JP5218840B2 - 車両用操舵装置 - Google Patents
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Description
なお、上記において、括弧内の数字等は、後述する実施の形態における対応構成要素の参照符号を表すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
図1は、本発明の一実施の形態にかかる伝達比可変機構を備える車両用操舵装置1の概略構成を示す模式図である。図1を参照して、車両用操舵装置1は、ステアリングホイール等の操舵部材2に付与された操舵トルクを、操舵軸としてのステアリングシャフト3等を介して左右の転舵輪4L,4Rのそれぞれに与えて転舵を行うものである。この車両用操舵装置1は、操舵部材2の操舵角θ1に対する転舵輪の転舵角θ2の比としての伝達比θ2/θ1を変更することのできるVGR(Variable Gear Ratio)機能を有している。
なお、以下では、ステアリングシャフト3の軸方向Sを単に軸方向Sといい、ステアリングシャフト3の径方向Rを単に径方向Rといい、ステアリングシャフト3の周方向Cを単に周方向Cという。
入力軸としての第3のシャフト13と出力軸としての第4のシャフト14とは、差動機構としての伝達比可変機構5を介して差動回転可能に連結されている。第4のシャフト14は、第5のシャフト15の一端とは、トーションバー21を介して所定の範囲内で弾性的に相対回転可能且つ動力伝達可能に連結されている。
転舵機構10は、自在継手9に連なるピニオン軸30と、ピニオン軸30の先端のピニオン30aに噛み合うラック16aを有し車両の左右方向に延びる転舵軸としてのラック軸16とを有している。ラック軸16の一対の端部のそれぞれにタイロッド17L,17Rを介してナックルアーム18L,18Rが連結されている。
軌道輪ユニット39は、第1の軸線A1に対して傾斜する中心軸線としての第2の軸線Bを有しており、第1の軌道輪としての内輪391と、第2の軌道輪としての外輪392と、内輪391および外輪392間に介在する玉等の転動体393とを含んでいる。
この車両用操舵装置1は、転舵機構10に操舵補助力を付与するための操舵補助力付与機構19を備えている。操舵補助力付与機構19は、伝達比可変機構5の出力部材22に連なる入力軸としての上記第4のシャフト14と、転舵機構10に連なる出力軸としての上記第5のシャフト15と、第4のシャフト14と第5のシャフト15との間に伝達されるトルクを検出するトルクセンサ44と、操舵補助用のアクチュエータとしての操舵補助用モータ25とを含んでいる。
上記伝達比可変機構用モータ23および操舵補助用モータ25の駆動は、それぞれ、CPU、RAMおよびROMを含む制御部29によって制御される。制御部29は、駆動回路40を介して伝達比可変機構用モータ23に接続されているとともに、駆動回路41を介して操舵補助用モータ25に接続されている。
制御部29に、操舵角センサ42からは、操舵部材2の直進位置からの操作量である操舵角θ1に対応する値として、例えば第1のシャフト11の回転角についての信号が入力される。
トルクセンサ44からは、第4および第5のシャフト14,15間に作用するトルクTについての信号が入力される。
車速センサ46からは、車速Vについての信号が入力される。
ヨーレートセンサ47からは、車両のヨーレートγについての信号が入力される。
上記の構成により、操舵部材2に入力された操舵トルクは、第1〜第3のシャフト11〜13を介して伝達比可変機構5の入力部材20に入力され、入力部材20から内輪391に入力される。内輪391には、操舵部材2からのトルクに加え、外輪392および転動体393を介して内輪391に伝わった伝達比可変機構用モータ25からのトルクが伝達され、これらのトルクが、出力部材22に伝達される。出力部材22に伝達されたトルクは、トーションバー21および第5のシャフト15に伝わり、操舵補助用モータ25の出力と合わさって、自在継手7、中間軸8、および自在継手9を介して、転舵機構10に伝達される。
中間ジャケット52の一端52aの内周面は、アッパジャケット51の他端51b側の外周面と軸方向Sに相対摺動可能に嵌合されている。中間ジャケット52によって、第1のシャフト11の他端および第2のシャフト12の中間部が取り囲まれている。
ロアジャケット53のうち、ハウジング24との対向端部としての他端53bには、環状のフランジ53cが形成されている。フランジ53cとハウジング24とは、固定部材としてのねじ部材56を用いて互いに固定されている。
前述のように、第1のシャフト11は、第2のシャフト12の内側に嵌合されている。これにより、二次衝突の際には、第1のシャフト11は、第2のシャフト12のうち、リング部材57が嵌合されている部分よりもさらにロア側の、第3のシャフト13の一端13aに当接する位置まで移動することができる。例えば、第1のシャフトを第2のシャフトの外周に嵌合した構成と比べて、本実施の形態では、第1のシャフト11が盗難防止用のリング部材57に接触することが無い分、二次衝突のときの衝撃吸収ストロークを十分に長くできる。
駆動機構58は、電動モータ59と、電動モータ59の出力回転を直線運動に変換するための変換部60とを含んでいる。電動モータ59は、例えば3相ブラシレスモータからなり、制御部29によって駆動制御される。電動モータ59のハウジング59aは、ロアジャケット53に固定されている。
また、電動モータ59の出力軸59bが変換部60の雄ねじ部材61と同軸に配置されている。これにより、電動モータ59がロアジャケット53から張り出す量を少なくでき、車両用操舵装置1の小型化を達成できる。また、電動モータ59と変換部60との間に減速機構を設けないので、部品点数の低減を通じて製造コストを低減することができる。
第1の端壁64は、環状の板部材である。第1の端壁64の内側面の外径部には、環状の鍔部66が形成されている。この鍔部66の外周に、筒状部63の一端の内周が嵌合されている。また、第1の端壁64からは、筒状の延設部67が突出しており、筒状部63内に向けて延びている。また、第1の端壁64の内径部64aは、第2の軸受32を介して第3のシャフト13を回転可能に支持している。
伝達比可変機構5は、延設部67内に収容されている。伝達比可変機構5の入力部材20と内輪391との互いの対向面の一方には、周方向Cの全域に亘って複数の凹部が形成されており、他方には周方向Cの全域に亘って複数の凸部が形成されている。これらの凹部および凸部の一部同士が互いに凹凸係合するようになっている。これにより、入力部材20と内輪391とは動力伝達可能とされている。上記凸部の数と凹部の数とは異なっている。
操舵補助用モータ25のロータ251は、伝達比可変機構5の少なくとも一部(本実施の形態において、全部)を収容するように構成されている。
操舵補助用モータ25のロータ251の中心は、中心軸線A3である。すなわち、操舵補助用モータ25のロータ中心は、中心軸線A3であり、伝達比可変機構用モータ23のロータ中心としての中心軸線A2とともに、ステアリングシャフト3と同軸に配置されている。
周壁81は、伝達比可変機構5および伝達比可変機構用モータ23を取り囲んでいる。永久磁石79は、周方向Cに交互に異なる磁極を有しており、周方向Cに関して、N極とS極とが交互に等間隔に配置されている。
ステータコア82は、軸方向Sに関する位置が永久磁石79と重なるように配置されている。ステータコア82は、ハウジング24の筒状部63の内周に固定される環状のヨーク84と、周方向Cに等間隔に配置されヨーク84から径方向内方に突出する複数のティース85とを含んでいる。各ティース85に電磁コイル83が巻回されている。各電磁コイル83は、後述する第2のバスバー89に接続されている。
バスバーユニット86は、伝達比可変機構用モータ23の各電磁コイル72に電力を供給するための第1のバスバー87と、第1のバスバー87を保持する絶縁性の第1の保持部材88と、操舵補助用モータ25の各電磁コイル83に電力を供給するための第2のバスバー89と、第2のバスバー89を保持する絶縁性の第2の保持部材90と、を含んでいる。
伝達比可変機構用モータ23の各電磁コイル72は、延設部67に形成された挿通孔91を通って延設部67の外側へ延び、対応するバスバー87U,87V,88Wにそれぞれ電気的に接続されている。これにより、伝達比可変機構用モータ23の各電磁コイル72の対応する一端同士が結線されている。
操舵補助用モータ25の各電磁コイル83は、対応するバスバー89U,89V,89Wにそれぞれ電気的に接続されている。これにより、操舵補助用モータ25の各電磁コイル83の対応する一端同士が結線されている。
第1の保持部材88は、例えば合成樹脂等の絶縁性の材料を用いて環状に形成されており、第1のバスバー87の各バスバー87U,87V,87Wの一部をモールドしている。
第1および第2の保持部材88,90は、図示しないブラケット等を用いて、ハウジング24の例えば筒状部63に固定される。なお、第1および第2の保持部材88,90は、別部材で形成された後に、接着剤等の固定手段を用いて一体に形成されてもよい。
具体的には、収容室92は、筒状部63、第1の端壁64、延設部67、第2の端壁65、第3の軸受33、第6の軸受36、第5のシャフト15およびシール部材93によって区画された環状の空間である。
これにより、第5のシャフト15に回転抵抗が付与されるので、路面から転舵輪4L,4R(図1参照)や第5のシャフト15等を介して操舵部材2に伝わる反力を抑制できる。その結果、運転者が得る操舵フィーリングを悪化させないようにすることができる。
さらに、バスバーユニット86の第1および第2の保持部材88,90が、単一の材料を用いて一体に形成されている。これにより、第1および第2の保持部材88,90を一部品で構成できる。したがって、第1および第2のバスバー87,89を保持するための部品点数およびスペースをより少なくでき、車両用操舵装置1の製造コスト低減および更なる小型化を達成することができる。
さらに、操舵補助用モータ25の出力を、減速機構を介することなく第5のシャフト15に伝達するようにしている。これにより、上記減速機構を設けた場合と比べて部品点数をより少なくでき、さらなる軽量化を達成できる。
なお、以下では、上記実施の形態と異なる点について主に説明し、同様の構成には図に同様の符号を付してその説明を省略する。
例えば、図5に示すように、収容室92内に制御部29Aを設けてもよい。制御部29Aは、CPU,RAMおよびROMが実装された環状の制御基板101と、MOSFET等の駆動素子等が実装されたパワー基板102とを含んでいる。
本実施の形態によれば、制御部29Aをハウジング24内に収容することができるので、制御部29Aのための専用のハウジングを別途設ける必要がなく、車両用操舵装置1をより小型化することができる。その結果、車両の車室内での車両用操舵装置1のレイアウトの自由度が大幅に増し、車室内での搭載性を格段に向上できる。また、パワー基板102と各モータ23,25の電磁コイル72,83とを近接して配置できる。これにより、パワー基板102の駆動素子と各電磁コイル72,83との間の電気抵抗の低減を通じてモータ効率をより高くできる。
さらに、伝達比可変機構として、各上記実施の形態のものに限らず、遊星歯車機構や波動歯車機構等、他の伝達比可変機構を用いてもよい。
Claims (3)
- 操舵部材に連なる入力軸および転舵機構に連なる出力軸を含む操舵軸と、
上記入力軸と出力軸との間に介在し、操舵部材の操舵角に対する転舵輪の転舵角の比である伝達比を変更可能な伝達比可変機構と、
伝達比可変機構を駆動するための伝達比可変機構用モータと、
転舵機構に操舵補助力を付与するための操舵補助用モータと、を備え、
操舵部材から転舵機構への動力伝達経路において、伝達比可変機構用モータおよび操舵補助用モータがこの順に配置され、且つ伝達比可変機構用モータおよび操舵補助用モータの双方のロータ中心が操舵軸と同軸に配置されていて、
上記操舵補助用モータのロータが、上記操舵軸と同行回転し、
上記伝達比可変機構用モータのステータと上記操舵補助用モータのステータとが、同じハウジングに固定されていることを特徴とする車両用操舵装置。 - 請求項1において、上記伝達比可変機構用モータの複数のコイル同士を結線する第1のバスバーを保持する絶縁性の第1の保持部材と、操舵補助用モータの複数のコイル同士を結線する第2のバスバーを保持する絶縁性の第2の保持部材とが、一体に形成されて上記ハウジングに固定されていることを特徴とする車両用操舵装置。
- 請求項1または2において、上記伝達比可変機構の少なくとも一部が、操舵補助用モータのロータ内に配置されていることを特徴とする車両用操舵装置。
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