JP5216371B2 - 走査電子顕微鏡 - Google Patents

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Description

本発明は、電子線を用いて試料を測定,検査、或いは観察する電子顕微鏡に係り、特に試料高さや試料帯電を測定するのに好適な走査電子顕微鏡に関する。
昨今、半導体デバイスの微細化や高集積化が急速に進められており、測長・検査技術がますます重要になっている。走査型電子顕微鏡は、集束した電子ビームを試料上に走査し二次電子や反射電子を検出することによって試料表面を観察する装置であり、高解像度を有するためCD−SEM(Critical Dimension-Scanning Electron Microscope)やDR−SEM(Defect Review-Scanning Electron Microscope)等に代表されるような半導体測長・検査装置として広く用いられ、こうした装置には、半導体製造ラインの中に置かれ無人で稼動することが前提となっている。また、検査・測長の高速化のため、個々の処理時間を短縮し、高速にフォーカスずれの無い明瞭な像を撮像する必要がある。
一般的にフォーカス調整は、フォーカス面を変化させて得られたSEM画像を元にフォーカス調整を自動で行う方法が用いられているが、時間がかかり、スループットが低減する。フォーカス調整に必要な時間を短縮するため、特許文献1にはウェハ表面高さを光学式の高さ検出器で検出し、その表面高さを元にフォーカスを合わせる方法について記載されている。更に、特許文献2には、帯電によるフォーカスずれを調整する方法として、測定前に静電電位計で帯電電位を測定し、測定した電位と光学式の高さ検出器で測定した試料高さを元にフォーカス調整を行う方法について記載されている。
また、特許文献3には、異なるビームエネルギーを使って得られる映像のスコアを解析し、この解析によりビームエネルギーを調節することによりフォーカスを調整する技術が開示されている。
特開平11−149895号公報 特開2005−338096号公報 特開2001−236915号公報
しかしながら上記の方法には以下の問題点がある。
特許文献1に開示の技術では、透明な試料を観察した場合、光学式の高さ検出器で測定した試料高さが、実際の試料高さと異なるため、試料上にフォーカスを結べないという問題がある。また、試料高さを正確に測定しても、帯電により、電子線が加速(または減速)され、フォーカスがずれるという問題がある。特許文献2に開示の技術では、帯電によるフォーカスずれを調整する方法として、測定前に静電電位計で帯電電位を測定する技術が説明されている。測定前の電位測定はスループットの観点からは非常に有効な手法であるが、経時的な帯電電位の変化等があった場合、当該電位の変化がない場合と比較して、フォーカス調整に若干の時間を必要とする。
特許文献3に開示の技術では、異なるビームエネルギーを使って得られる映像のスコアを解析し、この解析によりビームエネルギーを調節することによりフォーカス調整が行っているが、電子線を試料に照射して画像を得ているため、電子線照射に基づく試料ダメージや帯電の蓄積,フォーカス調整の遅延に基づくスループット低下が懸念される。
本発明は、電子線照射によるダメージ等を抑制しつつ、試料の電位、或いは試料高さを正確に測定することが可能な走査電子顕微鏡を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、試料に向かって電子ビーム等の荷電粒子線等を照射する際に、当該荷電粒子線が試料に到達しないように、試料に電圧を印加した状態で得られる電子等の荷電粒子の検出結果を用いて、試料高さや試料電位を測定する走査電子顕微鏡を提案する。また、その一態様として、測定された試料高さや試料電位に基づいて、試料帯電によって変動する装置条件(例えば倍率,フォーカス,観察座標等)を補正する走査電子顕微鏡を提案する。
上記構成によれば、電子ビームを試料に到達させることなく、試料高さ或いは試料電位の測定を行うことができるので、電子ビーム照射による試料ダメージや帯電の蓄積による装置条件の変動をもたらすことなく、高精度に装置条件の調整を行うことが可能となる。
以下に、荷電粒子線を試料に向けて照射している状態において、当該荷電粒子線が試料へ到達しない状態(以下ミラー状態と称することもある)となるように、試料に電圧を印加した状態で得られるミラー電子の検出結果を用いて試料電位と試料高さを測定し、試料帯電によって変化する装置条件(倍率,フォーカス,観察座標)を自動的に補正する装置を説明する。なお、以下の説明では荷電粒子線装置の一例である走査電子顕微鏡を例にとって説明するが、例えば荷電粒子線装置の他の態様である集束イオンビーム(Focused Ion Beam)装置に適用することも可能である。この場合、イオンビームが正電荷である場合には、上記ミラー状態を形成するべく、試料に正の電圧を印加する。また、検出される荷電粒子も正イオンとなる。
まず、試料電位と試料高さを測定する方法について説明する。試料に一次電子線が入射しないミラー条件下で、光学的なパラメータ(対物レンズに対する物点ZC,対物レンズの励磁電流Iobj,試料電位Vs=Vr+ΔVs,ブースタ電位Vb等、その他レンズ倍率に関係するパラメータ)を任意の値に設定し、物面上でのビーム開き角に依存するビーム到達位置AH(XH,YH,ZD)(検出器上のH軌道の到達点)若しくは、物面上でのビーム位置に依存するビーム到達位置AG(XG,YG,ZD)(検出器上のG軌道の到達点)若しくはAH,AGの両方を直接的若しくは間接的に計測して試料電位と試料高さを算出する。ミラー電子の到着位置の導出方法について以下に示す。
ミラー電子の検出器はMCP等の直接ミラー電子を検出する物,反射板等にミラー電子を衝突させ、放出される2次電子を検出する物、それ以外の電子検出器のどれを用いても良いが、複数の検出素子が二次元的に拡がったものを用いることが望ましい。また、CCD(Charge Coupled Device)の受光部に、蛍光板を貼り合わせて形成した素子を用いて、ミラー電子の到達位置を特定するようにしても良い。
これら複数の検出素子の出力信号からミラー電子の到達位置、もしくは分布を求め、基準値からのずれを特徴量として求めることが可能となる。また、画像を用いれば、より簡単に特徴量を検出することができる。ミラー電子は、試料直上で反射され、レンズ系の中を通過する際に、ビームの通路や構造物の影響を受ける。画像を取得するためには、入射ビームの位置を走査させてもよい。これによってビーム経路にある構造物の形状が、画像として形成される。画像に移りこんだ構造物の形状の大きさ,エッジのだれを測定することで特徴量Fmを測定できる。
複数の光学条件(光学条件1,光学条件2,・・・・)で特徴量と試料電位,試料高さの関係(F1(Vs,Zs),F2(Vs,Zs),・・・・)を、予めシミュレーションや実測で求めた値、若しくは関数で記憶し、測定時に参照すれば、複数の光学条件で取得した特徴量(Fm1,Fm2・・・)から試料電位と試料高さを導出できる。
ここで、試料電位Vsと試料高さZs以外の光学パラメータ(光学条件1,光学条件2)を設定し、特徴量(Fm1,Fm2)を取得した場合を例に挙げ、試料高さと試料電位の導出方法の一例について説明する。
取得した特徴量Fmと試料電位Vs及び試料高さZsの関係を図2に示す。特徴量Fmは試料電位Vsと試料高さZsに依存して変動する。まず、光学条件1を設定し取得した特徴量がFm1だった場合について説明する。特徴量がFm1(図中点線)の場合、試料高さによって導出される電位が異なる。例えば、試料高さがZA(ZB,ZC)の場合、測定電位はVA(VB,VC)となる。この時(点線上)の試料高さと試料電位の関係を図3に示す。このように、試料高さZsと試料電位Vsには依存関係があり、どちらか一方が分かれば、もう一方も分かる。更に、別の光学条件(光学条件2)を設定し特徴量を取得すれば、試料高さZsと試料電位Vsの両方を測定できる。
光学条件1(光学条件2)で取得した特徴量がF1(F2)だった場合を例に挙げ、試料高さZsと試料電位を測定する方法について説明する。図4に測定方法の説明図を示す。光学条件1(光学条件2)で取得した特徴量がF1(F2)だった場合の試料高さZsと試料電位Vsの関係を実線(点線)で示す。このとき、2つの曲線が交差する。この交点を求めれば試料電位と試料高さを導出できる。
ここでは、それぞれの光学条件に対し個別に試料電位Vsと試料高さZsの関係を示す曲線を求め、求めた曲線から、試料電位と試料高さを求める方法について示したが、F1(Vs,Zs)やF2(Vs,Zs)をなんらかの関数で表現し、直接方程式を解いて求めても良いし、特徴量Fmを試料高さZsと試料電位Vsでテーブル化し、取得した特徴量Fmの近傍にある点を用いて内挿若しくはフィッティングで試料高さZsと試料電位Vsを求めても良い。
また関数F1(Vs,Zs)やF2(Vs,Zs)が高次の成分を持つ場合、複数の解を持つが、解の存在する範囲を限定したり、異なる光学条件で取得した特徴量の数を増やす事で、試料電位と試料高さの測定を安定して行える。
また、偏向器の上と下に特徴量を決定する構造物を設置する事で、ミラーモードの光学条件の設定幅を広げることが出来る。ここでは、1段目構造物の影(投影像)の大きさと2段目構造物の影の大きさを用いて、試料高さZs及び試料電位を求める方法について示すが、その他の特徴量についても応用可能である。
上段検出器22でミラー電子を検出した時、1段目構造物の影の画面上の長さL1は対物レンズの倍率Mobjで決定され下式で表現できる。
Figure 0005216371
ここで
Xo,Yo:物面上での偏向量 Xo=C1 XDEF , Yo=C1 YDEF
DEF,YDEF:偏向器の偏向量
であり、1段目構造物の影の長さL1の逆数は、試料電位と試料高さ及びその他の光学パラメータに依存して変動する倍率Mobjに比例する。次に2段目構造物の影の長さL2は対物レンズの倍率と偏向器の偏向量に依存して変動する。
Figure 0005216371
従って、1段目構造物の影の長さL1と2段目構造物の長さL2の比(L1/L2)を特徴量として抽出すると、特徴量の大きさは偏向器の偏向量に依存せず、所望の偏向量に変化させる事が出来るため、ミラーモードの光学条件の設定幅を広げることが出来る。
また、ミラー電子から得られた特徴量から試料電位や試料高さを導出し、観察条件にあった適切な値をホルダ電位Vrや対物レンズの励磁電流Iobj,一次ビームのエネルギーE,観察倍率等の光学パラメータに入力すれば、観察前にビームを試料に照射することなく明瞭で倍率精度の高いSEM画像を得ることが出来る。
本実施例による走査電子顕微鏡は、観察用の光学モードと試料電位を一次電子ビームの到達できない電位に設定したミラーモードの光学条件(ミラーモード)と2種類の光学モードを設定でき、通常のSEM像観察を行う前に光学条件をミラーモードに設定する。また、ミラーモードで得られたミラー電子の検出結果に基づき、試料電位と試料高さを測定し、測定した結果から対物レンズ12の励磁量Iobjや試料ホルダ電位Vr等、SEM像観察用の光学モードの光学パラメータを設定する。その結果、SEM像観察前に、試料帯電と試料高さが不明な試料に対しても、観察前に電子ビームを試料に照射することなく、明瞭で倍率精度の高いSEM画像を取得できる。以下に図面を用いて詳細な説明を行う。
本発明を実施する際に好適な装置構成を図1に示す。試料ホルダ5の電位を、試料4に一次電子ビームが到達できない値に設定し、光学条件をミラーモードとする。試料4、或いは試料ホルダ5(試料台と称することもある)に電圧を印加しない状態(すなわち試料が接地電位(帯電が付着している場合は別)の状態)における電子ビームの試料への到達エネルギーが例えば2000eVである場合、試料への印加電圧を2kVより大きくすると、電子ビームは試料に到達することなく、その直前の電位障壁によって反射される。このような状態をミラー状態と称し、電子顕微鏡の光学条件(加速電圧,試料への印加電圧等)の調整によって、ミラー状態とすることをミラーモードと称する。
ミラーモードでの一次電子の振る舞いを以下に示す。電界放出陰極1から、一次電子ビーム2が引き出される。引き出された一次電子ビーム2は、図示しない加速電極によって加速される。加速電極には例えば電圧Vaccが印加される。
コンデンサレンズ11による集束と、上段走査偏向器6、及び下段走査偏向器7による走査偏向を受ける。偏向を受けた一次電子ビーム1は、対物レンズ12の通路に設けられたブースタ電極8によって更に加速される。加速された一次電子ビームは電界制御電極23と試料4の電位差によって形成された電界の影響で減速され、試料直上で反射される。反射された一次電子ビーム3は鏡体内を逆走する。試料に印加される電圧Vrを上述のVaccより大きな値とすることによって、電子ビームは試料に到達することなく、電子ビーム照射方向とは反対の方向に反射される。
逆走した一次電子ビームは、ブースタ電極8により加速され1段目構造物13を通過、下段検出器21に突入する。下段検出器21がOFFの場合、一次電子ビームは逆走を続け、偏向器による偏向作用を受け、二段目構造物を通過し上段検出器22で検出される。検出した信号を試料情報計算装置120に入力し試料電位Vsと試料高さZsを導出、光学条件制御装置110に計算した試料電位Vsと試料高さZsを入力する。光学条件制御装置110では、入力された試料電位と試料高さと観察条件を基に観察試料上にフォーカスを結ぶように、電界制御電極やブースタ電極,対物レンズ,コンデンサレンズ,上段偏向器,下段偏向器等の光学特性を決定する電極と励磁コイルに適切な電圧と励磁電流を設定し、SEM像を取得する。
ここでは、上段検出器でミラー電子を検出し、試料情報計算装置120で試料高さと試料電位を演算した例について示したが、下段検出器21でミラー電子を検出すれば、復路時にミラー電子が上段偏向器6,下段偏向器7の影響を受けないという利点がある。本発明では、1段目検出器で特徴量を検出する場合、2段目検出器のみで特徴量を検出する場合、1段目及び2段目検出器で検出した特徴量を用いる場合等、発明の趣旨を変えない範囲で適用できる。
次に図5のフローチャートを用いて本発明による電子顕微鏡の第一の実施例を説明する。本実施例ではミラー電子の検出結果から抽出される特徴量と試料高さと試料電位の関係を表す関数Fm(Zs,Vs)若しくは特徴量のテーブルを記録する参照データ記録部122をもつ電子顕微鏡について示す。
ステップ100で光学条件をミラーモードに設定する。ステップ110でミラー電子を検出し、検出結果を試料情報計算装置120に入力する。ステップ120で入力されたミラー電子の検出結果から特徴量抽出部121で特徴量を抽出する。ステップ130で、抽出された特徴量と参照データ記録部122に予めミラーモードの光学条件毎に記録された、特徴量と試料高さと試料電位の関係を表す関数Fm(Zs,Vs)若しくは特徴量のテーブルから試料高さと試料電位を導出する。
ステップ140で導出した試料高さZsと試料電位Vs及び所望の観察条件を光学条件計算部111に入力し、入力されたパラメータを基に電子ビームが試料上にフォーカスするような光学パラメータ(各電極の電位,各励磁コイルの励磁量,偏向器の偏向量,観察倍率等)を計算する。計算した光学パラメータを光学条件設定部112に入力し、各電極及び励磁コイルの電位と励磁電流を設定する。
なお、上述の特徴量とは、検出器上の電子の検出位置,画像上の構造物の大きさ,構造物の位置,エッジのだれ,回転量,輝度等であり、例えば構造物の大きさは、電子顕微鏡の倍率と画像上の構造物の占有率等から、構造物の位置は画像上の構造物の位置を特定するための一般的な画像処理技術に基づいて、エッジのだれ具合は、焦点調整等に用いられているような鮮鋭度評価に基づいて、回転量は画像上の対象構造物の回転の度合いについては一般的な画像処理技術に基づいて、輝度は画像の輝度ヒストグラム形成に基づいて、いずれも既存の技術を用いて検出することが可能である。
第二の実施例として、構造物の影から抽出される特徴量を用いて試料高さと試料電位を導出する方法について示す。本実施例では、一段目構造物13の位置に1という形の構造物を設置し、上段偏向器6,下段偏向器7で電子ビームを走査しながら上段検出器22でミラー電子を検出した場合について示すが、検出器や構造物の位置関係について変更しても良い。この時、図6に示すように構造物の形状に依存した特徴を持つ画像をミラー電子の検出結果から得られる。このようにして得られた構造物の大きさ,エッジのだれ,回転量,輝度を特徴量として数値化し、試料高さと試料電位を導出する。
第三の実施例として、ミラー電子軌道上に設置された構造物が偏向器の上段と下段の両方に設置され、上段及び下段に設置された構造物の影から抽出される特徴量の比若しくは差を基に試料電位と試料高さを測定する電子顕微鏡について示す。偏向器の下に1という形の1段目構造物13を、偏向器の上に“2”という形の二段目構造物14を設置し、上段偏向器6,下段偏向器7で電子ビームを走査しながら上段検出器22でミラー電子を検出すると図7に示すような画像を取得できる。この時画像に表示された1段目構造物と2段目構造物の大きさの比を特徴量として抽出すれば、変更コイルの励磁電流に特徴量の大きさが依存しないという利点がある。ここでは、1段目構造物と2段目構造物の大きさの比を特徴量として使用するとしたが、エッジのだれ方や回転量,輝度に関する値を特徴量として抽出しても良い。
第四の実施例として、複数のミラーモードの光学条件下で取得した特徴量から試料高さと試料電位を測定する電子顕微鏡について示す。本実施例に示す電子顕微鏡は、図5に示すフローチャートにおいて、ステップ160で特徴量の数を確認した時に、所望の特徴量の数に達していなかった場合、ステップ170で光学条件を新たなミラーモードに設定し、新たな特徴量を抽出する。
また、ステップ120で1つの光学条件でのミラー電子の検出結果から、例えば、構造物のエッジだれと大きさや、検出面でのビーム径と変更幅等、2つ以上の特徴量を抽出しても良い。
第六の実施例として、電位の絶対値若しくはフォーカス条件を保障する校正用試料を試料ホルダに保持した電子顕微鏡について示す。校正用試料は導体であり、観察試料と同程度の試料高さにあり、試料ホルダと同電位になるよう試料ホルダに接地されていることが望ましい。本校正用試料で予め参照データを取得すれば、光学条件の経時変化による測定誤差を低減できる。
また経時変化が少なく仕事関数が既知のAu等の材料を用いれば、試料表面の絶対値を保障できるという利点がある。
第7の実施例では、光学条件の経時変化を調整するための校正用試料をウェハホルダ上に持ち、参照データ記録部122に保存する測定値若しくは関数を更新する電子顕微鏡について示す。
図10に第七の実施例のフローチャートを示す。ステップ200において、参照データを更新するか決定する。参照データの更新は、定期的に行うようにしておいても良いし、観察時のフォーカスずれが顕著になると自動で行うようにしても良い。ステップ210で参照データ校正用試料へ移動する。ステップ220で参照データの更新を行うミラーモードに設定する。ステップ230及びステップ240でミラー電子を検出し、特徴量を抽出する。ステップ250でZセンサや通常SEM観察の励磁電流,ミラーモードで抽出した複数の特徴量から校正用試料の高さを測定する。
ステップ260で、ステップ210からステップ250で得られた試料高さと試料電位と特徴量の関係を参照データ記録部122に保存する。
また、複数の試料高さを持つ校正用サンプルで、複数の高さ及び複数のミラーモードの光学条件毎に参照データを取得すれば、ミラーモードの光学条件に経時変化が発生しても、精度良く試料高さと試料電位を計測でき、SEM像観察前に、電子ビームを試料に照射することなく、フォーカス,倍率,観察位置等の光学条件を調整出来る。
本発明の実施に好適な走査型電子顕微鏡を表す図。 ミラー電子の検出結果から抽出した特徴量と試料電位,試料高さの関係を説明する図。 ミラー電子の検出結果から抽出した特徴量がある値を取った時の試料電位と試料高さの関係を表す図。 複数の特徴量から試料電位と試料高さを導出する方法の説明図。 本発明による第1及び第4の実施例を説明する図。 本発明による第2の実施例の説明図。 本発明による第3の実施例の説明図。 試料情報計算装置の説明図。 光学条件制御装置の説明図。 本発明による第7の実施例の説明図。
符号の説明
1 電子源
2 一次電子ビーム
3 反射された一次電子ビーム
4 試料
5 試料ホルダ
6 上段走査偏向器
7 下段走査偏向器
8 ブースタ電極
11 コンデンサレンズ
12 対物レンズ
13 1段目構造物
14 2段目構造物
21 下段検出器
22 上段検出器
23 電界制御電極
110 光学条件制御装置
111 光学条件計算部
112 光学条件設定部
120 試料情報計算装置
121 特徴量抽出部
122 参照データ記録部
123 試料電位・高さ計算部

Claims (14)

  1. 電子を検出する検出器と、
    電子ビームが照射される試料を支持する試料台と、
    前記試料、或いは試料台に印加する負電圧を制御する制御装置を備えた走査電子顕微鏡において、当該制御装置は、前記負電圧を制御して前記電子ビームが試料に到達する前に反射する状態とし、前記検出器によって検出された電子に基づいて得られる電子の検出位置、当該電子に基づいて形成される画像内における前記走査電子顕微鏡内の構造物の大きさ、当該構造物の位置、当該構造物のエッジのだれ、当該構造物の回転量、及び当該構造物の輝度に関する情報の少なくとも1つを示す特徴量と、当該特徴量と前記試料の前記電子ビームが反射される領域の下部に位置する試料表面の高さの関係に基づいて、前記試料の高さを求めることを特徴とする走査電子顕微鏡。
  2. 請求項1において、
    前記検出器と、前記試料の間には、前記反射した電子の一部が衝突する構造物が配置され、前記検出器には、当該構造物が投影されることを特徴とする走査電子顕微鏡。
  3. 請求項2において、
    前記構造物は、前記電子ビームを走査する走査偏向器の上段と下段の両方に配置されることを特徴とする走査電子顕微鏡。
  4. 請求項3において、
    前記制御装置は、前記上段と下段に配置された構造物の投影像の前記特徴量の比に基づいて、前記試料表面の高さを求めることを特徴とする走査電子顕微鏡。
  5. 試料に電位を与えるステージを備えた走査電子顕微鏡において、試料に電子ビームが到達できないような電位を与え、当該電子ビームを試料直上で反射させる、ミラーモードに設定可能な制御装置を備え当該制御装置は、試料直上で反射したミラー電子に基づいて得られる電子の検出位置、当該電子に基づいて形成される画像内における前記走査電子顕微鏡内の構造物の大きさ、当該構造物の位置、当該構造物のエッジのだれ、当該構造物の回転量、及び当該構造物の輝度に関する情報を示す少なくとも2つの特徴量に基づいて、試料電位と、前記電子ビームが反射される領域の下部に位置する試料表面高さを導出し、導出した試料電位と前記電子ビームが反射される領域の下部に位置する試料表面高さを基に、前記電子ビームを集束する対物レンズの励磁量、表示倍率、及び/又は前記電子ビームを走査する偏向器の走査範囲を調整することを特徴とする走査電子顕微鏡。
  6. 請求項5において、
    ミラー電子の軌道上に構造物を設置し、ミラー電子に基づいて形成される画像に写りこむ構造物の影から抽出される前記特徴量を基に前記試料電位と、前記電子ビームが反射される領域の下部に位置する試料表面高さを測定することを特徴とする走査電子顕微鏡。
  7. 請求項6において、
    前記構造物は、前記電子ビームを走査する上段の偏向器と下段の偏向器であって、当該上段及び下段に設置された構造物の影から抽出される前記特徴量の比を基に前記試料電位と、前記電子ビームが反射される領域の下部に位置する試料表面高さを測定することを特徴とする走査電子顕微鏡。
  8. 請求項5において、
    複数のミラーモードの光学条件下で取得した前記特徴量から前記試料電位と、前記電子ビームが反射される領域の下部に位置する試料表面高さを測定することを特徴とする走査電子顕微鏡。
  9. 請求項5において、
    前記1つのミラーモードに設定した状態にて、2つ以上の前記特徴量を抽出し、前記試料電位と、前記電子ビームが反射される領域の下部に位置する試料表面高さを測定することを特徴とする走査電子顕微鏡。
  10. 請求項5において、
    電位の絶対値を補償するための電位・試料高さ校正用試料が、試料ホルダ若しくは前記走査電子顕微鏡内部に保持されていることを特徴とする走査電子顕微鏡。
  11. 請求項10において、
    複数又は単数の前記ミラーモードの光学条件を記録し、設定したミラーモードにおいて得られる前記試料電位と、前記電子ビームが反射される領域の下部に位置する試料表面高さと関係を示す関数、或いはテーブルを用いて、前記試料電位と、前記電子ビームが反射される領域の下部に位置する試料表面高さを導出することを特徴とする走査電子顕微鏡。
  12. 請求項10において、
    自動又は手動で校正用試料上に移動し、前記ミラー電子に基づいて得られる前記特徴量と、前記試料電位と前記電子ビームが反射される領域の下部に位置する試料表面高さとの関係を表す関数、或いはテーブルを取得することで、測定結果の校正を行うことを特徴とする走査電子顕微鏡。
  13. 請求項10において、
    校正用試料が複数の試料高さを持つことを特徴とする走査電子顕微鏡。
  14. 請求項10において、
    校正用試料の高さを変動させる機構を持つことを特徴とする走査電子顕微鏡。
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