JP5217454B2 - 油圧駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明は油圧ショベルなどの建設機械及び各種作業機械に使用される油圧駆動装置に関し、さらに詳細には斜板式可変容量型油圧ポンプ(以下可変ポンプとする)の吐出圧と複数のアクチュエータの最高負荷圧との実差圧をある目標差圧に保つよう可変ポンプの容量を制御するロードセンシング制御の油圧駆動装置において、目標差圧が可変ポンプと共にエンジンなどの原動機で駆動される固定容量型ポンプ(以下固定ポンプとする)を利用してエンジン回転数の変化に応じて変化するようにしたエンジン回転数検出弁を備えた油圧駆動装置に関する。
従来の油圧駆動装置10(ポンプ容量制御)は、図5に示すように可変ポンプ(油圧ポンプ)11の斜板を傾転するサーボピストン14を持ち、可変ポンプ11の吐出圧15と最高負荷圧16をポンプ容量制御弁21に作用させてサーボピストン14に吐出圧15を供給したり、タンクポートに開放したりして、可変ポンプ11の吐出圧15と最高負荷圧16との実差圧を目標差圧になるよう維持している。
また、可変ポンプ11と共にエンジン13で駆動される固定ポンプ12と、該固定ポンプ12の吐出路に可変絞り弁31が設置されている。つまり、固定ポンプ12の吐出路に可変絞り弁31の前後差圧が該可変絞り弁31のスプリング34の相当圧までは、可変絞り弁31の固定絞り33の前後差圧を検出し、エンジン13の回転数が高くなり、固定ポンプ12の吐出流量が増え、可変絞り弁31の固定絞り33の前後差圧が可変絞り弁31のスプリング34相当圧以上になると、可変絞り弁31の流路は32の位置になるので、可変絞り弁31の流路32の前後差圧を検出するようになり、目標差圧のゲインが変化する特性になっている。なお、参照符号26は可変ポンプ11の可変ポンプ定馬力制御弁を示す。
これにより、圧油をアクチュエータ24a、24bへ供給する方向制御弁25a,25bの開度が一定でもエンジン13の回転数に応じてアクチュエータ24a,24bの速度が変えられる(例えば、特許文献1)。
特開2001−193705号公報
しかしながら、特許文献1においては、エンジン13の回転数に応じて目標差圧(以下目標差圧を表す記号としてPrを用いる)を変更するため、特許文献1では固定ポンプ12と可変絞り弁31を配置することで、エンジン13の回転数を検出しない油圧回路に対して、固定ポンプ12の吐出ラインに絞り前後の圧力損失が発生(エネルギーロス)していることになる(一般的に1.5〜2.5 MPa程度)。
図5に示す絞り前後の圧力損失について、絞り上流圧18の圧力をPp1、絞り下流圧19の圧力をPp2とすると、
目標差圧Pr=Pp1−Pp2=ΔPp(絞りの圧力損失)・・・(1)で表わせる。
また、固定ポンプ12の吐出圧自体も高くなることにより、該固定ポンプ12の耐圧性を向上させる必要もあった。
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、エンジンの回転数に応じて目標差圧を変更する機能を保持した状態で、固定ポンプの吐出ラインの圧力損失を低減して省エネを図った油圧駆動装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための請求項1記載の発明は、エンジンなどの原動機と、前記エンジンなどの原動機により駆動される可変容量型の油圧ポンプと、前記油圧ポンプから吐出される圧油により駆動される複数のアクチュエータと、前記油圧ポンプから前記複数のアクチュエータに供給される圧油の流量をそれぞれ制御する複数の方向切換弁と、前記複数の方向切換弁の前後差圧をそれぞれ制御する複数の圧力補償弁と、前記油圧ポンプの吐出圧が前記複数のアクチュエータの最高負荷圧よりも目標差圧だけ高くなるロードセンシング制御するポンプ制御手段と、前記油圧ポンプの吐出圧の上限を規制するメインリリーフ弁と、前記複数の圧力補償弁のそれぞれの目標差圧を前記油圧ポンプの吐出圧と前記複数のアクチュエータの最高負荷圧との差圧により設定すると共に、前記ロードセンシング制御の目標差圧を可変ポンプと共にエンジンなどの原動機で駆動される固定容量型ポンプを利用してエンジン回転数に依存する可変値として決定するエンジン回転数検出弁と、を備えた油圧駆動装置において、
前記エンジン回転数検出弁は、本体と、前記本体に摺動自在に嵌挿されたスプールと、前記スプールの大径部側に摺動自在に嵌挿されたピストンと、スプールの小径部側に内装され絞り上流圧と同方向に作用するばね部材と、前記スプールの内孔に設けられ前記本体に形成された絞り上流流路及び絞り下流流路に連通する固定絞りと、を有し、
前記スプールの小径部側の受圧面積A1、前記ピストンの受圧面積A2及び前記スプールの大径部と前記ピストンとの径差の受圧面積A3が同じなるように前記スプールの径を選定し、前記スプール小径部側に内装されたばね部材のばね力の設定次第で、エンジン回転数検出弁で検出する目標差圧に対し、前記スプールの内孔に設けられ前記本体に形成された絞り上流流路及び絞り下流流路に連通する前記固定絞りの前後差圧が小さく抑えられることを特徴とする。
本発明によれば、固定ポンプの吐出路に設置した絞りの前後差圧の変化でエンジン回転数を検出し、ポンプ容量制御の目標差圧を変更し、可変ポンプの吐出圧と最高負荷圧の実差圧も変更する機能を有したままで、固定ポンプ吐出ラインの圧力損失低減ができる。
本発明は、固定ポンプの吐出路に設置した絞りの前後差圧の変化でエンジン回転数を検出し、ポンプ容量制御の目標差圧を変更し、可変ポンプの吐出圧と最高負荷圧の実差圧も変更する機能は有したままで、固定ポンプ吐出ラインの圧力損失低減ができる。
以下、本発明の油圧駆動装置につき好適の実施の形態を挙げ、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の第一の実施に形態に係る油圧駆動装置40の油圧回路図である。図1中、図5の構成要素と同一の構成要素については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図1においては、固定ポンプ12の吐出ラインに固定絞り41を配置し、該固定絞り41の絞り上流圧18の圧力Pp1、絞り下流圧19の圧力Pp2(この場合、固定ポンプ12の吐出ラインのリリーフ20の設定で決まるため従来技術、本発明とも同圧として比較する)とする。
さらに、絞り上流圧18の圧力Pp1と絞り下流圧19の圧力Pp2を導き、その差圧を検出する差圧減圧弁44を設置する。この差圧減圧弁44には絞り上流圧18の圧力Pp1と同じ方向に作用するスプリング45を設ける。このスプリング45のスプリング相当圧をPsp、絞り上流圧18の圧力Pp1及び絞り下流圧19の圧力Pp2における受圧面積が等しいとすると、目標差圧Pr=Pp1+Psp−Pp2=Psp+(Pp1−Pp2)=Psp+(ΔPp)・・・(2)となる。 よって、上記(1)、(2)より目標差圧Prが同一とすると、ΔPp=Psp+ΔPp´・・・(3)となる。
このことから、本発明では従来技術(特許文献1と同じ目標差圧Prを得る場合でも、スプリング45のスプリング相当圧分Pspだけ、絞り前後差圧を低減することが可能である。
参照符号46は固定ポンプ12の回転数を検出して絞り前後差圧を検出するエンジン回転数検出弁を示し、該エンジン回転数検出弁46の概略構造を示す図2により詳細に説明する。なお、図2中、図1の構成要素と同一の構成要素は同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図2に示すように、エンジン回転数検出弁46は本体47に穿設した大径スプール孔49に摺動自在に嵌挿された大径部51及び小径スプール孔50に摺動自在に嵌挿された小径部52よりなるスプール53が設けられており、本体47の両端はプラグ54a,54bにより閉塞されている。スプール53の大径部51の端部に開口する大径孔55にピストン56が摺動自在に嵌挿されている。さらに、大径孔55に連通する中径孔57が設けられており、小径部52の端部に開口しスプリング45を収納する孔59が設けられており、孔59は小径の連通路60により流路(絞り上流流路)68に接続している。
ここで、小径部52(小径スプール孔50)、大径孔55(ピストン56)の受圧面積及びスプール53とピストン56との径差部分の受圧面積をそれぞれA1,A2,A3として設定している。
前記大径部51にはランド61,62が形成されており、これらのランド61,62の間には幅が軸方向に指向し深さが浅い凹部63が形成されている。前記凹部63には、小径スプール孔50に連通する流路(絞り下流流路)64が軸径方向に穿設されおり、該流路64は本体47に形成された流路65に接続している。
一方、ランド62には、略中央に凹部66が形成されると共に、該凹部66の軸方向の両端部にノッチ67が円周に複数個形成されている。
さらに、小径部52には連通路60に接続する流路68が軸径方向に穿設されており、該流路68は本体47に形成された流路69に接続している。また、本体47には、図1の油圧回路図を構成する油路70〜72が形成されている。この場合、油路70、71は目標差圧Prを検出し、油路72はタンクポートに連通する機能を有する。
本発明の第一の実施の形態に係る油圧駆動装置40は基本的には以上のように構成されたものであり、次にその動作について説明する。
可変ポンプ11の駆動と共に、固定ポンプ12から吐出された圧油は図2に示すようにエンジン回転数検出弁46の流路69に流入し、絞り上流圧18の圧力Pp1がスプール53の流路68、連通路60より小径部52の右端である受圧面積A1に作用し、スプール53に矢印X方向への力を作用させる。
また、スプリング45のスプリング力は絞り上流圧18の圧力Pp1と同じ矢印X方向に作用する。
一方、圧油は流路68よりスプール53内部の(固定)絞り41を通過し、中径孔57に流入して絞り下流圧19の圧力Pp2となってピストン56の右端面である受圧面積A2に作用し、スプール53に矢印Y方向への力を作用させる。
また、目標差圧Prはスプール53とピストン55の径差の部分である受圧面積A3に作用し、スプール53に矢印Y方向への力を作用させる。
これにより、スプール53の力の釣合は、
Pp1×A1+Fsp=(Pp2×A2)+(Pr×A3) ・・・(4)
(Fspはスプリング45のスプリング力)
ここで、A1=A2=A3となるように、スプール53の各部の径を選定し、(4)式を両辺A1で割ると、
Pp1+Fsp/A1=Pp2+Pr ・・・(5)
Fap/A1=Psp として、(5)式を整理すると(2)式となる。
本発明では、従来技術と同じ目標差圧Prを得る場合でも、エンジン回転数検出弁46においてスプリング45スプリング相当圧分Pspだけ、絞り前後差圧を低減することができ、圧力損失の発生を少なくしている。
図3は、本発明の第二の実施に形態に係る油圧駆動装置80の油圧回路図である。図3中、図1の構成要素と同一の構成要素については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図3は図1のエンジン数検出弁46に可変絞り部85を追加してエンジン回転数検出弁82を設けたことを特徴とする。図4によりエンジン回転数検出弁82について説明する。
図4において、可変絞り部85は本体47に穿設されたスリーブ孔86に嵌挿されたスリーブ87と、前記スリーブ87に摺動自在に嵌挿されたピストン88と、前記スリーブ87に内装されたスプリング89と、前記スプリング89のスプリング力を調整するねじ部材90と、を備える。
スリーブ87は大径部92がねじ機構によりスリーブ孔86に螺着され、小径部93が小径孔94に嵌入しており、突出部91が本体47の端面に係合している。大径部99がスリーブ87の中径孔96に嵌入したピストン88は、一側(図4で左側)に突起部98を形成し、他側(図4で右側)に小径部100を設けており、大径部99と小径部100との係合部にテーパ部101を形成している。
スリーブ87の大径孔95に内装されたスプリング89は、一側(図4で右側)が突起部98の外周に係合し、他側(図4で左側)がスリーブ87に螺着したねじ部材90にガイドされている。スプリング89のスプリング力の調整はねじ部材90に螺着したナット102により該ねじ部材90を出し入れすることで行われる。参照符号103、104は油路を示すもので、それぞれ絞り上流圧18、絞り下流圧19に連通している。
図4において、可変絞り部85はスプリング89の設定圧以上で、ピストン88が左方向へ移動し、該ピストン88のテーパ部101がスリーブ87に穿設された連通路105の位置になると、絞り上流圧18、絞り下流圧19が連通するようになっている。
本発明によれば、固定ポンプの吐出路に設置した絞りの前後差圧の変化でエンジン回転数を検出し、ポンプ容量制御の目標差圧を変更し、可変ポンプの吐出圧と最高負荷圧の実差圧も変更する機能は有したままで、固定ポンプ吐出ラインの圧力損失低減ができる。
なお、図2及び図4において、スプリングの設定を容易にするため、プラグ54bの代わりにスプリング取り付け高さを調整する調整ネジ機構を備えたプラグを使用しても良いことは、言うでもない。
本発明の第一の実施の形態に係る油圧駆動装置の油圧回路図である。 図1に示すエンジン回転数検出弁の概略構造図である。 本発明の第二の実施の形態に係る油圧駆動装置の油圧回路図である。 図3に示すエンジン回転数検出弁の概略構造図である。 従来の油圧駆動装置の油圧回路図である。
符号の説明
40、80 油圧駆動装置 11 可変ポンプ
12 固定ポンプ 18 絞り上流圧
19 絞り下流圧 24 アキュームレータ
25 方向切換弁 41 固定絞り
44 差圧減圧弁 46 エンジン回転数検出弁
47 本体 53 スプール
56、88 ピストン 85 可変絞り部

Claims (1)

  1. エンジンなどの原動機と、前記エンジンなどの原動機により駆動される可変容量型の油圧ポンプと、前記油圧ポンプから吐出される圧油により駆動される複数のアクチュエータと、前記油圧ポンプから前記複数のアクチュエータに供給される圧油の流量をそれぞれ制御する複数の方向切換弁と、前記複数の方向切換弁の前後差圧をそれぞれ制御する複数の圧力補償弁と、前記油圧ポンプの吐出圧が前記複数のアクチュエータの最高負荷圧よりも目標差圧だけ高くなるロードセンシング制御するポンプ制御手段と、前記油圧ポンプの吐出圧の上限を規制するメインリリーフ弁と、前記複数の圧力補償弁のそれぞれの目標差圧を前記油圧ポンプの吐出圧と前記複数のアクチュエータの最高負荷圧との差圧により設定すると共に、前記ロードセンシング制御の目標差圧を可変ポンプと共にエンジンなどの原動機で駆動される固定容量型ポンプを利用してエンジン回転数に依存する可変値として決定するエンジン回転数検出弁と、を備えた油圧駆動装置において、
    前記エンジン回転数検出弁は、本体と、前記本体に摺動自在に嵌挿されたスプールと、前記スプールの大径部側に摺動自在に嵌挿されたピストンと、スプールの小径部側に内装され絞り上流圧と同方向に作用するばね部材と、前記スプールの内孔に設けられ前記本体に形成された絞り上流流路及び絞り下流流路に連通する固定絞りと、を有し、
    前記スプールの小径部側の受圧面積A1、前記ピストンの受圧面積A2及び前記スプールの大径部と前記ピストンとの径差の受圧面積A3が同じなるように前記スプールの径を選定し、前記スプール小径部側に内装されたばね部材のばね力の設定次第で、エンジン回転数検出弁で検出する目標差圧に対し、前記スプールの内孔に設けられ前記本体に形成された絞り上流流路及び絞り下流流路に連通する前記固定絞りの前後差圧が小さく抑えられることを特徴とする油圧駆動装置。
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