JP5215700B2 - コネクタ - Google Patents

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Description

本発明は、例えばフレキシブルプリント回路(FPC)やフレキシブルフラットケーブル(FFC)等を接続するためのコネクタに関するものである。
従来、この種のコネクタとしては、FPCまたはFFCからなる接続対象物を所定位置に挿入可能なコネクタ本体と、コネクタ本体に挿入された接続対象物と電気的に接触する複数の端子と、コネクタ本体に回動自在に設けられた回動部材とを備え、回動部材を所定位置まで回動した状態で接続対象物をコネクタ本体に挿入した後、回動部材を他の所定位置まで回動することにより、回動部材によって接続対象物を各端子に押圧するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、前記コネクタでは、接続対象物をコネクタ本体に挿入した後、回動部材によって接続対象物が各端子に押圧されるまでは接続対象物が保持されていないため、接続対象物が抜けないように手で押さえながら回動部材を操作しなければならず、作業性に劣るという問題がある。そこで、接続対象物の幅方向両側に設けられた切り欠き部に係合可能な係合部を有する仮保持部材を設け、接続対象物をコネクタ本体に挿入すると、仮保持部材の弾性変形により係合部が接続対象物の先端と切り欠き部との間を乗り越えて切り欠き部に係合し、仮保持部材によって接続対象物の反挿入方向への移動を規制するようにしたものが知られている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2007−280785号公報 特開2004−165046号公報
ところで、前記コネクタにおいては、接続対象物をコネクタ本体に挿入した後、回動部材によって接続対象物を各端子に押圧した状態でも、接続対象物は各端子の弾性力によって保持されているにすぎないため、接続対象物に反挿入方向への力が加わると、接続対象物がコネクタ本体から抜けたり、位置ずれを生じたりするおそれがあった。この場合、接続対象物の切り欠き部には仮保持部材の係合部が係合しているが、この係合状態は仮保持部材の弾性力のみで保持されているため、接続対象物の反挿入方向への引き抜きを確実に防止することはできなかった。
本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、接続対象物を挿入時に仮保持することができるとともに、接続後も接続対象物の引き抜きを確実に防止することのできるコネクタを提供することにある。
本発明は、前記目的を達成するために、接続対象物を所定位置に挿入可能なコネクタ本体と、コネクタ本体に挿入された接続対象物と接触する複数の端子と、接続対象物に設けられた切り欠き部に係合可能な係合部を有する仮保持部材と、コネクタ本体に回動自在に設けられた回動部材とを備え、回動部材を所定位置まで回動した状態で接続対象物をコネクタ本体に挿入すると、仮保持部材に設けられた可動片部の弾性変形により係合部が接続対象物の先端と切り欠き部との間を乗り越えて切り欠き部に係合するようにしたコネクタにおいて、前記回動部材を他の所定位置まで回動すると、回動部材が仮保持部材の係合部に当接して係合部の係合解除方向への移動を規制するように構成している。
これにより、回動部材を所定位置まで回動した状態で接続対象物をコネクタ本体に挿入すると、仮保持部材の係合部が接続対象物の切り欠き部に係合し、回動部材を他の所定位置まで回動すると、回動部材が仮保持部材の係合部に当接し、係合部の係合解除方向への移動が規制されることから、接続対象物を挿入時に仮保持することができるとともに、回動部材を他の所定位置まで回動した後は、接続対象物に引き抜き方向への力が加わっても、仮保持部材と接続対象物との係合が解除されることがない。
本発明によれば、接続対象物を挿入時に仮保持することができるとともに、接続後に接続対象物に引き抜き方向への力が加わっても、仮保持部材と接続対象物との係合が解除されることがないので、接続対象物の反挿入方向への引き抜きを確実に防止することができる。
図1乃至図11は本発明の一実施形態を示すもので、図1はコネクタの全体斜視図、図2はフレキシブル回路の部分正面図、図3はコネクタを仮保持部材の部分で破断した斜視図、図4はコネクタを端子の部分で破断した斜視図、図5乃至図8はコネクタを仮保持部材の部分で破断した側面断面図、図9乃至図11はコネクタを端子の部分で破断した側面断面図である。
このコネクタは、接続対象物としてのフレキシブル回路1の先端側が挿入されるコネクタ本体10と、コネクタ本体10内に互いに幅方向に等間隔で配列された複数の端子20と、コネクタ本体10に回動自在に設けられた回動部材30と、コネクタ本体10に挿入されたフレキシブル回路1に係合する一対の仮保持部材40とから構成されている。
フレキシブル回路1は、いわゆるフレキシブルフラットケーブル(FFC)またはフレキシブルプリント回路(FPC)からなり、その先端側の一方の面(正面側)には複数の導電部1aが互いに幅方向に間隔をおいて設けられている。また、フレキシブル回路1の幅方向両側にはそれぞれ切り欠き部1bが設けられている。
コネクタ本体10は合成樹脂の成形品からなり、その上面にフレキシブル回路1が挿入されるように形成されている。コネクタ本体10は、上面部11、前面部12、背面部13及び側面部14を有し、前面部12の上部は回動部材30を配置するために開口している。また、上面部11にはフレキシブル回路1を挿入するための挿入口11aが設けられ、背面部13には各端子20を保持するための端子保持孔13aが設けられている。
各端子20は導電性の金属板からなり、コネクタ本体10内にそれぞれ底面側から圧入することによって保持されている。端子20は、フレキシブル回路1に接触する弾性片部21と、回動部材30を支持する支持片部22と、コネクタ本体10に固定される固定片部23とからなる。弾性片部21は端子20の下端側から上方に延びるとともに、後方にU字状に屈曲して下方に向かって延びるように形成され、その先端側には後方に向かって突出する接触部21aが設けられている。支持片部22は端子20の下端側から上方に延びるように形成され、その上端側には後方に向かって突出する突出部22aが設けられている。固定片部23は端子20の下端側から上方に延びるように形成され、コネクタ本体10の端子保持孔13aに圧入されることにより、端子20をコネクタ本体10に固定するようになっている。また、端子20の下端には図示しない外部の基板に接続される接続部24が設けられ、接続部24は各端子20の前方と後方に端子配列方向の一つおきに交互に配置されるように形成されている。
回動部材30は合成樹脂の成形品からなり、コネクタ本体10の前面側上部に配置されている。回動部材30の一端側には断面略楕円形状の回動支点部31が設けられ、回動支点部31は端子20の支持片部22によって回動自在に支持されている。この場合、回動支点部31は支持片部22の突出部22aに載置されるように支持され、回動部材30を所定の上方回動位置から所定の下方回動位置まで回動すると、回動支点部31が端子20の弾性片部21側に突出し、回動支点部31によって弾性片部21が後方に押圧されるようになっている。また、回動部材30の幅方向両端には仮保持部材40に当接する当接部32が設けられ、回動部材30を所定の上方回動位置から所定の下方回動位置まで回動すると、当接部32が仮保持部材40に当接するようになっている。
各仮保持部材40は金属板からなり、コネクタ本体10内にそれぞれ底面側から圧入することにより、コネクタ本体10の幅方向両側にそれぞれ保持されている。仮保持部材40は上方に延びる弾性変形可能な可動片部41を有し、可動片部41の上端にはフレキシブル回路1の切り欠き部1bに係合する係合部41aが設けられている。係合部41aの後端側は後方に向かって突出するように形成され、その上端から下方に向かって斜め後方に傾斜するように形成されている。係合部41aの前端側は前方に向かって突出するように形成され、回動部材30の当接部32が当接するようになっている。また、仮保持部材40の下端には前後一対の固定部42が設けられ、各固定部42を図示しない外部の基板に半田付けすることにより、仮保持部材40が基板に固定されるようになっている。
以上のように構成されたコネクタにおいては、図5に示すように回動部材30を所定の上方回動位置に回動した状態でコネクタ本体10の挿入口11aにフレキシブル回路1の先端側を上方から挿入すると、図6に示すようにフレキシブル回路1の先端が仮保持部材40の係合部41aの後端側傾斜面に当接し、係合部41aが可動片部41の弾性変形によりフレキシブル回路1の先端と切り欠き部1bとの間に乗り上げる。この後、更にフレキシブル回路1を挿入すると、図7に示すように係合部41aがフレキシブル回路1の先端と切り欠き部1bとの間を乗り越えるとともに、可動片部41が復元して係合部41aが切り欠き部1b内に嵌合し、フレキシブル回路1が仮保持部材40によって仮保持される。次に、図8に示すように回動部材30を前記上方回動位置から所定の下方回動位置まで90゜回動すると、回動部材30の当接部32が仮保持部材40の係合部41aの前端側に当接し、当接部32によって係合部41aの係合解除方向への移動が規制される。
また、前述のように回動部材30を所定の上方回動位置に回動した状態でコネクタ本体10の挿入口11aにフレキシブル回路1の先端側を挿入すると、図10に示すように各端子20はフレキシブル回路1との接触による弾性変形を生じないため、挿入抵抗を生ずることなくフレキシブル回路1が仮保持部材40との係合位置まで挿入される。この後、図11に示すように回動部材30を前記上方回動位置から前記下方回動位置まで回動すると、回動部材30の回動支点部31によって端子20の弾性片部21がフレキシブル回路1側に押圧され、弾性片部21の接触部21aがフレキシブル回路1に圧接する。
このように、本実施形態のコネクタによれば、回動部材30を所定の上方回動位置まで回動した状態でフレキシブル回路1をコネクタ本体10に挿入すると、仮保持部材40の係合部41aがフレキシブル回路1の切り欠き部1bに係合し、回動部材40を所定の下方回動位置まで回動すると、回動部材30が仮保持部材40の係合部41aに当接して係合部41aの係合解除方向への移動を規制するようにしたので、フレキシブル回路1を挿入時に仮保持することができるとともに、回動部材30を下方回動位置まで回動した後は、フレキシブル回路1に引き抜き方向への力が加わっても、仮保持部材40とフレキシブル回路1との係合が解除されることがないので、フレキシブル回路1の反挿入方向への引き抜きを確実に防止することができる。
また、フレキシブル回路1の挿入時に仮保持部材40の係合部41aがフレキシブル回路1の切り欠き部1bに係合する際、フレキシブル回路1の先端と切り欠き部1bとの間を仮保持部材40の弾性変形により係合部41aが乗り越えた後、仮保持部材40が復元しながら係合部41aが切り欠き部1bに嵌合するので、係合部41aが切り欠き部1bに嵌合した際の音と感触の発生により、フレキシブル回路1をコネクタ本体10内の所定位置まで挿入したことを容易に判断することができ、フレキシブル回路1の挿入不足による接続不良を確実に防止することができる。
更に、仮保持部材40に外部の基板に固定可能な固定部42を設けたので、コネクタ本体10を基板に確実に固定することができるとともに、基板固定用の部材を別途設ける必要がないので、部品点数を少なくすることができる。
本発明の一実施形態を示すコネクタの全体斜視図 フレキシブル回路の部分正面図 コネクタを仮保持部材の部分で破断した斜視図 コネクタを端子の部分で破断した斜視図 コネクタを仮保持部材の部分で破断した側面断面図 コネクタを仮保持部材の部分で破断した側面断面図 コネクタを仮保持部材の部分で破断した側面断面図 コネクタを仮保持部材の部分で破断した側面断面図 コネクタを端子の部分で破断した側面断面図 コネクタを端子の部分で破断した側面断面図 コネクタを端子の部分で破断した側面断面図
符号の説明
1…フレキシブル回路、1b…切り欠き部、10…コネクタ本体、20…端子、30…回動部材、31…当接部、40…仮保持部材、41a…係合部、42…固定部。

Claims (3)

  1. 接続対象物を所定位置に挿入可能なコネクタ本体と、コネクタ本体に挿入された接続対象物と接触する複数の端子と、接続対象物に設けられた切り欠き部に係合可能な係合部を有する仮保持部材と、コネクタ本体に回動自在に設けられた回動部材とを備え、回動部材を所定位置まで回動した状態で接続対象物をコネクタ本体に挿入すると、仮保持部材に設けられた可動片部の弾性変形により係合部が接続対象物の先端と切り欠き部との間を乗り越えて切り欠き部に係合するようにしたコネクタにおいて、
    前記回動部材を他の所定位置まで回動すると、回動部材が仮保持部材の係合部に当接して係合部の係合解除方向への移動を規制するように構成した
    ことを特徴とするコネクタ。
  2. 前記仮保持部材に外部の基板に固定可能な固定部を設けた
    ことを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
  3. 前記回動部材を前記他の所定位置まで回動すると、回動部材によって各端子が押圧されて各端子が接続対象物に圧接するように構成した
    ことを特徴とする請求項1または2記載のコネクタ。
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