - Fee Related
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