JP5218679B2 - 被測定物の特性を測定する方法および測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、被測定物の特性を測定するために、空隙配置構造体に被測定物を保持して、その被測定物が保持された空隙配置構造体に電磁波を照射し、該空隙配置構造体を透過した電磁波を検出して被測定物の特性を測定する方法、および、それに用いる測定装置に関する。
従来から、物質の特性を分析するために、空隙配置構造体に被測定物を保持して、その被測定物が保持された空隙配置構造体に電磁波を照射し、その透過スペクトルを解析して被測定物の特性を測定する測定方法が用いられている。具体的には、例えば、被測定物であるタンパク質などが付着した金属メッシュに、テラヘルツ波を照射して透過スペクトルを解析する手法が挙げられる。
特開2007−010366号公報(特許文献1)および特開2007−163181号公報(特許文献2)には、空隙領域を有する空隙配置構造体(例えば、金属メッシュ)と、空隙配置構造体上の被測定物と、被測定物に向かって電磁波を照射する電磁波照射部と、空隙配置構造体を透過した電磁波を測定する検出部とで構成され、被測定物の存在により周波数特性が変化することに基づいて被測定物の特性を測定する方法が開示されている。
特開2008−185552号公報(特許文献3)には、電磁波照射部から空隙配置構造体に向かって照射される電磁波が、空隙領域を含む平面に対して傾斜して入射され、測定値の周波数特性に生じたディップ波形の周波数シフトに注目して被測定物の特性を測定する方法が開示されている。
特許文献1〜3に開示された被測定物の特性を測定する具体的な方法においては、被測定物が存在する場合の周波数特性とは別に、基準として被測定物が存在しない場合(空隙配置構造体のみを配した場合)の周波数特性が測定されている(例えば、特許文献3の図9)。また、空隙配置構造体も配置しない場合(バックグラウンド)の周波数特性が測定されている場合もある。すなわち、これらの方法は、被測定物の特性を基準からの変化量として測定する方法であることを意味している。
特開2007−010366号公報 特開2007−163181号公報 特開2008−185552号公報
かかる従来の測定方法においては、被測定物の量が微量になると、周波数特性の変化も僅かとなるため、基準となる空隙配置構造体自体の周波数特性のばらつき(例えば金属メッシュの寸法ばらつき)が大きな誤差要因となる。
また、一般に、ある試料Aの周波数特性を得るには、予め基準となる空隙配置構造体自体の周波数特性を測定しておく作業が必要であり、測定回数が増え、それを用いて被測定物の測定値を較正する作業にも時間を要する。さらに、全体として測定作業が長くなると、測定環境の経時変化の影響が大きくなるため、得られた結果における誤差が大きくなる恐れがある。
したがって、本発明は、被測定物の量が微量である場合にも、良好な測定感度と高い再現性を有する被測定物の特性を測定する方法、および、それに用いる測定装置を提供することを目的とする。
(1) 主面に垂直な方向に貫通した少なくとも2つの空隙部を有する空隙配置構造体に、被測定物を保持し、
前記被測定物が保持された空隙配置構造体に電磁波を照射して、前記空隙配置構造体を透過した電磁波の周波数特性を検出することにより、被測定物の特性を測定する測定方法であって、
前記空隙配置構造体は、前記空隙部が前記空隙配置構造体の主面上の少なくとも一方向に周期的に配列された格子状構造を有し、
前記周波数特性として、第1の周波数特性および第2の周波数特性が検出され、
前記第1の周波数特性においてはディップ波形が出現し、
前記第2の周波数特性においてはディップ波形が出現しないか、あるいは、第1の周波数特性におけるディップ波形の深さよりも小さい深さを有するディップ波形が出現し、
前記第1の周波数特性と前記第2の周波数特性との関係に基づいて、被測定物の特性を測定することを特徴とする測定方法。
(2) 上記第1の周波数特性および上記第2の周波数特性から、下記式(1)により求められる差スペクトルSを用いて被測定物の特性を測定する、上記(1)に記載の測定方法。(式(1)中、Tyは第1の周波数特性における電磁波の透過率、Txは第2の周波数特性における電磁波の透過率、a〜dは各々独立の定数である。)
Figure 0005218679
(3) 上記差スペクトルSの特定のピーク値を、予め様々な量の被測定物を測定して得られた差スペクトルSの特定のピーク値を基に作成した検量線と比較することにより、被測定物の量を算出する、上記(2)に記載の測定方法。
(4) 上記第1の周波数特性に出現するディップ波形は、上記空隙配置構造体のTE11モード様共振により生じたものである、上記(1)に記載の測定方法。
(5) 上記電磁波が直線偏光の電磁波であり、
上記空隙配置構造体の主面が上記電磁波の偏光方向と平行とならない位置にある場合において、上記空隙配置構造体を透過した上記電磁波の周波数特性を上記第1の周波数特性として検出し、
上記空隙配置構造体の主面が上記電磁波の偏光方向と平行となる位置にある場合において、上記空隙配置構造体を透過した上記電磁波の周波数特性を上記第2の周波数特性として検出する、上記(1)に記載の測定方法。
(6) 上記空隙配置構造体に直線偏光の電磁波である第1の電磁波および第2の電磁波を互いに偏光方向が異なるように照射し、
上記空隙配置構造体を透過した第1の電磁波の周波数特性を上記第1の周波数特性として検出し、上記空隙配置構造体を透過した第2の電磁波の周波数特性を上記第2の周波数特性として検出する、上記(1)に記載の測定方法。
(7) 上記第1の電磁波および上記第2の電磁波は、
上記第1の電磁波の進行方向と上記第2の電磁波の進行方向が同じであり、
第1の電磁波の偏光方向が、上記進行方向に垂直な1つの方向であり、
第2の電磁波の偏光方向が、上記進行方向および上記第1の電磁波の偏光方向の両者に対して垂直な方向となるように、
空隙配置構造体に照射される、上記(6)に記載の測定方法。
(8) 上記空隙配置構造体は、上記空隙部が縦横に正方格子状に周期的に配列されたものであり、
上記空隙配置構造体は、上記進行方向に垂直な平面に投影したときに、上記空隙部の縦横の配列方向の一方が上記第1の電磁波の偏光方向と一致し、他方が上記第2の電磁波の偏光方向と一致するように配置される、上記(7)に記載の測定方法。
(9) 上記空隙配置構造体は、その主面が上記進行方向に対して垂直となる位置から、上記空隙配置構造体の重心を通り上記第2の電磁波の偏光方向と平行な軸を回転軸として一定角度回転させて配置される、上記(7)に記載の測定方法。
(10) 上記空隙配置構造体に、上記空隙配置構造体の主面に対して所定の第1の方向から電磁波を照射したときの、上記空隙配置構造体の周波数特性を上記第1の周波数特性として検出し、
上記空隙配置構造体に、上記空隙配置構造体の主面に対して上記第1の方向と異なる第2の方向から電磁波を照射したときの、上記空隙配置構造体の周波数特性を上記第2の周波数特性として検出する、上記(1)に記載の測定方法。
(11) 上記第2の方向は、上記空隙配置構造体の主面に対して垂直な方向である、上記(10)に記載の測定方法。
(12) 上記第1の方向から照射される電磁波および上記第2の方向から照射される電磁波は、直線偏光の電磁波である、上記(10)に記載の測定方法。
(13) 上記空隙配置構造体は、上記空隙部が縦横の配列方向に正方格子状に周期的に配列されたものであり、
上記第1の周波数特性が検出される際に、上記空隙配置構造体が、その主面が電磁波の進行方向と垂直となる配置から、上記電磁波の偏光方向と平行でない所定の回転軸を中心に所定の角度で回転された状態で、且つ、上記空隙配置構造体を上記電磁波の進行方向に垂直な平面に投影したときに、上記空隙部の縦横の配列方向の一方が上記電磁波の偏光方向と一致する状態で配置される、上記(12)に記載の測定方法。
(14) 上記(7)に記載の測定方法に用いられる測定装置。
(15) 上記空隙配置構造体に互いに偏光方向が異なる前記第1の電磁波および前記第2の電磁波を照射するための電磁波照射部を有する、上記(14)に記載の測定装置。
(16) 上記電磁波照射部は、上記第1の電磁波および上記第2の電磁波を照射するために、直線偏光の電磁波の偏光状態を2つの異なった偏光状態に変調することのできる偏光変調部を備える、上記(14)に記載の測定装置。
(17) 上記(11)に記載の測定方法に用いられる測定装置。
(18) 上記空隙配置構造体の位置を制御することのできる位置制御機構を備える、上記(17)に記載の測定装置。
(19) 上記位置制御機構は回転機能を有する、上記(18)に記載の測定装置。
(20) 上記被測定物が保持された空隙配置構造体に電磁波を照射するための電磁波照射部、および、
該電磁波照射部から照射された電磁波を、上記第1の周波数特性を得るための第1の電磁波と、上記第2の周波数特性を得るための第2の電磁波とに分波することのできる分波器を備える、上記(17)に記載の測定装置。
(21) 複数の光源、および/または、複数の検出器を備える、上記(17)に記載の測定装置。
本発明の測定方法によれば、空隙配置構造体自体の周波数特性のばらつき(例えば、空隙配置構造体間の寸法ばらつき)などの被測定物が存在しない場合における周波数特性のばらつきの影響を排除もしくは低減できる。このため、被測定物の量が微量である場合にも、被測定物の特性を良好な測定感度と高い再現性をもって測定することができる。
また、基準として、被測定物が存在しない場合の空隙配置構造体の周波数特性を測定する必要がないため、測定回数を少なくでき、測定値の較正作業も簡略化される。したがって、測定作業が単純になり、且つ、測定に要する時間が短縮されるので測定環境の経時変化などによる誤差の影響も低減される。
本発明の測定方法の一例の概要を説明するための模式図である。 (a)は、本発明で用いられる空隙配置構造体の一例を示す斜視図である。(b)は、空隙配置構造体の格子構造を説明するための模式図である。 実施形態1の測定方法および測定装置の一例を示す模式図である。 実施形態2の測定方法および測定装置の一例を示す模式図である。(a)は第1の電磁波を照射する場合、(b)は第2の電磁波を照射する場合を示す。 実施形態2の測定方法および測定装置の別の例を示す模式図である。(a)は第1の電磁波を照射する場合、(b)は第2の電磁波を照射する場合を示す。 実施形態3の測定方法および測定装置の一例を示す模式図である。 実施形態3における空隙配置構造体と電磁波の方向との位置関係を示す模式図である。 実施形態3における空隙配置構造体と電磁波の方向との位置関係を示す別の模式図である。 実施形態4の測定方法および測定装置の一例を示す模式図である。 実施形態4における空隙配置構造体と電磁波の方向との位置関係を示す模式図である。 実施形態5の測定方法および測定装置の一例を示す模式図である。 実施例のシミュレーション計算のモデルを説明するための模式図である。 比較例1でモデルとした従来の測定方法および測定装置の一例を説明するための模式図である。 実施例1における透過率スペクトルTyおよび透過率スペクトルTxを示す図である。 実施例1における差スペクトルSを示す図である。 比較例1における透過率スペクトルTRefおよび透過率スペクトルTSamを示す図である。 比較例1における差スペクトルSOLDを示す図である。 実施例1の差スペクトルS(図15)と比較例1の差スペクトルSOLD(図17)とを併せて示す図である。 実施例2における各条件での透過率スペクトルを示す図である。 図19に示す透過率スペクトルにおいて、誘電体フィルムの厚みが5μm(Ty05とTx05)、10μm(Ty10とTx10)、20μm(Ty20とTx20)の場合の各々の差スペクトルSを示す図である。 図20の誘電体フィルムの厚みを横軸に、図20のピークにおける差スペクトルの値およびピーク周波数の2種類を縦軸にプロットしたグラフである。 実施例3で用いた金属メッシュの孔の形状を示す図である。 実施例3における各条件での透過率スペクトルを示す図である。 図23に示す透過率スペクトルにおいて、誘電体フィルムの厚みが0nm(Ty0とTx0)、100nm(Ty100とTx100)、200nm(Ty200とTx200)、300nm(Ty300とTx300)の場合の各々の差スペクトルSを示す図である。 図24の誘電体フィルムの厚みを横軸に、図24のピークにおける差スペクトルの値およびピーク周波数の2種類を縦軸にプロットしたグラフである。 実施例4における各透過率スペクトルを示す図である。 図26に示す透過率スペクトルにおいて、金属メッシュ−1を用いた場合(Ty1とTx1)、金属メッシュ−2を用いた場合(Ty2とTx2)の各々の差スペクトルSを示す図である。 比較例2における各透過率スペクトルを示す図である。 図28に示す透過率スペクトルにおいて、TRefとTsam1、TRefとTsam2の差スペクトルSOLDを示す図である。 実施例5における透過率スペクトルTtおよび透過率スペクトルTvを示す図である。 実施例5における差スペクトルSを示す図である。 実施例5の差スペクトルS(図31)と比較例1の差スペクトルSOLD(図17)とを併せて示す図である。 実施例6における各条件での透過率スペクトルを示す図である。 図33に示す透過率スペクトルにおいて、誘電体フィルムの厚みが5μm(Tt05とTv05)、10μm(Tt10とTv10)、20μm(Tt20とTv20)の場合の各々の差スペクトルSを示す図である。 図34の誘電体フィルムの厚みを横軸に、図34のピークにおける差スペクトルの値およびピーク周波数の2種類を縦軸にプロットしたグラフである。 実施例7における各条件での透過率スペクトルを示す図である。 図36に示す透過率スペクトルにおいて、誘電体フィルムの厚みが0nm(Tt0とTv0)、100nm(Tt100とTv100)、200nm(Tt200とTv200)、300nm(Tt300とTv300)の場合の各々の差スペクトルSを示す図である。 図37の誘電体フィルムの厚みを横軸に、図37のピークにおける差スペクトルの値およびピーク周波数の2種類を縦軸にプロットしたグラフである。 実施例8における各透過率スペクトルを示す図である。 図39に示す透過率スペクトルにおいて、金属メッシュ−1を用いた場合(Tt1とTv1)、金属メッシュ−2を用いた場合(Tt2とTv2)の各々の差スペクトルSを示す図である。 本発明において定義されるディップ波形の深さの説明図である。
本発明は、主面に垂直な方向に貫通した少なくとも2つの空隙部を有する空隙配置構造体に、被測定物を保持し、上記被測定物が保持された空隙配置構造体に電磁波を照射して、上記空隙配置構造体を透過した電磁波の周波数特性を検出することにより、被測定物の特性を測定する測定方法に関する。
本発明の測定方法で用いられる電磁波は、特に限定されないが、好ましくは20GHz〜120THzの周波数を有するテラヘルツ波である。具体的な電磁波としては、例えば、短光パルスレーザを光源として、ZnTe等の電気光学結晶の光整流効果により発生するテラヘルツ波が挙げられる。また、例えば、短光パルスレーザを光源として、光伝導アンテナに自由電子を励起し、光伝導アンテナに印加した電圧によって瞬時に電流が発生することによって生じるテラヘルツ波が挙げられる。また、例えば、高圧水銀ランプや高温セラミックから発せられるテラヘルツ波が挙げられる。
本発明の測定方法の一例の概要を図1を用いて説明する。図1は、本発明の測定方法に用いられる測定装置2の全体構造と、測定装置2における空隙配置構造体1の配置を模式的に示す図である。図1に示すように、この測定装置2は、電磁波を発生して照射する電磁波照射部21と、空隙配置構造体1を透過した電磁波を検出する検出部22とを備えている。また、電磁波照射部21の動作を制御する照射制御部23、検出部22の検出結果を解析する解析処理部24、および、解析処理部24の解析結果を表示する表示部25を備えている。なお、照射制御部23は、検出のタイミングを同期させる目的で、解析処理部24に接続されていても良い。
上記のような測定装置2において、電磁波照射部21は、照射制御部23の制御の下、電磁波を発生し、放射する。電磁波照射部21から放射された電磁波は、空隙配置構造体1に照射され、空隙配置構造体1で散乱した電磁波が検出部22で検出される。検出部22において検波された電磁波は、電気信号として解析処理部24に転送され、例えば透過率の周波数特性(透過率スペクトル)として目視できる形式で表示部25に表示される。
本発明で用いられる空隙配置構造体は、主面に垂直な方向に貫通した少なくとも2つの空隙部が上記主面上の少なくとも一方向に周期的に配置された構造体である。ただし、空隙配置構造体の全体にわたって空隙部が周期的に配置されている必要はなく、少なくとも一部において空隙部が周期的に配置されていればよい。好ましくは準周期構造体や周期構造体である。準周期構造体とは、並進対称性は持たないが配列には秩序性が保たれている構造体のことである。準周期構造体としては、例えば、1次元準周期構造体としてフィボナッチ構造、2次元準周期構造体としてペンローズ構造が挙げられる。周期構造体とは、並進対称性に代表される様な空間対称性を持つ構造体のことであり、その対称の次元に応じて1次元周期構造体、2次元周期構造体、3次元周期構造体に分類される。1次元周期構造体は、例えば、ワイヤーグリッド構造、1次元回折格子などが挙げられる。2次元周期構造体は、例えば、メッシュフィルタ、2次元回折格子などが挙げられる。これらの周期構造体のうちでも、2次元周期構造体が好適に用いられ、より好ましくは空隙部が縦方向および横方向に規則的に配列(方形配列)された2次元周期構造体が用いられる。
空隙部が方形配列された2次元周期構造体としては、例えば、図2(a),(b)に示すようなマトリックス状に一定の間隔で空隙部が配置された板状構造体(格子状構造体)が挙げられる。図2(a)に示す空隙配置構造体1は、その主面10a側からみて正方形の空隙部11が、該正方形の各辺と平行な2つの配列方向(図2(b)中の縦方向と横方向)に等しい間隔で設けられた板状構造体である。空隙部は正方形に限定されず、例えば長方形や円や楕円などでもよい。また方形配列であれば、2つの配列方向の間隔は等しくなくてもよく、例えば長方形配列でもよい。
空隙配置構造体の空隙部の形状や寸法は、測定方法や、空隙配置構造体の材質特性、使用する電磁波の周波数等に応じて適宜設計されるものであり、その範囲を一般化するのは難しいが、前方散乱した電磁波を検出する場合、図2(a)に示す空隙配置構造体1では、図2(b)にsで示される空隙部の格子間隔が、測定に用いる電磁波の波長の10分の1以上、10倍以下であることが好ましい。空隙部の格子間隔sがこの範囲以外になると、散乱が生じにくくなる場合がある。また、空隙部の孔サイズとしては、図2(b)にdで示される空隙部の孔サイズが、測定に用いる電磁波の波長の10分の1以上、10倍以下であることが好ましい。空隙部の孔サイズがこの範囲以外になると、前方散乱する電磁波の強度が弱くなって信号を検出することが難しくなる場合がある。
また、空隙配置構造体の厚みは、測定方法や、空隙配置構造体の材質特性、使用する電磁波の周波数等に応じて適宜設計されるものであり、その範囲を一般化するのは難しいが、前方散乱した電磁波を検出する場合、測定に用いる電磁波の波長の数倍以下であることが好ましい。構造体の厚みがこの範囲よりも大きくなると、前方散乱する電磁波の強度が弱くなって信号を検出することが難しくなる場合がある。
本発明の測定方法は、上述のような測定方法において、周波数特性として、複数の周波数特性(第1の周波数特性および第2の周波数特性)を検出することを特徴とする。ここで、第1の周波数特性は、その周波数特性においてディップ波形が出現するものであり、これに対して、第2の周波数特性は、その周波数特性においてディップ波形が出現しないか、あるいは、第1の周波数特性におけるディップ波形の深さよりも小さい深さを有するディップ波形が出現するものである。第2の周波数特性は、ディップ波形が実質的に出現しないものであることが好ましく、ディップ波形が出現する場合であっても、その深さが第1の周波数特性におけるディップ波形の深さより1ポイント以上小さい深さのディップ波形が出現するものであることが好ましい。
ここで、ディップ波形とは、照射した電磁波に対する検出した電磁波の比率(例えば、電磁波の透過率)が相対的に大きくなる周波数範囲において、散乱を伴う構造体の周波数特性(例えば、透過率スペクトル)に部分的に見られる谷型(下に凸)の部分の波形である。
また、図41を用いてディップ波形の深さ(D)を定義する。まず、ディップよりも低周波側のピークにおける周波数fpeak1での透過率(極大値)をTpeak1、ディップより高周波側のピークにおける周波数fpeak2での透過率(極大値)をTpeak2、ディップにおける周波数fxでの透過率(極小値)をTdipとする。また、Tpeak1とTpeak2を結ぶ直線とfxの交点をT’とする。そして、T’とTdipの差[T’−Tdip]がディップ波形の深さ(D)と定義される。
ディップ波形は、空隙配置構造体における入射する電磁波に対する空間対称性を破ることによって、生じさせることが出来る。例えば、入射する電磁波の進行方向に対して、空隙配置構造体の主面を垂直な配置からずらす(傾ける)ことで、ディップ波形を生じさせることができる。また、空隙配置構造体の空隙部の形状を、空隙配置構造体に照射される電磁波の偏光方向と直交する仮想面に対して鏡映対称とならないような形状とすることによっても、ディップ波形を生じさせることができる。さらに、空隙配置構造体の空隙部の配列形状が、空間対称性を持たないように、空隙配置構造体を配置することによっても、ディップ波形を生じさせることができる。
第1の周波数特性にディップ波形を出現させるための条件としては、空隙配置構造体のTE11モード様共振(各空隙部を導波管とみなしたとき)により生じたものであることが好ましい。あるいは、空隙配置構造体のTE10モード様共振(各空隙部を導波管とみなしたとき)の減少により生じたものであることが好ましい。第1の周波数特性に出現するディップ波形がシャープとなり、被測定物の測定感度が向上するからである。
空隙配置構造体のTE11モード様共振(またはTE10モード様共振の減少)によりディップ波形を生じさせるための条件の一例としては、空隙配置構造体をその主面が第1の電磁波の偏光方向に対して平行とならないように配置することが挙げられる。この条件は、言い換えれば、空隙配置構造体を、その主面が第1の電磁波の進行方向に対して垂直となる位置から、第1の電磁波の偏光方向と平行でない所定の回転軸を中心として一定角度回転させた状態で配置することである。
より具体的な配置としては、後述するように、第1の電磁波の進行方向と第2の電磁波の進行方向が同じ方向(Z軸方向)であり、第1の電磁波の偏光方向が、Z軸方向に垂直な1つの方向(Y軸方向)であり、第2の電磁波の偏光方向がZ軸方向およびY軸方向に垂直な方向(X軸方向)である場合に、空隙配置構造体は、その主面がZ軸方向に対して垂直(X軸方向およびY軸方向に対して平行)となる配置から、空隙配置構造体の重心を通る上記X軸方向と平行な軸(X軸)を回転軸として一定角度回転させて配置することが好ましい。
また、このように空隙配置構造体を第1の電磁波の進行方向および偏光方向に対して傾ける以外にも、空隙配置構造体の空隙部の形状を、第1の電磁波の偏光面と直交する仮想面に対して鏡映対称とならない形状とすることにより、TE11モード様共振によるディップ波形を生じさせることができる。この場合は、空隙配置構造体を第1の電磁波の進行方向に垂直に配置しても、TE11モード様共振によるディップ波形が生じる。
かかる空隙部の形状としては、周期的構造体の空隙部を形成する部分に、突起部または切欠部を有する形状が挙げられる。この場合、周期的構造体の空隙部を形成する部分のうち、TE11モード様共振が生じた際に電界強度が相対的に強くなる位置に突起部を有するか、あるいは、電界強度が相対的に弱くなる位置に切欠部を有することが好ましい。また、周期的構造体の主面に垂直な方向から見た空隙部の形状を、台形、凸型、凹型、多角形、または、星型などとし、第1の電磁波の偏光面と直交する仮想面に対して鏡映対称とならないように空隙配置構造体を配置してもよい。
第2の周波数特性にディップ波形を生じさせないためには、このようなディップ波形を生じる条件以外の条件を選択すればよい。例えば、空隙配置構造体を、その主面が第2の電磁波の偏光方向に対して平行となるように配置すればよく、特に、電磁波の進行方向に対して垂直となるように配置することが好ましい。また、そのような配置において、第2の電磁波の偏光面(偏光方向と進行方向とを含む面)と空隙配置構造体の主面との両者に直交する仮想面に対して鏡映対称となるような形状の空隙部を有する空隙配置構造体を使用することで、第2の周波数特性にディップ波形を生じさせないようにすることができる。
また、本発明の測定方法においては、上記第1の周波数特性および第2の周波数特性から、上記式(1)により求められる差スペクトルSを用いて被測定物の特性を測定することが好ましい。差スペクトルSを用いて被測定物の特性を測定するとは、例えば、差スペクトルSのピーク値やピークが表れる周波数の変化、差スペクトルの形状の変化に基づいて、被測定物の特性を測定することが挙げられる。
従来のように基準となる空隙配置構造体のみの周波数特性を測定して、それを用いた校正を行うよりも、このような差スペクトルSを用いた方が空隙配置構造体自体の周波数特性のバラツキなどの被測定物が存在しない場合の周波数特性のばらつきによる影響が少なくなり、被測定物の測定感度を向上させることができる。原理の詳細は不明であるが、差スぺクトルSでは第1、第2の周波数特性への空隙配置構造体自体の寸法ばらつきの影響が低減されることが実験的に確かめられた。
後述の実施例4では、図26のディップ波形付近において、孔サイズが184μmの波形Ty2および波形Tx2は、孔サイズが180μmの波形Ty1および波形Tx1が左上方向へ0.014THzと0.028%シフトされた波形となっている。すなわち、孔サイズが大きくなると、ピーク周波数が低下すると同時に透過率が増大している。両者の差をとると周波数の変化は維持されるが、透過率の変化は相殺されて小さくなる。
本発明において、被測定物の量を測定する場合は、上記差スペクトルSの特定のピーク値を、予め様々な量の被測定物を測定して得られた差スペクトルSの特定のピーク値を基に作成した検量線と比較することにより、被測定物の量を算出することが好ましい。
上記第1の周波数特性および第2の周波数特性を検出するための方法の一例としては、空隙配置構造体に、直線偏光の電磁波である第1の電磁波および第2の電磁波を互いに偏光方向が異なるように照射し、空隙配置構造体を透過した第1の電磁波の周波数特性を第1の周波数特性として検出し、空隙配置構造体を透過した第2の電磁波の周波数特性を第2の周波数特性として検出する方法を用いることができる。
直線偏光の電磁波である第1の電磁波および第2の電磁波は、無偏光、円偏光などの光源から出射された電磁波が偏光子を通過した後の直線偏光の電磁波であってもよく、偏光光源から出射された直線偏光の電磁波であってもよい。
また、第1の電磁波および第2の電磁波を照射する手順としては、まず第1の電磁波あるいは第2の電磁波の一方を照射し周波数特性を検出した後に、他方の電磁波を照射して周波数特性を検出してもよく、測定の効率性の観点からは、第1の電磁波あるいは第2の電磁波を同時に照射し、各々の電磁波の周波数特性(第1の周波数特性および第2の周波数特性)を同時に測定することが好ましい。
さらに、第1の電磁波および第2の電磁波は、別々の光源から供給されるものであっても、単一の光源から供給されるものであってもよい。単一の光源から第1の電磁波および第2の電磁波を供給する方法としては、例えば、単一の光源から照射された電磁波を直線偏光子に通すことで直線偏光の電磁波とし、偏光変調器などを用いて直線偏光の電磁波の偏光状態を2つの異なった偏光状態に変調して、第1の電磁波および第2の電磁波とする方法が挙げられる。直線偏光の電磁波の偏光状態を2つの異なった偏光状態に変調し、空隙配置構造体を透過した電磁波を、この変調周波数よりも小さな周波数で掃引することにより、第1の周波数特性および第2の周波数特性を検出することができる。
本発明の方法においては、第1の電磁波の進行方向と第2の電磁波の進行方向が同じ方向(Z軸方向)であり、第1の電磁波の偏光方向が、Z軸方向に垂直な1つの方向(Y軸方向)であり、第2の電磁波の偏光方向がZ軸方向およびY軸方向に垂直な方向(X軸方向)となるように、空隙配置構造体に照射されることが好ましい(図2参照)。このように第1の電磁波および第2の電磁波を照射し、空隙部が縦横に正方格子状に周期的に配列された空隙配置構造体を後述のように適切に配置すれば、第1の周波数特性に出現するディップ波形がシャープとなり、被測定物の測定感度が向上するからである。
上記空隙配置構造体は、上記第1の電磁波および第2の電磁波の進行方向(Z軸方向)に対して、その主面が垂直となるように配置されてもよく、垂直とならないように(斜めに)配置されてもよい。空隙配置構造体が、空隙部が縦横に正方格子状に周期的に配列されたものである場合は、該空隙配置構造体は、上記Z軸に垂直な平面に投影したときに、上記空隙部の縦横の配列方向の一方が上記X軸方向と一致し、他方が上記Y軸方向と一致するように配置されることが好ましい。
さらに、上記空隙配置構造体が斜めに配置される場合においては、その主面が上記X軸方向およびY軸方向に対して平行(Z軸に対して垂直)となる配置から、ある特定の軸を回転軸として一定角度回転させて配置されるが、空隙配置構造体の重心を通る上記X軸方向と平行な軸(X軸)を回転軸として一定角度回転させて配置されることが好ましい。かかる配置とした場合には、第1の周波数特性に出現するディップ波形がシャープとなり、被測定物の測定感度がさらに向上するからである。
(測定装置)
本発明は、上記の測定方法に用いられる測定装置にも関し、上記空隙配置構造体は、直線偏光の電磁波である第1の電磁波および第2の電磁波を互いに偏光方向が異なるように照射するための電磁波照射部を有することが好ましい。この場合、さらに電磁波照射部と、該空隙配置構造体を透過した電磁波を検出する検出器との間に干渉計を配置することができる。
電磁波照射部は、第1の電磁波および第2の電磁波を照射するために、直線偏光の電磁波を偏光状態を2つの異なった偏光状態に変調することのできる偏光変調部を備えることが好ましい。直線偏光の電磁波の偏光状態を2つの異なった偏光状態に変調し、この変調周波数よりも小さな周波数で掃引して、第1の周波数特性および第2の周波数特性を検出することにより、測定(掃引)回数を少なくでき、測定値の較正作業も簡略化されるので測定作業が単純になり、且つ、測定に要する時間が短縮されるので測定環境の経時変化などによる誤差の影響も低減される、といった利点があるからである。
なお、本発明において、被測定物の特性を測定するとは、被測定物となる化合物の定量や各種の定性などを行うことであり、例えば、溶液中等の微量の被測定物の含有量を測定する場合や、被測定物の同定を行う場合が挙げられる。具体的には、例えば、被測定物の溶解した溶液に空隙配置構造体を浸漬し、被測定物を空隙配置構造体の表面に付着させた後に溶媒や余分な被測定物を洗浄し、空隙配置構造体を乾燥してから、上述のような測定装置を用いて被測定物の特性を測定する方法が挙げられる。
本発明において、空隙配置構造体に被測定物を保持する方法としては、種々公知の方法を使用することができ、例えば、空隙配置構造体に直接付着させてもよく、支持膜等を介して付着させてもよい。測定感度を向上させ、測定のばらつきを抑えることにより再現性の高い測定を行う観点からは、空隙配置構造体の表面に直接被測定物を付着させることが好ましい。
空隙配置構造体に被測定物を直接付着させる場合としては、空隙配置構造体の表面と被測定物との間で直接的に化学結合等が形成される場合だけでなく、予め表面にホスト分子が結合された空隙配置構造体に対して、該ホスト分子に被測定物が結合されるような場合も含まれる。化学結合としては、共有結合(例えば、金属―チオール基間の共有結合など)、ファンデルワールス結合、イオン結合、金属結合、水素結合などが挙げられ、好ましくは共有結合である。また、ホスト分子とは、被測定物を特異的に結合させることのできる分子などであり、ホスト分子と被測定物の組み合わせとしては、例えば、抗原と抗体、糖鎖とタンパク質、脂質とタンパク質、低分子化合物(リガンド)とタンパク質、タンパク質とタンパク質、一本鎖DNAと一本鎖DNAなどが挙げられる。
空隙配置構造体に被測定物を直接付着させる場合、少なくとも一部の表面が導体で形成された空隙配置構造体を用いることが好ましい。空隙配置構造体1の少なくとも一部の表面とは、例えば、図2(a)に示す主面10a、側面10b、空隙部側面11aのうちいずれかの一部の表面である。
ここで、導体とは、電気を通す物体(物質)のことであり、金属だけでなく半導体も含まれる。金属としては、ヒドロキシ基、チオール基、カルボキシル基などの官能基を有する化合物の官能基と結合することのできる金属や、ヒドロキシ基、アミノ基などの官能基を表面にコーティングできる金属、ならびに、これらの金属の合金を挙げることができる。具体的には、金、銀、銅、鉄、ニッケル、クロム、シリコン、ゲルマニウムなどが挙げられ、好ましくは金、銀、銅、ニッケル、クロムであり、さらに好ましくは金である。金、ニッケルを用いた場合、特に被測定物がチオール基(−SH基)を有する場合に該チオール基を空隙配置構造体の表面に結合させることができるため有利である。また、ニッケルを用いた場合、特に被測定物がヒドロキシ基(―OH)やカルボキシル基(―COOH)を有する場合に該官能基を空隙配置構造体の表面に結合させることができるため有利である。また、半導体としては、例えば、IV族半導体(Si、Geなど)や、II−VI族半導体(ZnSe、CdS、ZnOなど)、III−V族半導体(GaAs、InP、GaNなど)、IV族化合物半導体(SiC、SiGeなど)、I−III−VI族半導体(CuInSe2など)などの化合物半導体、有機半導体が挙げられる。
また、空隙配置構造体に支持膜等を介して被測定物を付着させる方法としては、例えば、空隙配置構造体の表面にポリアミド樹脂等の支持膜を貼付して被測定物を該支持膜に付着させる方法や、支持膜に換えて気密または液密な容器を用いて、流体または流体に分散させた物質を測定する方法が挙げられる。
(実施形態1)
図3は、本実施形態の測定方法および測定装置の一例を説明するための模式図である。図3に示す測定方法および測定装置では、直線偏光の電磁波の偏光状態を偏光変調器によって2つの異なった偏光状態に変調し、後述する干渉計においてこの変調周波数よりも小さな周波数で掃引して、第1の周波数特性および第2の周波数特性が検出される。図3に示す測定装置の構成のうち偏光変調器およびファンクションジェネレータ(FG)以外の構成を有する装置としては、フーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)などを用いることができる。以下に図3に示す測定方法および測定装置の詳細を説明する。
まず、光源(白色光源でも波長可変レーザーでも良い)から出射した電磁波は直線偏光子に導入される(なお、光源の直線偏光度が高い場合には、直線偏光子は無くても良い)。直線偏光子から出射した電磁波は直線偏光となり、強度P0(ν)となる。なお、νは波長の逆数である波数を示す。
次に、電磁波は、光弾性変調器(PEM:Photo―Elastic Modulator)などに代表される偏光変調器に導入される。偏光変調器には外部信号(例えば、ファンクションジェネレータで発生させた電圧)が周波数fmで与えられており、偏光変調器を出射した電磁波は2つの偏光方向に周波数2fmで変調される。ここでは2つの偏光方向をX軸方向、Y軸方向と呼ぶ。
この偏光変調器の特性を表わす値として、生成する2つの偏光方向の位相差に相当するΔ0(ν)を指定する。理想的な偏光変調器は、全ての波数に対して90°異なる偏光を生成し、Δ0(ν)=0.5である。偏光変調器から出射した電磁波を試料に導入すると、2つの偏光方向それぞれに対する透過率Ty(偏光方向がY軸方向の電磁波の透過率)、Tx(偏光方向がX軸方向の電磁波の透過率)に関する情報が含まれた強度POUT(ν,t)となる。POUT(ν,t)はベッセル関数を用いて下記式(2)で記載できる。なお、tは干渉計の走査に要する時間、J0は零次ベッセル関数、J2kは偶数次ベッセル関数である。
Figure 0005218679
干渉計を周波数fmより十分遅い周波数で走査した場合(走査速度をuとする)、Ty、Txに関する情報が含まれたインターフェログラムF(x,t)が検出器で検出される。ここで、x=2utである。インターフェログラムF(x,t)は下記式(3)で記載できる。
Figure 0005218679
検出器の出力信号を2つに分け、一方は周波数2fmを中心とするバンドパスフィルター(BPF)を通じてロックイン検出(LIA)する。ロックイン検出における参照信号は周波数2fmである。バンドパスフィルターとロックイン検出によって、4次以降のベッセル関数は無視でき、これをフーリエ変換(FT)したものを、信号SAC(ν)と呼ぶ。もう一方の出力信号は、ローパスフィルター(LPF)を通じてフーリエ変換(FT)し、これを信号SDC(ν)と呼ぶ。なお、理想的には、解析部における2つのパスは、ゲインが等しく、位相差が生じない。SAC(ν)およびSDC(ν)は下記式(4)で記載できる。
Figure 0005218679
2つの信号SAC(ν)と信号SDC(ν)の比をS(ν)とすると、S(ν)は式(5):
S(ν)=SAC(ν)/SDC(ν) ・・・(5)
で示される。
なお、上記式(5)において、理想的な偏光変調器を想定した場合(Δ0(ν)=0.5)の近似式は、式(6):
S={0.97Tx−0.97Ty)}/{0.696Tx+1.304Ty)} ・・・(6)
で示される。これは、a=0.97、b=−0.97、c=0.696、d=1.304と置いたときの式(1)に等しい。
以上より、偏光変調器によって電磁波の偏光方向をスイッチングさせながらインターフェログラムを測定し、これを解析部で解析することにより、1つのインターフェログラムから差スペクトルS(ν)を得ることができる。そして、例えば、予め様々な被測定物量に対してS(ν)を測定し、S(ν)のピーク値を求めて検量線を得ておき、実際の本測定結果における値を検量線と比較することにより、被測定物の量などを算出することができる。
図3に示す測定装置において、干渉計としては、例えば、マイケルソン干渉計、ファブリペロー干渉計などを用いることができる。干渉計を有する場合の光源としては、高圧水銀ランプや高温セラミックスなどを用いることができる。直線偏光子としては、ワイヤーグリッドなどを用いることができる。偏光変調器としては光弾性変調器(PEM)などを用いることができる。検出器としては、例えば、シリコンボロメータ、ゲルマニウムボロメータなどのボロメータや焦電センサなどを用いることができる。
また、図3に示す測定装置においては、直線偏光子を光源と試料部の間に配したが、直線偏光子を試料部と検出部の間に配してもよい。例えば、この場合は、光源から照射される無偏光や円偏光の電磁波は、試料部の空隙配置構造体を透過した後に2つに分割し、それぞれ直線偏光子を通して、例えば、偏光方向の異なる2つの直線偏光の電磁波に分離され、分離されたぞれぞれの電磁波の周波数特性(第1の周波数特性および第2の周波数特性)を検出することができる。
なお、図3は、干渉計を試料部と検出器の間に配した場合の装置構成を示しているが、干渉計は光源と試料部の間に配しても良い。
また、光源や検出器に周波数掃引機能があれば、干渉計を有さない測定装置であってもよい。干渉計を有さない測定装置では、電磁波の光源として異なる波長を持った2つのレーザー光による差周波混合によって生じたレーザー光や、動作温度や印加電流などを制御することで出射波長を調整できる量子カスケードレーザー、互いに僅かに波長が異なる複数のレーザー(例えば、出射波長が固定された量子カスケードレーザー)を備えた測定装置を用いることができる。
図3に示す測定装置において、通常は、偏光変調器で偏光が制御され、干渉計掃引または周波数掃引で周波数に関する情報が得られる。偏光変調器を備えているので、一度の掃引でTyとTxの両者の情報が得られる。即ち、1つのインターフェログラムから差スペクトルを得ることができる。
一方、次に説明する実施形態2の測定装置は、偏光変調器などの偏光に関する変調機能を備えていない。この場合、実施形態1と異なり、TyとTxそれぞれについて一回の掃引が必要になるが、従来技術よりも掃引回数は少ない。
(実施形態2)
図4は本発明の測定方法および測定装置の別の例を説明するための模式図である。実施形態2は、偏光変調器に代表される高速偏光制御機能を備えていない点が実施形態1と異なる。空隙配置構造体を透過した電磁波の周波数特性の検出に関して、第1の周波数特性と、第2の周波数特性を測定し、式(1)を用いて差スペクトルS(ν)を得る点は実施形態1と同じである。
図4で示す測定方法および測定装置では、第1の測定状態(図4(a))によって第1の電磁波に関する周波数特性を測定し、次に光源あるいは直線偏光子を調節して第2の測定状態(図4(b))を設定し、第2の電磁波に関する周波数特性を測定する。以下に図4に示す測定方法および測定装置の詳細を説明する。
光源(白色光源でも波長可変レーザーでも良い)から出射した電磁波は直線偏光子に導入される(なお、光源の直線偏光度が高い場合には、直線偏光子は無くても良い)。直線偏光子から出射した電磁波は直線偏光となり、試料が保持された空隙配置構造体に照射され、空隙配置構造体を透過した電磁波を、検出して第1の電磁波に対する周波数特性を測定する。ここでは第1の電磁波の偏光方向をY軸方向と呼び、このときの周波数特性をTyとする。次に、光源から出射する電磁波の偏光方向または直線偏光子を調節して、好ましくは第1の測定状態に対して直交する偏光方向を選択し、同様に第2の電磁波に対する周波数特性を測定する。ここでは、第2の電磁波の偏光方向をX軸方向と呼び、このときの周波数特性をTxとする。得られたTyとTxについて、上記式(1)(または式(6))から差スペクトルS(ν)を得ることができる。そして、例えば、予め様々な被測定物量に対してS(ν)を測定し、S(ν)のピーク値を求めて検量線を得ておき、実際の本測定結果における値を検量線と比較することにより、被測定物量を算出することができる。
図4に示す測定装置において、干渉計としては、例えば、マイケルソン干渉計、ファブリペロー干渉計などを用いることができる。光源としては、高圧水銀ランプや高温セラミックスや、異なる波長を持った2つのレーザー光による差周波混合によって生じたレーザー光や、動作温度や印加電流などで出射波長を可変な量子カスケードレーザーや、僅かに波長を異ならせたレーザー(例えば、出射波長が固定された量子カスケードレーザー)を複数備えたもの、などを用いることができる。検出器としては、例えば、シリコンボロメータ、ゲルマニウムボロメータなどのボロメータや焦電センサなどを用いることができる。
なお、図4は、干渉計を試料部と検出器の間に配した場合の装置構成を示しているが、干渉計は光源と試料部の間に配しても良い。また、図5のように、光源や検出器に周波数掃引機能があれば、干渉計は有していなくてもよく、干渉計を有しない場合は、電磁波の光源として異なる波長を持った2つのレーザー光による差周波混合によって生じたレーザー光や、動作温度や印加電流を制御することで出射波長を調整できる量子カスケードレーザーや、互いに僅かに波長を異ならせた複数のレーザー(例えば、出射波長が固定された量子カスケードレーザー)などを、電磁波を出射する光源として用いることができる。図5に示す測定装置においては、高い消光比を示すワイヤーグリッドなどの直線偏光子を光源と試料部の間に配して、試料に入射する電磁波の直線偏光の消光比を高くすることが好ましい。
図4の測定装置において、光源は特に限定されず、光源あるいは直線偏光子を制御することによって、第1の電磁波と第2の電磁波を生成し、TyとTxを別々に測定する。差スペクトルはTyとTxの測定結果をコンピュータにより計算処理して求める。
図3と図4のいずれの装置であっても、空隙配置構造体を透過した電磁波の周波数特性を検出することができる。
実施形態1および2としては、上記したように周波数掃引型の測定装置を用いた測定方法を示したが、本発明の測定方法においては、時間領域テラヘルツ分光装置(THz―TDS)やオシロスコープなどの、時間掃引型の測定装置を用いてもよい。この場合も、空隙配置構造体を透過した電磁波の応答を時間領域において測定してインパルス応答を求め、コンピュータでフーリエ変換して周波数特性に変換することにより実施形態1および2の測定方法と同様の測定を行うことができる。
(実施形態3)
本実施形態は、本発明の測定方法において、前記空隙配置構造体に、前記空隙配置構造体の主面に対して所定の第1の方向から電磁波を照射したときの、前記空隙配置構造体の周波数特性を前記第1の周波数特性として検出し、
前記空隙配置構造体に、前記空隙配置構造体の主面に対して前記第1の方向と異なる第2の方向から電磁波を照射したときの、前記空隙配置構造体の周波数特性を前記第2の周波数特性として検出する場合の一例である。
図6に、本実施形態の測定装置の一例を示す。本実施形態に用いられる測定装置は、空隙配置構造体の位置を制御することのできる位置制御機構を備えている。位置制御機構は、空隙配置構造体を上記回転軸を中心に回転させることのできる回転機能を有することが好ましい。回転機能とは、例えば、空隙配置構造体を一定速度で回転させたり、周期的に往復回転させることのできる機能である。
なお、図6に示す測定装置は、干渉計を試料部と検出器の間に有する装置であるが、干渉計は、例えば、光源と試料部の間に配しても良い。また、光源や検出器に周波数掃引機能があれば、干渉計は無くてもよい(後述の実施形態4、5についても同様)。
図6に示されるように、光源(例えば、白色光源、波長可変レーザー)から出射した電磁波は直線偏光子に導入される(なお、光源の直線偏光度が高い場合には、直線偏光子は無くても良い)。直線偏光子から出射した電磁波は、強度P0(ν)の直線偏光となり、試料部に照射される。試料部には、空隙配置構造体のみ、あるいは、被測定物が付着した空隙配置構造体が配置されている。なお、νは波長の逆数である波数である。
試料部の空隙配置構造体は回転ステージに連結されており、位置制御機構によって電磁波の進行方向および偏光方向に対する位置が制御される。該位置制御機構によって、空隙配置構造体は、(1)空隙配置構造体の主面が電磁波の偏光方向と平行となる位置(電磁波の進行方向に対して垂直となる位置を含む)、あるいは、(2)空隙配置構造体の主面が電磁波の偏光方向と平行とならない位置に配置される。
上記(1)および(2)に関して、図7および図8を用いて電磁波と空隙配置構造体との位置関係を説明する。図7および図8において、光源より発せられた直線偏光の電磁波の偏光方向EはY軸方向であり、進行方向はZ軸方向とする。
(1) 電磁波の偏光方向と平行となる位置
空隙配置構造体の主面が電磁波の偏光方向と平行となる位置とは、空隙配置構造体1の主面が電磁波の進行方向(Z軸方向)に対して垂直(XY平面に対して平行)となる位置(図7(a)、(b))、あるいは、この位置から電磁波の偏光方向Eと平行な軸(例えば、Y軸)を回転軸として所定の角度回転された位置(図示されていない)である。この場合に得られる周波数特性(第2の周波数特性)においては、通常、ディップ波形が生じない。なお、照射される電磁波が直線偏光の電磁波でない場合でも、第2の周波数特性においては、通常、ディップ波形が生じないか、または、ディップ波形が小さい。
(2) 電磁波の偏光方向と平行とならない位置
空隙配置構造体の主面が電磁波の偏光方向と平行とならない位置とは、上記(1)の位置以外の位置である。すなわち、空隙配置構造体1の主面が電磁波の進行方向(Z軸方向)に対して垂直となる位置(図7(a)、(b))から、電磁波の偏光方向と平行でない回転軸を中心にして所定の角度(0°以外)回転された位置である。一例としては、空隙配置構造体1を、図7の位置から、電磁波の偏光方向E(Y軸方向)と進行方向(Z軸方向)とに対して垂直な軸(X軸)を回転軸12として角度θだけ回転させた位置(図8(a)、(b))が挙げられる。この場合に得られる周波数特性(第1の周波数特性)においては、通常、ディップ波形が生じる。
本実施形態においては、位置制御機構によって、空隙配置構造体は、(1)空隙配置構造体の主面が電磁波の偏光方向と平行となる位置(電磁波の進行方向に対して垂直となる位置を含む)と、(2)空隙配置構造体の主面が電磁波の偏光方向と平行とならない位置との間を周期的に往復する。
より具体的に、位置制御機構が、空隙配置構造体が設けられた回転ステージを回転させる機能(回転機能)を有している場合の一例を説明する。回転ステージに設置された空隙配置構造体は、かかる回転機能を有する位置制御機構によって、(1)その主面が電磁波の進行方向に対して垂直となる位置(図7に示す位置)から、(2)空隙配置構造体の主面が電磁波の偏光方向と角度θをなす位置(図8に示す位置)へ回転し、その後、逆方向の回転により、図8に示す位置から図7に示す位置へ戻る。位置制御機構には、例えば、外部信号(例えば、信号発生器FGで発生させた電圧)が周波数fmで与えられており、外部信号の1周期(時間にしてfmの逆数)の間に、上記往復回転の1周期が行われる。
直線偏光子から出射した電磁波を試料に導入すると、(1)空隙配置構造体の主面が電磁波の進行方向に対して垂直となる位置(図7に示す位置)と、(2)空隙配置構造体の主面が電磁波の偏光方向と角度θをなす位置(図8に示す位置)との各々における透過率(Tv、Tt)に関する情報が含まれた強度POUT(ν,t)となり、POUT(ν,t)はベッセル関数を用いて上記式(2)のTxをTv、TyをTtで置き換えた下記式(2’)で記載出来る。なお、tは干渉計の走査に要する時間、J0は零次ベッセル関数、J2kは偶数次ベッセル関数、Δは入射角度の変調度合いを表す変数である。
Figure 0005218679
干渉計を周波数fmより十分遅い周波数で走査した場合(走査速度をuとする)、Tv、Ttに関する情報が含まれたインターフェログラムF(x,t)が検出器で検出される。ここで、x=2utである。インターフェログラムF(x,t)は下記式(3)で表される。
Figure 0005218679
検出器の出力信号を2つに分け、一方は周波数fmを中心とするバンドパスフィルター(BPF)を通じてロックイン検出(LIA)する。ロックイン検出における参照信号の周波数はfmである。バンドパスフィルターとロックイン検出によって、4次以降のベッセル関数は無視でき、これをフーリエ変換(FT)したものを、信号SAC(ν)と呼ぶ。もう一方は、ローパスフィルターLPFを通じてフーリエ変換(FT)し、信号SDC(ν)と呼ぶ。なお、理想的には、解析部における2つのパスのゲインは等しく、該2つのパスは位相差を生じない。SAC(ν)およびSDC(ν)は下記式(4’)で記載できる。
Figure 0005218679
2つの信号SAC(ν)と信号SDC(ν)の比をS(ν)とすると、S(ν)は式5:
S(ν)=SAC(ν)/SDC(ν) ・・・(5)
で示される。
以上より、位置制御器によって電磁波に対する空隙配置構造体の方向をスイッチングさせながらインターフェログラムを測定し、これを解析部で解析することにより、1つのインターフェログラムから差スペクトルS(ν)を得ることができる。そして、例えば、予め様々な被測定物量に対してS(ν)を測定し、S(ν)のピーク値を求めて検量線を得ておき、実際の本測定結果における値を検量線と比較することにより、被測定物の量などを算出することが出来る。
(実施形態4)
本実施形態で用いられる測定装置は、被測定物が保持された空隙配置構造体に電磁波を照射するための電磁波照射部、および、該電磁波照射部から照射された電磁波を、第1の周波数特性を得るための第1の電磁波と、第2の周波数特性を得るための第2の電磁波とに分波することのできる分波器を備えている。
なお、本実施形態は、空隙配置構造体の主面に対して垂直な方向から直線偏光の電磁波を照射したときの、空隙配置構造体の周波数特性(第2の周波数特性)と、空隙配置構造体の主面に対して垂直でない方向から直線偏光の電磁波を照射したときの、空隙配置構造体の周波数特性(第1の周波数特性)を測定し、それらの差スペクトルから被測定物の特性を測定する方法である点では、実施形態3と同様である。
図9に、本実施形態の装置構成の一例を示す。図9に示されるように、光源から出射した電磁波は干渉計を通過後、直線偏光子に導入される。なお、光源の直線偏光度が高い場合には、直線偏光子は無くても良い。直線偏光子から出射した電磁波は直線偏光(Y軸と平行)となり、分波器によって2つの経路に分けられる。なお、分波器によって直線偏光を等分する場合は、解析が容易である点で有利である。
分波器によって分けられた2つの経路をそれぞれ経路1、経路2と呼ぶ。図10に示すように、経路1は、空隙配置構造体1の主面(XY平面に平行な面)に対して垂直な方向であり、経路1を通って透過した電磁波は検出器1で検出される。一方、経路2は、空隙配置構造体1の主面に対して垂直でない方向(斜め方向)であり、経路2を通って透過した電磁波は検出器2で検出される。ここでは、入射される電磁波の偏光方向Eと、空隙配置構造体の回転軸の方向が一致していないことが重要である。
本実施例において検出器1で検出される周波数特性は、実施形態3のTvと等価である。また、検出器2で検出される周波数特性は、実施形態3のTtと等価である。従って、実施形態3と同様にして差スペクトルSを得ることができ、被測定物の特性を測定することが出来る。なお、本実施形態の場合、1度の周波数掃引または干渉計の掃引で周波数特性TvとTtが得られるという利点がある。
(実施形態5)
本実施形態に用いられる測定装置は、複数の光源、および/または、複数の検出器を備えている。
なお、本実施形態は、空隙配置構造体の主面に対して垂直な方向から直線偏光の電磁波を照射したときの、空隙配置構造体の周波数特性(第2の周波数特性)と、空隙配置構造体の主面に対して垂直でない方向から直線偏光の電磁波を照射したときの、空隙配置構造体の周波数特性(第1の周波数特性)を測定し、それらの差スペクトルから被測定物の特性を測定する方法である点では、実施形態3および4と同様である。
図11に、本実施形態の装置構成の一例を示す。図11は、干渉計、直線偏光子を2つの経路で共有した例であるが、光源毎に干渉計や直線偏光子を備えていても良い。また、測定装置の精度を高める為、光源同士のパワーや周波数などや、検出器同士の感度などを同期させることが望ましい。
図11に示されるように、光源1と光源2から出射した電磁波は干渉計を通過後、直線偏光子に導入される。なお、光源の直線偏光度が高い場合には、直線偏光子は無くても良い。直線偏光子から出射した電磁波は直線偏光(Y軸と平行)となる。
ここで、経路1は、実施形態4と同様に、空隙配置構造体1の主面(XY平面に平行な面)に対して垂直な方向であり、経路1を通って透過した電磁波は検出器1で検出される。一方、経路2は、空隙配置構造体1の主面に対して垂直でない方向(斜め方向)であり、経路2を通って透過した電磁波は検出器2で検出される(図10)。ここでは、入射される電磁波の偏光方向Eと、空隙配置構造体の回転軸の方向が一致していないことが重要である。
本実施例において検出器1で検出される周波数特性は、実施形態3のTvと等価である。また、検出器2で検出される周波数特性は、実施形態3のTtと等価である。従って、実施形態3と同様にして差スペクトルSを得ることができ、被測定物の特性を測定することが出来る。すなわち、差スペクトルSは上記式(1)のTxをTv、TyをTtに置き換えた下記式(1’)で定義される。なお、νは波長の逆数である波数であり、a、b、c、dは任意の定数である。
Figure 0005218679
本実施形態の場合、1回の周波数掃引または干渉計の掃引で周波数特性TvとTtが得られるという利点がある。
注記1:
本発明の測定方法は、空隙配置構造体を透過(前方散乱)した電磁波の周波数特性を検出する場合だけでなく、空隙配置構造体で反射(後方散乱)された電磁波の周波数特性を検出する場合にも応用することが可能である。なお、透過スペクトルの周波数特性におけるディップ波形は反射スペクトルにおいてはピーク波形となる。上記式(1)において適当な定数を選ぶと透過スペクトルの差スペクトルSと同様に反射スペクトルの差スペクトルSを上に凸なピーク波形とすることが出来る。これを用いて演算処理を共通化してもよい。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
図12に示すように、460μmの間隔を空けて配置されたポート31,32の間に空隙配置構造体(金属メッシュ)1が設置されたモデルについて、図12のX軸方向(紙面に垂直な方向)とY軸方向に周期境界条件を与え、電磁界シミュレーターMicroStripes(CST社製)を用いて周波数特性のシミュレーション計算を行った。
なお、ポート31と金属メッシュ1の重心との距離は230μmとし、また、ポート32と金属メッシュ1の重心との距離は230μmとした。両ポート31および32は、1.3mm四方の主面を有する厚さ60μmの板状体である。ポート31は、電磁波を出射する部材であり、金属メッシュ1に照射される電磁波の強度を測定する部材を兼ねている。ポート32は、金属メッシュを透過した電磁波の強度を測定する部材である。金属メッシュ1は、その主面が電磁波の進行方向(Z軸方向)に対して垂直となる状態(θ=0°)から、金属メッシュ1の重心を通りX軸に平行な直線である回転軸12を中心に回転させて配置した。金属メッシュを回転させる角度(図12に示されるθ)は9°に設定した。
本実施例において、空隙配置構造体のモデルは、図2(a)、(b)の模式図に示すような正方格子配列した正方形の孔を有し、全体が銅で形成された金属メッシュとした。この金属メッシュの格子間隔(図2(b)のs)は260μm、孔サイズ(図2(b)のd)は180μm、厚みは60μmとし、全体の形状は1.3mm四方の板状体とした。また、被測定物のモデルは、比誘電率2.4、誘電正接0、厚み5μm、1.3mm四方の板状体誘電体フィルムとした。
本実施例では、図3を用いて説明した上述の装置構成を想定してシミュレーション計算を行った。すなわち、図3の試料部において、空隙配置構造体の光源側(図12のポート31側)に誘電体フィルムを密着させた状態で、進行方向が図12のZ軸方向であり偏光方向が図12のY軸方向である電磁波(第1の電磁波)を照射した場合に、金属メッシュを透過する電磁波の周波数特性(Ty)を第1の周波数特性として計算した。また、進行方向が図12のZ軸方向であり偏光方向が図12のX軸方向である電磁波(第2の電磁波)を照射した場合に、金属メッシュを透過する電磁波の周波数特性(Tx)を第2の周波数特性として計算した。図14に、Tyと、Txの計算結果を示す。
さらに、図14のTy(第1の周波数特性)とTx(第2の周波数特性)の差スペクトルSを図15に示す。差スペクトルSは上記式(6)によって求めた。
図15の0.93THz付近に現れる正のピークは、被測定物の特性を示すものである。例えば、予め様々な被測定物量に対してS(ν)を測定し、S(ν)のピーク値を求めて検量線を得ておき、実際の本測定結果における値を検量線と比較することにより、被測定物の量などを算出することができる。
(比較例1)
図13は、比較例1でモデルとした従来の測定方法および測定装置の一例を説明するための模式図である。かかる測定装置の構成は、フーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)などに代表される従来の分光測定装置の構成である。図13に示す測定装置は干渉計を有しており、該干渉計は試料部と検出器の間に配置されている。
比較例1においては、金属メッシュに照射される電磁波の偏光方向を図12におけるY軸方向のみとし、ポート31,32で検出される電磁波の偏光方向もY軸方向に設定して、電磁界シミュレーターMicroStripes(CST社製)を用いて周波数特性のシミュレーション計算を行った。
まず、図13の試料部に何も配しない状態での周波数特性(BackR)と、図13の試料部に金属メッシュのみを配した場合の周波数特性(Ref)を計算した。さらに、RefをBackRで除して、金属メッシュのみを配した場合の透過率スペクトル(TRef)を求めた。計算結果を図16に示す。
同様にして、図13の試料部に何も配置しない場合の周波数特性(BackS)と、図13の試料部に誘電体フィルムを密着させた金属メッシュを配した場合の周波数特性(Sam)を計算した。さらに、SamをBackSで除して誘電体フィルムを密着させた金属メッシュを配した場合の透過率スペクトル(TSam)を求めた。計算結果を図16に示す。
図16におけるTRefとTSamとの比較から、被測定物(誘電体フィルム)の有無により、周波数特性が変化することが分かる。さらに、図16のTRefとTSamの従来法における差スペクトルSOLDを図17に示す。従来法の差スペクトルSOLDは下記式(7):
OLD=(TRef−TSam)/(TRef+TSam) ・・・(7)
によって求めたものである。
(実施例1と比較例1の比較)
実施例1の差スペクトルS(図15)と比較例1の差スペクトルSOLD(図17)を比較するために、両スペクトルを併せて図18に示す。図18に示されるように、実施例1の差スペクトルSと比較例1の差スペクトルSOLDにおいては、共に0.93THz付近に正のピーク波形が現れており、実施例1で得た差スペクトルSにおいても従来法(比較例1)で得た差スペクトルSOLDと同様に被測定物の測定が可能であり、実施例1のピーク値は比較例1のピーク値より高くなっていることが分かる。
(実施例2)
誘電体フィルムの厚さを5、10、20μmとした以外は、実施例1と同様にして、電磁界シミュレーターMicroStripes(CST社製)を用いて周波数特性のシミュレーション計算を行った。
図19に、各厚み(5、10、20μm)の誘電体フィルムを用いた場合について、Ty(第1の周波数特性)およびTx(第2の周波数特性)の計算結果を示す。図19においては、誘電体フィルムの厚さが5μmのときのTyおよびTxをTy05およびTx05とし、誘電体フィルムの厚みが10μmのときのTyおよびTxをTy10およびTx10、誘電体フィルムの厚みが20μmのときのTyおよびTxをTy20およびTx20として示す。
さらに、図19において、各厚さ(5、10、20μm)の誘電体フィルムを用いた場合おける第1の電磁波の透過率スペクトル(Ty)と第2の電磁波の透過率スペクトル(Tx)の差スペクトル(図19に示すTy05とTx05、Ty10とTx10、Ty20とTx20の各々の差スペクトルS)を図20に示す。各々の差スペクトルSは上記式(6)によって求めたものである。図20より、誘電体フィルムの厚み(被測定物の量)に応じて、横軸の周波数に対するピークの位置や、ピークの値が変化していることが分かる。
さらに、図20の誘電体フィルムの厚みを横軸に、図20の差スペクトルにおけるピーク値およびピーク周波数の2種類を縦軸にプロットしたグラフを図21に示す。図21より、誘電体フィルムの厚み(被測定物の量)と差スペクトルのピーク値との関係、または、誘電体フィルムの厚み(被測定物の量)と差スペクトルのピーク周波数との関係から、被測定物の量を求めるための検量線が得られることが分かる。
(実施例3)
誘電体フィルムの誘電正接を0.01とし、厚さを0(フィルムなし)、100、200、300nmとした以外は、実施例1と同様にして、電磁界シミュレーターMicroStripes(CST社製)を用いて周波数特性のシミュレーション計算を行った。
ただし、金属メッシュとして、図22に示す様な各々の空隙部(18μm四方)の一辺の中央に2μm四方の突起を有するものをモデルとした。該金属メッシュの格子間隔(図2(b)のs)は26μm、厚みは6μmとし、全体の形状は0.13mm四方の板状体とした。また、図12に示されるポート31と金属メッシュ1の重心との距離は23μmとし、また、ポート32と金属メッシュ1の重心との距離は23μmとした。両ポート31および32は、0.13mm四方の主面を有する厚さ6μmの板状体とした。
図23に、各厚み(0、100、200、300nm)の誘電体フィルムを用いた場合について、TyおよびTxの計算結果を示す。図23においては、誘電体フィルムの厚さが0nmのとき(誘電体フィルムを配しない場合)のTyおよびTxをTy0およびTx0とし、誘電体フィルムの厚さが100nmのときのTyおよびTxをTy100およびTx100とし、誘電体フィルムの厚みが200nmのときのTyおよびTxをTy200およびTx200とし、誘電体フィルムの厚みが300nmのときのTyおよびTxをTy300およびTx300として示す。
さらに、図23において、各厚さ(0、100、200、300nm)の誘電体フィルムを用いた場合おける第1の電磁波の透過率スペクトルと第2の電磁波の透過率スペクトルの差スペクトルを図24に示す。各々の差スペクトルSは上記式(6)によって求めたものである。図24より、誘電体フィルムの厚み(被測定物の量)に応じて、横軸の周波数に対するピークの位置や、ピークの値が変化していることが分かる。
さらに、図24の誘電体フィルムの厚みを横軸に、図24の差スペクトルにおけるピーク値およびピーク周波数の2種類を縦軸にプロットしたグラフを図25に示す。図25より、誘電体フィルムの厚み(被測定物の量)と差スペクトルのピーク値との関係、または、誘電体フィルムの厚み(被測定物の量)と差スペクトルのピーク周波数との関係から、被測定物の量を求めるための検量線が得られることが分かる。
(実施例4)
本実施例では、金属メッシュの寸法(孔サイズ)のばらつきによる測定への影響を調べるためのシミュレーション計算を行った。
金属メッシュの孔サイズ(図2(b)のd)を180μmのもの(金属メッシュ−1)と、184μmのもの(金属メッシュ−2)の2種類とした以外は、実施例1と同様にして、電磁界シミュレーターMicroStripes(CST社製)を用いて周波数特性のシミュレーション計算を行った。なお、金属メッシュ−1に対して金属メッシュ−2の孔サイズは2.2%異なっている計算になる。本実施例におけるシミュレーション計算では、偏光方向がY軸方向の場合(第1の電磁波)と、X軸方向の場合(第2の電磁波)の2種類の電磁波について、金属メッシュを透過した電磁波の周波数特性(第1の周波数特性および第2の周波数特性)を計算した。
図26に、金属メッシュ−1(孔サイズ:180μm)、金属メッシュ−2(孔サイズ:184μm)の各々を用いた場合における、偏光方向がY軸方向の電磁波(第1の電磁波)の透過率スペクトルおよび偏光方向がX軸方向の電磁波(第2の電磁波)の透過率スペクトルの計算結果を示す。図26においては、金属メッシュの孔サイズが180μmのときのTyおよびTxをTy1およびTx1とし、金属メッシュの孔サイズが184μmのときのTyおよびTxをTy2およびTx2として示している。
図26における比較において、被測定物(誘電体フィルム)は同じであっても、金属メッシュ自身の周波数特性(孔サイズの大きさ)の違いによって、被測定物を付与した場合の周波数特性は異なることが分かる。このような金属メッシュの孔サイズの変化は金属メッシュの作製工程において誤差として生じる可能性があり、このような孔サイズの誤差が測定の誤差につながる可能性が示唆される。しかし、差スペクトルSを求めることにより、このような孔サイズなどの金属メッシュ自体の誤差に起因した測定誤差が生じる問題は解決する。
図26において、金属メッシュ−1および金属メッシュ−2を用いた場合における第1の電磁波の透過率スペクトルと第2の電磁波の透過率スペクトルの差スペクトルSを図27に示す。差スペクトルSは上記式(6)によって求めた。図27に示すように、被測定物が同じものである場合、金属メッシュ自体の周波数特性(孔サイズの大きさ)が異なっていても、差スペクトルSはピークの周波数が変化するだけでピークの値は同じ値となることが分かる。したがって、このような差スペクトルのピーク値に基づいて被測定物の定量等を行えば、空隙配置構造体自体の製造上生じる誤差等による周波数特性のばらつき(例えば、孔サイズ、格子間隔、厚さ、全体形状のばらつき)の影響を排除することができる。
(比較例2)
従来の測定方法における金属メッシュ寸法(孔サイズ)のばらつきによる影響を調べるためのシミュレーション計算を行った。
上記実施例4で用いたものと同様の金属メッシュ−1(孔サイズ:180μm)を2枚と金属メッシュ−2(孔サイズ:184μm)を1枚用意し、1枚の金属メッシュ−1と1枚の金属メッシュ−2のそれぞれについて、その主面に実施例1で用いたものと同様の誘電体フィルムを密着させたものを準備した。
比較例1と同様に、金属メッシュに照射される電磁波の偏光方向を図12におけるY軸方向のみとし、ポート31,32で検出される電磁波の偏光方向もY軸方向に設定して、電磁界シミュレーターMicroStripes(CST社製)を用いて周波数特性のシミュレーション計算を行った。
まず、図13の試料部に何も配しない場合を想定した周波数特性(バックグラウンド1:BackR)と、図13の試料部に金属メッシュ−1のみを配した場合の周波数特性(Ref)を計算し、RefをBackRで除して、金属メッシュ−1のみを配した場合の透過率スペクトルを求めた。得られた透過率スペクトルを図28にTRefとして示す。
同様にして、図13の試料部に何も配しない場合の周波数特性(バックグラウンド2:BackS1)と、誘電体フィルムを密着させた金属メッシュ−1を配した場合の周波数特性(Sam1)とを計算し、Sam1をBackS1で除して、誘電体フィルムを密着させた金属メッシュ−1の透過率スペクトルを求めた。得られた透過率スペクトルを図28にTSam1として示す。
同様にして、図13の試料部に何も配しない場合の周波数特性(バックグラウンド3:BackS2)と、誘電体フィルムを密着させた金属メッシュ−2を配した場合の周波数特性(Sam2)とを計算し、Sam2をBackS2で除して、誘電体フィルムを密着させた金属メッシュ−2の透過率スペクトルを求めた。得られた透過率スペクトルを図28にTSam2として示す。
図28のTSam1とTSam2との比較において、被測定物は同じであっても、金属メッシュ自身の周波数特性(孔サイズの大きさ)の違いによって、被測定物を付与した場合の周波数特性も異なることが分かる。
さらに、図28のTRefとTSam1の従来法における差スペクトルSOLDを図29に(a)として示す。また、図28のTRefとTSam2の従来法における差スペクトルSOLDを図29に(b)として示す。従来法の差スペクトルSOLDは上記式(7)によって求めたものである。図29に示すように、被測定物は同じであっても、金属メッシュ自身の周波数特性(孔サイズの大きさ)の違いによって、被測定物を付与した場合の周波数特性は、ピークの周波数およびピーク値が共に異なるものとなってしまうことが分かる。
(実施例5)
本実施例では、図6を用いて説明した上述の実施形態3の装置構成を想定したシミュレーション計算を行った。本実施例において、空隙配置構造体に照射される電磁波は1種類である。該電磁波の進行方向は図7および図8のZ軸方向であり、偏光方向は図7および図8のY軸方向である。各ポートで検出される電磁波の偏光方向も図12のY軸方向に設定した。
そして、図7に示されるように金属メッシュの主面が電磁波の進行方向に対して垂直となるように空隙配置構造体を配置した場合における透過率スペクトル(Tv)を第2の周波数特性とした。一方、図8に示されるように、空隙配置構造体を図7の位置から回転軸12(X軸)を中心に回転させた場合における透過率スペクトル(Tt)を第1の周波数特性とした。このとき、空隙配置構造体の回転角度θは9°とした。
上記以外は実施例1と同様にして、実施例1と同様の金属メッシュおよび被測定物をモデルとして、周波数特性のシミュレーション計算を行った。
図30に、TtおよびTvの計算結果を示す。さらに、図30のTtとTvの差スペクトルSを図31に示す。差スペクトルSは、上記式(1’)において、a=0.97、b=−0.97、c=0.696、d=1.304とした式(6’):
S={0.97Tv−0.97Tt)}/{0.696Tv+1.304Tt)} ・・・(6’)
によって求めたものである。
図31の0.93THz付近に現れる正のピークは、被測定物の特性を示すものであり、例えば、予め様々な被測定物量に対してS(ν)を測定し、S(ν)のピーク値を求めて検量線を得ておき、実際の本測定結果における値を検量線と比較することにより、被測定物量を算出することができる。
実施例5の差スペクトルS(図31)と上記比較例1の差スペクトルSOLD(図17)を比較するために、両スペクトルを併せて図32に示す。図32に示されるように、実施例5の差スペクトルSと比較例1の差スペクトルSOLDにおいては、共に0.93THz付近に正のピーク波形が現れており、実施例5で得た差スペクトルSにおいても従来法(比較例1)で得た差スペクトルSOLDと同様に被測定物の測定が可能であり、実施例5のピーク値は比較例1のピーク値より高くなっていることが分かる。
(実施例6)
誘電体フィルムの厚さを5、10、20μmとした以外は、実施例5と同様にして、電磁界シミュレーターMicroStripes(CST社製)を用いて周波数特性のシミュレーション計算を行った。
図33に、各厚み(5、10、20μm)の誘電体フィルムを用いた場合について、TtおよびTvの計算結果を示す。図33においては、誘電体フィルムの厚さが5μmのときのTtおよびTvをTt05およびTv05とし、誘電体フィルムの厚みが10μmのときのTtおよびTvをTt10およびTv10とし、誘電体フィルムの厚みが20μmのときのTtおよびTvをTt20およびTv20として示す。
さらに、図33において、各厚さ(5、10、20μm)の誘電体フィルムを用いた場合おけるTtとTvの差スペクトル(図33に示すTt05とTv05、Tt10とTv10、Tt20とTv20の各々の差スペクトルS)を図34に示す。各々の差スペクトルSは、上記式(6’)によって求めたものである。図34より、誘電体フィルムの厚み(被測定物の量)に応じて、横軸の周波数に対するピークの位置や、ピークの値が変化していることが分かる。
さらに、図34の誘電体フィルムの厚みを横軸に、図34の差スペクトルにおけるピーク値およびピーク周波数の2種類を縦軸にプロットしたグラフを図35に示す。図35より、誘電体フィルムの厚み(被測定物の量)と差スペクトルのピーク値との関係、または、誘電体フィルムの厚み(被測定物の量)と差スペクトルのピーク周波数との関係から、被測定物の量を求めるための検量線が得られることが分かる。
(実施例7)
誘電体フィルムの誘電正接を0.01とし、厚さを0(フィルムなし)、100、200、300nmとした以外は、実施例5と同様にして、電磁界シミュレーターMicroStripes(CST社製)を用いて周波数特性のシミュレーション計算を行った。
ただし、金属メッシュとして、図22に示す様な各々の空隙部に突起を有するものをモデルとした。該金属メッシュの格子間隔(図2(b)のs)は26μm、厚みは6μmとし、全体の形状は0.13mm四方の板状体とした。また、図12に示されるポート31と金属メッシュ1の重心との距離は23μmとし、また、ポート32と金属メッシュ1の重心との距離は23μmとした。両ポート31および32は、0.13mm四方の主面を有する厚さ6μmの板状体とした。
図36に、各厚み(0、100、200、300nm)の誘電体フィルムを用いた場合について、TtおよびTvの計算結果を示す。図36においては、誘電体フィルムの厚さが0nmのとき(誘電体フィルムを配しない場合)のTtおよびTvをTt0およびTv0とし、誘電体フィルムの厚さが100nmのときのTtおよびTvをTt100およびTv100とし、誘電体フィルムの厚みが200nmのときのTtおよびTvをTt200およびTv200とし、誘電体フィルムの厚みが300nmのときのTtおよびTvをTt300およびTv300として示す。
さらに、図36において、各厚さ(0、100、200、300nm)の誘電体フィルムを用いた場合におけるTtとTvの差スペクトルを図37に示す。各々の差スペクトルSは上記式(6’)によって求めたものである。図37より、誘電体フィルムの厚み(被測定物の量)に応じて、横軸の周波数に対するピークの位置や、ピークの値が変化していることが分かる。
さらに、図37の誘電体フィルムの厚みを横軸に、図37の差スペクトルにおけるピーク値およびピーク周波数の2種類を縦軸にプロットしたグラフを図38に示す。図38より、誘電体フィルムの厚み(被測定物の量)と差スペクトルのピーク値との関係、または、誘電体フィルムの厚み(被測定物の量)と差スペクトルのピーク周波数との関係から、被測定物の量を求めるための検量線が得られることが分かる。
(実施例8)
本実施例では、金属メッシュの寸法(孔サイズ)のばらつきによる測定への影響を調べるためのシミュレーション計算を行った。
金属メッシュの孔サイズ(図2(b)のd)を180μmのもの(金属メッシュ−1)と、184μmのもの(金属メッシュ−2)の2種類とした以外は、実施例5と同様にして、電磁界シミュレーターMicroStripes(CST社製)を用いて周波数特性のシミュレーション計算を行った。なお、金属メッシュ−1に対して金属メッシュ−2の孔サイズは2.2%異なっている計算になる。
図39に、金属メッシュ−1(孔サイズ:180μm)、金属メッシュ−2(孔サイズ:184μm)の各々を用いた場合における、TtおよびTvの計算結果を示す。図39においては、金属メッシュの孔サイズが180μmのときのTtおよびTvをTt1およびTv1とし、金属メッシュの孔サイズが184μmのときのTtおよびTvをTt2およびTv2として示している。
図39における比較において、被測定物(誘電体フィルム)は同じであっても、金属メッシュ自身の周波数特性(孔サイズの大きさ)の違いによって、被測定物を付与した場合の周波数特性は異なることが分かる。このような金属メッシュの孔サイズの変化は金属メッシュの作製工程において誤差として生じる可能性があり、このような孔サイズの誤差が測定の誤差につながる可能性が示唆される。しかし、差スペクトルSを求めることにより、このような孔サイズなどの金属メッシュ自体の誤差に起因した測定誤差が生じる問題は解決する。
図39において、金属メッシュ−1および金属メッシュ−2を用いた場合におけるTtとTvの差スペクトルSを図40に示す。差スペクトルSは上記式(6’)によって求めた。図40に示すように、被測定物が同じものである場合、金属メッシュ自体の周波数特性(孔サイズの大きさ)が異なっていても、差スペクトルSはピークの周波数が変化するだけでピークの値は同じ値となることが分かる。
これに対して、従来の測定方法である上記比較例2においては、図29に示されるように、被測定物は同じであっても、空隙配置構造体自体の周波数特性(孔サイズの大きさなど)の違いによって、被測定物を付与した場合の周波数特性が異なるものとなってしまう。したがって、本発明の測定方法においては、空隙配置構造体の製造工程において生じる誤差等による空隙配置構造体自体の周波数特性のばらつき(例えば、孔サイズ、格子間隔、厚さ、全体形状のばらつき)の影響を排除出来ることが分かる。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 空隙配置構造体、10a 主面、10b 側面、11 空隙部、11a 空隙部側面、12 回転軸、2 測定装置、21 電磁波照射部、22 検出部、23 照射制御部、24 解析処理部、25 表示部、31,32 ポート。

Claims (21)

  1. 主面に垂直な方向に貫通した少なくとも2つの空隙部(11)を有する空隙配置構造体(1)に、被測定物を保持し、
    前記被測定物が保持された空隙配置構造体(1)に電磁波を照射して、前記空隙配置構造体(1)を透過した電磁波の周波数特性を検出することにより、被測定物の特性を測定する測定方法であって、
    前記空隙配置構造体(1)は、前記空隙部(11)が前記空隙配置構造体(1)の主面上の少なくとも一方向に周期的に配列された格子状構造を有し、
    前記周波数特性として、第1の周波数特性および第2の周波数特性が検出され、
    前記第1の周波数特性においてはディップ波形が出現し、
    前記第2の周波数特性においてはディップ波形が出現しないか、あるいは、第1の周波数特性におけるディップ波形の深さよりも小さい深さを有するディップ波形が出現し、
    前記第1の周波数特性と前記第2の周波数特性との関係に基づいて、被測定物の特性を測定することを特徴とする測定方法。
  2. 前記第1の周波数特性および前記第2の周波数特性から、下記式(1)により求められる差スペクトルSを用いて被測定物の特性を測定する、請求の範囲第1項に記載の測定方法。
    Figure 0005218679
    (式(1)中、Tyは第1の周波数特性における電磁波の透過率、Txは第2の周波数特性における電磁波の透過率、a〜dは各々独立の定数である。)
  3. 前記差スペクトルSの特定のピーク値を、予め様々な量の被測定物を測定して得られた差スペクトルSの特定のピーク値を基に作成した検量線と比較することにより、被測定物の量を算出する、請求の範囲第2項に記載の測定方法。
  4. 前記第1の周波数特性に出現するディップ波形は、前記空隙配置構造体(1)のTE11モード様共振により生じたものである、請求の範囲第1項に記載の測定方法。
  5. 前記電磁波が直線偏光の電磁波であり、
    前記空隙配置構造体(1)の主面が前記電磁波の偏光方向と平行とならない位置にある場合において、前記空隙配置構造体(1)を透過した前記電磁波の周波数特性を前記第1の周波数特性として検出し、
    前記空隙配置構造体(1)の主面が前記電磁波の偏光方向と平行となる位置にある場合において、前記空隙配置構造体(1)を透過した前記電磁波の周波数特性を前記第2の周波数特性として検出する、請求の範囲第1項に記載の測定方法。
  6. 前記空隙配置構造体(1)に、直線偏光の電磁波である第1の電磁波および第2の電磁波を互いに偏光方向が異なるように照射し、
    前記空隙配置構造体(1)を透過した第1の電磁波の周波数特性を前記第1の周波数特性として検出し、前記空隙配置構造体(1)を透過した第2の電磁波の周波数特性を前記第2の周波数特性として検出する、請求の範囲第1項に記載の測定方法。
  7. 前記第1の電磁波および前記第2の電磁波は、
    前記第1の電磁波の進行方向と前記第2の電磁波の進行方向が同じであり、
    第1の電磁波の偏光方向が、前記進行方向に垂直な1つの方向であり、
    第2の電磁波の偏光方向が、前記進行方向および前記第1の電磁波の偏光方向の両者に対して垂直な方向となるように、
    空隙配置構造体(1)に照射される、請求の範囲第6項に記載の測定方法。
  8. 前記空隙配置構造体(1)は、前記空隙部(11)が縦横に正方格子状に周期的に配列されたものであり、
    前記空隙配置構造体(1)は、前記進行方向に垂直な平面に投影したときに、前記空隙部(11)の縦横の配列方向の一方が前記第1の電磁波の偏光方向と一致し、他方が前記第2の電磁波の偏光方向と一致するように配置される、請求の範囲第7項に記載の測定方法。
  9. 前記空隙配置構造体(1)は、その主面が前記進行方向に対して垂直となる位置から、前記空隙配置構造体(1)の重心を通り前記第2の電磁波の偏光方向と平行な軸を回転軸(12)として一定角度回転させて配置される、請求の範囲第7項に記載の測定方法。
  10. 前記空隙配置構造体(1)に、前記空隙配置構造体(1)の主面に対して所定の第1の方向から電磁波を照射したときの、前記空隙配置構造体(1)の周波数特性を前記第1の周波数特性として検出し、
    前記空隙配置構造体(1)に、前記空隙配置構造体(1)の主面に対して前記第1の方向と異なる第2の方向から電磁波を照射したときの、前記空隙配置構造体(1)の周波数特性を前記第2の周波数特性として検出する、請求の範囲第1項に記載の測定方法。
  11. 前記第2の方向は、前記空隙配置構造体(1)の主面に対して垂直な方向である、請求の範囲第10項に記載の測定方法。
  12. 前記第1の方向から照射される電磁波および前記第2の方向から照射される電磁波は、直線偏光の電磁波である、請求の範囲第10項に記載の測定方法。
  13. 前記空隙配置構造体(1)は、前記空隙部(11)が縦横の配列方向に正方格子状に周期的に配列されたものであり、
    前記第1の周波数特性が検出される際に、前記空隙配置構造体(1)が、その主面が電磁波の進行方向と垂直となる配置から、前記電磁波の偏光方向と平行でない所定の回転軸(12)を中心に所定の角度で回転された状態で、且つ、前記空隙配置構造体(1)を前記電磁波の進行方向に垂直な平面に投影したときに、前記空隙部(11)の縦横の配列方向の一方が前記電磁波の偏光方向と一致する状態で配置される、請求の範囲第12項に記載の測定方法。
  14. 請求の範囲第7項に記載の測定方法に用いられる測定装置。
  15. 前記空隙配置構造体(1)に互いに偏光方向が異なる前記第1の電磁波および前記第2の電磁波を照射するための電磁波照射部(21)を有する、請求の範囲第14項に記載の測定装置。
  16. 前記電磁波照射部(21)は、前記第1の電磁波および前記第2の電磁波を照射するために、直線偏光の電磁波の偏光状態を2つの異なった偏光状態に変調することのできる偏光変調部を備える、請求の範囲第14項に記載の測定装置。
  17. 請求の範囲第11項に記載の測定方法に用いられる測定装置。
  18. 前記空隙配置構造体(1)の位置を制御することのできる位置制御機構を備える、請求の範囲第17項に記載の測定装置。
  19. 前記位置制御機構は回転機能を有する、請求の範囲第18項に記載の測定装置。
  20. 前記被測定物が保持された空隙配置構造体(1)に電磁波を照射するための電磁波照射部(21)、および、
    該電磁波照射部(21)から照射された電磁波を、前記第1の周波数特性を得るための第1の電磁波と、前記第2の周波数特性を得るための第2の電磁波とに分波することのできる分波器を備える、請求の範囲第17項に記載の測定装置。
  21. 複数の光源、および/または、複数の検出器を備える、請求の範囲第17項に記載の測定装置。
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