JP5215943B2 - アキシャルギャップ型回転電機のステータコイル - Google Patents
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Description
また、ロータの回転軸の周方向に配列された一のコイルピースの上層コイルピース部と他のコイルピースの下層コイルピース部との他端側には、両者を接続する接続端子が設けられる。よって、他端側において、上層コイルピース部と下層コイルピース部とを溶接する必要はない。
以上より、本発明によれば、コイルピースをステータの内周縁側と外周縁側のそれぞれにおいて溶接する必要がないため、ステータコイルを製造する工程の増大を回避することができ、かつ、コストの増大も回避することができる。また、溶接接合による接続不良をも回避することができる。
よって、上層コイルピース部の第2曲折部の端部から曲折して延びる接合部と、下層コイルピース部の第2曲折部の端部から曲折して延びる接合部とは、ロータの回転軸回りに対する径線上で平行となる。よって、上層コイルピース部の接合部と下層コイルピース部の接合部とを電気的に接続する接続端子を容易な構造とすることができる。
また、請求項2に記載の発明によれば、コイルループを形成するコイルピースとして、給電端子接続部を有する第2コイルピースを有するため、バスバーに接続する給電端子接続部をコイルピースに溶接して設ける必要がない。
また、コイルピースの前記下層コイルピース部の他端側に当接する接続部材の他端面側には、非導電性材料からなる絶縁部材が介在するため、隣り合う複数のコイルピースの他端側同士を離隔することができる。
図示しないアキシャルギャップ型回転電機とは、ロータおよびステータをロータの回転軸線(図1に示す一点鎖線Aを示す)方向に相互に対向配置してケース内に収納した型式の回転電機であり、供給される電気エネルギーを機械エネルギーに変換して回転運動を行う装置である。
なお、図示しないロータに設けられる永久磁石は、その一対の磁極がロータの回転軸の軸方向を向くように配置されており、かつ、隣り合う永久磁石が有する一対の磁極であるN極とS極とがロータの回転軸の周方向で互いに逆向きとなるように配設されている。(すなわち、平面視方向から見てN極とS極が周方向に交互に配列されている)。
以下において、ステータコイル10を構成するU相、V相およびW相の三相のうち、U相を構成するステータコイル10aについて説明する。なお、他のV相およびW相については、U相と同じ構成であるため、説明を省略する。
なお、複数のコイルピース11により形成される、U相における一つのコイルループとは、図3に示すように、ステータコイル10がロータの回転軸A周りに対し、順方向に3周周回し(図3右下層参照)、折り返して、逆方向に3周周回(図3左半部参照)してなるコイルループをいう。
なお、コイルピース11を構成する第1コイルピース12と第2コイルピース13とは、供給される電気エネルギーを磁界エネルギーに変換するための部材であるため、導電性部材からなり、特に抵抗率の低い銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金からなることが好ましい。
ここで、下層コイルピース部14と上層コイルピース部15と被係止部16の各構成部は、図4(b)に示すように、一方方向に延びる一対の延出部17a、17aを有する略コの字状の導電性板部材17を折り曲げて形成されてなる。一対の延出部17a、17aは、図2に示すように、第1コイルピース12がベース部材50に係止された場合に、ロータの回転軸Aの周方向に開脚するように折り曲げられている。なお、導電性板部材17の一対の延出部17a、17aの間には、一対の延出部17a、17a同士が当接しないための隙間部17bが形成されている。
また、このθ1は、第1コイルピース12を、ロータの回転軸Aの周方向に周回するように配列した場合に、図3右下層に示すように、一周ごとに配列がずれる角度であり、適宜変更可能な角度である。すなわち、コイルループが少なくとも1回以上周回する場合は、n週目始端とn週目終端とは位相がずれるように適宜調整することでn週目終端とn週目始端が干渉することなく、n週目終端とn+1週目始端とを接続することができる(nは自然数)。
一つ目として、図2に示すように、第1コイルピース12をベース部材50に係止させて、ロータの回転軸Aの周方向に配列した場合に、長尺状の中間部14a、15aがロータの回転軸A周りの径線上に位置する角度である。
これによって、中間部14a、15aに電流が流れた場合に、ロータの回転軸A周りの径線を軸として周回する磁界を発生することができる。
二つ目として、中間部14a、15aがなす角度θ2(図2参照)は、ロータの周方向に配設される永久磁石が占める位相角と一致する角度である。
これによって、複数の第1コイルピース12をロータの回転軸Aの周方向に配列した場合に、複数の第1コイルピース12の中間部14a、15aから生じるそれぞれの磁界が、ロータに配置されるそれぞれの永久磁石と対応することができる。
ここでいう所定の角度とは、第1コイルピース12をベース部材50に係止させて、ロータの回転軸Aの周方向に配列した場合、接合部14d、15dがロータの回転軸A周りの径線上に位置する角度である。
これによって、第1コイルピース12をベース部材50に係止させて、ロータの回転軸Aの周方向に配列した場合に、第1コイルピース12の接合部14d、15dは、隣接する第1コイルピース12の接合部14d、15dと、ステータコイル10の外周縁近傍で、接触するおそれがない。
ここで、下層コイルピース部20と上層コイルピース部21と被係止部22の各構成部は、図5(b)に示すように、一方方向に延びる一対の延出部18a、18aを有する略コの字状の導電性板部材18を折り曲げて形成されてなる。一対の延出部18a、18aは、第2コイルピース13がベース部材50に係止された場合に、ロータの回転軸Aの周方向に開脚するように折り曲げられている。
また、一対の延出部18a、18aの一方は、図5(b)に示すように、一対の延出部18a、18aの他方よりも短手方向に延出しており、その短手方向端部側に丸穴18cが形成されている。なお、導電性板部材18の一対の延出部18a、18aの間には、一対の延出部18a、18a同士が当接しないための隙間部18bが形成されている。
また、このθ1は、第1コイルピース12と第2コイルピース13を、ロータの回転軸Aの周方向に周回するように配列した場合に、図3右下部に示すように、一周ごとに配列がずれる角度であり、適宜変更可能な角度である。
一つ目として、第2コイルピース13をベース部材50に係止させ、ロータの回転軸Aの周方向に配列した場合に、長尺状の中間部20a、21aがロータの回転軸周りの径線上に位置する角度である。
これによって、中間部20a、21aに電流が流れた場合に、ロータの回転軸A周りの径線を軸として周回する磁界を発生させることができる。
二つ目として、中間部20a、21aがなす角度θ(図2参照)は、ロータの周方向に配設される永久磁石が占める位相角と一致するような角度である。
これによって、それぞれの中間部20a、21aから生じる磁界と、ロータの配置されたそれぞれの永久磁石とが対応することができる。
また、図3右下部に示すように、順次配列される第1コイルピース12は、順方向側に向かって、3周するように配列されており、その3周目の終端として、第2コイルピース13が配列されている(図6参照)。
つまり、図3右下部と図6に示すように、順方向2周目に配列される第1コイルピース12は、順方向1周目に配列された第1コイルピース12および第2コイルピース13と、θ1分ずれて配列されている。
また同様に、順方向3周目に配列される第1コイルピース12および第2コイルピース13も、順方向2周目に配列される第1コイルピース12とθ1分ずれて、配列されている。
まず、図7に示すように、逆方向配列1周目の始端として、給電端子接続部20eを有する第2コイルピース13が配列されている。また、その逆方向配列の始端の第2コイルピース13の逆方向側には、第1コイルピース12が順次配列されている。
また、図3左部に示すように、順次配列される第1コイルピース12は、逆方向側に向かって、3周するように配列されており、その3周目の終端として、第2コイルピース13が配列されている(図7参照)
ここで、逆方向配列1周目の始端の第2コイルピース13の中間部21aを、順方向配列3周目の終端の第2コイルピース13の中間部20aと隙間を介して重なるように配列することによって、図7に示すように、逆方向配列1周目の始端の第2コイルピース13の逆方向側に配列される第1コイルピース12の中間部14a、15aは、順方向配列3周目の終端の第2コイルピース13の逆方向側に配列される第1コイルピース12の中間部14a、15aとロータの回転軸方向で重なり合う。
つまり、図7に示すように、逆方向配列1周目を構成する第1コイルピース12と第2コイルピース13の中間部14a、15a、21aは、順方向配列3周目を構成する第1コイルピース12と第2コイルピース13の中間部14a、15a、21aとは、ロータの回転軸A方向で重なり合うこととなる。
また、同様に、逆方向配列3周目に配列された第1コイルピース12と第2コイルピース13の中間部14a、15a、21aは、順方向配列の1周目に配列された第1コイルピース12と第2コイルピース13の中間部14a、15a、21aは重なり合うこととなる。
接続端子40は、図8に示すように、導電性材料からなる接続部材41と、絶縁性材料からなる絶縁性部材42とからなる。
なお、接続部材41における導電性材料は、抵抗率の低い銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金からなることが好ましく、接触するコイルピース11に用いられる導電材料と同一の材料であることがより好ましい。
また、絶縁性部材42は、図8に示すように、第1コイルピース12又は第2コイルピース13との間に向かって挿入する先端側がテーパ状になっている。これによれば、ロータの回転軸A方向に配列される第1コイルピース12又は第2コイルピース13と間に接続端子40を挿入することが容易となる。
ベース部材50とリング部材60とは、前記したステータコイル10の中心がロータの回転軸A上に位置するように支持するための部材であり、ベース部材50は、ステータコイル10の内周側を、リング部材60はステータコイル10の外周側を支持する部材である。
この係止部51は、第1コイルピース12の被係止部16および第2コイルピース13の被係止部22の幅と同じ幅を有しており、この係止部51に第1コイルピース12の被係止部16および第2コイルピース13の被係止部22が挿入されて、ベース部材50は第1コイルピース12と第2コイルピース13とを支持することができる。
なお、ベース部材50は、係止する第1コイルピース12、第2コイルピース13同士を電気的に接続することを回避するため、ポリフェニレンスルファイド(Polyphenylenesulfide)、ガラス繊維強化プラスチック(Glass Fiber Reinforce Plastics)等の絶縁材料により形成されている。
なお、リング部材60は、ステータコイル10を保持する観点から剛性が高いほうが好ましく、ステンレス鋼、アルミ系合金から形成されることが好ましい。
まず、U相、V相、W相のそれぞれを構成するステータコイル10の順方向における給電端子接続部20eに図示しないバスバーを介して、図示しない制御部を有するインバータに接続する。一方で、図示しないインバータに接続した他端側であるU相、V相、W相のそれぞれを構成するステータコイル10の逆方向における給電端子接続部20eは、接地接続する。
そして、図示しないロータを回転駆動させる場合、制御部がロータに備え付けられた永久磁石に対応するU相、V相、W相のいずれかに交流信号を送信するように、図示しないインバータの制御を行う。
ここで、ロータに備え付けられた永久磁石に対応する相が、U相の場合、インバータはU相を構成するステータコイル10aの交流信号を送る。
そして、U層を構成するU相を構成するステータコイル10aは、送られた交流信号に対応して励磁し、中間部14a、15a、21aを回転軸として周回する磁界を生じる。
また、中間部14a、15a、21aから生じた磁界により、ロータの回転軸Aの周方向を向いて備え付けられた永久磁石が反発力を受け、ロータは回転する。
また、つぎに、制御部は、ロータに備え付けられた永久磁石にV相に対して、交流信号を送信するようインバータを制御する。そして、V相を構成するステータコイルが励磁して磁力を発生し、ロータは駆動力を与えられて駆動することとなる。
このようにU相、V相、W相を順次励磁させることにより、ロータは回転し続けることが可能となる。
導電性部材141に形成された溝部141aは、下層コイルピース部14と上層コイルピース部15の接合部14d、15dが嵌合可能な程度の幅の溝幅であって、下層コイルピース部14と上層コイルピース部15の接合部14d、15dを嵌合させて、下層コイルピース部14と上層コイルピース部15とを接続する。これによれば、溝部141aが下層コイルピース部14と上層コイルピース部15を両面から挟持しているため、下層コイルピース部14と上層コイルピース部15が離隔することによる接触不良を回避することができる。
これによって、下層コイルピース部14と上層コイルピース部15の接合部14d、15dと導電性部材141の接触圧を高めることができ、接触面積の確保および接触抵抗を低減することができる。
絶縁性部材143は、下層コイルピース部14と上層コイルピース部15を接続する導電性部材141と、隣り合う導電性部材141との間に挿入された場合に、導電性部材141とそれに隣り合う導電性部材141をロータの回転軸Aの周方向に押圧できる程度の幅を有している。
なお、接続端子140Bを用いる場合において、導電性部材141がリング部材60と当接するおそれがあるため、このような場合においては、導電性部材141の外周面側に絶縁被服処理を行う。
この第2コイルピース113によれば、第2コイルピース113の給電端子接続部120eがステータ1のロータの回転軸A方向でなく、ステータ1の外周側に突出する。
よって、給電端子接続部120eは、ステータコイル10と、これに対向配置される図示しないロータとの間に介在しないため、給電端子接続部120eに流れることによって、ステータコイル10から生じる磁場を乱すおそれを軽減することができる。
10 ステータコイル
10a U相を構成するステータコイル
11 コイルピース
12 第1コイルピース
13 第2コイルピース
14、20 下層コイルピース部
14a、15a、20a、21a 中間部
14b、15b、20b、21b 第1曲折部
14c、15c、20c、21c 第2曲折部
14d、15d、21d 接合部
15、21 上層コイルピース部
16、22 被係止部
17、18 導電性板部材
17a、18a 延出部
17b、18b 隙間部
18c 丸穴
20e 給電端子接続部
40、140A、140B 接続端子
41 接続部材
42 絶縁性部材
50 ベース部材
51 係止部
60 リング部材
141 導電性部材
141a 溝部
142、143 絶縁性部材
142a 突出部
Claims (6)
- ロータを回転させるアキシャルギャップ型回転電動機のステータに備え付けられるステータコイルであって、
導電体であって、前記ステータに設けられるベース部材に一端側を係止される複数のコイルピースと、
前記ベース部材に一端側を係止された複数のコイルピース同士の他端側を接続する複数の接続端子と、を備え、
前記コイルピースは、前記コイルピースの一端側に位置して前記ベース部材に係止される被係止部と、前記被係止部の一側から前記コイルピースの他端側に延出する一対の延出部を、前記ロータの回転軸の周方向に開脚するように折り曲げられて形成された上層コイルピース部および下層コイルピース部とを有し、
前記上層コイルピース部および下層コイルピース部は、前記被係止部の一側から曲折して延びる第1曲折部と、前記第1曲折部から所定の角度を有する長尺状の中間部と、前記中間部から所定の角度を有するように曲折して延びる第2曲折部とを有する所定の形状であって、
前記複数のコイルピースは、前記ベース部材に係止されて、前記ロータの回転軸の周方向に配列され、
前記ロータの回転軸の周方向に隣り合う二体の前記コイルピースは、一のコイルピースの前記上層コイルピース部の他端側と、他のコイルピースの前記下層コイルピース部の他端側とが、前記ロータの回転軸方向で重なっており、
前記接続端子は、前記一のコイルピースの前記上層コイルピース部の他端側と他のコイルピースの前記下層コイルピース部の他端側とを、電気的に接続してコイルループを形成することを特徴とするステータコイル。 - 前記複数のコイルピースは、第1コイルピースと第2コイルピースとからなり、
前記第1コイルピースは、前記上層コイルピース部および下層コイルピース部の他端側に、前記第2曲折部の端部から所定の角度を有するように曲折して延びる接合部を有し、
前記第2コイルピースは、前記上層コイルピース部または下層コイルピース部のいずれか一方の他端側に、前記第2曲折部の端部から所定の角度を有して曲折して延びる接合部を有し、前記上層コイルピース部または下層コイルピース部のいずれか他方の他端側に、前記第2曲折部の端部から所定の角度を有して曲折して延びる給電端子接続部とを有することを特徴とする請求項1に記載のステータコイル。 - 前記接続端子は、
前記ロータの回転軸方向に延出して、一端面側で、前記一のコイルピースの前記上層コイルピース部の他端側と他のコイルピースの前記下層コイルピース部の他端側とに当接する導電性材料の接続部材と、
前記接続部材の他端面側に介在する非導電性材料の絶縁部材と、を有することを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載のステータコイル。 - 前記接続端子は、平面部を有する平面板状の導電性材料からなる接続部材を有し、
前記平面部は、前記一のコイルピースの前記上層コイルピース部の他端側と他のコイルピースの前記下層コイルピース部の他端側とに当接して、前記上層コイルピース部の他端側と前記下層コイルピース部の他端側とを電気的に接続することを特徴とする請求項1に記載のステータコイル。 - 前記接続端子は、溝部が形成された導電性材料からなる接続部材と、突出部を有する絶縁性材料からなる絶縁部材とからなり、
前記接続部材は、前記溝部を、前記一のコイルピースの前記上層コイルピース部の他端側と他のコイルピースの前記下層コイルピース部の他端側とに嵌合して、前記一のコイルピースの前記上層コイルピース部の他端側と他のコイルピースの前記下層コイルピース部の他端側とを電気的に接続することを特徴とする請求項1に記載のステータコイル。 - 前記接続端子は、前記一のコイルピースの前記上層コイルピース部の他端側と他のコイルピースの前記下層コイルピース部の他端側とを接続した場合に、隣り合う接続端子を前記ロータの回転軸の周方向に押圧することを特徴とする請求項4または請求項5に記載のステータコイル。
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