JP5216958B2 - 漏洩電流検出装置及び漏洩電流検出方法 - Google Patents

漏洩電流検出装置及び漏洩電流検出方法 Download PDF

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    • G01R31/52Testing for short-circuits, leakage current or ground faults

Description

【技術分野】
本発明は、漏洩電流と電線路に流れている電圧基本波を計測することにより電気機器の絶縁状態を判定する漏洩電流検出装置及び方法に関し、特に、被測定電線路に流れている対地絶縁抵抗成分及び対地静電容量成分の漏洩電流をそれぞれ検出する漏洩電流検出装置及び方法に関する。
本出願は、日本国において2005年7月6日に出願された日本特許出願番号2005−197949を基礎として優先権を主張するものであり、この出願は参照することにより、本出願に援用される。
【背景技術】
日常生活の中で、電気の存在を意識することはあまりないが、周知のように、エネルギー源として、また、情報や通信をはじめとする様々な分野に利用され、我々の社会にとって、なくてはならない存在となっている。
一方で、電気の利用は、便利な反面、適切な管理や使用を誤れば、大変危険な側面も兼ね備えており、電気火災や感電事故等の重大な事故を引き起こす可能性も少なくない。
例えば、その重大事故の原因の一つとして、電路や機器の絶縁不良に深く関係しているのが漏洩電流である。しかし、この漏洩電流を調べるには、大変な時間を要する上に、停電させて絶縁不良だけの数値を絶縁抵抗計により測定する必要がある。
しかしながら、現在の社会状況では、コンピュータが社会の各方面に利用され、インテリジェントビルの普及拡大及び工場のFA(ファクトリー・オートメーション)化により、24時間連続稼働するシステムが構築されており、漏洩電流を計測するために、一時的に停電状態にすることができない状況となっている。
したがって、現在では、このような高度情報化による社会の無停電化の要請から、電路及び機器の絶縁不良管理が停電を伴う絶縁抵抗計による方法から、電気を切ることなく測定できる漏洩電流測定方法に移ってきており、漏電遮断器や漏電火災警報機等により漏洩電流を測定して絶縁状態を管理する通電中の予防策は種々提案されている。この種の技術として、特開2001−215247号公報、特開2002−98729号公報に開示されるようなものがある。
ところで、漏洩電流Iには、対地静電容量に起因する漏洩電流(Igc)と、絶縁抵抗に直接関与している対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流(Igr)とが含まれている。上述した漏電火災等を引き起こす原因は、絶縁抵抗の存在であり、この絶縁抵抗に起因する漏洩電流(Igr)を正確に検出することができれば、回路の絶縁状態をチェックすることができ、漏電火災等の大惨事を避けることができる。
しかしながら、工場等で使用される電気機器は、機器同士を結線する際に電線路の長さが長大になることがあり、この電線路の長大化により、対地静電容量が増大化し、また、電子機器に搭載されたノイズフィルタやサージキラー等の回路で接地側に挿入されているコンデンサ(静電容量素子)により、さらに、対地静電容量が増大化し、それに伴って対地静電容量に起因する漏洩電流(Igc)が大きくなってしまう。
また、これらの電気機器は、電力用半導体素子を応用したインバータを搭載している。電気機器では、この搭載しているインバータを高速の電子スイッチとして使用しているため、必然的に、商用電源の基本周波数である50Hz若しくは60Hzの整数倍の正弦波である高調波歪み電流が発生する。高調波歪み電流には、高い周波数成分が含まれているため、電線路に自然分布している対地静電容量を通過し、また、ノイズフィルタが付いていれば、そのフィルタから大地に流れてしまい、大地に流れた高調波歪み電流により漏洩電流Iの値が大きくなってしまう。
したがって、絶縁の良否に直接関係する対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流(Igr)が電線路の長大化及びインバータや、ノイズフィルタ等による高調波歪み電流の影響を受けてしまい、正確に検出することが困難となる。
また、部品が高密度に実装された機器、例えば、電話機、ファクシミリ、プリンタ及び複合機等では、絶縁箇所を調べるために、絶縁抵抗計等により計測を行った場合、注入する測定電圧により電子回路が影響を受けてしまうおそれがある。したがって、このような機器では、機能破壊を招くおそれがあることから、絶縁抵抗の測定自体ができない機器も多数存在する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、漏電遮断器や漏電火災警報器を誤(不要)動作させる原因として、対地静電容量に起因する漏洩電流(Igc)の存在が上げられる。漏洩電流(Igc)は、上述したように様々な要因で変動するものであるため、当該変動に応じて漏電遮断器や漏電火災警報器が誤動作してしまうおそれがある。そこで、漏洩電流(Igc)を確実に検出し、その変動幅を知ることができれば、漏電遮断器や漏電火災警報器が作動する際の漏洩電流Iの設定値を最適な値に選択することが可能となる。また、漏洩電流(Igc)の検出を確実に行うことができれば、漏電遮断器や漏電火災警報器が誤動作を起こさない範囲に漏洩電流Iの設定をすることができ、誤動作による停電や、機器トラブルを回避することができる。
さらに、コンデンサは、商用周波数より高い周波数を通しやすい性質を有しており、これが高調波の漏洩電流による過熱の原因ともなる。
また、厳密に言えば、高調波による問題は、高調波の発生する部分で発生するのではなく、高調波の流れやすいコンデンサ成分である対地静電容量の大きい場所で発生しやすい。したがって、高調波を除去した漏洩電流成分Igcを確実に検出することができれば、コンデンサに相当する静電容量を持った機器及び電線路の特定が可能である。
そこで、本願発明の目的は、漏洩電流Iを計測し、又は検出するために電路を停電させることなく、すなわち通電状態のままで、かつ、被測定電線路に接続されている機器を破壊することもなく、外部から簡単にかつ安全に対地静電容量に起因する漏洩電流(Igc)を確実に検出することができる漏洩電流検出装置及び漏洩電流検出方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
上述した技術課題を解決するため、本発明に係る漏洩電流検出装置は、被測定電線路Aの電力線を一括クランプして上記被測定電線路Aに流れている漏洩電流(I)を検出する漏洩電流検出手段と、上記被測定電線路に印加されている電圧(V)を検出する電圧検出手段と、上記漏洩電流検出手段により検出された漏洩電流(I)及び上記電圧検出手段で検出された電圧(V)をそれぞれデジタル信号に変換するアナログ/デジタル変換手段と、上記アナログ/デジタル変換手段により変換されたデジタル信号の高調波成分を除去する高調波成分除去手段と、上記高調波成分除去手段により高調波成分が除去された上記デジタル信号に基づき、上記漏洩電流(I)と上記電圧(V)の位相角θを検出する位相角検出手段と、上記位相角検出手段により検出された上記位相角θと、上記漏洩電流(I)を検出して得られる対地静電容量に起因する漏洩電流(Igc)と対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流(Igr)のベクトルによる合計値である漏洩電流(I0)とに基づいて、非接地相各相に発生する対地静電容量の合成分に起因する漏洩電流(Igc)を算出する演算手段を備えるようにしたものである。
また、本発明に係る漏洩電流検出方法は、被測定電線路Aの電力線を一括クランプして上記被測定電線路Aに流れている漏洩電流(I)を検出する漏洩電流検出工程と、上記被測定電線路に印加されている電圧(V)を検出する電圧検出工程と、上記漏洩電流検出手段により検出された漏洩電流(I)及び上記電圧検出手段で検出された電圧(V)をそれぞれデジタル信号に変換するアナログ/デジタル変換工程と、上記アナログ/デジタル変換手段により変換されたデジタル信号の高調波成分を除去する高調波成分除去工程と、上記高調波成分除去手段により高調波成分が除去された上記デジタル信号に基づき、上記漏洩電流(I)と上記電圧(V)の位相角θを検出する位相角検出工程と、上記位相角検出手段により検出された上記位相角θと、上記漏洩電流(I)を検出して得られる対地静電容量に起因する漏洩電流(Igc)と対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流(Igr)のベクトルによる合計値である漏洩電流(I0)とに基づいて、非接地相各相に発生する対地静電容量の合成分に起因する漏洩電流(Igc)を演算する演算工程を備えるようにしたものである。
【発明の効果】
本発明は、被測定電線路に流れている漏洩電流()と被測定電線路に印加されている電圧()をそれぞれデジタル信号に変換し、このデジタル変換されたデジタル信号に基づき、被測定電線路に流れている漏洩電流(I)と被測定電線路に印加されている電圧(V)の位相角θを検出し、この検出された位相角θと、漏洩電流(I)を検出して得られる対地静電容量に起因する漏洩電流(Igc)と対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流(Igr)のベクトルによる合計値である漏洩電流(I0)とに基づいて、非接地相各相に発生する対地静電容量の合成分に起因する漏洩電流(Igc)を算出するようにしているので、被測定電線路が長大化し、また、高調波歪み電流を出力するインバータ等が被測定電線路に接続されていても、対地静電容量に起因した漏洩電流(Igc)を検出することができ、漏電遮断器や漏電火災警報器が作動する際の漏洩電流Iの設定値を最適な値に選択することが可能となる。したがって、本発明によれば、漏電遮断器や漏電火災警報器の誤動作による停電や、機器トラブルを回避することができる。
また、本発明に係る漏洩電流検出装置及び方法は、電路・機械設備等を一時的な停電状態にすることなく、外部から簡単かつ安全に対地静電容量に起因した漏洩電流(Igc)を検出することができる。
本発明のさらに他の目的、本発明によって得られる具体的な利点は、以下において図面を参照して説明される実施の形態から一層明らかにされるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
以下、本発明を適用した漏洩電流検出装置及び方法の実施の形態を図面を参照して説明する。
本発明に係る漏洩電流検出装置1は、図1に示すように、被測定電線路Aの電力線を一括クランプし、被測定電線路Aから漏洩電流Iを検出するクランプ・カレントトランスセンサ部(以下、CTセンサ部という。)10と、CTセンサ部10で検出された漏洩電流I(以下、信号S1という。)を増幅する第1の増幅回路部11と、第1の増幅回路部11で増幅された信号S1のノイズ成分を除去する第1のアナログフィルタ12と、第1の増幅回路部11で増幅された信号S1を増幅する第2の増幅回路部13と、第2の増幅回路部13で増幅された信号S2のノイズ成分を除去する第2のアナログフィルタ14とを備える。
この漏洩電流検出装置1は、被測定電線路Aに印加されている電圧の基本波位相を検出するため、被測定電線路AのR相及びT相から電圧を検出する電圧検出部15と、電圧検出部15で検出された電圧を所定の電圧比になるように変圧する変圧部16とを備え、この変圧部16で変圧した電圧値V1に基づき、被測定電線路Aが100V系か200V系かを判別する電圧判別部17とを備える。
さらに、漏洩電流検出装置1は、電圧判別部17から供給された電圧V2のノイズ成分を除去する第3のアナログフィルタ18と、電圧判別部17から供給された電圧V3のノイズ成分を除去する第4のアナログフィルタ19と、第1のアナログフィルタ12から供給される信号S3及び第2のアナログフィルタ14から供給される信号S4がオーバーフローしているかどうかを認識し、また、第3のアナログフィルタ18から供給される信号S5及び第4のアナログフィルタ19から供給される信号S6のレベルを認識するマルチプレクサ20とを備える。このマルチプレクサ20から供給されたアナログ信号S7は、A/D変換部21に供給され、A/D変換部21においてデジタル信号S8に変換される。
そして、漏洩電流検出装置1は、対地静電容量に起因する漏洩電流(Igc)を算出するための演算回路部22を備える。この演算回路部22は、A/D変換部21により変換されたデジタル信号S8に基づいて、所定の演算を行い、対地静電容量に起因する漏洩電流(Igc)を算出する。この演算回路部22で演算された結果は、表示回路部23の制御に基づいて表示部に表示される。
本発明に係る漏洩電流検出装置1は、電気方式を切り換えるスイッチ部24と、演算回路部22で算出された結果を記憶保持する記憶部25を備える。スイッチ部24は、ユーザにより操作され、例えば、電気方式が単相式か、又は三相式かの選択を行い、選択された電気方式の情報を演算回路部22に供給する。
ここで用いられる記憶部25は、演算回路部22で算出された結果を記憶保持できる構成であればよく、例えば、ハードディスク(HD)や、フラッシュメモリ等の各種の記録媒体又は記録装置を用いることができる。
本発明に係る漏洩電流検出装置1に用いられるCTセンサ部10は、被測定電線路Aに流れている漏洩電流成分から生じる磁界を検出し、検出した磁界から電流を生成する。このCTセンサ部10は、生成した電流を漏洩電流Iとして第1の増幅回路部11に供給する。なお、CTセンサ部10により生成された漏洩電流Iは、対地静電容量に起因する漏洩電流(以下Igcという。)と、絶縁抵抗に直接関与している対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流(以下Igrという。)とが含まれている。なお、Igcは、被測定線路Aの長さに応じて容量が増大するだけでなく、電気機器に使用されているインバータやノイズフィルタ等に起因する高調波歪み電流によっても容量が増大する。
第1の増幅回路部11は、CTセンサ部10から供給された漏洩電流I(信号S1)を所定の利得で増幅する。第1の増幅回路部11は、増幅後の信号S1を第1のアナログフィルタ12と、第2の増幅回路部13に供給する。なお、第1の増幅回路部11では、具体的には、漏洩電流Iを電圧に変換し、変換後の電圧を所定のレベルまで増幅している。
第1のアナログフィルタ12は、所定の帯域(以下、第1の帯域という。)の信号を通過させるフィルタ回路で構成されており、第1の増幅回路部11から供給された信号S1に対して第1の帯域以外の信号成分(ノイズ成分)を除去し、ノイズ除去後の信号S3をマルチプレクサ20に供給する。
第2の増幅回路部13は、第1の増幅回路部11から供給された信号S1をさらに所定の利得で増幅する。第2の増幅回路部13は、増幅後の信号S2を第2のアナログフィルタ14に供給する。
第2のアナログフィルタ14は、所定の帯域(以下、第2の帯域という。)の信号を通過させるフィルタ回路で構成されており、第2の増幅回路部13から供給された信号S2に対して第2の帯域以外の信号成分(ノイズ成分)を除去し、ノイズ除去後の信号S4をマルチプレクサ20に供給する。
マルチプレクサ20は、第1のアナログフィルタ12から供給される信号S3と、第2のアナログフィルタ14から供給される信号S4に基づいて、一方の信号を選択し、選択した信号を信号S7としてA/D変換部21に供給する。
ここで、マルチプレクサ20の具体的な動作について説明する。マルチプレクサ20は、第1のアナログフィルタ12から供給される信号S3及び第2のアナログフィルタ14から供給される信号S4がオーバーフローしているか否かを判断し、オーバーロードしていない方の信号を選択し信号S7としてA/D変換部21に供給する。
また、マルチプレクサ20は、第1のアナログフィルタ12から供給される信号S3及び第2のアナログフィルタ14から供給される信号S4が何れもオーバーフローしていない場合には、信号の帯域が広い方の信号を信号S7としてA/D変換部21に供給する。例えば、CTセンサ部10で検出された漏洩電流Iが小さい信号が例えば数mA程度であった場合、マルチプレクサ20は、第2のアナログフィルタ14から供給される信号S4を選択し、この信号S4を信号S7としてA/D変換部21に供給する。また、例えば、CTセンサ部10で検出された漏洩電流Iが大きい信号が例えば数百mA程度であった場合、マルチプレクサ20は、第1のアナログフィルタ12から供給される信号S3を選択し、この信号S3を信号S7としてA/D変換部21に供給する。
そして、本発明に係る漏洩電流検出装置1の電圧検出部15は、図1に示すように、被測定電線路Aに電圧プローブを接続することにより、電圧線路に印加されている電圧を検出する。
なお、電圧検出部15は、被測定電線路Aの電気方式が三相3線式の場合には、S相(接地)以外のR相とT相間の電圧を検出する。
ところで、電気方式が三相3線式の電線路においては、電圧を降圧するトランスの2次側は、感電を防止するように、B種設置工事が施され、接地相(S相)は、大地に接続されている。そのため、三相3線式の電線路では、接地相(S相)と大地との間には電圧は発生しない。したがって、本発明に係る漏洩電流検出装置1の電圧検出部15は、被測定電線路Aの電気方式が三相3線式の場合には、S相(接地)以外のR相とT相間の電圧を検出し、S相とR相、S相とT相との間の電圧の検出は行う必要がない。これは、現在使用されている漏電遮断器において、接地相の漏電を検出していない構造となっていることからも理解されるところである。
また、本発明に係る漏洩電流検出装置1の電圧検出部15は、被測定電線路Aの電気方式が単相2線式の場合には、N相とL相間の電圧を検出する。
そして、電圧検出部15は、被測定電線路Aから検出した電圧から基準点を求め、その電圧を変圧部16に供給する。ここで、電圧検出部15は、被測定電線路Aから検出した電圧の0クロスする点を基準点とする。
変圧部16は、電圧検出部15から供給された電圧を所定の電圧値に変圧し、変圧後の電圧V1を電圧判別部17に供給する。電圧判別部17は、変圧部16から供給された電圧V1のレベル、例えば、100V又は200Vを判別(分圧)し、判別後の電圧V2を第3のアナログフィルタ18に供給し、電圧V3を第4のアナログフィルタ19に供給する。
第3のアナログフィルタ18は、電圧判別部17から供給された電圧V2のノイズ成分を除去し、ノイズ除去後の信号S5をマルチプレクサ20に供給する。第3のアナログフィルタ18は、例えば、100V系の電圧に対応するフィルタ回路で構成されており、100Vの電圧V2が電圧判別部17から供給された場合には、10Vの信号S5をマルチプレクサ20に供給する。
第4のアナログフィルタ19は、電圧判別部17から供給された電圧V3のノイズ成分を除去し、ノイズ除去後の信号S6をマルチプレクサ20に供給する。第4のアナログフィルタ19は、例えば、200V系の電圧に対応するフィルタ回路で構成されており、200Vの電圧V2が電圧判別部17から供給された場合には、10Vの信号S6をマルチプレクサ20に供給する。
マルチプレクサ20は、第3のアナログフィルタ18から供給される信号S5と、第4のアナログフィルタ19から供給される信号S6とを比較し、所定値、例えば、10Vの信号を選択し、選択した信号を信号S7としてA/D変換部21に供給する。
A/D変換部21は、マルチプレクサ20から供給されたアナログ信号である信号S7をデジタル信号S8に変換し、変換後のデジタル信号S8を演算回路部22に供給する。 演算回路部22は、A/D変換部21から供給されるデジタル信号S8について、スイッチ部24から供給される情報に基づいて、所定の演算を行い、対地静電容量に起因する漏洩電流(Igc)を検出する。また、演算回路部22は、演算結果として、対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流(Igr)、漏洩電流(Igc)と漏洩電流(Igr)のベクトルによる合計値である漏洩電流(I0)、抵抗値Gr、位相角θを算出する。
表示回路部23は、演算回路部22により算出された結果を表示する。なお、表示部のサイズが小さい場合には、ユーザによる所定の操作により選択された演算結果が表示部に表示される。
ここで、演算回路部22の演算処理について説明する。演算回路部22は、A/D変換部21から供給されるデジタル信号S8から、デジタルフィルタにより第3、第5及び第7次高調波を除去し、これら高調波が除去された後の信号について、スイッチ部24から供給された情報、すなわち被測定電線路Aの電気方式に基づいて、漏洩電流(I0)の位角(θ)を算出する。具体的には、演算回路部22は、被測定電線路Aに発生している漏洩電流Iに起因するデジタル信号S8と、被測定電線路Aに印加されている電圧に起因するデジタル信号S8とに基づき、被測定電線路Aに流れている漏洩電流Iの位相角(θ)を算出する。
そして、演算回路部22は、算出した位相角(θ)と、検出した漏洩電流(I0)から対地静電容量に起因する漏洩電流(Igc)を算出する。
演算回路部22は、電気方式が単相式の場合には、Igcを下記に示す第1式により算出する。
Igc=sinθ×I0 ・・・(1)
また、演算回路部22は、電気方式が三相3線式の場合には、Igcを下記に示す第2式により算出する。
Igc=(I0×sinθ/√3)−I0×cosθ ・・・(2)
また、演算回路部22は、位相角(θ)と、被測定電線路Aに発生している漏洩電流(I0)に基づき、Igrを算出する。なお、電気方式が単相式の場合には、下記に示す第3式によりIgrを算出し、電源が三相式3線式の場合には、下記に示す第4式によりIgrを算出する。
Igr=I0×cosθ ・・・(3)
Igr=(I0×sinθ)/cos30° ・・・(4)
また、演算回路部22は、算出したIgrと、被測定電線路Aに印加されている電圧Vに基づき、抵抗値Grを下記に示す第5式により算出する。
Gr=V/Igr ・・・(5)
上述のような構成を備えた漏洩電流検出装置1は、例えば、被測定電線路Aの電源が三相式3線式の場合であっても、電源が単相式の場合と同様の処理が可能な構成とされている。
ここで、本願発明に係る漏洩電流検出装置1の原理について述べる。
漏洩電流検出装置1のCTセンサ部10は、被測定電線路Aをクランプし、図2(a)に示すように、位相が120°ずつ異なるR相とS相との間、S相とT相との間及びT相とR相との間の波形を検出する。なお、図2(a)では、便宜的にそれぞれの波形を示しているが、CTセンサ部10で検出される波形は合成波形である。CTセンサ部10により検出された合成波形は、第1の増幅回路部11に供給する。第1の増幅回路部11は、CTセンサ部10から供給された漏洩電流I(信号S1)を所定の利得で増幅し、増幅後の信号S1を第1のアナログフィルタ12と、第2の増幅回路部13に供給する。
第1のアナログフィルタ12は、第1の増幅回路部11から供給された信号S1に対して第1の帯域以外の信号成分(ノイズ成分)を除去し、ノイズ除去後の信号S3をマルチプレクサ20に供給する。
また、第2の増幅回路部13は、第1の増幅回路部11から供給された信号S1をさらに所定のレベルまで増幅する。第2の増幅回路部13は、増幅後の信号S2を第2のアナログフィルタ14に供給する。
第2のアナログフィルタ14は、第2の増幅回路部13から供給された信号S2に対して第2の帯域以外の信号成分(ノイズ成分)を除去し、ノイズ除去後の信号S4をマルチプレクサ20に供給する。
マルチプレクサ20は、第1のアナログフィルタ12から供給される信号S3と、第2のアナログフィルタ14から供給される信号S4に基づいて、一方の信号を選択し、選択した信号を信号S7としてをA/D変換部21に供給する。
また、電圧検出部15は、図1に示すように、R相及びT相に電圧プローブを接続し、R相とT相間の電圧を検出し、検出した電圧を、図2(b)に示すように、反転させる。電圧検出部15は、検出した電圧の所定の場所で0クロスする点を基準点として定める。電圧検出部15において基準点が求められた電圧は、変圧部16に供給される。
変圧部16は、電圧検出部15から供給された電圧を所定の電圧値に変圧し、変圧後の電圧V1を電圧判別部17に供給する。電圧判別部17は、変圧部16から供給された電圧V1のレベル、例えば、100V又は200Vを判別(分圧)し、判別後の電圧V2第3のアナログフィルタ18に供給し、電圧V3は第4のアナログフィルタ19に供給する。ここで、第3のアナログフィルタ18は、電圧判別部17から供給された電圧V2のノイズ成分を除去し、ノイズ除去後の信号S5をマルチプレクサ20に供給する。また、第4のアナログフィルタ19は、電圧判別部17から供給された電圧V3のノイズ成分を除去し、ノイズ除去後の信号S6をマルチプレクサ20に供給する。
マルチプレクサ20は、第3のアナログフィルタ18から供給される信号S5と、第4のアナログフィルタ19から供給される信号S6とを比較し、所定値、例えば、10Vの信号を選択し、選択後の信号S7をA/D変換部21に供給する。
そして、A/D変換部21は、マルチプレクサ20から供給されたアナログ信号である信号S7をデジタル信号S8に変換し、変換後のデジタル信号S8を演算回路部22に供給する。
例えば、被測定電線路AのR相に、対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流であるIgr(以下「R相Igr」という。)のみが発生し、また、T相に、対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流であるIgr(以下「T相Igr」という。)のみが発生している場合には、図2(c)に示すように、R相Igrは、基準点から120°の位相差が生じ、T相Igrは、基準点から60°の位相差が生じる。
また、被測定電線路AのR相に、対地静電容量に起因する漏洩電流Igc(以下「R相Igc」という。)のみが発生し、また、T相に、対地静電容量に起因する漏洩電流Igc(以下「T相Igc」という。)のみが発生している場合には、図2(d)に示すように、R相IgcとT相Igcの合成波形の基準点からの位相差は、180°(0°)である。
さらに、被測定電線路AのR相にIgrとIgcとが発生し、T相にIgrとIgcとが発生している場合には、図2(e)に示すようになる。
また、上述の説明をベクトルで表すと、以下のようになる。被測定電線路Aが三相式なので、図3(a)に示すようになる。そして、電圧検出部15でR相とT相との間の電圧を検出し、検出した電圧から基準点を求めると、図3(b)に示すように、単相式のベクトル図となる。なお、上述したように、R相Igrと基準点との位相差は、60°であり、また、T相Igrと基準点との位相差は、120°である。
また、単相式の場合には、図4に示すように、IgrとIgcの位相差は90°なので、R相Igrから90°回った位置にR相Igcを求めることができ、また、T相Igrから90°回った位置にT相Igcを求めることができる。さらに、基準点から180°(0°)の位置に、R相IgcとT相Igcとの合成ベクトルIgcを求めることができる(図3(c)参照)。
したがって、例えば、被測定電線路AにR相Igrのみが発生している場合には、R相IgrとR相Igcとの合成ベクトル、すなわち被測定電線路Aに流れている漏洩電流I0は、図3(d)のように表すことができる。なお、図3(d)から、R相Igrを算出する式として、上述した第5式を導き出すことができる。また、漏洩電流I0の位相差θは、R相Igr及びIgcの大きさにより変化し、変化の幅は、基準点から60°〜180°である。
また、例えば、被測定電線路AにT相Igrのみが発生している場合には、T相IgrとT相Igcとの合成ベクトル、すなわち被測定電線路Aに流れている漏洩電流I0は、図3(e)のように表すことができる。なお、図3(e)から、T相Igrを算出する式として、上述した第4式を導き出すことができる。また、漏洩電流I0の位相差θは、T相Igr及びT相Igcの大きさにより変化し、変化の幅は、120°〜180°である。
ところで、本発明においては、前述したように、被測定電線路Aの電気方式が三相3線式の場合には、S相(接地)以外のR相とT相間の電圧を検出し、S相とR相、S相とT相との間の電圧の検出は行う必要がない。
すなわち、R相を地絡した場合のIgcは、下記の第6式に示すようになる。
Igc=I0×sin(θ−90°)+Igr×sin30° ・・・(6)
また、T相を地絡した場合のIgcは、下記の第7式に示すようになる。
Igc=I0×sin(θ−90°)−Igr×sin30° ・・・(7)
条件として、位相角(θ)が120°≦θ≦180°の場合、Igcは完全に2重解となる。よって、そのIgcの取り得る範囲は、R相地絡の場合のIgc、若しくはT相地絡の場合のIgcの値の何れかとなる。これは、Igrの地絡相がどちらかということから2重解となる。
また、θ<60°でのIgcは存在しない。さらに、60°<θ<120°では、正の値の解をIgc値とする。
なお、位相角(θ)が120°≦θ≦180°の場合、Igrは、下記の第8式に示すようになる。
Igr=I0×sin(180°θ)/cos30° ・・・(8)
以上より、被測定電線路Aの電気方式が三相3線式の場合には、S相(接地)以外のR相とT相間の電圧を検出し、S相とR相、S相とT相との間の電圧の検出は行う必要がないことが理解される。
ここで、上述に示した本願発明に係る漏洩電流検出装置1により、被測定電線路Aに流れる漏洩電流成分を検出する動作について図5に示すフローチャートを用いて説明する。
ステップST1において、ユーザは、電圧プローブを測定対象の電線路の電圧線路に接続する。測定対象の電線路が単相2線式(電圧線路と接地線とからなる)の場合には、電圧線路の極性に注意して、電圧線路に電圧プローブを接続する。電圧検出部15は、電圧プローブを介して検出した電圧を変圧部16に供給する。また、測定対象の電線路が単相3線式又は三相多線式の場合には、R相及びT相の極性に注意して、R相及びT相に電圧プローブを接続する。電圧検出部15は、電圧プローブを介して検出した電圧を合成して、合成後の電圧を変圧部16に供給する。
ステップST2において、ユーザは、CTセンサ部10のセンサ部(分割型交流器)のKとLの方向に注意して、B種設置工事の接地線被測定電線路を一括して挟む。なお、漏洩電流検出装置1は、センサ部のKとLの方向が合っている場合には、漏洩電流成分が図示しない表示部に表示され、また、センサ部のKとLの方向が間違っている場合には、図示しないブザー出力部からブザーが鳴り響く構成であってもよい。また、センサ部の挟む方向を間違えないように、センサ部の持ち手の部分に、K表示とL表示を付しておいてもよい。
ステップST3において、ユーザは、漏洩電流検出装置1の主電源をONにする。
ステップST4において、ユーザは、スイッチ部24を操作して電気方式を選択する。
ステップST5において、ユーザは、漏洩電流検出装置1の測定開始ボタンを押圧する。漏洩電流検出装置1は、測定開始ボタンの押圧により、被測定電線路Aに流れている漏洩電流の検出を行う。
ここで、本発明に係る漏洩電流検出装置1により、実際に被測定電線路から漏洩電流成分を測定した結果を図6に示す。なお、図6に示す測定は、電源周波数:50Hz、電圧:単相100V、気温:25℃、湿度:68%の条件下で行ったものである。
また、測定では、測定開始から4分経過時〜7分経過前(3分間)に疑似絶縁抵抗として10kΩを接地し、測定開始から7分経過時〜9分経過前(2分間)に疑似絶縁抵抗として10kΩを接地し、かつ疑似静電容量としてコンデンサ(0.47μF)を接地し、測定開始から9分経過時〜11分経過前(2分間)に疑似静電容量としてさらにコンデンサ(0.47μF)を一つ追加接地し、測定開始から12分経過時〜測定終了(3分間)に疑似絶縁抵抗のみを外した。
ステップST6において、ユーザは、所定の操作を行って、表示部にステップST5の工程により求められた結果を選択する。ここでは、対地静電容量に起因する漏洩電流(Igc)、対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流(Igr)、漏洩電流(Igc)と漏洩電流(Igr)のベクトルによる合計値である漏洩電流(I0)、抵抗値Gr、位相角の何れかの選択が行われる。
本発明に係る漏洩電流検出装置1は、ステップST6の工程におけるユーザの操作に応じて選択した所定の結果を選択的に表示部に表示させる。
また、ステップST7において、漏洩電流検出装置1は、ユーザの操作に応じて、選択されたすべての結果を記憶部25に記憶させる。また、漏洩電流検出装置1は、ユーザの操作に応じて、選択されたすべての結果を外部に出力するような構成であってもよい。
このように構成された本願発明に係る漏洩電流検出装置1は、被測定電線路Aから漏洩電流Iを検出し、検出された漏洩電流Iを第1の増幅回路部11で増幅し、第1の増幅回路部11で増幅された信号をさらに第2の増幅回路部13で増幅し、第1の増幅回路部11で増幅された信号と、第1の増幅回路部11と第2の増幅回路部13で増幅された信号に基づいて、マルチプレクサ20でA/D変換部21に入力するのに最適な信号が選択され、また、被測定電線路Aに印加されている電圧を検出し、検出された電圧を分圧し、マルチプレクサ20でA/D変換部21に入力するのに最適な信号が選択され、A/D変換部21で変換されたデジタル信号に基づいて、演算回路部22で所定の演算が行われ、対地静電容量に起因する漏洩電流(Igc)を検出するので、漏電遮断器や漏電火災警報器が作動する際の漏洩電流Iの設定値を最適な値に選択することが可能となる。したがって、本発明によれば、漏電遮断器や漏電火災警報器の誤動作による停電や、機器トラブルを回避することができる。
また、本発明では、漏洩電流を検出するために、電路・機械設備等を一時的な停電状態にすることなく、外部から簡単かつ安全に対地静電容量に起因する漏洩電流(Igc)を検出することができる。
また、本発明に係る漏洩電流検出装置及び方法では、漏電火災等の大惨事を招く対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流(Igr)の検出をすることもできる。
また、本願発明に係る漏洩電流検出装置1は、周波数注入式のように基準点を他から持ってくるのではなく、基準点を伝送線路に発生している電圧から求める構成である。
なお、本発明は、図面を参照して説明した上述の実施例に限定されるものではなく、添付の請求の範囲及びその主旨を逸脱することなく、様々な変更、置換又はその同等のものを行うことができることは当業者にとって明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る漏洩電流検出装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、本発明に係る漏洩電流検出装置により行われる漏洩電流の検出する様子を波形で示した図である。
【図3】図3は、本発明に係る漏洩電流検出装置により行われる漏洩電流の検出する様子をベクトルで示した図である。
【図4】図4は、電源が単相の場合のIgrとIgcの位相差を示す図である。
【図5】図5は、本発明に係る漏洩電流検出装置の動作について説明するフローチャートである。
【図6】図6は、本発明に係る漏洩電流検出装置により被測定電線路から漏洩電流成分を測定した結果を示す図である。
【符号の説明】
10 クランプ・カレントトランスセンサ部、15 電圧検出部、20 マルチプレクサ、21 A/D変換部、22 演算回路部、23 表示回路部、24 スイッチ部

Claims (5)

  1. 電圧線と接地線とからなる被測定電線路Aの電力線を一括クランプして上記被測定電線路Aに流れている漏洩電流(I)を検出する漏洩電流検出手段と、
    上記被測定電線路Aの電圧線に印加されている電圧(V)を検出する電圧検出手段と、
    上記漏洩電流検出手段により検出された上記漏洩電流のノイズ成分を除去する第1のノイズ成分除去手段と上記電圧検出手段で検出された上記電圧のノイズ成分を除去する第2のノイズ成分除去手段と、
    上記漏洩電流検出手段により検出され上記第1のノイズ成分除去手段によりノイズ成分が除去された漏洩電流(I)と上記電圧検出手段で検出され上記第2のノイズ成分除去手段によりノイズ成分が除去された電圧(V)をそれぞれデジタル信号に変換するアナログ/デジタル変換手段と、
    上記アナログ/デジタル変換手段により変換されたデジタル信号の高調波成分を除去する高調波成分除去手段と、
    上記高調波成分除去手段により高調波成分が除去された上記デジタル信号に基づき、上記漏洩電流(I)と上記電圧(V)の位相角θを検出する位相角検出手段と、
    上記位相角検出手段により検出された上記位相角θと、上記漏洩電流(I)を検出して得られる対地静電容量に起因する漏洩電流(Igc)と対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流(Igr)のベクトルによる合計値である漏洩電流(I0)とに基づいて、非接地相各相に発生する対地静電容量の合成分に起因する漏洩電流(Igc)を演算する演算手段を備え、
    上記演算手段は、上記被測定電線路の電気方式が三相多線式であって、非接地相各相に発生する対地静電容量の合成分に起因する漏洩電流(Igc)を、
    Igc=(I0×sinθ/√3)−I0×cosθ
    により算出することを特徴とする漏洩電流検出装置。
  2. 測定される被測定電線路の電気方式を選択する切換スイッチを備えることを特徴とする請求項1記載の漏洩電流検出装置。
  3. 上記演算手段によって演算された結果を表示する表示手段を備えることを特徴とする請求項1記載の漏洩電流検出装置。
  4. 電圧線と接地線とからなる被測定電線路Aの電力線を一括クランプして上記被測定電線路Aに流れている漏洩電流(I)を検出する漏洩電流検出工程と、
    上記被測定電線路Aの電圧線に印加されている電圧(V)を検出する電圧検出工程と、
    上記漏洩電流検出手段により検出された上記漏洩電流のノイズ成分を除去する第1のノイズ成分除去工程と上記電圧検出手段で検出された上記電圧のノイズ成分を除去する第2のノイズ成分除去工程と、
    上記漏洩電流検出手段により検出され上記第1のノイズ成分除去手段によりノイズ成分が除去された漏洩電流(I)と上記電圧検出手段で検出され上記第2のノイズ成分除去手段によりノイズ成分が除去された電圧(V)をそれぞれデジタル信号に変換するアナログ/デジタル変換工程と、
    上記アナログ/デジタル変換手段により変換されたデジタル信号の高調波成分を除去する高調波成分除去工程と、
    上記高調波成分除去手段により高調波成分が除去された上記デジタル信号に基づき、上記漏洩電流(I)と上記電圧(V)の位相角θを検出する位相角検出工程と、
    上記位相角検出手段により検出された上記位相角θと、上記漏洩電流(I)を検出して得られる対地静電容量に起因する漏洩電流(Igc)と対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流(Igr)のベクトルによる合計値である漏洩電流(I0)とに基づいて、非接地相各相に発生する対地静電容量の合成分に起因する漏洩電流(Igc)を演算する演算工程を備え
    上記演算工程は、被測定電線路の電気方式が三相多線式であって、非接地相各相に発生する対地静電容量の合成分に起因する漏洩電流(Igc)を、
    Igc=(I0×sinθ/√3)−I0×cosθ
    により算出することを特徴とする漏洩電流検出方法。
  5. 上記漏洩電流の検出に先立って、測定される被測定電線路の電気方式を選択することを特徴とする請求項4記載の漏洩電流検出方法。

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