JP5217633B2 - 高分子化合物の製造方法 - Google Patents
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- Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)
Description
X1−C(A1)=C(A2)−X2 (1)
〔式中、A1及びA2は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基又は1価の芳香族アミン残基を表す。X1及びX2は、トリアルキルスタニル基を表す。〕
Y1−Ar1−Y2 (2)
〔式中、Ar1は、アリーレン基、2価の複素環基又は2価の芳香族アミン残基を表す。Y1及びY2は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキルスルホネート基、アリールスルホネート基又はアリールアルキルスルホネート基を表す。〕
式(2M)で表される化合物、式(3M)で表される化合物、パラジウム触媒及び塩基を該有機溶媒中に加え、該反応生成物と、式(2M)で表される化合物と、式(3M)で表される化合物とを反応させて高分子化合物を製造する第2の工程を有し、
Y3−Ar2−Y4 (2M)
〔式中、Ar2は、アリーレン基、2価の複素環基又は2価の芳香族アミン基を表す。Y3及びY4は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキルスルホネート基、アリールスルホネート基又はアリールアルキルスルホネート基を表す。〕
Y5−Ar3−Y6 (3M)
〔式中、Ar3は、アリーレン基、2価の複素環基又は2価の芳香族アミン基を表す。Y5及びY6は、それぞれ独立に、ホウ酸残基又はホウ酸エステル残基を表す。〕
該高分子化合物が式(3a)で表される繰り返し単位及び式(3pa)で表される繰り返し単位を含む、高分子化合物の製造方法を提供する。
−C(A1)=C(A2)−Ar1− (3a)
〔式中、Ar1、A1及びA2は、前記と同じ意味を有する。〕
−Ar2−Ar3− (3pa)
〔式中、Ar2、Ar3は、前記と同じ意味を有する。〕
第2の工程に用いる式(2M)で表される化合物の合計が1モルである場合、式(3M)で表される化合物は、0.7〜1.3モルであることが好ましく、より好ましくは0.8〜1.2モルであり、さらに好ましくは、0.9〜1.1モルである。
前記式(1)において、A1、A2は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基又は1価の芳香族アミン残基を表す。式(1)で表される化合物の合成の容易さの観点からは、水素原子、アルキル基、アリール基が好ましく、水素原子がより好ましい。
C1〜C12アルキルフェニル基としては、例えば、メチル置換フェニル基、エチル置換フェニル基、プロピル置換フェニル基、i−プロピル置換フェニル基、ブチル置換フェニル基、i−ブチル置換フェニル基、s−ブチル置換フェニル基、t−ブチル置換フェニル基、ペンチル置換フェニル基、ヘキシル置換フェニル基、シクロヘキシル置換フェニル基、ヘプチル置換フェニル基、オクチル置換フェニル基、2−エチルヘキシル置換フェニル基、ノニル置換フェニル基、デシル置換フェニル基、3,7−ジメチルオクチル置換フェニル基、ラウリル置換フェニル基、トリフルオロメチル置換フェニル基、ペンタフルオロエチル置換フェニル基、パーフルオロブチル置換フェニル基、パーフルオロヘキシル置換フェニル基、パーフルオロオクチル置換フェニル基等が挙げられ、中でも、高分子化合物の溶媒への溶解性の観点からは、ブチル置換フェニル基、i−ブチル置換フェニル基、t−ブチル置換フェニル基、ヘキシル置換フェニル基、ヘプチル置換フェニル基、オクチル置換フェニル基、2−エチルヘキシル置換フェニル基、ノニル置換フェニル基、デシル置換フェニル基、3,7−ジメチルオクチル置換フェニル基が好ましい。これらのC1〜C12アルキルフェニル基は、さらに置換基を有していてもよい。
C1〜C12アルコキシフェニル基としては、例えば、メトキシ置換フェニル基、エトキシ置換フェニル基、プロピルオキシ置換フェニル基、i−プロピルオキシ置換フェニル基、ブトキシ置換フェニル基、i−ブトキシ置換フェニル基、s−ブトキシ置換フェニル基、t−ブトキシ置換フェニル基、ペンチルオキシ置換フェニル基、ヘキシルオキシ置換フェニル基、シクロヘキシルオキシ置換フェニル基、ヘプチルオキシ置換フェニル基、オクチルオキシ置換フェニル基、2−エチルヘキシルオキシ置換フェニル基、ノニルオキシ置換フェニル基、デシルオキシ置換フェニル基、3,7−ジメチルオクチルオキシ置換フェニル基、ラウリルオキシ置換フェニル基、トリフルオロメトキシ置換フェニル基、ペンタフルオロエトキシ置換フェニル基、パーフルオロブトキシ置換フェニル基、パーフルオロヘキシルオキシ置換フェニル基、パーフルオロオクチルオキシ置換フェニル基、メトキシメチルオキシ置換フェニル基、2−メトキシエチルオキシ置換フェニル基等が挙げられ、中でも、高分子化合物の溶媒への溶解性の観点からは、ブトキシ置換フェニル基、i−ブトキシ置換フェニル基、t−ブトキシ置換フェニル基、ペンチルオキシ置換フェニル基、ヘキシルオキシ置換フェニル基、ヘプチルオキシ置換フェニル基、オクチルオキシ置換フェニル基、2−エチルヘキシルオキシ置換フェニル基、ノニルオキシ置換フェニル基、デシルオキシ置換フェニル基、3,7−ジメチルオクチルオキシ置換フェニル基、ラウリルオキシ置換フェニル基が好ましい。これらのC1〜C12アルコキシフェニル基は、さらに置換基を有していてもよい。
前記式(2)において、Ar1は、アリーレン基、2価の複素環基又は2価の芳香族アミン基を表す。
C1〜C12アルキルフェニル基としては、例えば、メチル置換フェニル基、エチル置換フェニル基、プロピル置換フェニル基、i−プロピル置換フェニル基、ブチル置換フェニル基、i−ブチル置換フェニル基、s−ブチル置換フェニル基、t−ブチル置換フェニル基、ペンチル置換フェニル基、ヘキシル置換フェニル基、シクロヘキシル置換フェニル基、ヘプチル置換フェニル基、オクチル置換フェニル基、2−エチルヘキシル置換フェニル基、ノニル置換フェニル基、デシル置換フェニル基、3,7−ジメチルオクチル置換フェニル基、ラウリル置換フェニル基、トリフルオロメチル置換フェニル基、ペンタフルオロエチル置換フェニル基、パーフルオロブチル置換フェニル基、パーフルオロヘキシル置換フェニル基、パーフルオロオクチル置換フェニル基等が挙げられ、中でも、高分子化合物の溶媒への溶解性の観点からは、ブチル置換フェニル基、i−ブチル置換フェニル基、t−ブチル置換フェニル基、ヘキシル置換フェニル基、ヘプチル置換フェニル基、オクチル置換フェニル基、2−エチルヘキシル置換フェニル基、ノニル置換フェニル基、デシル置換フェニル基、3,7−ジメチルオクチル置換フェニル基が好ましい。これらのC1〜C12アルキルフェニル基は、さらに置換基を有していてもよい。
C1〜C12アルコキシフェニル基としては、例えば、メトキシ置換フェニル基、エトキシ置換フェニル基、プロピルオキシ置換フェニル基、i−プロピルオキシ置換フェニル基、ブトキシ置換フェニル基、i−ブトキシ置換フェニル基、s−ブトキシ置換フェニル基、t−ブトキシ置換フェニル基、ペンチルオキシ置換フェニル基、ヘキシルオキシ置換フェニル基、シクロヘキシルオキシ置換フェニル基、ヘプチルオキシ置換フェニル基、オクチルオキシ置換フェニル基、2−エチルヘキシルオキシ置換フェニル基、ノニルオキシ置換フェニル基、デシルオキシ置換フェニル基、3,7−ジメチルオクチルオキシ置換フェニル基、ラウリルオキシ置換フェニル基、トリフルオロメトキシ置換フェニル基、ペンタフルオロエトキシ置換フェニル基、パーフルオロブトキシ置換フェニル基、パーフルオロヘキシルオキシ置換フェニル基、パーフルオロオクチルオキシ置換フェニル基、メトキシメチルオキシ置換フェニル基、2−メトキシエチルオキシ置換フェニル基等が挙げられ、中でも、高分子化合物の溶媒への溶解性の観点からは、ブトキシ置換フェニル基、i−ブトキシ置換フェニル基、t−ブトキシ置換フェニル基、ペンチルオキシ置換フェニル基、ヘキシルオキシ置換フェニル基、ヘプチルオキシ置換フェニル基、オクチルオキシ置換フェニル基、2−エチルヘキシルオキシ置換フェニル基、ノニルオキシ置換フェニル基、デシルオキシ置換フェニル基、3,7−ジメチルオクチルオキシ置換フェニル基、ラウリルオキシ置換フェニル基が好ましい。これらのC1〜C12アルコキシフェニル基は、さらに置換基を有していてもよい。
(式中、R’は、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜60のアリール基、又は炭素数4〜60の1価の複素環基を表す。R’が複数存在する場合には、それらは同一であっても異なっていてもよい。)
〔式中、A環及びB環は、それぞれ独立に、芳香族炭化水素環を表す。2つの結合手は、それぞれA環又はB環上に存在し、Rw及びRxは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アリールアミノ基、1価の複素環基、アシル基、置換カルボキシル基又はシアノ基を表し、RwとRxは互いに結合して環を形成していてもよい。A環及びB環は、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アリールアミノ基、1価の複素環基、アシル基、アシルオキシ基、置換カルボキシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる1個以上の置換基を有していてもよい。置換基が複数ある場合、それらは同一であっても異なっていてもよい〕
〔式(2A)〜(2D)中、Rgは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アリールアミノ基、1価の複素環基、アシル基、置換カルボキシル基又はシアノ基を表し、2個のRgは互いに結合して環を形成していてもよい。〕
〔式中、Rs及びRtは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アリールアミノ基、1価の複素環基、アシル基、置換カルボキシル基又はシアノ基を表し、RsとRtは互いに結合して環を形成していてもよい。〕
〔式中、Rf1、Rg1は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アリールアミノ基、1価の複素環基、アシル基、置換カルボキシル基又はシアノ基を表し、Rf1、Rg1は、互いに結合して環を形成していてもよい。〕
〔式中、Rf2、Rg2、Rf3、Rg3は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アリールアミノ基、1価の複素環基、アシル基、置換カルボキシル基又はシアノ基を表し、Rf2とRg2は互いに結合して環を形成していてもよい。Rf3とRg3は互いに結合して環を形成していてもよい。〕
ピリジン−ジイル基(下式39〜44)、ジアザフェニレン基(下式45〜48)、キノリンジイル基(下式49〜63)、キノキサリンジイル基(下式64〜68)、アクリジンジイル基(下式69〜72)、ビピリジルジイル基(下式73〜75)、フェナントロリンジイル基(下式76〜78)等。
b)ヘテロ原子として、けい素、窒素、酸素、硫黄、セレン等の原子を含むフルオレン構造(即ち、フルオレン環中の5員環を構成する炭素原子の1個が、けい素、窒素、酸素、硫黄、セレン等の原子又はこれらの原子を含む基で置換されてなる構造)を有する基(下式79〜93)。
c)ヘテロ原子として、けい素、窒素、酸素、硫黄、セレン等の原子を含む5員環複素環基(下式94〜98)。
d)ヘテロ原子として、けい素、窒素、酸素、硫黄、セレン等の原子を含む5員環縮合複素環基(下式99〜108)。
e)ヘテロ原子として硫黄等を含む5員環複素環基でそのヘテロ原子のα位で結合し2量体やオリゴマーになっている基(下式109〜110)。
f)ヘテロ原子として、けい素、窒素、酸素、硫黄、セレン等の原子を含む5員環複素環基でそのヘテロ原子のα位でフェニル基に結合している基(下式111〜117)。
g)ヘテロ原子として、窒素、硫黄等の原子を含む複素環基でそのベンゼン環のパラ位でチエニル基に結合している基(下式150)。
〔式中、C環及びD環は、それぞれ独立に芳香環を表す。C環及びD環は、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アリールアミノ基、1価の複素環基、アシル基、アシルオキシ基、置換カルボキシル基又はシアノ基からなる群から選ばれる1個以上の置換基を有していてもよい。さらに、置換基が複数ある場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。Eは、酸素原子又は硫黄原子を表す。〕
〔式中、Rf4、Rg4は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アリールアミノ基、1価の複素環基、アシル基、置換カルボキシル基又はシアノ基を表し、Rf4とRg4は、互いに結合して環を形成していてもよい。〕
〔式中、Yは、酸素原子又は硫黄原子を表す。Rj及びRkは、それぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基又はアリール基を表す。〕
〔式中、Ra、Rb、Rc及びRdは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はアリール基を表す。m’及びn’は、それぞれ独立に、1又は2である。Raが複数個存在する場合、それらは同一でも相異なっていてもよく、Rbが複数個存在する場合、それらは同一でも相異なっていてもよく、Rcが複数個存在する場合、それらは同一でも相異なっていてもよく、Rdが複数個存在する場合、それらは同一でも相異なっていてもよい。〕
〔式中、Ar6及びAr8はそれぞれ独立に、アリーレン基、式(4)で表される基又は式(5)で表される基を表し、Ar7は、アリール基、式(6)で表される基又は式(7)で表される基を表す。Ar6に含まれる炭素原子とAr7に含まれる炭素原子とが直接結合又は酸素原子若しくは硫黄原子を介して結合してもよい。Ar6に含まれる炭素原子とAr8に含まれる炭素原子とが直接結合又は酸素原子若しくは硫黄原子を介して結合してもよい。Ar7に含まれる炭素原子とAr8に含まれる炭素原子とが直接結合又は酸素原子若しくは硫黄原子を介して結合してもよい。
〔式中、Ar9及びAr10は、アリーレン基を表し、R9及びR10は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基又はシアノ基を表す。〕
〔式中、Ar11及びAr12は、アリーレン基を表し、Ar13は、アリール基を表す。Ar11に含まれる炭素原子とAr13に含まれる炭素原子とが直接結合又は酸素原子若しくは硫黄原子を介して結合してもよい。Ar11に含まれる炭素原子とAr12に含まれる炭素原子とが直接結合又は酸素原子若しくは硫黄原子を介して結合してもよい。Ar12に含まれる炭素原子とAr13に含まれる炭素原子とが直接結合又は酸素原子若しくは硫黄原子を介して結合してもよい。〕
〔式中、Ar14は、アリーレン基を表し、Ar17及びAr18は、アリール基を表し、Ar14に含まれる炭素原子とAr17に含まれる炭素原子とが直接結合又は酸素原子若しくは硫黄原子を介して結合してもよい。Ar14に含まれる炭素原子とAr18に含まれる炭素原子とが直接結合又は酸素原子若しくは硫黄原子を介して結合してもよい。Ar17に含まれる炭素原子とAr18に含まれる炭素原子とが直接結合又は酸素原子若しくは硫黄原子を介して結合してもよい。〕
〔式中、Ar15は、アリーレン基を表し、Ar16は、アリール基を表し、R11及びR12は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基又はシアノ基を表す。〕
〔式中、Rf5、Rg5は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アリールアミノ基、1価の複素環基、アシル基、置換カルボキシル基又はシアノ基を表し、Rf5とRg5は、互いに結合して環を形成していてもよい。Ra1、Ra2、Ra3、Rb1、Rb2、Rb3は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1から20のアルキル基又は炭素数1から20のアルコキシ基を表す。〕
(式中、Rbはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アリールアミノ基、1価の複素環基、アシル基、アシルオキシ基、置換カルボキシル基又はシアノ基を表す)
式(2M)において、Ar2は、Ar1と同様の基である。Y3及びY4は、それぞれ独立に、Y1、Y2と同様の基である。Ar2がアリーレン基である場合、得られる高分子化合物の有機溶媒に対する溶解性の観点からは、式(60)で表される基が好ましく、中でも、式(2M)で表される化合物の合成の容易さの観点からは、式(2A)〜(2D)で表される基が好ましい。得られる高分子化合物の有機溶媒に対する溶解性の観点からは、式(2A)で表わされる基のうち、式(65)で表される基が好ましい。得られる高分子化合物の耐熱性の観点からは、式(2C)で表わされる基のうち、式(70)で表される基が好ましい。また、得られる高分子化合物の耐熱性や発光波長の短波長化の観点からは、アリーレン基のうち、式(80)で表される基が好ましい。
式(3M)において、Ar3は、Ar1と同様の基である。Ar3がアリーレン基である場合、得られる高分子化合物の有機溶媒に対する溶解性の観点からは、式(60)で表される基が好ましく、中でも、式(3M)で表される化合物の合成の容易さの観点からは、式(2A)〜(2D)で表される基が好ましい。得られる高分子化合物の有機溶媒に対する溶解性の観点からは、式(2A)で表わされる基のうち、式(65)で表される基が好ましい。得られる高分子化合物の耐熱性の観点からは、式(2C)で表わされる基のうち、式(70)で表される基が好ましい。また、得られる高分子化合物の耐熱性や発光波長の短波長化の観点からは、アリーレン基のうち、式(80)で表される基が好ましい。
本発明の製造方法は、式(1)で表される化合物と、式(2)で表される化合物とを、パラジウム触媒存在下、有機溶媒中で反応させて反応生成物を製造する第1の工程を有する。次に、式(2M)で表される化合物、式(3M)で表される化合物、パラジウム触媒及び塩基を該有機溶媒中に加え、該反応生成物と、式(2M)で表される化合物と、式(3M)で表される化合物とを反応させて高分子化合物を製造する第2の工程を有する。第1の工程においてトリアルキルスタニル基を有する化合物を用い、第2の工程においてホウ酸残基又はホウ酸エステル残基を有する化合物を用いるため、得られる高分子化合物の分子量が高くなる。第2の工程において、該有機溶媒に水を加え、有機溶媒/水の二相系で反応させてもよい。第2の工程において、予め式(2M)で表される化合物と、式(3M)で表される化合物とを、パラジウム触媒及び塩基の存在下、有機溶媒中、又は、有機溶媒/水の二相系で反応させ、その後、得られた反応物を第1の工程で反応させた反応生成物を含む有機溶媒中に加えて反応してもよい。
本発明の製造方法で用いるパラジウム触媒としては、例えば、Pd(0)触媒、Pd(II)触媒、パラジウム[テトラキス(トリフェニルホスフィン)]、パラジウムアセテート類、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)等が挙げられるが、反応(重合)操作の容易さ、反応(重合)速度の観点からは、パラジウムアセテート類(酢酸パラジウム(II)等)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)が好ましい。
本発明の製造方法で用いる塩基は、無機塩基、有機塩基、無機塩等が挙げられる。無機塩基としては、例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化バリウム等が挙げられる。有機塩基としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン等が挙げられる。無機塩としては、例えば、フッ化セシウム等が挙げられる。
パラジウム触媒としてパラジウムアセテート類を用いる場合は、例えば、トリフェニルホスフィン、トリス(o−トリル)ホスフィン、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン等のリン化合物を配位子として添加することができる。この場合、配位子の添加量は、パラジウム触媒1モルに対して、0.5モル〜100モルであることが好ましく、より好ましくは0.9モル〜20モルであり、さらに好ましくは1モル〜10モルである。
ポリ(アリーレンビニレン)高分子化合物の溶解性の観点からは、トルエン、テトラヒドロフランが好ましい。また、塩基は、水溶液として加え、2相系で反応させてもよい。塩基として無機塩を用いる場合は、無機塩の溶解性の観点から、通常、水溶液として加え、2相系で反応させる。
なお、塩基を水溶液として加え、2相系で反応させる場合は、必要に応じて、第4級アンモニウム塩などの相間移動触媒を加えてもよい。
第1の工程及び第2の工程において、反応を行う温度は、前記溶媒にもよるが、50〜160℃程度であることが好ましく、高分子化合物の高分子量化の観点から、60〜120℃がより好ましい。また、溶媒の沸点近くまで昇温し、還流させてもよい。
次に、予め別の(不活性ガス置換)容器に用意しておいた、式(2M)で表される化合物、式(3M)で表される化合物を含む溶液を該反応溶液に加えた後、該反応溶液に、あらかじめ窒素ガスでバブリングすることにより脱気した塩基、例えば、炭酸ナトリウム水溶液を滴下した後、加熱、昇温し、例えば、還流温度で8時間、不活性雰囲気を保持しながら重合する。
[ここで、R100,R101は、炭素数1から20のアルキル基を表わす。]
で表される1種類以上の化合物を選択し、式(2)で表される化合物として、下記式:
で表される1種類以上の化合物を選択し、これらを、パラジウム触媒、例えば、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)触媒の存在下、トルエン(脱水溶媒)中で、95℃で、1〜30時間、不活性雰囲気下で反応させた後、式(2M)で表される化合物として、下記式:
で表される1種類以上の化合物と、前記式(3M)で表される化合物として、下記式:
で表される1種類以上の化合物を選択し、これらを、パラジウム触媒、例えば、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)触媒の存在下、炭酸ナトリウム等の塩基を10〜20重量%水溶液として、式(2M)で表される化合物1モルに対して1〜20モル加えたトルエン/水の2相系(必要に応じて相間移動触媒を加える)で、還流温度で、1〜30時間、不活性雰囲気下で反応させることにより、式(3a)で表される化合物として、下記式:
で表される繰り返し単位を少なくとも1種類と、式(3pa)で表される化合物として、下記式:
で表される繰り返し単位を少なくとも1種類とを含む、ポリスチレン換算の数平均分子量が1×103から1×108である高分子化合物を製造する方法が挙げられる。
本発明の製造方法により得られる、式(3a)で表される繰り返し単位及び式(3pa)で表される繰り返し単位を含む高分子化合物としては、下記式:
で表される繰り返し単位を少なくとも1種類と、下記式:
で表される繰り返し単位を少なくとも1種類とを含む高分子化合物が挙げられる。
この場合、式(1)で表される化合物と式(3M)で表される化合物との合計(合計1−3M)と、式(2)で表される化合物と式(2M)で表される化合物との合計(合計2−2M)の割合が、それぞれの化合物の種類にもよるが、(合計1−3M)モル/(合計2−2M)モル=1.2〜0.8であることが好ましく、より好ましくは1.1〜0.9であり、さらに好ましくは1.05〜0.95である。
本発明の製造方法により、ポリ(アリーレンビニレン)高分子化合物等の高分子量化合物を容易に製造することができる。こうして得られる高分子化合物は、例えば、有機エレクトロルミネッセンスの発光材料、光学材料、薄膜、有機半導体(有機トランジスタ等)、太陽電池等の材料として有用である。そのため、高分子発光素子、セグメント表示装置、ドットマトリックス表示装置、液晶表示装置のバックライト、有機トランジスタ、太陽電池等に好適に用いることができる。
(高分子化合物1の合成)
下記式:
で表される単量体(1)0.993gと、
下記式:
で表される単量体(2){トランス−1、2−ビス(トリ−n−ブチルスタニル)エチレン(東京化成工業)}1.067gと、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II) 51.1mgとを反応容器に仕込み、反応容器内をアルゴンガスで十分置換した。この反応容器に、予めアルゴンガスをバブリングして脱気したトルエン(脱水溶媒) 40mlを加えた。次に、昇温し、95℃で8時間反応し、反応溶液(1−1)を得た。なお、反応はアルゴンガス雰囲気下で行った。
次に、反応溶液(1−1)を室温付近まで冷却した後、反応溶液(1−1)に、予め別のアルゴンガスで置換した容器に用意しておいた溶液(S1)を加え、反応溶液(1−2)を得た。
アルゴンガスで置換した容器に、下記式:
で表される単量体(3)1.061gと、下記式:
で表わされる単量体(4)0.609gと、メチルトリオクチルアンモニウムクロライド(商品名:aliquat336、Aldrich製、CH3N[(CH2)7CH3]3Cl、density 0.884g/ml,25℃)0.52gとを仕込み、容器内をアルゴンガスで十分置換した後、予めアルゴンガスでバブリングして脱気したトルエン 20mlを加え、溶解し、溶液(S1)を得た。
次に、反応溶液(1−3)を冷却した後、反応溶液(1−3)に、フェニルホウ酸0.2g/テトラヒドロフラン1.0ml混合溶液を加え、3時間還流し、反応溶液(1−4)を得た。なお、反応は、アルゴンガス雰囲気下で行った。
反応終了後、反応溶液(1−4)を室温付近まで冷却した後、反応溶液(1−4)にトルエン20mlを加えた後に静置し、分液したトルエン層を回収した。次に、得られたトルエン層をメタノール溶液中に注ぎ込み、再沈し、生成した沈殿を回収した。この沈殿を減圧乾燥した後、トルエンに溶解させた。得られたトルエン溶液をろ過して不溶物を除去した後、トルエン溶液をアルミナカラムに通して精製した。次に、精製したトルエン溶液を減圧濃縮した後、メタノール溶液中に注ぎ込み、再沈し、生成した沈殿を回収した。この沈殿をメタノールで洗浄した後、減圧乾燥して、重合体(以下、この重合体を「高分子化合物1」という)0.26gを得た。高分子化合物1のポリスチレン換算の重量平均分子量は1.7×104であり、ポリスチレン換算の数平均分子量は6.2×103であった。
得られた高分子化合物(1)は、下記のような繰り返し単位を含むものであることが、仕込みから推定できる。
(高分子化合物2の合成)
下記式:
で表される単量体(5)0.706gと、前記単量体(2){トランス−1、2−ビス(トリ−n−ブチルスタニル)エチレン(東京化成工業)}0.475gと、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II) 30mgとを反応容器に仕込み、反応容器内をアルゴンガスで十分置換した。この反応容器に、予めアルゴンガスをバブリングして脱気したトルエン(脱水溶媒) 45mlを加えた。次に、昇温し、100℃で10時間反応し、反応溶液(2−1)を得た。なお、反応はアルゴンガス雰囲気下で行った。
次に、反応溶液(2−1)を冷却した後、反応溶液(2−1)に、予め別のアルゴンガスで置換した容器に用意しておいた溶液(S2)を加え、反応溶液(2−2)を得た。
アルゴンガスで置換した容器に、下記式:
で表される単量体(6)1.097gと、前記単量体(3)1.061gと、メチルトリオクチルアンモニウムクロライド(商品名:aliquat336、Aldrich製、CH3N[(CH2)7CH3]3Cl、density 0.884g/ml,25℃)0.35gとを仕込み、容器内をアルゴンガスで十分置換した後、予めアルゴンガスでバブリングして脱気したトルエン 15mlを加え、溶解し、溶液(S2)を得た。
反応終了後、反応溶液(2−3)を冷却した後、反応溶液(2−3)を静置し、分液したトルエン層を回収した。次いで、得られたトルエン層をメタノール溶液中に注ぎ込み、再沈し、生成した沈殿を回収した。この沈殿を減圧乾燥した後、トルエンに溶解させた。得られたトルエン溶液をろ過して不溶物を除去した後、ろ過後のトルエン溶液をアルミナカラムに通して精製した。次に、精製後のトルエン溶液を減圧濃縮した後、メタノール溶液中に注ぎ込み、再沈し、生成した沈殿を回収した。この沈殿をメタノールで洗浄した後、減圧乾燥して、重合体(以下、この重合体を「高分子化合物2」という)0.81gを得た。高分子化合物2のポリスチレン換算の重量平均分子量は6.6×104であり、ポリスチレン換算の数平均分子量は1.7×104であった。
得られた高分子化合物(2)は、下記のような繰り返し単位を含むものであることが、仕込みから推定できる。
(高分子化合物3の合成)
下記式:
で表される単量体(7)(2、5−ジブロモ−3、4−ジヘキシルチオフェン)0.551gと、前記単量体(2){トランス−1、2−ビス(トリ−n−ブチルスタニル)エチレン(東京化成工業)}0.801gと、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II) 51mgとを反応容器に仕込み、反応容器内をアルゴンガスで十分置換した。この反応容器に、予めアルゴンガスをバブリングして脱気したトルエン(脱水溶媒) 45mlを加えた。次に、昇温し、95℃で7時間反応し、反応溶液(3−1)を得た。なお、反応はアルゴンガス雰囲気下で行った。
次に、反応溶液(3−1)を冷却した後、反応溶液(3−1)に、予め別のアルゴンガスで置換した容器に用意しておいた溶液(S3)を加え、反応溶液(3−2)を得た。
アルゴンガスで置換した容器に、前記単量体(4)0.625gと、前記単量体(3)1.045gと、メチルトリオクチルアンモニウムクロライド(商品名:aliquat336、Aldrich製、CH3N[(CH2)7CH3]3Cl、density 0.884g/ml,25℃)0.61gとを、脱気したトルエン 15mlに溶解し、溶液(S3)を得た。
次に、反応溶液(3−3)を冷却した後、フェニルホウ酸0.2g/テトラヒドロフラン1.0ml混合溶液を加え、1.5時間還流し、反応溶液(3−4)を得た。なお、反応は、アルゴンガス雰囲気下で行った。
反応終了後、反応溶液(3−4)を冷却した後、トルエン30gを加えた後に、静置し、分液したトルエン層を回収した。次いで、得られたトルエン層をメタノール溶液中に注ぎ込み、再沈し、生成した沈殿を回収した。この沈殿を減圧乾燥した後、クロロホルムに溶解させた。得られたクロロホルム溶液をろ過して不溶物を除去した後、ろ過後のクロロホムル溶液をアルミナカラムに通して精製した。次に、精製後のクロロホルム溶液を減圧濃縮した後、メタノール溶液中に注ぎ込み、再沈し、生成した沈殿を回収した。この沈殿をメタノールで洗浄した後、減圧乾燥して、重合体(以下、この重合体を「高分子化合物3」という)0.80gを得た。高分子化合物 のポリスチレン換算の重量平均分子量は3.1×104であり、ポリスチレン換算の数平均分子量は1.1×104であった。
得られた高分子化合物(3)は、下記のような繰り返し単位を含むものであることが、仕込みから推定できる。
(高分子化合物4の合成)
アルゴンガスで置換した反応容器に、下記式:
で表わされる単量体(8) 0.604gと、前記単量体(2){トランス−1、2−ビス(トリ−n−ブチルスタニル)エチレン(東京化成工業)} 0.581gと、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II) 21.1mgとを仕込み、反応容器内をアルゴンガスで十分置換した。この反応容器に、予めアルゴンガスをバブリングして脱気したトルエン(脱水溶媒) 40mlを加えた後、95℃で7.5時間反応し、反応溶液(4−1)を得た。なお、反応はアルゴンガス雰囲気下で行った。
次に、得られた反応溶液(4−1)を冷却した後、反応溶液(4−1)に、予め別の容器(アルゴンガス置換)に用意しておいた下記溶液(S4)を加え、反応溶液(4−2)を得た。
アルゴンガスで置換した容器に、下記式:
で表される単量体(9) 0.700gと、下記式:
で表わされる単量体(10) 0.648gと、メチルトリオクチルアンモニウムクロライド(商品名:aliquat336、Aldrich製、CH3N[(CH2)7CH3]3Cl、density 0.884g/ml,25℃)0.42gと、酢酸パラジウム(II) 2.4mgと、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン 14.1mgとを仕込み、容器内をアルゴンガスで十分置換した。この容器に、予めアルゴンガスでバブリングして脱気したトルエン 20mlを加え、溶解し、溶液(S4)を得た。
次に、得られた反応溶液(4−3)を冷却した後、反応溶液(4−3)に、フェニルホウ酸0.20g/テトラヒドロフラン1.0ml混合溶液を加え、2時間還流し、反応溶液(4−4)を得た。なお、反応は、アルゴンガス雰囲気下で行った。
反応終了後、反応溶液(4−4)を冷却した後、反応溶液(4−4)を静置し、分液したトルエン層を回収した。次に、得られたトルエン層をメタノール溶液中に注ぎ込み、再沈し、生成した沈殿を回収した。この沈殿を減圧乾燥した後、クロロホルムに溶解させた。得られたクロロホルム溶液をろ過し、不溶物を除去した後、ろ過後のクロロホルム溶液をアルミナカラムに通して精製した。次に、精製後のクロロホルム溶液をメタノール溶液中に注ぎ込み、再沈し、生成した沈殿を回収した。この沈殿をメタノールで洗浄した後、減圧乾燥して、重合体(以下、この重合体を「高分子化合物4」という)0.63gを得た。高分子化合物4のポリスチレン換算の重量平均分子量は3.1×104であり、ポリスチレン換算の数平均分子量は1.4×104であった。
得られた高分子化合物(4)は、下記のような繰り返し単位を含むものであることが、仕込みから推定できる。
(高分子化合物5の合成)
アルゴンガスで置換した反応容器に、下記式:
で表わされる単量体(11) 0.605gと、前記単量体(2){トランス−1、2−ビス(トリ−n−ブチルスタニル)エチレン(東京化成工業)} 0.606gと、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II) 24.2mgとを仕込み、反応容器内をアルゴンガスで十分置換した。この反応容器に、予めアルゴンガスをバブリングして脱気したトルエン(脱水溶媒) 40mlを加えた後、95℃で7.5時間反応し、反応溶液(5−1)を得た。なお、反応はアルゴンガス雰囲気下で行った。
次に、得られた反応溶液(5−1)を冷却した後、反応溶液(5−1)に、予め、別の容器(アルゴンガス置換)に用意しておいた溶液(S5)を加え、反応溶液(5−2)を得た。
予めアルゴンガスで置換した容器に、下記式:
で表される単量体(12) 0.665gと、単量体(10) 0.648gと、メチルトリオクチルアンモニウムクロライド(商品名:aliquat336、Aldrich製、CH3N[(CH2)7CH3]3Cl、density 0.884g/ml,25℃)0.43gと、酢酸パラジウム(II) 1.9mgと、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン 12.0mgとを仕込んだ後、予めアルゴンガスでバブリングして脱気したトルエン 20mlを加え、溶解し、溶液(S5)を得た。
次に、得られた反応溶液(5−3)を冷却した後、反応溶液(5−3)に、フェニルホウ酸0.20g/テトラヒドロフラン1.0ml混合溶液を加え、2時間還流し、反応溶液(5−4)を得た。なお、反応は、アルゴンガス雰囲気下で行った。
反応終了後、反応溶液(5−4)を冷却した後、反応溶液(5−4)を静置し、分液したトルエン層を回収した。次に、得られたトルエン層をメタノール溶液中に注ぎ込み、再沈し、生成した沈殿を回収した。この沈殿を減圧乾燥した後、クロロホルムに溶解させた。得られたクロロホルム溶液をろ過し、不溶物を除去した後、ろ過後のクロロホルム溶液をアルミナカラムに通して精製した。次に、精製後のクロロホルム溶液をメタノール溶液中に注ぎ込み、再沈し、生成した沈殿を回収した。この沈殿をメタノールで洗浄した後、減圧乾燥して、重合体(以下、この重合体を「高分子化合物5」という)0.58gを得た。高分子化合物5のポリスチレン換算の重量平均分子量は3.2×104であり、ポリスチレン換算の数平均分子量は1.2×104であった。
得られた高分子化合物(5)は、下記のような繰り返し単位を含むものであることが、仕込みから推定できる。
(高分子化合物6の合成)
アルゴンガスで置換した反応容器に、前記単量体(5) 1.000gと、前記単量体(2){トランス−1、2−ビス(トリ−n−ブチルスタニル)エチレン(東京化成工業)} 0.632gと、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II) 23.4mgとを仕込み、反応容器内をアルゴンガスで十分置換した。この反応容器に、予めアルゴンガスをバブリングして脱気したトルエン(脱水溶媒) 40mlを加えた後、95℃で7.5時間反応し、反応溶液(6−1)を得た。なお、反応はアルゴンガス雰囲気下で行った。
次に、得られた反応溶液(6−1)を冷却した後、反応溶液(6−1)に、予め別の容器(アルゴンガス置換)に用意しておいた下記溶液(S6)を加え、反応溶液(6−2)を得た。
アルゴンガスで置換した容器に、前記単量体(3) 0.536gと、前記単量体(10) 0.648gと、メチルトリオクチルアンモニウムクロライド(商品名:aliquat336、Aldrich製、CH3N[(CH2)7CH3]3Cl、density 0.884g/ml,25℃)0.42gと、酢酸パラジウム(II) 2.5mgと、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン 13.1mgとを仕込み、容器内をアルゴンガスで十分置換した。この容器に、予めアルゴンガスでバブリングして脱気したトルエン 20mlを加え、溶解し、溶液(S6)を得た。
次に、得られた反応溶液(6−3)を冷却した後、反応溶液(6−3)に、フェニルホウ酸0.20g/テトラヒドロフラン1.0ml混合溶液を加え、2時間還流し、反応溶液(6−4)を得た。なお、反応は、アルゴンガス雰囲気下で行った。
反応終了後、反応溶液(6−4)を冷却した後、反応溶液(6−4)を静置し、分液したトルエン層を回収した。次に、得られたトルエン層をメタノール溶液中に注ぎ込み、再沈し、生成した沈殿を回収した。この沈殿を減圧乾燥した後、クロロホルムに溶解させた。得られたクロロホルム溶液をろ過し、不溶物を除去した後、ろ過後のクロロホルム溶液をアルミナカラムに通して精製した。次に、精製後のクロロホルム溶液をメタノール溶液中に注ぎ込み、再沈し、生成した沈殿を回収した。この沈殿をメタノールで洗浄した後、減圧乾燥して、重合体(以下、この重合体を「高分子化合物6」という)0.61gを得た。高分子化合物6のポリスチレン換算の重量平均分子量は2.3×104であり、ポリスチレン換算の数平均分子量は1.1×104であった。
得られた高分子化合物(6)は、下記のような繰り返し単位を含むものであることが、仕込みから推定できる。
(高分子化合物7の合成)
アルゴンガスで置換した反応容器に、下記式:
で表わされる単量体(13) 1.000gと、前記単量体(2){トランス−1、2−ビス(トリ−n−ブチルスタニル)エチレン(東京化成工業)} 0.507gと、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II) 24.4mgとを仕込み、反応容器内をアルゴンガスで十分置換した。この反応容器に、予めアルゴンガスをバブリングして脱気したトルエン(脱水溶媒) 40mlを加えた後、95℃で7.5時間反応し、反応溶液(7−1)を得た。なお、反応はアルゴンガス雰囲気下で行った。
次に、得られた反応溶液(7−1)を冷却した後、反応溶液(7−1)に、予め別の容器(アルゴンガス置換)に用意しておいた下記溶液(S7)を加え、反応溶液(7−2)を得た。
アルゴンガスで置換した容器に、単量体(3) 0.536gと、単量体(10) 0.648gと、メチルトリオクチルアンモニウムクロライド(商品名:aliquat336、Aldrich製、CH3N[(CH2)7CH3]3Cl、density 0.884g/ml,25℃)0.43gと、酢酸パラジウム(II) 2.1mgと、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン 13.2mgとを仕込み、容器内をアルゴンガスで十分置換した。この容器に、予めアルゴンガスでバブリングして脱気したトルエン 20mlを加え、溶解し、溶液(S7)を得た。
次に、得られた反応溶液(7−3)を冷却した後、この反応溶液に、フェニルホウ酸0.20g/テトラヒドロフラン1.0ml混合溶液を加え、2時間還流し、反応溶液(7−4)を得た。なお、反応は、アルゴンガス雰囲気下で行った。
反応終了後、反応溶液(7−4)を冷却した後、反応溶液(7−4)を静置し、分液したトルエン層を回収した。次に、得られたトルエン層をメタノール溶液中に注ぎ込み、再沈し、生成した沈殿を回収した。この沈殿を減圧乾燥した後、クロロホルムに溶解させた。得られたクロロホルム溶液をろ過し、不溶物を除去した後、ろ過後のクロロホルム溶液をアルミナカラムに通して精製した。次に、精製後のクロロホルム溶液をメタノール溶液中に注ぎ込み、再沈し、生成した沈殿を回収した。この沈殿をメタノールで洗浄した後、減圧乾燥して、重合体(以下、この重合体を「高分子化合物7」という)0.87gを得た。高分子化合物7のポリスチレン換算の重量平均分子量は3.9×104であり、ポリスチレン換算の数平均分子量は1.6×104であった。
得られた高分子化合物(7)は、下記のような繰り返し単位を含むものであることが、仕込みから推定できる。
Claims (16)
- 式(1)で表される化合物と、式(2)で表される化合物とを、パラジウム触媒の存在下、有機溶媒中で反応させて反応生成物を製造する第1の工程と、
X1−C(A1)=C(A2)−X2 (1)
〔式中、A1及びA2は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基又は1価の芳香族アミン残基を表す。X1及びX2は、トリアルキルスタニル基を表す。〕
Y1−Ar1−Y2 (2)
〔式中、Ar1は、アリーレン基、2価の複素環基又は2価の芳香族アミン残基を表す。Y1及びY2は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキルスルホネート基、アリールスルホネート基又はアリールアルキルスルホネート基を表す。〕
式(2M)で表される化合物、式(3M)で表される化合物、パラジウム触媒及び塩基を該有機溶媒中に加え、該反応生成物と、式(2M)で表される化合物と、式(3M)で表される化合物とを反応させて高分子化合物を製造する第2の工程を有し、
Y3−Ar2−Y4 (2M)
〔式中、Ar2は、アリーレン基、2価の複素環基又は2価の芳香族アミン基を表す。Y3及びY4は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキルスルホネート基、アリールスルホネート基又はアリールアルキルスルホネート基を表す。〕
Y5−Ar3−Y6 (3M)
〔式中、Ar3は、アリーレン基、2価の複素環基又は2価の芳香族アミン基を表す。Y5及びY6は、それぞれ独立に、ホウ酸残基又はホウ酸エステル残基を表す。〕
該高分子化合物が、式(3a)で表される繰り返し単位及び式(3pa)で表される繰り返し単位を含む、高分子化合物の製造方法。
−C(A1)=C(A2)−Ar1− (3a)
〔式中、Ar1、A1及びA2は、前記と同じ意味を表す。〕
−Ar2−Ar3− (3pa)
〔式中、Ar2、Ar3は、前記と同じ意味を表す。〕 - Y1、Y2、Y3及びY4が、ハロゲン原子である請求項1に記載の高分子化合物の製造方法。
- Ar1で表されるアリーレン基が、式(60)で表される基である請求項1又は2に記載の高分子化合物の製造方法。
〔式中、A環及びB環は、それぞれ独立に、芳香族炭化水素環を表す。2つの結合手は、それぞれA環及び/又はB環上に存在し、Rw及びRxは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アリールアミノ基、1価の複素環基、アシル基、置換カルボキシル基又はシアノ基を表し、RwとRxは互いに結合して環を形成していてもよい。A環及びB環は、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アリールアミノ基、1価の複素環基、アシル基、アシルオキシ基、置換カルボキシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる1個以上の置換基を有していてもよい。さらに、置換基が複数ある場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。〕 - Ar1で表される2価の複素環基が、式(75)で表される基である請求項1又は2に記載の高分子化合物の製造方法。
〔式中、C環及びD環は、それぞれ独立に芳香環を表す。C環及びD環は、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アリールアミノ基、1価の複素環基、アシル基、アシルオキシ基、置換カルボキシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる1個以上の置換基を有していてもよい。置換基が複数ある場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。Eは、酸素原子又は硫黄原子を表す。〕 - Ar1で表される2価の芳香族アミン残基が、式(95)で表される基である請求項1又は2に記載の高分子化合物の製造方法。
〔式中、Rf5、Rg5は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アリールアミノ基、1価の複素環基、アシル基、置換カルボキシル基又はシアノ基を表し、Rf5とRg5は、互いに結合して環を形成していてもよい。Ra1、Ra2、Ra3、Rb1、Rb2、Rb3は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1から20のアルキル基又は炭素数1から20のアルコキシ基を表す。〕 - A1及びA2の少なくとも一方が、水素原子である請求項1〜12のいずれかに記載の高分子化合物の製造方法。
- A1及びA2が、水素原子である請求項13に記載の高分子化合物の製造方法。
- パラジウム触媒が、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)である請求項1〜14のいずれかに記載の高分子化合物の製造方法。
- パラジウム触媒が、酢酸パラジウム(II)であり、さらに、配位子としてトリス(2−メトキシフェニル)ホスフィンが存在する請求項1〜14のいずれかに記載の高分子化合物の製造方法。
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